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公開:1997
監督:Robert Duvall
出演:Robert Duvall、Farrah Fawcett、Billy Bob Thornton、John Beasleyほか
範疇:ドラマ/宗教
私の評価 :☆1/2
【Part 1】
Robert Duvall(ロバート・デュバル)による製作、脚本、監督、主演のワン・マン映画。
テキサス州。少年時代のRobert Duvallは、黒人の婆やに黒人が多い教会に連れて行かれて育つ。ペンティコースタル派と呼ばれる、精霊の直接の感応を説き、宗教的興奮を誘う言葉を多用する一派である。彼は、長じては自らペンティコースタルの牧師として活躍するようになる。
しかし、彼には弱点があった。女好きということと、カッとなって暴力をふるうこと。母にとってはいい息子であり、子供達にはいい父だが、妻Farrah Fawcett(ファラ・フォーセット)は離婚を希望し、すでにボーイ・フレンドまで作っていた。教会のピアニストでもある妻を恫喝したことから、彼は教会から追い出されてしまう。
妻子に会おうとした彼を妻のボーイ・フレンドが妨げたことに逆上し、Robert Duvallはその男をバットで殴り殺してしまう。母親に別れを云う暇も無く、彼は逃走する。途中から車も捨て、徒歩やバスでルイジアナ州を目指す。
ニューオーリンズ近くの鄙びた町に着いた彼は、自ら「アポッスル」と称し、閉ざされていた小さな教会をリニューアル・オープンする(「アポッスル」には色々な意味がありますが、ここでは「ある地域における最初の伝道者」に該当します。教会が無かった(閉ざされていた)所で伝道を始めるわけですから、「アポッスル」には違い無いのです)。彼はごく一握りの信徒から始め、次第に地元の人気牧師となって行く…。
私の町にも黒人の教会が沢山あり、俗に「ゴスペル・チャーチ」と呼ばれています。“ゴスペル”は「福音」を指す言葉で、即ゴスペル・ソングを意味するわけではありませんが、黒人の教会の音楽はヨーロッパ経由の音楽とは無縁で、黒人霊歌とジャズにも応用されたワークソングの系統で構成されています。私が覗いた黒人教会は、この映画に出て来るどの教会よりも大きく400人は入れる規模、説教のスタイルはこの映画とほぼ同じで、同一フレーズを繰り返し、次第に会衆を興奮させて行きます。
キリスト教には"Minister"と"Pastor"という職があります。どちらも英和辞典では「牧師」となっていますが、聞くところによれば"Pastor"は教会に所属した牧師であり、"Minister"(="Preacher")は教会に属さない牧師(説教師)だそうです。この映画の牧師は"Pastor"になります。
Robert Duvallは喋り詰めの熱狂的牧師を熱演しています。ほぼ、本物に近い出来。カソリックが圧倒的な日本では、こういう一派の礼拝風景はほぼ見られないと思います。一見の価値ありです。
(March 21, 2001)
Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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