公開：1935
監督：David Butler
地域：ケンタッキー州
出演：Shirley Temple、Lionel Barrymore、Evelyn Venable、Bill "Bojangles" Robinson、Hattie McDaniel ほか
範疇：原作もの／ドラマ／ファミリー／祖父と孫娘／南軍と北軍

私の評価 ：☆

【Part 1】

名子役Shirley Temple（シャーリィ・テンプル）がいくつか主演した“南部もの”の一つ。舞台となるケンタッキー州は厳密には南部には入りませんが、元南軍大佐と"Southern Bell"（南部の令嬢）であるその娘、黒人の執事や召使…と、南部らしいお膳立てが揃っていますので、是非この“全集”に含めたいと思います。

南北戦争後の1870年代、ケンタッキー州。元南軍大佐でプランテーション・オーナーのLionel Barrymore（ライオネル・バリモア）には花の盛りの愛しい娘Evelyn Venable（イヴリン・ヴェナブル）がいた。ある夜、娘はこっそり家出しようとした。こともあろうにヤンキーの青年John Lodge（ジョン・ロッジ）と駆け落ちしようとしているのだった。Lionel Barrymoreは「そのドアを出たが最後、お前の為には二度と開かぬぞ！」と警告する。しかし、愛し合う二人は決然と去る。

数年後、西部の辺境。駆け落ちして以来、夫婦は一人娘と三人で暮らしていた。幼い娘Shirley Templeは駐屯している騎兵隊のマスコットだった。今日は夫を残して母娘が故郷へ戻る日とあって、騎兵隊の隊長はShirley Templeを名誉大佐に任命する。一同に見送られて二人は駅馬車で去る。

母娘はLionel Barrymoreの土地に近い廃家に住むことになる。昔からの召使Hattie McDaniel（ハティ・マクダニエル）が世話してくれることになった。「隣人が出来たなら、挨拶に行かねば…」とLionel Barrymoreが花束を抱えて訪れるが、隣人とは勘当した娘だったと分ると物も云わずに花束を投げ捨てて去る。

その頃、西部では夫John Lodgeがイカサマ師二人組に「金（きん）が出る土地を買わないか？」と勧められ、つい買うことにしてしまう。騙されたことに気付き、John Lodgeは妻子のもとへ帰って来るが、熱病にかかっていた。

Shirley Templeは父の病気が伝染（うつ）らぬよう祖父Lionel Barrymoreの家に隔離され、次第にLionel Barrymoreのお気に入りとなる。彼の黒人の執事Bill "Bojangles" Robinson（ビル“ボージャングルズ”ロビンスン）とも仲良しとなり、一緒にタップ・ダンスを楽しむ。

ユニオン・パシフィック鉄道の代理人がやって来て、John Lodgeの土地を高額で譲り受けたいと申し出る。彼の病気も快方に向かい、万事めでたしかと思われたその時、イカサマ師二人組がピストル片手に乗り込んで来て「土地の証書を渡せ！」と凄む…。

Lionel Barrymoreは、現在の人気女優Drew Barrymore（ドリュー・バリモア）のお祖父さんの兄弟（大伯父）です。召使を演じるHattie McDanielは、この映画の四年後に'Gone With the Wind'『風と共に去りぬ』(1939)で、全く似たような召使役を演じてアカデミー助演女優賞を獲得しました（黒人として初の受賞）。彼女は一体何度このような召使を演じたのでしょうか？

執事役のBill Robinsonはタップ・ダンス、特に階段で踊るタップ・ダンスの名手で、ニックネームを"Bojangles"（ボージャングルズ）と云います。Sammy Davis Jr.（サミィ・デイヴィス・ジュニア）の歌"Mr. Bojangles"は、このBill Robinsonを素材にしたものです。この後、Bill "Bojangles" Robinsonはいくつかの映画でShirley Templeと共演し、どれもが彼の素晴らしい踊りをフィーチャーしています。

Shirley Templeは“後にも先にも名子役ナンバーワン”と云われるだけあって、その表情や踊りはなかなかの見ものです。台詞をハッキリ喋ることを仕込まれているせいか、ちょっとその口調が固いような気がしますが、大人顔負けの身振りや表情がそれを補っています。

オリジナルの白黒で観たのですが、大団円だけはテクニカラーになっていました。

(April 25, 2003)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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