Golf Tips Vol. 95

日射

'Ask The Pro'
by Dr. T.J. Tomasi (Andrews McMeal Publishing, 2002, $12.95)

「太陽光が皮膚を傷め、皮膚癌の因になることはよく知られている。しかし、以下のことはあまり知られていない。太陽光の害は累積する。数年にわたる総合計が問題なのだ。大抵の人は18歳までに生涯に受ける太陽光の80%を浴びてしまう。

特に白人にとって太陽光は危険である。オゾン層の破壊によって、50年以上前とは比べ物にならないぐらい紫外線が強くなっているからだ。

衣服はさほど太陽光を防ぐ助けとならない。汗に濡れた普通のゴルフ・シャツは、まるで何も着ていないのと同じように太陽光を通す。ゴルファーの皮膚癌は、背中や胸などシャツに覆われた部分に多く発症する理由である。

アフリカや中央アジア、そして世界の砂漠地帯の映画(『アラビアのロレンス』など)や写真を見たことがあると思う。タンクトップとショート・パンツのベドウィン(砂漠地帯の遊牧民族)など見たことがない筈だ。彼らは垂れ下がるようなローブを着用している。

日焼け止めを一時間に一回使う。日焼け止めは皮膚癌のうちで最も恐るべきものに有効ではないという研究結果もあるが、他の多くの皮膚癌に対しては有効である。女性は口紅で唇を覆っているからいいが、男性は無防備なため唇の癌にかかる恐れがある。リップ・クリームを使うべきである」

(August 08, 2005)


雷との接近遭遇

Trouble Shooting'
by Michael Corcoran ('Golf Magazine,' March 2005)

以下の話はアメリカのCATVの一つであるWeather Channelのキャスター兼気象学者・Marshall Seese(マーシャル・スィース)の助言。

「我々の本能は、こと雷相手だとしてはいけないことに向かいがちである。雨に打たれまいとして木の下に立ったりするのはいけない。木から離れれば離れるほど致命傷から逃れられる。フェアウェイの真ん中に向かうべきだ。あなたの髪の毛が立ったら、あなたの近くに雷が落ちる直前である証拠だ。それは電荷の次の主な行き先を示す陽電気である。その高まりを感じたら、落雷が切迫している。あなたは即座に(間髪を入れず)野球のキャッチャーのようにしゃがみ、あたかも投手の投げたボールが股間を狙って飛んで来たように(地面との接触が最少となるように)身体を浮かす。【編者註:イラストには右手一本で身体を支えて、飛び上がっている男が描かれています。そんなことは不可能ですが】

もし誰かが雷に打たれたとしても、犠牲者の2/3は助かるということを忘れないように。鼓動が止まった人でも心肺蘇生法によって助け得る。雷に打たれた人にすぐ触っても問題ない。コンセントに指を突っ込むようなことにはならない。

稲妻が見えず雷鳴だけだからといって甘く見ないこと。雷鳴あるところ稲妻ありき。稲妻と雷鳴はセットなのだ」

(August 08, 2005)


続・バイフォーカル

若干の稼ぎがあったので(まだ入金してはいないけど)眼鏡を作りに行きました。眼鏡屋のマダムは陽気な人でした。
マ「バイフォーカルにします?」
私「いや、ゴルフにはバイフォーカルは向かないそうなので、プレーンな奴にします」

よく理解して貰えなかったようなので説明しました。
私「パットする時、ラインが歪むとうまく入らないんです」
マ「あら、だったら『バイフォーカルだから失敗した』って云い訳出来るじゃありませんか。あたし、何人もゴルフする人知ってるけど、ゴルフの後でハッピーな顔して帰って来る人なんか一人もいませんよ」
私「まあ、大体うまくいかないもんです」
マ「じゃ、遠くが見えればいいのね?」
私「ボールがどこへ行ったか分ればいいんです」
マ「縁はどうします?」
私「ゴルフで縁が光るとやりにくいので、黒縁がいいですね」
マ「毎日ゴルフやってるんですか?」
私「ま、毎日ってわけじゃ…」

ゴルフのためだけの眼鏡に思われたことでしょうなあ。

結局、出来上がった眼鏡をかけて練習グリーンでパットしたら、何故かボールのターゲット方向が常に凄いダウンヒルに見えるので、慌てて古い眼鏡に換えました。眼鏡屋のマダムによれば、目の中心からずれると歪んで見えることがあり得るとのこと。特に汗をかく今の季節に下を向くと、眼鏡の中心がずれ易いそうです。

 

'See It and Sink It'
by Dr. Craig L. Farnsworth (HarperCollins Publisher, 1997, $24.00)

この本の著者Dr. Craig Farnsworth(クレイグ・ファーンズワース博士)はもともと検眼医で、「視力とパッティング」の研究で有名になり、Jim McLean(ジム・マクレイン)のゴルフ・スクールの重鎮となって有名プロをコーチしています。

「普通のバイフォーカルは、アドレスした時に対象がジャンプしてしまう。これは組合わさった二つのレンズ間のパララックスのせいだ。頭を動かすとボールも動くように見える。バイフォーカルで煩わしさを感じない人はボール位置を正しく見ることを犠牲にしているか、ボールをちゃんと見ていないのだ。

ある種の人々は眼鏡をかけない。バイフォーカルがプレイを邪魔するからだ。しかし、距離を正しく認識し、ボールの目的地を決定し、グリーンを読み、さらにスコアカードを読むにはいい視力が必要だ」

先ほどの眼鏡屋のマダムは「私の知ってるゴルファーはほとんどバイフォーカルだけど、誰も不満を口にしないわよ。ある人は遠くを見ることを優先して、近くを見るレンズ部分を非常に小さくしている。この人はスコアカードがよく見えないこともあって、打数を少なく申告するらしいわ」と笑っていました。

バイフォーカルのパララックスを矯正するため、"progressive"というレンズがあります。これは実際には「遠中近」の三種類のレンズを境目無しに一枚にしたレンズで、これならボール位置が歪むこともないそうです。コンピュータ作業などにも向いているとか。 "progressive"は日本では「遠近両用レンズ(境目無し)」とか「遠近両用累進タイプ」などと呼ばれているようです。【日本の事情については『ごるふな日々』のhiroさんに助けて頂きました。感謝】ただし、"progressive"はプレーンなレンズの四割増ぐらいの値段になります。

Dr. Craig Farnsworthはゴルフには"progressive"を推奨すると同時に、眼鏡を作る時にUVコーティングを注文するよう強く勧めます。紫外線を遮ることによって白内障や網膜の退化を防止することが出来るそうです。UVコーティングは透明にも色つきにも出来ます。色つきで太陽光を和らげれば、目がリラックスし、顔面の筋肉もリラックス出来、心理的効果もあるとのこと。ただし、余り濃い色にするとグリーンを読む時に起伏が見えにくくなるので不可。

最もいいのはレーザー治療をして眼鏡をかけないことでしょう。この本の出版当時はまだレーザー治療が一般的でなかったのか、Dr. Craig Farnsworthは全く触れておりません。

(August 11, 2005)


距離の錯覚

Dr. T.J. Tomasi(T.J.トマシ博士)はPGA of Amaricaのインストラクターであり、Keiser(カイザー)大学の教授兼ディレクターでもあります。10冊以上のゴルフ・インストラクション本を執筆し、新聞連載のコラムも持つ人気インストラクター。

'Ask The Pro'
by Dr. T.J. Tomasi (Andrews McMeal Publishing, 2002, $12.95)

「コース設計家は色んな手管でゴルファーを惑わそうとする。

距離を推し量ろうとする時、われわれの脳は大きな物体は近く、小さな物体は遠くにあると想定する。グリーンの周りを設計する際の戦略は、1) グリーン周りに大きな木を植える。これはグリーンが近いと錯覚させる。2) 逆に、グリーンの周りに何も置かない。こうすると、グリーンは遠く見える。

スコアカードのヤーデージと見た目の距離感覚の相違は、ゴルファーを混乱させる。こうなったら、正しいヤーデージを得ること、そして選んだクラブに自信を持つことだ。混乱したままではベストのスウィングはおぼつかない。

レンジファインダー(レーザー利用の距離計測器)の使用をお勧めする。これを使ってホームコースのスプリンクラー・ヘッドや木、バンカーなどからグリーンまでの距離をメモしておく。(杭は芝刈りで抜かれて移動することがあるので基準になりません)こうすれば正しいクラブを選んで自信を持ってスウィング出来る。競技会で使用出来ないのが、唯一の問題(註)」

編註:レンジファインダーは、間もなく競技委員会が許せば…という条件付きで競技会での使用がUSGAおよびR&Aから認可されるようです。私のホームコースの先週(2005年8月)のトーナメントで、ある参加者が「'Golf World'の記事によれば、USGAはレンジファインダーを公認するそうだ。今日も使っていいか?」と質問し、競技委員が「レンジファインダーを持っている人は?」と参加者に尋ねました。驚いたことに半数近くの手が挙がり、この日レンジファインダーは“公認”されました。USGAの公式声明以前でしたが:-)。

(August 13, 2005、改訂June 02, 2015)


ゴルフ哲学

'The Golfer's Mind'
by Dr. Bob Rotella with Bob Cullen (Free Press, 2004, $23,00)

『ゴルファーの心』と題されたこの本はDr. Bob Rotella(ロテラ博士)のゴルフ関係の四冊目の本です。さすがにもう書くことがなくなって来たのか、各章(それぞれ短い)の最後に「まとめ」をつけたりして水増ししています。先に「まとめ」を読めば、その章が読むに価するかどうか分るという利点はありますが…。以下は'A Golfing Philosophy'という一章からのエッセンス。

「ゴルフと精神の重要性については、いくら強調しても足りることはない。世に云う“マスル・メモリ”というものは存在しない。筋肉に何かを記憶するという能力はないのだ。記憶はあなたの頭に存在する。だから、いくらあなたが長時間スウィングを練習しようとも、どれだけあなたが熟練しようとも、あなたの筋肉だけではそれを記憶出来ないし、コースで必要になった時も実行はおぼつかない。筋肉と他の身体部分はあなたの精神によってコントロールされているのだ。

夢を追い求めることと夢想に耽ることとは異なるものである。夢想に耽る人は長椅子に横たわり、『トーナメントで優勝出来たらいいだろうな』とか『70台で廻れたらいいのに』などと考える。しかし、彼らは一つのラウンドから次のラウンドまで何もしない。従って、彼らに進歩はない。満足感も伴わない。

誰からの助言にも耳を傾ける人はスポンジのようなものだ。ある週、彼は手の動きが鍵だと納得し、翌週は肩と腰の回転の比率が重要だと考える。たちまちスポンジは矛盾するアイデアで一杯になり、クラブを振りかぶることすら出来なくなる。彼は考え過ぎ、助言の数々を整理するのに大わらわなのだ」

【警告】このサイトに集められたtipの数々も“助言”という範疇に入るでしょう。それぞれが矛盾していることもあり、さほど重要なことでない場合もあります。スポンジのようにどんどん吸収すると、他人の脳を移植されたゴルファーのようになるかも知れません:-)。御注意下さい。

(August 13, 2005)


ホールインワンの研究

'Hole-in-one'
by David Owen ('Golf Digest,' September 2005)

・PGAツァー・プロがホールインワンを達成する確率:1/3,000、必要とするラウンド数:900
・ロー・ハンデのアマがホールインワンを達成する確率:1/5,000、必要とするラウンド数:1,250
・平均的アマがホールインワンを達成する確率:1/12,000、必要とするラウンド数:3,000

・平均的アマが150ヤードPar 3でホールインワンを達成する確率:1/80,000、必要とするラウンド数:23,000
・平均的アマが200ヤードPar 3でホールインワンを達成する確率:1/150,000、必要とするラウンド数:40,000

【ホールインワンを達成する方法】

・David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)
 アマチュアはショートしがちである。Par 3では1クラブ大きいクラブを選び、低くティー・アップしてスムーズなスウィングをする。

・Nick Price(ニック・プライス、PGAツァー・プロ)
 あなたがドローかフックを打つ人なら、ティー・グラウンドの左にティーアップしグリーン中央を狙うこと。反対にフェードかスライスを打つ人は右側にティーアップし、カップのやや左を狙うように。

・Mancil Davis(マンシル・デイヴィス、PGAインストラクターで50回のホールインワン記録保持者)
 Par 3ではティーアップしないのがコツ。普通のアイアン・ショットではティー・アップしないのだから、急にティー・アップすることはない。第二に、ピンを直接狙うこと。これらは大概の教えに反しているだろうが、私にとってはカップに集中し、プロセスを単純化してくれるので助かっている」

本日、この最後のtipを実験してみました。大方のゴルフ本では「Par 3ではティーアップせよ」となっています。私もここ何十年そうして来ました。ホームコースのNo. 8 (130 yard) Par 3では、私は何故かプルしがちでいつも不安になるホール。ティー・アップしないで打ってみたところ、ピン傍1mのバーディ・チャンス(ただし、失敗してパーでしたが)。

No. 14 (125 yard) Par 3でもティー・アップしないで打ってみました。ここもプルかシャンクが多いホール。またもやピン傍3mのバーディ・チャンス。またもや失敗してパー。

しかし、上のMancil Davisのtipは信頼出来ると思われます。今後、Par 3ではティー・アップしないことにします。

(August 15, 2005)


小塚さんの「80を切った、その日」

神奈川県にお住まいの小塚さんからの朗報です。トリプル・ボギーにもめげずに見事80を切られたラウンドは、「諦めてはいけない」、「我慢のゴルフ」の好例として、とても参考になるものです。

50才からゴルフを始めたレイトビギナーです。定年後を考えて昨年4月に近くの茅ヶ崎市にある湘南シーサイドCCのメンバーになりました。この3月に定年を迎えたものの、その後フルタイム勤務の嘱託となり依然としてサラリーマン・ゴルファーです。

平均スコア:89、ベストスコアはこの7月2日同コースでの80、その後7月10日に前半で37、7月30日も前半で38を出すも、後半でOBやら池ポチャで中々80の壁が切れません。しかし70台が出るのは近いと予感していました。バイオリズムを調べると、8月6日(土)が身体・感情・知性のリズムの三つとも絶好調ゾーンであることが分かり、この日を予約しました。

日時:8月6日(土)
天候:快晴、気温32℃、弱風
コース:湘南シーサイドCC、6,171ヤード、パー72、コースレイティング:68.9
スコア:36+43=79

このコースは相模川の平坦な河口を利用して湘南海岸に面したシーサイドコースで、各ホールは松林でセパレートされたフラットな地形で花道は狭い。ハーフにロングホールとショートホールが三ヶ所ずつあるのが特徴です。

INスタート、このコースはINコースの方がやや短いため、私の過去のラウンド平均ではOUTスタートより平均3スコアが良くなります。出だしNo.10でいきなりチップイン・バーディ。これが結果的には大きな貯金となりました。その後も順調にパープレー、結局1バーディー、1ボギーのパープレイ。

同伴のYさん(68才)も1オーバーの37で、競り合った結果が好スコアに繋がったようです。ラウンド中に気を付けたことは、フェアウェイ・キープとハザード(バンカー、池など)の回避及びグリーン・センター狙いでした。スコアを余り気にせず淡々とマイペースでプレイできたのが良かったようです。炎天下のラウンドのため、スタートより銀色パラソルを差して体力の消耗を防ぎ、ホール毎にスポーツ・ドリンクでこまめに水分を補給しました。昼食時はツキが逃げないようゲンを担いで汗ぐっしょりのウェアは着替えませんでした。

折り返してからのNo.1は、グリーン手前まで長い池に隣接した右ドッグレッグのロングホール。ティショットを引っ掛けて左ラフへ。刻んだ後のアプローチがトップしてグリーンオーバー。寄らず入らずのトリプルボギーを打ってしまいました。続くNo.2のサービス・ホール(パー5)も3パットでボギー。次のNo.3、短めのパー4も左ラフからの寄せが松の枝に当たり、又もやボギーで万事休す。早くも三ホールで五打も無駄に費やし、気が焦り出しました。残りホールで三つはパーオンが難しいホールがありますので、またもや80を切るのが難しくなったと感じました。

No.4(パー4)はホール・ハンディキャップが1の難ホール。ティショットは右バンカーへ、その後ボールを花道方向へ。53°のピッチングサンドで打ったアプローチは、ピンそば30cmに寄りOKパー。ボギーでいいと思っていたのに寄せワン。これで気分が晴れてスコアを忘れて目の前の1ホール、一打一打に集中するように考え直し、残り三つのショートホールをパーセーブして43。

出入りの激しいゴルフでしたが、寄せワンが5ホール、パット数30でアプローチとパットで救われ、何とか目標を達成できたラウンドでした。パーオンが8で、「パーオン率がゴルフを決める」のリッキオの法則にドンピシャリと当てはまりました。

日頃、心掛けている事は、
1.ルーティーンの徹底で、ティショットからアプローチまで まず素振りをしてからボール後方に立ち、ターゲットを見てターゲットとボール間に目印を見つけ、その目印とボールを結んだ線に合わせてアドレスを決めています。

2.次は呼吸法で、アドレスで一旦息を吐き切り、息を吸いながらゆっくりとバックスウィングするよう注意しています。

3.グリップについては、今年1月に掲載された「なぜ手袋に穴が開くのか?」の中の「クラブは左手のheal padがクラブの上に来るようにグリップせよ」を実践してからアイアンの方向性が安定しました。今でも練習時、ラウンド時もheel padがクラブの上に来るよう必ずチェックしてグリップしています。

4.歩行リズムにも気を付けています。スコアが悪くなるとどうしても肩を落として歩行スピードも落ちてしまい勝ちですが、「自分なりに無理なく最も早く歩ける速度で、絶えず一定のリズムを保って歩くこと」(中部銀次郎著『もっと深く、もっと楽しく』より)を思い出し、胸を張って歩くように努めています。

これからも「80を切る日記」を参考にして、夢のパープレーを目指して精進したいと思います。

(August 19, 2005)


Tom Kite(トム・カイト)のロブウェッジ

'The 3 Scoring Clubs'
by Jim McLean (Gotham Books, 2005, $30.00)

インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)は、Tom Kite(トム・カイト)がU.S. Open 1992に優勝する前後にTom Kiteのコーチだったそうです。上の本でJim McLeanは次のように書いています。

「Tom Kiteは、通常より1.5"(インチ)短い33.5"のロブウェッジを使っていて、これがコントロールを良くすると信じていた。実に1990年代初期にそう認識していて、他の誰よりも先んじていた。彼のショットが安定していたのも不思議ではない」

初耳でした。私はTom Kiteの本を持っていたので、すぐロブウェッジの項を読んでみました。

'How to Play Consistent Golf'
by Tom Kite and Larry Dennis (NYT Special Services, Inc., 1990, $14.00)

「数年前、ピッチングウェッジとサンドウェッジの他に“技巧的”ウェッジを三本目のウェッジとしてバッグに加えた。シャフトが通常より短い33.5"で、ロフトは60°、バウンスはサンドウェッジより少ないというクラブだ。私のいつものサンドウェッジは長さが35.5"あり、ロフトは55°だった。

私はこの60°ウェッジを二つの理由で試した。第一に、私はサンドウェッジよりフルスウィングで25ヤード短い70ヤードを打てるクラブが欲しかった。第二に、短い距離のショットを易しくしてくれ、グリーン周りで高く上げるボールが必要な際に助けてくれるクラブを求めていた。

それまでも、私のショートゲームは自慢出来る範疇のものだったが、1981年に60°ウェッジを加えてから私のショートゲームは劇的に向上した。まさに昼と夜の違いだった。それまで、私の賞金獲得額ランキングは11位以上には上がらず、その前年は20位だった。この60°ウェッジを使い始めた一年後、私はランキング一位になり、十位から外れたことは只の一度しかない」

(August 21, 2005)


[caps] パット練習法(若干クレージー篇)

絨緞の上に並んでいる赤いものは卓上ガスコンロ用ブタンガスのキャップです。この五つのキャップは、ボール位置から斜めに約2m〜2m30cmのところに、それぞれ10cm間隔で並んでいます。12個のボールを用いてキャップを1個ずつ倒します(触るだけでもいい)。なお、キャップとボールの数に特に意味はなく、たまたまそうなっただけです。1個のキャップは直径2cmですから、本物のカップの1/4。非常に難しい。まぐれで5個のボールで倒せることもあれば、12個のボールで三つしか倒せないこともあります。現在、平均8個のボールで成功というところでしょうか。

この練習は目標を小さくし、例えばカップの右とか左を狙う際に活きるような、精密なパッティングを目指すものです。絨緞の上で成功しても本物の芝の上では通用しないということは百も承知なのですが、絨緞の上でも出来ないことは逆立ちしても芝の上では出来ないだろうと考えます。

この練習で分ったことは、ターゲットが小さいからといって、強ばった手首でパターヘッドを誘導するようなストロークは失敗するということです。先ず、二度ほどボールとターゲット間に視線を往復させ、ターゲット・ラインがパター上の線に合致しなかったら、足・膝・腰・肩のアライメントを修正します。ターゲット・ラインとパターの線が合致したら、エフォートレスにストロークします。

ブタンガスのキャップでなければならない理由は全くありませんので、ワインのコルクとか将棋の駒など、何でもいいと思います。

(August 23, 2005)


ディヴォットを取れ!

「ゴルフ哲学」(8/13)という記事で、スポーツ心理学者Dr. Bob Rotella(ボブ・ロテラ博士)の次のような主張を紹介しました。

「世に云う“マスル・メモリ”なるものは存在しない。筋肉に何かを記憶するという能力はないのだ。記憶はあなたの頭に存在する。だから、いくらあなたが長時間スウィングを練習しようとも、どれだけあなたが熟練しようとも、あなたの筋肉だけではそれを記憶出来ないし、コースで必要になった時も実行はおぼつかない」 以下の記事は、このロテラ博士の主張に真っ向から対立するものです。

'The Secret of Golf'
edited by George Peper (Workman Publishing, 2005, $18.95)

インストラクターPaul Bertholy(ポール・バーソリィ)は、ある男にスウィングを教えていたが、男はコーチの指示通りのことを全く実行出来なかった。「精神と身体のコミュニケーションがうまく行ってないんだ」とPaul Bertholyは思った。彼は、少年時代にお祖母ちゃんが鶏を料理するのを手伝った経験を思い出した。彼が生きている鶏を押さえて、お祖母ちゃんが鶏の首をちょん切る。首を切られた鶏は台所の中を駆け回った。「首が無くても走れるなら、頭が走れと命じているわけではないわけだ。頭から独立した記憶が身体にあるんだ。鶏がそうなら、人間もそうに違いない」 彼は神経筋システムについて学び始め、筋肉も記憶することが出来ることを発見した。

彼の指導方針は大変化した。生徒たちは自宅で重いパイプを持ち、スウィングの様々なポジションを10秒間ずつ静止させながら繰り返すことになった。一日30分、週に五日、最長二年間。このドリルでボールは全く打たない。彼の男子生徒の一人は9歳になるまでにジュニアの大会で32勝を挙げた。あるビジネスマンはハンデを15から2に下げ、18ヶ月後には68で廻った。

Paul Bertholyのメソッドは1966年にゴルフ雑誌に紹介され、絶賛を博した。それまでドリルなどというものが存在しなかったゴルフ界だったが、有名コーチたちもドリルを導入し始めた。

「ゴルフ・スウィングを健全に保つには、アイアンにディヴォットを取らせることだ。大方のゴルファーは地面や芝に対して臆病である。これを打破すること。ディヴォットを取らないアイアンショットは全てまやかしである。ディヴォットはベーコンの形(長く細い)でなくてはならない。ポークチョップ(あるいはとんかつ)のようでは落第。

[divot]

現在のアイアン・セットを傷めないため、古いアイアンの2〜5番のどれかを選ぶ。色の異なる三つのティー・ペグを用意する。白いティーをボールの代わりとして刺す。青いティーはリリース・ポイントの設定で、ボール位置から飛行線前方6"(約15cm)前方に置く。青いティーの飛行線前方8〜12"(約20〜30cm)に赤いティーを刺し、これを“真のターゲット”とする。最後のティーは松ぼっくりでもよい。

クラブを左手だけで持つ。右手は蟹鋏のような形で右脚上空で待機。バックスウィングを始め、左手が右太腿を越えたら右手で左手から12"(約30cm)のシャフト部分を掴む。バックスウィングを続け、充分に捻転したらダウンスウィングに移る。この時、さらにコックしてもよい。正しい動きが行なわれれば、クラブヘッドはまだ頭の脇にある筈だ。これが飛距離を生む源である。左手が青いティー(リリース・ポイント)を過ぎる辺りで、右手をシャフトから離す。

クラブヘッドは白いティー(ボール)の上を通過し、青いティー(リリース・ポイント)も通過し、赤いティー(あるいは松ぼっくり)とコンタクトする。ゴルフボールが存在すれば、それはたまたま途中でヒットされるに過ぎない。最後の赤いティーへの接触とディヴォットを取るのがこのプロセスの目的である。身体はボールの後ろのディヴォットを削り取る作業をうずうずと待ち望むようでなくてはならない。インパクトを過ぎても、目は少なくとも十秒はディヴォット跡を見つめること。

インパクト後、クラブヘッドがターゲットを指すまでの短いフォローを取る。このドリルを通常の1/10の速度で行なう。そして、次第に通常の25%の速度まで早める(それ以上には早くしないこと)。

偉大なゴルファーには芝を引っ掻く程度の人もいるし、大きなディヴォットを取る人もいる。私は普通のフェアウェイでは、ポークチョップ(あるいはとんかつ)のようではなく長細いベーコン形のディヴォットを好む。

上のドリルに習熟したら、次の段階ではフル・フィニッシュを取る。最後に、仕上げとして両手で通常のグリップをし、ちゃんとディヴォットを取ってフル・フィニッシュを迎える」

私のゴル友Mike Reekie(マイク・リーキィ)は飛ばし屋です。ウッドも飛びますが、アイアンは私と1クラブ以上違います。「何故だろう?」と思い、ある日練習場で彼のようにディヴォットを取りながらアイアンを打ってみました。明らかに1〜1.5クラブ余計に飛びました。

私は貧乏性なので、折角綺麗に刈られた芝を削り取る勇気がなく、ここ何十年、芝の上をさっと掃くような打ち方をして来ました。最近私がプレイしている安いコースのフェアウェイなどは、芝が密生しているわけではなく、薄ら禿げのようにぽしょぽしょと芝(雑草?)があるだけで、地面がもろに見えています。その地面を掘るショックで手首を痛める恐れも抱いています。カナダの鬼才Moe Norman(モー・ノーマン)はディヴォットを取らないので有名でしたから、私も別にディヴォットを取らなくてもいいという気もしました。今回、この記事を読みながら「うーむ、1クラブ伸びるのなら考え直そうか」と思っているところです。

試みにインターネットで検索してみたらpga.com(http://www.pga.com/improve/thepgainstructor/featuredinstructorschulze039203.cfm)でGreg Schulze(グレッグ・シュルツ)というインストラクターが読者の質問に答えて「ディヴォットを取らないアイアン・ショットは、インパクト前に既に手首のコックが解かれ、掬い打ちしていることを意味する。先ずハーフ・スウィングでインパクト直後までコックを解かない練習をし、次第にフルショットに移行するとよい」と云っていました。上のPaul Bertholyのドリルに通じますね。

しかし、ボールの先35〜45cmでディヴォットを取るというのはびっくりです。ボールのすぐ前だろうと思っていました。45cm前方などを意識していたら空振りしそうです:-)。

【語義】“ディヴォット”は「地面から削り取られて飛んだ芝の一片」で、地面に出来る穴は「ディヴォット跡」(あるいはディヴォット・ホール)です。

【重要】自分が取ったディヴォットは、必ず拾い上げてディヴォット跡に戻して踏み固めましょう。

(August 25, 2005)


[balls] 前腕部を鍛える

'Ask The Pro'
by Dr. T.J. Tomasi (Andrews McMeal Publishing, 2002, $12.95)

「前腕部と手が強靭でないプロはいない。それらが強靭なら、指が白くなるほど強くクラブを握らなくても、容易にクラブをコントロール出来る。

手と前腕部を鍛えるいい方法はスクウィーズ・ボール(弾性ゴムボール)を使うことだ。机の傍、TVの隣り、自家用車の中などに置いておいて、指先で転がしたり、手の平で握り締める。頻繁に手をチェンジすること。でないと、反復性ストレス症候群を患ってしまう。

数週間で、あなたのグリップは万力のようになる筈だ」

老婆心ながら、ラウンド当日の朝これをやってはいけません。指に力が入らなくなります。【写真はいずれもタダで入手したものばかり】

(August 26, 2005)


練習嫌いのあなたへ

練習嫌いで有名なCarlos Franco(カーロス・フランコ、パラグワイ出身)の「練習場回避法」。

'Skip the Practice Tee'
by Carlos Franco with Greg Midland ('Golf Magazine,' July 2005)

「おら、トーナメント・ラウンドの前に練習ボールを打つのが嫌(きれ)えだ。つっても、おらが何も準備しねえわけではねえ。コースに着く前に、短い運動とか速歩みでな身体的なことは済ませてっからよ。

あんたがハア練習の時間がねえとか、練習場へ行く気がしねえつーんなら、次みでえなエンジンのかけ方したらいいべ。

・グリーンのスピードに慣れっため、パットとチップの練習ばする。
・No.1ティーに近づく時に、プレイしたくてうずうずするフィーリングと、これから何をすっかよーぐ知ってるつーことに自信ば持つ。あんたはもう何千回とスウィングしてるんだからよ、今急に忘れることはねえっちゅうの。
・最初のティー・ショットでは、バックスウィングばゆっくりスムーズに始めっこど。これは両腕を伸ばし、クラブヘッドのトゥが天を指すような、ストレートな軌道のバックスウィングに繋がるだ。ほれはまた、上ずった気分で泡食ったスウィングをしてしまうことば防いでもくれるだ。ゆっくりスウィングばして、フェアウェイど真ん中へティー・ショット打つべさ」

(September 02, 2005、増補June 02, 2015)


Campbell(キャンベル)の秘密

U.S. Open 2005で、Michael Campbell(マイケル・キャンベル)が何度お手洗いに駆け込んだか御存知ですか?TV中継では最終日のNo.12とNo.17のティー・ショットの後、観衆をかき分けて走って行く彼の姿が捉えられていました。トーナメント期間中、少なくとも一日三回は駆け込んだと伝えられています。

アナウンサーや解説者は「U.S. Openだから緊張してるんでしょう」などと云っていました。あるいはお腹を壊していたのか、水の飲み過ぎか?どれも外れだったそうです。Michael Campbellはトイレの中で目の運動をしていたのだそうです。

'For his eyes only'
by Jeff Rude ('Golfweek,' August 27, 2005)

「今年の四月にMichael CampbellはLeadbetter Academy(レッドベター・アカデミー)で骨盤のチェックや肩の治療をした。姿勢と目の検査も行なわれた。運動学と姿勢学の専門家はMichael Campbellの両目が一つの焦点を持っていないことを発見した。左目が左下方を見ている時、右目は右上方を見ていたのだ。そのままではパットのラインが正しく読めるわけがない。専門家は目の運動の方法をMichael Campbellに伝授した。

その運動とは次のようなものだった。目の前40cmぐらいのところにティー・ペグをかざし、それが二つに見えるまで近づける。それから、そのティーが一つになるまで遠ざける。その後、ティーで横長の円を描き、次第に横になった8の字になるようにする。それを頭を動かさずに目玉だけをぐりぐり廻しながら見つめる。数秒後には両目は自由になる。両目が揃うので正しいラインが見えるようになる。

しかし、Michael Campbellはそれを観衆とTVカメラの前でやりたくなかった。狂人のように思われる恐れがあった。だから彼はトイレに駆け込み、20秒で目の運動を済ませた。

最終日、No.12ティーのトイレから出て来たMichael Campbellは、そのグリーンで9mのバーディー・パットを沈め、No.17ティーのトイレから出て来て6mのバーディー・パットを沈めた。他にもNo.10で6m、No.1で4.6m、No.15で1.8mを沈めている。この日、彼は十個の1パットを決め、27パットしかしなかった。

Michael Campbellがトイレで目の運動をしている間、彼の鼓動は落ち着き、U.S. Openのプレッシャーを忘れて別なこと(目の運動)に集中出来た。彼は充分リラックスしてコースに戻ったのだった」

(September 07, 2005)


身の程知らずの大叩き

'Play within yourself'
by C.C. Reynolds ('Golf Illustrated,' September/ October, 2005)

「ハンデ18のゴルファーの多くが、1ラウンドで13のホールでパーオンを達成しなければならない(G.I.R.=72.2%)などと考えている。次項【数字によるプロとアマの比較】で明らかなように、PGAツァーの中クラスでさえパーオンは11ホール(G.I.R.=62.2%)である。インストラクターMel Sole(メル・ソウル)は『ハンデ18のゴルファーが期待すべきG.I.R.は27.8〜33.3%(5〜6ホール)だ』と断言する。過大な期待は欲求不満をもたらすだけである。

スコアと共に記録しておくべきものに、フェアウェイ・ヒット数、G.I.R.、サンド・セイヴ、寄せワン、パット数などがある。Mel Soleは『フェアウェイやグリーンをミスした数、第一パットの距離も記録しておくといい。これらは寄せの正確度を測るデータとなる』と云う。

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)は『1ラウンドで完璧なショットをいくつ打てたか?』と問われ、『一つだ』と答えた。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)は、同じ質問に『二つ』と答えた。インストラクターDean Hedstrom(ディーン・ヘドストロム)は『彼らでさえそうなのだから、普通のゴルファーが期待通りの完璧なショットを出来るわけがない。現実的な期待をした時だけ、リラックスした自信のあるプレイと喜びが得られる。それがスコアを減らすことに繋がる』と云う。

たった一回の過去の最長不倒距離をもとに、残り140ヤードで8番アイアンを引っ張り出すべきではない。自分のショットのベストでも最悪でもない、平均の飛距離で判断すべきだ。短いクラブで打つことはエゴを満足させても、池やOBに打ち込めば自信を崩壊させてしまう。Dean Hedstromによれば、女性は男性より身の程をわきまえる術(すべ)に長けている。彼女たちの多くは『多分池を越えられると思うけど、安全な方へ打つわ』と云うそうだ。男性はそうは云わない。ごく僅かな可能性に賭けて猪突猛進する。

ティー・ショットで3番ウッドを使ったとしよう。残りは220ヤード。3番アイアンのことなど忘れること。9番アイアンで110ヤードを二回打ち、自信を持って快適かつ安全に三打でグリーンを捉えるのだ。『グリーンまで220ヤードのショットは危険を孕んでいる』とMel Soleは指摘する。『バンカーや池、ラフなどの要素、そして難しいショットを実施する恐怖などが一時に押し寄せる。フェアウェイを狙う9番アイアンのショットは安全であり、二度目の9番アイアンはハザードからのリカヴァリーやバンカーからのショットに較べ、疑う余地もなく簡単そのものである。あなたが7番ウッドとウェッジを快適に用いられるならば、別に9番アイアンでなくとも構わない』

ピンではなく、グリーン中央を狙うこと。ゴルフはミスのゲームである。グリーン中央を狙ったのにピン傍につくことだってあるわけだ」

(September 12, 2005)


数字によるプロとアマの比較

'Truth in the numbers'
by editors of 'Golf Illustrated' ('Golf Illustrated,' September/ October, 2005)

部門 PGAツァーのトップ級     PGAツァーの中級     ハンデ18のアマチュア
フェアウェイ・ヒット率
72.7%
58.3%
7%
G.I.R.(パーオン率)
72.8%
62.2%
6%
パット総数(ラウンド)
27.93
29.69
33〜36
平均パット数(ホール)
1.71
1.81
1.83〜2
サンド・セイヴ
67.2%
39.3%
1%
スクランブリング
69.2%
54.4%
15%

【定義】

・「フェアウェイ・ヒット率」ティー・ショットでフェアウェイをキープした割合。
・「G.I.R.(パーオン率)」各ホールのパーから二打引いた数でグリーンを捉えた割合。ボールがグリーンに接していれば乗っているものとする。
・「パット総数(ラウンド)」1ラウンドのパット総数の平均。
・「平均パット数(ホール)」パーオンした後のパット数をホール総数で割った数。
・「サンド・セイヴ」グリーンサイド・バンカーから寄せワンを達成した割合。そのホールのスコアは考慮しない。
・「スクランブリング」パーオン出来なかったものの、パーあるいはもっと少ないスコアを達成した割合。これはアマチュア・ゴルファーの「寄せワン」に相当する。

【註】

「PGAツァーのトップ級」は2005年5月9日の40ラウンド以上のデータに基づく。
「PGAツァーの中級」は賞金獲得額約150位の40ラウンド以上のデータに基づく。

(September 12, 2005)


パットに関する表現

U.S.オープン 2004最終日、Retief Goosen(ラティーフ・グーサン)のNo.12でのパットに際し、NBCの解説者Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)はオンコース・リポーターに"Slice putt, huh?"(スライス・パットだろ?」と尋ねました。日本では「スライス・ライン」、「フック・ライン」と云いますが、アメリカでは聞いたことがありません。この"Slice putt"ですら初めてでした。普通は"It'll break from left to right."(左から右へ切れる)などと長たらしくなります。「スライス・ライン」、「フック・ライン」の方が簡明でいいですよね。

U.S.女子オープン 2004のTV中継でも、Johnny Millerは"hook putt"、"slice putt"と云っていました。そのうちアメリカでもこの表現が定着するかも知れません。

全英オープンのヴィデオを観ていましたら、あるプロがショートしたパットに、英国人解説者は"Not enough pace!"と云っていました。"pace"は「歩幅、歩調、速度(スピード)、ペース」です。

アメリカのアナウンサーたちは、同じことを"Not enogh speed."と云います。つまり、英米ともパッティングを“強弱”では表現せず“スピード(速度)”で表しているわけです。

日本では「強すぎた」、「弱すぎた」と“強弱”で表現しますね。日米の大きな違いです。

(September 14, 2005、改訂June 02, 2015)


視覚化を超えて

'The Secret of Golf'
edited by George Peper (Workman Publishing, 2005, $18.95)

この本は古今の名著・快著・怪著・未刊の迷著から47冊を選りすぐったものです。これに'Five Days to Golfing Excellence' by Chuck Hogan (1986)という本からの抜粋が掲載されています。インストラクターChuck Hogan(チャック・ホーガン)は、ゴルフ・レッスンにメンタルな部分が欠けていることに気づいた最初のレッスン・プロ。彼は科学者の協力を得てヘッドフォンでゴルファーに低周波の音色を聴かせ、いいプレイに繋がる視覚化を生み出す、即席の禅の状態を醸成する手法を編み出しました。この方法でPeter Jacobsen(ピーター・ジェイコブセン)、Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)、John Cook(ジョン・クック)などが助けられましたが、圧巻は当時43歳だったRay Floyd(レイ・フロイド)で、彼はU.S. Openに優勝してしまいました。

「他のスポーツでもそうだが、特にゴルフにおいては、実行する前にこれからするアクションの結果をイメージし、感じ取ることが自信に繋がる根本的要素であり、成功への鍵である。パットする前に、既にボールがカップに入っていると思えたりする経験を想起してほしい。それは『ラインが見え、パットが成功することを知っていた』からに他ならない。こういう風に最高のゴルフを展開している時、フェアウェイは1マイル(約1.6 km)も広いように感じられ、グリーンはとてつもなく大きく、ハザードはボールより小さくなってしまう。

イメージには、視覚ばかりでなく運動感覚(感じる)、聴覚、嗅覚、味覚なども含め得る。イメージは内的・外的対話に勝り、自己との対話よりも遥かに運動的技能をリードする役割を果たす。ある経験を言葉によって説明するインパクトは、実際のイメージや経験そのもののインパクトに較べれば問題にならないほど劣るものだ。蜜柑の皮が剥かれる様(さま)を言葉で説明するインパクトは、あなた自身が蜜柑の皮を剥いているイメージのインパクトに全く敵わない。

[Harry]

プロのようにプレイしたいのなら、プロのように行動しなければならない。勝利者のようにプレイしたければ、勝利者にならなくてはならない。プロのようなスウィングのイメージを持ち続け、もっと重要なことだが、プロや勝利者のように思考すべきなのだ。ということは、あなたのイメージは活き活きとした様々なイメージが連携し合い、同時に個性的なものでなくてはならないということだ。これはコースでも、他所においても練習が必要だし、完全にあなた自身の新鮮で、かつ自分を鼓舞出来るイメージも必要である」

私の少年時代、James Dean(ジェイムズ・ディーン)の映画を観て映画館を出て来ると、James Deanのように上目遣いで、やや身体を斜めにした歩き方になったものでした。青年時代、Henry Fonda(ヘンリィ・フォンダ)の映画を観れば、彼のようにやや足を引きずるような歩き方になりました。中年時代、Clint Eastwood(クリント・イーストウッド)の映画を観れば、自分も背の高いタフガイになったような気分で街を歩きました。これは何方にもある経験でしょう。つまり、イメージは身体に乗り移り、挙措動作・心理に影響するのです。

最近、私は連続して76でラウンドするという初体験をしたのですが、その原動力が何だったのか、上のChuck Hoganの記事を読んで思い当たりました。最初の76はSolheim Cup(ソルハイム・カップ、LPGA版Ryder Cup)を三日間TV観戦した翌日でした。私は最終日に19歳の新人Paula Creamer(ポーラ・クリーマー)がヴェテランLaura Davies(ローラ・デイヴィス、英国、42歳)に、5ホール残して圧勝してしまったラウンドに感銘を受けました。Paula Creamerはいいショットをしても躍り上がって喜んだりせず、終始沈着冷静、クールな闘志とでも云うべきものを内に秘め、淡々と妙技を積み重ねていました。マッチ・プレイにおいては、《対戦相手のベスト・ショットを覚悟しておく》というのが鉄則ですから、ヴェテランLaura Daviesの逆襲に備えて常に一打一打を真剣に放ち、相手の状態に関係なく自分のベストを尽くしているという態度でした。私は、彼女のその日の無表情とも云える真剣さに打たれたのです。

翌日の私のラウンドにはPaula Creamerが乗り移っていたような気がします。パーが連続しても「まだまだ先は長い」と思って浮かれませんでしたし、いいショットによるパーオンも「当然」でした(Solheim Cupの尺度で)。トラブルにも冒険主義を排して“スマート(賢明)な”ゴルフに徹しました。パットも1ストローク、1ストロークを慎重に処理しました。

その二日後もまだ私の身体の中にPaula Creamerは存在していたようです。しかし、さらにその二日後は消えてしまいました。私の好調の一因がPaula Creamerのイメージだったと気がつかなかったのは失敗でした。で、The Golf Channel(ゴルフ・チャネル)が放送したPaula Creamerの最終日のハイライト映像に、闘牛士にふさわしいような勇壮なBGMをつけたDVDを作成し、ゴルフに出掛ける前に観ることにしました。夢よ、もう一度。

【おことわり】画像はhttps://s.aolcdn.comにリンクして表示させて頂いています。

(September 18, 2005)


日焼け

二日前、お風呂に入った時に首の周りが痛いので、鏡でチェックして驚きました。首の周りが日焼けしているのは当然ですが、背中全体にもランニング・シャツの形がくっきりと白く残った焼け方をしているのです。私は下着姿で屋外にいたことはありませんから、明らかにポロ・シャツ越しに紫外線が身体を焼いたのです。

その日は暑くなりそうだったので、持っているポロ・シャツの中から最も薄いものを選んでラウンドしたのでした。「日射」8/8 という記事で「汗に濡れた普通のゴルフ・シャツは、まるで何も着ていないのと同じように太陽光を通す。ゴルファーの皮膚癌は、背中や胸などシャツに覆われた部分に多く発症する理由である」なる説明を紹介したのですが、それが100%真実であることが分りました。少なくとも首と腕に日焼け止めクリームを塗り、厚めのシャツを着用することにしました。

'Ask The Pro'
by Dr. T.J. Tomasi (Andrews McMeal Publishing, 2002, $12.95)

「SPF(Sun Protection Factor、日焼け止め指数)が少なくとも30で、UVA(長波長紫外線)とUVB(中波長紫外線)のどちらにも対応している日焼け止めクリームを買うように。アメリカの場合、Skin Cancer Foundation(皮膚癌基金)の承認シールが貼ってあるものならベストである。

ラウンド開始の30分前に塗り、二時間経ったらもう一度塗る」

ゴルファー用には油っ気のないクリームもあるそうなので大手スーパーで探しました。スポーツ用としては'Bull Frog Sunblock'というスプレー・タイプ一種類しかありませんでした。しかし、SPFが36で、UVAとUVBにも対応しているそうですし、速乾性で汗では流れないが水では簡単に落とせるそうなので(不思議ですね)、これを使ってみることにしました。背中にもスプレー出来るので、クリームより便利です。

帰宅して入浴しましたが、首の周りは全くヒリヒリしませんでした。日焼け止めがちゃんと役目を果たしたようです。あとはリップ・クリームを施せば完璧でしょうね。

(September 21, 2005)


ハンデ別目標パット数

'How to set your target number of putts'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' October 2005)

「ラウンドする毎にパット総数を記録しておくべきである。以下は、ハンデ別に分けた個人的パット数の目標(パー)である。この目標に達することが出来れば、あなたのカードの数字も少なくなっている筈だ。

ハンデ    パッティングの個人的パー(1ラウンド)

30以上    36パット
20〜29    34
10〜19    32
0〜9     30」

(September 25, 2005)


不安の生理学

Dr. Bob Rottella(ボブ・ロテラ博士)によって有名になったスポーツ心理学(特にゴルフ)ですが、最近若手の学者が登場しました。Dr. Gio Valiante(ジオ・ヴァリアンティ、33歳)はChris DiMarco(クリス・ディマーコ)、Justin Leonard(ジャスティン・レナード)、Davis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)などのメンタル面のコンサルタントを務めているそうです。彼は勤務する大学の助成金を得て、一年間PGAツァー開催地を経巡り、数々のプロたちの体験談を収集しました。早くも出版された彼の本の一冊目は'Fearless Golf'(恐れを知らぬゴルフ)と題され、ゴルフの様々な局面における恐れ(不安)とその影響、対処法について書かれています。

'Fearless Golf'
by Dr. Gio Valiante with Mike Stachura (Doubleday, 2005, $21.95)

「ナーヴァスになった人は手をいじくり廻すということにお気づきだろうか?不安の最初の徴候は手に現れる。恐れに対する身体の自然な反応は血管を収縮させることなので、血液は末端の手から押し出されてしまう。手の感覚を失ったゴルファーは、いつもの握り方では足りないと考え、通常の倍もきつくクラブを握り締める。

不安は筋肉を固くし、心を焦らせる。固い筋肉、きついグリップ、心の焦りは、完全なスウィングのトップを構築する前にダウンスウィングに移ろうとする。それは手打ちに繋がる。

ナーヴァスになっているゴルファーは、プロセスよりも結果に囚われる。その意識はクラブ(あるいはパター)を減速させ、ミスを誘発する。

手が緊張し過ぎているゴルファーは、多くの場合ボールを右に打つ傾向がある。何故なら、固い手がブロックして充分なリリースを行なわないため、フェースがオープンなままインパクトを迎えてしまうからだ。たとえリリースしたとしても、それはパチンと素早く弾くようなものであり、前の例と反対に低いフックとなってしまう」

(September 27, 2005)


続・娘をLPGAスターにする方法

'College Golf Guide'
by Hunki Yun ('Golf Digest,' September 2005)

「どこに子弟を送り込んだらいいか?」という疑問に応えるべく、'Golf Digest'がゴルフの面に特化した大学のランク付けをしました。分類は次の三つ。
1) ゴルフ第一(勉学は二の次、ツァー・プロ育成の場)
2) 勉学優先、ゴルフは二番目(ゴルフの奨学金制度はない)
3) 上の両者の中間

ランク付けには、ゴルフの全国レヴェルでの実績、入学の難易度、大学所在地の高温と降雨の度合い(9月〜5月)、そしてコーチ・付属コース・練習場のレヴェルなどが加味されています。オリジナルは男女別に上の分類に従って25の大学が掲載されています。ここでは女性対象のベスト5だけを書き抜いてみました。お嬢さんを留学させる際の参考になさって下さい。

[Duke]

・ゴルフ第一
1) Duke(Durham、ノース・キャロライナ州)【右の写真】
2) UCLA(Los Angeles、カリフォーニア州)
3) Texas(Austin、テキサス州)
4) Southern Cal(略称USC、Los Angeles、カリフォーニア州)
5) Ohio State(Columbus、オハイオ州)

・勉学優先
1) Princeton(Princeton、ニュージャージー州)
2) Yale(New Haven、コネティカット州)
3) Brown(Providence、ロード・アイランド州)
4) William & Mary(Williamsburg、ヴァージニア州)
5) Harvard(Cambridge、マサチューセッツ州)

・中間
1) Duke(Durham、ノース・キャロライナ州)
2) UCLA(Los Angeles、カリフォーニア州)
3) Southern Cal(略称USC、Los Angeles、カリフォーニア州)
4) Cal-Berkeley(Berkeley、カリフォーニア州)
5) Stanford(Stanford、カリフォーニア州)

なお、現役LPGAプレイヤーの母校と人数も出ています。
1) Arizona State (ゴルフ第一の9位、Tempe、アリゾナ州)12人
2) Arizona (ゴルフ第一の11位、Tucson、アリゾナ州) 9人
3) Furman(中間の14位、Greenville、サウス・キャロライナ州) 9人
4) Texas (ゴルフ第一の2位、Austin、テキサス州)9人
5) Georgia (中間の10位、Athens、ジョージア州)7人

【参考】「娘をLPGAスターにする方法」(tips_93.html)

【おことわり】画像はhttp://i.turner.ncaa.comにリンクして表示させて頂いています。

(September 27, 2005)


前頁 ← | → 次頁



 Copyright ©  1998-2017   高野英二  (Studio BE)
[Mail]
 Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.