Golf Tips Vol. 208

パターの選び方

 

[Paula]

アメリカの'Golf Magazine'誌が過去に出版したパッティングの本から、自分に最適のパターを選ぶ方法。

'The Golf Magazine: Putting Handbook'
by Peter Morrice and the editors of Golf Magazine (The Lyons Press, 2000, $14.95)

・シャフトの長さ

もし長過ぎるとパターを短く持たなければならならず、パターヘッドのバランスとフィーリングを変えてしまう。だからJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)風に屈み込むのが好きならいいが、そうでなければかなり背を伸ばし、肩から垂らした両腕をまっすぐ伸ばして握れる長さのシャフトがよい。35インチ(約89センチ)のシャフトがスタンダードだが、自分に合うものを見つけるべきだ。

・ライ角

パターヘッドを平らにアドレスした時に、シャフトと地面とで出来る角度がライ角である。

大概のパターは数度のロフトがあり、ヘッドは地面に対して平らではなく、フェースも実際には右を向いたり左を向いたりしている。だから、ライ角はあなたの自然なポスチャーに合致するものでなければならない。

また、ライがあまりにもフラットだと(ドライヴァーでパットするかのように)パターを適切にソールすることとボールの真上に目を置くことが不可能になる。

適切なライ角のパターを選ぶか、オーダーメードのパターにすべきだ。

【参照】「パターのライ角」(tips_91.html)

・ヘッドの形状

【参照】Paul Runyan(ポール・ラニャン)のパター鑑別法(tips_69.html)

[putters]

・重量

一般化して云えば、軽めのパターは早いグリーンで効果的で、重めのパターは遅いグリーンに相応しい。

また、重いパターは長くスムーズなストロークに向いている。軽いパターはコントロールしにくい。

・オフセット・ホーゼル

折れ曲がったオフセット・ホーゼルは、パターフェースよりもターゲットラインに近く立てるというメリットはあるが、真っ直ぐなシャフトよりもアライメントが複雑になる。

・ヘッドとフェースの素材

どれが優っていると云うことは出来ない。フェースにプラスティックやゴムをインサートしたものは、ソフトなフィーリングを求める人に向いている。

・グリップ・サイズ

太めのグリップは手と手首の自由を殺すことが出来る。グリップを太くするのは簡単だが、パターのバランスも変えるので要注意である。

細めのグリップはフィンガーで握るため、手と手首を多用するパッティングに向いている」

(June 25, 2023)

一風変わったパッティング練習法

 

[putting]

イギリスのインストラクターRoger Hyder(ロジャー・ハイダー)のtip。彼は長くDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)の元で働いていました。

’Golf Skills: The Players Guide'
by Roger Hyder(Firefly Books, 2000)

「正しいストローク法を身につけるにはサンドウェッジでパッティング練習する。

グリップダウンし、あたかもパターを握っているかのように持つ。

一定のテンポのストロークで、ボールの赤道(あるいはその少し上)を狙って打つ

この練習はパターを地面近くに低くバックストロークし、上昇軌道でボールを打つことを教えてくれる」


(June 25, 2023)

プレッシャーに抗する練習をせよ

 

[Gary]

スポーツ心理学者Dr. Joe Parent(ジョー・ペアレント博士)執筆のメンタルtips集より。

'Golf: The Art of the Mental Game'
by Dr. Joseph Parent (Universe, 2009, $24.95)

「練習時間の何分の一かはコンペに強くなるために費やすべきだ。

練習グリーンで友人と競争するのもいいし、目標を作って一人で挑戦することも出来る。グリーン周りで練習する際、寄せワンの目標回数を設定しておき、それを達成するという方法もある。バンカーから一定回数2メートルに寄せる練習をするというのもある。

Gary Player(ゲアリ・プレイヤー、写真)は一人で練習する際に自分に凄いプレッシャーをかけていた。ある時彼は自宅でパーティを開いたのだが、お客たちが集まっているのに自分は帰宅出来なかった。なぜなら、彼は《1.5メートルのパットを20回連続で沈める》という目標を達成出来なかったからだ」


【おことわり】写真はhttps://www.golfchannel.com/にリンクして表示させて頂いています

(July 20, 2023)

三角形を崩さずにパットする練習法

 

[triangle]

左右の手・腕と肩で形成される三角形を崩さずにストロークすることは、パターフェースをターゲットにスクウェアに向け続ける最良の方法です。

三角形を保つ練習法を開発しようと思いましたが、既にいい方法がYoutubeで公開されていました。’The Golf Channel'(ゴルフ・チャネル)の『ゴルフの学校』の講師Martin Hall(マーティン・ホール)が紹介するアイデアです。

アライメント・スティック二本の下端を、パターシャフトの下方にガムテープなどで括り付けます。そのスティックの上端を左右の脇の下に挟みます(写真右。スティックは長いので上端は身体の背後に突き抜けます)。アライメント・スティックで形成される三角形を維持しながらストロークします。手首の角度を変えず、肘の角度も変えないで。

アライメント・スティックは新規購入すると11~30ドル(約1,500~3,800円)もします。高い。どっかの藪に行って篠竹を切って来てもよかったのですが、日曜大工の店で直径6ミリ、長さ1.2メートルの細い木の棒を二本2.1ドル(約300円)で購入し、少し短くしました。これで充分です。たった300円でパットが巧くなるのなら、こんなうまい話はありません。

[clock]

300円すら出したくない場合は、パターなしで両手を合わせて左右に動かすだけでもいい練習になります。やる気があるかどうかの問題です^^。

三角形の角度を維持するストロークをするには大時計の振り子と同じ動きをしなければなりません。すなわちパターヘッドはバックストロークのトップで少し上がり、インパクトで最も低い位置まで下がり、フィニッシュでまた少し上がります。パターヘッドを上げないストロークは三角形を歪めるか、身体を左右にスウェイするしかなく、ボールとの正確なコンタクトを損なう可能性が増大します。

左肩を下げながらバックストローク、左肩を上げながらフォワードストロークをすれば三角形を維持し、理想的なインパクトが期待出来ます。【短・中距離のパットの場合です。ロング・パットは別】

練習グリーンでこの練習道具を用いて2メートルのパットを試みました。約一時間でこの三角形を崩さないストローク法に慣れました。パターから棒を外して1.5メートルのパットに挑戦すると、三角形を意識しなかった時よりはずっといい結果が得られました。さらに、「パットの方向性を良くする裏技」(tips_195.html)に書いた左肘を軽くロックする手順を加えると連続してパットに成功するようになり、感覚的に「おれのパッティングは良くなった!」という自信が得られました。

【参考】
・ ヴィデオ https://youtu.be/Z7MeLpphgXc『ゴルフの学校』
・「純粋振り子式ストローク法の実像」(tips_193.html )

(August 01, 2023)

Brian Harman(ブライアン・ハーマン)の全英オープン2023

 

初日のTV中継は見逃しましたが、二日目から最終日までは切れ目なくTV観戦しました。なんと二日目を終えてBrian Harman(ブライアン・ハーマン、36歳)が大量リードしているではありませんか。

[Harman]

私がBrian Harmanの名を知っていたのは、もう数年前のことですが何か(ホールインワンのような)いいことがあった時、彼が記者団のところへビールを何ダースも届けたという逸話からでした。誰にでも出来ることではありません。「いい奴なんだなあ!」と思わされました。また、彼の温和で明るい顔も好感が持てました。

ただし、彼はいいプレイをするものの、華々しい成果はこれといってなく、常に上位に食い込むもののPGAツァーで二勝していただけで、メイジャー優勝はゼロでした。ですから、今回もトップ引きに過ぎなくて三日目か最終日にいくつかのちょんぼによって五位ぐらいに後退するだろうと思われました。

ところが、彼は三日目もトップを数打差で維持し、最終日へとなだれ込みました。彼は興奮もしておらず、悲壮な表情もしていません。自信たっぷりというわけでもなく、終始淡々とプレイしている感じ。数々のロング・パットを難なく成功させ、見事優勝してしまいました。初のメイジャー優勝。

当地の新聞に彼の優勝についての記事(AP通信)が載りました。そこに興味深い一行がありました。「彼は新しいパット練習器具を見つけ、それがフックするパットを封じる助けとなった」

「どんな練習器具なのだろう?おれにも買えるような代物だろうか?」私は必死にググりました。そして詳しい説明を見つけました。The Quadrilateral (https://quadrilateral.substack.com/p/brian-harman-wins-the-open-championship) そしてAP通信の内容が間違いであることを発見しました。

[aid]

「Brian Harmanは彼のパットの大成功の秘訣について、トーナメント終了まで語るのを避けていた。彼の言によれば、それは納屋の奥にしまい込まれていた練習道具で、それをツァーに携行するようになったのだ。『それは一見馬鹿げた鏡だが、リリースのパターンを改善してくれるものだ』いつの頃からそれを使い始めたか、彼は覚えていないと云う。彼は云う、『私はパットを過度にカットする癖があった。長い時間をかけて、パターでほんの少しドローを打つフィーリングを心掛けたところ、先月あたりからとっても良くなったんだ』」

鏡のように反射する金属板を地面に置いて、頭が動いていないかどうかチェックする道具は沢山売られていますが、実際の鏡を使った練習道具だとすると珍しい。まして、リリースの方向まで教えてくれるものというと見当がつきません。

推測の域を出ませんが、私がネットで見つけたのはPutting Alignment Mirror(パッティング・アライメント・ミラー)というものです(左図)。これは表面全体が鏡になっていて頭だけでなく肩のアライメントも映ります。40ドル。

そのうちゴルフ雑誌かゴルフチャネル、あるいはどっかのウェブサイトが正しいものを紹介しくれるでしょう。

いずれにしても、Brian Harmanのこともなげにスコンスコン長いパットを成功させる姿には惚れ惚れさせられました。

(August 01, 2023)

眠られぬ夜のために・2023年版

 

夜中に目覚めて、もう一度寝ようとしても中々眠りにつけないことがあります。明日はゴルフなのにラウンド中にあくびが出たり、一打一打に集中出来ないと困る、早く寝なくちゃ…と焦るとなおさら眠れなくなります。

こういう時は「なあに眠らなくてもいい、目をつぶって目を休めるだけで充分だ」と考えるべきです。これだと焦ることもないし、実際目を休めることが出来ます。しかし、私の経験で云えば、必ず寝入ってしまい目覚ましのアラームで叩き起こされることになります。

寝ようと焦らないことが心身をリラックスさせ、その結果望み通り眠りにつくことが出来るのです。お試し下さい。

【参考】「眠られぬ夜のために」(tips_75.html)

(September 01, 2023)

名人たちのパット練習法

 

ゴルフの百科全書とも云うべき本で紹介されているパット名人たちの練習法。プロたちでさえも苦労してパットをマスターしていることが解ります。

’Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'
edited by George Peper et al. (Harry N. Abrams Inc., 1997, $45.00)

「ベストのパット練習法というものはない。良い練習法とは個人に特化した練習法である。

・Bill Rogers(ビル・ロジャース、1981全英オープン優勝者)

1メートル以内に焦点を当て、『この距離なら絶対ミスしない』と感じ始めるように務める。ボールがカップに転げ込むコロンという音を聞き姿を見ることが自信に繋がる』と彼は云う。

・Bobby Locke (ボビィ・ロック、南ア)

世界的にパット名人として知られている彼は、『パットはゴルフ・スウィングのミニチュア・ヴァージョンであり、他のクラブと同じリズムが必要だ』と云う。それで彼は15~50メートルという長い距離でパターを正しいリズムで動かすことに専念する。

・Tom Weiskopf(トム・ワイスコフ)

彼は練習を長短のパットに別ける。『私は6~12メートルの距離で距離感と、カップに近づける能力を開発する。また、グリーンをミスした時、ピッチやチップで1~2メートルに寄せてからのパットを練習する。私にとって、これらの長いパットも短いパットも練習すべき重要なパットである』

・Bruce Lietzke(ブルース・リツキ)

彼はアドレスでパターヘッドの10センチほど後方にティーを刺してバックストロークを制限する。省略されたバックストロークは加速としっかりしたボールとのコンタクトを生む。

・Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)

彼は練習グリーンのカップではなく、刺したティーに向かってパットすることを薦める。このような小さいターゲットで練習しておけば、実際のカップは物凄く大きく見え、自信をつけてくれると云う。

・Bobby Clampett(ボビィ・クランペット)

[Dave and Rory]

彼はカップから30センチ離して、カップを取り巻くように六個のボールを置く。その全部をカップインさせた後、ボール位置を60センチ遠ざけ、またその全部をカップインさせる。この後は30センチずつ遠ざけて練習する。各段階であとの二つを成功させられるかどうかという時に感じるものは、実際のラウンドでのプレッシャーと同じものであり、それらを成功させた経験は自信を構築する。

・Dave Stockton(デイヴ・ストックトン、写真左)

二度PGA選手権に優勝し、パット名人として知られている彼は、主に4メートルの距離に専念する。彼は二個のボールしか使わない。『私は右から左に切れる4メートルのパットをした後、逆に切れる1メートルのパットをする。私は繰り返しの練習ではなく、フィーリングに重きを置く。実際のラウンドでは二度同じパットはないのだから、上のような練習法は実際に近いわけだ』

・Jack Nicklaus(ジャック・二クラス)

プレッシャー下のパットに強いJack Nicklausも、繰り返しでなくフィーリングの開発が有効であると云う。いったんリズムを獲得しボールをしっかり打てるようになったら、彼はそこで練習を止める。それ以上の練習は折角発見したリズムを悪化させるに過ぎないというのが、その理由である」

(September 10, 2023)

練習は、計画性と忍耐を伴うべし

 

[practice]

スポーツ心理学者Dr. Joe Parent(ジョー・ペアレント博士)執筆のメンタルtips集より。

'Golf: The Art of the Mental Game'
by Dr. Joseph Parent (Universe, 2009, $24.95)

「ゴルファーというものは常に秘訣を探し求めている。一つのtipによって一発で素晴らしいスウィングが得られ、その後『いつまでも幸せに暮らしましたとさ…』となることを夢見ている。

不幸なことだが、Ben Hogan(ベン・ホーガン)の秘訣でさえそんな具合にはうまくいかない。絆創膏的tipは剥がれ易く、長持ちしない。チャンピオンの腕前はそう簡単に真似出来るものではなく、ゴルフの基本を辛抱強くマスターすることが必要なのである。よいテクニックが身につくまでには懸命の努力が必須で、それに代わる方法はないと云ってよい。

Ben Hoganは練習する際、何を求めて練習したのか、何が達成出来たのか、毎日記録していた。計画を立てて練習せよ。懸命の努力は必ず実を結ぶものである」

[icon]

私のゴルフは忘却との闘いです。ある日、「そうか!そうなのか!」と悟ったとしてもそれを数週間で忘れてしまう。ある日、「そうか、そうやっちゃ駄目なんだな…」と自分への戒めを発見しても次のラウンドではすっかり忘れている。

Ben Hoganのように「目標と達成」の記録ではなく、私はあるラウンドで得た教訓を自分に伝達するメモをつけるようにしました。「自分への伝言」です。このメモが膨大に増えていくのか、当然守ることの繰り返しになるのかどうかは分かりませんが。


(September 20, 2023)

月一ゴルファーの苦闘

 

[measure]

殺人的猛暑に加えてその他の理由もあり、八月は全くゴルフしませんでした。今月に入ってプレイを再開しましたが、一ヶ月のご無沙汰によって「90を切るゴルフ」に挑戦しなければならない苦境に立たされました。

多くのミスは基本を忘れていることによるもので、私が気づいたことを列挙してみます。月一ゴルファーの参考になるのではないでしょうか。

・ボール位置

私は高い軌道で打って飛距離を稼ぐため、ボールから約27センチ後方にドライヴァー・ヘッドをセットし(そのフェースのすぐ前にボールがあると想定し)、その仮想のボール(ヘッドの前)に目を据えながらスウィングします(アイ=ハンド・コーディネーション)。

この方式を実行してもう二年になるので、その27センチは身についていると思っていました。そうではなかった。しばらくミスショットが続いた後、初心にかえって写真のように指を尺度にしたらナイス・ショット!!! 一ヶ月ご無沙汰すると何もかもリセットされてしまうようです。

【参考】「ティーアップの高さとドライヴァーのアドレス位置」(tips_201.html)

[head]

・頭を動かさない

頭を動かさないことはボールをスウィートスポットで打つ基本的な要諦であるのに、一ヶ月で忘れ去っていました。バックスウィングで右へスウェイして、盛大なてんぷらをいくつか製造してしまいました。

太陽を背に、自分の影を見ながら頭を左右に動かさないスウィングを思い出し、てんぷらとおさらばしました。

【参考】「新・頭の研究【パート2】」(tips_207.html)

・下半身主導のダウンスウィング

方向が定まっても飛距離が出ませんでした。ゴルフから遠ざかってはいたもののジム通いは継続していたのでパワーを失った筈はありません(ジムは涼しいし^^)。それでは何故飛距離が落ちたのか?そうです、忌むべき手打ち病に蝕まれていたのです。

素振りを繰り返し、トップで一時停止し、左膝のターゲット方向への逆転でダウンスウィングを開始する手順を身体に思い出させました。方向も飛距離もバッチリになりました。

【参考】「ダウンスウィング開始のイメージ」(tips_205.html)

・左肘を伸ばす

しばらくプレイしていないと身体が伸び伸びと振る舞いません。おっかなびっくり恐る恐るのプレイになり、身体も縮こまり気味になります。左肘をちゃんと伸ばさないと長いショットも短いショットもトップしたり、インパクト・ゾーンで肘が捩れたりして方向性を悪くしたりします。

パッティング・ストロークの”裏技”として紹介した《左前腕を僅かにターゲット方向に捩じる》はアイアンの長いショットや短いショットにも効き目があります。「僅かに」という言葉が重要です。肘をあまりにがっちりロックすると柔軟性が失われます。

【参考】「パットの方向性を良くする裏技」(tips-195.html)

・低い軌道のチップ

久方のゴルフとなると、アイアンでボールを上げようという気になりがちです。ボールを上げるのはクラブフェースに備わっているロフトの役割なので、人間が努力すべきことはヒットダウンすることです。

ヒットダウンが難しければ、少なくとも低いフォローをすべきです。私もチッピングで一、二回ほど高めのフォローをしてしまい、反省してからはピン傍に寄るようになりました。

・ショットもパットも加速する

バックスウィングやバックストロークの最中に「? 何か変だな」とか「これでいいのかな?」などと思うと減速してしまいます。加速とはボールを過ぎた後フォロースルーまでアクセルを踏み続けている状態です。ボール位置でブレーキを踏んでしまうと正しい距離も方向も得られません

・ボールを見る

上の全てを実行しても、ボールを見ないで打つと失敗します。これこそ基本中の基本ですね。

かように一ヶ月のブランクとは恐ろしいものです。

(September 20, 2023)

安上がりで簡単なパット練習法

 

[hanger]

「三角形を崩さずにパットする練習法」(8/1)はパター・シャフトに括り付けた二本の棒(あるいはアライメント・スティック)を両脇に挟み、三角形を崩さずにストロークするという練習法でした。これはとてもいい方法なのですが、長い棒をつけたり外したりするのが面倒でした。

'Wally Armstrong's Golf Training Tools'(2003)というDVDを見ていましたら、ベラボーに簡単な練習法を紹介していました。衣装箪笥に沢山ぶら下がっているハンガーの一本を使うのです。写真のようにハンガーの内側に両腕を通し、ハンガーが緩(ゆる)んで落ちないようにしながらストロークします。

手首を捩じらないようにすれば、この方法でも三角形を保つストロークを身につけることが出来ます。何より、長い棒を使わなくていいので楽ちん。

[icon]

この方法で練習してみました。悪くはありません。両腕を等間隔で前後させることは三角形を維持することに繋がります。

この練習法を用いる場合でも、私が発見した裏技である《ストロークする前に左前腕を僅かにターゲット方向に捩じり、左肘をソフトにロックする》ことをお勧めします。方向性が抜群に良くなります。左手首だけでなくグラつく左肘もボールの方向を変えてしまう要因なのです。

しかし、二本の棒を両脇の下に挟むほど有意義とは云えません。簡便ではありますが、棒二本ほどの効果はないと云えます。

(September 20, 2023)

筋肉鍛錬と実際のスウィングをシンクロさせる

 

飛距離が落ちるのが恐いので週二~三回のジム通いを続けています。特に抵抗のあるワイアーを引っ張る三頭筋の鍛錬を重要視しています。

[triceps]

以前からゴルフ・スウィングを模した身体の動きをしていたのですが、さらに写真のように現在のスウィングに合わせた変更を施しました。

1. スウィングのトップ
左踵を浮かし、左膝を前に出す。(左膝をボール方向に出すのが良さそうに思えるかも知れませんが、それは右へのスウェイに繋がるので不可。頭で考えるより、太陽を背に頭の影を見ながら練習して頭を動かさないスウィングを身につけるのが一番)

2. ダウンスウィングの開始
左踵を地面に下ろし、左膝をターゲット方向に送ると同時にダウンスウィングを開始する。この「同時に」が重要。Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)などを教えた伝説的コーチHarvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)は「ダウンスウィングの開始で左膝を目標方向に移動させる時、同時に右肘を身体に引きつける、これを一挙動でやる(二挙動では駄目)」と教えました。彼はこれをMagic Move(マジック・ムーヴ)と呼んでいました。

3. 本格的ダウンスウィング
ワイアーを左膝方向に引っ張る。

ジムでこの運動を繰り返すと、コースでアドレスしながら「ああしなくちゃ、こうしなくちゃ」などと考えなくても自然にこの下半身主導のスウィングが出来るようになります。

こうして体得したスウィングを実行すると、飛距離が増すばかりでなく、ウッドもアイアンも驚くほど真っ直ぐ飛ぶようになります。

(November 01, 2023)

悪いショットを忘れる方法

 

スポーツ心理学者Dr. Joe Parent(ジョー・ペアレント博士)執筆のメンタルtips集より。

[Miss]

'Golf: The Art of the Mental Game'
by Dr. Joseph Parent (Universe, 2009, $24.95)

「お粗末なショットに腹を立てることは理解出来る。数秒間の感情の高まりもさほど問題ではない。問題はあなたがその自分への怒りを捨てず、次のショットにも影響させてお粗末なショットを連続させてしまうことだ。

腹を立てるのは結構、だがそのネガティヴな情動を断ち切ってお粗末なプレイをストップさせなければいけない。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)は『10ヤード・ルール』(10ヤードは約10メートル)を自分に課していた。あるショットに腹を立てても、それは次のボール位置に向かう10ヤード以内で終わらせる。その地点を過ぎたら先程のショットのことは忘れ、次のショットだけに集中するのだ。

タイガー流をマスターする方法をお教えしよう。

最初の情動の激発の後、一度か二度深呼吸する。排気とともにネガティヴな感覚が流れ去るのを感じ、ポジティヴなプロセスにエネルギーを集める。先程ミスしたのとは異なるショットが出来るようになるまで数回素振りする。あなたが感じる二つの違いが次のベストなショットへの準備である。

このポストショット・ルーティーン(ショット後の儀式)にはまずかったショットから歩み去りながら得られる二つの利点がある。あなたの最後のスウィング(素振り)は悪いものではなく理想的なものである。そして、あなたの焦点はネガティヴな感情を離れ、次のショットを良いものにしようというポジティヴな方向に向かっていることだ」

(November 10, 2023)

ミスを未然に防ぐ方策

 

以下は自戒です。打った後、「そうだよ、当然こうなるわな。おれは馬鹿だった」と思うことが多々あります。それを警戒し、事故を未然に防ぐようにしています。

[shot]

・ロング・ショット

初めてのコースなら別ですが、何度もプレイしているコースでは各ホールの右か左、どちらが危険か分っているわけです。何よりもそちらに打たないことを優先すべきです。

もし、右に障害物があるなら、1) (フェアウェイやグリーンの)左を狙う、2) クローズ・スタンスにする、3) グリップをゆるくする、4) フック・グリップにする、5) クラブフェースを少しクローズにする、6) 両手を低く構える…などのいずれか(あるいは複数)を採用し、絶対に右には行かないようにすることが出来ます。

障害物を避けようと緊張するとグリップがきつくなりますが、きついグリップはプッシュへの招待状です。リラックスしないといけません。

左に障害物がある場合は、1) (フェアウェイやグリーンの)右を狙う、2) オープン・スタンスにする、3) グリップをきつくする、4) スライス・グリップにする、5) クラブフェースを少しオープンにする、6) 両手を高く構える…などのいずれか(あるいは複数)を採用し、絶対に左には行かないようにすることが出来ます。

スウィングのテンポが早過ぎるとフックになるので、テンポにも注意。

・寄せ

グリーンサイドであろうとフェアウェイの斜面だろうと、「砲台グリーンの斜面からのチップ」(tips_197.html)の法則は完全に当てはまります。左足上がりの斜面であれば高く上がることによって10°につき10ヤード飛距離が減ります。ですから、必ずその勾配の度合いを判定しなければいけません。もし、ウィンター・ルールでボールをワン・クラブ動かせるなら、斜面ではなく平らなライを選ぶのが賢明です。たとえ、ワン・クラブ後方に戻すとしても。

「ピッチングとチッピングの距離調節・簡略版」(tips_195.html)の手法を使うと5ヤード単位で寄せられます。逆に云えば5ヤードの誤差があるとちゃんと寄りません。必ずボールとカップの横に廻って正しい距離を得るべきです(GPSもピンの位置に合わせないと正確ではありません)。ボール後方から見ただけだと距離が短く見えるのでショートし易い。同伴競技者がプレイしている間に”計測”を済ませればスロー・プレイにならずに済みます。

・ピッチ

必ず下半身と連動したスウィングが不可欠。小手先で打つとシャンクしたりトップしたりしかねない。

・チップ

短い距離だからといって小手先であしらうのではなく、膝の動きと連動させるようにするのがベスト。

・パット

慣れ親しんだホームコースのグリーンであっても、打つ前に「このラインは上りか下りか?」と自問すべきです。パットしてかなりオーヴァーした後、「下りだってことを忘れてた!」な~んて、とても人に云えない愚かなミスです。ラインの読みやストローク法以前の問題です。胸の内で「これは上りだ」、「これは下りだ」と再確認する必要があります。その情報を噛み締めながら素振りします。下りならカップ手前まで届く強さの素振り、上りならカップを少し通過する強さの素振り。本番ではその素振りの強さを再現します。ストロークする際、意識的に強めたり弱めたりしない。

以上、自戒でした。

(November 10, 2023)

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