公開：1995
監督：Arne Glimcher
地域：フロリダ州
出演：Sean Connery、 Laurence Fishburne、Kate Capshaw、Blair Underwood、Ed Harris、Ned Beattyほか
範疇：原作もの／ミステリ／スリラー

私の評価 ：☆

【Part 1】

1986年、フロリダ州エバーグレイズ国立公園近くの片田舎。黒人青年Blair Underwood（ブレア・アンダーウッド）が、11歳の少女の強姦殺人容疑で逮捕される。地元警官の暴行を受け、彼は自白供述を行い死刑囚となった。

8年後、ボストンのハーヴァード大学のフォーラム会場へ、Blair Underwoodの祖母が法学教授Sean Connery（ショーン・コネリー）を訪ねて来る。フォーラム終了後、祖母は孫息子がSean Conneryに宛てた手紙を渡す。冤罪で死刑執行間近である青年の必死の「助けてくれ」というメッセージだった。Sean Conneryは「彼に必要なのは弁護士だ。私は教師に過ぎない」と断ろうとするが、彼の妻が「助けるべきだ」というので考えを変える。

マイアミ。妻の父は新聞社の社長だった。彼のはからいで過去の資料をチェックする。刑務所に青年Blair Underwoodを訪ねる。彼は警官の一人Laurence Fishburne（ローレンス・フィッシュバーン）からラッシャン・ルーレットで脅され、22時間休憩無しの尋問を受け、自白を強制されたと語る。

当時の警官たちは刑事に昇格していた。Laurence Fishburneが殺人現場に案内する。そこはThe Everglades（エヴァーグレイズ）国立公園の一部の湿地で、ワニが潜んでいるようなところだった。Sean Conneryは当時の検屍担当医とも話すが、どこにも物的証拠がなく、自白だけで有罪とされたことに気付く。

ある日、青年Blair Underwoodは「やったのはクレイジーな殺人狂だ。奴の告白を聞いた」と云う。その殺人狂とは同じ刑務所にいる死刑囚Ed Harris（エド・ハリス）だった。早速、Sean Conneryは面会を求める。Ed Harrisは狂気じみたお喋りでSean Conneryをうんざりさせるが、「少女を殺したナイフは現場近くに隠した。ヒントは聖書の第11章第1節だ」と謎めいたことを口走る。

Sean Conneryは現場に飛ぶ。Laurence Fishburneが彼を追う。もしナイフが見つかればEd Harrisが真犯人となり、青年Blair Underwoodの無実が証明されるのだが…。

私はNHKハイヴィジョン放送のための「世界の国立公園〜エバーグレーズ国立公園」(1999）という40分番組を撮影したことがあります。一見淀んだ湿地帯に見えるThe Everglades（エヴァーグレイズ）国立公園が、実は人間の目には流れているように見えない広大な川であることを知りました。アリゲーター、クロコダイルという二種類の鰐もふんだんに撮影しました。しかし、鰐がいるところは限られており、この映画のように車から下りるとすぐ鰐がいるというところはあまりありません。

Sean Conneryは学者なので、レッドネックの刑事たちの暴力をはねかえすことは出来ませんが、頭脳で彼らの先を行く行動をします。冷静だが、時に子供っぽく喜んだりする個性をうまく表現しています。

Laurence Fishburneは粗っぽい刑事ですが、事実究明の為には助力を惜しまないという、いい役です。しかし脚本の描き方が混然としているので、どう解釈していいか分らない個性でもあります。

特筆すべきは殺人狂を演ずるEd Harrisです。最初の登場では頭の裾を剃り上げて、禿＋おかっぱ風。二回目は死刑執行直前でツルツル頭。眉が見えず、色白の顔で白目を剥くという、非常に薄気味の悪い顔立ちです。演技の緩急も良く、どちらも見応えのある場面となりました。この死刑囚は房内で大きなキャンバスに絵を描いています。後の'Pollock'（未）(2000)を想起させます。

(May 17, 2003)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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