Golf Tips Vol. 24

自分を騙す

「No.1の打ち出しはナーヴァスになるものだが、つい先程まで練習していた打ちっ放しにいると考える。100とか150の看板を想像する。これだとリラックスして打てる筈だ」というTipがあります。これは自己欺瞞の一つ。次は私が考えた自己欺瞞のいくつか。

札幌の下地さんは、「80を切った、その日」の中で「(視覚化を試みたラウンドで)池ポチャのイメージから逃れることが出来ず、その通りの結果になった」とお書きになっています。確かに池越えの恐怖と重圧は強烈です。

では、池ポチャのイメージを受け入れてしまったらどうでしょうか。ティー・ショットの前の素振りで、一打目は池に入ったと想像する。口惜しい思いを噛みしめながらボールをセットし(1ペナ払った後の三打目のつもり)、「今度はしっかり打って、無事に向こう岸へ送り届けるぞ」と決意する。テニスの安全サーヴみたいに。通常、力が抜けた二打目(1ペナを加えると三打目)は自分も驚くほど飛んだりします。「最初からこう打てば良かったんだよなあ」といつも思います。自分をうまく騙しおおせれば、一打目でそのいい軌道が得られるわけです。完全に自分を騙し切ってしまって、スコアまで間違えないようにしたいものです:-)。

入ればパー、入ればバーディー、入れば30台…こういうパットはコチコチになってしまい、得てしてもの凄くショートするか、粗っぽくオーヴァーしがちです。

そう頻繁に使えるわけではありませんが、絶対有効なTipがあります。「入らなくても、入ったことにする」と心の中で宣言しながらアドレスしパットするのです(例えば既にOKされたボールを打つように)。勿論、OK圏外の長いパットの失敗を「入ったことにする」ことは出来ませんが、この宣言によって心理的プレッシャーが取り除かれるのは間違いなく、多くの場合理想的なパットが可能になります。私の場合、いまのところ90%の成功率。いつも使うと御利益が無くなりそうなので、最小限の頻度で使っていますが。

'The Golf Secrets of The Big-Money Pros'
by Jerry Heard with Paul Dolman (The Hanford Press, 1992)

「誰しも、どうにも相性の悪いホールというのがある。かと思うと、様々な理由でいいスコアで廻れるホールもある。今度、嫌なホールをプレイする際、似たような距離の相性の良いホールをプレイしている振りをすることだ。別なホールを詳細に視覚化すればするほどうまく行く。

あるトーナメントでJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)とペアになった。彼は御存知のようにフェード打ちだ。Par 4のあるホール、風は左から右へ吹いていて、右にオーヴァーすると大木が待ち構えていた。ドローが必要だったが、当時Jackはドローをコントロールするのに悩んでいた。彼がどうしたかというと、彼は風は右から左へ吹いていると自分の心に確信させ(フェードに最適の状況)、やや左を狙って最高のティー・ショットを放った。彼は現実のコンディションを心の中でより快適なコンディションに変え、それで自分の強味を活かせるようにしたのだ」

(July 09, 1999)


The Majors(ザ・メイジャーズ)

'The Majors'
by John Feinstein (Little, Brown and Company, 1999, $25.00)

"BPNTHWAM"という言葉があるそうで、"Best Player Never To Have Won A Major"(メイジャー優勝経験の無いベスト・プレイヤー)だそうです。この本は主に"BPNTHWAM"の男たちの物語です。

John Feinstein(ジョン・ファインスタイン)は'Whashington Post'のスポーツ欄や'Golf Magazine'に連載頁を持っているスポーツ・ライターです。彼のゴルフ本としては'Good Walk Spoiled'が長期ベストセラーだそうですが、読んでいませんでした。確か、“PGAツァーのロープの内側を赤裸々に描写した…”というような謳い文句だったと思います。しかし、誰がどうした、その時こうだったというような話が面白いだろうか?と思っていました。この'The Majors'も普通なら買ってみる気にならなかったでしょう。

'Golf Digest'(ゴルフ・ダイジェスト)や'Golf Magazine'(ゴルフ・マガジン)が時々やる趣向ですが、新刊本の一部を抜粋して載せることがあります。本の宣伝ですから稿料はタダ(多分)、しかも編集部としては埋め草が出来るので有難いのでしょう。そういう形で'Golf Magazine'に'The Majors'の一部が掲載されたのです。Payne Stewart(ペイン・スチュアート)が三日間リードして結局敗れた去年のU.S. Open、その舞台裏でホール・ロケーション(ピンの位置)を決めるUSGAの男たち数名の行動とその結果を描いた部分。これが面白かった。三日目のNo.18でのPayne Stewartの10フィートのパットは、カップを逸れた後ごろんごろんごろんごろんごろんごろんごろんごろん転がり、25フィートの超ロングな返しのパットになります。当然ですが計器を携帯し、銘々パターを持ってテストしたUSGAの男たちはこうなることを知っていました。しかし、彼等には四日間踏み荒らされない場所をホール・ロケーションにするという指命があるのに、極端に小さいグリーンのNo.18ではあの場所も候補にするしかなかった。もう一つ彼等の指命には、プレイヤー達にアンフェアであってはならないというのもあり、実はこの心配からあのホール・ロケーションは止めようという意見が出ていた。しかし、「グリーンを刈らないで遅くする。雨が降ればいいが、降らなくても朝晩水を撒けば相当遅くなる筈だ」という意見が勝ったのだそうです。実際にはカラカラ天気が続き、アンフェアの極という条件になり、USGAも非を認めることになりました。

いつもゴルフ本を物色しているAmazon.comはNew York Timesのベストセラー・リストに載っているものは50%引きの特価販売をしています。'The Majors'を調べたら、新刊・ハードカヴァー$25.00が、何と$12.50でした(紛れも無く半額)。ベストセラーじゃなくなると直ちに20%引き程度に落ちてしまいますので、「後悔しないように」という予防措置として購入しました。不純な動機です。

書名で明らかですが、昨年のMasters、U.S. Open、British Open、PGA Championshipの4つが、綿密な取材、インタヴューを元に再構成されています。私はTV中継は勿論The Golf Channelの長時間記者会見、Viewer's Forumまで、ほとんど全てを観ていた一年のメイジャー・トーナメントですから、それに何を付け加えることがあるのか?と疑問でした。いやあ、知らないことだらけでした。

Mastersの部は11章に分かれていて、Fred Couples(フレッド・カプルズ)の学生時代からの回想に始まり、彼の結婚生活と破綻、"King of Bs"(B級の王者)と呼ばれていたMark O'Meara(マーク・オメラ)の結婚と修行時代のツァー生活、Scott McCarron(スコット・マッキャロン)の野望、その他Brad Faxon(ブラッド・ファクソン)、Jay Haas(ジェイ・ハース)、Jim Furyk(ジム・フュリック)、David Duval(デイヴィッド・デュヴァル)などのそれぞれの個人史と、Mastersのある側面が並行して語られ、最後にトーナメント・リーダーFred Couplesの最終日No.13からの悲劇とMark O'Mearaの初メイジャー・タイトル獲得への劇的展開へと収斂して行きます。個人史によってそれぞれの執念が理解出来ると、TV中継では単純なメロディだけのようだったトーナメントが、オーケストラの演奏のように複雑かつ豊かな厚味を増して来ます。

Kenny Bakst(ケニイ・バクスト)は全米アマ中年の部チャンピオンでMasters初参加。。彼はJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)とArnold Palmer(アーノルド・パーマー)に、「一緒に練習ラウンドをさせて貰えないか?」と手紙を出します。どっちかはOKしてくれるかも知れないという予測でした。ところが、どちらからもOKが届き、どうやって片方を断わるかKenny Bakstは頭を抱えます。Palmerの補佐役に正直に打ち明け、どちらも断わらずにNicklaus、Palmerと一緒に廻るという夢のようなラウンドが成立します。どういう気持ちだったか想像出来ますね:-)。

U.S. Openの部は全米各地での地区予選、地域予選から始まります。67人の有資格者を除く参加希望者7,000人が、有名・無名に関わらずハードで激烈な数日間の闘いを強いられます。ここでは使用クラブをチェンジ以来数年スランプに苦しんでいたSteve Stricker(スティーヴ・ストリッカー)の予選通過と表舞台へのカムバックがハイライト。舞台がSan FranciscoのOlympic Clubに移り、上記USGAのホール・ロケーションの話、Payn Stewartの個人史などが紹介されます。最終日、Lee Janzen(リー・ジャンセン)はNo.12グリーンにボールをオンさせた後、同伴競技者がパットの準備をしている間に先行パーティがNo.13 Par 3を攻める様子を観察し、グリーン手前が落しどころであることを掴みます。したたかです。Payn Stewartはメディア嫌いで、口を開けば常に攻撃的だったそうですが、この日見事に自分をコントロールし切ってLee Janzenを祝福し四日間を締めくくります。ここでは敗者であるPayn Stewartの成長も賛えられています。

MastersでJustin Leonard(ジャスティン・レナード)を悩ませたPeter Kuchar(アマチュアのMat Kucharの親父。息子のキャディでありながら、息子のファイン・プレイに狂喜乱舞を続けた)はU.S. Openでも二日間Justin Leonardの集中心を妨害します。トーナメント開始前にJustinのキャディが「控え目にして貰えないか?」と懇ろに頼んだのですが、全く無視。抑えに抑えていたJustinは、二日目遂にPeter Kucharをねめ付けるという挙に出ますが、そういう自分自身にも腹が立ってスコアを崩します。Justinはマスコミには一切Peter Kucharについて触れませんでしたが、その日の行動があからさまだったため、各紙が一斉に書きたてました。以後、Kuchar親子を贔屓するファン達から皮肉な野次を飛ばされるという、苦々しい状況に追い込まれます(後にPeter KucharはGolf Channelで至らなさを詫びることになりますが)。

British Openの部は本戦数日前に行なわれる二日間の予選の描写が凄まじい。Mastersチャンピオンの一人であるLarry Mize(ラリイ・マイズ)が(賞金ランキングその他で招待に漏れたため)予選通過からチャレンジします。吹きすさぶ風雨の中で、無名のゴルファー達に混じってMastersチャンピオンが予選二日間を闘い抜く様は感動的です。しかも、数名の地元ゴルフ・ファンも濡れ鼠になりながらLarry Mizeのプレイををフォローします。終了後、凍え、濡れしょぼたれ、消耗し尽くしたLarry Mizeがロッカー・ルームで頭を抱えていた時、ファン数名が遠慮がちに近寄り、サインを希望します。Larry Mizeは「この雨風の中を歩いた人間なら、誰であろうと私のサインを得る資格がある」と、快く応じます。

Ivor Robson(アイヴァー・ロブスン)は、24年間British Openのスターターを勤めている男。彼は毎日夜と朝は最小限の食事しかとらず、明け方から夕方までの9時間、全く休憩無し、交代無し、飲食無しでプレイヤーの紹介に専念するそうです。毎年ブレザーを一着新調し、雨が降ろうが寒かろうがそれで通す。「雨具などつけたら威厳が損なわれる」とのこと。

PGA Championshipの部ではBritish Openの後に愛妻を失ったStuart Appleby(スチュアート・アップルビイ)の悲しい話で始まり、対照的に赤ん坊の誕生を目前に控えたSteve Strickerの健闘が描かれます。

よくこれだけ書ける事実を集めたものだと感嘆します。結末が分っているのに、どれも講談のように面白く、いくつかの挿話は思い出しても涙腺が刺激されるほどです。

またTVとトーナメントの相姦関係など、数え切れないほどの雑学も仕入れることが出来ます。
・Masters中継担当はCBSですが、OUTの中継は極端に制限されていて、ほとんど放送出来ません。これはAugusta Nationalが、実際にコースを訪れた観戦者だけに全貌が分るようにしたいと考えている結果だそうです。そう云われれば、OUTのイメージはおぼろげです。
・PGAのレギュラー・ツァーはコンピュータでペアリングされるそうですが、U.S. OpenはUSGAの一人の責任者の発想で組み合わせの基本が決まります。時には冗談のような、あるいは因縁のあるペアリングになるのはそのためだそうです。
・アメリカ西海岸で開催されるトーナメントは、TV局の「東海岸における午後8時には中継を終了したい」という希望で、最終組のスタートが遅くても1時前になります。東海岸で開催される場合は、最終組のスタートは4時過ぎです。眠られぬ夜を過ごすリーダーにとって、イライラしてスタートを待つ時間の少ない西海岸は有利なのだそうです。
・BBCは午前9時から午後7時までという長丁場でBritish Openを中継します。まんべんなく視聴者を確保するために、朝一番から有名・無名を取り混ぜたペアリングにしなければなりません。
・PGA Championshipはクラブ・プロの組織であるPGA of Americaが主催します。参加者150人中25人はクラブ・プロです。しかし、ほとんどのクラブ・プロは早朝のスタートを割り当てられます。なぜか?TVは彼等よりも有名なツァー・プロを映したいからです。

(July 15, 1999)


鏡よ、鏡

日本のプロはどうか分りませんが、Tiger Woods(タイガー・ウッズ)を筆頭とする欧米のプロは常に自信たっぷりです。というか、自分を鼓舞するためでしょうけど、概ね「私は最高の状態だ。いいラウンドが出来たと思っている。明日が楽しみだ」てな台詞を云います。British Open '99の初日に80を切るのがやっとだったSteve Elkington(スティーヴ・エルキントン)でさえ「結構いいショットが出来た。ただスコアに結びつかなかった」と表現していました。

(結局、Steve Elkingtonは79-78で予選落ち。しかし、80を切れなかった人が初日に55人、二日目に38人もいるのですから、Steve Elkingtonも最悪ではありません)

スポーツ心理学の本には、「何かいいところを見つけろ」とあります。ひどい雨の日のゴルフでさえ「ランが少ないのでOBにならずに済んだ」とか、「湿っているためパットのブレイクを読むのが簡単になった」など、必ずいい点がある。自分のプレイも、探せばいくつもいいポイントが出て来るというのです。ポジティヴに考え、自信を持つ。

「鏡よ、世界中で一番美しいのは誰?」と魔法使いは尋ねます(白雪姫)。プロ・ゴルファー達も「自分は世界一の名手だ」と思わなければ、とても世界の強豪に交じってプレイ出来ないでしょう。「身体も、スウィングも、作戦も、全て上々である」と自分自身に信じ込ませる必要があります。

'The Majors'
by John Feinstein (Little, Brown and Company, 1999, $25.00)

Masters '98最終日のNo.18でMark O'Meara(マーク・オメラ)が二打目のクラブ選択を終えた時、キャディJerry Higginbotham(ジェリイ・ヒギンボサム)が「完璧だ。あんたは正しいクラブを手にしている。後はいいスウィングをするだけだ」と云いました。これをTV中継で聞いていたBrad Faxon(ブラッド・ファクソン)は「これは最高の助言だ」と感嘆したそうです。つまり、迷いを捨て、ベストの判断をしたと思い込まなくてはいけない。

失敗例はSteve Stricker(スティーヴ・ストリッカー)の場合で、彼のキャディは風を読む名人。ところが、PGA Championship '98三日目の池越えNo. 17 (215 yard) Par 3で、二人とも風が読めない。決断して5番アイアンを手にしたSteve Strickerが、アドレスしながら「いいかな?」とダメを押します。彼が必要だったのは「いいとも!」の一言。ところが、キャディはなおも木の梢をチェックしながら「ん〜。…と思うんだけど。6番アイアンではないとも完全には云い切れない…」という煮え切らない返事。迷いが生じたStrickerは池ボチャ、ダブルボギーでトーナメント・リーダーになるチャンスを失います。仕切り直しをして結論を出さなかったStrickerも悪いが、正直過ぎたキャディも悪いというお話。

我々も心の中でしょっちゅう自問自答するわけですが、もう一人の自分は常にプレイヤーである自分の決断を支持し、応援してくれるパートナーでなくてはならないようです。

(July 16, 1999)


1パットの重み

ある日のラウンドで、あと1cm転がればカップ・インというロング・パットが三つありました。こういうのを「パットが上手い」と云うのか、「下手くそ」と云うのか。一緒に廻っている人がいれば、当然「上手い!」と云ってくれることでしょう。素人のロング・パットというのは、何故か入ってしまうと“まぐれ”に見え、「惜しい!」という程度だと上手く見えるものです。しかし、当人としては、「何で入っちゃわないんだよー!」と頭に来ます。Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)の研究のように、午前の早いラウンドだったら入ったのかも知れません。

よく云われることですが、真剣に集中して打った250ヤードのショットも一打、猛練習の成果の目の覚めるようなアプローチも一打、そしてろくにアドレスもしない1cmのタップ・インも一打。連れがいればOKしてくれるでしょうが、OKというのは「次の一打を入ったことにする」だけであって、「次の一打を無いことにする」わけではありません。

トーナメントともなればOKも無いので、無名の新人であろうが、Greg Norman(グレッグ・ノーマン)であろうが、最後まで入れなくてはなりません。「ノーマンさん、あなたの腕は世界中が知っている。入るのは分り切ってるから、そのパットは入れなくてもいいですよ」とは誰も云わない。入って当然という無関心と、ひょっとしたら外すんじゃないかという冷酷な期待(?)で、全員が押し黙って待っている。非情なもんです。

最近ではJohn Daly(ジョン・デイリー)やBernhard Langer(ベルンハード・ランガー)がこういうOK圏内のパットを空振りしましたが、昔だとBritish Open '70最終日のDoug Sanders(ダグ・サンダース)のショート・パットが有名です。2.5フィート(76cm)で普通は絶対入るパット。彼の脳裏には、彼の勝利を伝える新聞の見出しが浮かんでいたそうです。アドレス後、ラインに小さなゴミがあるのに気づき、余裕でそれを取り除きました。アメリカの自宅でTV中継を観ていたBen Hogan(ベン・ホーガン)は「仕切り直ししろ、サンダース!仕切り直し!」と叫んだそうです。しかし、Dough Sandersはプレショット・ルーティンをやり直すことなく、そのままアドレス。いつの間にかアライメントが若干ズレていたのに気付かず、カップの右へ1インチミス。翌日のJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)との18ホール・プレイオフに敗れて、彼のBritish Open優勝は消え去りました。

我々のゴルフとBritish Openを較べるのは無茶のようですが、1パットのある無しで80が切れたり切れなかったりすることもあるわけで、重みは我々にとっても同じです。ゴルフが一打、一打の積み重ねであることを痛感します。

(July 18, 1999)


頭を使う人のゲーム

'Everybody's Golf Book'
by Juan "Chi Chi" Rodriguez with Chuck Fitt (The viking Press, Inc., 1975)

Chi Chi Rodriguez(チ・チ・ロドリゲス)はあまり頭を使わない、自然流のゴルフに見えますが、著書の後半の一章は"The Thinking Man's Game"という見出しです。

「最初のティーグラウンドに立ったら、18ホールの間にはいくつかのミス・ショットをするであろうと思うこと。全てのショットが期待通りに行くわけがない。また、普通は入るパットをいくつか失敗もするだろう。多分、スリー・パットを二回、あるいは三回するかも知れない。こう覚悟すれば、起るべくして起ることを受け入れる準備が整ったことになる。

ハンデ15のゴルファーは、ハンデ通りやそれよりいいスコアで廻れないことが時折あることを覚悟すること。どんなラウンドでも、とんでもなく素晴らしいショットをすることがある筈だ。グリーン周りでチップインするとか、二回、三回とロング・パットを決めるとか。言葉を変えれば、良いショットも悪いショットも受け入れるべきである。悪いショットだけをぐじゅぐじゅと後悔していないで、良いショットへの期待もすべきである」

向かい風だと距離が落ちるのは常識ですが、Chi Chiによれば「横風もワンクラブ分距離が落ちる」そうです。

(July 28, 1999)


[Saber Dance]剣(つるぎ)の舞

Chi Chi Rodriguez(チ・チ・ロドリゲス)はバーディを取るとSaber dance(セイバー・ダンス=剣の舞)を踊ります。フェンシングのようにパター(チップインの場合はウェッジ)をぶん廻し、切腹のように腹を横一文字に払い、御丁寧に刀を鞘に納める仕草まで。バーディを取って何故切腹しなきゃならないのか、よく解りません:-)。(右のアニメーションは切腹しないヴァージョン。色々あるのです)

彼の本"Everybody's Golf Book"(1975)では、剣の舞については触れられていません。勿論、踊りの分解写真なぞありません(笑)。真面目一方です。

Johnny Mirror(ジョニー・ミラー)と二人で演じていたCallaway 'Big Bertha'のTV CMはこういう風でした。

Johnny:「チ・チ、あなたは偉大なショーマンだけど、どういう時に剣の舞をするの?」
Chi Chi:「ジョニイ、当然いいショットをした時だよ」
(ここで剣の舞のインサート・カット)
Johnny:「あなたは'Big Bertha'を使ってるわけだから、ワン・ショット毎に踊らなくてはならないんじゃないの?」
Chi Chi:「その通りだね、ジョニイ!わはは」

私もバーディを取った時に同伴者がいればChi Chiの真似をします。誰もいない時も、つい身体が踊り出しそうになりますが、一人でやるとクレージーに見えそうなのでじっと堪(こら)えます:-)。

(July 28, 1999)


前頁 ← | → 次頁



 Copyright ©  1998-2017   高野英二  (Studio BE)
[Mail]
 Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.