スポーツ心理学者Dr. Tom Dorsel(トム・ドーセル博士)によるトーナメント優勝のコツ。
'Win Club Tournaments, Think Like a Champ' 「・プレッシャー下のゴルフに慣れる ・中間目標を設定する ・戦略 ・結果ではなく、自分の課題に集中せよ ・殺し屋の神経を備えよ ・じっと耐えて機会を窺え |
・自分の強みを活かせ
他人と競り合うのではなく、自分のゲームをせよ。あなたが飛ばないゴルファーなら、ロング・ヒッターと競争しても敗北は目に見えている。自分のいつものゲーム運びで実力を発揮すればよいのだ。
・持久力
最後の9ホールは、野球の最後の3アウト、ボクシングの最終ラウンドのようなものだ。最後まで踏ん張れるか?戦略通りプレイ出来るか?競争相手を直視し、試合を終了出来るか?やり遂げる意思の力が必要である。自分の勝利を確信し、自分こそ勝利者にふさわしいと考えることこそチャンピオンの態度なのだ」
私は自分なりの「コース戦略」をプリントし、毎ホールで参照するようにしています。それに執着することがどんなに大事かということをこのほど経験しました。
先日、2オーヴァーでNo.9 (453ヤード)Par 5に到達しました。このホール、グリーン手前に右から池がせり出し、フェアウェイを僅か10ヤードぐらいに狭くしています。ティー・ショットがちゃんと飛べば、21°ハイブリッドでフェアウェイ左側に打ってグリーン・エッジに転がし、パーが期待出来ます。私の「戦略」ではそうなっていました。ところが、この日のティー・ショットはいつもより飛ばず、狭いフェアウェイに安全に刻まなくてはならない。24°ハイブリッドを使うことは出来たのですが(方向性は良いものの、飛び過ぎてグリーン手前の土手を転がって池ポチャの恐れがある)、2オーヴァーを大事にするため6番アイアン(飛び過ぎることはない)で打つことにしました。この安全策は大失敗で、6番アイアンのショットは大きく左に飛び出し、フェンスを越え(OB)、外の道路へと消えて行きました。結局、このホールはダボとなり、40になってしまいました。
6番アイアンを選んだことは「情緒に振り回された無分別な決断」ではなく「安全を考えた分別ある判断」に入るとは思いますが、「戦略に執着しなかった」という咎は責められても仕方がありません。あのホールで使ったことのない6番アイアンなどというものを引っ張り出したことによって、脳および筋肉が初体験にパニック状態になったと推測出来ます。たとえ短く持ったとしても、使い慣れたハイブリッドのどれかを選ぶべきでした。
ところで、私のホームコースのクラブ・チャンピオンシップ・トーナメントはマッチ・プレイ方式だそうで、三日間(三週)にわたって開催されます。参加するつもりですが、個人戦のマッチ・プレイというのは未経験なので、何とも予測出来ません。どんな相手とぶつかるか、組み合わせ次第ですね。
(October 05, 2005、増補June 02, 2015、再増補January 07, 2017)
'Three buying tips'
by Todd Sones with Greg Midland ('Golf Magazine,' October 2005)
インストラクターTodd Sones(トッド・ソーンズ)は、'Lights-Out Putting'という本も出している人で、パッティングに関しては第一人者です。
「ゴルフ・ショップに並んでいる男性用パターの標準の長さは35"(インチ)だが、これは長過ぎる。平均して33.5インチが望ましい。
あなたの背丈は最適のパターを探す時の要因ではない。身長約1.9mのSutuart Appleby(スチュアート・アップルビィ)と約1.8mのJustin Leonard(ジャスティン・レナード)は、どちらも33"のパターを使っている。問題は腕の長さ、上半身と足の長さである。
あなたの既存のパターを数インチ短くしたくなったとしても、それは止めるべきだ。先ず、スウィング・ウェイトが変わるし、フィーリングとパターヘッドの性能も変えてしまう。長いものを短くすべきでない」
(October 05, 2005)
スポーツ心理学者Dr. Gio Valiante(ジオ・ヴァリアンティ博士)による心理的リカヴァリーのコツ。
'Fearless Golf' Thomas Edison(トーマス・エディスン)は電球の発明を完成する前に1,000回の失敗をしたそうです。彼は「1,000回の失敗をどう思いますか?」と聞かれて、「あれは失敗ではない。電球を完成するまでには1,000のステップがあったということだ」と答えたそうです。Babe Ruth(ベイブ・ルース)の714個のホームランは有名ですが、彼は同時に1,330個の三振を喫した記録も残しています。「どの三振も、私の次のホームランへと近づけてくれた」と、彼は云ったそうです。 PGAツァーには"bounce back"「立ち直り度」という統計があるとか。ボギー(あるいはもっと悪いスコア)を出した次のホールでバーディを得た割合のことです。それによればTiger Woods(タイガー・ウッズ)は2000年に36.8%という驚異的な記録を残しています。ボギーを出した後、三回に一回は次のホールでバーディを記録したわけです。その後も、彼は平均25%を上廻っているそうですから凄いですね。次はTiger Wodsの言葉。 「お粗末なショットをした後、私が頼みとするものは次にいいショットを打つということだ。言葉を換えれば、打ち終えたらそのショットは忘れるということを学んだんだ。失敗についてあれこれ考えるのは意味が無い。同じショットをやり直せるのなら別だが、そうでないのなら忘れるべきだ」 スポーツ心理学者Dr. Gio Valiante(ジオ・ヴァリアンティ)は「常に"What's my target?"(次のターゲットはどこだ?)と自問するように」と説きます。“ターゲット”はカップであり、ボールの落としどころです。前のショットで何が起ろうと、過去のことは忘れて"What's my target?"と次のショットにフォーカスを合わせるべきだということです。次はDr. Gio Valianteの助言。 |
「最初の9ホールで42だったとしよう。『80を切るにはどうすべきか?』と自問するのが適切である。その答えは明らかに『次の9ホールを37で廻る』ということになる。しかし、そこでストップしてはいけない。重ねて『37で廻るにはどうすべきか?』と自問すべきだ。またもや疑問の余地のない『パーを沢山積み重ねること』という答えになるだろう。なおも、そこでストップしてはいけない。『沢山パーを積み重ねるにはどうすべきか?』と自問する。またもや明白な答え、『フェアウェイとグリーンだけにボールを運ぶ』が返って来る筈だ。その挑戦を開始する最善の方法は何か?それはどんな名人たちをもうまくリードした核となる質問を自分にぶつけることだ。その質問とは、"What's my target?"」
(October 11, 2005、改訂June 02, 2015)
少壮のスポーツ心理学者Dr. Gio Valiante(ジオ・ヴァリアンティ)は、彼のクライアント(ツァー・プロたち)に次のように教えるそうです。
'Fearless Golf'
by Dr. Gio Valiante with Mike Stachura (Doubleday, 2005, $21.95)
「1. スコアを相手にプレイするのではない。
2. トーナメントを相手にプレイするのでもない。
3. 他のプレイヤーたち相手にプレイするのでもない。
4. あなたの相手はゴルフ・コースであり、一打一打、あなたの持てる技量のベストを尽くしてコースと対戦するのだ。
他のゴルファー相手にプレイするか、コース相手にプレイするかでゴルフは全く別のスポーツとなる」
(October 13, 2005)
ドイツにお住まいのファンゼロー理香さんから、上の記事「対戦相手」および「謙虚さについて」への御感想を頂戴しました。コースと対戦することの大切さが実感出来るお便りです。
あと二週間ほどで、ドイツのゴルフシーズンが終わります。ドイツでは、毎週火曜日は「レディース・ゴルフ」、毎週水曜日は「ジェントルマン・ゴルフ」ということでトーナメントが行なわれます。これはドイツ全国で共通なようです。
私は毎週火曜日のトーナメントに参加して来ました。ハンディキャップが30以下ぐらいになると、自分のハンディを一打下回ってプレー出来れば、0.4ずつハンディキャップが下がります。上回れば、0.1ずつ上がって行きます。ピークの八月に手術をしたこともあり、しばらくは停滞状態でした。それでも今シーズンのレディース・ゴルフの最後に、ようやくハンディキャップを20.3まで落とすことが出来ました。ほとんどの人から「子供でない限り、成人がワンシーズンで54から20以下に落とすのは無理、不可能!」と言われましたが、最後の最後まで諦めないでいたら、目標に近い成績を残すことが出来ました。80を切るのはまだまだ夢ですが…。
今シーズンを振り返ってみると、貴サイトの内容「コースを相手にゴルフする」ことが出来た日には、必ずハンディキャップを下げることが出来ました。競争相手、特に自分よりも高いハンディキャップを持っている相手を意識したときは、決まって駄目でしたね。相手が予想以上に上手にプレーすればするほど、相手のスコアを気にしてしまい、「こんなはずはない。自分の方が上手いはずだ」と思ったりして、最後の最後まで自分のプレーが出来ずにラウンド終了となってしまって…。自分のハンディキャップよりも下回るプレーが出来たときは、「ランナーズ・ハイ(マラソン選手のように、途中から苦しさが消え、ハイな気分になること)」の状態でした。全ての感覚が冴えわたり、一打、一打丁寧に打ち、相手が誰であろうと、自分のプレーだけにどっぷり集中していました。
そのことを、本日のTipを読んでいるあいだ、はっきりと認識することが出来ました。高野さまが書かなければ、私はこのことに一生気づかないでいたでしょう。
あと日本人に共通して必要なのは、「仏ごころを捨てろ!」でしょうか。自分がいいプレーをしていて精神的に余裕があるとき、相手がラフなんかに打ち込むと、当の本人が探す前に、進んでラフに入ったり、必要以上なことをやろうとすると、すぐに好スコアが崩れました。
今は来年三月のシーズン幕開けまでにやれる筋力トレーニング・プログラムを考えています。
(October 15, 2005)
私のホームコースのクラブ・チャンピオンシップはマッチ・プレイ方式で行なわれます。私は明日一人の相手と対戦し、それに勝てば翌週別な相手と戦い、三週で結着がつく予定になっています。ゴルフ場も考えましたね。一日のトーナメントだと、どっと客が来るもののそれは一日だけです。このマッチ・プレイ方式だと三週間にわたって客が来ることになります(どんどん減っては行きますが、勝ち残っている客は食事したり買い物をしてくれたりしますからね)。ゴルフ場はゴルファーが少なくて、喉から手が出るほど現金を欲しがっているので、色々策を弄しているようです。
自分がマッチ・プレイをするので勉強したのですが、以下の内容にはストローク・プレイの心得も含まれています。マッチ・プレイをしない方にも一読をお勧めします。
スポーツ心理学者Dr. Tom Dorsel(トム・ドーセル博士)による解説と対処法。
'The Complete Golfer'
by Tom Dorsel, Ph.D. (Allyn and Bacon, 1996, $19.00)
「・ストローク・プレイ
ストローク・プレイは、少人数でラウンドしつつ、他のトーナメント参加者全体を相手に技を競う方式である。この状況下ではコースを相手に、つまりパーを目標としてプレイし、同伴者の出来映えなどは無視するのが正解。目に見えない他の参加者もパーを目標にしている筈だから、コースを対戦相手と考えること。それが実行出来れば、他の参加者を凌ぐことは自ずと達成出来る。ストローク・プレイで重要なことは、堅実にプレイし大叩きしないことである。
・マッチ・プレイ
ホール毎に打数の多少で勝ち負けを決め、相手が挽回不能なだけのホール数を勝てばよいという方式。大叩きしても一打差でも、そのホールの負けに変わりはない。相手の性格や技の得手不得手、心理状態などを勘案しながら競技を進める。Ben Hogan(ベン・ホーガン)はわざと短いティー・ショットをし、相手より先に二打目をピン傍につけてプレッシャーを与える戦略をとっていたそうだ。
逆説的だが、ストローク・プレイの考え方はマッチ・プレイにも当てはまる。対戦相手でなくコースを相手にプレイするのだ。相手のプレイによって影響されずパーを目標にプレイしていれば、18ホール終わった時、勝利は手の届く距離にある筈だ。しかし、完全に相手を無視してはいけない。相手がOBに打ち込んだとしたら、こちらは安全にボギーで上がればよいのであって、徒に冒険するのは馬鹿げている。
もちろん、時として冒険する勇気も報われることがある。そのショットが成功すれば、相手の野心を打ち砕く打撃を与えることが出来るからだ」
(October 17, 2005、改訂June 02, 2015)
スポーツ心理学者Dr. Gio Valiante(ジオ・ヴァリアンティ博士)の観察。
'Fearless Golf'
by Dr. Gio Valiante with Mike Stachura (Doubleday, 2005, $21.95)
「アマ、プロを問わず、ゴルファーの中で『他のゴルファーから認められたい』という動機が濃厚な人は少なくない。こういう人にとっては、他の人がどう評価するかがもの凄く重要で、場合によっては自分のゲームの上達や発展などよりずっと重要だったりする。
あるショットをしようとする際、こういうゴルファーの心は分断される。一方ではショットを実施することに集中している。しかし、他方では『もし失敗したら人々はどう思うだろう?』と心配でならない。誰でも分ることだが、ショットと無関係なそういう心配はショットを台無しにしてしまう。心理学の分野では、このような傾向を"ego orientation"(自我志向)と呼ぶ」
耳が痛い。私にも覚えがあります。ティー・ショットにアドレスする。目はボールを見ている。しかし、私の意識は自分の背後に立っている同伴者たちの視線を感じ、彼らの姿勢や表情などを窺っている。まるで自分の背中に目があるように、同伴者たちを“見て”いる。私は背後に意識を集中しているのです。この時、私の本当の目は虚ろであり、実際にはボールを見ていないでしょう。見ているようでも焦点はボケている筈です。こんな状態でちゃんとボールが打てるとしたら、まさに奇跡。背中の“目”をつぶり、顔についている目にスウィッチしないといけません。
本当は同伴者たちは私がOBを出そうがチョロしようが池ポチャになろうが、どうでもいいのです。彼らの関心は自分たちのこれからのショットにしかなく、私を見ているようで実際には見ていない。自分が他のゴルファーのショットをどんな風に見ているか考えてみれば類推出来ることです。彼らも全く同じでしょう。
Dr. Gio Valianteは以下のように続けます。
「Ben Hogan(ベン・ホーガン)の“秘密”について色々取り沙汰されているが、彼の本当の“秘密”とは集中力だった。彼は云っている、『1930年代、私は勝てなかった。まだ集中する術(すべ)を学んでいなかったからだ。ギャラリーや他のゴルファーを無視し、私自身のゲーム以外の全てに対して心を閉ざす方法を身につけていなかった』」
【おことわり】画像はhttps://usatgolfweek.files.wordpress.com/にリンクして表示させて頂いています。
(October 26, 2005)
以下の金言集は当サイトが独自に収集・翻訳したものです。無断転載・引用を禁じます。
「ゴルフをわざわざ難しくしている人が一杯いる」 |
「優勝したからチャンピオンなのではない。彼が自分自身をコントロールし切ったからチャンピオンなのだ」
(October 28, 2005)
'18 ways to make a hole in one'
by Chris Rodell ('Golf Magazine,' October 2005)
「インストラクターJim Flick(ジム・フリック)は大方のゴルファーがホールインワンを達成出来ないのは、彼らがカップまで届くクラブを選ぼうとしないのが原因だと断定する。コース設計家はパー3グリーンの奥に、金のかかるハザード(バンカーなど)を配置するような無駄をしない。何故か?グリーンの奥に打つようなゴルファーはいないに等しいからだ。
『大抵のゴルファーは自惚れ屋で、距離に見合う正しいクラブを選ぶことをしない』とJim Flickは云う。『誰もが9番アイアンを使っている時に、7番アイアンを抜くことをためらうような見栄は捨てなさい。あなたにとって最適のクラブで打つべきだ』」
(October 29, 2005)
Tiger Woods(タイガー・ウッズ)を代表とするプロたちが、バーディあるいはイーグルを達成した時に拳を揺する動作を英語ではフィスト・パンプと云います。Tiger Woodsの場合はカップを指差したり、手だけでなく脚まで蹴り上げたり…と、さまざまなヴァージョンを作り出しています。
'Pump it like Tiger'
by Pia Nilsson and Lynn Marriott ('Golf Digest,' November 2005)
「いいショットをしたら興奮や満足感を情緒的に表すべきである。将来似たようなショットを打つ時に、今の達成感(自信)を思い起こすために。
Tigerの"fist pump"(フィスト・パンプ)のような、喜びに溢れた手や身体の動作はどんな場合にでも反復可能である。いいショットの後の素晴らしいフィーリングを身体中に行き渡らせなさい。次のショットを開始するまでの間、充分に喜びを味わいなさい。
それはあなたの脳にいいショットの記憶を刻み込ませ、あなたのゴルフの歴史に明るい一頁を追加する。いいプレイヤーというものは、過去の素晴らしい経験を思い起こしながらピンチを乗り越えて行くのが常。あなたもそうすべきである」
【おことわり】画像はhttp://media.tumblr.comにリンクして表示させて頂いています。
(November 03, 2005、増補January 07, 2017)
少壮のスポーツ心理学者Dr. Gio Valiante(ジオ・ヴァリアンティ博士)が、日本のビジネスの概念をゴルフに結びつけた新理論。
'Fearless Golf'
by Dr. Gio Valiante with Mike Stachura (Doubleday, 2005, $21.95)
「今日ビジネスの世界は、日本語の'KAIZEN'(改善)という言葉に魅了されている。それは、不必要な無駄を排除することによって、手順や方法を改良する懸命な努力を意味する考え方だ。『カイゼン』は単純な概念ではあるが、ゴルファーの発展にとっては極めて重要な意味を持つ。
『カイゼン』は継続的な、整然とした改良であり、結果を顧慮しない考え方だ。この最後の部分が重要だ。それこそが優れたゴルファーを定義するものである。優れたゴルファーは初期の不成功によって躓くことなく、挑戦すべき前途に奮い立つ。『カイゼン』を実行中の優れたゴルファーは、ゴルフというゲームの細部、難問、不思議さの中で惑い、そういう細部をマスターすることと、ゲームの不思議さを理解することが彼らの課題であることを知る。
『カイゼン』においては、自分の思った通りに手順に取り組み、自分自身の進歩を完全にコントロールする。『カイゼン』においては、ゴルフはあなたの上達のプロセスに貢献すべく待ち受けている。上達は果てなき目標である。目標が達成出来る日は来るが、それは目標であるからという単純な理由からではなく、プロセスに集中することによって自ずと実現するのである」
(November 11, 2005)
'Play like a pro without changing your swing!"
by editors of 'Golf Digest' ('Golf Digest Pocket Guide,' 2005)
これは'Golf Digest'誌の購読更新を促す郵便に入っていたおまけで、表紙・裏表紙を含めて16頁の袖珍本です。「プロは絶対冒さない18のミス」という副題がついています。その中から、当たり前過ぎるものを除いた七つの項目を紹介します。 「・練習場ではメカニカルな想念を第一にしてもよいが、一旦コースに出たらフィーリングを第一にする。スウィングの間中クラブヘッドやシャフトが軌道のどこにあるかに集中する。それによって、テンポとタイミングが改善される。 ・プロがミスした場合、彼の最大の課題はトラブルから脱出することだ。しかしアマチュアはプロでさえ百に一つしか実現出来ないような奇跡的ショットによって過ちを帳消しにしようとする。そういう冒険は止め、100%実行可能なショットで脱出すべきである。 ・アマチュアの多くはフェアウェイ全体を的にして、ボールがそのどこかに着地するよう祈る。ボールの軌道や着地点を視覚化することをしない。そんなことではTiger Woods(タイガー・ウッズ)だっていいプレイが出来る筈がない。視覚化は優れたプレイヤーの基礎である。 ・TVでプロがアイアンを使うのを見る時、彼らが3/4スウィングをすることに気づく筈だ。アイアンは遠くへ飛べばいいというクラブではない。グリーンへ残り150ヤードという場合、普通より1〜2クラブ大きいのを持ち、数インチ(5〜6cm)短く持って3/4スウィングで、グリーン前部に着地するように打つ。正確に打てることに驚くだろう。 |
・50ヤードのピッチ・ショットは簡単である。しかし、バンカーや池あるいは小川などが待ち構えていたり、カップが難しいところに切ってあると、その50ヤード・ショットは急にタフなものに感じられる。しかし、全ての付帯要素はコース設計家の計略であり、あなたはグリーンの真ん中を狙えばよい。50ヤードは所詮50ヤードに変わりないのだから、簡単なショットは簡単なまま処理すればいいのだ。
・Ben Hogan(ベン・ホーガン)は、計画通り打てるショットは1ラウンドにつき二つか三つ以上無いことを自覚していた。他の全てはミス・ショットなのだ(常人にとってはそれでも素晴らしいショットの部類だが)。この態度を見習って完璧さを追求しなくなれば、メンタルにタフになれ、タフなゲームが展開出来るようになる。
・長いパー3は、コース設計家の見地からすれば、いいラウンドをしているゴルファーを脱線転覆させる罠なのだ。ゴルファーは1オンさせようと奮闘するが、グリーンを捉えることは出来ず、執行猶予無しで刑務所行きとなる。恥を恐れず刻むのが唯一の賢明な策である。
・練習する時にはパッティングの諸要素(グリップ、アライメント、ボール位置など)を考えるのは良いことだ。しかし、本番ではカップを見、ボールを見、ボールをカップに送り届けることに集中すべきである」
(November 15, 2005)
スポーツ心理学者Dr. Bob Rotella(ボブ・ロテラ博士)による上達への秘訣。
'The Golfer's Mind'
by Dr. Bob Rotella with Bob Cullen (Free Press, 2004, $23,00)
「スコアリング・クラブとは8番アイアンからウェッジを含めてパターまでのクラブを指す。スコアリング・クラブの腕前が80台のゴルファーと70台のゴルファーの大きな違いであり、プロとアマの違いでもある。
Champions Tour(旧Senior Tour)のQ School(資格審査のトーナメント)を見に行ってみるといい。既にプロになっている人々とプロ入り希望の人々が交じって参加しているが、両者の違いはショート・アイアンとウェッジである。ヴェテランのプロはウェッジであれば常に10フィート(約3m)以内につける。これからプロになりたい人々は平均して15〜20フィート(約4.6〜6m)がいいところだ。
カップから遠ければ遠いほど、パットを沈める確率は減ってしまう。プロはピン傍につけていくつかのバーディを記録する。プロ予備軍の人は、両者の違いが寄せの技術であることに気づかず、パッティング技術の差と勘違いする。本当の違いはショート・アイアンで如何にカップに寄せるかなのだ。
長いクラブを使う技量は大きいスコア(6とか7とか)を小さくすることに貢献するが、スコアリング・クラブは小さいスコア(4とか3など)を更に小さくすることに貢献する。常にフェアウェイをキープすることは、大きいスコアを減らす。しかし、スコアリング・クラブに習熟することだけが沢山のバーディをもたらしてくれるのだ。
あなたの目標がスクラッチ・プレイヤーやプロ入りなら、ただスコアリング・クラブを使うのが上手いだけでは充分ではない。上手い段階よりもっと上手くなくてはならず、周囲が畏怖すべきプレイヤーにならなくてはならない」
(November 23, 2005、増補June 02, 2015)
'The short game rules'
by Andrew Magee with Ryan M. Noll ('Golf TIPS,' May 2005)
PGAツァー・プロAndrew Magee(アンドルー・マギー)の練習法。
「アマチュアのほとんどは、どうウォームアップすべきか知らない。彼らは数ヤード多くの飛距離を求めてドライヴァーで練習ボールを打つ。しかし、彼らが本当にスコアを縮められるのは、ショート・ゲームの感覚を鋭くすることによってである。
私は40ヤード以内から三打も要したくない。だから、パッティングを除いて、どの部門よりもウェッジによるショットを練習する。
練習場に行って私が手にする最初のクラブはサンド・ウェッジで、それを用いて10ヤード先に着地するショットから始める。何度かその距離に続けて打てるようになったら、今度は20ヤード先を狙う。続けて30、40、50ヤードと練習し、100ヤードまで行く(もし、私がやる気充分なら、100ヤードから10ヤードへと戻って来る)。
上の方法によって、スウィングの強さと距離の関係を明確に出来る。10ヤードからなら10%の強さでスウィングし、40ヤードからなら40%という具合だ。
ウェッジのフェースはターゲットに面するようなフィニッシュを迎え、その姿勢を保つこと。ショート・ゲームの上手なプロは誰しも、ターゲットを指すフィニッシュを決める。このテクニックは、フェースの上をボールが転がる時間を延ばし(最大にスピンがかかる)、グリーンで素早く停止するショットとなる」
(November 25, 2005)
この記事はあるゴルフ・コースの大勢のレッスン・プロから'Golfweek'『ゴルフ・ウィーク』誌 の記者が集めたtipsです。
'Real-life lessons with the Driver'
by James Achenbach ('Golfweek,' April 16, 2005)
「・あなたの友達が高くティー・アップしたからといって、あなたもそうすべきかどうかは疑問である。あなたのスウィング軌道が急角度なものなら、あなたは低めにティー・アップすべきだ。
・ロフトの異なる二つのお気に入りのドライヴァーを見つけておくとよい。風の強い日などはロフトの少ないドライヴァーに取り替えて、低い軌道を得る方が簡単だからだ。【編者註:弾道を調整出来る最近のドライヴァーなら、一本で間に合います】
・古いドライヴァーも役に立つことを忘れないように。USGAが1998年にスプリング効果の制限を定めてから、ドライヴァーのパフォーマンスは変わっていないからだ。
・練習場では同じクラブで何発も繰り返し打つのでなく、一打毎にクラブを替えて打つべきだ、本当のラウンドのように。ボール位置が変わっても、身体の同じ回転で打つ感覚を得ることが大事なのだ」
(November 25, 2005、増補June 02, 2015)
Copyright © 1998-2019 高野英二 (Studio BE)
Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.