Golf Tips Vol. 67

キャディとの会話トップ10

10) ゴルファー:「出来の悪さにうんざりした。あの池で溺れ死ぬつもりだ」
  キャディ: 「そんなに長くヘッドダウンしてられやすかい?」

9) ゴルファー:「100を切るためなら天地も揺るがして止まない」
  キャディ: 「天だけにしなせえ。もう地を揺るがすのは止めましょうや」

8) ゴルファー:「オレのゲーム、進歩してると思う?」
  キャディ: 「勿論でさあ。空振りしても結構ボールに近くなってやすから」

7) ゴルファー:「5番アイアンで届くと思う?」
  キャディ: 「やがては…ね」

6) ゴルファー: 「あんたは世界最悪のキャディだよ」
  キャディ: 「お言葉ですが旦那、悪い偶然が一杯重なっただけでさ」

5) ゴルファー:「しょっちゅう時計を見るのはやめてくれ。気になってしょうがない」
  キャディ: 「これは時計じゃありやせん。コンパス(磁石)でさあ」

4) ゴルファー:「オレのゲーム、好きかね?」
  キャディ: 「結構すね。けんど、個人的にはゴルフの方が好きでやす」

3) ゴルファー:「日曜にプレイするのは罪だと思う?」
  キャディ: 「お客さんのようにプレイするんなら、何曜日でも罪でがしょう」

2) ゴルファー:「これは生涯最悪のコースだよ」
  キャディ: 「ここはゴルフ・コースじゃありやせん。一時間前にコースの外に出たまんまでさあ」

1) ゴルファー:「それはオレのボールじゃないよ、古過ぎる」
  キャディ: 「でも、スタートしてから随分経ってますぜ、旦那」

(July 09, 2002)


Tom Weiskopf(トム・ワイスコフ)かく語りき

Tom Weiskopf(トム・ワイスコフ)は全英オープンを始め、多くのPGAトーナメントで優勝したスター・プレイヤーでした。

'My Shot'
by Tom Weiskopf interviewed by Guy Yocom ('Golf Digest,' June 2002)

「完璧主義者はものごとをマスターしようと決意するが、ゴルフだけはマスター出来るもんじゃない。

Ben Hogan(ベン・ホーガン)は両手のどこにもタコが出来てなかった。彼と握手して驚いたね。彼の皮膚はなめし革のように固かったが、盛り上がった部分は皆無だった。それは彼のグリップがいかに完璧だったかの証明だ。彼が手袋をしなかった事実は、もっと驚くべきことだが。

パットの練習がどれほど嫌いだったかは語り尽くせない。退屈きわまりなかった。私は打つのが好きだった。ゴルファーってのは、既に上達したものを練習したがるんだね。

空飛ぶ円盤が存在するかどうか、イエスかノーかで答えろと云われたら、『存在する』と云うね。空飛ぶ円盤は空中で静止するだけで着地はしない。そりゃそうだよ。エイリアンで空飛ぶ円盤をデザイン出来るほど頭が良けりゃ、こんなところに下りてくるわけないよ」

(July 14, 2002)


スコアカード・プレイオフ

前回参加したトーナメントで初めて聞いた言葉です。いくつかの特別ルールを記した紙に、

「一位、二位、三位に賞が出ます。もしタイの場合はNo.1から始める"scorecard playoff"で決定します」

実は言葉を知らなかっただけで、数カ月前の別なトーナメントで同じことを経験していました。私のチームは三位タイになり、私の目の前で大会役員による"scorecard playoff"が行なわれたのです。役員二人がチームのカードを一枚ずつ持って、No.1からスコアを較べて行くのです。我がチームは4ホールまでタイでしたが、5ホール目で負け、三位の賞を逸してしまいました。

こちらのトーナメントの多くがショットガン・スタートですから、全員がほぼ同時に競技終了します。タイの組みの優劣を決めるために、本当のプレイオフだのジャンケンだの(アメリカでは見たことがありません)で時間を取りたくないということでしょう。

"Scorecard playoff"に備えるには、早めにバーディを取っておくのが良さそうです。

(July 18, 2002)


C.O.R.の真実

C.O.R.(coefficient of restitution、復元係数)は、いわゆるスプリング効果の尺度です。USGAはこれまでC.O.R.が0.830までのものしか認めていませんでしたが、先頃、Open選手権などに出場する高レヴェルのプレイヤーは使用不可という条件と、2008年1月までという留保付きでC.O.R.が0.860までのクラブの製造・販売を認めました。これはアメリカの低迷するゴルフ産業からの要請によるものではないかと思われます。

「復元係数」と云われても何のことやら解りませんが、これは凹んだクラブ・フェースが元に戻る速度をパーセントで表したものだそうです。100 mphの速度でボールがフェースに当たり、ボールが83 mphでハネ返った場合、83/100 = 0.830という計算で、そのクラブのC.O.R.は0.830となります。

私が購入したMasterGrip製T-Rex XTremeのC.O.R.は分りません。数カ月前のカタログでは「USGA不認可」と書いてありましたから、0.830以上であることは確かです。電話で問い合わせたら「企業秘密です」とのこと:-)。

このほど下記雑誌に、「0.830と0.860の差は?どんなゴルファーが高反発系の恩恵に浴せるのか?」などの質問に対する、業界代表の回答が掲載されました。現在高反発系ドライヴァーの製造を行なっていない会社が否定的な見解であるのは、主にビジネス上の理由からだと思います。彼等も必ずや高反発系ドライヴァーを販売する筈です。

'Arresting Development'
by Mike Chwsky ('Golf Tips,' August/ September, 2002)

「Larry Dorman (Callaway Golf) :他の条件が一定なら、C.O.R.が0.01毎に1.5〜2ヤードの増加を期待出来る。C.O.R.が0.830から0.860に増えれば、ほぼ4.5〜6ヤード伸びることになる。

Benoit Vincent (TaylorMade Golf) :C.O.R. 0.860は0.830よりももっとフェースがフレキシブルである。これによって、ボールは速く飛ぶので平均飛距離も伸びる。C.O.R.は三つの要素の中の一つに過ぎない。C.O.R.はボールの速度に影響する。他の要素とは打ち出し角度とスピン率だ。たとえば、8゜の打ち出し角度で1000 rpmのバックスピンがかかったボールと、12゜の打ち出し角度で3000 rpmのバックスピンがかかったボールでは20ヤードの違いがある筈だ。

Barney Adams (Adams Golf) :100 mphでスウィングするゴルファーがヘッドのド真ん中でボールを打てば5.5〜6ヤードは伸びるだろう。しかし、大方のゴルファーの飛距離はそんなに増えない。C.O.R. 0.860ドライヴァーに10〜20ヤードの飛距離増を期待して買ったらがっかりするだろう。将来のドライヴァーは、クラブフェースのどこで打ってもいいようになるべきだ。デザイナーはC.O.R.の高い部分を大きくしなければならない。現在は多分10セント硬貨(直径約1.7 cm)ぐらいだろう。これでは小さ過ぎて、大抵のゴルファーはワンラウンドに一、二回しか高反発の効果を得られまい。

John Solheim (PING) :高反発系クラブのテストは大砲みたいな装置で行なわれていて、本当のスウィングの要素が反映していない。

Todd Harmon (Cleveland Golf) :スウィング・スピードが80 mphぐらいでも、たまには4〜6ヤードの飛距離増が可能だ。

Gene Parente (Golf Laboratories Inc.) :最適の軌道を作り出すに十分なスピンを得るだけのヘッド・スピードが無い場合、高反発系ドライヴァーでも距離が短くなることがある。

Dick De La Cruz (DeLaCruz Golf) :一般ゴルファーが心に止めておいた方がいいことは、高反発系ドライヴァーは、ロボットには飛距離を増やせてもあなたにはどうか?ということだ」

'At the COR'
by Bob Sauerhaft ('Golf Magazine,' August 2002)

「クラブヘッド・スピードが90〜100 mphの人は3〜5ヤード伸びる程度だ。90 mph以下の人は1〜2ヤードしか増えないだろう。

さて、あなたの取るべき道は以下の二つのうちどちらかだ。

1) C.O.R.だけに拘ってはいけない。飛距離を伸ばすためには打ち出し角度を最適化する必要がある。シャフト、ヘッド重量、ロフトなどの総合的結果により高い弾道が出てスピン率が低いクラブを選ぶ。それに高反発系フェースが備わっていれば、15〜20ヤードは伸びる可能性がある。

2) 高反発系ドライヴァーが市場に溢れる頃(今夏〜来年一月)、埃をかぶっているこれまでのC.O.R. 0.830のドライヴァーを買う。現在の最高級品がバーゲン価格になっているだろう。節約になるし、今よりも飛距離が伸びるかも知れない」

私は9.5゜ドライヴァーの高弾道が不満で8゜にしたのですが、結果的にこれは正解だったようです。ロフト8゜+ 360 cc(400 ccならもっといいでしょう) + 高反発フェース + 低スピン(スウィート・スポットに溝が切られていない)…などが相まって、満足出来る飛距離となっています。

(July 22, 2002)


[Judge No.1]Robert Trent Jones Golf Trail(いいコース巡り・その参)

Robert Trent Jones(ロバート・トレント・ジョーンズ)は、もともとは英国から渡って来た移民の子供で、アメリカでコース設計家たらんとした最初の人間だろうと云われています。代表作はぺブル・ビーチのSpyglass Hill GC(スパイグラス・ヒルGC)を始め、枚挙にいとまがありません。スペインのValderrama(ヴァルデラマ)など、生涯に世界中で500のコースを作り、「私が作ったコースには日は沈まない」と豪語したそうです。彼の最後の設計は'Robert Trent Jones Golf Trail'(ロバート・トレント・ジョーンズ・ゴルフ街道)というものでした。

このゴルフ街道は、1980年代後半にアラバマ州の'Retirement Systems of Alabama'のトップが考案したもので、アラバマ州全体にパブリックの7つのコース324ホール(註)を同時に誕生させる、設計家は当時引退しかけていたRobert Trent Jonesに頼む、各コースはリンクス風、林間コース風などそれぞれの特色を持ち、7つのコース全体が一つの大きなコースとなるという壮大な計画でした。いくつかを続けて廻ると、格安のグリーン・フィーとホテル代セットが利用出来ます。この企画は国内外から多くのゴルファーを集め、大成功でした。ルイジアナ州では'Audubon Golf Trail'(オーデュボン・ゴルフ街道)という類似品が出来ましたし、オハイオ州では'Jack Nicklaus Golf Trail'(ジャック・ニクラス・ゴルフ街道)が計画されていると聞きます。

(註)現在は8つのコース、計378ホールとなっています。

ゴルフバッグを車に積み、どこでどうするというような予定を組まない旅に出ました。たまたまアラバマ州の州都Montgomery(モンガメリ)に着きまして、パンフレットを見ていたら'Robert Trent Jones Golf Trail'の最新のコースがすぐ近くにあるのに気づきました。電話すると、「明日8:25なら国会議員、9:00なら判事と廻ることが出来る」というので、国会議員は恐れ多いので9:00にして貰いました。しかし、その日予定していた観光は午前中で終ってしまったので、翌日だけではなく当日もプレイ出来ないかとコースへ出掛けました。

このコースは州都の近くなので、Capitol Hillと名付けられ、54ホールあります。フロントで聞くと今日も問題無く廻れるとのこと。プロ・ショップの男は「三つあるコースの“上院議員”は今週クローズで、明日は“判事”の予約だから、今日は“国会議員”でどうか?」と云います。なあんだ、判事だの国会議員だのはコースの名前だったのか。

初めてのコース、それも誰もが「難しい!」と口を揃えるコースなので、誰か一緒に廻ってくれる人がほしいところでした。レイアウトや攻め方についての知識を"local knowledge"(ローカル・ナレッジ)と云いますが、私はその"local knowledge"を持つパートナーが必要だったのです。折悪しく、まぜて貰うスリー・サムもなく、一人で出ることになりました。GPSによるヤーデージ情報が得られるので、まあ最悪ではありません。“国会議員”はこのコースとしては一番おとなしいデザインだそうですが、バンカーがベラボーに多いのが特徴だそうです。スターター(マーシャル)は「'Robert Trent Jones Golf Trail'には年齢や性別のティーはなく、ハンディキャップに合わせる四つのティーがある。あなたはこのコース初めてだそうだからホワイトをお薦めする」とのこと。一番遠いティーは7,323ヤード、一番近いのは5,414ヤード、ホワイトは6,232ヤードです。

No.2で前のフォー・サムがパスさせてくれてからは、前も後ろも誰もいず、たまに廻って来る物売りのカートしか目にはいりません。確かにレイアウトは標準的ですが、大きいグリーンは二段、三段と波打っていて尋常ではありません。フェアウェイの手入れは最高。ラフはふかふか。ラフを外すと、もうボールとは生き別れという雑草の王国。花道は狭く、バンカーに何度も掴まりました。バンカーの“深い指数”はかなり高く、二度、三度と打たされること数知れず。この砂地獄のおかげで100を切れませんでした(101)。

翌日の“判事”はここの名物です。スターターは"Welcome to Water World!"と云いました。Kevin Costner(ケヴィン・コスナー)の映画のもじりです。ほとんどのホールに水(池、川)が絡むという意味。No.1(上の写真)はフェアウェイから高低差約61 mの凄い打ち下ろしです。右にアラバマ川が迫り、高さのせいでフェアウェイがやたら狭く見えます。名物のせいか、昨日の“国会議員”のカート代・各種税込み$60.00に較べ$10.00高くなっています。国会議員より判事の方が偉いんです:-)。

ここの一番遠いティーは7,794ヤード、一番近いのは4,955ヤード、ホワイトは6,198ヤードです。

14のホールに水が絡むだけあって、景色は美しく、サギなどの鳥が多く目を楽しませてくれます。特筆すべきは至るところで木にぶら下がっているスパニッシュ・モスが見られること。これはメキシコ湾岸の名物かと思ったら、こんな内陸部でも湿気があれば繁茂出来るようです。沼地に囲まれているので、じっとしていると湿度で汗が滲み出て来ます。不快指数100%。カートで風を切るのが心地よい。

前の組がパスさせてくれましたが、その前の組は同じグループなのにパスさせてくれません。テキサスから来た“レッドネック”だそうです。GPSモニタに、「あなたの前の組に追いついて下さい」とかいうメッセージが出ます。遅いのは前の組のせいだし、追いついたってパスさせてくれないのですから、こういうメッセージは腹が立つだけです。

最終ホールで徒歩の男が追いついて来ました。Montgomeryに住んでいて、百数十ドルで年間会員になっているのだそうです。こんないいコースでその値段は安い!

最後のハーフでやっと50を切りましたが、トータルでは100で、やはり100を切れませんでした。日頃プレイしているコースがいかに易しく、またいかに"local knowledge"に助けられているかを痛感させられました。

今回プレイ出来なかった“上院議員”コースは、'Buy.com Tour'の最終戦が行なわれるところです。リンクス風デザインだそうなので、是非そこでも一度プレイしたいと思っています。

(July 26, 2002)


[GPS]GPS

GPS(Global Positioning System:カーナビと同じ衛星による位置確認システム)搭載の乗用カートを初めて経験しました。最初は表示されるヤーデージに従ってクラブを選択していたのですが、ワン・クラブ、時にはツー・クラブも飛び過ぎることがあり、GPS不信に陥りました。90度ルールなので、回り道すればボールのすぐ傍にカートを停めることが出来ましたから、私の計測ミスではありません。有名な難コースということで気負っていたから飛び過ぎたのかも知れません。

ずっとグラフィック・モードばかり表示し、ドッグレッグなどのレイアウトが良く分ると喜んでいました。しかし、途中で追い越した青年達からボタン操作でテキスト・モードにも切り替えられることを教わり、実はそちらの方も有益であることが分りました。写真のように「197ヤードでフェアウェイを突き抜ける。アプローチ・ショットのためには、フェアウェイ左側を狙うこと」などと、"local knowledge"を持つパートナーのように教えてくれます。頻繁に切り替えて、両方の情報を得るべきでした。

しかし、GPSによって残りヤーデージが分るのなら、「ヤーデージ・プロ」などという双眼鏡風距離計も使っても問題ないわけですね。まあ、公式トーナメントでなければ違法ドライヴァー、違法ボールもOKだったわけで、U.S.オープンに出るつもりのない我々には「何でもあり」ということなのでしょうが。

(July 26, 2002)


続・アメリカ南部のシニアのゴルフ

市営ゴルフ場のシニア・メンバーにJack Rushing(ジャック・ラッシング)という73歳の老人がいます。彼は昨年Macintoshコンピュータを買い、最初はお絵描きに狂っていましたが、最近はデジタル・カメラを買ったせいで、親戚やら友人たちを撮りまくり、上質紙にプリントした写真を配るのが趣味です。彼もコンピュータの難しいことは解らないので、私がインストラクターを勤めています。

Jackの弟のBobby Rushing(ボビィ・ラッシング)は今月末71歳になります。彼もシニア・ゴルファーで、普段は毎日のように$2.00を賭けるベスト・ボールのチーム・ゲームに参加する常連でした。

先月のことでしたが、Bobbyはゲームに来たものの、兄のチームについて歩くだけで(カートでですが)、ショート・ホールでボールを打つだけでみそっかす的参加の仕方をしていました。「どうしたの?」と聞くと、「肺が苦しくて、とても18ホールはプレイ出来ないんだ」とのこと。そういうBobbyを数回見ていましたが、彼が暫く顔を見せなかった時、兄のJackに「Bobbyはどんな案配?」と聞きましたら、「実は肺だけではなく、あっちこっちに癌が転移してるんだ」とショッキングなことを打ち明けられました。

Bobbyには悪いのですが、もしBobbyの状態が悪くなってプレイ出来なくなれば、彼のカートを安く譲って貰えるかも知れないと思いました。彼は兄が親しみやすい義理人情派であるのと違い、年中ブスッとした顔で皮肉なことを云ったり、自分のプレイに怒ったりするタイプなので、私とも親しいわけではなく、私に譲ってくれるという保証は全くありません。

彼は地元紙のコラムニストでもあり、時々記事を書いています。最近のものは、彼の「初めて知った事柄」というトリヴィア風のもので、その一つは「ゴルフの発祥の頃は紳士だけの遊びで淑女の参加は御法度だった(Gentlemen Only. Ladies Forbidden.)。だから、頭文字を取ってGOLFと呼ばれるようになった」というもの。「Bobby、記事は面白かったよ」とお世辞を云ったのですが、彼は短く"Thanks."と応じただけでした。ホントに可愛くないヒトです。

数日前、またBobbyが兄Jackのチームについて歩きました。この日はショート・ホールだけでなく、フェアウェイの広いミドル・ホールでもプレイし、結構真っ直ぐのいいボールを打っていました。ある男が「Bobby、次は18ホール廻るべきだよ」と励まし、Bobbyも満更でもない顔をしていました。その数日後、Bobbyはチームの成員として復帰し、大過なく18ホールをプレイし、私がカートを譲って貰うチャンスは無期延期になりました(勝手なことを云ってます)。

シニアの長老Mr. Simmons(シモンズ)は84歳で、このヒトもほぼ毎日プレイしていますが、相当ヨボヨボなのでトーナメントとは別行動です。現役で最高齢は82歳のJ.B.(ジェイ・ビー)で、このヒトは月曜〜金曜、天気が良ければ毎日ゲームで18ホール廻り、更にMr. Simmonsなどと18ホール廻ります。驚異的です。誰しもが彼の健康を羨みます。J.B.はもと薬剤師で、市内にいくつかのドラッグ・ストアを持っていたくらいですから、多分独自の健康法があるのでしょう。

J.B.はゴルフ本なども読み、研究熱心な方ですが、その他大勢は練習もせず「いつかはツキが巡って来るだろう」的ダッファーです。なぜ、彼等が毎日ゴルフ場に通って来るか、理由はいくつか考えられます。家にいても奥さんから「庭の手入れをしろ」だの「あれを買ってこい、これを買ってこい」と使われるだけで面白くない。一寸油断すると、奥さんの友達相手のブリッジ(カード・ゲーム)の一員にさせられてしまう。他に何もすることがない。奥さんから禁じられている煙草が吸える。ゴルフ場は幼児に還った彼等の遊び場である。何といっても野郎同士で馬鹿を云ってる方が楽しい。

もう一つ、何もしないで死を待っているのが耐えられない。私は以前煙草服み(それもチェイン・スモーカー)でして、風邪が一寸良くなりかけると煙草を吸ったものでした。ゲホゲホやりながら煙草を吸っても旨くないのですが、吸うことによって回復状態を知ることが出来たのです。チラとでも旨さを感じることが出来ればいいサインでした。シニア達のゴルフも自分の身体の状態を探る一つの目安なのではないでしょうか。生涯マラソンを続けた人は、マラソンを止めると身体が不調になると聞いています。それと同じで、シニア達も“走る”のを止められない。「ゴルフが出来なくなったらお陀仏だ」と恐れ、プレイしないではいられない。…考え過ぎかも知れませんが、こう思うと一見能天気に見えるシニアのゴルフも、何やら悲壮に見えて来ます。

(August 22, 2002、改訂May 31, 2015)


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