Golf Tips Vol. 81

鉛テープの効果

'Gearhead'
by Josha Hill ('Golf Magazine,' March 2004)

筆者のJosha Hill(ジョッシャ・ヒル)はフックに悩んでいました。トーナメント取材で、専属プロをサポートするメーカー各社のメンテナンス・ヴァン(車両)を訪れた際、以下のようなことを学んだそうです。

「TaylorMade(テイラーメイド)の技術者は『2gの鉛テープでクラブの特性が変わると信じることは、飛行機に貼りつけたセロテープが空気力学を変えると信じることと同じだよ』と云った。

しかし、私はSrixon W-302ドライヴァーによるフックを何とかしたかった。で、鉛テープをヘッドのトゥに貼り出したところ、Nike Golf(ナイキ・ゴルフ)の専門家がこう云った。『ヘッドの重さの10%の重さを加えない限り、ほとんど影響は出ないよ』 Srixonのヘッドは200gなので、20gは貼らないといけないわけだ。

その結果、ボールのいくつかは右へ、いくつかは真っ直ぐ飛ぶようになった。最も変化したのは、私のスウィング・テンポだ。追加した重さによって、以前の乱暴で急速なスウィングではなく、リラックスしたスウィングをしなければならなくなった」

[icon]

ドーナッツ型錘に関して、インターネットである記事を見つけました。

あるロングドライヴ愛好家が、色々試行錯誤の末'Quue'(「キュー」と発音する)という練習道具を開発しました。Quueは鉛の棒にビニール・コーティングしたもので、ヘッドの真上に装着するとそこに定着するので、ドーナツのようにヘッドを痛めることがないのだそうです。

その開発者はあるロングドライヴ・トーナメントに見本を持って行って、参加者にいくつかを進呈したところ、人々はこれまでのドーナツや重い練習用クラブをその場でゴミ箱に放り込んだそうです。次のトーナメントに200個ほど持って行って大勢に贈呈したところ、彼らはその後も継続して使っている…とのこと。その後Quueは製品化されたそうですが、通販のカタログには載っていません。

[???]

私がQuueの話に惹かれたのは、「錘が固定される」という一点でした。確かに、ドーナツは一回一回ヘッド上部を直撃します。スローなスウィングだとドーナツが下がって来てしまいます。調べると、'Swing Sock'という製品があり、これは7オンス(198g)か9オンス(255g)の重い袋をヘッドにかぶせる方式です。「これは類似品が作れる!」と思いました。古いドライヴァーのヘッドカヴァーにドーナツを入れ、ドライヴァーを突っ込み、首のところを縛ればいいのです(写真上の素材を下のヘッドカヴァー内に納めて、針金で首を締める)。ヘッドカヴァーが毛糸で編まれたものとか柔い材質だと、そのうちカヴァーが破れてドーナツが飛び出して来る恐れがあります。室内や周囲に人がいる環境では使ってはいけません。しかし、タダですので、“絹のように滑らかなスウィング”あるいは“John Daly(ジョン・デイリィ)流バックスウィング”を身につけたい方は是非お試し下さい。

(June 10, 2004、改訂June 01, 2015)


右脳を使え

'MentalRules for Golf'
by Gregg M. Steinberg, PH.D. (TowleHouse Publishing, 2003, $12.95)

「アリゾナ・ステート大学で、心理学者Debra Crews(デブラ・クルーズ)がゴルファーたちに脳波をモニター出来る装置をつけ、以下のようなルールでパットのテストを実施した。優秀な成績を出した人は$200貰えるが、最下位の成績の人は実験者たちに$100払わなくてはならない(プレッシャーを与えるための方便)。

このテストの結果、パットの成果が優秀だった人たちは右脳と左脳を同等に使ってパットしていた。成績の悪い人ほど左脳の使い方が過剰だった。

大抵のゴルファーは地形を分析したり、パッティングの留意点を思い起こしたりする。これらは左脳の働きである。不幸なのは、大方のプレイヤーはここで止まってしまうことである。これはハーフ・セットのクラブを使うのと同じくらい勿体ないことだ。

あなたの天才を引き出す秘訣は、右脳を使ってもっとクリエイティヴなゲームを行うことだ」

(June 10, 2004)


ゴルフ金言集 Part 9

以下の金言集は当サイトが独自に収集・翻訳したものです。無断転載・引用を禁じます。

「自分でペナルティを宣言したからといって褒めそやさないでほしい。銀行強盗をしないからといって、人を褒めるだろうか」
Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)

(「ネヴァー・アップ、ネヴァー・イン」という格言について)「カップを通過してから入るボールというのも、見たことがないね」
Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)

「プレッシャー下で最も重要なことの一つは呼吸である」
Curtis Strange(カーティス・ストレンジ)

「いいスコアを作ることは出来ない。いいスコアへの下地を作るだけだ」
Ken Venturi(ケン・ヴェンチュリ)

「優勝への鍵はボールをカップに入れることだ。どのように入れたかは問題ではない」
Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス、写真)

 

「よりシンプルにすることによって、よりいいプレイが出来る」
Nancy Lopez(ナンシィ・ロペス)

「Don't prove. Improve.(自分は上手いんだと証明しようとするのではなく、より上達しようと考えよ)」
Marcia Reynolds(マーシャ・レイノルズ)

「スポーツマン精神にのっとり、ロスト・ボールを拾い上げてはならない。それが転がっている間は…」
Mark Twain(マーク・トウェイン)

「あたしゃ、しょっちゅう林に打ち込んでるんで、どの植物が食べられるか云えるようになったね」
Lee Trevino(リー・トレヴィノ)

「私のひどいゲームには三人のキャディが必要だ。一人は左のラフを歩き、一人は右のラフ、三人目は真ん中を歩く。真ん中のキャディにはあまりやることがないだろうが…」
Dave Hill(デイヴ・ヒル)

「If you drink, don't drive. Don't even putt. (呑んだらドライヴしてはいけない。パットさえもだ)」
Dean Martin(ディーン・マーティン、アル中で有名だった歌手。"drive"は“運転”と“ティー・ショット”双方にかかる)

(June 27, 2004)


蒲田さんの「80を切った、その日」

シンガポールの蒲田さんから、豪雨の中で80を切ったというリポートが寄せられました。私も隣国マレーシアの取材で何度もスコール(驟雨)を体験しましたが、一時にドカーっと降るのでかなり大変です。そんな中で、一打一打きちんと焦らずにプレイされた蒲田さんの態度は驚嘆に価します。

シンガポールに駐在する34歳の蒲田と申します。中学の頃からゴルフを親父に教わっていましたが、あまり好きではなく、アメリカ留学時代もゴルフはしておりませんでした。今考えると、シンガポールに負けず劣らず環境が良かったのに「勿体なかったな〜」と悔やんだりしています。

現在ハンディは12です。つい先日もPar 73のコースで白ティーから80で廻ったことはあり、Par 72に換算して実質7オーバーの79と言いたいところでしたが、投稿はぐっとこらえておりました。

しかし、6月26日、ついに文句なしに80を切りました。Par 73のコースで77(38/39)が出ました。しかも、ナイター・ゴルフという難しい状況下でした。

場所はシンガポール北部のオーキッド・カントリークラブ。全27ホールあり、それぞれDendro、Vanda、 Arandaと、蘭の名前がつけられています。コースは全体的にフラットでアップダウンは少ないですが、難易度を出すために全体的に傾斜がつけられていています。グリーンは俗に言うポテトチップ状です。ドッグレック、ブラインドのコースが多く、貯水池がうまくホールに絡めらています。

午後のラウンドを87で廻った後、コースに隣接したレンジで練習をしました。友人がビデオで撮影してくれて自分のスィングの欠点(インパクト後の失速)があからさまになりました。言葉で言われても分らなかったのですが、ビデオを見て一目瞭然。その後クラブを振り抜く意識でボールを打つと凄く良いではないですか。予定はなかったのですが、友人たちにナイターをしようと誘いました。三名ともOKという回答でその15分後にはティーグランドに…。

気温は25度、晴れ、微風。一年を通じ日中平均気温30度近いシンガポールですから、25度は非常に快適でした。通常、青ティーからプレーするのですが、原則的にナイター・ゴルフは白ティーのみです。DendoroとVandaを廻りました(6,263ヤード)。Par 37のOUTでは振り抜きを意識したせいか、アイアン・ショットに切れがありました。その結果、パーオンが6回あり、1バーディ、2ボギーの38でした。

後半の残り4ホールというところで雨が降って来ました。ベストスコアがかかっているため、是が非でも継続したい気持で一杯でした。同伴競技者の目を盗んで「神様、仏様、雨よ止まれ〜」なんてお呪(まじな)いをしてしまいました。すると小雨になるではないですか。しかし、残り2ホールは土砂降り。17番ホールPar 3は数日前の落雷でグリーン周辺の照明が切れていて少し暗かったため、3パットのボギーにしてしまいました。最終18番ホールではいつサスペンドになってもおかしくない大雨でしたが、同伴競技者たちが私のベスト・スコアになる可能性があることを承知していて、嫌な顔もせずに一緒に廻ってくれました(皆さん、ありがとう!)。INではどこかにスコアをまとめようという気持が出て、振り抜きが悪くなったらしく、アイアンの切れがやや鈍くなりました。1バーディー、4ボギーの39でした。

フェアウェイ・キープが10回、パーオンが10回、池ポチャが1回で、パット数は27でした(寄せワン6個)。白ティーからとはいえ、ベスト・スコアを三打更新することが出来ました。今回私が気をつけたことは以下の通りです。

1.コース・マネージメント

球が思い描いたように飛ばないにしても、必ず狙いどころを考える。狙いどころを考える際は、理由を明確にする。例えばピンまで150ヤード、風は右から左、グリーン右手前と左奥にバンカー。ピンは手前。以前の私ですと、漠然と150ヤード=8番でピンをデッドに狙ってバンカーに捕まったりしていました。今回は7番でグリーンの右狙い、バンカーを越える番手でうまくいけば風に乗って右から左にボールが流れ、ピン4〜5メートルの所にオンという風に具体的にプランを立て、その後はアドレスでワッグルをしながら「映画を観るように」球筋を脳裏に描きました。

2. ダフリやトップが出るときは足の指で地面をギュッと握り締める。そうすると下半身が固まる。

ベスト更新のお祝いと称して、その晩は同伴競技者たちとお酒を沢山飲み、睡眠時間も三時間という状況で翌朝を迎えました。

後日、「シンガポールのゴルフ」という記事を書かせて頂きます。御期待下さい。

(July 01, 2004)


ロング・アイアンへの鎮魂歌

'Requiem for a Long Iron'
by Editors of 'Golf Tips' ('Golf Tips,' July 2004)

「クラブ・デザイナーであり業界通のDon Wood(ドン・ウッド)によれば、ハイブリッド・クラブはプロにもアマチュアにも受け入れられて大成功を納めているそうだ。高い弾道を生むオフセットやキャヴィティ・バックなどのデザイン開発は、メーカーにロフトを減じてより長いキャリーをもたらすという選択肢を与えた。その結果、ピッチング・ウェッジは9番アイアンに、3番アイアンは2番アイアンに化けてしまった。もともと打ちにくかったロング・アイアンの許容度が、以前よりも低くなったのだ。

『こうしたロフトの少ないクラブで適切に打つには、かなりのヘッドスピードが必要になる。ウィークエンド・ゴルファーが毎回ちゃんと打つのは無理である。23°や24°以下のロフトで適切に打てるのはベスト・ゴルファーだけである』とDon Woodは云う。

許容度を増し、高い軌道を生むには、低く深いCG(重心点)を設定すべきだというのは常識だが、ロング・アイアンにはそのようなCGを設計出来るだけのヘッド容量がなかった。そこでハイブリッド・クラブの登場だ。これによって低く深いCGの設計が達成され、全てのゴルファーがロング・アイアンより打ち易いクラブを手にすることが出来るようになったのだ」

(July 06, 2004)


ゴルフなんかやめよう!

'How to Quit Golf'
by Craig Brass (Dutton, 2001, $19.95)

「ゴルフは最も中毒になりやすい本質を持っている。だからやめられないのだ。ゴルフはスポーツの世界におけるコカインと云える。

2000年のNational Golf Foundation(www.ngf.org/)の調査によれば、米国の20歳以上のゴルファーの数は26.4百万人で、そのうち6百万人が年に21回以上のラウンドを行っている。これらの人々は“熱心な”ゴルファーと分類されている。ヘロインを年に21回以上打つ人のことを“熱心な”静脈注射用薬剤利用者と呼ぶだろうか?とんでもない。そういう人はジャンキー(麻薬中毒者)と呼ばれる。この本では、この6百万人は“熱心な”ゴルファーではなく、障害を持ったゴルファーと位置づける。

[nude golf]

もし、セクシーな女性があなたを抱き締め、『あなたの魔法の棒を見たいわ』と云った時、あなたが車に走って行き、バッグからPINGを抜き出すようなら、あなたは紛れもなく障害を持っている。

打っては追いかけ、打っては追いかけ、打っては追いかける。人類はこれをゴルフと呼ぶ。犬はそれを"playing fetch"(持って来い遊び)と呼ぶ。人間と動物を隔てるもの、以下の通り。犬は"playing fetch"について熟考したりせず、"playing fetch"に関する本や雑誌を読んだりしない。"playing fetch"に上達するために大金を使ったりしない。犬はうまく"playing fetch"出来なかったからといって、風や芝の長さや足の痛みのせいにして吠えたりしない。自分より"playing fetch"が上手な犬に腹を立てたりしない。犬にとって"playing fetch"は、食べたり眠ったりするのに等しいものなのだ。

ゴルフをやめてもすることはいくらでもある。園芸などはゴルフと同じ屋外の作業なので、非常に移行し易い。お薦めはボウリングだ。これの最もいい点は、絶対にボールが無くならないことだ。必ず戻って来る。ゴルフ場で隣りのホールに打ち込むと、あなたのボールは誰かのポケットに入れられてしまうことがある。ボウリングでは、隣りのレーンの男があなたのボールをポケットに入れたりしないから安心である。

魚釣りもいい。ただし、これは時間がかかる。何故かというと、これはショッピング・モールであなたの奥さんを探すようなものだからだ。奥さんがモールのどこかにいるのは確かだが、どこにいるかは皆目分らない。奥さんを探すために数時間費やす。魚釣りも同じだ。魚釣りに較べればゴルフは馬鹿らしいほど簡単だ。ターゲットには旗が立っている。魚のいる場所には何の印もない。ゴルフと魚釣りの大きな違いは、魚釣りは夕食のテーブルに一日の収穫を載せられることだ。ゴルファーは何も持って帰らない。

セックスはゴルフに通じる面が多く、とても移行し易いスポーツだ。一貫して一人の相手とプレイするのも快適だろうが、スリーサム、フォーサムでのプレイも珍しくない。知っている人ともプレイ出来るし、知らない人とのプレイも可能である。長さには誰もが憧れ、オーヴァーサイズも垂涎の的である。唯一の違いは時間である。一方では早いのが尊ばれ、他方では嫌悪される。

ゴルフをやめてセックスに移行する場合、似たような表現を使うことによってスムーズに事が運ぶであろう。
『ネヴァー・アップ、ネヴァー・イン』
『どのホールでプレイ?』
『駄目、駄目!そこへ入れちゃ駄目』
『そのヘッド、でかいわね』
『今のホール、またプレイしたいな』
『ボール位置を変えてみたら?』
『あなたのシャフトの硬さ、どのくらい?』
『6インチに見えるけど、多分もっとあるね』
『ラウンド終了ってどういう意味よ』
『ぼく、backside(バック)からが得意なんだ』

セックスにおいては実際上何をしても正しい。しかるに、正しいゴルフというものは事実上存在しない。安全なセックスはあるが、安全なゴルフというものはない」

【おことわり】画像はttp://www.udp-aleppo.org/にリンクして表示させて頂いています。

(July 09, 2004)


[SwingMate]ヘッドスピード計測器

'Tour Tempo'の著者が推奨する'SwingMate'(スウィングメイト、http://www.swingmate.biz/)というヘッドスピード計測器を買っちゃいました。私は非力でヘッドスピードが遅い方ですので、こういうものに魅力は感じなかったのですが、長期にわたって'Tour Tempo'をマスターするつもりなら必要そうに思えました。

大手通販だと$139.99もするのですが、eBayで新品を$93.00で落札出来ました。この製品を作っている会社Beltronics(ベルトロニクス)は、スピード違反取締りのレーダーを察知する器具'Radar Detector'を製造・販売しています。そのノウハウをゴルフに応用したもののようです。

'SwingMate'はクラブの選択としてウッド(1、3、4、5)、アイアン(2、3、4、5、6、7、8、9、PW)が選べます。ヘッドスピードを表示するだけでなく、推定のキャリー距離を表示してくれるのでクラブ選択というオプションがあるわけです。

ボールの後方90cm〜1mに'SwingMate'を置きます。写真の下方部分がセンサーになっています。ショットが正しく記録されると、「ピッ」という音がします。鳴らない場合は'SwingMate'のセットの仕方がおかしいということです。一打毎にヘッドスピードの値と推定のキャリー距離がトグルで(交互に)表示されます。

メモリ・ボタンを押すと、過去10回のヘッドスピードが表示されます。単位はmph(マイル・パー・アワー)表示なので、日本のゴルファーには抵抗があるかも知れません。mphに0.447を掛けるとm/sに換算出来ますが。なお、10打の平均を計算させることも出来ます。

ヘッドスピードの計測は非常に正確です。ダフったり、トップしたりした時のスピードは覿面(てきめん)に落ちます。私は普通キャリーの距離ではなくラン込みで考えるので、飛距離の数値の少なさに愕然としてしまいます(錯覚ですが)。しかし、マニュアルにも書いてありますが、飛距離というのはボールや風、地形、湿度などによって変わるものなので、これはあくまでも推定の飛距離でしかありません。ランなどは当然推定出来ないわけです。また、トップしてもスライスでも、結構飛んだように表示されますが、それはヘッドスピードを基準にしているからであって、こういう場合そんなに飛ぶ筈はありません。この機能は参考程度に考えるべきでしょう。

私の場合ですが、ドライヴァーによるテストで頻出した数値は以下のようでした。
85mph(37.9m/s)、キャリー196ヤード
87mph(38.9m/s)、キャリー201ヤード
88mph(39.3m/s)、キャリー203ヤード

これがどういうランクかというと、'Tour Tempo'という本に実例として出て来る男性たち(12歳の少年を除く)の遥か下です。彼らの数値は88、90、95、97、101、105(mph)などとなっています。唯一出て来る女性(ハンデ6)の'Tour Tempo'以前のヘッドスピードは85、86、87と私に近いのですが、'Tour Tempo'でスウィングすると88mph(39.3m/s)、91mph(40.6m/s)となったそうです。負けてる(:_;)。

なお、この器具を利用すると、どういうスウィングが効果的かを見極めることが出来ます。コックはしないよりはした方がヘッドスピードが上がり、頭を残して振り抜きが大きい方がヘッドスピードが上がります。ヴィデオ・チェックでは分らない部分を補ってくれるわけで、使い方によってはスウィングを向上させてくれる有意義なツールと云えましょう。

(July 14, 2004、改訂May 02, 2015)


カードに1と書く方法

インストラクターDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)によるホール・イン・ワン達成法。

'Leadbetter's Lessons'
by David Leadbetter ('Golf Digest,' August 2004)

「アマチュアの多くはPar 3でショートする。これではホール・イン・ワンは出ない。一発を狙うには、ワン・クラブ長いものを選択すること。

ソリッドに打つために、ボールをかなり低めにティーアップし、ボールを打った後で適当なサイズのディヴォットを取るように。左手甲をクラブフェースと考え、ターゲットラインに平行に手を動かし、インパクトではクラブより手が先行していること」

(July 14, 2004、改訂June 01, 2015)


Colin Montgomerie(コリン・モンガメリ)の練習

'The Thinking Man's Guide to Golf'
by Colin Montgomerie (Orion, 2003, $39.95)

[Colin]

Colin Montgomerie(コリン・モンガメリ)が執筆した本。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)の'How I Play Golf'と同じ版型、フルカラーの豪華本です。Tigerの本のように凝ったレイアウトはなく、かなりオーソドックスな編集。以下は主に「練習法」についての章から。

「練習場における私のウォームアップは、クラブを背中に廻して両腕の肘で支え、身体を回転させることで始める。その後二本のクラブを一緒に持ってスウィングする。身体がほぐれたら、私が考案した“26ショット・ウォームアップ・ルーティーン”を実行する。パターを除く全てのクラブをウェッジから始めて、ボールを二個ずつ打つというメソッドだ。時間がある時は、今度はドライヴァーから逆にウェッジまで二個ずつ打つ。

最初のティー・ショットを恐がるアマチュアが多い。練習場を去る前に、最初のティー・ショットの予行演習をすればよい。プレショット・ルーティーンを完全に実施し、打ちたいボールを視覚化する。ここでいいショットが打てれば、No.1では自信を持って打てる。何発でも、いい結果が出るまで繰り返す。

その日の目的がない練習は時間の無駄である。実業家が新しい事業を興すにあたってビジネス・プランが無いということはあり得ない。ゴルファーも練習プランを持って練習場へ向かうべきだ。

アマチュアの練習には呆れ返る。どれだけ早く篭を空に出来るか競争するようなスピードで打つ人が多い。何も考えない練習からは何も得られない。

疲れたらボールを打ってはいけない。疲れはスウィングに悪い癖をつけ、悪い癖が身につくとそれを取り除くのは大変困難だからだ。

スウィングを改造する場合は、扱いやすいクラブ(7番か8番アイアン)を用いることと、必ずティーアップして練習することを勧める。ボールの行方を気にしてはいけない。スウィング動作に集中し、自然にスウィング出来るようになったら初めてターゲットを考える。一度にいくつもの変更をしないこと。一つか二つの変更だけに絞るように。焦ってはいけない。Nick Faldo(ニック・ファルド)のスウィング改造は二年かかっている。そしてメイジャーに優勝した。

アマチュアはグリーン周辺とグリーン上で、多くの打数を費やす。ショートゲームの練習をするのがスコアを減らす最良の方法である。パッティングの練習をするだけで10ストロークは減らせる筈だ。

アマチュアが常にパーを狙うのは間違いである。ハンデ14のゴルファーは(Par 3を除き)ボギーで十分なのだ。分不相応にパーを求めて攻撃的になり、ダブルボギーやそれ以上になるリスクを冒すのは馬鹿げている。

トップ・プロでさえミス・ヒットをするのだから、アマチュアが毎回完璧なショットを出来るわけがない。アマチュアはワン・クラブ大きいものを選ぶべきだ。アマチュアは自分の実際の飛距離を認識していないからだ。往年の全英オープン優勝者Henry Cotton(ヘンリィ・コットン)は、『アマチュアとラウンドする時、最も安全なのは旗の後方に立つことだ』と云った。その通りである。私を信じないのなら、最近のラウンドを思い返して答えて頂きたい。あなたのフル・ショットのアプローチは何回カップを越えましたか?一回?二回?賭けてもいいが、あなたのショットは全てカップのかなり手前だった筈だ。(編者註:我々は自分の最高のショットの飛距離を自分の平均飛距離と勘違いしている。多分、虚栄心のせいで。だから、いつもショートすることになる)」

(July 16, 2004)


TV中継の秘密

'10 things you don't know about golf on TV'
by Jack Graham with Hunki Yun ('Golf Digest,' August 2004)

これは元ABC TVのゴルフ番組プロデューサーが執筆した記事。

「・ライヴで観られるのは、全体のショットのたった半分

特に放送開始直後はほとんど録画したものの再生。その後もアナウンサーは"A little while ago..."(一寸前のことですが)と云って録画を見せる。毎回断わるとくどいので、その台詞を抜くことも多い。録画したものを見せる場合、オン・コース・リポーターにはコツが必要だ。なぜなら、彼らの声はライヴだからだ。ブースにいるアナウンサーはモニターを観られるが、オン・コース・リポーターはそうはいかない。ヘッドフォンのインパクトの音に耳を澄まし、あたかも今起っているかのように記憶を頼りに“実況中継”しなければならない。

・特別待遇

同じスコアのプロがいる場合、通常は残りホールが少ない人がTV画面のリーダー・ボードの上位に来る。しかし、Tiger Woods(タイガー・ウッズ)やPhil Mickelson(フィル・ミケルスン)は常に上に名前を出す。彼らがまだほんの少ししかホールをこなしていなくても。

我々は25に満たないカメラでトーナメントを捉え、しかもTV製作者の興味はリーダーにある。当然、抜け落ちる部分が出来る。しかし、たとえ放送時刻の前にTiger Woodsがプレイ終了する予定だとしても、我々は早くから出掛けて行って彼の全てのショットを記録する。これは番組開始直後にハイライトとして放送される。週末、Tiger Woodsが優勝争いに噛んでいなくても我々はカヴァーする。これは他の誰にも適用されないVIP待遇である。視聴率が落ちない限り、これは続く。

・プレイオフ

視聴者はプレイオフによって興奮するだろうが、ネットワーク関係者にとってはげんなりさせられるものである。放送終了予定時刻を越えた放送は、会社の金を持ち出すことになるからだ。午後6時を過ぎてのコマーシャルは一銭にもならない。ニュース部門は予定の宣伝収入を諦めなくてはならない。がっくりするのは、プレイオフの敗者だけではないのだ」

(July 17, 2004、改訂June 01, 2015)


ゴルフ・ボールの秘密

'How much equipment really costs'
by Bill Fields et al. ('Golf Digest,' August 2004)

「1ダース$45.00(1個$3.75)のマルチレイヤー・ボールの製造原価

ソリッド・コア       1ダース$0.60、1個$0.05
アイオノマー・ケーシング  1ダース$0.66、1個$0.06以下
カヴァー          1ダース$1.00、1個$0.08弱
パッケージ         1ダース$1.00、1個$0.08弱
ペイント&スタンプ     1ダース$1.00、1個$0.08弱
----------------------------------------------------------
                                    計 1ダース原価$4.26、1個$0.36強

【1ドル=109円として1ダースの原価は約464円、1個の原価は約39円】

(July 18, 2004)


ゴルフ・クラブの秘密

'How much equipment really costs'
by Bill Fields et al. ('Golf Digest,' August 2004)

「1本$500.00のドライヴァーの製造原価

クラブヘッド       $55.00
グラファイト・シャフト  $15.00
グリップ          $3.00
アッセンブル        $4.00
------------------------------------------------------
          計  $77.00(約8,400円)

1本$170.00のマレット・パターの製造原価

クラブヘッド  $15.00
シャフト     $2.00
グリップ     $3.00
アッセンブル   $3.00
-----------------------------------
      計   $23.00(約2,500円)」

(July 24, 2004)


広木さんの「80を切った、その日」

埼玉県にお住まいの広木さんからのリポートです。読者の皆様の80を切ったリポートはどれも嬉しいものですが、広木さんの場合は私が掲載した記事が引き金だったそうで、私にとっては最高に嬉しいニュースです。たった一つの簡単なtipで80を切ってしまわれたという、珍しくも羨ましいケース。

私は埼玉県草加市在住の39才(男)ゴルフ狂です。(^_^;) 実は、大阪のhiroさんのサイト『ごるふな日々』日記の熱心な読者で、そこで高野さんのサイトを知りました。今回投稿させて頂こうと思ったのも、高野さんのサイトを読んで閃いたお陰で80を切れましたので、お礼をかねての報告です。m(_ _)m

ゴルフ歴は15年、20代は年数回のプレー、30代に入って月二回年24回のプレーが限界の平凡なアベレージ・ゴルファーです。ここ数年は平均アベレージ89とやっと形が出来て来たように思ってましたが、その先の壁にいつも悩んでおりました。しかし過去にレッスンを受けたこともなく、独自の練習と理論でここまで来たものの、一歩進んで二歩下がるを繰り返しておりました。

しかし、「いつかは70台」を念頭にゴルフ雑誌に読みふけり、トーナメント中継を欠かさず見て技を盗み、高野さんのwebからヒントをつかみ、hiroさんの日記で笑わせてもらいながらその時を夢見ておりました。

私のゴルフは一言で云えば“ドライバー次第のゴルフ”です。調子良く曲がらなければ80台前半を叩き出し、「今日は不調〜!」なら平然と100近くを叩きます。練習場でもドライバーにかける時間が一番多く、それではいかんと思いながらも飛距離と正確性の狭間の狭間で悩んでおりました。

その時見つけたのが『低いボールは曲がらない』というtipでした。これだ!! すぐに練習場に駆け込みました。左足踵線上にあったボール位置をほぼ身体の真ん中にセットしました。初めは窮屈に感じましたが、打ってみると低い弾道のストレートなボールがビシビシ出ました。距離は10〜15ヤードは落ちたと思いますが、それ以上に弾道の安定に納得で、早くコースへと気持ちは逸りました。

その週のラウンド、82、一個のOB、まだセットアップに慣れが不足。しかし明らかに良い感じ。(*^_^*) そして運命のラウンドが…。

2004/7/20 茨城県 ザ・ロイヤルオーシャン Par 72、6,381ヤード、コースレート 71.15

この日、東京はこの夏一番の猛暑39.5度を記録。茨城もほぼ無風。芝の照り返しで40度はあったのではないかという程の過酷な条件でした。

今期のフェアウェイ・キープ率はここまで38%でしたが、この日は60%をマーク。外してもラフにかかる程度で曲げてOB打ち込みは皆無でした。

午前のラウンドは5ボギーで、41。ドライバーは安定していて、パターの取りこぼしがありましたが、まあまあ良しとしました。ここでは70台などこれっぽっちも考えていませんでした。

そして午後のラウンド。10番パーの後、11番で本日初のバーディ。暑さでボーッとしながらもそのままパーが続き、気がつけば最終ホール。

「エッ!午後アンダーだよ!」さすがにここで緊張しました。f(-_-;) ドライバーを初めて右へ打ち出しパーオンならず。しかし寄せでうまくしのいで1メートルのパーパット。これはしびれて打ち切れず、IN 初ボギー。しかし、パープレーの36。トータル77、パット数33。震える指でスコアを書込みました。(ToT)

ありがとうございました!

今回これを記すにあたって「スロープ」の事を知り、勉強になりました。このコースはスロープレートはありませんでしたが、日本の多くのコースがスロープ・レーティングを採用して行けばよいなと思いました。

又、もっと難しいコースで、さらにシングルになってバック・ティーから80切りを達成したいと思います。

(July 23, 2004)


粘り勝ち

筆者Gary McCord(ゲアリ・マコード)はツァー・プロ生活で成果が挙げられず、CBS-TV中継のリポーターの一人として活躍中。

'Be the Ball'
by Charlie Jones and Kim Doren (Andrew McMeal Publishing, 2000, $14.95)

Gary McCord(ゲアリ・マコード):「トーナメントの最終日に英雄的なショットは必要ない。他の連中がずっこけるのを待てばいいのだ。

私がシニア・ツァーで優勝した時もそうだった。ただ粘って粘って、ボールをフェアエイに飛ばし、グリーンに運び、パットが決まることを祈った。ドジを踏むな。次打を素直に打てない場所にボールを持って行くな。あんたのターゲット・ラインを邪魔物に近づけるな」

(July 23, 2004、改訂June 01, 2015)


大惨事の公式名称

以前、「トリプルボギーの上」という記事を書きました。Double bogey(ダブル・ボギー)、Triple bogey(トリプル・ボギー)の上は何と云うかという話題でした。

トリプルボギーの次はQuadruple bogey(クァドループル・ボギー)、その上はQuintuple bogey(クウィンチュープル・ボギー)です。

U.S.オープン 2004のShinnecock(シナコック)のNo.7(パー3)は、異常に速過ぎるグリーンによって数多くの“犠牲者”を出しました。中でもスペインのプロMiguel Angel Jimenez(ミゲル・アンヘル・ヒメネス)は、二日目チップ・ショットが乗らず9も叩きました。パーより六つ多いこのスコアはSextuple bogey(セクスチュープル・ボギー)と呼ばれます。

「その上は?」
七つ多いとSeptuple bogey(セプチュープル・ボギー)、八つ多いとOctuple bogey(オクチュープル・ボギー)、九つ多いとNonuple bogey(ナニュープル・ボギー)、十多いとDecuple bogey(デキャプル・ボギー)。ちなみに、私がハーフ・パープレイの後、パー、パー、パーと来て3OBを出したホールはSeptuple bogeyでした。

「その上は?」調べても見つかりません。“あなたの名前+uple bogey”とでもしたらどうでしょうか?

(July 28, 2004)


ドライヴァー用軽量シャフト

'No more heavy lifting'
by E. Michael Johnson ('GolfWorld,' July 23, 2004)

「ドライヴァー用軽量シャフトの品質が向上している。シャフトが軽ければスウィング・スピードが上がり、飛距離が増す。

十年前のドライヴァー・シャフトの重さは100gかそれ以上だった。五年前のTrue Temper EI-70は80gで、当時は軽量とみなされていたが、いまや重い方に分類される。全英オープン2004に出場した人々の半分は70gかそれ以下のシャフトを使っていた。

Champions Tourにおいては80%が70g以下のドライヴァー・シャフトを用い、残り20%が55g以下のシャフトにトライしている。Allen Doyle(アラン・ドイル)が2001年の賞金王になった時、彼は46gのGrafalloy PowerLiteシャフトを使っていた。LPGAツァー・プレイヤーたちも軽量のドライヴァー・シャフトを愛好している。

PGAツァー・プレイヤーではPhil Mickelson(フィル・ミケルスン、72g)、Vijay Singh(ヴィジェイ・スィン、75g)などを除き、大多数は軽量シャフト・ドライヴァーの誘惑に抗している。理由は、ドライヴァー・シャフトとアイアン・シャフトの重さの差が開き過ぎるからだ。大方のPGAツァー・プロはスティール・シャフトのアイアンを使っており、差が二倍にもなってしまい、これはあんまりだというわけだ。LPGAとChampions Tourのプロたちはアイアンにもグラファイトや軽量シャフトを使っているため、彼らには問題ないわけである」

(July 29, 2004)


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