スウィングやストロークのポスチャー、スタンスについて信頼出来る一家言を持つDr. David Wright(デイヴィッド・ライト博士)のパッティングtip。これはストレート・ストロークに役立つ方法です。
'Push your putter with your palm'
from 'The Best Instruction Book Ever!--Expanded Edition'
edited by David DeNunzio (Time Home Entertainment Inc., 2012, $29.95)
「パット数を減らすには掌を使うことだ。右掌で握るようにすると安定した、繰り返し可能なストロークが可能になる。これは練習場でボールを沢山打つより役立つものだ。【註】筆者のライト博士は"palm"(掌)と云っているのですが、日本人には「生命線で握る」の方が解りやすいと思います。
《ステップ1》ボールの後ろでパターを構え、左手を添える前に右手の生命線でグリップする。このグリップは右前腕を貫通し、パターが腕の延長のように感じられなくてはならない(図)。右手の指で握るのは間違いなので避けること。
《ステップ2》あなたのアライメントが正しければ、右掌はターゲットを向く筈だ。フォロースルーは、ボールを右掌でターゲットラインに沿って押しやる感じになる。このストロークはパターフェースをカップに向かわせるので、安定した転がりでパターヘッドをリリースすることが容易になる」
【参考】
・「パッティング・スタンス幅の決め方・ヴィデオ篇」(tips_173.html)
・「ハンドルの太さがパット軌道を変える」(tips_173.html)
【おことわり:図は"https://www.best-putter.comにリンクして表示させていただいています】
(December 01, 2023)
●ストレートにカップ目掛けて打つ方法
ここ一ヶ月の間に何度かあったミス。1~1.5メートルのやさしいパットなのに、なぜかフォーワード・ストロークで急に左手首を捻ってしまい、プルしたりプッシュしたり。手首をギプスで包んだように固定しているつもりなのに、インパクトの瞬間に痙攣するように手首が方向を変えてしまうのです。これはいつも起こるわけではなく、突発的に出るビョーキなので防ぎようがありませんでした。 Jack Nicklaus(ジャック・二クラス)の本を読んでいて、その解決法が得られました。 ’Golf My Way' 「私は通常は”スポット・パッティング”ではなくパッティング・ライン全体のイメージを心の中で視覚化する。だが、ボールのターゲット側の芝の一点を目印としてそこを通過するように打つ”スポット・パッティング”は役に立つものである。 あなたが短いパットをミスするようなら、ボールのターゲット側の5~8センチのところに目印を見つけ、ボールがその場所を通過するように打てばいい。 |
そういう目標は直径11センチのカップより小さいので、より正確なストロークを自分に強いることになる」
スポット・パッティングという手法は知っていましたが、実際にやってみたことがありませんでした。
試してみると、これはいいです。初めのうちは中間目標にやっと届くような超ショートのミスを犯しましたが^^、慣れるとパターヘッドを長く中間目標に押し出すことが出来るようになり、突発性プルやプッシュを防げるようになりました。
(December 01, 2023)
●三角形パッティングのコツ
三角形を保つには右手を楽に構え、右肘を伸ばさないようにバックストロークします。こうすれば手首が捩れることなく狙った方角にボールを放てます。
この方法は「右腕チキン・ウィング」とでも呼ぶべきものですね。フル・スウィングで左肘をターゲット側に突き出すのがチキン・ウィングで、これは忌み嫌われます。しかし、パットの場合に右肘を後方に折るチキン・ウィングは三角形を保つためのいい方法です。
私の場合、「右腕チキン・ウィング」にプラスして、次のようなことを実行しています。
1) 左膝を右に捻る。
【私の体型は自然に構えると左肩がオープンになってしまい、ターゲット(カップ)を指しません(左右の脚の長さの違いが原因)。それを矯正するために膝を中に押し込みます。これで左肩がターゲットにスクウェアになります】
2) 左腕・手は最初から最後まで伸ばしたまま。
【ボールを真っ直ぐ転がすには、ボールの真ん中をパターフェースの真ん中で打つ必要があります。腕を伸ばしてもパターのスウィート・スポットでボールを打てるとは限りませんが、腕を曲げているよりは確率が高いと思います】
3) 手の力で打つというより、重力との共同作業で打つ。
【中・短距離のパットで手の力を使うと、ボールの軌道を曲げてしまいがち。重力におんぶすれば方向は捩じれません】
ある日のラウンド、「右腕チキン・ウィング」によってパット総数27でした。出来が良かった前半はパット数12で、六つのホールをワン・パットで済ませることが出来ました。
よくよく考えると、これは左腕一本でストロークしているのと同じことだと気づきました。右肘を折って右手に力を篭めないのですから、右のパワーはゼロに近い。右サイドは左サイドをソフトにサポートしているに過ぎません。この方法で、その次のラウンドでは8メートルを捩じ込むことに成功しました。
だったら、パンタグラフ型の構えで最初から両肘を折っていればいいか…というと、そうは思えません。それで成功しているプロもいますが、左肘を折ってしまうとボールをスウィート・スポットを打てる確率が低くなると思います。
(December 01, 2023)
●ヒットダウンの研究
Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のヒットダウンのコツ。
’Bobby Jones on Golf'
by Bobby Jones(Doubleday, 1966, $18.95)
「熟練したゴルファーは、ボールがティー・グラウンド上あるいはフェアウェイに理想的 な状態で横たわっている際に最長のショットを打つためには、ボールを直接打つかスウィング弧の最低点より少し前(ボールのターゲット側)を打つべきであることを知っている。
オーヴァー・スピンによってボールを宙に浮かべることが出来るというのは幻想であるが、地面と平行に動くクラブでスクウェアに、あるいは少し上昇気味に打たれたボールもバックスピンが最少の結果となる。そのように打たれたボールは弧を描いて飛び、地面に落下しても転がるエネルギーがある。こういう風に打たれたボールは向かい風の中で飛ばす場合には有効である。
ボールの先を打つのは一般ゴルファーには期待出来ないコントロール技術を必要とする。多くの場合、コントロールは飛距離よりも重要であり、バックスピンはボールの飛行を安定させてくれるものだ。一般ゴルファーはどのショットにおいてもコントロールすることを学ぶのに最善を尽くすべきである。とりわけ、凹んだライやダウンヒル・ライからボールを掬い打ちしたりすべきでないこと、反対にバックスピンがボールを宙に浮かべるのだということを理解すべきである。
最大の飛距離を必要とするドライヴァー・ショットやフェアウェイからの長いショットを例外として、どのショットもクラブが下降するスウィング弧を描いている時にボールと接触すべきである。下降の角度の度合いは地面を撫でるだけのウッドから、ターフを取るピッチング・クラブまで…と多様である。しかし、下降する打撃によって与えられたスピンはボールの飛行をコントロールするために必要である。
凹んだライにあるボールの下にウッドを打ち込んでボールを上げようとする努力は無惨な失敗に終わる。ゴルファーは地面を先に打つか(ダフリ)、ボールの天辺を打とうとして空振りするかどちらかである。こいう場合のショットはボールを叩きつぶすように打ち下ろし、スピンがボールを上げるに任せるしかない。お気づきのように、これがタイトなライであっても水平の地面の方が左足上がりのライよりも簡単である理由だ。下降するスウィング軌道の必要性は同じだが、一見助けとなるように見える左足上がりの勾配が身体の動きを難しくするからだ。
一般ゴルファーは、ディセンディング・ブローを学ぶまでタイトなライからボールを上げることは出来ないし、どのクラブを使っても効果的なバックスピンを与えることも出来ないので、いい結果が得られる方法を探し続けなくてはならない。単にヒット・ダウンするだけでは充分ではない。ほぼ全てのダッファーはヒット・ダウンしたとしても、同時に横殴りにひどくカット打ちしたりする。主たる体重を左足にかけたままか、バックスウィングの間に左に移してしまい、いざ打とうとすると右足に寄り掛かるしかなくなり、飛行線のアウトサイドからクラブをインパクトゾーンへ動かす。これではうまくいくわけがない。効果的に打つには、下降する打撃はターゲットへ向かう飛行線に沿って(スクウェアに)動かさなくてはならない。
もちろん、特定のショットがいかに正しくプレイされるべきか詳細に説明するためには、正しいスウィングの全てを述べねばならないだろう。しかし、打撃の方向に直接影響を与えるいくつかのポイントがあるのだ: 先ず第一にスウィングのトップでの体重配分だ。右足体重でも左足体重でもなく、両方に均等であるべきだ。均等体重でアドレスし、体重移動はせず単に胴体の捻転でバックスウィングを完了させる。
腰の捻転によってバックスウィングを完了させた後、クラブヘッドがボールに向かう前に身体の逆転を始める。同時に、スウィングの中心を移すために腰は僅かに前方(ターゲット方向)へと動く。どんな場合でも体重を後方に向かっては動かすべきではない。後方に動かすと、ボールを(下降軌道ではなく)上昇軌道やカット気味に打つことになってしまう。
【Bobby Jonesのスウィングの見どころ】
・腰と肩のフル捻転
・下半身の逆転がリードするダウンスウィング
・コックの保存
・インパクトで伸びた左脚
・インパクトで真っ直ぐ伸びた左手・腕
ここまでが正しく遂行されればディセンディング・ブローは達成出来るが、手がクラブをあまりにも急速に動かし始めた瞬間におじゃんになる。左腕とクラブシャフトの間の角度(コック)は、(まだクラブが上昇中に)身体が逆転を開始し左腰が(ターゲット方向へ)引っ張られる際に一層急角度になる。【編註】
【註】Bobby Jonesは《バックスウィングが完了する前にダウンスウィングを始めよ》と説きます。つまり、上半身はまだクラブを持ち上げ切っていない(トップに達する以前)に、下半身が逆転を始めよというものです。Bobby Jonesのスウィングを研究・分析したBen Creshaw(ベン・クレンショー)は、これはBobby Jonesがスコットランド生まれのコーチのスウィングを模範としたせいではないかと推測しています。私のゴルフ仲間に上のようなスウィングをする者がいますが、あまりにも急速な切り返しで手首の角度がコントロール不能のせいでしょうが、多くの場合右や左の旦那様です。古今のプロやインストラクターには逆に《バックスウィングを完了させ、一瞬の間(ま)を置くべし》と説く人もいます。
もし打ち気に逸るあまりトップからクラブヘッドを投げ出すと、コックされた角度は失われヒット・ダウンする望みは即座に絶たれてしまう。ダウンスウィングの弧は正しい道筋から外れ、唯一のチャンスは主に肩と腕の動きでボールをほじくり出して打ち上げることしかなくなる。これは多くのゴルファーがとりわけハードに打とうとする時に起こる症状だ。
コックは、ダウンスウィングの初期には保たれていなければならない。(コックをほどく瞬間は腰の逆転の後にやって来る)同時に右肘は身体の右脇に向かって下降し、スウィング動作は飛行線の内側からはみ出さずに(インサイド・アウトで)遂行されなくてはならない」
ヒットダウンする寄せを練習していた時、最初は何度もシャンクしました。これはクラブを下降させることに懸命になるあまり手打ちになっていたせいです。下半身を使い、手・腕が遅れてインパクトを迎えるようになってから、俄然方向性が良くなりました。60度ウェッジで40ヤードのピッチングをしたら、二度連続でピン傍30センチと10センチにつけられたことがあります。その時の感激は今も忘れられません。しかし、本番でそのような見事なショットをしたことはたった一回しかないので、通常私はちゃんとディセンディング・ブローで打っていないのです。
ヒットダウンの打ち方について一冊の本を書いたのは元プロ、TV解説者、インストラクターのBobby Clampett(ボビィ・クランペット)です。【参照:「インパクトの研究」(tips_112.htnl)】彼は《ボールの先10センチを見つめながらヒットせよ》と説きました。バンカーではボール後方数センチを見つめてクラブヘッドを砂に打ち込みますが、フェアウェイではボールの先(ターゲット方向)10センチを凝視しながら打てば、eye-hand coordination(目と手の協調作業)によってクラブヘッドはボールを地面に向かって押しつぶし(クラブはボールの10センチ先でディヴォットをとる)、ボールにバックスピンを与えて正確無比な方向性が得られる…という段取りです。
「頭の研究」が一段落したので、今度は「ヒットダウン」に挑戦です。これは時間がかかって泥沼か底なし沼にはまったも同然になるかも知れません。
【参考】
・「ディヴォット恐怖症の方へ【やさしい解説】」(tips_173.html)
・「アイアンをヒットダウンすべき理由」(tips_201.html)
【おことわり:図はhttps://thumb.ac-illust.com/にリンクして表示させていただいています】
(December 20, 2023)
●ウェッジでターフを取る練習
これはLPGAツァーを初め世界中で90勝を挙げたAnnika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)のtip。
'100 Classic Golf Tips'【LPGA version】 「理想的なウェッジ・ショットでは先ずボールを打ち、次いで地面を打ってボールのターゲット側でディヴォットを取るべきものだ。もしあなたがウェッジを低くスウィングしディヴォットを取らない傾向があるとしたら、ボールの後ろでスウィング弧の最低点に達しているせいだ。 このドリルを試されたい。ボール後方10センチのところに鉛筆を置く。ハーフ・スウィングをし、鉛筆を避けながらボールをヒット・ダウンする。ボールを打つのであって鉛筆ではない。ダウンスウィングの開始で体重を左に移動させなくてはならない。それがスウィング弧を鉛筆の前のターゲット側に移し、ボールを打った後ターフを打つことを可能にする」 鉛筆を台無しにするのはもったいないので、8センチのティーをボール後方に刺してやってみました。これは想像するよりも難しい。先ず、テイクアウェイでティーを薙ぎ倒してしまいます。私がティーに触れないような急角度のバックスウィングではなく、掃くようなスウィングをしているせいです。さらに、ダウンスウィングでもティーに触れないような角度ではボールを打てません。アニカが正しいとしたら、私はどうすればいいのか途方に暮れてしまいました。 |
逆にボールの10センチ先にティーを刺し、それを打つという方法を考えました。ボール無しでアドレスした仮想のボールの先(ターゲット側)10センチにティーを刺し、それを打つという練習をしました。最初、ティーは舞い上がったりろくに飛ばなかったりしましたが、ある時真っ直ぐ、しかも6〜7ヤードも飛びました。多分、その時初めてヒットダウン出来たのでしょう。これは裏庭でも練習場でもボール無しで出来るので、いい練習法だと思います。
(December 20, 2023)
●ヒットダウンへの近道(ヒットダウンの研究・その2)
'The Impact Zone'(2007)の著者Bobby Clampett(ボビィ・クランペット)によれば、ヒットダウンするにはボールの10センチ前方を見つめながらヒットすべきだそうです(右図)。その地点を目掛けてクラブのリーディンエッジを下降させ、クラブヘッドはボールを打った後、10センチ先の地面でディヴォットを取る…というメソッドです。【註】Bobby Clampettは「10センチというのはあくまでも目安であって、身長やクラブの長さなど個人の条件によって変更すべきものだ」と云っています。
つまり、現実のボールを見ながらショットするわけではなく、10センチ先の”仮想”のボールを打つわけです。これはバンカー・ショットでボールの後ろ数センチのところを打つのと同じeye-hand coordination(アイ=ハンド・コーディネーション、手・腕の協調作業)の利用であり、これも仮想ボールです。
なぜバンカーで仮想ボールを打つかというと、バンカーショットはボールそのものを打つのではなく、ボール後方2.5センチのところの砂を打ち、それが引き起こす”津波”によってボールをバンカーから出すわけです。
私は飛距離増を願ってボール後方28センチのところでアドレスしますが、実際のボールを見て打つと盛大なてんぷらになります。それを避けるには構えたドライヴァーの直近にボールがあると考え、そこを見つめながらスウィングしなければなりません。これも仮想ボールです。
人間のスウィング弧というのは、どこで最低点に達するか決まっています。David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)によれば、「胸骨(みぞおちの上にある骨)の位置が、常にスウィング弧の最低点となる。ボールの真上(か、やや前方)に胸骨を揃えることによって、クラブヘッドが地面より先にボールと接触する下降気味のショットを実現する」と断言しています。【参照:「チッピングとピッチングでは胸骨にボールを揃えよ」(tips_141.html)】左腕をちゃんと伸ばしたアドレスをし、正しく体重移動し、ちゃんと左腕を伸ばしたインパクトを心掛ければ、必ず胸骨の真下がスウィング弧の最低点となることに決まっているのです。
だとすれば、ボールの前方10センチを胸骨の位置と定め、そこに仮想ボールがあると考えてアドレスすればいいのではないか?そこを狙えば自動的にクラブは下降中にボールを捉えてバックスピンをかけ、その後スウィング弧の最低点(胸骨の位置)でディヴォットを取ります…(うまくいけば)。
・Bobby Clampett《ボールの10センチ前方の地面を狙って打て》
・高野英二《ボールの10センチ前方に胸骨を揃えて打て》
コペルニクス的転回です。
段取りですが図の左側を御覧下さい。ボールの前10センチでアドレスし、そこに胸骨が来るようにスタンスを調節します。その後クラブをボールの後ろに置きますが、目はその後最後まで図の★に据えたままスウィングします。★はディヴォットを取る予定地です。つまり、「ボールの先10センチを狙う」という曖昧なものではなく、そこがスウィング弧の最低点となるように、身体をあらかじめセットしてしまうのです。
これは実は図の右側のようなチップショットで既にやっていることです。チッピングのボール位置は「右足甲の前方」(図の黄色の点線)が推奨されていますので、ボールと右足の位置関係はこの右図と全く同じことです。「右足甲の前方のボール位置」はヒットダウンするためのボール位置だったのです。ですから、チッピングの場合もボール前10センチ(★)に胸骨が来るようにクラブを構え、その後実際のボールの後ろでアドレスしますが、目はボール前10センチ(★)を凝視しながらショットを遂行します。
このメソッド、練習ラウンドでちょっと試してみましたが、うまくいけばこれは素晴らしい。3番ウッドもアイアンも、ロブウェッジでさえも真っ直ぐ飛びます。よく考えればこんな簡単なことを世界中のインストラクターが思いつかない方がおかしいほどです。《ヒットダウンするにはボール位置を胸骨の10センチ後方にすればよい》。なぜ、これが一般に広まっていないのか?
理由は簡単、難しいからです。ゴルファーの本能としてどうしても実際のボールを見てしまい、それを打とうとします。これをやるとひどいプッシュになります(経験者は語る)。絶対に仮想ボール(★)の位置から目を離してはいけないのです。バンカー・ショットもボールでない所を見るのですが、バンカー・ショットは多くて日に二、三度でしょうから特別です。ヒットダウンはドライヴァーとパターを除く全てのショットで遂行されなくてはなりませんので、「常にボール前方10センチでアドレスし仮想ボールを打て」…なあんて酷なことを週一ゴルファーに云えるインストラクターなどいないんでしょう。
仮想ボールを凝視することに慣れている私は、もう少し練習してみるつもりです。実戦に役に立つものかどうか、はてさて…?
(January 01, 2023)
●ヒットダウンの研究・インターミッション
上記「ヒットダウンへの近道」を執筆した直後、三週間にわたるタチの悪い風邪で寝込んでしまいました。「近道」が役に立つものかどうか確かめたいと、やきもきしながら臥せっておりました。『旅に病んで夢はフェアウェイを駆け巡る』の心境。
寝ながらでも本は読めるので、名人、名コーチが「ヒットダウン」についてどう云っているか調べてみました。驚くことにほとんど言及されていません。Harvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)の四冊の本では完全に無視。Jack Nicklaus(ジャック・二クラス)は彼の'Golf My Way'で「かのHarry Vardon(ハリィ・ヴァードン)はロング・アイアンを打つ名人だったが、どのクラブでも滅多にディヴォットを取らなかった。多くのゴルファーもロング・アイアンで掃くようなスウィングで打てば、計り知れぬほど上達するであろう」と肩透かしです。
唯一の例外はBen Hogan(ベン・ホーガン)で、『モダンゴルフ』の九年前に出版されてやや影が薄い’Power Golf'(1948)で次のように述べています。「アイアンのダウンスウィングではウッドよりも敏速に体重を左足に移さなければならない。体重が右に残ったままだとボールの後ろでディヴォットを取ることになる(=ダフリ)。速めに左足に体重を移した時にだけボールの前方でディヴォットを取ることが可能になる」…これだけです。ボールの前◯センチでディヴォットを取れなんてことは欠片(かけら)も出て来ません。
Ray Floyd(レイ・フロイド)は彼の'The Elements of Scoring'(1998)という本で「ツァー・プロでさえ市営ゴルフ場等の荒れた固い地面から痩せたグリーンに向かって打ってボールを転がり戻すスピンなんか掛けることは不可能。こういう状況ではボールをソリッドに打てるだけで満足すべきだ。多くの場合、スピンを求めるのは不必要であり、ゴルフを難しくするだけだ」
ゴルフの百科全書とも云うべき’Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'(1997)は、方向コントロールなどにはかなりページを費やしている本ですが、「ヒットダウン」についてはホンの一言「攻撃角度が急であればあるほどバックスピンを生んで高度を増し、飛距離を減らす」とあるだけ。
Butch Harmon(ブッチ・ハーモン)は「シャープなヒットダウンは無用である」(tips_128.html)において、「未熟なゴルファーがシャープなヒットダウンを試みると、トップやダフリを生じる」と警告しています。
Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)が1966年出版の本’Bobby Jones on Golf'で「どのショットもクラブが下降するスウィング弧を描いている最中にボールと接触すべきである」と述べているのに、誰もそれをフォローしていない。まるで業界内で「ヒットダウンを実行するのはいいが絶対に他言するな」という箝口令を敷いていたかのような印象です。
2007年にBobby Clampettが'The Impact Zone'という本で「ボールの前(ターゲット側)10センチでディヴォットを取れ」と云い出すまで、Bobby Jonesから実に40年の空白がありました。
一般のアマチュア・ゴルファーには「ヒッター」は少なく「スウィンガー」が多いと云われます。後者は掃くような浅い軌道のスウィングをする人々です。私もスウィンガーの一人。掃くような軌道から急角度でボールに向かって打ち下ろす軌道に変えるのは難題かと思われます。
ヒットダウンに成功したとしても、Ray Floydの云うような荒れた固い地面、痩せたグリーンでプレイしているわけですから、バックスピンのご利益は得られないかも知れません。
なにやら夢が萎むような一抹の寂しさを感じます。しかし、私はいったん見極めようとしたことにはこだわる性格です。「今回の研究は頓挫しました」と報告する日が来るまで練習・検証し続けます。そのためにも早くこの病気に身体から出て行って貰わなくてはなりません。
(January 01, 2023)
●ヒットダウンの研究・その3
YoutubeでインストラクターPaul Wilson(ポール・ウィルスン)が述べるヒットダウンのコツは、左肘を真っ直ぐ伸ばすことだそうです。「チキン・ウィングなんかではディヴォットを取れるわけがない。ゆったりとスウィングし、左肘を伸ばしたインパクトをすればディヴォットを取れる」と説いています。
【参考:https://www.youtube.com/watch?v=_ji_zykZlY8】
私は左腕を伸ばすいい方法を知っています。東京の志茂さんがずっと以前にお寄せ下さった「義父の秘伝」(tips_43.html)なるtipsの一つに「インパクトで胸を張れ」というのがあり、ダウンスウィングで胸を張ると自然に左腕が伸びるのです。飛距離も増します。いいことづくめ。
裏庭は芝生なのですが、そこここに雑草が混じっています。地面に這いつくばるボール大の雑草をゴルフ・スウィングで抉(えぐ)り取るのは、私の自慢の練習法の一つです。今回はこれをヒットダウンの練習に使ってみました。
この練習では一つの雑草をボール前方10センチのディヴォット跡予定地とします。
・雑草にアドレスし、そこが胸骨の真下になるようスタンスを調整します。
・クラブを10センチ後方に動かし、身体は動かさずにアドレスします。
・雑草を凝視しながらスウィング。見事雑草が抉れたらお慰み。
これがそう簡単ではありません。何度やっても雑草の後ろ10センチを打つことの連続。「いけね!手打ちをしてる!」地面ばかり見てると手打ちになってしまうのです。下半身主導のダウンスウィングを思い出し、「それと胸を張るんだったな」こう決意した後、スウィングは見違えるようになり、雑草が弾き飛ばされるようになりました。
ただし、この練習は雑草という打つ目標があるので、実戦に使える方法ではありません。フェアウェイに横たわるボールの10センチ前方に常に目標となる雑草があるという幸運は望めませんから、是が非でもボール前10センチの何もないところを打つことに習熟しなくてはなりません。
(January 10, 2024)
●バックスピンとは何か?
Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)が初心者向けに書いた本にはヒットダウン(ディセンディング・ブロー)をしろとは書いてありません。しかし、巻末に置かれたクラブの軌道と球筋の一覧表にはちゃんと書かれています。
'The Basic Golf Swing'
by Robert T. (Bobby) Jones (Doubleday & Company, Inc., 1969)
「グリーンに乗せる段になるとショットの範囲を調整することが重要になる。このためには三つの選択肢がある。1) 使用クラブの選択、2) スウィングを強くするか弱くするかの選択、そして3) バックスピンの採用…の三つである。
バックスピンはディセンディング・ブロー(下降する打撃)によって生み出される。クラブフェースの角度(ロフト)がボールの下半分と接触することによって、その力の一部はボールを前進させる推進力となり、残りの力はスピンに使われる。スピンはクラブフェースのグルーヴ(溝)とボールの表面とが噛み合って生み出されるので、接触は夾雑物(泥やゴミ)のないクリーンなものでなければならない。ボールが打たれた後、ディヴォットが取られる。
【編註】われわれトーシロが考えるバックスピンとは、グリーン奥に着地したボールがころころとピン方向へと戻って来るスピンに限定されていると云っていいでしょう。そういうのばかりではなく、ボールを狙った方向に正確に飛ばすためにもバックスピンが必要なのです。ピンハイに乗せるためにはディセンディング・ブローでボールを打つ必要があるわけです。
クラブとボールがほぼ水平の軌道で接触した場合、バックスピンは全くかからない。ティーアップされたボールのように上昇軌道のスウィングで打たれると、打たれた力はボールの上半分に加わるのでスピン効果は得られない」
グリーンを狙うショットではバックスピンが必須ということが解ります。そして、そのためにはヒットダウンすることが不可欠であるということも。
われわれのゴルフを飛躍的に改善するには、この部分の研究・練習が必要だと思われます。
【参考】「なぜディヴォットが取れないのか?」(tips_131.html)
(January 10, 2024)
●スウィング弧の最低点を見極めよ
David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)は「スウィング弧の最低点は胸骨(みぞおちの上にある骨)の下である」と断言しましたが、実際にはアドレスやダウンスウィング時の体重の掛け方にも左右される筈です。
以下の記事の筆者Julius Boros(ジュリアス・ボロス、1920〜1994)は会計士でしたが30歳でツァー・プロとなり、全米オープンに二度、PGA選手権に一度を含めツァーで全25勝を挙げた人。 'Swing Easy, Hit Hard' 「スウィング弧の最低点を突き止めるには、同一地点で何度も練習スウィングを行い、どこでディヴォットを取っているかを調べる。これは、あなたのクラブヘッドがどこで地面と接触しているかを教えてくれ、そこがスウィング弧の最低点である。 いくつかの異なる地点で異なるクラブを用いて各クラブによる変化を調べる。クラブヘッドが地面と接触したポイントと両足との位置関係を覚えておけば、後に修正を行う際に役立つ。 もしスウィング弧の最低点がかなりスタンスの後方であれば、あなたは過度に右足に体重をかけており、逆にスウィング弧の最低点がスタンス前方であれば、体重を過度に左足にかけている。 バランスの中心はスウィング弧の軸を前方から後方へと変える。もしあなたがスウィングをコントロール出来るようになったら、ショットを高くするか低くするか必要性に応じてスウィング弧を変えることが出来る。 |
数センチほどスウィング弧の長さを長くするか短くするかでボールの飛距離を変えることが可能だ。バックスウィングを十分にすることが肝要(オーヴァースウィングは駄目だが)」
(January 10, 2024)
●ヒットダウンの研究・その4
私のヒットダウンの研究は狙ったところへ真っ直ぐ飛べばいいというものであって、グリーンに着地後ピンに向かってころころ戻って来るショットを追求しているわけではありません。ヒットダウンで得られるバックスピンの特徴は知っておくべきだとは思いますが、ボールが着地して数バウンドで停止してくれれば御の字であり、グリーン奥から外へ転げ出てしまったりしなければありがたいという程度の期待です。真っ直ぐ飛べば充分とも云えます。
一ヶ月に及ぶ風邪との闘いにやっと終止符を打てたので、珍しく晴れて暖かい日にコースに出向いて練習してみました。
先ずは「ヒットダウンへの近道」(01/01/2024、右図)の練習。今回は雑草を抉(えぐ)るのではなく、Bobby Clampet(ボビィ・クランペット)推奨の松ぼっくりを打つ練習です。松ぼっくりを集めて練習場で打ってみました。
松ぼっくりをボールに見立て、その10センチ前方にクラブヘッドを置き、そこに胸骨が来るようにスタンスを調整します。クラブヘッドをボールの後ろに移して構えますが、目は先程のボール前方10センチ(ディヴォットを取る予定地)を見据えたままスウィングします。いけます。松ぼっくりはゴルフ・ボールと同じような軌道で上がり、10メートル以上飛ばないだけで方向性も悪くありません。
松ぼっくりを打つのはさして面白くないので、本当のボールが打ちたくなり、コースへ出ることにしました。最初のパー4、二打目は左足下がりで、三打目は爪先上がりのライだったりしてヒットダウンはうまく行きませんでしたが、四打目の60°ウェッジの40ヤードのピッチ・ショットは正確にピンハイ1.5メートルについたので驚きました。「近道」の正しさが証明された気がしました。
パー3で6番アイアンをティー無しで打ってみました。引っ掛けてバンカーへ。バンカー・ショットはピン傍25センチにつきました。仮想ボールを打つのに慣れて来たせいかも知れません。
パー5。3番ウッドの二打目はプッシュしてしまいましたが、三打目残り70ヤードをピッチング・ウェッジで打ったところ、ピンハイ2メートルにつきました。
病み上がりなのでこれくらいにしましたが、「ヒットダウンへの近道」の正しさが実感出来、今後への展望が拓けた思いでした。
(January 20, 2024)
●爪先の開き方でスウィングが変わる
爪先の角度をflare(フレア)と云うそうです。われわれはさして深く考えずに爪先をスクウェアにしたり開いたりしているように思いますが、年齢やショット・パターン、体型などによって選ぶべきことのようです。以下はインストラクターBrady Riggs(ブレイディ・リグズ)によるtip。
’How to Hit Every Shot'
edited by David DeNunzio (Time Inc. Home Entertainment, 2008, $29.95)
「Ben Hogan(ベン・ホーガン)は彼の著書'Five Lessons'『モダン・ゴルフ』において、『左爪先はオープン、右爪先はスクウェア』と書いていたが、自分自身は実際には両方の爪先をオープンにしてプレイしていた(写真)。右爪先をスクウェアにせよというのは、いまや古過ぎる教えである。だからといって爪先の開き方をいい加減にすることは出来ない。これはボールの飛行と軌道をコントロールする便利な方法なのだから。
爪先を開くか否かに関して重要なことは、それが腰の回転能力を増してくれるということだ。若者や柔軟な身体の持ち主は往々にして腰を廻し過ぎるので、両爪先はスクウェアにしておくことが一般的に云ってベターである。
◯ 右爪先を開くべき場合
・目一杯バックスウィング出来ないか、スウィング・スピードに欠ける人
・急角度でスウィングする人や、ダフることが多い人
・これから打つショットがインサイド・アウトの攻撃角度が必要なとき
・フックを打ちたいとき
◯ 左爪先を開くべき場合
・フルスウィングの際に左足で横滑りしがちな人
・過剰にインサイド・アウトのスウィングをしがちな人
・タイトなライで打つ際、レイト・ヒットでヒットダウンしたいとき
'The LAWs of the Golf Swing'
by M. Adams, T.J. Tomasi and J. Suttie (HarperCollins, 1998, $25.00)
過去に紹介した「体型別スウィング【微調整ポイント一覧】」(tips_165.html)から爪先の扱いだけ抜き出してみます。
① 中肉中背の平均体型(大方の女性を含む)。図のSteve Elkington(スティーヴ・エルキントン)がこの体型。
左爪先 僅かにオープン
右爪先 僅かにオープン
② 長身・腕の長いスリム体型。Davis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)がこの代表。
左爪先 スクウェア
右爪先 ターゲットラインに直角
③ 胸が厚く短めの腕と脚で丸っこい輪郭の人。Craig Stadler(クレイグ・スタッドラー)、Laura Davies(ローラ・デイヴィス)など。
左爪先 オープン
右爪先 オープン
④ 柔軟性を欠く人。シニアの多くと、胸が大きく筋肉質でない女性がこれに該当する。
左爪先 オープン
右爪先 オープン
(February 10, 2024)
●左目でボールを見よ
Jack Nicklaus(ジャック・二クラス)が打つ前に頭を右に廻して左目でボールを見るのは知っていました。しかし、私の利き目は右目なので、左目でボールを見るのは理に叶っていないと思われました。しかし、どうあっても左目でボールを見なければならないようです。
以下はカイザー大学の教授でもあるDr. T.J. Tomasi (T.J. トマシ博士)のtip。
'The Best Driving Instruction Book Ever!'
edited by David DeNunzio (Time Home Entertainment, 2012, $32.95)
「鼻梁の高い人、柔軟性に欠ける人、眼鏡をかけている人、長くのったりスウィングする人…などは、ドライヴァーを打つ時、バックスウィングでボールが見えなくなる。すると「大変!早く打たなきゃ!」とパニックに陥る。これがトップから打ちに行く手打ちの原因の一つである。
眼帯があればそれを右目に当て、無ければ右目をつぶってスウィングする。左右両目でボールを見続けようとすると身体の捻転も不充分になるが、左目だけでスウィングしようとすれば充分に捻転出来る。
右目を使わずに20個のボールを打つ。左目だけでボールを見ながら充分に捻転する。トップから大慌てで打ちに行こうという衝動は消える。
眼帯を外すが、眼帯をはめていた時のスウィングを再現するように打つ。時を経ずして左目でボールを見ることが快適になるはずだ」
【参照】「利き目の効き目」(tips_6.html)
【おことわり】画像はhttps://golfdigest.sports.sndimg.com/にリンクして表示させて頂いています
(February 10, 2024)
●低いボールは曲がらない・2
このサイトのごく初期に紹介したtipに「低いボールは曲がらない」というのがあります。「高く飛ぶボールは大きく曲がるが、低く飛ぶボールは曲がりが少ない」というツァー・プロたちの経験から来た言葉です。
「バックスピンとは何か?」で紹介したBobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の説明によれば、「ティーアップして上昇軌道で打たれたボールにはバックスピンがかからない」とのこと。バックスピンは方向性を良くします。これがないと乗りません。
私はパー3のうち二つはドライヴァーで打ち、一つは3番ウッドを2.5センチ短く持って打ち、残る一つは6番アイアンで打っています。ドライヴァーはティーアップせずには打てませんが、3番ウッドも6番アイアンもティー無しの方がいいんじゃないかと思われました。
3番ウッド、いい時は真っ直ぐ飛ぶのですが、多くの場合右や左にブレます。6番アイアンも絶頂期にはワンオンが普通だったのですが、最近プッシュしたりフックしたり。これらが盲目的にティーアップしていたせいだとすれば、随分無駄なことをしていたことになります。フェアウェイからグリーンに乗せることは可能なのですから、何もパー3だからといってティーアップしなればならない理由はないわけです。
最近のある日、全てのパー3で低いボールを打ってみました。No.4(139ヤード)パー3は上り勾配の上にグリーンが縦長なので横に弾かれて滅多に乗りません。このホール、私は3番ウッドをやや短く持って打ちます。この日はティーアップしないで打ってみました。ボールは真っ直ぐピンを目指して飛び、ピンの手前1メートルで停止。バーディは逃してしまいましたが、イーズィ・パー。
No.7(150ヤード)パー3は下りなのですが右に急傾斜した縦長のグリーンで、これも難しいホール。私は通常は高くティーアップしたボールをやや短く持ったドライヴァーで打つのですが、まさかティー無しでドライヴァーを打てませんので、アイアン用の短いティーを使いました。またもや真っ直ぐ飛んだボールはピンをオーヴァーしたものの、難なくパー。
No.12(102ヤード)パー3は6番アイアンを使います。ティー無しで練習したショットは全てショートや引っ掛けだったので、ティーの殆どを地面に埋め込み、ボールがほんの少し地面から出ている状態にしてトライ。結果はトップで失敗でした。
続くNo.13(184ヤード)パー3。ドライヴァーを短いティーで打ってみました。乗ったかと思われたのですが、土手に阻まれてショート。しかし、ピン傍に寄せてパー。
四つのパー3のうち三つでパーを得られたということは、この《パー3は低いボールで攻めよう》という作戦が正しいことを裏書きしています。
その後も、No.4(139ヤード)パー3でティー無しで打ち、ピンから2メートルにつけることが出来たりして、この方法は役に立っています。
【おことわり】画像はhttps://image1.masterfile.com/にリンクして表示させて頂いています。
(February 10, 2024)
●完璧なドライヴのためにパワー角度をキープせよ
ゴルフ・チャネルで活躍したインストラクターMichael Breed(マイケル・ブリード)の画期的なtip。
'Golf Magazine's Play Like A Pro'
edited by David DeNunzio (TimeHome Entertainment Inc, 2013, $32.95)
「あなたが飛距離不足を感じているとしたら、スウィングの間に可能性充分なパワーを蓄積していないのが理由の一つである。これは通常コックをあまりにも早くほどいてしまうことの結果であり、パワー角度が失われてしまう。
これを防ぐにはダウンスウィング後半におけるパワー角度(前腕とクラブシャフトの間の角度)を保つ感覚を知らねばならない。これを達成するには私が考案したタオル・ドリルが最高である。ごく普通のタオルか手拭いをドライヴァーのシャフトに絡める。いつものように左手でドライヴァーを握り、右手はタオルを掴む(写真の赤い線がクラブシャフト、青がタオル)。
タオルを充分に引き締めながらスウィングする。左手首のコックと、左前腕とクラブシャフトとの角度を維持しながらインパクト・ゾーンへと進む。
誰でもこの動作を学ぶことが出来る。このドリルを行いつつ身体が感じ取る感覚に集中すること。タオルでの練習を繰り返したあと、同じ感覚を作り出しながらボールを打つ。必ずや、これまでよりパワフルな感じのインパクトになっていることに気づくことだろう」
やってみると、タオルの抵抗を押しのけてダウンスウィングするには左手の薬指と小指、そして親指にかなりの圧がかかることが解ります。私のこれまでのスウィングでは全く感じなかった感覚です。この感覚を学べるだけでも、これは素晴らしい練習法です。
私は年齢のせいで飛距離が落ちて来て焦っているのですが、この練習をしてラウンドでも実践し薬指と小指、そして親指を引き締めながらスウィングして、いくつかのホールで結構満足出来る飛距離を得ることが出来ています。このtip、お薦めです。
【ご注意】スウィングする時、心がこの「パワー角度」のことだけに集中しているとシャンクしたりします。あくまでも下半身の動きでダウンスウィングを開始し、それに追随して「パワー角度」を実施すべきです。
【ヴィデオ】
・https://www.youtube.com/watch?v=HL2db0wqFT4
・https://fb.watch/q9lh0CQbUX/(5分20秒以降がタオル・ドリル)
(February 20, 2024)
●グリップエンドを引き下ろせ
インストラクターJohn Elliott, Jr.(ジョン・エリオット二世)のダウンスウィングのtip。ここでhandle(ハンドル)と呼ばれているのは、クラブを握るべき場所のことです。grip(グリップ)と云うと「握り方」なのか「クラブの握る部分」なのか不明瞭なので、「握る部分」のことはhandle(ハンドル)と云います。
'The Best Instruction Book Ever!'
by Golf Magazine's Top 100 Teachers (Time Home Entertainment Inc., 2012, $29.95)
「あなたの目標は、どのクラブでもスウィートスポットでむらなく打つことであるべきだ。そのためのダウンスウィングの最もよい順序は次のような四つのHである。
四つのH: hips(腰)⇒handle(ハンドル)⇒hands(両手)⇒head(クラブヘッド)
パワフルでムラのないインパクトを達成するためには、ハンドルはクラブヘッドに先行しなくてはならない。5番アイアンのグリップエンドにティーを刺し、ダウンスウィングの最初はそのティーが地面を指すようにスウィングする。これが成功への最高の方法である」
【おことわり:画像はhttps://golf.com/にリンクして表示させて頂いています】
(February 20, 2024)
●レイト・ヒットの秘訣
インストラクターChuck Evans(チャック・エヴァンズ)のtip。
'Golf Magazine's Play Like A Pro'
edited by David DeNunzio (TimeHome Entertainment Inc, 2013, $32.95)
「もしアイアンの不正確さがあなたのスコアを乱しているとしたら、恐らく左前腕とクラブシャフトとの間の角度を維持することに失敗しているのだ。あなたはトップから直ちにクラブを投げ出して、あまりにも早期にエネルギーを放出してしまい、地面を先に打ってからボールを打つ(ダフリ)。本当はその反対であるべきなのに…。
バックスウィングで手首をコックした時に左前腕とクラブシャフトとの間の角度が形成される。ゴルファーによってはバックスウィングの初期にコックするが、スウィングのトップに達する直前にコックする人もいる。どちらにしても、いいゴルファーは全てコックし、さらに重要なことには、それをダウンスウィングの最後の最後まで維持する。いいゴルファーがドライヴァーを打つ時、バチンという音がするが、それはインパクトでクラブシャフトがターゲット側にしなってボールを打つ結果なのだ。
選り抜きのゴルファーのようにラグ(クラブが手よりも遅れること)を保って地面より先にボールと接触するには、次のようなスロー・モーションの練習が必要だ。
・ステップ1
スウィングのトップからダウンスウィングに移る際、右手首がクラブヘッドを押そうとする衝動と闘うこと。クラブシャフトが依然として両手の後方にあるのが正しい姿である。
・ステップ2
左腰をターゲット側に突進させ、両手・両腕・クラブをインパクト・ゾーンに送り込む。左手首を弓なりにする。【註参照】これがインパクトで両手をボールに先行させ、プロ風にカッチリとボールを捉える秘訣である」
【編註】左手首を弓なりにするというのはBen Hogan(ベン・ホーガン)が云うsupination(スーピネーション)と同じものです。左手首を甲側に(凸型に)盛り上げる動作で、Hoganは「上手いゴルファーは誰しもこの形のインパクトをしている」と云っています。逆に凹型にするとスウィング弧を変えてしまい、トップその他いろんなミスを生むそうです。写真のMinjee Lee(ミンジー・リー)の場合、クラブシャフトが左手首に遅れてインパクトに到達していることが明瞭に判ります。
(February 20, 2024)
●オーヴァースピンでパットせよ
”奇跡のコーチ”と呼ばれたインストラクターPhil Galvano(フィル・ガルヴァノ)のパッティング・アドレス手順。パットに理想的なオーヴァースピンをかけることに特化したスタイルです。
'Secrets of Accurate Putting and Chipping'
by Phil Galvano (Prentice-Hall, 1957)
「パッティングに最適なのはオーヴァースピンである。ボール位置を左爪先前方にすれば、自動的に理想的なオーヴァースピンがかけられる。パターヘッドは(下降ではなく)上昇軌道でストロークされる。
1) ボール中央からカップまでのターゲットラインを利き目で視覚化する。
2) パターのトゥをボール後部の中心に合わせる。【編註:なぜパターのスウィートスポットでなくトゥなのか不思議ですが、原文のまま】目をボールの真上にする。
3) ボールと左足爪先との間隔は体型によって変わるものの、目をボールの真上にするという条件からすれば、ほぼ10センチであろう(13センチというのは稀)。
4) ボールの下方(身体側)に左足爪先を配置する。【写真(本の表紙)参照】
5) 右足を左と平行にする。
6) 両足の外側を腰の幅に開く。
7) 両方の膝をわずかに緩める。【これは身体の緊張を解く】
8) 体重は左足の踵にかける。【これは身体の動きを最小限にしてくれる】
Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のボール位置も左足前方だったので、それを試したことがありました。いい結果ではありませんでした。しかし、科学的にパッティングではオーヴァースピンが正しいことは立証されているので、スタンス中央よりもターゲット寄りにすべきだとは思います。
ある日、練習グリーンで試しました。距離は私が常に成功させたいと念願している1.5メートル。1) ボール位置を左爪先前方で三個のボールを打ち、その後、2) ボール位置はスタンス中央でまた三個をパット。二つのメソッドの対抗戦を行ったわけです。この対戦を何度か繰り返しましたが、結果的に私のポスチャー、ストローク法では後者のスタンス中央が圧勝しました。単に慣れているだけからかも知れませんが。
セオリーとしてはオーヴァースピンをかけるには左爪先の前にボールを置くのが最適だとは思うので、これを採用出来ないのは残念です。
(March 01, 2024)
●グリーンの水路を見つけてラインを読め
科学的グリーンの読み方。これをマスターすれば左右どちらに切れるかが明らかになるので、あとは打つスピードとブレイクの幅だけを考えればいいことになります。
'The Best Instruction Book Ever!' AimPoint(エイム・ポイント)テクニックの開発者Mark Sweeney(マーク・スウィーニィ)の解説。 「ゴルフ・チャネルのTV中継アナウンサーがパットのラインに言及する時、”fall line”(フォール・ライン)という言葉を口にするのを聞いたことがあると思う。それは特定のカップの位置についての指針のことを云っているのだ。fall line(フォール・ライン=最大傾斜線、ここでは便宜上「水路」と呼ぶことにします)は、ほとんどどのパットにも影響する。これはラインを解読するためのロゼッタストーンと考えるべきだ。いったんfall lineを見極めたら、直面するパットがどうなるか充分理解出来る」 以下はインストラクターFred Griffin (フレッド・グリフィン)の解説。 「どのグリーンにも水(雨水や灌水)が流れ出るべき排水ポイントというものがあらかじめ設計されている。そのポイントを知るのが水路を見つける鍵である。カップの上の最も高いところを見つけ、そこまで歩く。水道のホースを持っていてカップ目掛けて放水するところを想像をする。水はカップ方向に流れて排水ポイントへと進む。そのラインが水路である。 |
・どのグリーンにも複数の水路が存在するが、一つのカップに対しては一つの水路があるだけである。それは排水のための道筋である。
・ボールが水路から遠いほどブレイク(曲がり)は大きくなる。水路に向かって90°のパットをする時と、水路から最も遠い場合に最大のブレイクがある。勾配によってブレイクは変動するが、下り坂だと1.5~3メートルのブレイクがあるかも知れない。
・上り坂で水路の左にあるボールは左から右へブレイクする。水路に近いボールはより真っ直ぐ転がる。【この項と次項は、山腹から谷川へと雨水が流れる勾配を想像すると理解し易い】
・ボールが水路の右にある場合は右から左にブレイクする」
【参考】「細貝さんの『パット・エイミング教本』」(tips_124.html)
(March 01, 2024)
●スクワット体勢で飛距離増
これはインストラクターLaird Small(レアド・スモール)のtip。
'Golf Magazine's Play Like A Pro''
edited by David DeNunzio (TimeHome Entertainment Inc, 2013, $32.95)
「あなたの飛距離不足は、トップで準備したパワーを効果的に下降する動きへと移していないからだ。Sam Snead(サム・スニード)は、インパクトにかけてスクワット(しゃがみ込み)の体勢でエフォートレスなパワーを生むことで有名だった。あなた方の多くはSam Sneadのショットを見たことがないだろうが、その動きはあなたがPGAツァー・トーナメントのTV中継で毎週見ているものだ。
実際にはこれは野球のピッチングやテニスのサーヴとさほど変わらない(ボールが地面にあるということ以外には)。私のスクワット・ドリルを用いてパワー増を図るべきだ。
・ステップ1
お尻の右後ろにベンチか椅子があるようにし、いつものスウィングをする。トップで左右の膝(特に右膝)が柔軟であるように。腰はターゲット・ラインに対しクローズになる。
・ステップ2
ダウンスウィングで下半身をターゲットに向かって廻しながらさらに両方の膝を曲げ、あたかも後方のベンチか椅子に座る感じにする。このパワー・スクワットを用いれば、インパクトで大量の弾性(バネの力)が得られる」
写真の二人ですが、スクワットだけでなく、右腕がいかに身体の右横に引きつけられているかにもご注目。これがダウンスウィングでスウィング·プレーンをフラットにし、インサイドアウトの軌道でスクウェアなインパクトを迎える秘訣の一つです。Brooke Henderson(ブルック·ヘンダースン、カナダ)のパワー角度【註】の度合いも凄い。彼女の飛距離の秘密でしょう。【註】「パワー角度」はインストラクターMichael Breed(マイケル・ブリード)の造語で「シャフトと前腕の間の角度」を指します。
【参考】
・「スニードの 飛ばしたきゃケツを突き出せ」(tips_159.html)
・「スウィングのトップで為すべきこと」(tips_203.html)
(March 10, 2024)
●正しいトップの見つけ方
これはインストラクターRick McCord(リック・マッコード)のtip。
'Golf Magazine's Play Like A Pro''
edited by David DeNunzio (TimeHome Entertainment Inc, 2013, $32.95)
「クラブを持ち上げたりインサイドに引っ張ったりして、いつもバックスイングのトップが定まらないとしたら、プレーンに沿ったダウンスウィングは不可能である。
完璧なトップを作るには、次の各ステップを行う。
・ステップ1
6番アイアンを逆さにし、ハンドル(普通握る方)を下にする。左手だけでクラブヘッドの下を握る。これだと軽くてスウィングし易いはずだ。
・ステップ2
肩を廻しながらバックスウィングする。左腕だけでのトップの位置と、いかにスムーズにトップが作られるかを感じ取る。
・ステップ3
上のステップで作られたトップに右手を添える。これがあなたの身体にとって自然なトップである。魔法のように、ソリッドなバックスウィングに必要なものが一挙に得られたことになる。これを信じて用いること」
【参考】「Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)式トップの作り方【詳説】」(tips_207.html)
(March 10, 2024)
●左踵を上げる際の注意
左踵を挙げるスウィングは最近流行りませんが、私は頭を動かさないためとダウンで左踵を地面に戻すことを下半身主導のダウンスウィングの切っ掛けとするために利用しています。以下はインストラクターでCBS-TVのトーナメント中継の一員でもあったPeter Kostis(ピーター・コスティス)のtip。
'Golf Magazine's Play Like A Pro''
edited by David DeNunzio (TimeHome Entertainment Inc, 2013, $32.95)
「Tiger Woods(タイガー・ウッズ)は彼の驚異的な柔軟性によってスウィングに偉大な幅を作り出す(プロ仲間は彼をTVシリーズの主人公になぞらえて粘土人形と呼んでいる)。われわれは彼のようにストレッチ出来ないわけだが、だからといって彼のように捻転出来ないわけではない。
左踵を地面から離せばいいのだ。左踵を地面につけたままにすることはゴルフ・スウィングの基本ではないが、適切に捻転することは基本である。
多くのゴルファーがバックスウィングで左踵を上げるとスウェイしてコントロール不能に陥るのではないかと恐れる。だが、踵を正しく上げればそんな心配は不要である。
大事なのは単に踵を上げるだけでなく左足を廻すことだ。こうすれば左膝を正しく動かし、腰と肩をトップへと廻すことが出来る」
Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)はごく狭いスタンスで左膝を右膝の近くまで折るという、当時でも珍しいぐらいの捻転をしていました。それでもスウェイなどせず頭を静止させていたのです。私は頭を静止させることが主眼なので、左膝を前方に折るだけにしていました。しかし、よく写真を見ると、Bobby Jonesも踵を上げるだけでなく左足全体を捻っていますね。私は左足を意識的に廻すことまでは考えていませんでした。どのような効果があるか、練習してみます。
(March 10, 2024)
●無欲の勝利
「飛ばそう!」と思うと力みます。「ピン傍につけよう!と思うと心身が緊張します。そうではなく、「自分に可能な最上のスウィングをしよう!」と思うべきなのだと悟りました。
ひたすら「いいスウィングをしよう!」とだけ考えると、仲間の喝采を期待する気持ちなど失せてしまい、ボールとの正確な接触だけを望む気持になります。欲張らないわけですから、自然にスムーズなテンポとリズムによって気持ちのいい振り抜きになります。その結果、「飛ばそう!」と力んだ時よりも飛び、ボールとの正確なコンタクトのせいでピン傍に寄ったりします。
ある日のシニア・グループのラウンド、No.12(102ヤード)パー3。私のティー・ショットはグリーンを25ヤードほどオーヴァー。最近の私のチッピングはトップすることが多かったので、ひたすらボールの下部を打つことと、クラブを低く滑らせてフォローを出すことだけを考えました。どれだけカップに寄せるかなど全く考えませんでした。「無欲」の境地。するすると転がったボールはコロンとチップイン、バーディ! 同じ日のNo.16(200ヤード)パー4。私より六歳若い仲間がティー・ショットをピンハイのグリーン右横に飛ばしました。私は彼のショットを褒め称えました。しかし、私は自分の力量を弁えていますから「じゃ、おれも」という競争心など湧かず、ただ「いいスウィングをしよう!」とだけ念じました。完璧に頭を残していたせいで私はボールの行方を見失いました。仲間たちは「右方向だが、大丈夫!」と安心させてくれました。 いつも着地する地点のあたりでボールを探しましたが見当たりません。うろうろしていると、例のピンハイに打った仲間が私のボールを指差しています。なんと、あと1メートルでガードバンカーに突入という、私としては近来稀な飛距離を得たのでした。ピンハイの彼と10ヤードの違い。「おれも飛ばそう!」などと思ったら絶対にそういう結果にはならなかったでしょう。まさに「無欲の勝利」です。 パットでも同じです。「1パットで沈めてバーディをせしめよう!」などと考えると、カップを大オーヴァーしたりびびってショートしたりします。結果を考えてはいけないのです。プロセスに集中し、「ボールの真ん中をパターの真ん中で打とう」とだけ考えるべきです。「いいストロークをしよう。それで失敗したら諦めるしかない」という謙虚な姿勢は、力んで妙にプッシュしたりプルすることを防いでくれ、早期にルックアップしないで頭を固定し続ける理想的なストロークを実現してくれます。 |
いいショットをしよう!いいスウィングをしよう!いいストロークをしよう!結果は考えず、自分の任務であるプロセスを完璧に遂行することに集中する。プロセスに最善を尽くし、どうなるか結果は天に任せる。「無欲」の境地がゴルフの秘訣と思えました。
(March 10, 2024)
●先行捻転の素晴らしさに改めて驚嘆
私が「先行捻転」と呼んでいるテクニックがあります。これはスウィングが不調になって「とにかく真っ直ぐ飛ばそう」という気になると先行捻転どころではないということで忘れ去られてしまいます。ここ数ヶ月もそうで、先行捻転のことなど全く頭に上って来ませんでした。
先行捻転を簡単に説明すると、身体を僅かに捻転させながら40センチほどテイクアウェイし(フェースはややオープン気味になる)一瞬停止(赤矢印)、そこからやおらバックスウィングを開始するというものです。これはバックスウィングの長さを短くするので、私は冗談に「合法的フライング・スタート」と説明しています。私の場合、ボール軌道を高くするためボール後方27センチでアドレスし、そこを仮想ボール位置として見つめながらスウィングします(本当のボールを見ちゃうと天ぷら)。ですから、その27センチに先行捻転の40センチを足すとバックスウィングが計67センチ短くなるため、トップに至るまでの所要時間はかなり短くなります。それによってテンポが急速になるせいでしょうが、力まなくても飛距離が増すのです。
先日、久しぶりに先行捻転によるドライヴァーのスウィングを試してびっくりさせられました。
No.6(396ヤード)パー5で、ティー・ショットがいつもより飛んだことに気づきました。
No.9(230ヤード)パー4は急な上りのホールですが、残り80ヤードまで飛びました。以前はこの距離が普通でしたが、最近は滅多に届かない地点でした。
No.15(300ヤード)パー4で残り130ヤードまで飛びました。計算上は170ヤード飛んだことになります。飛距離減に焦っていた昨今としては快挙でした。
No.16(200ヤード)パー4は上りのホールで、正面に打つとバンカー越えで距離感の判断が難しいホール。私はバンカーの左端を狙って打ちましたが、狙い通り真っ直ぐ、しかもピンまで50ヤード地点まで飛びました。
No.18(284ヤード)パー4のティー・ショットは残り95ヤードまで届きました。計算上は189ヤード飛んだことになります。勿論それはキャリーではなく、右から左に傾斜したフェアウェイによって30ヤード近くランに助けられたと云っていいと思います。ティーショットの目的は可能な限りグリーンの近くへ飛ばすこと…というのが正しければ、先行捻転は見事に私を助けてくれたことになります。
こうして、私の飛距離減の悩みは嘘のように消え去りました。嬉しいことに、この技法は飛んだとしても球筋を乱しません。私のように飛距離減を痛感している高齢ゴルファーにとって、先行捻転は素晴らしい贈り物と云えます。
ついでに私はドライヴァーばかりでなく、他のクラブを使う時にも利用し始めました。
【おことわり】もともと飛ぶ人、スウィングが早い人などは、先行捻転をしても飛距離増は期待出来ないかも知れません。
【参考】
・「先行捻転で飛ばす」(tips_161.html)
・「先行捻転・再履修」(tips_195.html)
・「先行捻転の本格活用」(tips_195.html)
・「先行捻転セオリーの利用」(tips_201.html)
(March 20, 2024)
●スローな切り返し、最速のインパクト
インストラクターCharlie King(チャーリィ・キング)のtip。
'Golf Magazine's Play Like A Pro' 「エクストラのパワーを生み出したい時(特にドライヴァーを打つ時に)、急速なバックスウィングをし、慌てふためいたギクシャクした切り返しでダウンスウィングをしたりしがちだ。その結果はコントロール不能となって方向も飛距離もめちゃくちゃなショットとなる。 格段に安定した打法の開発とドライヴィング全体の質を高めるには、毎回スムーズな切り返しを行うことだ。スムーズな切り返しは単にボールとのよいコンタクトを助けてくれるだけでなく、さらなるパワーをも生み出してくれる。なぜなら、過度に急速な切り返しはパワーをあまりにも早期にパワーを使い果たしてしまうからだ。 クラブを中庸の速度で(早くではない)トップへと上げ、同じ速度で切り返してダウンスウィングを始める。ダウンスウィングの半ばまでフル・スピードにしてはならない。 どのスウィングにおいてもゴールはインパクトで最高速度に達することであり、その遥か以前ではない。ダウンスウィングの初めで速度を早めるのはエネルギーの無駄遣いであり、徐々に勢いを増すべきである。 《上では遅く、下で速く》と考えるのが正しい」 |
【参考】「のろのろダウン・スウィングの原典」(tips_01.html)
(April 01, 2024)
●先行捻転でアプローチした成果
先日のラウンドで3W、ハイブリッド、そしてアイアンなどによるアプローチでも先行捻転を試みました。
全く期待していなかったのですが、No.6(396ヤード)パー5 での三打目に5番アイアンを使って、ショートするかと思っていたのにピン傍に寄ってしまい、パットに成功してバーディ。
No.8(260ヤード)パー4の7番アイアンによる二打目もピンの奥10ヤードにつきました。真っ直ぐ打てたものの、ちと飛び過ぎでした。3パットしてボギーorz。
No. 11(232ヤード)パー4。8番アイアンによる二打目は、6ヤードほどピンをオーヴァーしましたがからくも2オン。パー。
No.17(271ヤード)パー4での21°ハイブリッドによる二打目も距離・方向が申し分なく2オン。2パットのパー。
もちろん、これらは下半身主導のダウンスウィングを伴った成果です。私の場合、古臭いと云われようとも左踵を上げてバックスウィング、その踵を下げるのを切っ掛けに腰を回転させてダウンスウィングします。上に挙げてないホールのアプローチが失敗したのは、先行捻転と下半身主導のダウンスウィングが共に働かなかったからと思われます。
先行捻転によるアプローチは初めての試みだったので半信半疑でしたが、これで自信がつきました。今後は迷わず先行捻転による寄せを実行します。
【参考】
・「先行捻転の素晴らしさに改めて驚嘆」(03/20, 2024)
・「先行捻転セオリーの利用」(tips_201.html)
(April 01, 2024)
●トップの原因と対策
ある日、二つのホールでピッチングを二回ずつトップし、行ったり来たりでダボにしてしまいました。「なぜ?」原因の見当はつきませんでした。帰宅して次の本を読んで解りました。
'Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'
edited by George Peper et al. (Harry N. Abrams Inc., 1997, $45.00)
「トップ
【結果】これは想定したより低い軌道で飛び、通常地面でバウンドする。
【原因】クラブがボールの赤道の上で接触する。トップはスライスを伴い、初心者に多く見られる。しかし、熟練したゴルファーも時々トップする。
さほど深刻でないトップは、クラブが地面とボールの赤道の間を打つ接触の弱いショットである。これはプロ・ツァーでも見られるミスであるが、彼らはあまり気にしない。なぜならこのショットは多くの場合、少なくとも正しく打たれたボールと同じくらい遠くへ飛ぶからだ。事実、ツァーではチョロよりはトップの方がずっと好まれている。
トップは以下のような様々な原因で出現する。
1) ボールからあまりにも遠く立っている。
2) ボール位置が過度にスタンスのターゲット方向のため、クラブが上昇軌道になった時にボールと接触する。
3) 右手のグリップをフィンガーでなくパームで握っているため、インパクトで左腕が縮み、クラブヘッドが上がってしまうため。
4) ストロング・グリップ(Vの字が右に廻っている)が過剰なため、インパクトでクラブフェースが甚だしくクローズになってしまう。
5) ダウンスウィングで頭を上げてしまうため、スウィング弧も上がってしまう。
6) バックスウィングで身体を右か左に水平移動してしまい、ダウンスウィングで逆方向にスライドさせてしまう。これは多くの場合クラブヘッドが余りにも早期に地面を打ち、地面で跳ねたクラブヘッドがボールの上部を打ってしまうため。
【処方】
1) ボールから過度に遠く立っている場合:アドレスで両手を肩から垂らす。これはアップライトなスウィングを作り出し、ソリッドなインパクトを得るチャンスを増やす。
2) ボール位置:ウッドの場合は左足踵、アイアンでは少なくとも左足踵よりも内側にする。
3) グリップ:右手はフィンガーでクラブ・ハンドルを握り、親指と人差指の間に出来るVの字が顎と右肩の間を指すようにする。このグリップはクラブフェースが時期尚早にクローズになるのを防ぎ、クラブに備わったロフトをインパクトまで保持する。
4) 頭と身体の動き;アドレスで直立気味に立ち、単に僅かに膝を曲げるだけ。バックスウィングで右脚に体重が移っても右膝を曲げ続けること。これが頭を動かさずスウェイを最小限にする。
【トップを無くす練習法】
a) ダウンスウィングの間に身体がターゲット方向に過剰にスライドすると、トップする結果になることが多い。これを防ぐ練習をするには、目の前に立った人にクラブシャフトをプレイヤーの左の耳に当てて貰う。もしゴルファーがターゲット側にスライドしようとすれば、かなり強い圧力を感じることになる。
b) 身体を伸び上がらせないためには、お尻にクラブを寄りかからせてボールを打つ。グリップエンドがズボンのポケットに終始もたれていなければならない。背後のクラブが倒れずにスウィングを完結出来るようになったら、もうトップとはおさらばである」
私のグリップを点検したら、完全なフィンガーではなくパーム気味にクラブを握っていました。いつの間にか、こういう悪癖が忍び寄って来るんですね。恐ろしい。
なお、上の練習法はしごくおとなしいものです。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のコーチだったJack Grout(ジャック・グラウト)は、助手にニクラスの髪の毛を握らせて頭を動かさない躾けをしました。髪の毛が引っ張られると痛いので、否応なく頭を静止させるスウィングが身についたそうです。
【参考】
・「トップする原因」(tips_122.html)
・「トップの原因と治療」(tips_124.html)
・「トップを根絶する練習法」(tips_193.html)
・「トップショットの大きな誤解」(tips_197.html)
(April 01, 2024)
●グリーンのゼロ・ラインを見つけてパットせよ
『ゴルフ・チャネル』のTV中継で、プロが打つ前にパッティング・ラインを予告表示するAimPoint(エイム・ポイント)テクニックを開発したMark Sweeney(マーク・スウィーニィ)による科学的なグリーンの読み方。彼はこの方法を「簡単至極」と云っています。
'The Best Putting Instruction Book Ever!'
edited by David DeNunzio (Time Home Entertainment Inc., 2010, $32.00)
「これは魔法ではなく、科学である。
以前、私はあなた同様複雑なグリーンを読むのに困難を感ずるのが常だったが、TV中継用グリーン・マップ作成チームの一員として最新のレーザー技術を用いることによってパットがどう転がるかを明らかにした。
直面しているパットの左右のバランスの中心を見出し、勾配とボールの転がりへの影響の謎を解くことが鍵である。それはまたPGAツァーの数千のグリーンの情報に基づいてAimPoint技術を当てはめた私の読みのテクニックの基礎でもある。その中心線をZero line(ゼロ・ライン)と呼ぶ。臆せずに云えば、ゼロ・ラインによる読み方は、ここ数十年で最も重要な発見である。あなたの任務はゼロ・ラインを見つけ、それをグリーンの形によって少し修正した後、正しく狙って打つことだけだ」
【編註】筆者は言明しておりませんので、以下は私の解釈であることをご承知置き下さい。「ゼロ・ライン」を山の尾根かと考えた時期もあったのですが、どうしてもMark Sweeneyによるブレイク(曲がり)の説明と合致しません。最終的に山並みの間を流れる渓流のイメージが相応しく、これならブレイクの方向が合致することが判りました。事実、ゼロ・ラインは雨水や散水された水が流れる道筋でもありますから「水路」と考えるのが妥当だと思います。
「ゼロ・ライン」とは完璧なバランスを保った、ブレイク(曲がり)がゼロのラインである。カップがこのライン上にある場合、カップ目掛けてストレートに打てばよい。
・グリーン全体の勾配を分析する必要はない。カップの近くの6メートルのゼロ・ラインに注目すればよい。
・【原則 No.1】
[1-1] ゼロ・ラインの左からのパットは全て左から右へブレイクする。(図参照)
[1-2] ゼロ・ラインの右からのパットは全て右から左へブレイクする。
これはあなたにとって革新的な読み方だと思う。これをマスターすれば、もうどっちにブレイクするか迷うことはない。
・【原則 No.2】
ゼロ・ラインから遠ざかるにつれてブレイクの幅は大きくなる。
云わずもがなであるが、ゼロ・ラインに近いパットはブレイクが少ない。これはどんなグリーンにも当てはまる原則である。
・【原則 No.3】
カップの上(ゼロ・ラインの上部)を時計の文字盤の12時とすれば、ゼロ・ラインの低い方は5時と7時の間である。2:30と9:30へのパットはゼロ・ラインとの関連において、最大のブレイクがある。
私が初めてゼロ・ラインをテストした時、3メートルを超える八回のパットの六つを沈めることが出来た。これは75%の成功率であるが、ツァー・プロでさえ25%を成功させるのにもがき苦しむのが実情なのだ。また、私はワン・ラウンドにつき6メートルのパットを数回沈めるが、これはゼロ・ライン発見以前にはごく稀だったことだ。
・ゼロ・ラインの見つけ方の練習
練習グリーンで明確に角度のついた勾配の4メートルのラインを探す。カップの最も高い地点と最も低い地点を見定める(それが正反対の位置にない場合はカーヴする)。高い地点からカップ目掛けてボウリングのような動作でいくつかのボールを転がす。うまくカップインすれば、その立っている地点がまさしくゼロ・ラインの上部(の延長線)である。同じことを低い地点からも繰り返す。
ゼロ・ラインの低い側に立ち【原則 No.1】が正しいことを確認せよ。1)上りの左から右、2)上りの右から左、3)下りの右から左、4)下りの左から右。【原則 No.2】で触れたように、ブレイクの幅はボールがゼロ・ラインから離れれば離れるほど大きくなる。
・ラウンド中のゼロ・ラインの見つけ方
多少の経験を積めば、これはそう難しいことではない。カップから6メートル離れて三歩か五歩歩き、勾配が上りから下り(あるいは下りから上り)になる地点を探す。その高低が変わる地点がゼロ・ライン(の下端)である。
カップが平坦な地域に切られていると、高低差を見つけにくい。その場合はカップの高い側に立ち、カップ目掛けてホースで水を撒くところを想像する。水流はカップ方向へ、さらにグリーンの外へと向かう。これが大雑把なゼロ・ラインである。
実際のラウンドでは、ボールをマークする時、真っ直ぐボールに向かうのではなく高低差が変わる地点を探しながら歩けばよい」
【参考】
・「グリーンの水路を見つけてラインを読め」(03.01.2024)
・「細貝さんの『パット・エイミング教本』」(tips_124.html)
(April 10, 2024)
●グリーンの三つのタイプ
『ゴルフ・チャネル』のTV中継で、プロが打つ前にパッティング・ラインを予告表示するAimPoint(エイム・ポイント)テクニックの開発者Mark Sweeney(マーク・スウィーニィ)グリーンの型の分析。
'The Best Putting Instruction Book Ever!'
edited by David DeNunzio (Time Home Entertainment Inc., 2010, $32.00)
「ゴルフ場のグリーンには三つの典型的なタイプがある。
・平坦型
East Lake C.C.(イーストレイクC.C.、毎年末の「ツァー選手権」会場)のように、高い部分が一つで低い部分が一つのグリーン。多くのピン配置はこれである。
・鞍型
凹んだ部分が二つの背中を作る。Pete Dye(ピート・ダイ)のようなコース設計家は複数の背中を持つ複数の鞍をデザインする。
鞍型がトリッキィなのは二つのゼロ・ライン(鞍を縦断するゼロ・ラインと、高い部分を横断するゼロ・ライン)があることだ。普通この型のゼロ・ラインは時計の文字盤の12:00と6:00、10:00と2:00を十字のようにクロスする。
・王冠型
Pebble Beach G.L. (ペブルビーチ・ゴルフ・リンクス.)のNo.16のように、中央が盛り上がっているグリーン。これは肉眼では平坦に見えるため大抵の人はミスし易い。鞍型と同じように、王冠型も二つのゼロ・ラインを作り出す」
(April 10, 2024)
●Alex Morrison(アレックス・モリスン)の《顎をボール後方に釘づけにせよ》
Alex Morrisonは”コーチを教えたコーチ”とでも云うべき存在です。彼の弟子でBen Hogan(ベン・ホーガン)を教えたHenry Picard(ヘンリィ・ピカード、1906~1997)、そしてHenry Picardが教えたJack Grout(ジャック・グラウト、1910~1989)という系列は有名です。御存知のようにジャック・グラウトはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の師匠でした。
'A New Way to Better Golf'
by Alex Morrison (Simon and Schuster, 1932)
「顎を全ての動作から独立させ、ボールの後ろの一点に向け、ボールが充分飛び去るまで動かしてはならない。あなたがどんなスウィング・メソッドを用いていようが、これを実行しない限り成功は望めない。
間違えないでほしい。私は有名な格言『頭を下げ続けろ』とか『ボールから目を離すな』ということを話しているのではない。私が云っているのは文字通り、《ボールの後ろの一点に顎を向け、全ての動作から独立させてボールが打たれた後まで動かしてはならない》ということだ。これは正しいスウィングにとって最も重要なことであり、どれほど強調しても足りないほどだ」
彼の云う通りです。頭を下げ続けてもボールをから目を離していては意味がないし、ボールを凝視し続けながら頭を10センチ、いや30センチでも左右に動かすことが出来ます。ボールを見つめることと、頭を動かさないことは全く別物なのです。
そこへいくと、Alex Morrisonの「ボール後方に顎を向けて動かすな」は、頭を動かさないことに完全に役に立ちます。これこそ、正確にボールを打つ秘訣と云えます。ダフったりトップしたりしたら、このAlex Morrisonの金言を思い出すべきです。
【参考】「名人たちを教えた名人の教え」(tips_131.html)
(April 20, 2024)
●ヒットダウンの方法
これはイギリス随一のインストラクターJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ)がSandy Lyle(サンディ・ライル、スコットランド)のテクニックを紹介した記事の一部です。Sandy Lyleは常にオープン・フェースでスウィングしました。
’50 Greates Golf Lessons of the Century’
by John Jacobs (HarperCollins Publishers, 1999, $25.00)
「あなたが理解すべきことは、ボールの軌道を上げるためには、クラブを下降させながら打たなければならないということだ。
いいスウィングの鍵となるべき想念は、普通のチップショットをする際、クラブヘッドを地面すれすれに低いフィニッシュをするというものだ。これは、正しく下降する攻撃角度を助け、手をクラブヘッドに先行させたフィニッシュを実現する。これはまたボールを掬い上げようとする危険を排除してくれる。
上のスウィングの鍵で足りないとすれば、練習の際に役立つドリルがある。打つボールの背後20センチにもう一個別のボールを置く。その二個目のボールとの接触を避けるには、クラブヘッドは正しく下降する攻撃角度によってインパクトを迎えなくてはならない。
あなたがややオープン・フェースで身体全体使ったスウィングをすれば、手と手首が独立した動きをするのを阻止し、ソフトに着地するピッチ・ショットとなる。保証する」
(April 20, 2024)
●フェアウェイ・ウッドでも僅かにヒットダウン
Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)によるフェアウェイ・ウッドのtip。
'The Basic Golf Swing'
by Robert T. (Bobby) Jones (Doubleday & Company, Inc., 1969)
「一般ゴルファーがフェアウェイからウッドで打とうとする時、バックスピンのことなど考えない。彼らはボールを宙に浮かべるべくボールの下を打とうとする。結果:彼らは地面を打つか、地面を打たない場合はトップしてしまう。
フェアウェイでウッドを使う基本的方針も、ロフトのあるアイアンを打つのと変わりはない。ボールに向かうヘッド軌道は下降気味であるべきだ。ただ、地面の上の芝の表面をこするだけあってディヴォットをとるほど急角度ではない。
ロフトの少ないウッド・クラブであってもボールを上げるに充分なスピンを生み出せる。もし一般ゴルファーが単純にクラブを信じて上のように打てば、もはやフェアウェイ・ウッドのプレイに恐怖を感じることは皆無となる筈だ」
私の経験でも素振りで地面を擦った地点がスタンス中央だった時には、迷わずそこをボール位置として立って打ちます。場合によっては中央より後方のこともあります。ボールを左踵前方にした時よりも下降軌道のヘッドで打てるため、ボールをカッチリと捉えられ、予期した以上に飛んだりします。
(April 20, 2024)
●脱力のゴルフ
パットする時、インパクトでふっと脱力してみました。ボールは真っ直ぐカップへと転がりました。手でパターを操縦しようとするから微妙な方向のズレが起きるので、脱力して重力にパターヘッドを向かわせるのが一番いいわけです。
しかし、どのタイミングで脱力するかが問題です。早過ぎれば大幅ショート、遅過ぎれば既に手が定めた方向に向かうだけで、脱力の効果は得られません。
当サイトの過去のTipには「息を吐きながら脱力してストロークする」というのがあります。排気はフォワード・ストローク開始と共にすればいいのですが、どの時点で脱力すべきかの切っ掛けが難しい。
そんなことを考えながらラウンドしていた日のNo.11(232ヤード)パー4。私のティー・ショットは古今未曾有の残り40ヤード地点まで飛びました。目一杯力んだわけではなく、反対に脱力して振り抜いたのです。地面が乾いてパカチカだったわけでもなく、数日前の雨のせいでどちらかと云えばソフト気味でした。
続くNo.12(102ヤード)上りのパー3では、いつもだと6番アイアンを打つのですが、この日のティーマーカーが10ヤード後退していたため5番アイアンで打ちました。いいショットだったのですが、20ヤードも飛び過ぎてしまいました。(ただし、チップインのバーディにしましたが…)
次のNo.13(184ヤード)パー3。ドライヴァーで打ってもいつもショートするので、「どうせショートするなら正面へ」と意気込まずに打ちました。なんと、今度は40ヤードもオーヴァー。
ジム通いの頻度を高めたわけではなく、どちらかと云えばサボりがちの今日この頃。ですから、パワーではありません。純粋に脱力したスウィングの効果だったと思われます。これは凄いヒントです。《飛ばしたければ脱力せよ》 「飛ばそう!」とか「寄せよう!」と意気込むのではなく、「いいスウィングをしよう!」と思えば力むこともなく、いいスウィングには結果的にいい飛距離がついて来るという構図です^^。
(April 20, 2024)
●Bobby Clampett(ボビィ・クランペット)のラグ
元ツァー・プロ、元CBS-TV解説者、現インストラクターBobby Clampett(ボビィ・クランペット)は、ラグ(=レイト・アンコック)こそゴルフ・スウィングの基本であると説きます。
'The Impact Zone'
by Bobby Clampett and Andy Bruner (St. Martin's Press, 2007, $24.95)
「ラグは単にダウンスウィングの一部分ではない。それは両手が真っ直ぐとなるフォロースルーに至るまで、ダウンスウィングのナンバー・ワンたる優先事項である。
純粋に説明的観点で云えば、ラグとはインパクトからフォロースルーまでクラブヘッドが身体・腕・手・クラブシャフトに絶えず引きずられる状態である。ラグは左腕・手首・手とクラブシャフトの間の角度のサイズとしても説明出来、そのサイズを計ることが出来る。
いかにラグを築き上げるかを学ぶと共に、身体の働き、すなわちピヴォット(旋回)の動きを磨き上げる必要がある。もしラグをインパクトに向かう大事な積荷であるとそれば、旋回はインパクト・ゾーンへと品物を運ぶ輸送手段である。それが旋回をゴルフ・スウィングの貢献者と呼ぶ所以だ。
私がツァーに参加した当初、私のスウィングが批判された理由の一つは私のラグが過大だと云うものだった。あるリポーターが私のコーチBen Doyle(ベン・ドイル)に「過大だと思いますか?」と尋ねた。Benはこう答えた、「愛が過大であるなんて云えるかい?」それは、いいものが過大であるなんてあり得ないという意味だった。
ラグを維持し、旋回が前方へと身体を動かすのがスムーズであればあるほど、またラグの角度が真っ直ぐになるリリースが起こるのが遅ければ遅いほど理想的である。実際のところゴルファーの目から見た場合、右足と右肩以外の全ての身体の部品は、インパクト・ゾーンでボールの前方にあるべきである。
ラグの基盤であるコックの仕方は様々だ。
1) Nick Faldo(ニック・ファルド)、Corey Pavin(コリィ・ペイヴィン)、Ryan Moore(ライアン・ムーア)などはバックスウィングの初期にコックする。
2) Tiger Woods(タイガー・ウッズ)、Vijay Singh(ヴイジェイ・シン)、Luke Donald(ルーク・ドナルド)、そして無数のプロは次第にコックを始めバックスウィングの途中でコックを完了させる。
3) Jack Nicklaus(ジャック・二クラス)、Payne Stewart(故ペイン・スチュアート)、Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)などはバックスウィングの最終段階でコックを完了する」
【参考】「インパクトの研究(レイトヒット篇)」(tips_131.html)
(May 01, 2024)
●間違いなく飛距離増(続・脱力のゴルフ)
前回、「脱力のゴルフ」として、いくつかのホールで以前より飛距離が増したことを書きました。それは「まぐれ」ではありませんでした。
No.5(280ヤード)パー4でティー・ショットが残り60ヤードまで飛んだ時、我ながら驚いてしまいました。計算上ラン込みで220ヤード飛んだことになるわけですが、こんなことは初めてでした。
力まないことを大前提としてスウィングしていますが、次のようなポイントもあります。ボール後方27センチにヘッドを置いて構え、そのヘッドの前を「仮想ボール」位置とする(下図の青丸)。「仮想ボール」を見つめながら右アニメの赤矢印まで先行捻転。バックスウィングで左肩が「仮想ボール」の真上に達したのを確認し、そこで一瞬停止。廻そうと思えばもっと肩は廻るのですが、私の場合、「仮想ボール」を越えてまで左肩を廻すとプルになるので抑制しています。【参照「先行捻転セオリーの利用」(tips_201.html)】
左肩が「仮想ボール」の真上に達したらブレーキをかける感じなので、慌てたような切り返しにはなりません。トップに達したら先ず左膝をターゲット方向に送って、力まずにダウンスウィングします。
一緒に廻っていた仲間が「スムーズだ」「いいスウィングだ」と云ってくれました。
グリップ・エンドを垂直に引っ張り下ろすこと(=ラグ)は大きな課題ではあるので練習はしています。しかし、意識的にそれを実行しようと無理をしてはいません(無理をすると方向が悪くなるので)。でも、無意識にそれが達成されていて、コックがインパクトまで保たれたのでしょうか?
No.11(232ヤード)パー4では残り45ヤードのフェアウェイまで飛びました。理想的到達地点であり、187ヤード飛んだ計算になります。(前回は残り40ヤードだったので、ラン込み192ヤードでした)
No.14(360ヤード)パー5では残り150ヤードのフェアウェイ。210ヤード飛んだことになります。これも新記録。
この日、ドライヴァーもボールもボール位置もティーの高さも、以前と何一つ変えていませんでした。このところ雨はなく地面は乾いていましたが、真夏のカラカラに乾いた地面でもこれほど飛んだことは皆無。
長年の研鑽の甲斐あってプロのようにラグが保たれているのだろうか?と半信半疑でスウィングをヴィデオ・カメラで高速度撮影してみました。超幻滅。ダウンスウィングで左腕が地面と平行になった時コックは既にほどかれ、クラブは(90°が理想的なのに)120°ぐらいになっているじゃありませんか。落第ですorz。
いや、待て待て!私がもし本格的にラグをマスターしたら、もっと飛ぶということじゃないですか\(^o^)/。夢は大きく膨らむのであった^^。
(May 01, 2024)
●アームロック・パッティングを試す
2024年のThe Masters(マスターズ)序盤におけるBryson Deshanbeau(ブライスン・デシャンボー)の快進撃は印象的でした。特に彼のパッティング・スタイルが…。 これは"arm-lock"(アーム・ロック)とか"arm-anchoring"(アーム・アンカーリング)と呼ばれる技法で、前腕にパター・ハンドルをくっつけて固定するメソッドです。 顎や胸にグリップエンドを固定するロング・パターや、お腹に固定するベリィ・パターは一時多数のツァー優勝者を産み出しました。Webb Simpson(ウェブ・シンプスン)、Kegan Bradley(キーガン・ブラッドリー)、Matt Kuchar(マット・クチャー)、Adam Scott(アダム・スコット)等々。しかし、2016年にR&AとUSGAは身体の不動部分にパターを固定するスタイルを禁止しました。 その当時も今もパター・ハンドルを前腕に固定する手法は認められています。なぜなら動かない胴体の一部と異なり前腕は動く部分だからいいのだそうです。 前腕にハンドルを固定する方法はBernhard Langer(ベルンハード・ランガー)が1988年に開発し、彼のThe Masters(マスターズ)優勝を初め長年にわたって彼の成功に貢献しました。ですから、これは別に新しい方法ではありません。 私もランガー・グリップを試したことがありますし、それに類したグリップを考案して実践したこともありますから、これに移行するのはそう難しいことではありません。 |
なんとアーム・ロック用のパターまで売られているそうです。私の現在のパターをアーム・ロック方式で使うことも出来ますが、以前購入したベリィ・パターの方が9センチほど長いので、使ってみることにしました。
しかし、ベリィ・パターはフィーリングも良くなく、パターヘッドのデザインも気に入らないので没。現在使っているパターをアーム・ロック方式で使うことにしました。問題は確固たる基盤でストローク出来るせいか、常にオーヴァー目になってしまうことです。数10センチぐらいならまだましなのですが、1メートルもオーヴァーだと返しのパットの成功も危うくなります。これはまずい。これまでよりバックストロークを短くするようにしました。
距離はぴったりになったのですが、ボール1個分右へ行ったり左へ行ったりします。しかし、頭を動かさずに「結果は音で知れ」を実行したら入り出しました^^。
(May 10, 2024)
●仮説・飛距離増の謎の解明
「脱力のゴルフ」(04/20)、「間違いなく飛距離増(続・脱力のゴルフ)」(05/01)と続いた飛距離増ですが、ラグ(レイト・アンコック)の効果ではありませんでした。では、何が飛距離増をもたらしたのか?
その後のラウンドで飛んだホールとそうでないホールを分析してみました。飛んだホールのティー・ショットでは、私は伸び伸びと胸を張り、付随的に腕を目一杯延ばしていました。これは「義父の秘伝」として読者から寄せられたtipの一つでもあります。胸を張ると両腕が伸び、飛距離も伸びるのです。投稿して下さった志茂さん(東京)のお話では、通常220ヤードぐらいだったドライヴァー・ショットが胸を張ることによって練習場で250ヤードぐらいに伸びたそうです。
シニアの私の場合、180ヤードだったのが200~220ヤード程度の伸びですが、それでも今まで到達出来なかった地点に届いて感激しています。ラグのお蔭ではないわけですから、多分これが飛距離増の立役者でしょう。
これはジュニア・ゴルフのスウィングと同じです。体力も腕力もない子供たちは、大きく身体全体を使ったスウィングで飛ばすしかありません。シニアの私がジュニアの真似をしなければならないという皮肉^^。
その後、No.11(232ヤード)パー4で意識的に「胸を張って」打ってみました。前回残り40ヤード地点まで届いて大喜びしたのですが、今回はピンまで36ヤードの距離に届きました(さらに4ヤード増)。
最近のラウンドのNo.13(184ヤード)上りのパー3。ドライヴァーをやや短く持って「胸を張って」打ちました。真っ直ぐ飛んだボールはピンを2メートル通過して停止。胸を張ると方向も良くなるらしいです^^。ブレイクする下りの難しいバーディは逃してしまいましたが、非常に嬉しいワン・オンでした。
同じ日のNo.16(200ヤード)上りのパー4。私の「胸を張って」打ったティーショットはグリーン正面のバンカー手前、ピンまで約20ヤード地点に届きました。この距離のチッピングは慣れています。バンカー越えを寄せて1.5メートルのパットを沈めてバーディ。飛距離の恩恵を堪能しました。
ラグが実行出来ない場合はこれです、《インパクトで胸を張れ》。
【参考】「義父の秘伝」(tips_43.html)【他にも有意義なtip多数】
(May 10, 2024)
●チッピング・ミス防止策
最近チッピングでミスを多発させていました。トップやダフりによってオーヴァーしたりショートしたり。
私はチッピングが下手な方ではないので期待が大き過ぎる傾向がありました。自信過剰。そして、結果を先回りして考えて現在の目の前の一打に精魂を篭めていない。 これに対処するため、《ボールと接触した後、地面の上でクラブヘッドを10センチ滑らす》という方針を自分に課すことにしました。打ち上げようとするとダフったりトップしたりします。そうではなく、ヘッドを地面の上で滑らせてクラブのロフトが自然にボールを上げるに任せるべきなのです。10センチ滑らしたかどうか目で確認しようとするとヘッドアップしたり出来ませんし、クラブヘッドを打ち込むべき場所を凝視するので、ボールとのいいコンタクトも生じます。 これは以前紹介した「一意専心」というtipに類似しています。スポーツ心理学者Dr. Tom Dorsel(トム・ドーセル博士)は、ある日のラウンドで《クラブヘッドがスムーズにボールを通過する様(さま)を見る》ということだけに集中して自己新記録のスコアで廻れたそうです。この目論見は「インパクトを見よ」と言い換えられます。インパクトの瞬間を目撃することによって、ヘッドアップを防ぎ完璧なインパクトを実現する。逆に云えば、トム・ドーセル博士も我々も往々にしてインパクトの瞬間にボールを凝視していないのだとも云えるでしょう。 ですからボールに目を凝らし、ちゃんと10センチ滑らせたかどうかを目撃するということも役に立つと思われました。 練習でもラウンドでも10センチに集中しだしてから、ピッチングとチッピングでトップやダフりはゼロになりました。最近のラウンドでは何度かピン傍に寄せて仲間を驚嘆させました。これ、寄せのtipとして優れものに入ると思います。 |
【参照】「一意専心」(tips_18.html)
(May 20, 2024)
●パット不調の原因
私のパターGuerin Rife(ゲリン・ライフ)製の2 Bar Mallet(2バー・マレット)は、買った当初はヘッドのライ角が調節可能でした。ヘッドの付け根がやや柔らかくなっていて、シャフトとの角度を変えられるようになっていたのです。
しかし、数年後にヘッドが取れてしまいました。ライ角を弄り過ぎたせいかも知れません。友人の一人が角度固定でいいなら溶接してやると云うので頼みました。それから10年近く経ち、数週間前からパターのどこかがゆるくなった気がしていました。でも、それがヘッドなのかハンドルなのか判りませんでした。
最近のある日のラウンド中、ゆるいのはヘッドであったことが判明しました。ボールをパターのスウィート・スポット(シャフトの根元)で打たない限り、ヘッドの向きが否応無くオープンになったりクローズになったりします。これが最近の冴えないパッティングの原因だったのでしょう。で、この日パットする前にヘッドをぎゅっと捻(ねじ)って固定してからストロークすることにしました。
その日のNo.16。パターを掴んでグリーンに上がろうとしたら、ヘッドがポトンと取れてしまいました。グラグラしていただけだったのが、完全にシャフトから外れてしまったのです。
無理やりヘッドをシャフトにねじ込んで1.5メートルのパットにトライしたら、幸運にもボールもカップにねじ込むことが出来てバーディ!壊れたパターでバーディって奇妙な気持ちでした。
帰宅して、強力接着剤エポキシでヘッドとシャフトを接合しました。これくらいなら人に頼まなくても自分で出来ます^^。
修理後のラウンドはパット総数28で済みました。以前は30か30+でしたから、パターヘッドを接着した効果は覿面です。稀代のパット名人と謳われたBobby Lock(ボビィ・ロック、南ア、1917〜1987)は「総数32パットのラウンドはまあまあの出来、30パットだったら上出来、28パットで収められたら最高と考えるようにしていた。だが、28パットが本当の目標だった。そして、28パットのラウンドを沢山したものだ」と云っていました。名人にしてそうなら私レヴェルで28は満足すべき数字と云えましょう。
(May 20, 2024)
●飛ばそうと思うと飛ばない
「飛ばそう!」ではなく、「いいスウィングをしよう」と思うと飛びます。
数週間の飛距離増ラウンドの後、私の飛距離が減退してしまいました。悪くはないのですが、上り調子だった時の距離まで届きません。
理由は判っています。「おれだって飛ばせる!」という自信がつき、常にその距離を飛ばそうとし、さらには「もっと飛ばそう!」と思ってしまうのです。そして飛距離を恵んでくれた「インパクトで胸を張れ!」を忘れてしまう。
反省しました。先ず第一に「いいスウィングをしよう」と思うべきなのです。いいスウィングをすると、おまけで飛距離がついて来るのです。
その証拠に、No.11(232ヤード)パー4でまたまた残り45ヤードまで飛ばすことが出来ましたし、No.16(200ヤード)パー4ではガードバンカーの左横まで飛ばしました(新記録)。
「飛ばそう!」と思うと力みます。力むと筋肉も身体も硬直します。これでは望んだ飛距離は得られません。
インストラクターPaul Wilson(ポール・ウィルスン)の「どうすればスウィング速度を上げられるか?」というヴィデオがあります。[https://www.youtube.com/watch?v=lROE1r9S9D4]ハンデ11でドライヴァーでラン込み230~240ヤード飛ばすという生徒が実験台。その生徒が通常のスウィングをすると平均のスウィング速度93mph(42.6m/s)。
今度はポール・ウィルスンが「では、手首を柔らかくしてイーズィに打ってみよう」と云って自分で打つと97mph(43.4m/s)。そして次のショットでは途端に115mph(51.4m/s)。凄い変化ですが、その秘密はダウンスウィングの早期に下半身をターゲットに向けるというだけのことなのです。「これがスウィング速度を上げるコツだ」と彼は断言します。
つまり力むのではなく、手首・手・腕をゆるゆるにし、下半身主導でダウン→インパクト→フォローとスウィングするとスウィング速度が上がって飛距離が増すのです。
私の場合、方向性を損なわずに飛距離を増しています。これには秘訣があります。Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のトップを真似るのです。
【図の1】先ずクラブを身体の前に地面と平行に伸ばします。それから手首を90°近く上に曲げます(図)。これはコックした状態です。
【図の2】(身体は動かさずに)手首を右に曲げて、鏡で見た場合右肩の突端とシャフトが重なって見える角度にします。クラブが右肩に接するわけではありません。重なって見えるだけ。
【図の3】手首は動かさず背骨を軸として上体を捻転し、左肩の突端がボール位置に達したらトップの完成です。
このトップがボールを真っ直ぐ打つ秘訣です。
【参考】「Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)式トップの作り方【詳説】」(tips_207.html)
(June 01, 2024)
●バックスピンをかけるには、ボールの脚をちょん切れ
これはツァー・プロCorey Pavin(コリィ・ペイヴィン、写真)のtip。彼はアメリカ人としては小兵でロング・ドライヴとは無縁ながら、卓越したショット・メーキング、ショート・ゲームなどで全米オープンその他に優勝しました。
'Corey Pavin's Shotmaking'
by Corey Pavin with Guy Yocom (NYT Special Services, Inc. and Pocket Books, 1996)
「全てのプロが備えていて一般ゴルファーの手に入らないショットは、ボールがワンバウンドし、やおらカップに向かってスピン・バックするショットだ。これをアマチュアは魔術師のトリックか何かで、まるでプロたちが公開したくない秘訣を知っているかのように考える。実際にはそれは純粋に物理的なことなのだ。
ボールを急速に停めるには、先ずボール位置をスタンス後方、中心からやや右にしなければならない。こうするとインパクトに向かってクラブヘッドが急角度で下向きに動き、ボールを地面との間で挟みつけることが出来る。
【編註】私の「ヒットダウンへの近道」(tips_211.html)の手法はボールのターゲット方向10センチのところに胸骨を揃え、そのまま両足は動かさずにスタンス後方となったボールにアドレスします。Corey Pavinのメソッドと何ら変わりません。
アマチュアはウェッジを使う際、パワー不足であり正しいスウィングを適用しない。彼らはボールをあまりにもスタンス前方に置き、地面からボールを掬い上げようとする。こういうショットではスピンは全くかからない。
猛烈なバックスピンをかけるには、単にボール後部に向かって急角度のヒットダウンをする以上のことが必要だ。一例を挙げると、ダウンスウィングで頭を岩のようにどっしりと不動にしなければならない。そうすればクラブが期待されているように働く。もし、頭をターゲット方向に動かせばクラブヘッドの攻撃角度を損なうだけでなく、クラブヘッドが動く速度も損なってしまう。
あなたはインパクト時に両手を前方に向け続けてボールを地面とクラブヘッドによって閉じ込めるべきで、頭と身体を前方にスライドしてはいけないのだ。ダウンスウィングで腕と手は頭を通過するように感じるべきである。ボールが飛び去るまで絶対に頭を上げてはならない。
もう一つの秘訣は考え方の問題だ。ボールの赤道から下を打つさまを視覚化する。ボールに脚が生えており、それをちょん切るのだと考えてもいいし、ボール底部の印刷文字を切り刻もうとしていると考えてもいい。どちらにしても、秘訣はボールをクリーンに打つことで、どんなことがあってもボールの手前の地面を打たないことだ」
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(June 20, 2024)
●バックスピンに関する注意事項
Byron Nelson(バイロン・ネルスン)が説くバックスピン論。
'Shape Your Swing The Modern Way'
by Byron Nelson with Larry Dennis (Golf Digest, Inc, 1976)
「良いプレイヤーは大きなディヴォットを取らない。特に通常のライにおいては。良いゴルファーは薄い一片のターフを取るが、大きな塊を掘ったりしない。
【註】地面を抉(えぐ)った時に飛んだターフの一片を「ディヴォット」と呼ぶのが正しく、抉られた後の穴は「ディヴォット・ホール」です。ルール・ブックにそう書かれています。
ディヴォットを掘る場合、ボールをあまりにも左右に動かしていないかどうか調べるべきだ。打つ前に過剰に左サイドにスウェイしてボールを打っていないか、あるいはダウンスウィングで右サイドをあまりにも早期に使っていないかどうか。ボールと接触する時、アイアンのクラブヘッドはやや下降中でなければならないが、水平の軌道であればあるほどスウィングはいいものになる。
覚えておいてほしい。バックスピンの量はディヴォットのサイズに比例しない。バックスピンはインパクトでクラブフェースの表面を駆け上がるボールの動きによって生じる。クラブフェースがボールを地面に押し付ける度合いではない。だから、地面を掘る必要はなく一片のターフで充分なのだ」
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(June 20, 2024)
●バックスピンをかけるための要件
1) 綺麗に清掃されたグルーヴ(クラブフェースの溝)
2) 柔らかいカヴァーの3ピース・ボール
3) ボールの下部を狙う
4) ヒットダウン
バックスピンはボールがクラブフェースのグルーヴと噛み合い、フェースの下から上方へと駆け上る際に生じます。ですから、フェースのグルーヴに土や砂が挟まっているとボールと噛み合わないのでバックスピンはかかりません。
飛距離を得やすいボールの表面は硬いカヴァーで覆われています。硬いカヴァーはフェースのグルーヴと噛み合うことを拒否します。3ピースあるいは4ピース・ボールなどのソフトなカヴァーでないとバックスピンはかかりません。
ボールの天辺を打ったのではバックスピンはかかりません。ボールの赤道から下を打つ必要があります。
上の三つの条件が整っていても、打ち方がまずいとバックスピンはかかりません。バックスピンを掛けるには、スウィング弧の最低点に達する前に(クラブがまだ下降中に)ボールを捉え、その後地面を打ってディヴォットを取る打ち方をしなければなりません。
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(June 20, 2024)
●ワンバウンドしてピタッと停まるピッチング
ヒットダウンが出来るようになったら、こういうショットも可能になります。インストラクターJim Murphy(ジム・マーフィ)のtip。
’The Best Short Game Instruction Book Ever!'
Edited by David DeNunzio (Time Inc. Home Entertainment, 2009, $32.00)
「グリーンまで30ヤードのフェアウェイの理想的なライにボールがあるとする。ピンが手前に切られていると、普通のピッチ・ショットではボールはピンを通過してしまう。
ボールをすぐに停止させるには速いクラブヘッド・スピードと、インパクトでクラブヘッドによってボールを地面に閉じ込める必要がある。大概のアマチュアはフルスウィングでこのショットをするのに困難を感じる。しかし、これから述べるスタンスを採用すれば自動的にこのショットが可能になる。
1) サンドウェッジを手にし、フェースを数度オープンにする。これは急速なスウィングなので余分のロフトを加えないと飛び過ぎてしまうからだ。
2) ボール位置を左足の前にし、全体重を左足に掛ける。これはボールをクラブヘッドで地面に閉じ込めることを容易にする。体重を左足に掛け続ける。右足は親指で立つ。腰の高さのバックスウィングをするが、左足体重を忘れないように。
3) ダウンスウィングでは、身体の左サイドが腕とクラブをボール方向に引っ張る感じ。これはボールをクリーンに打つショットではない。ボールめがけて加速し、多少ディヴォットを取る。
4) インパクトに向かって加速し続け、フォロースルーはターゲットの左に振り抜く。このショットにおけるあなたの使命は、ボールをクラブヘッドと地面との間に閉じ込めることなので、両手が腰の高さの低いフィニッシュでよい。クラブヘッドと胸がターゲットの左を向いていれば正しいフィニッシュである。
・エクストラのスピンを得るには、インパクトの際にボールをクラブヘッドと地面の間に閉じ込めなければならない。
・親指で立つ右足は左足体重を助け、正しいヒットダウンを実現する。
・ボールは幾分の高さの弧を描くが、もし高く上がったらあなたはボールを地面に閉じ込めておらず、スピンは得られない。
・正しく打てばボールはワンバウンドで停まるのだから、攻撃的な着地点を選んでイーズィ・バーディを射止めるように」
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(July 01, 2024)
●失敗しないチップショットの打ち方
小手先ではなく身体全体を使って打てばダフリやトップを防げる…という、インストラクターBrad Brewer(ブラッド・ブリュアー)が推奨する練習法。
'Golf Magazine's Play Like A Pro' 「手をオープン、クローズさせるのではなく、この練習によって身体でクラブをリリースするフィーリングを身に着けよう。 ・ステップ1 ウェッジのシャフトの半分ほどのところを握り、ハンドル(握る部分)を左腰に当てながらアドレス体勢をとる。 ・ステップ2 右前腕を廻しながら、クラブのトゥを上げるように動かす。ハンドルは下方に動く。シャフトがターゲット・ラインと平行になったら停止。 ・ステップ3 インパクト・ゾーンへと身体を廻すが、両手を返すのではなく手と腕・胸を全部一緒に動かす。もしハンドルが左腰を打ったら、それはあなたが手を使い過ぎている証拠だ。ハンドルが身体に接触しなければ、身体でクラブをリリースすることに成功している」 |
私の自戒ですが、ボールと地面の接点を凝視しながらチップしないとトップしたりダフったりします。また、リズミカルにスウィングすること、地面と平行に振り抜くこと…も重要です。
(July 01, 2024)
●チッピングのコツはリズム
ここ数日20ヤード、10ヤードのチッピング練習に専念しています。私の”取り柄”はショート・ゲームしかないというのに、最近トップしたりダフったりして惨めな思いをしていたからです。 私のチッピング・メソッドは10~30ヤードまではクラブを地面と平行のトップで、距離はクラブを5ヤード刻みで持つことで調節します。【参照】 「ピッチングとチッピングの距離調節」簡略版(tips_195.html) しかし、どう打つかは二つに分かれます。 上の二種類を何度も練習してみました。(b)は駄目です。リズムが構築出来ません。(a)も急速だったり遅過ぎては駄目です。「イーチ、ニー」というリズムが最適です。 そして、解ったのは手・腕でスウィングするのではなく身体全体でボールを打つのだということです。10ヤードでも30ヤードでも下半身を動かしてスウィングしなければならない。これはフル・スウィングでもチッピングでも同じだということが判りました。 |
そして、クラブヘッドを低くしたフォロースルー。カチ上げたのではボールが上がって距離が減ってしまう。トップするとホームランですが、低いフォローだとマズった場合でも1パット圏内に寄ってくれます。
(July 01, 2024)
●バックスピンを掛けよう
Greg Norman(グレッグ・ノーマン)が公開するバックスピンの掛け方の詳細。「7番アイアンより長いクラブを使ってはならない」「いいライでなければ諦めよ」「深いディヴォットは取らない」など、他ではお目にかかれないユニークな秘訣の数々。
'Shark Attack!'
by Greg Norman with George Pepper (Fireside, 1988, $12.93)
「5番アイアンで少なくとも160ヤード飛ばせる人であれば、私や他のプロのようにグリーン奥からころころと戻って来るバックスピンを掛けられる。5番アイアンで110ヤードしか飛ばせない人は、このショットが必要とする強靭さと能力が欠けていると云わざるを得ない。
バックスピンを掛けるには、いくつかの条件が良くなくてはならない。スウィングはその要素の一つでしかない。
1) 固い、クリーンなライ
これは不可欠である。よく刈り込まれたフェアウェイ、裸地、バンカー内の良いライ、これらが全てだ。ラフから打ってバックスピンを掛けようなどと夢にも思ってはならない。
2) このショットは長い距離では無理である。なぜなら充分なロフトが必要なので、7番アイアンより長いクラブを使わないこと。
3) グリーンは固くなくてはならない。舗装道路のようにではないが、充分固い必要がある。もし湿っていたら、ボールは埋まってしまうだけだ。望むべくんば、あなたのショットを受け入れるだけソフトだが、バックスピンの効果が得られるだけハードであってほしい。グリーンが受けていれば最高だ。逆に、手前から奥に向かって下っていると、ボールを転がり戻せるチャンスはゼロである。
風も影響する。向かい風に向かって打つのは簡単だ。向かい風はバックスピンの効果を増大してくれる。しかし、追い風はボールを前進させるので、このショットを試すべきではない。
最後に、ある種のボールとクラブは、あなたのバックスピンを掛ける能力を増幅してくれる。多層構造のボールは固いカヴァーのボールに比べ、最大のバックスピンが掛かるようにデザインされている。
U字型グルーヴ(角型グルーヴともいう)のアイアンはV字型よりも余分のスピンを与えてくれる。上手なプレイヤーなら、このUグルーヴのクラブでデッドにボールを停めることが可能だ(ラフからでさえも)。 さて、打ち方だが、これがそう簡単ではない。基本的にバックスピンはインパクト時の手のスピードによって生まれる。クラブに強く、しかもカッチリしたパワーを与えられれば、ボールはより速めにスピンバックする。 ややヒットダウンすることも重要だ。私はかなりアップライトなスウィングをするので、急角度にボールを打つのは容易だ。私は、望めばインパクトでボールの後部1/4を打つことが出来る。もの凄い摩擦とバックスピンを生むため、ボールをターフに対して強く押し付ける。私はあまりディヴォットを取らない。私の場合はターフにかすり傷をつけるか、芝を撫で付けるようなものだ。 このようなインパクトを迎えるには、ボールをややスタンス後方にすべきだ。とは云え、程度問題である。パンチ・ショットや低いボールを打つように、ボールをスタンスのかなり後方にすべきだと考える人々がいるが、それはボールが滑走して停止する低目のショットを生むだけであり、コロコロ戻って来たりはしない。そうではなく、通常のボール位置よりやや後方にすれば、ボールを(ターフに対して)締め付けることが出来る。私のベスト・アドヴァイスは、ボールを締め付けるショットが低くフックするようなら、ボール位置があまりにも後方だということだ。 |
このショットをするには手の素早い動きが必要なので、きつくグリップしなければならない。手首の大幅な動きは必要ではない。このショットには全身による積極的なスウィングが必要だ。手首を固定し、脚と下半身をターゲット方向に動かしながら力強く両腕で前方にスウィングする。出来るだけ小さなディヴォットを取ることを心掛けながら、ボールをターフとの間で締め付けようと努力する」
【参考】「ヒットダウンへの近道(ヒットダウンの研究・その2)」(tips_211.html)
【おことわり】Greg Normanの画像はhttps://cdn.mos.cms.futurecdn.net/にリンクして表示させて頂いています。
(July 10, 2024)
●ドル紙幣大のディヴォットを取れ
これはアイアンの球筋が定まらないゴルファーのための練習法。
1ドル札は横15.6センチ、縦6.63センチで、横15センチ、縦7.6センチの千円札にほぼ近いサイズです。
'Perfectly Balanced Golf'
by Chuck Cook with Roger Schiffman (Doubleday, 1997)
「もしあなたがバックスウィングでクラブフェースを過度にオープンにし、ダウンスウィング以降でクローズに回転させているようなら、ドル紙幣のサイズのディヴォットを取ってみてほしい。
練習場でディヴォットのサイズを検討する。それは薄く狭いだろうか?その形は不揃いだろうか?それは先っぽが広くお尻の方が狭いだろうか?そういう風だったら次のドリルを試されたい。
最初にボール無しで想像上のボール位置と飛行線上の地面で何度かディヴォットを取ってみる。あなたのディヴォットは理想としてはターゲットに向かってスタートしたドル紙幣のサイズでありたい。
あなたがボール無しでドル紙幣大のディヴォットがむらなく取れるようになったら、同じサイズのディヴォットが取れるように集中しながらボールを打ってみる」
【おことわり】画像はhttps://pbs.twimg.com/にリンクして表示させて頂いています。
(July 10, 2024)
●ディヴォット跡をチェックせよ
「30日であなたのベストスコアを達成出来るシステム」と豪語するGolfTECの”教科書”のアイアンの打ち方。
'Golf Magazine's The Par Plan'
Powered by golfTec (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)
「あなたがよい形のディヴォットを取っていれば、おそらくシャフトをターゲット側に傾けてボールと接触しており、インパクト時に一定してその形を達成出来るなら、クラブフェースの真ん中でボールを捉えていると云える。これはクラブヘッドが捩れるのを防止し、最大のエネルギーをクラブヘッドに与える方法だ。
クラブヘッドの真ん中でむらなく打てるとすれば同じクラブで同じ距離を打つことが出来、グリーンに乗るかその近くに打てることになる。そのためには何らかの方法で、クラブフェースのどこでボールを打っているか調べる必要がある。【参照:「インパクト・シール代用品(しかも格安)」(tips_160.html)】
ディヴォットはあなたの打法の質に関する重要な情報を与えてくれる。ターゲット方向に傾げたクラブヘッドによって、浅いディヴォット跡を作るのが理想である。【註】そのためには、ヒットダウンして先ずボールを打ち、次いでクラブヘッドが地面を打つ。
【編註】ツァー・プロでさえ間違えるのですが、「ディヴォット」とは地面から抉り取られた芝の一片を指し、抉られた地面の凹みはdivot hole(ディヴォット跡)と云います。R&AとUSGAのルール・ブックにもそう書いてあります。
スタンス前方(ターゲット側)にボールを置けば置くほど、そこをスウィングの底部とすることが難しくなる。スタンス後方にボールを置く人は、クラブフェースをスクウェアにする十分な時間がなくプッシュしてしまう。
右図は黄色線上にボールがあるとして赤矢印方向にスウィングした結果を示している。【註:ディヴォット跡のサイズは千円札の大きさに近い1ドル紙幣の大きさ(15.6 ✕ 6.6 cm)が推奨されています。茶色の部分はディヴォット跡の深さを表しています】
① はボールの後ろを打っていて(ダフリ)、しかもアウトサイド・インのスウィングをしている。×
② は正しくヒットダウンしているが、ディヴォットを深く取り過ぎ。×
③ これはボールを打った後、浅めのディヴォットを取っていて完璧。◎
④ は抉り方が深過ぎ、しかもアウトサイド・インのスウィング軌道。×
⑤ これは、かなりのダフリ。×
ヒットダウンしようとする努力は往々にして手打ちを誘発する。両腕はスウィングにとって重要ではあるのだが、身体の動きに追随するものであって主役ではない。両腕は肩からぶら下がっているロープだと思うべきだ。ロープは身体の回転に伴って動く」
さすがGolfTEC。《両腕は身体の回転に追随して動く》、名言です。
【参考】「正しいアイアン・ショットをするための二つの練習法」(tips_177.html)
(July 10, 2024)
●Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の バンカー・ショットの秘訣
Youtubeで彼の9番アイアン(註)によるバンカー・ショットの妙技を見て頂ければ一目瞭然ですが、Bobby Jonesはバンカー・ショットの名人です。【註:彼はサンド・ウェッジ誕生以前の世代でした】【参照】https://www.youtube.com/watch?v=LD0t6RimKl8&list=PLue6m-yk2lf8bE89wKp-ZlyFcusL0Lspu&index=2
彼が生前に執筆・出版した本にバンカー・ショットの基本テクニックを書いたものは見掛けなかったのですが、没後に発見・発掘された写真とコメントを採録した本で、彼は数ページにわたってバンカー・ショットの基本を説いています。この本は1933年のBobby JonesのコメントにBen Crenshaw(ベン・クレンショー)が現代のテクニックを補うコメントを併載しています。
なお、編註で「ヴィデオ」と表記しているのは'Bobby Jones: How I Play Golf' (Warner Brothers, 2012)というDVDのことです。
'Classic Instruction'
by Bobby Jones and Ben Crenshaw (The American Golfer, 1998, $25.00)
「【Bobby Jones】 エクスプロージョン・ショットではカップに身体の向きを合わせ、オープンスタンスをとり、ロフトを増やすためにクラブフェースを寝せる。 【編註】左図のようにボールは左爪先の前方。
・バックスウィングは充分な長さで、しかも普通に寄せるショットよりもアップライトに挙げる。【編註】彼は右図のようにかなり急角度のコックをしています。私はこれほどまでに急なコックはしていませんでした。なお、この写真はやや俯瞰めで見下ろしているので低めのトップに見えますが、本の写真では左手が胸の真上になっています。
・クラブヘッドは飛行線をアウトサイド・イン(右から左へ)の軌道でボールを打ち、ボールが座っていた場所のかなりの量の砂を強打して弾き飛ばす。
【Ben Crenshawのコメント】
・ピンが近い場合にはボールを着地後すぐに停止させねばならない。そういう時、私はスタンスを広げ、膝をさらに折る。ボールを高く上げる最も簡単な方法は、アドレスで右膝の上に腰掛けるようにすることだ。広い基盤の上に立って、もっとボールの下に位置する感じを得るべきだ。
・目玉になっている場合は、両手を返したりせずカップ方向に動かし続ける必要がある。クレーター(噴火口)の後方の端に急角度でヒットダウンし、そのまま砂にめり込ませる。
・長いバンカー・ショットでは少しボールに近めの砂と接触することが重要。また、高い姿勢で立つことも大事だ。
【Bobby Jones】
ボールが固い砂の上にあり、顎がさほど高くなければ、クリーンなチップ・ショットで転がし上げることも可能だ。うまくいけば、これは打数を節約するいい方法だが、リスクもないではない。下降するスウィングをしないと、ボールを打つ前に砂と接触してしまい、悲惨な結果を招いてしまう。【編註】ヴィデオを見ると、7番アイアンを用いボール位置は右爪先前方で、クラブフェースは寝せず普通に構えています。
【Ben Crenshawのコメント】
これはフェアウェイ上で長い距離を転がすショットと同じものだ。ボールが右足の前になるようにアドレスし、ボール後方に力強く下降する一撃を与える。
【参考】「Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の バンカー・ショット」(tips_171.html)
(July 20, 2024)
●右手一本でバンカー・ショット
最近バンカー・ショットには不安を抱くことはなかったのですが、若干ショート気味なのが不満でした。
ある日、二打目をNo.3のガード・バンカーに入れた時、「ショートはごめんだ。ピン傍につけよう」と考えました。ピンまで7メートルですから難しい状況ではありません。しかし、結果はホームランでグリーン・オーヴァー。
土手の下からの15メートルの寄せもオーヴァーし、先刻のバンカーに再度舞い戻ることに。ど素人のようなミスの恥辱感を覚えながらの五打目はチョロして脱出出来ず、六打目でやっとオンさせられました。2パットしてトータルは8。ひどいなんてもんじゃありません。
その夜、眠れずにどうすればいいのか考えて、ふと思い出したのが「Paul Azinger(ポール・エイジンガー)のバンカー・ショット」(tips_173.html)というtipでした。これは右手一本でバンカー・ショットするという破天荒なアイデアです。
「バンカー・ショットの失敗はクラブフェースを返してしまうことだ。右手一本で打てばクラブフェースは回転しない」
これです!私はクラブフェースを返していたに違いありません。早速コースに行ってやってみました。駄目ですorz。さらさらの砂を入れた上等なコースなら右手一本で脱出出来るかも知れませんが、湿ると土になってしまう市営ゴルフ場のバンカーでは、右手一本でボールを出すなんてことは出来ません。砂の津波を起こすには両手の力が必要です。
このtipの骨子は手を返さず、オープンにしたフェースを維持することだと思います。
もちろん、これは練習法の一つであって本番でも右手だけでショットしろというtipではないでしょう。しかし、右手一本だけでいいショットが出来るなら二本の手を使っても結果はいいそうです。
(July 20, 2024)
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