Golf Tips Vol. 199

ガニ股ダウンスウィングの源流 [Kite]

伝説的コーチHarvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)が独自に会得したことなのか、彼がSam Snead(サム・スニード)のスウィングを見て学んだことなのか分りませんが、後に大成する弟子たちに彼が教えたメソッドはガニ股風ダウンスウィングなのです。

彼がレイト・ヒット、レイト・アンコックの極意として伝授したテクニックは、ダウンスウィングの開始で左膝を目標方向に移動させる時、同時に右肘を身体に引きつける、これを一挙動でやる(二挙動では駄目)…というものでした。これは'Harvey Penick's Little Green Video'というVHSテープで、彼の弟子の一人であるTom Kite(トム・カイト、写真)が実演して見せています。【参照】「Harvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)のMagic Move(マジック・ムーヴ)」(tips_35.html)

見事な(?)ガニ股と、下降し身体の脇にくっ付き始める右肘。Harvey Penickはこれを"Magic Move"(魔法の動作)と呼びました。二挙動では駄目、一挙動でやる…というのがミソです。数十年前、これを試したのですが上手く出来ませんでした。今は「ガニ股トレーニング」(tips_196.html)のお蔭で出来るようになりました。

「ガニ股トレーニング」は、Harvey Penickの教えのように左膝と右肘の動きを連動させます。これがタイミングよく一挙動で実行されると、信じられないような正確なボールが生まれます。タイミングよく一挙動のダウンスウィング開始が、毎回必ず出来るとは限りませんが、私の場合、飛距離を求めるというより、正確さを求めてガニ股ダウンスウィングすることを心掛けています。飛距離も伸びちゃうとクラブ選択がややこしくなるので(^^;;。


(January 05, 2020)

ショートパットには堅固な土台を構築せよ

 

インストラクターDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)によるパッティング・ストロークの基本。

[base]

'Lock it down'
by David Leadbetter ('Golf Digest,' July 2019)

「昨年のPGAツァーの、4フィート(約1.2メートル)のパットの成功率を当てて貰いたい。70%?80%?85%? もう一度考えなさい。なんと、正解は92%なのですぞ。その事実はあなたを驚かせないかも知れないが、この距離でのあなたの成功率が人に自慢出来るものではないとしたら、何か励みになることが得られる筈だ。

結論。あなたもプロのように、もっと沢山の4フィートのパットを沈めるべきなのだ。では、彼らの成功の秘訣は何か?それは、あなたが考えもしなかったことかもしれない。

むろん、練習グリーンでパットを繰り返すのは、ボールをカップに近づける助けとはなってくれる。だが、もっと上を望むべきだ。パット巧者とそうでない人の最大の違いは身体のコントロールである。パッティングではほとんど身体を動かさないのだから、ボディ・コントロールというのは可笑しく聞こえるかも知れない。だが、アマチュアのパットを見ていれば分ることだが、プロのパットより盛大に身体を動かすものだ。

ショートパットをミスする大きな問題点の一つは、下半身を活発に動かすことである。パターを左右に動かす間、腰・脚・足は出来る限り静止させるべきである。ごく僅かな動きもパターフェースをラインに対してスクウェアでなくしてしまう。

よく考えようではないか。たった4フィートなのだから、読みを間違えるということはないだろう。そして、ショートするということも無い筈だ。だから、4フィートを成功させるのはスクウェアなフェースで打つこと一つにかかっているわけだ。

下半身を静粛にさせる一つの方法は、両方の爪先を内側に向けることだ。こうすると、両方の太腿の筋肉が収縮し、下半身を固定する感覚が得られる。これなら、脚や腰が介入することなく肩・胸・両腕の動きに集中してストロークが可能になる。

これはショートパットにはとても役立つtipだ」

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私は上のスタイルを“ハの字スタンス"と呼びたいと思います。私の現在のスタンスは両足の内側を約33.5センチ離しています。【参照:「スタンス幅の決め方・決定版」(tips_141.html)】 これは体型的にフェースをスクウェアにする工夫なのですが、結果的に土台をしっかりさせることにもなっています。両足をワイドに広げ、さらに“ハの字スタンス"にしてみましたが、別に正確度が増したとは思えませんでした。私にはワイドなスタンスだけで充分のようです。

(January 15, 2020)

チッピングでも“ハの字スタンス"は有効か?

 

私のショートゲームの弱点は、地面が湿っているとミスが出易いということでした。前夜の雨とか朝露で湿った地面などでチップするとクラブヘッドが地面でつっかえてしまい、チョロになりがちなのです。その原因の一つは、多分短い距離には不必要な体重移動があり、右に向かった体重が戻らずにインパクトを迎えるのではないかと思われました。もしそうなら、「ショートパットには堅固な土台を構築せよ」で紹介したDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)の“ハの字スタンス"が役立つかも知れないと期待しました。

やってみました。“ハの字スタンス"はパットにはいいものの、チッピングには害があります。パットは完全な手・腕・肩・上体の作業なので、下半身をデーンと構えることが望ましいのですが、チッピングで下半身の自由を奪うと手打ちになってしまいます。一度など、40ヤードのチップでシャンクする始末。シャンクは手打ちの弊害の症状の一つなので、この時私はチッピングでは“ハの字スタンス"をすべきでないということを悟りました。【参考】「アイアンでシャンクする原因」(tips_189.html)

チッピングを上半身だけで行うのは無謀です。ソフトな下半身のリードでスウィングすべきです。

(January 15, 2020)

ピッチングとチッピングのスウィング軌道

 

私のショートゲームは「ピッチングとチッピングの距離調節」(tips_195.html)という手法によって、距離だけはぴったりに寄せられるのですが、毎回ピン傍とはいかないのが難でした。ある晩、寝る前に考えていて、ふと「パー3に乗せる法」(12/11)のインサイドに引く…という新たな発見(?)を思い出しました。ピッチングとチッピングでも、同じようにインサイド・アウトのスウィングをしたらどうか?

私はスクェアなバックスウィング、スクウェアなフォローが最も正確なショットの筈だと思い込んでいたので、インサイドに引くなどということは全く考えもしませんでした。

私の伝家の宝刀である60°ウェッジで、短いショットから長いショットまで、インサイド・アウトで練習してみました。いいじゃないですか!びしびしターゲットに向かいます。こんなことに今まで気がつかなかったとは、何たる不覚。悔やまれます。

この手法初使用のラウンドは2020年1月6日でした。四つのホールでギミー(OK、インサイド・ザ・レザー)の距離に寄せることが出来ました。パットしなくていいんですから楽です^^。

今後のラウンドでのショートゲームが楽しみです。ひょっとしたら、チップインの回数が増えたりして^^。

(January 15, 2020)

バンカー、三つの必須事項

この記事の筆者Michael Breed(マイケル・ブリード)は、The Golf Channel(ゴルフ・チャネル)のインストラクション番組で、早口でけたたましく喋るのが特徴のレッスン・プロ。

'Exit strategy'
by Michael Breed ('Golf Digest,' July 2019)

「グリーンサイド・バンカーのコツは、二つの言葉に要約される…スピードとバウンスだ。バンカーからスプラッシュ(編註)させるには、あなたの想像以上のパワーが必要だが、それがスピードということだ。そのスピードを効果的に用いるためには、クラブは砂の中でつっかえることなくスライドしなくてはならず、それがバウンス(跳ね返ること)である。この二つに焦点をあわせること。

【編註】スプラッシュ型バンカーショットは、砂を爆発させるのではなく、灰汁(あく)を取るように浅く砂を掻き、砂の津波でボールを出す。その際、舞い上がる砂の量は爆発型よりも少なく、パラパラと飛び散るのが特徴なので"splash"と呼ばれる。

クラブはパーム(掌)でなく、フィンガーで握ること。こうすると、バックスウィングで手首のコックを助けてくれる。コックによるテコの作用がスピードを急速に生み出してくれる。

【編註】上の言葉は「最大コックがバンカー・ショットの決め手」(tips_193.html)という記事の趣旨と完全にオーヴァラップします。バックスウィングの長さよりもコックの度合いが重要なのです。

② アドレスでクラブのハンドルを下げ、手首が折れるように感じること。両手を下げると、クラブのヒール側が寝るようになり、これがヘッドを一定の深さで砂の中を滑らせるのを助けてくれる。もし、両手を上げるとクラブのヒールが上がるので、トゥが砂を掘って停止し、ショートする原因となる。

 

③ バックスウィングでもインパクト・ゾーンの最中でも身体の中心を動かさないこと。クラブのバウンスを維持するため、フォロースルーの間もシャフトを反時計方向に廻してはいけない(=手首を返してはいけない)。あなたの右手はシャフトの下方に留まり、左手のナックルは上を向いていなくてはならない。

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僭越ですが、私は四つ目の必須事項を付け加えたいと思います。

④ 必ず高いフィニッシュをすること。理想は、両手が左肩の上に達するまで高く。これならザックリによるチョロは起こりません。これはLPGAのJessica Korda(ジェシカ・コルダ)によるtipです。


(January 27, 2020)

バンカー・ショットもFLW

 

[FLW]

「スプラッシュ型バンカー・ショット」と呼ばれているバンカー・ショットですが、"splash"(パシャッとはね散らかす)と云われてもよく判りません。日本人には「灰汁(あく)とり」のイメージの方が解り易いでしょう。しかし、右手で灰汁を取るのではなく、左手で取るのですが。

鍋物の「灰汁とり」は、急激な角度で柄杓(ひしゃく)などを汁に突っ込むのではなく、水面に浮く灰汁の手前に非常に浅い角度で柄杓を入れ、そのままの角度を維持して水平に灰汁を掬います。灰汁とり式バンカー・ショットも同じ。浅い角度でボール手前にウェッジを進入させ、左手甲の角度を維持したままクラブヘッドを前進させることによって、砂の津波を起させ、その力でボールを出します。絶対にボールを掬い上げようとしてはならない。これ鉄則。

これまでFLW(Flat Left Wrist、フラットな左手首)という言葉は、主にパッティングに用いて来ましたが、スプラッシュ型バンカー・ショットにも共通するわけです。

砂を爆発させるバンカー・ショットとは違い、灰汁とり式は暴力的に弾き出すのではなく、灰汁を水面からこそげとるように、軽く穏やかに行われます。

この時、重要なのは、
・股を大きく開き、クラブを低く構えること。これがアドレス時のロフトを維持する。
・左手主体でスウィングすること。右手は添えるだけ…ぐらいに考える(手を返さないための防止策)。
・肩を廻し、目一杯コックすること。
・ボール後方の進入地点を凝視する【アイ=ハンド・コーディネーション】。
・砂の抵抗があるので、同じ距離を打つチップやピッチの三倍のパワーでスウィング【ただし、急がないこと】。
・浅い角度で砂に突入し、左手甲で灰汁を払い除けるように(砂からボールをこそげ取るように)クラブヘッドを砂の表面と平行に動かす。

【参考】「スプラッシュ型バンカー・ショットのコツ」(tips_183.html)

(January 27, 2020)

バンカー・ショット、私のルール

 

「ルール」と云っても「規則」ではなく、私の個人的「原則」です。

私にとっての「バンカー・ショットのルールNo.1」は「砂を取れ」です。私がホームランを打つのは、何らかの理由で砂を取らないか、取っても非常に少なくてボールが飛び過ぎてしまうせいです。何らかの理由というのは、ボール後方10センチとかでなくボールを直接見つめていた、体重が後方の足にかかり過ぎていたとか、左手が縮こまっていた…など、様々なことが考えられます。しかし、どんな理由であれ、それらを克服して、先ず砂を取らなければいけない。それがバンカー・ショットの基本なので。

「バンカー・ショットのルールNo.2」は、「砂を掻くことに専念する」です。私のはスプラッシュ型バンカー・ショットなので、爆発でなく灰汁(あく)を掬うように砂を掻かなくてはなりません。クラブヘッドを砂の中で横に滑らすのです。「砂を掻く」という言葉は、1964年公開の映画『砂の女』を想起させます。来る日も来る日も砂掻きの作業をしないと、家が砂に埋もれてしまうので、生きるために砂を掻く女と男の物語。私も砂の女に囚われた男のように、懸命に砂を掻かねばならない。

ある時、この「ルールNo.2」のコツを発見しました。ある日の練習で、サンド・ウェッジで20ヤードほど離れたピンに寄せようとしていたのですが、ダフってチョロしたり、脱出出来ても全然寄らない。業を煮やした私は、「絶対にボールを見送るまい」と決意し、頭を残して振り抜くことだけに専念したのです。これだと結果は音で推察するしかありません。すぐに着地音が聞こえればショート、ややあって着地音がすればピン傍を意味します。ボールを見送らず、振り抜くことに専念したら、何と四個のボールがことごとくピンまで1メートル前後に寄りました。

250ヤードのショットであろうが、40ヤードのピッチングであろうが、15ヤードのチッピング、5メートルのパットであろうが、正確なインパクトに集中し、頭を動かしてはいけないんですね。それはバンカー・ショットでも同じ。やっと判りました(遅い!)。

(January 27, 2020)

テイクアウェイの角度でボール軌道を調整する

ゴルフを始めて50年になりますが、やっとましなゴルフが出来るようになりました。その一番の立役者は以下に述べるテイクアウェイの方法と、それに付随して生ずるインパクト〜フィニッシュの体勢です。

私は真っ直ぐターゲットライン後方にクラブヘッドを引き、左腕が伸び切った時に左肩を廻し始めるというバックスウィングをしていました。それはそれでフェアウェイ・ヒット率も高く、悪くはなかったのですが、ある日のラウンド前のドライヴァーの練習でやたらプッシュが出ました。私が所属するシニアのゲームのラウンド前ですから、のんびりはしていられません。早急に解決策を得なくてはなりません。

「パー3に乗せる法」(12/11)を思い出しました。スクウェアなテイクアウェイでなく、両手が右脚の脛の上を通過するようにインサイドに引く方法です。今更ですが、これは「インサイド・アウトにスウィングする」という、ゴルフ入門者が誰でも一度は耳にするスウィングの基本です。特に初心者は右手主導で手打ちをし、ゴージャスな(?)スライスを打つ傾向があるので、それを避けるための方策として教えられます。

[takeaway]

やってみました。ドライヴァーで両手が右脚の脛の上を通過するテイクアウェイ(図の青線)だと、プル(ボールが左へ向かうミス)を多発しましたが、両手が右足爪先の上を通過するテイクアウェイ(赤線)だと真っ直ぐ打てることが判りました。この日、1ホールだけプッシュしたものの、残る17ホールはどれもフェアウェイをキープ。そのお蔭で、七回のバーディ・チャンスに恵まれましたが、パット不調でどれも活かせませんでしたorz。

このインサイドに引くバックスウィングには、もう一つ特筆すべき利点があります。インサイドに引くと肩がよく廻ってトップで背中が完全にターゲットを向きますが、これは「Ernie Els(アーニィ・エルス)のショルダー・ターン」(tips_2.html)に書いた教科書通りのトップです。この体勢からだと、よく云われる「左の壁に向かって打ち抜く」ことが実現出来、ダウンスウィングで身体が左に流れません。ということは、方向性が完璧に保たれるということです。これは私にとっては新発見でしたが、これも昔ながらの教科書通りのインパクトに過ぎない筈です(新発見などではなく)。このフィニッシュは、なにやらプロになったかのような気分が得られて、すこぶる気持がいいものです。

次のラウンドのNo. 12(パー3、102ヤード)。ここは上り勾配で、手前にガード・バンカー、乗せたと思っても転げ出てしまう狭いグリーン…という意地悪なホール。7番アイアンを4センチほど短く持って打った私のボールは、ピンの右約15センチにつきました。いっそのこと、入ってくれれば良かったのに…。

そのまた次のラウンド。またもやNo. 12でワン・オンさせましたが、今度は2メートルは離れていました。続くNo. 13(パー3、184ヤード)でも1.5メートルにワン・オン。この日は安定したショットにより八回のバーディ・チャンスに恵まれたのですが、全部ミスしました。ただし、18ホールを4オーヴァーで廻れましたので、毎回7オーヴァーが目標の私としては文句ありません。

このように数ラウンドでいい結果をもたらしてくれた方法ですから、まぐれではありません。

(February 05, 2020)

ダフり撲滅の方策

 

ある日の個人的練習ラウンドで、何度もダフりました。ボール後方30センチ地点を打つという見事な(?)ダフりでした。数度の素振りで修正しようとしましたが、症状は変わりません。

「バックスウィングで右に移動した体重が戻らないのか?」試しに、左膝の上で回転するようにしてみました。右足を踏ん張って横移動しないようにし、左膝を(右へではなく)ボール方向に斜めに向かわせます。それまでのスウィングに較べると、何やら身体が「逆C」の形のリヴァース・ピヴォットになる恐れを抱きますが、それは杞憂でクラブヘッドはちゃんとボール位置を薙ぎ払いました。

以上は「頭を動かすな」と同じことなのですが、「右足を踏ん張り、右膝が水平移動しないようにする」と、上半身は横に動けないので自然に捻転を始めます。嫌でも頭は動かなくなりいいスウィングになる…と、こういうカラクリのようです。

その日、残りのホールを全て体重の横移動無しで打って、いい結果が得られました。これが練習ラウンドでよかった。シニアのゲームでキャプテンを努めさせられ、何発もダフったりしたら目も当てられないところでした。

(February 05, 2020)

スクウェアなグリップの秘訣 “[Ernie]"

この本はインストラクターの組織であるPGAの中の、GolfTec(ゴルフテック)というグループが'Golf Magazine'誌と提携して出版したものです。グリップは基本中の基本ですが、私のようにパー3でワン・オンしない、アプローチが寄らない…というゴルファーは再点検すべきでしょう。

'Golf Magazine's The Par Plan'
powered by GolfTec edited by David Denunzio (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)

「グリップがストロングであれウィークであれ、両手は一体となって働かなくてはならない。それがクラブをコントロールし、充分なスピードを作り出す素だからだ。

次に重要なのはグリップ圧である。圧の強さを1〜10という段階にした場合、強靭な手と手首を持っている多くのツァー・プロは、軽めの圧(3)を用いる。手と手首がそう強くない多くのアマチュアは、しっかり握る。手の中でクラブがぐらつかない強さでハンドルを締めつけること。覚えておくべきことは、最高のスピードでスウィングするには、前腕と手首をリラックスさせ続けることだ。《指は締め、手首はゆるゆる》と考えるべきである。

1) チェックポイントNo. 1

左手の中指・薬指・小指でハンドルを包み、掌の底部に向かって締めつける。これを正しく行えば、これら三本の指だけで、身体の前にクラブを突き出した時、45°の角度で保持することが出来る。

2) チェックポイントNo. 2

下方へのグリップ圧によって右の掌の生命線は、左の親指の上にぴったり被さらなくてはいけない。もし、そこに隙間があると、大きな問題を生じる。

3) チェックポイントNo. 3

あなたがオーヴァラッピング・グリップを採用しているのであれインターロッキングであれ、右手の小指が単に左手の上に乗っかっているだけでなく、圧をかけなければいけない。その小さな圧が両手を一体化させるのである。

4) チェックポイントNo. 4

右掌はハンドルの右側に面しているべきである。バックスウィングに入る前に、そこに圧をかけること。

5) チェックポイントNo. 5

“[trigger]"

右手の親指と人差し指との間に隙間があるようなら、それら二つの指を共に引き締めること。ここの圧力がグリップのコネクションを確実にし、コントロールを最高に良くする。

6) チェックポイントNo. 6

右手の親指と人差し指の谷間の皺が、右肩を指すようにする(顎ではない)。

7) チェックポイントNo. 7

良いグリップには隙間はゼロでなくてはならない。右手の親指と人差し指の股にティーを挟んで、何回か素振りをし、ティーが落ちないかどうか確認する。

8) チェックポイントNo. 8

右手のグリップが正しければ、右手はフィンガーと掌の下方で握っている筈だ。フィンガーで握るとスピードが増す」

[icon]

私の場合、3、4、6のチェックポイントが満足に行われていませんでした。なお、この記事では触れられていませんが、名人たちの多くは右手人差し指を銃の引き金を引くように曲げており、私もそうしています。(右図)

【おことわり】Ernie Elsのグリップの画像はhttp://perfectgolfswingreview.net/にリンクして表示させて頂いています。

(March 04, 2020)

インサイドに引き、左脇を締め挙げるスウィング

先日、私はワン・ラウンドで(パー3を除く)七つのホールでバーディ・チャンスに恵まれました。それに成功したかどうかは別の話として、チャンスが七回あったいうことだけで素直に喜んでいます。というのも、言葉を替えればそれは七つのホールでパーオンしたということであり、第二打が格段に冴えていたということを意味するからです。

その遠因は、パー3攻略のための方策として始めたインサイド・アウトのスウィングにあります。「インサイド・アウト」は、スライス防止のためにゴルフ入門者が必ず教わる文句であり、別に珍しいものではありません。しかし、長年飛行線後方にストレートに引くバックスウィングをして大体においてまっすぐ打てていた私にとっては目新しいものでした。

この時、重要なことを体得しました。飛行線にスクウェアに(ストレートに)引くバックスウィンだと、私の場合トップで左肩突端がボールを指す位置で止まるので、ダウンスウィング開始と同時にすぐさま左方に戻り易い。本当は下半身(膝・脚腰)主導でダウンスウィングを開始すべきなのに、ダウンスウィングのためにスタンバイ状態である左肩は、下半身の動きを待たずに独走して上半身で打ちに行き易いのです(=手打ち)。これはアウトサイド・インの軌道でインサイドに引っ張り込み易くなり、インパクト時のクラブフェースの角度次第でスライスになったりプルになったりします。

“[pinch]"

ところが、バックスウィングを(両手が右足の真上を通過するように)インサイドに引くと、先ず左肩が鼻の左横に壁のように立ち塞がり、右肘が身体の近くに位置するのでダウンスウィングで右肘を右脇腹にくっつけ易い。練習魔で有名だったBen Hogan(ベン・ホーガン)のセーターは、この右肘が当たるため常に擦り切れていたそうです。ですから、この右肘の軌道は理想的と云えると思います。

さて、左肩です。これを“壁"と云いましたが、これが世間で云われる「左の壁」と同一のものかどうかは分りません。ウェブを経巡ってみましたが「左の壁」と称するものは百人百様で、どうも定説と云えるものはなさそうです。坂田信弘プロも「左の壁は過去の遺物、博物館送りのレッスンであります。ゆえに、今を境にお忘れ下さい」と云っています^^。

私は左肩そのものを壁と考え、それ以上ターゲット方向へは動かせない、だから上げるしかない…という風にスウィングしています。これは「左脇を締め挙げろ」(tips_94.html)というtipを実行することに他なりません。このtipはインパクト直前に写真①の赤矢印のように左肩を挙げ、インパクト後②青矢印のように後方に引くというメソッドです。この手法は正確さと飛距離の双方に貢献するもので、事実私の最近のスウィングは方向性が良くなっただけでなく、飛距離も伸びています。FLW(フラットな左手首)によってロフトが減ったせいかも知れません。アイアンでグリーンに乗せようとするショットに飛距離増は実はありがた迷惑です。距離と状況によりますが、上のようなスウィングをすると1/2〜1クラブほど飛距離が伸びてしまい、クラブ選択の方針の再検討を迫られています。

“[Minjee]"

言葉だけではよく解らないという方は、右の写真を御覧下さい。オーストラリア国籍のLPGAプロMinjee Lee(ミンジー・リー)のインパクトです。腰は先行して45°程度左に廻っていますが、左肩は廻るのではなく上がっていることを確認して下さい。左脇はぴっちり締められていて、隙間はゼロ。これこそ、「左脇を締め挙げろ」というtipの見本のようなスウィングです。

ある日のシニアのゲームで、No.11(232ヤード)の私のティー・ショットは、残り60ヤード地点まで転がりました。ピンまでのこの距離は私にとってはサンドウェッジの距離です。私はGPSの距離測定を信頼し、クラブの飛距離を信じ、上に述べたようにインサイドに引き左脇を締め挙げるスウィングをしました。期待通り、ボールはピンの下50センチでどんぴしゃと停止、方向性抜群でした。バーディ。

同じ日の上りのNo. 16(200ヤード)。私のティーショットはよく転がって残り30ヤードへ。私の虎の巻である「ピッチングとチッピングの距離調節・簡略版」だと、水平の30ヤードは60°ウェッジを8センチ短く持ち、左腕を水平にしたバックスウィングで得られます。この場合も、視認した距離感を信じ、私自身が考案した「距離調節」メソッドを信じ、肩をオープンにしないでスウィング。ボールはピン・ハイ1メートル左で停止。バーディ。

その数日後のゲーム。凄い上りのNo. 9(230ヤード)での私の渾身のティー・ショットは、“当社比"新記録の残り80ヤードまで飛びました。二打目のピッチングウェッジを上の方法で打ち、ピンの下方1.5メートルへ。バーディ。

《インサイドに引き、左脇を締め挙げる》スウィングは、正確なショットに結びつくと躊躇うことなく断言出来ます。なぜ、今までこのスウィングを発見出来なかったのか、非常に悔やまれます。

【おことわり】画像はhttps://www.womensgolf.comにリンクして表示させて頂いています。

(March 17, 2020)

ダフり病の特効薬

 

いくつもダフり予防の技を発見しながら、ある日のラウンドでまたもや二度もダフってしまいました(しかも連続で)。地面を見ると15センチもボールの手前を打っています。私はダフりは過度な体重移動が原因だとばかり考えていましたが、「手打ち」かも知れないと思われました。

“[aiming]"

このサイトを始めて間もない頃紹介し私自身こだわって実行していたテクニックに「トップの間(ま)」というのがあります。当時は「トップで動きを止めることに意味がある」という感じだったのですが、今回はそうではありません。

足腰はどちらかと云えばボールの近くを動くのに較べると、両腕はボールから最も離れて動きます。しかし、両者はどちらも「ドン!」で一斉にスタートして、しかもインパクトというゴールに同時に到着しなければならない。ところが、両腕は遠くで運動するハンデを恐れるせいか往々にして「足腰との競争に勝とう!」とでも云うようにフライングを犯します。両腕は足腰の動きと同期しなければいけないのであって、勝手なフライングを許してはいけません。

で、バックスウィングのトップで「間(ま)」を置くようにしましたが、やはりラウンドに一回ほどダフります。仕方なく、この『日記』の「テクニック別索引」のページで「ダフり」というキーワードで検索してみました。

『アイアンのダフりをストップせよ』(tips_151.html)という記事が目に止まりました。「ボールを見つめるからボール手前の地面を打つのだ。ボールのターゲット方向を見つめてスウィングすれば《アイ・ハンド=コーディネーション》の作用で、先ずボールを打ってから地面を叩くのでダフりにはならない」なるほど。やってみました。この記事の原文では「ボールのターゲット方向60センチを見よ」となっているのですが、私は10センチにしました。60センチは私の感覚では遠過ぎるので…。悩み一挙解決、大成功。

ボールのターゲット方向を見つめながらスウィングするのは、正確な方向性と軌道(高さ)を得るための「インパクトの研究」(tips_112.html)の基本でもあります。私はいつの間にかその基本を忘れ、ボールそのものを直視していたのです。

ボールのターゲット方向を見るようにした結果、次のラウンドではダフりは皆無で7オーヴァーで廻れました。その次のラウンドではバーディ二つを達成したのに8オーヴァーでしたが、そのまた次のラウンドではまた7オーヴァーで廻れました(バーディ二つ込み)。

こうして私は自分のサイトの記事に助けられたのです。いやあ、役に立ついいサイトですなあ(自画自賛)。

(March 17, 2020)

9メートルが入ったストローク

 

その日、私のパットは冴えませんでした。アウトは3パット一個も含め、18パット。1パットはたったの一度というお粗末。

No. 10(パー4)でもダブルボギーにし、「こりゃ今日は駄目だわい。キャプテンを拝命したのに恥ずかしい限りだ」とガックリ。No.11(パー4)、ティーショットをショートし、二打目もグリーンにショートし、四打目3メートルのパットに何の期待も抱かず「どうせ外れるだろ」と半ばふて腐れた気持ちで対処しました。それが入ってしまい、幸運なパー。

No.12(パー3)は寄せワンのパー。No.14(パー5)は寄せ切れずに9メートルのバーディ・パット。「こう長くちゃ入るわけない」と諦めの境地でストロークしたら、入ってしまい、バーディ。

No. 16(パー4)でも二打目のチップを寄せ切れず残り7メートル。「ちぇっ、なぜ今日は寄らないんだろ?」と不運を嘆きつつ、「パーでも最悪ではない」と思いながらストロークしました。それが思いがけず転げ込んでしまい、バーディ。

9メートルが入ったのは幸運なまぐれかも知れませんが、数ホール後に7メートルも入ったのですから、まぐれにしてもそれが出現する共通の下地があったのだと思われます。私にとって7メートル、9メートルなんて、プロの20メートル、30メートルのパット成功に匹敵する快挙です。

“[grip]"

実はその前日、私はLPGAトーナメントのTV中継を見ていました。長いパットがぼんぼん入る。憧れました。「なぜプロはあんなに長いのが入って、おれたちはせいぜい2メートルぐらいしか入らないんだろう?」と思っていました。彼らがプレイするコースのグリーンは、絨毯を敷き詰めたような滑らかな理想的状態。片や、こちらは雑草混じりでいつイレギュラー・バウンスに見舞われるか分らないグリーン。その違いかと思っていましたが、ちゃんとストロークすれば長いパットも入ることが分ったわけです。

この日のラウンド前、私はあるアイデアを試しました。そのアイデアとは、
1) スプリット・ハンズで、レフトハンド・ロー
2) パターのライ角を変えないようにセットし、シャフトの赤テープに爪先を揃えて立つ(写真右下)【新】
3) 左手生命線はパターの③に当て、右手生命線では⑥に当てる
4) 左手人差し指はパター・ハンドルの左側面に当てる【新】
5) 右手は親指・薬指・小指の三本だけで握る【新】
“[distance]" 6) 右手親指はパター・ハンドルの右側面に当てる【新】
7) 余った右手の人差し指と中指を左手首に絡める【新】
8) 左肘を伸ばす【新】
9) 右手の薬指・小指を左前腕中央に接触させ、ストロークの間じゅう離さない

【新】印以外は全て以前からやっている実績のあるものです。

(2)の「ボールとの距離」は、ライ角を変えずに「完璧なストロークの探究」(tips_193.html)の練習でいい結果が出た距離に立つためです。(4)の右手から二本の指を外すのは、右利きの人間は往々にして右手の力が強くなり過ぎるので、それを弱めるべきだろうというアイデアです。(3)と(5)は、パターをぐらつかせずしっかり保持するため。(6)と(7)は、左右両方の手を組み合わせて一体化し、左手首の自由を奪ってフェースのロフトを変えまいとする考えです。

私のパッティング練習法は、四個のボールを使って10メートルぐらいの距離からカップ目掛けて打つ。大体において失敗するので、ボールが届いた地点から次々にカップに沈める。次いで、四個のボールをカップから1メートル離れた東西南北に配置し、一個ずつ沈める。こうして寄せるパット、沈めるべきパットの両方を練習します。

9メートルや7メートルのパットが入ったのは、読み(狙い)通りにストローク出来たということに他なりません。私がプレイするコースの劣悪な(凸凹の)グリーンでのパットとしては、これは稀な出来事です。しばらく、この同じメソッドで通すことにしました。現在、ハーフだけとはいえ14パット、13パット、12パットなどのラウンドが増えています。絶好調とは云えませんが、「まあ好調」の部類だろうと考えています。

(April 04, 2020)

ショート病への特効薬

このほど、アウトのパット数11、インのパット数13、パット総数24で、スコアも7オーヴァーでした。文句無し。

その背景を御説明します。ここ数ラウンド、凄くいいパットをしているのに、10〜20センチほどショート…という無念なケースが続いていました。方向性は抜群なのです。一寸足りないのです(私の頭みたい(^^;;)。

中・長距離で練習しました。どうしてもショートします。私のスタイルはボールを叩くのではなく、振り子運動の幅で距離感を調節し、ボールを押しやるようにストロークするので、パワーは加えたくありません。しかし、私がボール位置からカップを見て練習ストロークする幅と距離が一致しないのです。力を入れれば届くかオーヴァーしますが、それは私の生理に反した行為なので、非常に不快感を覚えます。

“[2Barパター]"

実りなき練習にがっかりして帰宅した夜、寝床で「どのような練習をすべきか」考えました。名案は浮かびません。ふと、パターの重さを変えたらどうだろう?」と思いました。パターを軽くしたら同じストロークでもカップに届くのではないか?私のGuerin Rife(ゲリン・ライフ)製Two Barパター(マレット型)には、写真のように三種類の錘が付属品として付いて来ました。最も短く軽いものが14g、中サイズが18g、最も長く重いものが24gです。そのどれかをパター・ヘッドの二つの筒に装填します。年中プッシュする人はトゥ側を軽くする、プルする癖がある人はヒール側を軽くする…という調整法も可能です。

私は最も重い24gを二本装填していました。ヘッドが重い方がストロークが安定しますし、私がプレイしているコースのグリーンは早いからです。今回浮かんだアイデアは、二本とも中サイズの18gにしてみる…というものでした。ヘッドが軽ければ遠くへ転がるかどうかはやってみないと分りません。あくまでも仮説です。シニアのゲーム開始より早めにコースに赴き、実際のグリーンで試してみました。大正解!カップに転げ込むというわけではありませんが、ぴったりカップの横、あるいは10〜15センチほどオーヴァーという感じ。これこそ、私の求めていた距離感です。どうして今まで考えつかなかったのか!悔やまれます。

実際のラウンド、アウトではNo.5(パー4)でエッジから3メートルを捩じ込んでバーディ。続くNo.6(パー5)ではバンカーからパターで6メートルを転がし入れてバーディ(唯一、このガードバンカーだけ顎が低い)。No.9(パー4)では、二打目を70センチにつけてバーディ。11パットの3オーヴァーでした。久々の快挙。

インではさらにいいスコアを期待したものの、13パットの4オーヴァーでした。期待外れでしたが、トータル7オーヴァーで廻れたのですから良しとすべきでしょう。

自分の距離感に逆らうのではなく、パターの重さを変えることでいいパットが出来るようになりました。ストローク法を変えようとしたら、相当長期間もがき苦しむことになったでしょうが、錘を替えるだけで「あっ!」という間に改善されたのですから、自分でも驚いています。

【参考】私のパッティング・グリップ、ポスチャーなどは『9メートルが入ったストローク』(04/04)をお読み下さい。練習法については『完璧なストロークの探究』(tips_193.html)を御覧下さい。

(April 23, 2020)

ボールの真ん中をパターの中心で打つストローク

 

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)がある決定的なパットに直面した時、「私はパター・フェースのど真ん中で上向きに打つことだけに集中した」と云っています。私もここ数年、パター・フェースの中心でボールの真ん中を打つことに腐心しています。

そのための私の方策は《ボールと左肩の間を一直線にする》ことです。左手首が折れたり、左肘が曲がったりしてはボールの真ん中を打てません。トゥやヒール寄りで打つ恐れ大です。

“[lie_angle]"

また、《ライ角を変えない》工夫が必要です。私は"See More"パターの原理を応用してみました。パターのシャフトの下方に黒いビニールテープを巻きました(矢印)。この目印がパターヘッドの下端に揃うように角度を調節します。これは「完璧なストロークの探究」で(tips_193.html)で紹介した練習法をした際に、私が最も真っ直ぐストローク出来る角度に合わせています。

最後にボールと身体との間隔です。手・腕を一杯に伸ばして、上のライ角を変えない条件を満たしてもボールに近く立ったり遠く立ったり出来ます。私の場合、ボールからかなり離れて立つ方がいい結果が出ます。よく、目はボールの真上と云われますが、私にとっては目はボールの遥か下です。

その他、左脚がやや短い場合の膝の調整とか、体重の設定等に関しては過去に何度も触れましたので、今回は省略します。

最近私がパットに成功している心構えは、《ソフトにストロークする》ということです。温かくなって来たと思ったら、日中は23℃を越える日も出て来て、雨が数日降らなければグリーンはかなり早くなっています。ボールを叩くなんて以ての外で、「ソフトに押しやる」という感じがいい結果を生んでいます。

私は下りのパットでもない限り、以前のように仲間にピンを抜いて貰います。下りならストッパーとしてピンを利用出来ますが、その他の場合にピンで撥ねて出て行ってしまうのが嫌だからです。


(April 23, 2020)

左肩を挙げよ “[Minjee_Lee]"

ピンにデッドに向かう惚れ惚れするようなショットがいくつも出ました。

この日のNo.9(パー4)での第二打をお見せしたかった。ここの残り75ヤードは、私の場合、ピッチング・ウェッジを2.5センチ短く持つ距離。急な上りなのでピンの僅か右を狙い(上りはプルし易い)、バックスウィングでインサイドに引いてインパクト・ゾーンから左脇を締め、左肩を挙げるようにスウィング。ピンの真下1.5メートルにつきました。バーディ。

続くNo.10(パー4)。残り150ヤード。ボール地点は谷底でやや左足下がり。グリーンへはかなり上るので、私の場合18°ハイブリッドを2.5センチ短く持って打つ距離。これまでは、グリーンの右や左にボールを散布することが多かったのですが、現在の打ち方なら曲がらないことが判っていたので、ピンをデッドに狙いました。すると、ボールは上部だけ見えている旗竿を覆い隠すように飛び、一緒に廻っていた仲間を驚嘆させました。グリーンに近づくと、手前のエッジを僅かに越えたワン・ピンの距離についていました。イーズイ・バーディ…と云いたいところですが、ブレイクを読み切れずパー。残念。

No.14(パー5)の第二打は残り180ヤード。グリーンの前全面は花道など無い深めのバンカーでガードされています。刻むのなら24°ハイブリッドですが、正確に打てることが判っていたので18°ハイブリッドを2.5センチ短く持ち、バンカーの右を狙って打ちました。自分でも驚くような、注文通りの場所にボールが飛びました。しかし、勢いが足りずイレギュラー・バウンスでバンカー入りしてしまいました。2.5センチ短く持つ必要はなく、フル・ショットでよかったようです。いずれにせよ、一打で脱出しパー。

No.16(パー4)。ここでのティー・ショットはフェアウェイを真っ二つにするようなド真ん中の快打で、ボールはガードバンカーの手前、ピンまで30ヤード地点で停止。私自慢の「ピッチングとチッピングの距離調節」による寄せはピン傍50センチに寄り、バーディ。

以上の全ては今回のこのtipを読み返したお蔭です。

インストラクター集団GolfTec(ゴルフテック)の記事に「肩をフラットにするな」(tips_189.html)というのがあります。GolfTecは数万人のサンプルから導き出した最良のメソッドを教えてくれるのが特色です。

“[左肩]"

「プロとアマのあらゆるハンデを持つ40,000人のスウィングを分析した結果、プロとアマの差で際立っていたことの一つは、インパクトからフォロースルーにかけての肩の傾斜である。肩の傾斜は、左右の肩を結ぶ線と地面との角度で表される。偉大なプレイヤーたちはインパクトで約50°傾斜させるが(図の右)、ハイハンデの者はスウィングの間に傾斜の角度を失ってしまい、水平に近い肩のターンに堕してしまう(図の左)」

最近の私は「インサイドに引き、左脇を締め挙げるスウィング」(03/17)という記事に書いたスウィングをして、これまでとは見違えるように真っ直ぐターゲットに向かうショットが可能になっています。このメソッドの重要なポイントはインサイドにバックスウィングしても、インサイドにフォローを出さないことです。それだと盛大なプルになってしまいます。

トップからインパクトにかけては肩を水平に廻すのではなく、左脇を締めつつ左肩を挙げるようにすると真っ直ぐ飛びます。それは奇しくもGolfTecが説く《50°近い傾斜》を形成することでもあります。最初の写真のMinjee Lee(ミンジー・リー、オーストラリア)の左肩は約45°上がっています。

上のGolfTecの記事には「1〜2クラブの飛距離増もあり得る」と書かれていますが、全くその通りで、ピンに向かって真っ直ぐ飛んで行くのはいのですが、オーヴァーしてこぼれてしまうケースが増えています。私の個人的ヤーデージ・ブックの大幅改訂を迫られていて、鋭意作業中です。

なお、このテクニックはGolfTec以前に発見者がいます。野球のホームランバッターを観察して得たという興味深いもので、下記の下記の「左脇を締め挙げろ」という記事を御覧下さい。

【参考】
・「左脇を締め挙げろ」(tips_94.html)
・「プロとアマの違い」(tips_189.html)

(May 10, 2020)

自戒メモ

 

私がスランプに陥るのは、次のような重要な基本を忘れてしまう時です。

・アイアンを打つ時、ボールのターゲット方向約10センチを凝視する

 ついボールを見ながら打ってしまいがちですが、それだとボール後方をダフったり、ボールの天辺を打ってゴロを打ったりします。ボールのターゲット方向を見て、《アイ=ハンド・コーディネーション》を利用すれば、クラブのロフト通りの軌道で、通常の飛距離を得ることが出来ます。

・アイアンを打つ時、手・腕先行で打ちに行ってはいけない

 手・腕先行はシャンクを打つ理想的方法です。そもそもアイアンは目一杯飛ばす道具ではないので、力んではいけない。「いいスウィングをしよう!」とだけ考えれば、比較的穏やかなスウィングで、いいボールを打つことが出来ます。もちろん、シャンクにはなりません。

・パー3では肩を充分廻す

 パー3では「安全に真っ直ぐ飛ばそう」、「ゆっくりのスウィングだとプッシュしがちだから、早めのスウィングをしよう」、「ちゃんとコックしてストレートな軌道を得よう」等々、色んなことを考え過ぎ、とどのつまりプッシュやプルを打ってしまう。やっと気がついたのですが、こんな風にあれこれ考えた時は、左肩を充分廻していない。それがプッシュやプルの原因でした。

 私の「左肩を充分廻す度合い」は、左肩の突端がボールの真下に到達した時です。これ以上でも以下でも、いけません。

・ダウンスウィングで、右肘はズボンの右ポケットを追い越さないこと

 これは「正確無比なショットの秘訣」(tips_185.html)に書いたtipで、手打ちを防ぐ秘訣なのですが、このところとんと忘れていました。ある日、この記事を思い出して実践したら、途端に球の切れ味が良くなり、「これを忘れるなんてドジだったなあ!」と思わされました。

 上の「左肩を挙げよ」とこの「右肘はズボンの右ポケットを追い越さない」の併用は素晴らしいです。


(May 10, 2020)

ゴルフ・スウィング、プロとアマの違い

これは’Athletic Motion’(アスレティック・モーション)というインストラクター・グループの研究結果ですが、インストラクター集団GolfTec(ゴルフテック)のプロとアマのスウィング分析に似たような趣向です。ただし、この記事はべからず集なのに、見出しが平叙文で書かれているため、読む方が「こうしろと推奨しているのか?」と間違えてしまうので逆効果になっています。【私は「間違い」という言葉を付け足しました】

いくつか参考になる点を紹介したいと思いますが、沢山の図解を模倣するのは大変なので、興味がある方はオリジナルのウェブサイトの図解を見て下さい。https://golf.com/instruction/state-of-the-art-technology-reveals-the-10-biggest-golf-swing-killers/

“[Jessica

‘Swing smart: Five moves to avoid at all costs’
by Luke Kerr-Dineen (‘Golf Magazine,’ Mat 2020)

▼アマの間違い・その1:バー・ストゥールに腰掛けるようなアドレス

これは体重の大部分を踵の後ろに位置させてしまうため、俊敏に動くことを難しくする。これはバック・スウィングでバランスをとるため、爪先に体重を移しがちになる。バー・ストゥールに腰掛けるポスチャーではなく、すっと立った体勢で、体重をくるぶしの上にかけるべきである。

▼アマの間違い・その2:インサイドへのテイクアウェイ

プロはターゲットラインと平行にテイクアウェイを行う。アマはあまりにも急角度に内側にクラブを引いてしまう。

【編者独白】私はドライヴァーではターゲットライン上でテイクアウェイし、左肩を右に回転させながらインサイドにクラブを引きます。アイアンでは、インサイドにテイクアウェイします。実績によって判定すべきではないでしょうか?

▼アマの間違い・その3:過度にシャットなクラブフェース

テイクアウェイでクラブフェースをボールや地面に向けたままにしようという努力は、バックスウィングを非常に難しくし、ダウンスウィングでクラブフェースをスクウェアにするのを困難にする。プロは、クラブフェースが身体の正面を向くテイクアウェイをする。

▼アマの間違い・その4:回転深度を欲張る

バックスウィングの初期に、左腕を身体の後方に深く廻そうと試みる風潮は問題である。この動作はスウィングの弧を失い、右腕を過度に折る原因となる。出来るだけ幅広いスウィング弧をキープし、捻転による深度を得るべきだ。これなら、ダウンスウィングでパワーが得られる。

【編者独白】肩の捻転を増せば増すほどいいというものではないことは、私の「草を抉(えぐ)る」(tips_168.html)というテストが証明しています。私の場合、左肩先がボールを指す度合いが最適の捻転で、それ以上でも以下でもちゃんと打てません。

▼アマの間違い・その5:右肘の崩壊

プロのほとんどの、バックスウィングでトップで右肘を折る角度は55〜85°以内である。アマの多くは95〜125°も折ってしまう。これはパワーの偉大な損失である。右腕はダウンスウィング開始の際の主な加速装置であり、バックスウィングで伸ばし続ければ、肩の捻転を増すことに繋がる。

【編者独白】プロの多くは肩を廻すだけでなく、両手をとてつもなく高く上に挙げていますね。【上のJessica Corda(ジェシカ・コーダ)の写真参照】しかし、右肘はかなり折れているようです。私はモウ・ノーマンのシングル・プレーン・スィングを採用しているので、かなりフラットです。

▼アマの間違い・その6:腰の水平回転

ボールが腰の高さにティーアップされているのなら、単に身体を回転させて打てばよい。しかし、地面にあるボールを打つのだから、身体は斜めに回転しなくてはならない。バックスウィングのトップでは右腰が左より高くなるように感じるべし。鏡の前で練習する場合、ベルト・バックルが水平でなく斜めに見えるかどうかチェックすること。

以下の部分は、私にはよく解らないので割愛します。

▼アマの間違い・その7:バックスウィング後半でパワーを蓄える
▼アマの間違い・その8:ダウンウィングで腰を突出させる
▼アマの間違い・その9:両腕の動きを控え目にする
▼アマの間違い・その10:ラグの追跡

’Golf Madazine’誌で紹介されたのは、Nos. 1、2、5、6、8だけです。No.3は上記ウェブサイトから補いました。

【写真はhttps://www.australiangolfdigest.com.au/にリンクして表示させて頂いています】

(May 21, 2020)

チッピングでは左手首をフラットにせよ

 

私はこのサイトでずっと以前からFLW(Flat Left Wrist、平らな左手首)の重要性を説いて来ましたが、やっとチッピングに関する記事で同じ方法論に出会いました。チッピングだけじゃなく、パッティングでも大事なことなんですけどね。

‘Keep your left wrist flat’
by Cheryl Anderson (‘Golf Magazine,’ February 2020)

「チップする時、最悪のことの一つはボールを上げようとすることだ。上手いプレイヤーは(手や手首でなく)クラブのロフトがボールを宙に浮かべるのだということを知っている。その結果、彼らの手首は積極的に動くことをせず、もっと重要なのだが左手首を平らにキープしようとする。

左手首をフラットにするのを身につける簡単で安価な方法は、ペンキをかき混ぜる木べらを手袋に差すことだ。【註】この木べらは左手首をひょこっと動かすことを不可能にする(動かそうとすると、前腕部にぶち当たる)。実際、あなたの左手首はフラットな状態を保つ以外の選択肢がなくなってしまう。あなたが正しく行えば、インパクトの際、木べらと前腕部の間に日の光が差し込む隙間を作り出せる筈だ。

【註】この木べらというのは約20センチぐらいのものです。その位の長さで、へにゃへにゃしないものなら、何でもいいと思います。

御褒美?グリーン周りのどこからでもピュアに打てることだ」

 


(May 21, 2020)

バンカーの研究 “[Natalie

私はエクスプロージョン(爆発)型ではなく、スプラッシュ(註)型バンカー・ショットを選択しています。何故なら、私がプレイしている市営ゴルフ場には九つのバンカーがありますが(以前はもっとあった)、そのうち六つまでが雨の後固く締まって、とてもエクスプロージョンなど不可能だからです。海岸の白砂ではなく、荒い砂を洗って篩(ふる)って粒子を細かくし、色を白くしたというだけの安い砂だからだと思います。また、砂の層が薄く、1センチ下は固い地面…というバンカーさえあります。

【註】お風呂で、掌で湯の表面をやや下向きではあるが極めて浅い角度で叩くと、バシャーッと飛沫が飛び散ります。あれがスプラッシュで、スプラッシュ型バンカー・ショットも同じように浅い角度でクラブヘッドを動かし、砂の飛沫を撥ね散らかします。

固いバンカーだと、ボール後方数センチにウェッジを潜らせようとしても潜らず、跳ね返ったヘッドでボールの天辺を打ってしまい、盛大な場外ホームランを生じます。こういうバンカーでは、とてもエクスプロージョンなど出来ません。問題が一つあって、九つのバンカーのうち三つは雨が降っても固まらないソフトな砂なのです。なぜ、一つのゴルフ場に二種類の砂があるのか理解出来ませんが、われわれはその二種類の砂の対処法を身につけていなくてはなりません。

“[tsunami]"

お恥ずかしいですが、数の多い固い砂のバンカーに慣れたものの、ソフトな砂のバンカーでは初心者のようなミスを犯すことがありました。やっと気がついたその原因の一つは、固いバンカーと同じように足を砂に潜らせず、充分に砂を取らなかったせい。もう一つはスウィング法とクラブの種類です。

スプラッシュ型バンカー・ショットは、砂を爆発させるのではなく、砂の表層部を引っ掻くようにして「砂の津波」(アニメ参照)を起こさせます。この動作は、レーキを深めに動かして砂を均すのに似ています。爆発型はVの字のスウィング(シャープな上下動)ですが、スプラッシュ型はUの字で、地面でのインパクト・ゾーンを長く水平にキープします。どちらの場合も砂の抵抗を排除するため、一定のスウィング・パワーは必要です。

ある日、ゴルフ場に行き、ラウンドはせず、バンカー・ショットの練習だけ行いました。九つのバンカー全部で砂の質とバンカー・ショットの組み合わせを試したのです。私には「バンカー・ショットの距離調節・完全版」(tips_195.html)という方法があり、三つのウェッジ(ロブ、ギャップ、ピッチング)を使い分けて、10〜30ヤードを打ち分けます(上手く打てた場合ですが)。しかし、ソフトな砂のバンカーでギャップ・ウェッジやピッチング・ウェッジを使うと、ヘッドが砂にめり込み、距離がちゃんと出せません。これが初心者風ミスの原因でした。試みにサンド・ウェッジを使ってみたら、(当然ですが)バウンスがめり込みを防いでくれるのでうまく行きました。

“[wedge]"

次の日はソフトな砂のバンカー三つだけに焦点を当てて、サンド・ウェッジだけで練習をしました。サンド・ウェッジ一本だけで距離調節をするのは難しいのですが、目安として次のような法則を得ることが出来ました。
20ヤード:サンド・ウェッジを16センチ短く持って(図のdの位置)、左手・腕が胸の高さ(腕は地面と平行、図の3の位置)でコックする。
15ヤード:サンド・ウェッジを18センチ短く持って(図のbの位置)、左手・腕は胸の下の高さでコックする(図の2の位置)。
10ヤード:これは難しい。ウェッジを短く持って、かなり短いバックスウィング。

いずれの場合も、次のポイントを厳守します。
1) 両足を砂によく埋める。(自然に砂を取ることが出来る。取らないとホームラン)
2) 左腕を真っ直ぐ伸ばしてアドレス。(これがスウィングの半径なので、絶対縮めないこと。縮めるとホームラン)
3) 両手を低く構える。(=オープンフェース)
4) 左肩を充分に廻す(肩先が砂への突入地点を指すまで廻す)。【パワー源その一】
5) トップでクラブヘッドが天を指すぐらいコックする(腕とシャフトの角度が90°になる)。【パワー源その二】
6) 急がず、しかし、砂の抵抗に負けないパワーで「砂の津波」を発生させる。

この日、バンカーからのチップインが数回ありました。そして、次の日のシニアのベスト・ボール、No.5の20ヤードのバンカー・ショットをチップインさせました。即効がありました。

エクスプロージョン型は「ワン・ツー!」のリズムで勢いよく打つ必要があるでしょうが、スプラッシュ型は「ワン・アンド・ツー」のリズムがいいようです。「アンド」で息を抜き、穏やかに「砂の津波」を起こします。

結論:固い砂では三種類のウェッジ(ロブ、ギャップ、ピッチング)を使う。ソフトな砂ではサンド・ウェッジを使う。

【参考】
・「バンカー・ショット、二つの流儀」(tips_153.html)
・「スプラッシュ型バンカー・ショットの修得」(同上)

【写真はhttps://i.ytimg.com/にリンクして表示させて頂いています】

(June 01, 2020)

パット不調を頭の使い方で乗り切る

最近の数ラウンド、二度ほど7オーヴァーで廻れたことはあるものの、全般的にパットが不調で、パット総数29、30、31、32…などという体たらくでした。「何とかしなきゃ!」と思って、改善策を考えました。

[Bryson DeChambeau]

先ず浮かんだのがパターを換えるという案ですが、これは数日間練習してフィーリングとタッチに慣れないと不安です。とても即効薬になりそうもありません。もう一つの案は、当サイトの「テクニック別索引」の「パッティング」の項を全部読み返すというものでした。何か忘れていることがあると思われたからです。

読み返すにしても、最新の記事から読み返すのと、最古の記事からと二通りあります。比較的新しいものは、まだ覚えていて実際に実行している筈ですから、多分抜けはない筈。で、最古の方から読み直し始めました。

Tips Archive(Tips書庫)35ページ目の「パッティングの三つの型」(tips_35.html)というtipで、ふと立ち止まりました。これはアドレス・ポスチャーとストローク法の最適の組み合わせを研究した、あるインストラクターの論文です。私のようにストレート・ストローク法(バックストロークもフォワードストロークもラインに真っ直ぐに打つタイプ)は、「Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のように首・肩が地面とほぼ平行になるほど屈んだ姿勢」が推奨されています。「えーっ?」私はちょっと驚きました。この要素は、とんと忘れていたからです。しかし、半信半疑のまま、「これだ!」とまでは確信出来ませんでした。

Tips Archivesの72ページ目に至り、「ボールを見る方法」(tips_72.html)という私自身の研究論文にぶち当たりました。これは、別の角度・別の実験から「首を地面と平行に曲げるべきだ」という結論に達したリポートです。それを実行し始めた二か月後、「パッティングの際の頭の角度」(同上)という記事で、私は「少なくとも日に二回は超ロングパットが入るようになった」と報告しています。遂に「これだ!」と思いました。残る127ページは全て読まずに済ますことにしました。

翌日のラウンド、いきなりパット総数が減ったわけでもなく、超ロングパットが入ったわけでもありませんが、大事なパットをいくつか成功させて面目を保つことが出来ました。パット総数28は最近としてはまあ上々の部類で、スコアも6オーヴァー。後半はハーフ1オーヴァーで廻れました。

“[neck]"

この日は、先ず背を伸ばし、次いで上半身を股関節から前傾し(背は伸ばしたまま)、首だけを曲げて頭を地面と平行にしたのですが、図の左の熊(Jack Nicklaus)のように肩まで曲げ、頭を肩より下にしたりはしませんでした。私はJack Nicklausのポスチャーを(『ノートルダムのせむし男』の主人公の名前からとって)カジモド型と呼んでいます。彼は両腕をパンタグラフのように左右に突き出すので、結果的に非常に低い体勢に出来ます。私のように左手・腕とシャフトを真っ直ぐ伸ばした場合、彼のような低い体勢を取るのは不可能です。しかし、図右の虎(Tiger Woods)あるいは右の写真のBryson DeChambeau(ブライスン・デシャンボー)程度になら出来なくはありません。

次のラウンドで、怖(お)めず臆せず肩を曲げてから頭を地面と水平にしてみました。パット総数は前回より1ストローク増えてしまいました。しかし、七つの寄せワンを達成出来たのは、このポスチャーのお蔭だと思っています。

Jack Nicklausは、なぜ肩を曲げ頭を地面と平行にするといいのか、その理由を著書で説明していません。私の17年前のリポート(「ボールを見る方法」)も実験の結果それが良かったというだけで、なぜ良いのかを解明出来たわけではありません。しかし、今回鏡の前で練習を重ねるに連れ、その秘密の一端が解けたような気がします。

写真のBryson DeChambeau(ブライスン・デシャンボー)同様、私も肩の付け根から腕・手・シャフトを完全に真っ直ぐにします。手・腕を縮めなければ、ボールの中心をパターの中心で打つという目的は完全に達成される筈です。肩を曲げ、首と頭を地面に水平にすると、パターをぶらんとぶら下げることが出来ます。そのまま、パターを身体の前に突き出すと、二の腕に緊張を感じます。同様に、パターを身体に近づけても二の腕に緊張を感じます。緊張状態は重力をフリーに使うことを妨げ、ぎくしゃくしたストロークにしかねません。

パター・ヘッド(=ボール位置)がどこであれ、二の腕が緊張を感じない角度を探しました。ちゃんとゴルフ・シューズを履いてテスト。私の場合、目をヘッド(=ボール位置)の下方6.5センチに置く位置が最も腕の緊張を感じませんでした。この体勢でストロークすると、私の重いパターが軽く感じられます。

「パットの方向性を良くする裏技」(tips_195.html)の良さも再発見しました。「左肘を伸ばそう!」などと気張ると左の二の腕が100%緊張します。私の裏技は「左前腕をほんの僅かターゲット方向に捩じる」というものですが、これを実行すると左肘はちゃんとロックされるものの、左前腕に緊張を感じたりしないのです。大きな違いです。このtipも左手・腕を縮めず、ボールの中心をパターの中心で打つことを助けてくれます。

最近のラウンドで1.5メートルの下りのスライス・ラインと、もう一つは2メートルのスライス・ラインで、バーディを射止めました。どちらも難しいラインでしたが、読みが良かっただけでなく、上に書いたように手・腕のどこにも緊張を生じない体勢を心掛けたのが勝因だと考えています。緊張しないと、当然ギゴチなさなどなくフリーな感じでストローク出来るので、距離もぴったりに打てる気がします。

【追記】この記事をアップした数日後のラウンドで、約5メートルのパットを成功させることが出来ました。

【参考】「首・頭を地面と平行にしてパット」(tips_155.html)

【画像はhttps://s3.amazonaws.com/にリンクして表示させて頂いています】

(June 13, 2020)

「砲台グリーンへの斜面からのチップ」の改訂

 

市営ゴルフ場のNo.6(パー5、ホールハンデ No.1)のグリーンは難物です。グリーンは右に急傾斜しており、グリーン中央に落下したボールはごろんごろん右の崖下へと転落してしまいます。この場合、ボールの停止する平均距離はグリーン中央まで40〜50ヤード。そこからはピンの上部しか見えない急斜面で、大半のゴルファーが寄せにショートします。

グリーンの左サイドを狙うのが鉄則なのですが、過剰に左に曲げるとバンカーに捉まります。バンカーの右端〜5ヤードぐらいの中間を狙うのがベスト。ただし、そちらからのパットはもの凄く早いので、一難去ってまた一難ではありますが…。

“[hell]"

その日、私の三打目はグリーンの左ではあるものの、バンカー寄りではなかったため、ごろごろ転げてしまい写真の赤矢印のところで停止しました。行って見ると、ピンまでは目測で15ヤード。しかし、左足上がりの傾斜は少なくとも15°はあります。私の「砲台グリーンへの斜面からのチップ」(tips_197.html)の公式によれば、30ヤードのショットとして打たねばなりません。

なぜ、そんなに長めに打つのかというと、15°の傾斜の地面に沿って立つのですから、膝も腰も肩も15°に傾斜させなくてはならない。そして私の愛用の60°ウェッジのロフトは15°増えて75°ウェッジに化けてしまい、高あ〜〜〜く上がるだけで飛距離は全く出ないのです。

しかし、この日私は実際には30ヤードではなく、25ヤードとして打つことに決意しました。この日のここまでのプレイで、私はグリーンが非常に乾燥しており、ランが多いことを痛感していました。それで計算より5ヤード減らすべきだと考えたのです。ピンの僅か右上を狙い、たった15ヤードの距離を25ヤードとして打ったチップは、高〜く上がって着地後ガツン!という金属音を響かせました。チップイン、バーディ!私は大声で「イエーイ!」と叫びました。こういう時は大袈裟に騒がないと、チップインする様子を見ていなかった者は信じてくれないからです。カップに歩み寄った私は、その底から手品のようにボールを取り出し、高く掲げました。

この経験で私は悟りました。これまで「砲台グリーンへの斜面からのチップ」で一度もチップインが出なかったのは、ランを見込まなかったせいである…と。【[距離+地面の傾斜角度]=チップの飛距離】と計算していたのは浅はかでした。ランを平均5ヤード見積もり、【[距離+地面の傾斜角度ー5]=チップの飛距離】とすべきだったのです。もちろん、5という数字はグリーンの勾配(上りか下りか)によって増減させます。


(June 13, 2020)

方向コントロールのアイデア

「ドライヴァーでストレートに飛ばす秘訣」(toips_??.html)で、私はカナダの異才Moe Norman(モゥ・ノーマン)風にボールの後方約15センチにドライヴァーをアドレスし、そのフェースの直前の地面(写真の青丸)を凝視しながら打つ…という手法を書きました。これは上昇軌道でボールを打つため、滞空時間を伸ばすことで飛距離増を得ることが出来ます。また、両腕を伸ばしてMoe Norman流でフラット目なスウィングをすることによって、クラブフェースの真芯でボールを捉えるので、安定した結果を得ることに繋がっています。

ラウンドを重ねるにつれ、その15センチを増減することによってボールの方向をコントロール出来ることに気づきました。例えば、私がプレイする市営ゴルフ場のNo.18はフェアウェイの右側20ヤードほどはほぼ平らなので、グリーンをヤーデージ通りに狙えます。しかし、その20ヤードの範囲から左は崖が崩れたかのように谷になっていて、そこからはかなりの打ち上げになります。距離のコントロールも難しい。

ですから、フェアウェイの右サイドを狙ってティーショットを打つのが至上命題です。これまでは幸運にも右に打てたという時しか、そうした好結果は得られなかったのですが、このところ、毎回その理想的地点に打てています。右サイドは高いせいで地面が乾き易いためランも多く、私よりも強打者たちを遥かにアウトドライヴ出来たり、寄せの距離が短くなって正確に打てる…などいいこと尽くめです。

[tee up]

どうやってそれを可能にしたか?簡単です。図の青丸とクラブヘッドを5センチ左側に移す(ボールに近づける)のです。すると、クラブヘッドは(青丸が15センチ離れていた通常の時より)早めにインパクトを迎えますから、フェースがややオープンの状態でボールを打つことになり、絶対に左の崖の方には行かないのです。

逆もまた真です。フェアウェイ右側に林がある時は、青丸とクラブヘッドを3〜5センチほど右側に移します(ボールから遠ざける)。これだと、ボールとクラブヘッドの距離は18〜20センチになります。この場合、通常よりクラブフェースがクローズ目のインパクトになるため、絶対に右には飛びません。

いずれの場合も青丸を凝視して、アイ=ハンド・コーディネーションによって青丸地点をスウィング弧の最低点にしなければなりません。ボールを見てしまうと、そこがスウィング弧の最低点になるので、上の方法は全く無意味になってしまいます。

僅か数センチの調節で安全かつ理想的な場所へ着地させられるのです。これは重宝です。

(July 15, 2020)

クラブを変えてバンカーの距離調節

以下の記事はインストラクターの組織であるPGA of Americaの中の、GolfTec(ゴルフテック)というグループが'Golf Magazine'誌と提携して出版した本より。

'Golf Magazine's The Par Plan'
powered by GolfTec edited by David Denunzio (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)

「ピンが直近にあるというのに、急速にフルスウィングするというのは心理的に難しいことだ。しかし、それこそバンカーであなたがやるべき使命なのだ。あなたはフェアウェイの50ヤード付近からのウェッジ・ショットをするかのように、バックスウィングよりも長いフィニッシュをし、トップからインパクトにかけて加速し続けなくてはならない。アドレスでクラブフェースをオープンにし、ホームランを恐れず、ハードに砂にクラブヘッドを打ち込めれば問題はない筈だ。

ピンまで様々な距離と色々なライに遭遇しても、常に同じ速度でスウィングすべきだ。スウィングを早くしたり遅くしたりして距離のコントロールをしようとすると問題が生じる。遅くしようとする瞬間は、ちょうどクラブが砂に突入する瞬間であり、クラブを砂の下で滑らすことに失敗してしまうし、また、スウィングを早くしようとする瞬間は、ちょうど身体を持ち上げようとする瞬間であり、ボールをトップしホームランを放ってしまう。

距離をコントロールする良い方法は、スウィングは変えずにクラブを変えることだ。アドレスでクラブフェースをオープンにし、スタンスラインに沿ってスウィングする限り、どのクラブを使ってもバンカーからでは通常の飛距離のほぼ1/3飛ぶことに変わりはないからだ。飛行距離を増やしたければ、スウィング速度と幅は同じにして長いクラブを選べばよい。距離が短ければ、スウィングは変えずに短いクラブを選ぶ。サンドウェッジだけにしがみついていてはいけない。他のウェッジや9番アイアン、8番アイアンだってバンカーから寄せるのに役立つ。スウィングを変えてミスする危険を犯すよりずっとスマートである」

 

 

クラブ通常の飛距離 バンカーでの飛距離
ロブ・ウェッジ60ヤード 15ヤード以内
サンドウェッジ75ヤード 15〜20ヤード
ギャップウェッジ90ヤード 20〜25ヤード
ピッチングウェッジ115ヤード 25〜35ヤード
9番アイアン130ヤード 35〜45ヤード
8番アイアン145ヤード 45ヤード以上

 

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私の場合、ピンまで10ヤードだとロブ・ウェッジ、固い砂のバンカーで15ヤードから20ヤードは、シャフトを持つ長さを変えてギャップ・ウェッジを使い、25ヤード以上はピッチング・ウェッジを使います。砂がさらさらのバンカーではサンドウェッジのバックスウィングの長さを変えることで15〜20ヤードを打ち分けています。ボールが顎に近くフォローが出せない時は、9番アイアンを打ち下ろすことにしています。

【参考】「バンカーの研究」(06/ 01, 2020)

(July 25, 2020)

シャンクの原因

 

最近、アイアンで何度かシャンクしました。どの場合も、「レイト・ヒットをしよう!」などと考えて手首を固くした時に起こりました。レイト・ヒットは肩・腕・手首の仕事ではなく、下半身主導の仕事なのに。最後までコックを維持してヒットダウンしよう…などと考えるのは邪道でした。

左膝をターゲット方向に動かすのがダウン・スウィングの第一歩で、次いで腰が廻る、肩・腕・手が廻る…という順番でなくてはなりません。手も手首もフリーの状態にし、インパクトで自然に返るべきなのです。手首が固いと自然に返らずシャンクになるようです。

(August 08, 2020)

方向性を良くする秘訣

 

[takeaway]

最近パー3(スリー)でワンオンしなくなってしまったので、過去に書いた『日記』を読み直そうとしました。確か「パー3に乗せる法」と題して書いた記事があった筈でしたが見当たりません。私のコンピュータ内で検索すると、ありました!「パー3に乗せる法・解決篇」となっていて昨年12月の日記に書いたものです。どうやら、Archivesに採録し損なったようです。今回、ちゃんとアップロードし直しましたので、お読みになりたい方は tips_197.html の末尾に近い方の記事を御覧下さい。

私は色々なコツを発見をする名人なのですが、情けないことに次から次へ発見をするもので、古いものをどんどん忘れ去ってしまう名人(?)でもあります。しかし、この「パー3に乗せる法」も“解決篇"と銘打っただけあって、とても役立つtipです。

[follow through]

当時の私の発見は《正しいコック、正しいトップは、両手が右脚の脛から上を通過する軌道で得られる》というものでした。これは私がSwinGyde(スウィンガイド)という練習器具を使って発見したことです(体型によっては若干異なるかも知れませんので、軌道は各自研究して下さい)。パー3でこのスウィングをしたら、距離はともかく方向性は抜群になったのです。正しいトップが得られるせいでしょう。

ある日のラウンド開始前、パー3だけでなくハイブリッドやアイアンによるアプローチ・ショットの全てに、この手法を使ってみようと決意しました。四つのパー3のうち、二つにワン・オンし、どちらもパーを得ました。他のアプローチ・ショットでも「これはいい!」と思える手応えがありました。狙った方角に真っ直ぐ、しかも以前に増して飛距離が伸びるようです。

私は上述のテイクアウェイ軌道によるバックスウィングをした後、身体が正面を向くインパクトを心掛けています。普通は身体の左サイドが盛大にターンし、左肩がターゲットの遥か左を向くところですが、やや窮屈ながら左肩がターゲットを指すインパクトになるよう努めます(右図)。スウィング軌道とインパクト、これら二つのアクションをペアとして行うのがコツだと考えます。

次のラウンド、上の方式によりNo.4(パー3)では、2.5メートルほどピン手前にワン・オン。No.12(パー3)では「ホール・イン・ワンか!」と思われたほどピンに向かって真っ直ぐ飛びました。冗談に「あんたらの好きなビールは?」と祝い酒の注文をとったほどです。行って見ると、ボールはピンの1.5メートルほど向こうに止まっており、みんなにビールを奢るまでには至りませんでした^^。しかし、難なくバーディ・パットを沈めることが出来ました。


(August 15, 2020)

チップ・ショットの軌道(高・低)を変える正しい方法

 

この記事の筆者Michael Breed(マイケル・ブリード)は、The Golf Channel(ゴルフ・チャネル)のインストラクション番組で、早口でけたたましく喋るのが特徴だったレッスン・プロ。

'Chip to any pin'
by Michael Breed with Peter Morrice ('Golf Digest," January 2020)

「多くのゴルファーが、高くチップしたい場合はボール位置をスタンス前方(ターゲット側)にし、低くチップしたい時はボール位置をスタンス後方にする。だが、こういう風にボール位置を変えるのは、ボールの方向と接触点を狂わせてしまう。

そうではなく、ボールと身体をどれだけ離すか、その間隔を変えるべきである。高く上げたい時はボールから離れて遠くに立ち、低く打ちたい場合はボールに近く立つ。近く立つ時には数センチほどクラブを短く持つ。

ボールと身体の距離で、どうして軌道が変わるのか?その間隔は地面とシャフトの角度を確立するが、その角度がスィング軌道をアップライトにするかフラットにするかを決定する。ボールから離れれば、ロフトが増えた浅くフラット目のスウィングになり、ボールに近く立てば、ロフトが減った急角度のスウィングになる。

これがボール軌道を変えるシンプルな方法だ」

 

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私も高い軌道にして早くボールを止めたい時は、ボール位置をスタンス前方、ランを多くしたい時はスタンス後方にしていました。それが必ずしもうまく行かなかったのは、上に述べられているように、「ボールの方向と接触点を狂わせてしまう」ということだったからのようです。

私の場合、『ピッチングとチッピングの距離調節』(tips_195.html)はシャフトを握る長さで飛距離を調節しますので、15ヤードならボールと両爪先との間隔は25センチ、35ヤードなら38センチ…と自動的に決まってしまいます。ですから、シャフトの長さは変えられません。

それでもボールに近く立ったり遠く立ったりは出来ますが、ライ角が変わるので正確に狙った方向にボールを打てるかどうか心配になります。


(September 01, 2020)

砲台グリーン10ヤードのピン傍に寄せる

 

[pitch & chip]

上の「チップ・ショットの軌道(高・低)を変える正しい方法」という記事を参考にして、10ヤードのチップが確実に出来るようになるかも知れない…という希望が湧きました。私の場合、60°ウェッジのハンドルの再下端(図のa)を握り、シャフトが地面と平行になるバックスウィング(図の2の位置)をして15ヤードであり、10ヤードのチップというのは非常に困難でした。「地面と平行」以下というのは目安が無いため、ちゃんと一定の距離を打てなかったのです。【参照「ピッチングとチッピングの距離調節」(tips_195.html)】

私のコースのグリーンはほとんど砲台であり、しかも地面は凸凹しており、エッジの芝も長いので、転がし上げるのは無理(それでも無謀にも転がす人は多いですが)。私はボールを宙に浮かべて寄せるのがベストだと思っています。しかし、10ヤードのチップをマスター出来ないのは私の“泣き所"でした。

私の15ヤード以上のチップは「ワン・アンド・トゥー」というリズムで打ちます。10ヤードは短過ぎてそのリズムだとチョロしたりトップしたりなので、仕方なく「ワン・トゥー」と早いスウィングで打っていました。これは私の本来のリズムではなく生理的に不快であり、無用の力(パワー)が篭ってしまったりして、ピンをオーヴァーする難がありました。

砲台グリーンへの10ヤードチップを、ボールから遠くに立って練習してみました。ボール位置はスタンス中央。バックスウィングのトップは左腕が地面と平行になる地点で、リズムは「ワン・アンド・トゥー」。ただし、クラブフェースとスタンスをオープンにし、スウィング軌道をスクウェアにしたりオープンにしたり。

オープンフェースのスウィングはとても難しい。6ヤードで止まってしまうこともあるし、トップする危険もあります。素人はやらない方がいいようです。やはりスクウェアに打つのが安全ですが、距離のコントロールは完璧に行きません。

「待てよ?バックスウィングのトップを右の膝小僧と決めたら、確実に10ヤード打てないだろうか?」というアイデアが湧きました。練習すると、この高さのバックスウィングではショートばっかしでした。力を入れれば、10ヤード近辺に届くこともありますが、力加減というのは一定させるのは不可能に近いので、あくまでも同じスウィング幅、同じリズムで打てる方法を見つけたい。

しばらくして名案が浮かびました。トップは右の膝小僧にしながらも、シャフトの長さを変えたらどうか?私のシステムでは【シャフトの長さ=パワー】なのですが、これですと不安定な力加減とは異なり、一定のスウィングで距離を変えられます。(b)の位置で握って右の膝小僧のバックスウィングをしてみました。まだショート。(c)の位置で握ってみました。ピンポーン!10ヤードぴったしに打てました。短いショットは、クラブを短く持って短いスウィングをするのだろうと思っていたら、長く持って短いスウィングをするという意外な組み合わせを発見したのです。これで“泣き所"が無くなることを祈ります。

上のテストは、あくまでも地面が平らな状況を前提にしています。地面が傾斜していれば「砲台グリーンの斜面からのチップ」(tips_197.html)の法則に従い、その角度に相当するよう距離を長く見積もらなければなりません。水平距離は10ヤードに見えても、ボールの下の地面がグリーン方向に10°上り傾斜している場合、そのショットは20ヤードとして打つことになります。

この発見の後のラウンド、10ヤードのチップ場面が二回ありましたが、30センチと50センチに寄せることが出来ました。即効があったのです。

(September 01, 2020)

ウェッジの正しい打ち方

 

[wedges]

'64 no more'
by E. Michael Johnson ('Golf Digest,' January 2020)

「ロフトの多いクラブで正確に打つには努力が必要である。大きなスウィングはクラブとボールの理想的なコンタクトを難しくする。そうではなく、短いスウィングをして加速させるべきなのだ。それはつまり、左腕が地面と平行になる(時計の文字盤なら9時の)バックスウィングをするということだ。

ショートゲーム専門インストラクターJames Sieckmann(ジェイムズ・シークマン)が“骨盤パンチ"と称する練習法:ボールをスタンス中央にしてティーアップし、ややハンド・ファーストで構える。9時の地点までバックスウィングし三秒間停止した後ボールを打つ。

上のドリルは、短くコントロールされたバックスウィングと、インパクトにかけての適切な身体の回転を身につけさせてくれる。これに慣れたら、距離をコントロールするため、様々なバックスウィングの高さを試すとよい。James Sieckmannは『短いスウィングは低めのコントロールされたショットを生む。ロフトを減らし、ハンドファーストのインパクトと身体の回転をすべきである』と云う」

(September 01, 2020)

64°ウェッジはおやめなさい

'64 no more'
by E. Michael Johnson ('Golf Digest,' January 2020)

「2006年のWinged Foot(ウィングド・フット)におけるU.S.オープンで、Phil Mickelson(フィル・ミケルスン)は、クラブメーカーにロフトが多くバウンスが少ない64°のウェッジを作らせた。優勝は出来なかったものの、ワン・ラウンドにつき一打か二打セーヴしたこのクラブによる彼のプレイは、一般ゴルファーの関心を呼んだ。多くのクラブメーカーが64°ウェッジの製造を始め、今もなおそれは続いている。

不幸にも一般ゴルファーは、64°ウェッジを用いてPhil Mickelsonのように成功していない。ある調査によれば、もっとロフトの少ないウェッジ(60°、56°など)のようには使いこなせていないのだ。

762人のゴルファーが64°ウェッジを使ったテストによれば、64°ウェッジによるGIR(パーオン率)は44%でしかなく、50%を越える他のウェッジに到底及ばない。54°ウェッジは64°ウェッジよりも10%も正確に打てる。分析の結果、64°ウェッジは58°ウェッジよりも平均約3ヤード遠くに飛んでいる(?)。なぜ、こんなことが?

ショートゲーム専門インストラクターJames Sieckmann(ジェイムズ・シークマン)によれば、アマチュアは64°ウェッジを目一杯振り過ぎるので、クラブフェースの真ん中で打てず、ショートしたりホームランになったりしてしまう。2019年のあるプロ・トーナメントで、64°ウェッジをバッグに入れていたプロはたったの三人に過ぎなかった。プロでさえ使わないのだから、あなたに64°ウェッジが必要とは思えない。

(September 01, 2020)

グリーンを制すれば80を切れる

 

その日、私のパットは好調でした。5メートルの長いパー・パットが入ったりして、最初のハーフは11パットでした(ただし、そのハーフのスコアは5オーヴァー)。後半は1ホールで3パットしちゃいましたが14パット。総数25パットで済み、このハーフのスコアは2オーヴァー。トータル7オーヴァーで私の目標を達成出来ました。

[two fingers]

チームの仲間が「今日は凄いね」と羨ましがるほどの出来でした。パットがいいということは、読みとストローク技法どちらも甲乙無く良かったということです。どちらかが劣っていれば、パットは成功しません。

この日の好調の要因の一つは、カラカラに乾いたグリーンの速度に感覚を合わせられたことです。転がり過ぎを警戒し、ブレイクを少なく見積もりました。素振りで、カップのかなり手前で止めるように距離感を構築し、その感覚を維持しながらストローク。

私もこの好調が2ラウンド、3ラウンドと続くとは思っていません。もう何度も、「お、俺も上達したな」なーんて思って、次のラウンドでがっかりさせられています。ゴルフは一日、一日違うのです。

その次のラウンド、前夜の雨でグリーンは重く、スピード・コントロールがうまく行きませんでした。ブレイクも読み切れなかった。最初のハーフは13パットの3オーヴァー、後半は16パットの4オーヴァーで、パット総数29、トータル・スコア7オーヴァーでした。三つのバーディを得たのと、前回に続き連続7オーヴァーだったのだけが取り柄。

この「日記」でまだ公開していませんでしたが、ここのところ私のパッティング・グリップは以前とほんの少し違っています。右の写真では解りにくいかも知れませんが、右手の人差し指と中指はパター・ハンドルを握らず、左前腕部に接触させています。その理由は…
1) 右利きの右手は強く働き過ぎるので、過度にぎゅっと握らないようにするため。
2) 二本の指を左手に添え、両手を一体化するため。

このグリップでもスランプの期間は駄目ですが、いい時は5〜6メートルのパットを沈めたり出来ます。

(September 16, 2020)

ストレート・ストロークの練習

 

[pen]

「ストレートにストロークする練習器具」(tips_197.html)で紹介した自作練習器具の上から見た写真は判りにくかったかも知れません。で、新たに写真を撮りました。

これはスタイロフォームにテープでペンを装着し、私のパター上部にすっぽり嵌めるのですが、もっと簡単には鉛筆や古いボールペンをパターに直接テープで貼り付けても同じことです。私のは、ペンの長い方をターゲット側にして練習し、引っくり返せばそのままボールを打てるので便利です。

[pointing tool]

パターにこの器具を装着し、「完璧なストロークの探究」(tips_193.html)で説明したように、寝せた金属シャフトのクラブの上で往復させます。フォロースルーでペンの先端がターゲットを指していなければなりません。そうなっていなければ、全身が映る鏡の前でストローク動作をチェックする必要があります。肩はターゲット・ラインに平行に動いているでしょうか?もし平行でなければ、両爪先か両膝がスクウェアでない恐れがあります。

左脚が1センチほど短い私の場合、左膝を内側に押し込まないと両肩が平行になりません。

[square stroke]

フォロースルーでペンの先端がターゲットを指さない場合、ボール(この練習法では金属シャフト)と両足との間隔に問題があるかも知れません。その間隔を縮めてみたり、広げてみたり、少しずつ変えて確認します。巷間、《ボールは目の真下》と云われていますが、それはゴルファーの体型やポスチャー、ストローク動作によって変化すべきものです。プロでも目の真下にボールを置かない人は沢山います。パット名人Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)の場合、目の下より少し遠くにボールを置いています。

同じように、ボール位置をスタンス中央でなく、ややターゲット側に置くといい場合もあります。とにかく、色々試して、自分に合ったスタイルを発見すべきです。

身体が正しい動作を忘れないようにこの練習を毎日行えば理想的ですが、二日おき、三日おきでも実行することをお勧めします。「そうすぐ忘れるもんか」と思って油断すると、簡単に忘れてしまうものです。

(September 16, 2020)

短いパットの秘訣

 

[red dot]

これは私のアイデアではなく、プロやコーチの誰もが云うことですが、最近その正しさを実感しています。 《1メートル以内のパットは、短いバックストロークをし、しっかり(毅然と)狙った地点めがけてボールを転がす》 短いからとソフトに打つとへろへろ球になり、芝の影響を受けて思わぬ方向へ曲がったりします。しっかり(毅然と)打てば芝や小砂利の影響を受けることはありません。

プロやコーチの多くは「短いパットではブレイク(曲がり、切れ具合)を読む必要はない。カップを外すな」と云いますが、私の経験では傾斜がきつい場合、カップの右端や左端を狙わないとカップを逸れる場合もあります。もちろん、打つ強さによるので、強ければ切れず、弱ければ切れるわけですが。

短いパットで大切なのは、頭を動かさないこと。私はボールに描いた直線の端の一つのディンプルに、赤マジックで印をつけています。その一点を凝視し、そこをパターフェースの中心で打つことに集中します。これだと、ヘッドアップすることもなく、正確にパターを動かせます。

もう一つ重要なのは、左手首を曲げないようにしつつも、腕と手を強ばらせないこと。緊張していると、ボールに勢いがつけられず転がりが伸びません。真剣に取り組みながら、なおかつリラックスしている…という難しい境地が望まれます。

(September 16, 2020)

プロと中級者のスウィング比較

 

Jim Flick(ジム・フリック、1930〜2012)は、ゴルフ・インストラクターを教えるインストラクターとして有名で、後年はJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のインストラクターを務め、Nicklaus-Flick Golf School(ニクラス=フリック・ゴルフスクール)の共同経営者でもありました。

'On Golf'
by Jim Flick with Glen Waggoner (Villard Books, 1997, $24.00)

彼が執筆した本に、興味深い一覧表がありました。"The Developmental Swing"(上達中のスウィング)は事実上「スライス防止スウィング」、"The Professional Swing"(プロのスウィング)は事実上「フック防止スウィング」だそうです。初級・中級者はスライスが怖い、シングルやプロはフックを怖がるため、それを防ごうと自然にこの表のようなスウィングになるのだとか。中級者でも頻繁にフックが出始めたら、プロのスウィングに鞍替えすべきだそうです。

上達中のスウィング プロのスウィング
1) アドレスで肩と腰はターゲットに対し スクウェアか、ややクローズアドレスで肩と腰は僅かにオープン
2) スウィング初期にコックしてしまう 手首は受動的【編註:捻転に連れてコックする】
3) インパクトゾーンで、インサイド・アウト のスウィング軌道 スウィング弧はターゲット・ラインのインサイドに引かれ、インパクト・ゾーンからインサイドに向かう
4) クラブフェースは、インパクトにかけて回転 しながら下降する クラブフェースはインパクト・ゾーンで終始スクウェア
5) 脚と腰はスウィング動作へのリアクションとして動く フォワード・スウィングは左足と左膝がリードする
6) ボール軌道は右から左 ボール軌道はストレートか左から右
7) 両腕を高く上げたフィニッシュ 両腕が身体に巻き付くフィニッシュ

 

 

Jim Flickに云わせると、中級者の(4)の「『クラブフェースはインパクトにかけて回転しながら下降する』は、インパクトでフェースがスクウェアになる瞬間が極めて短いので、非常に難しいスウィングになる」そうです。

プロの「クラブフェースがインパクト・ゾーンで終始スクウェア」というのは参考になります。ターゲットにスクウェアなインパクト・ゾーンが長くなり、ボールが右へ行ったり左へ出たりしなくなります。

[icon]

私はカナダの天才プロMoe Norman(モゥ・ノーマン、1929〜2004)のシンプル・スウィングを模倣していますが、彼のスウィングはターゲット上空に向かってクラブを投げ上げるようなフィニッシュをします。現在のツァー・プロでMoe Normanのスウィングを模倣している人はおらず、ほぼ全員がJustin Thomas(ジャスティン・トーマス)のようにインパクトで立ち上がるようなスウィングです。両者は全く異なりますので、フィニッシュに関しては気にしておりません。

(October 01, 2020)

発射角度より大事なもの

 

[impact]

この記事の筆者、Claude Harmon III(クロード・ハーモン三世)は、ブッチ・ハーモンの息子で、ブッチ・ハーモンが引退した後、祖父と父の名声を継ぐインストラクターとなって一線で活躍しています。

'Chase the right benchmarks'
by Claude Harmon III with Matthew Rudy ('Golf Digest,' October 2018)

「ローンチ・モニターはありがたい道具である。どんなスウィングであれ、診断に役立つデータが得られるし、クラビヘッド・スピードが飛距離と相互に関連することを示すのが注目の的に見える。そういうデータはゴルフにとって重要であるが、あなたがスウィング・スピードを上げることに専念すると、ティー・ショットの飛距離を最大限にする方法を無視することになる。

Brooks Koepka(ブルックス・ケプカ)やDustin Johnson(ダスティン・ジョンスン)らは、非常に速くスウィングするが、彼らは同時に絶え間なくクラブフェースの真ん中で打つのだ。

次回、あなたが練習する際、ハイテクのローンチ・モニターのことは忘れて、旧来の方法を選んでほしい。クラブフェースに水虫スプレーを噴霧し、ボールとの接触を向上させるように努力する。フェースの真ん中で打つと僅かのスピードを犠牲にするかも知れないが、その結果はあなたを驚かすだろう。

スウィートスポットで打ち、ボールを理想的な角度で発射すれば、以前速いクラブヘッド・スピードだった時より、さらに多くの飛距離に繋がるしショットのムラもなくなるのだ。スウィートスポットで打つことが、プロのゴルフである」

[icon]

[spots]

昔は「スウィートスポットで打て」と云われていましたが、最近の科学的研究ではスウィートスポットの少し上(右図の②の部分)で打つのが最適と云われており、ここを"hot spot"(ホット・スポット)と呼ぶ人もいます。

私は練習場でドライヴァーのフェースに水虫スプレー(粉末タイプ)を噴霧し、どういうアドレス、どういうスウィングをすればホット・スポットでボールを打てるか研究しました。その結果、私の場合ドライヴァーのクラウンに描かれている目印より、約1センチほどトゥ寄りでアドレスすべきだということが判りました。私はその場所にビニール・テープの目印を貼って、そこでボールにアドレスしています。

間違いなくホット・スポットでボールを打つため、左腕を出来るだけ真っ直ぐ伸ばしてアドレスします。もうそれ以上左腕が伸びることはない訳ですから、ヒールで打つことはあり得ません。左腕を縮めないよう、伸び伸びしたスウィングをすれば、クラブヘッドはアドレス位置に間違いなく戻り、いいショットが生まれます。これが、正確でよく飛ぶショットをするコツとなっています。

【おことわり】インパクトの写真はhttps://pbs.twimg.comにリンクして表示させて頂いています。

(October 01, 2020)

トップで手首を折るな

 

これは私の戒めです。トップで手首を折ると、必ずひどいプッシュやフックが出ます。手首を折るのは、もっと飛距離を伸ばそうという欲から出る行為なのですが、これは必ず失敗します。

[wrists] [take away]

《アドレスからテイクアウェイでクラブを飛行線に平行にした時点で、コックは既に完了している》のです(図左)。残されているのは身体を捻転することだけ。コックとは左手の親指側に手首を折ること(図のA)であって、それ以外の角度で手首を凹(図のB)に折ってクラブフェースが垂直だとスライス、凸(図のC)に折ってクラブフェースが天を向いていればフックを生む原因となります。

私の経験では、もっと飛距離を伸ばしたいという場合、手首を折るのではなく、手首はそのままにして右肘を折るべきだと考えています。若くてパワーのある人はそんなことをしなくてもいいのでしょうが、シニアになるとある程度飛距離を得るには何らかの手段を講じなければいけません。私の場合、それは右肘の屈伸で、曲げた右肘を伸ばす梃子(テコ)のアクションが飛距離を伸ばしてくれます。

これを一歩間違えて右肘と共に手首を折ってしまうと悲劇です。ボールがどこに向かうかは手首の角度次第で、右へ行ったり左へ行ったりします。テイクアウェイでコックされた手首の角度を維持し、左肩をボール位置まで廻す…これが基本で、右肘を折るかどうかはオプションです。「飛ばしたい!」という気になった時は、ひとりでに右肘が折られます。手首の角度を変えてはならない。

私は、以上のように考えながらドライヴァーを打っています。

【参考】
・「二度コックするな」(tips_100.html)
・「トップでの手首の角度と球筋」(tips_141.html)
・「テコのパワー」(tips_187.html)

(Octber 01, 2020)

バンカー・ショットの留意点

 

[Geogia Hall]

次の女子プロの言葉を真に受けてはいけません。

'A play for the sand'
by Georgia Hall ('Golf Digest,' November 2019)

「あなたがボールをグリーンサイド・バンカーに入れてしまった時、あなた脳は次のショットを複雑にするような遵守事項の長いチェック・リストで洪水のようになるのではないだろうか?そうではなく、(出来るものなら)心を空白にし、ボールをスタンスの中央に置き、そのボールの背後1〜2インチ(2.5〜5センチ)のところの砂を打てばよい」

プロはコーチを雇って練習もし、月平均20日ぐらいプレイしているわけで、バンカーに足を踏み入れたら心も身体もバンカー・モードになれるのでしょうが、われわれはそうはいきません。

最近の私の最大の弱点はバンカー・ショットでした。ティーショットはほぼ常にフェアウェイど真ん中、アイアンもまあまあ、ピッチングとチッピングは抜群なのに、バンカーでチョロッたり、脱出出来ても大幅ショート…、まるで初心者のような体たらく。

数時間バンカー・ショットだけ練習すると、見事なショットの連続。それに自信を得て本番に臨むと、またド素人のようなバンカー・ショット。目も当てられません。何故なのか、考えました。そして気づいたのです。通常のチッピングのアドレス、スウィング、パワー、リズムをバンカーに持ち込んでバンカー・ショットをするから駄目なのだ。バンカー・ショットは異質なスウィングなのだ…と。上のプロの云うように「心を空白」にしてはいけない。心も身体もバンカー・モードにならないといけないのです。

私はこの『日記』のバックナンバーのバンカー・ショットのコツのあれこれを読み返しました。ほとんど全部忘れていました。これでは初心者同様のショットをしても不思議はないわけです。重要事項を書き出すと、以下のようになりました。
広いスタンス【重心を低くし、身体の中心を動かさないようにする】
・右足体重【砂を浅く掻くため】
・パームでクラブを握る(右手は添えるだけ)
両手を身体の中心に置いてぐっと下げる【フェースがオープンになる】
・早めに充分にコックする【重い砂を弾くにはチッピングの十倍のパワーが必要。コックがパワー源となる】
・「十倍、ドスン!」と念じる【確実にクラブヘッドをドスンと砂に突入させてホームランを防止する】
・インパクトで手首を返さない
・高いフィニッシュ【これを目指すと勢いのあるスウィングとなる】

「右手は添えるだけ」という部分は説明が必要でしょう。私がウェッジを両手でしっかり握ると、バンカー・ショットでない通常のショットのようにインパクトでつい手首を返してしまうのです。これだと折角ロフトを増しオープンにしたフェースの性能を殺してしまうので、良くてチョロ、悪くてホームランの原因となるのがオチ。Fred Couples(フレッド・カプルズ)などは、バンカー・ショットのダウン・スウィングで右手を離し、左手一本で打つほどです【写真】。右手は控え目な方がいいので、私は添えるだけにして、ぎゅっと握らないようにしているわけです。

 

このメモを持ってコースに出掛け、バンカーの練習をしました。これまでとは見違えるようなバンカー・ショットが出来るようになりました。さあ、問題はこれが本番のラウンドでも再現出来るかどうかです。

その練習の次のラウンド、初めてのバンカー・ショットはNo.14(パー5)のグリーンサイドでピンまで25ヤード。普通ならこのホールの砂はさらさらだが重いのでサンドウェッジを使うのですが、前夜の雨で湿っているのでギャップウェッジを使いました。チョロ。その次はホームラン。トホホ。うまく行かないものです(;へ;)。

その日の二度目のバンカーはNo.16(パー4)のグリーンサイドで、ピンまで約20ヤード。バンカーは湿っていたものの、グリーンは時間的に乾いていたので15ヤードのショットと見積もり、右足体重、クラブを身体の真ん中で低く構え、「十倍、ドスン!」と念じながらスウィング。ボールはピン傍30センチについて、サンディ・バーディ。どうせホームランするなら最初からホームランしよう…という気迫で「ドスン!」と打ったのが良かったようです^^。

【おことわり】Geogia Hallの写真はhttps://www.golfdigest.com/にリンクして表示させて頂いています。

(October 21, 2020)

Michael Breed(マイケル・ブリード)のバンカー・ショット

 

[bunker]

正体不明のVHSのいくつかを捨てようして一応中身を確認してみたら、箱の中に"Bunker shot"というメモが挟んでありました。見てみると、数年前の"Golf Fix"というThe Golf Channel(ゴルフ・チャネル)のインストラクション番組で、インストラクターMichael Breed(マイケル・ブリード)による一時間のバンカー特集でした。

色々なシチュエーションについて語られていますが、私のお目当てはグリーンサイド・バンカー。何か、彼らしいコツが出て来るのではないかと期待しました。彼はサンドウェッジ一本槍でしたが、参考になったのは以下の二点です。

・先ず打つ強さ。これは文字では表現出来ないので、ヴィデオの独壇場です。「なるほど、そのぐらいの強さで打つのか」と勉強にになりました。急がないスウィングですが、結構ドスン!と打っていました。

・Michael Breedは番組の中で図示しませんでしたが、以下のように説明しました。「サンドウェッジのリーディングエッジが左足爪先に揃うように」(図の青線)。そして「このショットは右に向かうので、ピンの左を狙うこと」。

彼のメソッドを試してみました。驚いたことにスウィングの幅によって、15ヤードも25ヤードにも打てます。これまで15〜20ヤードはギャップウェッジ、25ヤードはピッチング・ウェッジを使うことにしていたのですが、練習次第でサンドウェッジで処理出来るかも知れないという気にさせられました。

ただ、私の場合、彼が云うようにボールは右へ行かず、かなり左に向かってしまいます。ターゲットをピンの近くにすべきだろうと思われました。

ある日、No.1のグリーサイド・バンカーに捉まりました。ピンまではたったの10ヤードですが、顎が高いので転がす訳には行きません。サンドウェッジを選び、5センチほどハンドルを短く持ち、スウィングも半分にし、ダイレクトにピンを狙って打ちました。ピン傍数十センチに寄り、サンディ・パー。

 

(October 21, 2020)

正確無比なショットを実現する

 

[Drop]

私のゲームが低迷し始めたので、十日ほどゴルフから遠ざかりました。その間、どこをどうすればいいのか考えました。

前回のスランプから立ち直って目覚ましいカムバック(?)を果たした際の記憶が蘇りました。その時はダウンスウィングで身体と手・腕が左図の位置になるように努力したのでした。で、今回もそれに専念すべきだと決意。この形にするには、腰の動きが先行して両手が遅れて来なくてはいけません。

Ben Hogan(ベン・ホーガン)のカーディガンは、ダウンスウィングの際に右肘が擦るせいで右脇腹の部分が頻繁に破けたそうです。彼もこの形でボールを打っていたことが判ります。この方法の利点は手打ちを完全に封じてくれることです。手打ちがなくなるとクラブの性能通りの飛距離が得られ、方向性が格段に向上します。【参考】「正確無比なショットの秘訣」(tips_185.html)、「ダウンスウィングの研究」(同上)

[Rope]

この手法に集中することで、私のショットは安定し始めました。しかし私はそれだけで満足せず、このメソッドをもっと充分身体に定着させることを考えました。右図のように左膝と右肘とがぴんと張った仮想のロープで結ばれているとイメージします。スウィングのトップに達したら、先ず左膝をターゲット方向に動かす(これは必須)。すると、ぴんと張ったロープが両手を引っ張る。この左膝→両手という順序および連携がダウンスウィング開始の必要条件です。

ダウンスウィング開始の段階でロープが緩んでしまったら、それは手打ちに他なりません。両手は左膝に引っ張られて動くのでなければならない。手・腕が左膝の動きに先行して勝手に動くと、フライング・スタートの反則でスウィング失格だと思うべきなのです。

なお、折角左膝でダウンスウィングを開始しても、頭まで左に動かしたらこれも失格です。それだとクラブヘッドはアドレスした時の位置に戻らず、トップしたりプッシュしてしまう恐れがあるからです。頭はスウィングの錨として、ボール後方に留まらなくてはなりません。伝説的コーチHarvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)が云った"Stay behind the ball"(【インパクトまでは】頭をボール後方に留めよ)という言葉を忘れてはいけません。

実際にはこの方法は「云うは易く」で、身体に定着させるのは簡単ではありません。われわれは、「打つ」という動作は手・腕で行うものと本能的に考えているからです。かく申す私でも、打つ前に「左膝でリードし、両手がそれに追随する」というスローな動きを、プレショット・ルーティンとして三回ぐらい実行する必要があります。

[Lexi]

上の動きが完璧に遂行されると、左の写真のようになります。写真の彼女の左膝は完全にターゲットに向かって突き出され、両手と腕はそれに遥かに遅れて動いています。こうなると、飛距離が増えるだけでなく正確無比なショットが生まれます。

ある日のラウンド後半、私は2バーディ、4ボギーの計2オーヴァーで廻れましたが、それはこの《左膝がリードするダウンスウィング》を追求したお蔭でした。この日のNo.18の私の二打目は残り120ヤード。このグリーンは早いので、高く上げてボールを止めるため、ボール位置をスタンスのターゲット側にして打たないといけません。何度か「左膝のリード」を練習した後打ったショットはピン目掛けて真っ直ぐ飛びました。私の耳に仲間の「いいショットだ!」という言葉と「オーヴァーかも?」という言葉が同時に聞こえました。幸いボールは奥に転げ落ちずピン横1.5メートルについていました。グリーン上でチームの一人が「パー・チャンス?」と聞いたので、「バーディ・チャンスだよ」と答えたら目を丸くして驚いていました。信じられなかったようです。この日三つ目のバーディを期待したのですが、それはなりませんでした。この日バーディ・チャンスは都合五回ありました。

これまでパー3の攻略法にさんざ悩んで来たのですが、どうやらこの《左膝がリードするダウンスウィング》を使えば何も悩む必要はないかも知れません。パー3のいくつかで練習したところ、このスウィングをすれば真っ直ぐ飛ぶことが判りました。残るはクラブ選択のみということになります。ま、練習と本番は常に違うので、やってみなければ分りませんが。本当にこれがパー3の解決策となるならウシシなのですが^^。

【追記】次のラウンドの後半は1バーディ、2ボギーの計1オーヴァーで、18ホール合計7オーヴァー。《左膝リード》に助けられました。

(November 02, 2020)

パットの緊張を取り去る

 

緊張しないでパットする方法として、「練習グリーンでパットしていると思え」というのがあります。これは云うは易く…で、シチュエーション全体を構築しなければならないので、そう容易(たやす)くはありません。

比較的簡単な方法を見つけました。
本番のパットに失敗し、それが納得出来ない場合ノーカウントでもう一度同じラインで練習したりしますよね。この二度目のパットに成功することは珍しくありません。何故なら、…
1) もう緊張していないから。
2) どちらにブレイクするか判っているから。
3) 結構大胆にストロークするから。

最後の「大胆にストロークする」という要素が重要だと思います。われわれが「カップに捩じ込もう!」と考えるとカップに(カップまでの距離に)集中してしまう傾向があります。中央線で云えば、新宿から神田まで行くのが目的だったのに、お茶の水までの勢いしかないストロークをしてしまう。神田が目的地ならややオーヴァー目に東京駅を目指さないといけないのです。パット失敗の後の練習ストロークは、大胆に東京駅を目指す勢いがあると云えましょう。

私はこの「勢い」を重要視すべきだと考えます。「勢い」イクォール「パワー」ではありません。私はパチンと打つストロークではなく、バックストロークの幅で距離を調節するメソッドです。そのバックストロークの幅がパワーに相当します。「勢い」は重力の助けで加速されるテンポだと考えます。ストロークの全行程がどの1センチをとっても、パターヘッドが同じ速度で動いているということはなく、バックストロークからの折り返しはゆったり、そして徐々にボールめがけて(重力によって)自然にスピードが増して行く。これが「勢い」です。これは母なる大地のなせる業なので、人間が下手なことをしない限りパターフェースはスクウェアに保たれます。

 

本番パット失敗後の練習パットでは、われわれは知らず知らずのうちに見事なパットをしているのです。出来ることなら、大事なパットの前に、(メンタルに自分をペテンにかけ)もう既に一回失敗したと考え、「後のホールのために練習しとく」というつもりでパットするのが望ましいと思います。

(November 15, 2020)

右脳でダウンスウィングせよ

 

[rope]

ゴルフ・スウィングにおける右脳と左脳の役割については何度も書いています。左脳は状況分析と決断をし、実際のスウィングは右脳(=潜在意識)がコントロールして遂行します。

「正確無比なショットを実現する」(11/02)に書いた《左膝がリードするダウンスウィング》をマスターしようとしていた時、バックスウィングで「右」、ダウンスウィングの開始で「左」と唱えながら左膝を動かしたらどうだろうと考えました。メロメロでした。「言葉」を理解しようとするのは左脳の領域ですから、「右・左」などの言葉を使うと左脳の活動が支配的となり、右脳(=潜在意識)の出番がなくなるのです。これは、アドレス時に背後で誰かが喋っていると、「何を喋ってんだ?」と耳をそばだててしまい(左脳が出しゃばる)、いいスウィングが出来なくなるのと同じことです。

'The New Golf Mind'『ゴルフ・マインド』(1978)の著者たちは次のように述べています。 「多くのミス・ショットは左右の脳の相互干渉の結果である。それは日常でも経験することだ。論争の最中に興奮すると、明確に話したり正しい言葉遣いを考えるのが困難になったりする。左脳が司る言語能力を、右脳の情動が遮断するためである。プロのタイピストが(機械的にタイプするのでなく)文書の内容を理解しようとし始めると、一分あたりのタイピングの語数は減少し、タイプ・ミスが増加する。それは右脳によるタイピング遂行能力を左脳の分析プロセスが遮断するせいで起る」 つまり、分析ではなく創造的な仕事(絵を描く、音楽を奏でる、ゴルフ・スウィングをする等)を実行する際には左脳は舞台裏に引っ込んでいなくてはならないのです。

[Alison]

「正確無比なショットを実現する」に掲載した写真(上)のように、左膝と右肘がロープで結ばれていて、左膝がそのロープを引っ張り、引いては腕・手を動かす…という段取りを実行するのは、言葉ではなく視覚的イメージです。イメージは右脳の領域なので、脳内のイメージを実現する際には左脳が出しゃばって来る恐れもなく、何も問題ありません。

しかし、左膝でリードとは云っても、ダウンスウィングで身体全体が左へスウェイしてはいけません。右の写真のように頭を右膝の上に残さないとパワーも失われ、プルする危険があります。

ある日のラウンドで、六個のバーディ・チャンスに恵まれました。バーディはたった一つで、残りは全部パーに終わりました。しかし、それらのバーディ・チャンスが得られたのは《左膝がリードするダウンスウィング》のアプローチが功を奏したせいです。チャンスがあるのとないのとでは大違いなので、これは大成功だったと考えています。

その次のラウンド、バーディ・チャンスは一つ増えて七個になりました。得られたバーディも一つ増えて二つ。その一つのNo.17(パー4)のバーディはお見せしたかった。私の二打目は結構な上りの120ヤード。私の個人的データベースではこの距離は6番アイアンです。入念に《左膝がリードするダウンスウィング》の素振りを三度繰り返してからスウィング。ボールはピン目掛けて真っ直ぐ飛び、カップの左横20センチに止まりました。文句なし。

【参考】「ゴルフを左右する左右の脳の働き」(tips_162.html)

【おことわり】下の画像はhttps://www.australiangolfdigest.com.auにリンクして掲載させて頂いています。 

(December 01, 2020)

バンカー・ショットのグリップ

 

[thumb]

The Golf Channel(ゴルフ・チャネル)のインストラクション番組で有名になったインストラクターMichael Breed(マイケル・ブリード)は、バンカーでは《両手の親指をクラブ・シャフトの真上に置く》という先人のtipを紹介しています。これは凄くいいtipです。

両手の親指がシャフトの真上に置かれていれば、故意に手首を返さない限り、アドレスでオープンにしたクラブフェースの角度がインパクトまで保たれ、ボールは上昇します。もし、普通のスウィングのように親指を僅かでもシャフトの脇に位置させると、予期せずに手首を返してしまう危険があります。バンカー・ショットでストロング・グリップをするとフェースのロフトを殺してしまい、チョロになりますから絶対に禁物ですが、親指をシャフトの真上に置いておけば、その危険を回避することが出来ます。

この超ウィークなグリップはウェッジ・ショットでボールを高く上げ、すぐに停止させたい時にも有効です。ロフトを100%活かしたボール軌道が得られます。

【おことわり】画像はhttps://s3-eu-west-1.amazonaws.com/にリンクして掲載させて頂いています。 

(December 01, 2020)

パッティング・グリップ再点検

 

最近、目の覚めるようなパットがなくなり、寂しい思いをしていました。コースが資金不足のためか昨年オーヴァー・シードしなかったため、グリーンが荒れてしまったことも一つの原因ですが、私のストロークも良くないという自覚がありました。

床の上に一本のスティール・シャフトのクラブを横たえ、「完璧なストロークの探究」(tipa_193.html)の練習をしてみました。悪くはないのですが、三回に一回ぐらいフォローでフェースがやや左を向きます。これだとプルする恐れがあります。私が「裏技」と称している左前腕を微かにターゲット側に捩る方法や、左手首を僅かに弓なりにする手法を使ってみましたが、フェースが左を向く症状は改善されませんでした。

[putting grip]

ここでフル・ショットの際のグリップとボール軌道の関連を思い出しました。左右両手のVの字がどちらも右肩を指すストロング・グリップは、インパクトで自然にVが顎を指すように戻る動きによって手首が左に返ってフックを生じます。オープンフェースを保つことが重要なバンカー・ショットでストロング・グリップをすると、両手が返ってしまい折角オープンにしたフェースを伏せ目にするので、ボールを砂から出せずチョロってしまいます。

同じことがパッティングにおいても云えると考えました。左手のVの字をスクウェアかウィーク目にすればフェースはクローズにならない筈。試してみました。ピンポーン!ストレートなフォローが出せるようになりました。私はその位置を忘れないよう、急いで左手人差し指と親指が当たるところに白色マーカーで印をつけました。ルールで触って感じられるような印をつけることはルールで禁止されていますが、マーカーの印は指先には感じられませんからOKです。

上の“手当"をした次のラウンド。スコアは10オーヴァー、パット総数は31で、あまりいい出来ではありませんでした。しかし、仲間は「今日はパットが好調だね」と云ってくれました。それは実はその日のNo.8(パー4)の印象が強かったせいでしょう。私の第二打はピン手前3メートルににつきました。われわれのゴルフは1メートルでさえ外すプレイヤーが多いので、2メートルを超えると「ロング・パット」の範疇になり、誰もそれが成功するなどとは思いません。成功したらまぐれです。その日、私は『グリーン・マップス』によってそのラインは真っ直ぐであることを知っていました。オープン目に調節した左手のグリップを信じてストロークした私のボールはするすると坂を駆け上がり、カップのど真ん中に突入して消えました。バーディ。

“手当"の方法は間違ってなかったようです。

(December 01, 2020)


ソールで砂を打て

 

図書館で借りていたシリーズ物の小説も底が尽き、読むものがなくなってしまいました。手持ち無沙汰でふと目についた買い置きの本をめくったら、開いたページがバンカー・ショットに関する部分でした。「もうバンカーに関しては学び尽くしたよ」と思いながら目を走らせたら、実践していない超大事なことが書かれていました。

[sole]

'The Par Plan'
powered by GolfTec edited by David DeNunzio (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)

「唯一、クラブヘッド正しくボールの下を潜り抜けて滑らす方法は、ウェッジのソールで砂を打つことだ。リーディング・エッジで打つのではない

この本を読んだ当時の私はサンドウェッジでなく、バウンスの少ないロブウェッジやギャップウェッジを使っていたので、ソールでなくリーディング・エッジを砂に突入させていました。それでこの箇所に注目しなかったのだと思います。しかし、現在は20ヤード以内はサンドウェッジでバンカー・ショットしていますので、突如この部分が天の啓示のように思えました。

早速コースに赴き練習してみました。いくつかのホールのガード・バンカーでボールを打ってみましたが、フェースをオープンにしたサンドウェッジのソールを「ドスン!」と打ち下ろすだけでボールは全部ピンに向かいました。雨の後で湿った砂だったので、本当は難しい筈ですが何の苦もありませんでした。距離に応じてサンドウェッジを持つ長さを調節すればいいだけという感じ。これは非常に楽ですね。もっと早く気づくべきだったorz。

右の図は、先ずソールが砂に接することの重要性を表しています。サンドウェッジのバウンスはヘッドが砂にめり込むことを防いでくれるので、安心して砂を打てます。そしてクラブヘッドはスムーズに砂の上を前進し、ボールを弾き出してくれるという仕掛けです。

プロやインストラクターは「バンカー・ショットほど簡単なものはない。なにしろボールを打つ必要もないのだから…」と云います。私には、今やっとその真の意味が理解出来ました。

【参考】
・「バンカー・ショットの核心」(tips_175.html)
・「バンカー・ショットのグリップ」(12/01)
・「Michael Breed(マイケル・ブリード)のバンカー・ショット(tips_199.html)

(December 16, 2020)

'Swingyde'(スウィンガイド)無しでトップを作る

 

これは「方向性を良くする秘訣」(tips_199.html)の元になった未発表記事です。多少参考になるかも知れませんので、掲載します。

[Swingyde]

シニアのベスト・ボールの朝、「ゲームが始まったら、今日はもう練習道具'Swingyde'は使えないから…」と必死で身体に正しいバックスウィングを覚え込まそうとしていました。'Swingyde'のテストに合格するには、手・腕を後方に引く角度、手首の角度(コック)、右肘の角度…などが色々関係します。そう簡単ではありません。

「窮すれば通ず」と云いますが、ゲーム開始30分前に一つの啓示がありました。テイクアウェイで両手が右爪先の上を横切るようにすると、'Swingyde'が腕と接触する半円の部分がぴったり左前腕にハマることが判ったのです。「やった!」

しかし、この日のショットが全て完璧だったわけではありません。五発ほどフェアウェイやグリーンを外しました。

帰宅してからさらに研究すると、両手は「右爪先の上」というより「右足の(脛から)上」を横切るべきでした。また、これはスタンス幅が常に一定という前提の話なのですが、クラブの長短によってスタンスが狭くなる場合には変わるべきものなのかも知れない…と思いました。

で、早速テストしてみました。9番アイアン、5番アイアン、それにドライヴァーを選びました。私の場合、以下のようなアドレスになります。「ボールと爪先の距離」はボール下端から爪先を結んだ線、「スタンス幅」は両足の内側として計測しました。

クラブ ボールと爪先の距離 スタンス幅
9番
47cm
38cm
5番
55cm
40cm
ドライヴァー
85cm
43cm

このように異なるのですが、いずれの場合も両手が「右足の上」を横切った時に正しいトップが得られました。考えてみれば、どのクラブを使う場合でも自分の手・腕の長さは変わらないし、御覧のようにスタンス幅も5cmほどしか違わないので、15cm以上ある「右足の(脛から)上」の許容範囲に入るようです。

【参考】「正しいコックのトップを作る」(tips_197.html)['Swingyde'についての説明]

(December 24, 2020)

私のシャンク防止法

 

これはシャンクだけでなく、トップやザックリを防止し、緊張を取り除く効果もあります。

方法は簡単で、アドレスしたらバックスウィングを始める前にグリップを緩くするのです。どっちみちトップからダウンスウィングに移る時、グリップは自然に締まりますから心配ありません。

アドレス時点からきつ過ぎるグリップをしていると、手首が硬直してタッチが失われ、適度にクラブフェースが返ることも妨げてしまいます。

私は「絶対乗せるぞ!」とテンションが高まる場面で、その真反対にグリップをソフトにしてミスを防止します。

ある日のラウンド、あるパー4のグリーンへの中央まで50ヤードとGPS距離計に出ている地点までティー・ショットが飛びました。見た目には60ヤードという感じで、それならサンドウェッジなのですが、私の自家製ヤーデージブックでは50ヤードはロブウェッジで充分と出ています。この日のピンはかなり奥なので、それが距離を長く見せているようです。しかし、このグリーンは奥が崖なので水捌けがよく、ランが多い。こぼれたら折角飛んだティー・ショットが台無しです。

 

私は自家製ヤーデージブックを信じ、ロブウェッジを手にしました。素振りし、グリップを緩めてから左膝のリードでビシッとボールを打ちました。後ろで見ていた男が"Gone!"(ホームランだ)と云いました。60°ウェッジの高い軌道がそう思わせたのでしょう。グリーン中央に落下したボールは、私の推測通りころころ転がり続け、私は「いけね、こぼれちゃう!」と肝を冷やしました。ところが、ボールはピンの左横30センチでピタと停止。文句無しのバーディ。"Gone!"と云った男は私の失敗を予言したわけですが、謝りもせず褒めてもくれず無言でした。まあ、いいんですけど。

(December 24, 2020)

ダウンの開始で右肘を引き下ろせ

 

[down swing]

17年もかけて100人以上の男女ツァー・プロのスウィングを撮影・分析し、それらの最大公約数をまとめた本のエッセンスを紹介するシリーズのパート7。

'Swing Like a Pro'
by Dr. Ralph Mann and Fred Griffin (Broadway, 1998)

「巷間『飛距離と正確性は両立せず、片方を選べば片方が犠牲になる』と云われる。これは真実に基づいているものの、実はトップ・クラスのゴルファーたちのジレンマに過ぎない。一般ゴルファーにとっては両立するのである。

多くのゴルファーがダウンスウィングの動きを良くしようと非常に熱心に努力するが、問題はそこにあるのではない。アドレス、グリップ、バックスウィング、切り返し、あるいはお粗末なトップなどが、ダウンスウィングを効果の無いものにしているのだ。

バックスウィングで体重は右足に乗る。

ダウンスウィングで腰を急速にターゲット側に廻す。この時のターゲットにオープンになった腰と、まだターゲットに背を向けている背中との組み合わせは、正確なショットを打つという観点において極めて重要である。

[Jin_Young Ko]

肩が回転する前に、クラブ軌道をフラットにする(=低くする)。右肘を身体の右側に近づける(左のアニメ参照)。クラブは振り上げたバックスィングとは異なる軌道で動く。クラブ軌道をフラットにするのは全てのトップクラスのゴルファーに共通する要素であり、自動的にインサイドからのインパクトへの道筋と、スクウェアなクラブフェースとを生み出す。これは正しく切り返しを行えば、結果として起ることである。

右足を蹴って(浮かして)体重を完全に左足に移す。両腕がインサイドからボールに向かうのを助けるため、腰をターゲットに向かって追いやる必要がある(=両手の邪魔をしないように道を空ける)。そうしないと両腕とクラブは腰に行く手を阻まれて立ち往生してしまう。【編註:チキン・ウィングになり易い】

身体の右脇を擦るように近づけられた右肘は、まだ折られたままである。そのため、左手との間に“窓(空間)"が開いている。これはインパクトまでパワーが蓄えられている証拠である。

《ダウンスウィング軌道の諸問題》

・上図ののようにクラブをダウンスウィングで落下させないと(フラットな軌道にしないと)、アウトサイドからの軌道でボールと接触するため、プルかスライスを生む。
・急激なアウトサイド・インのスウィングだと、最も有害なプル・スライスを生む。
・ローハンデのゴルファーによくあることだが、アウトサイドから急激にインサイドの軌道でスウィングするとフックを生ずる。
・フラットな軌道にしたのはいいが、それがあまりにもフラットだとインサイド過ぎる角度からのインパクトとなるため、右へ出て左にカーヴするボールを生む。

[Brooke Henderson]

【右手一本でのドリル】
5番アイアンを右手一本で、しかもシャフトに近い部分を握る。左手は背中に廻しておく。イーズィなフル・スウィングの素振りをし、インパクトで停止し、以下の諸点をチェックする。
・右手はボールに先行してターゲット寄りに位置していなければならない。
・右踵は地面から浮いていて、右脚は膝の柔軟性を保ち、左脚は伸ばされていなければならない。
腰はターゲット方向に45°の角度でオープンになっていて、肩はターゲットラインに平行でなければならない。
・体重の90%は左サイドにかかっていなくてはならない。
チェックポイントの全てを満足させることが出来たら、実際にボールを打つ。正しく遂行されれば、両手で打つのとほぼ同じ距離を打てる筈だ。

【クラブ軌道をフラットにするドリル】
クラブシャフトをフラットにするのは、原因ではなく結果である。切り返しが正しく行われ下半身が正しく用いられていれば、結果としてシャフトはフラットになるものだ。
・どのクラブでもいいので、そのハンドルの末端に空いている穴にティーを刺す。正面から見てシャフトが垂直になるまでバックスウィングして一時停止。ティーは両爪先を結ぶ線とボールの間の一点を指しているべきだ。
・スウィングを継続しダウンスウィングとなってまたクラブシャフトが垂直になった時点で一時停止。シャフトが正しくフラットになっていれば、ティーはボールの遥か向こうの正面を指している筈だ。
・実際にボールを打ってみる。この際も、ダウスウィングでティーがボールの遥か向こうを指していることを心に描くこと」

[icon]

小柄な身体なので意図的にオーヴァー・スウィングをするBrooke Henderson(ブルック・ヘンダースン、カナダ、写真右上)のトップからの手の落差は凄い。右肘を身体の右脇にがくんとくっつけるように下降させています。下半身は僅かにターゲット方向に廻っていますが、頭の位置は変わらず、左肩もまだ大きく右には廻っていません。

[Lydia Ko]

Lydia Ko(リディア・コゥ、ニュージーランド、写真右)のアニメを御覧下さい。ダウンスウィングの最初は腰が逆転したあと肩や両手を逆転させるのではなく、クラブを下降させているだけです。ダウンの最初は右肘が身体の右脇に向かって引き下ろされるだけで、左肩はボールを向いておりまだターゲット方向には回転していません。しかし、腰は早くもターゲットラインと平行からオープンへと推移しつつあります。ダウンスウィングの最初は手・腕を廻すのではなく、下降させるだけである…というのが、今回学ぶべき骨子です。

[icon]

このtipは即効性があります。これを習い立ての頃、以前と同じように打っていたためドライヴァーもアイアンも方向がバラけていました。「ダウンで右肘を身体につける」を思い出して実行した途端、ボールは狙ったところへ真っ直ぐ飛ぶようになりました。

【シリーズ目次】
'Swing Like a Pro'(プロのようにスウィングせよ)[本の紹介]
・ニュートラル・グリップはなぜいけないのか?(tips_203.html)
・アップライトにアドレスすべき理由(tips_203.html)
・アドレスで決まるショットの成否(tips_203.html)
・正しいバックスウィングの手順(tips_203.html)
・スウィングのトップで為すべきこと(tips_203.html)
・プロ的切り返しをすべし(tips_203.html)


(June 04, 2022)

パターの種類と構え方の相性

 

パターにはバランスをとった時に、図のように1) フェースが水平になるもの("face-balanced putter")と、2) 斜めになるもの("toe-weighted putter")とがあります。

[putters]

'The right putter for you' by Mike Adams
from 'The Best Instruction Book Ever!--Expanded Edition'
edited by David DeNunzio (Time Home Entertainment Inc., 2012, $29.95)

「あなたのパッティング・スタイルがボール位置やパッティング軌道を決定するのではない。逆に、パターのデザインがパッティング・スタイルを決定するのだ。

Aタイプ(シャフトがヘッドの真ん中に埋め込まれているか、二重に曲げられている型)のパターはストレート・バック、ストレート・スルーのパッティングをするように設計されている。Bタイプのパターはオープン・バック、クローズのフォローをするように設計されている。だから、パターに合ったストロークをするか、あなたのストロークに合ったパターを選ぶか、どちらかである。

《Aタイプ》のストローク
・両腕は肩から直接ぶら下がるように
・両目がターゲットラインの真上になるように腰を屈める
・ボール位置はスタンス中央のややターゲット寄りで、パターヘッドは鼻の真下
・肩をシーソーのように動かしてストレート・バック、ストレート・スルーのパッティングをする。この動きを身につけるには、クラブを一本両脇の下に挟んでターゲットラインと平行にし、そのクラブと両腕で構成される三角形を崩さないようにストロークする

《Bタイプ》のストローク
・ボール位置は左脇の真下
・目はターゲットラインの内側(身体近く)にし、腰を伸ばして立つ
・両手は両肩を結ぶラインの前に出す
・両手は両腕より前に出ているので、パターを自然にインサイドに引くことになる。流れるように弧を描く動きを妨害しないことが鍵である。そのためには、左腕一本でスウィングする練習を行う。スウィング・ドア(前後に開き、手を離すと自然に閉まるドア)の動きを模倣するのがよい

(June 04, 2022)

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