[English] [Japanese Home] [Studio BE] [America Offline] [公民権運動] [英語の冒険] [Golf] [Hummingbird]



[Banner]



Live and Let Die

『007/死ぬのは奴らだ』

[Video]


・原題をクリックするとamazon.comのInternet Movie Databaseの詳細データが見られます。邦題をクリックすると「allcinema」のデータが見られます。

・Part 2は普段は隠れていて、クリックするとJavaScriptによるウィンドウにて表示されます。取り扱いには十分お気をつけ下さい。

公開:1973
監督:Guy Hamilton
地域:ルイジアナ州
出演:Roger Moore、Yaphet Kotto、Jane Seymour、Clifton James、Julius Harrisほか
範疇:原作もの/アクション/アドヴェンチャー/ロマンス

私の評価 :☆

【Part 1】

Roger Moore(ロジャー・ムーア)を三代目のジェームズ・ボンドに起用して製作された、007シリーズ八本目の作品。実は配給会社のUnited Artistsはアメリカ人のボンドを希望し、Burt Reynolds(バート・レイノルズ)、Paul Newman(ポール・ニューマン)、Robert Redford(ロバート・レッドフォード)などの名が挙げられたそうですが、プロデューサーAlbert R. Broccoli(アルバート・A・ブロッコリ)は「ボンドはイギリス人でなければいけない」と頑なで、それでRoger Mooreになったのだそうです。多分、ナイトの称号を貰う下心でもあったのではないでしょうか?

余談ですが(始まったばかりで余談というのも妙ですが)、Albert R. Broccoliのイタリア人の先祖はカリフラワーと緑野菜を交配して新種の野菜を作り、それがブロッコリになったのだそうです。で、移民の息子のこのAlbert R. Broccoliもしばらくはアメリカのブロッコリ農園で働いたそうですが、ハリウッド経由でイギリスに渡り、映画プロデューサーとして大成したのでした。

[the South]

ニュー・ヨークの国連会議場とニュー・オーリンズ、カリブ海のサン・モニク島など三つの場所で、イギリスの要人やスパイが同時期に殺される。その裏にはYaphet Kotto(ヤフェット・コットー)演ずるサン・モニク出身の大物黒人Kananga(カナンガ)が暗躍しているのは明らかだった。英国諜報部はRoger Moore演ずる殺しのライセンスNo.007のJames Bond(ジェームズ・ボンド)に出動を命ずる。

Bondがニュー・ヨークに到着するや否や、早くも彼を亡き者にしようとKanangaの手が延びて来る。BondはCIAの助けでKanangaを追跡する。ニュー・ヨーク市内のKanangaの根城であるクラブ'Fillet of Soul'にBondが入って行くと、Jane Seymour(ジェーン・シーモア)演ずるSolitaire(ソリテア)がいてTarot(タロー)占いをしていた。彼女はKanangaの情婦であり、Tarot占いでKanangaの事業(?)を助けているのだった。

Bondはカリブ諸島の一つサン・モニク島に渡る。浴室で蛇の攻撃にあったり、早くも正体がバレているようだ。銃を持った黒人の若い娘も敵の回し者かと思ったら、これはCIAが派遣してくれた助っ人だった。翌日、黒人の娘とSolitaireが住む島を訪れる。島の中のあちこちに不気味な案山子が立っている。黒人娘は案山子から発射された銃弾で死ぬ。Bondは夜を待ち、上空から大邸宅に侵入する。

物音で目覚めたSolitaireは、Bondが自分のカードでTarot占いをしているのを見つけて咎める。Bondは「あんたはTarot占いを信じているんだろう?一枚引いたらどうかね」と誘い、男女が愛し合っているカードを引かせて、いとも簡単にSolitaireを陥落する。翌朝、Bondは付近の野山に巧妙に隠された麻薬の畑を発見する。Kanangaは「Bondを殺せ!」と命じ、ヘリコプターや島の警官たちが追う。

追っ手を切り抜けたSolitaireとBondはニュー・オーリンズに入る。すぐKanangaの手先の攻撃があり、二人は離ればなれになる。ここにもクラブ'Fillet of Soul'があった。Bondが恐れげもなく入って行くと…。

この映画のハイライトは水陸両方を走り廻るモーター・ボートと、それを追うルイジアナ州のシェリフG.W. Pepper(ペパー)です。噛み煙草をクチャクチャやってペッペとツバを吐き、品の悪い南部訛りをがなり立てる、典型的なレッドネックです。'Smokey and the Bandit'『トランザム7000』の真似かと思ったら、『トランザム7000』が四年後にこの007を真似したようです。なお、ピンク・レディーの『ペッパー警部』は1976年で、この映画の三年後です。“シェリフ”は“警部”ではありませんが、名前だけでも影響はあったことでしょう。

もう一つはワニ園です。Bondはワニに取り囲まれて立ち往生します。南部(特にフロリダとルイジアナ)はワニの名所として有名で、湿地、沼地には沢山います。淡水に住むのがアリゲーターで獰猛、汽水域と呼ばれる淡水・海水が入り混じったところに住むのがシャイなクロコダイルです。この映画では両方が混ざって飼われているようですが、自然な環境とは云えません。

(April 02, 2002)




Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
なおIMDbはamazon.com、「allcinema ONLINE」は株式会社スティングレイの登録商標です。




Copyright ©  2001-2011   高野英二  (Studio BE)
Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.