Golf Tips Vol. 195

パッティング修得の難しさ

私の念願はパッティングに上達すること。そして、狙ったところへ正確にボールを運ぶこと。

正確さにかけてはかなり自信がついたのですが、だからといってパットに成功するわけではありません。パットは、1) ラインを正しく読み、2) 読んだラインに正確にストロークする…の二つが揃わないと成功しない。いくら正確にストローク出来ても、その前段階の読みが悪ければ入らないのです。

問題は、結果が悪い場合、読みが悪かったのかストロークが悪かったのか、両方とも悪かったのか…が判らないことです。カップの右か左に数センチ逸れたとしたら、読みは良かったがストロークを僅かにプッシュしたのか(あるいはプルしたのか)判然としません。あるいは、ストロークは良かったのだが、数センチ読みを誤ったのかも知れないし…。ハッキリ云えるのは、距離感が良かったことだけです。

こういうミスが続くと、これまでの私はストローク法に疑問を抱くのが常でした。しかし、現在は違います。ストローク法は間違っていない。読みが悪かったか、不規則な(凸凹の)地面のせいであると自信を持って云えます。何故なら、完璧に正確に打ち出す練習法を案出し、それを集中的に行ったからです。その結果、主なミスはボール1〜2個ショートという状態になっています。距離感の修得が課題です。

【参考】
・「緊縛趣味をパットに活かす」(tips_65.html)
・「距離感をマスターする」(tips_102.html)
・「パットの距離とストローク時間」(tips_76.html)

 

(July 04, 2018)

ストロークの二つの鍵

 

私は現在両手を伸ばしてストロークしています。この方法を開発していた頃のように熱心に練習していないせいか、最近どうもパットがパッとしなくなりました。

たまたま気づいたのが「Lee Trevino(リー・トレヴィノ)のロング・サム、ショート・サム」(tips_187.html)に出て来た「左親指を伸ばせば伸ばすほど(ロング・サム)、最後の三本の指でクラブをきつく握ることになる。それは左手によるコントロールの度合いを増し左手首をきつくする」という一節。

「最後の三本指が左手首をきつくする」は、まさにFLW(Fixed Left Wrist、フィックスト・レフト・リスト)の実現に他なりません。これまで、FLWを達成しようとして手首に集中するのは結構難しいことでした。私は左右両方の手をゆるゆるに握っていましたから、なおさらです。それが最後の三本指できつく握れば、自動的にFLWが達成出来るとは! こんなうまい話はありません。これが第一の鍵。

第二の鍵は自前の発見でした。私はレフトハンド・ローのグリップをしています。レフトハンド・ローは左手主導でストロークするのが主眼ですから、私の変則アドレスでも左手をピンと伸ばすものの、右手は比較的ゆったりさせていました。色々試しているうちに、「ひょっとして、右手を完全に伸ばしたらどうなるのか?」と思いました。

ボールを真っ直ぐ転がすには、ボールの真ん中をパター・フェースの中心で打たなくてはなりません。これが云うは易く行うは難し…の典型なんですね。ボールかフェース、どちらかのセンターを外すとボールに右回転や左回転を与えてしまい、カップを僅かに逸らしてしまう。さらに、センターでの打撃でないと、転がる距離をも減らしてしまう。で、右利きの場合は右手を伸ばすと、ボールとパター・フェースのセンターで打つことが保証されるような気がしました。

 

で、ある日の練習で、右肘(関節)をロックしながら先ず右手を伸ばし、次いで左手の最後の三本指をきつく握ってストロークしてみました。短い距離だと狙いの誤差が判らないので、10メートルの距離でテスト。これだとミスの幅が増幅されるので、今回発見した鍵の有効性が検証出来ます。いきなり素晴らしい成果があったわけではありませんが、以前よりカップにずっと近く寄るようになりました(もちろん、ギミーの距離)。

(July 04, 2018)

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のパター・ヒールの動きを監視せよ

 

これはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)が旧著や雑誌などに書いた原稿のパッティングの部分だけを集大成した本から、パターをスクウェアに動かすコツ。

'Putting My Way'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (John Wiley & Sons, Inc., 2009, $25.95)

「よいパッティングにはスクウェアなパターフェースとスクウェアなストロークが必要だ。ということは、パターフェースを真っ直ぐラインに沿わせつつパターヘッドは真っ直ぐラインに沿って前後に動かなくてはならないということだ。

これを達成する唯一の方策として、私はパターのヒールがトゥと同じ距離を移動する様をメンタル・リハーサルとして視覚化し、次いで実際にボールをストロークしながら、それが本当に起るところを周辺視野で見る。

お粗末なパッティングの最も一般的な原因の一つはボールに向かってパターフェースをクローズにすることだ。それはお定まりのように、あまりにも急速にターゲットラインの内側へとヘッド全体をプルしてしまう。それがあなたの抱える問題であれば、私のヒールの視覚化が役立つ筈だ。

インパクトにかけてフェースがスクウェアであるかどうかチェックするよい方法は、ボールの数センチ前(ターゲット方向)の一点を見つめ、その後通常のストロークをすることだ。あなたが凝視している一点を通過するパターヘッドが、オープンであるかクローズであるかを明らかにすることだろう」

(July 04, 2018)

2:3のストローク

 

私が最も聞きたくない言葉は"You had it!"(ちゃんと強く打ってたら入ってたのに)というものです。方向は完璧だったが、あと一〜二転がり足りなくてショートしたパットに対して云われます。方向性への賞賛と強さ不足への批判が綯い交ぜになっている表現です。

LPGAのあるメイジャー・トーナメントを見ていたら、女子プロたちは精一杯強めに打っているように見えましたが、それでも30センチ〜1メートルもショートするケースが多い。プロでも打ち切れないのです。

ある日の練習グリーン。どうやってもショートしてしまい、カップをオーヴァーしません。Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)が提唱する17インチ(43センチ)までオーヴァーしなくてもいいのですが、少なくとも20センチぐらいはオーヴァーしてほしい。それでないと、一日中"You had it!"を聞かされてしまいます。

私はストロークの強弱で距離をコントロールしたくありません。強弱には物差しが存在せず、一回一回変わったりしかねません。そこへ行くと、バックストロークの幅で距離をコントロールするのは目に見える物差しがあります。

しかし、そうやってもどうしてもショートしがちです。その原因は私にカップぴったりに打とうという性癖があり、「カップの向こうへ打つんだぞ」と身体に云い聞かせても駄目みたいなのです。

2:3のストロークをしてみたらどうだろう?と、突如閃きました。バックストローク2に対して、3のフォワードストロークをする。1:2では1メートルもオーヴァーしちゃいそうだし。3:5というのは複雑過ぎる。2:3が適切のようです。やってみると、これが実にいい。ちゃんと20センチほどオーヴァーします。これなら"You had it!"と云われることは激減しそうです。

私がドライヴァーを打つ時、左肩を最大限捻転したりしません。「草を抉(えぐ)る」(tips168.html)の練習で得た《左肩をボール位置まで廻した時、最も正確にボールを捉えられる》という結論を遵守しています。もっと廻そうと思えばまだ廻せるのですが、抑制した時の方が飛ぶんです。"Less is More"です。よく考えると、2:3のストロークも同じなのでしょう。バックストロークを抑制した方が、良いストロークになります。何故か?

推測ですが、1) 短いバックストロークだとスウィート・スポットでボールの真ん中を打つ確率が高くなる、2) バックストロークが長いと、本能的にATC(自動列車制御装置)によって減速しやすい…ということではないか?

 

(July 04, 2018)

長いパットにはライトハンド・ロー

 

ここ数十年、私はどんな距離でもレフトハンド・ローでパットして来ましたが、長い距離を寄せる技術がいまいちでした。無力なレフトハンド・ローで長いパットをするのは少し不自然で、遠くへ転がすためにパターを持ち上げたりしなければならなかったからです。

その昔、新しいテクニックとしてレフトハンド・ローが注目を集めて始めた頃、LPGAのJuli inkster(ジュリ・インクスター)は短いパットだけレフトハンド・ロー、長いパットはライトハンド・ロー…と使い分けていました。

で、10メートルのパットを二つのグリップで比較してみました。ライトハンド・ローだと多くがギミーの距離に寄るのに反し、レフトハンド・ローは1メートルもショートすることが多いという結果でした。やはり、長いパットにレフトハンド・ローは向いていないようです。

実際のラウンドで試してみました。この作戦は正しい。特に、グリーンの外の長い草の上からカップまで転がす際などは、これに限ります。この方式を思いついてすぐ、あるホールでグリーン外1メートルからチップインでバーディを得ました。左手主導のストロークだったら、カップのかなり手前で息絶えていたところです。

 

(Aug 01, 2018)

直感的にパットする

 

No.14(パー5)。私は入念に読み、ボールに描いた直線をラインに揃え、真剣にストロークした…にもかかわらず、1.5メートルのバーディ・パットに失敗。口惜しくて、他のチーム・メンバーが次のホールに向かっているのに、何度かパットをやり直しました。計四回試しましたが、四回とも外れ。我ながら呆れました。

次のNo.15(パー4)のグリーンに上がりながら、私は「今度はボールの線をラインに揃えたりせず、直感的にパットしてみよう」と考えました。しかし、長年の習慣というものは恐ろしいもので、他人のパットを待っている間に、身体が勝手に動いてボールの線をラインに揃えてしまいました。その読み通りにストロークしましたが、又もや失敗。ボギー。

No.16(パー4)。私の二打目は1.5メートルほどピンの右で停止。本当は、ここでもボールをラインに揃えたりすまい…と思っていたのですが、またまた身体が勝手に動いて狙い目に揃えてしまいました。ところが、アドレスした時、「読み通り線を揃えたラインではカップの下に行っちゃうぞ」と囁く内心の声がしました。これまでさんざ自分の読みに裏切られて来た私ですので、躊躇することなくもっと上を狙うべく変更。ボールの線を無視して、線を揃えたラインより10センチ上に向かってストローク。ボールは直感の通りに切れて、堂々カップ・イン!バーディ。

碁・将棋の軽口に「下手な考え、休むに似たり」というのがありますが、私の「読み」も、その類いかも知れないと思わされました。あるいは、ボールの後ろからカップを見た時に見えたラインは、アドレスした時に見下ろしたラインと異なるばかりでなく、後者の情報の方が正しいということかも知れません。

 

1998年の四つのメイジャー・トーナメントの裏表を読み物にした'The Majors'(ザ・メイジャーズ)という本に、その年のThe Mastersに優勝したMark O'Meara(マーク・オメラ)の最終パットの話が出て来ます。彼とキャディは入念にグリーンを読み、「ブレイクはカップと同じ巾かそれプラス1/2」と判断しました。「しかし、ボールにアドレスした時、Mark O'Mearaの心の中で何かが『ブレイクはもっとある』と囁いた。Augustaのグリーンの経験、14年にわたるゴルフ・コースでの経験が、『見えるよりも実際のブレイクは常に少し多い』ということを伝えたのだ」かく申す私は市営ゴルフ場で20年以上プレイしていますから、私の脳内データベースにも充分な情報が蓄積されており、それらが私に「ブレイクはもっとある」と囁くのでしょう。

次のラウンド、私は読むには読むけれども、ボールを狙い目に揃えるのを止めてみることを決意しました。しかし、なんとNo.7に至るまで、私の身体は習い性となったアライメント方式を敢行し、ボールの線を自動的に揃えてしまいました。No.8でやっとこさその呪縛を逃れましたが、パットの成功はNo.12までお預けでした。ここでは、全くボールの線で狙うことをせずに1.5メートルを沈めてバーディ。

最近のラウンドのNo.14(360ヤード)パー5。私は二打目をバンカーに入れ、それをホームラン。30ヤードのピッチングは、ピンから5メートルへ。ラインは、右から左へ切れる下りのサイドヒル。この距離を沈めるのは難しいので、カップぎりぎりに寄せてボギーでいいやと思い、この時に限りボールの線でカップの上5センチに狙いをつけました。アドレスすると、またもそのまま打つとカップの下に切れるのは必至と思えました。で、直感に従って狙いよりさらに5センチ上を狙ってストローク。チーム仲間も私も信じられませんでしたが、ボールはするするとカップイン。ホームランを帳消しにしたパーでした。

普通、バンカー・ショット込みでのパーをサンディと云いますが、バンカー・ショットに失敗した後のリカヴァリー込みでパーを得た場合、これもサンディと呼んでいいのかどうか悩んでおりますです(^^;;。

その後もボールの後ろから狙いをつけた後、アドレスして「ん?これは違うな」という場合、迷わず直感の方を優先し、何度も成功しています。

(Aug 20, 2018)

バンカー・ショットの距離調節・完全版

 

やっと気づきました。20ヤード以上のバンカー・ショットに、サンド・ウェッジやロブ・ウェッジを使うのは馬鹿であると。以前から、ベラボーに長いバンカー・ショットではギャップ・ウェッジを使っていましたが、はっきり何ヤードにはどのクラブと考えたことはありませんでした。

私がプレイしているコースは、予算の関係なのか何なのか、いくつかのホールのバンカーの砂の層が浅い。砂にヘッドを叩き込むと、砂の下の固い地面で弾かれ、バウンドしたクラブヘッドでボールを直接打ってしまいます。無論、結果はホームラン。ですから、バウンスの多いサンド・ウェッジは危険なので、私は原則としてバウンスの少ないロブ・ウェッジを多用していました。しかし、このクラブは10ヤード、頑張っても15ヤードの距離を飛ばすのが精一杯。20ヤード飛ばそうとしても無理で、大幅ショートしてしまいます。

私のTitleist Vokey 60°ウェッジは、バウンス角が7°です。Nike 52°ギャップ・ウェッジもバウンス角は7°。ですから、どちらも砂を薄く取れます。このギャップ・ウェッジで、20ヤードのバンカー・ショットを集中的に練習してみました。普通の長さでクラブを握ると、ぴったり20ヤードでした。面白いようにピン傍に寄ります。なーんだ。これなら、もっとサンディ(バンカー・ショット込みのパー)が得られそうだと思いました。

事実、ギャップ・ウェッジによるバンカー・ショットを練習した次のラウンドで、No.8のバンカーからギャップ・ウェッジで放った私の一打は、20ヤード離れたカップの左5センチにつきました。皆が唖然としたサンディ。私は、こんな風に研究と練習によって、惚れ惚れする成果が得られるのが大好きです\(^o^)/。

 

そのまた次のラウンド。No.16で二打目をベタピンにつけようと欲張った私は、寄せに失敗してボールはバンカーへ。距離は10ヤード。60°ウェッジを多少短く持った私のショットは、ピン傍10センチに。サンディ!

だったら、25ヤードはピッチング・ウェッジか?これも試してみました。ピンポーン!ピッチング・ウェッジを約10センチ短く持って、距離ばっちりでした。で、私のバンカーからの距離調節は以下のようになりました。

10ヤード:ロブ・ウェッジ(ロフト60°、バウンス7°)
15ヤード:ギャップ・ウェッジ(ロフト63°、バウンス7°)を約7センチ短く握る。
20ヤード:ギャップ・ウェッジをフルに握る。
25ヤード:ピッチング・ウェッジ(ロフト47°、バウンス不明)を約10センチ短く握る。
30ヤード:ピッチング・ウェッジをフルに握る。

・蛇足【バンカー・ショットのまとめ】

1) スタンスをガニ股風に大きく広げる(ほとんどのプロがこういうポスチャーをし、下半身はほぼ不動にしている)。
2) クラブフェースと身体のアライメントは、ターゲットにスクウェア。
3) 左肩を充分廻し、フルにコック。
4) ロフトを減らさぬため右手を固定する(手首を返さない)。
5) ボールを運ぶのでなく、砂を運ぶことに集中する(でないと、ホームラン)。

距離によってクラブとその長さ(握り方)を選択したら、スウィングは常に一定。これで、随分バンカー・ショットが楽になりました。

 

【参考】「ギャップウェッジとロブウェッジがない人の苦難」(tips_142.html)

(August 20, 2018、修正January 08, 2019、増補March 10, 2019)

先行捻転・再履修

 

「ドライヴァーでストレートに飛ばす秘訣」(tips_171.html)を、現状に合わせて改訂しようとしています。読み返すと、「先行捻転で飛ばす」(tips_161.html)の要素を全く含めていないことに気づきました。これは、現在の飛距離を5〜20ヤード増やしてくれる素晴らしいテクニックなのですが、私にとっては時折プッシュが出るため当時の成功率を71%程度と判断し、そのせいで双手を挙げてお薦めしなかったのです。

しかし、プッシュを排除するのはボール位置の変更で可能なのではないかと考えました。左足踵の前のボール位置を、左爪先の前、あるいはそのまた先…にすればフェースがオープンになることはない筈です。直ちに、練習場へ向かい、テストしてみました。

[pre-turn2]

ヘッドの位置は、いずれもボールの15〜16センチ後方。そこから、膝・腰・胸を廻しつつ35〜40センチほどヘッドを後退させると、アドレス完了。そこからバックスウィングを開始します。目はヘッド直近の仮想ボールを見つめたまま。

・ボール位置

1) 左足踵の前 飛距離伸びず。
2) 左足爪先の前 ここが最適。
3) 左足爪先の外側(ターゲット側) 盛大にプル。

このテストを行った日の本番で、「先行捻転で飛ばす」(tips_161.html)に書いた現象が再現されました。ホームコースのNo.3で2015年5月に先行捻転を行った時には、231ヤードのホールのティー・ショットをガード・バンカーに入れたのですが、今回はバンカーの左脇のピン・ハイにつけられました。いつもより少なくとも15ヤードは余計に飛んだ勘定です。上手く寄せたものの、パットをミスしパーに終わりました(;へ;)。

この日のラウンドでドライヴァーを先行捻転で打った結果、以下の通り。
・フェアウェイ左 42%
・センター    42%
・フェアウェイ右 17%

左も右もOBではありませんので、大怪我ではないのですが、全然褒められません。プッシュが減ったとはいえ、絶滅出来た訳ではありませんし…。私としては、是非狙った方向にストレートに飛ばしたい。上のような左右へのブレ方は気に入りません。何がいけないのか?

その次のラウンド。ドライヴァーによる方向は、以下の通り。
・フェアウェイ左 36%
・センター    64%
・フェアウェイ右  0%

この日悟ったのは、プッシュの原因は左肩の捻転の度合いだということ。バックスウィングで左肩は実際のボールまでではなく、ヘッドの前の仮想ボールの位置まで廻さなければいけないのです。これまでは実際のボール位置で止めていたので肩の回転が浅く、それがタイミング的にプッシュの原因であるオープン・フェースを形成していたようです。仮想ボールまで左肩を廻すことでプッシュは絶滅され、あとはプルを警戒すればいいことになりました。

プルが出る原因も解明出来ました。「飛ばそう!」という意識が強いと、ターゲット方向への体重移動が通常より急激過ぎたり、スウィングの速度が早まったりします。その結果、早めにフェースがクローズとなりプルを招くのです。スウィング速度を変えず、体重をやや後方に留めたまま振り抜くとプルも消滅しました。Tipとしては、次項の《頭を右膝の上に残せ》が役立ちます。

【警告】先行捻転をする際、僅かでも「ヘッドがボールにちゃんとスクウェアに戻るだろうか?」という不安を感じるとしたら、この手法を用いるべきではありません。不安はミスに繋がります。ティーアップを高くし、ヘッドを15〜16センチ離し、その前の仮想ボールを凝視するだけでも飛距離が増します。先行捻転は、充分な練習で自信がつくまで待つべきです。

(Aug 28, 2018)

頭を右膝の上に残せ [Alison]

これはドライヴァーのためのスローガンです。

私は、「飛ばそう!」と思うと、ダウンスウィングで思わず身体をターゲット側に泳がせてしまい、プルを招いてしまいます。相撲であれば、「只今の決まり手は、送り出し、送り出して凸凹山の勝ち」となるところですが、ゴルフでの送り出しはプルという失敗の決まり手です。頭は後方に留めておかなくてはなりません。

私がドライヴァーを打つ場合、バックスウィングで頭は後方に若干動くとは云え、依然スタンスの中程に位置します。ダウンスウィング開始と同時に右膝をターゲット方向に押し込みますが、それ以後頭はその右膝の真上に留まるべきなのです。頭が右膝に先行してターゲット側に移動すると、見事な「送り出し」となって失敗します。

頭を右膝の上に残すスウィングを実行すると、自分でも驚くほどパワフルなヒッティングになり、飛距離も方向も最良の結果となります。

【おことわり】画像はhttps://www.australiangolfdigest.com.auにリンクして表示させて頂いています。


(Aug 28, 2018)

ボールの前を見つめよ

 

[divot]

ある日、No.8(パー4)で二打目のアイアンを打つ際、8番アイアンを抜きながら、ふと「ボールの前の地面を見つめながら打とう」と考えました。アイ=ハンド・コーディネーションの作用によって、見つめている地点がスウィング弧の最低点になる筈です(私がドライヴァーを打つ際、ボール後方15〜16センチにヘッドを置き、その直前を見つめる打ち方や、バンカーでボールの後方数センチを見つめながら打つのと同じ理屈)。スウィング弧の最低点がボールの前になることは、ボールを先に打ち、次いで地面を打つことを意味し、同時にボールのターゲット方向でディヴォットを取ることを意味します。

アイアンは、ヒットダウンすることで地面より前にボールと接触するのが基本。理想的なスピンがかかり、方向性も良くなります。

私の8番アイアンのショットは、適切な高さの素晴らしい軌道で真っ直ぐ飛び、ピンの上1.5メートルにつきました。これを沈めてバーディをせしめていれば、この後もずっと《アイアンではボールの前の地面をみつめる》決意をしたことでしょうが、生憎パットを外してチーム仲間をがっかりさせてしまいました。その挫折感で、その後ボールを見る方法も忘れ去ってしまったのです。何たる浅墓さ。

次のラウンド、私のテーマは《アイアンではボールの前の地面を見つめる》一本槍。しかし、ただ見つめるだけでは駄目で、左手首を凸型にしてやや伏せ目のクラブフェースにしないと理想的な飛び方をしないことが判りました。凹型に折れた手首だと掬い打ちになってしまい、ロフトが増えるため、ボールは高く上がってショートします。

その後、アイアンを打つ時には必ずボールの前を見るようにしています。全体的にアイアンの精度が上がりました。

(September 09, 2018)

料理でもゴルフでも、一手間加えて美味しくする

Cookpad(クックパッド)のレシピによく出て来る惹句の一つは、「この一手間(ひとてま)で、さらに美味しくなります」というもの。

私は、ゴルフにも一手間かけるべきプロセスがあることを痛感しています。それは距離計測の方法です。GPS機器もグリーンの手前・中央・奥と、それぞれの距離を教えてくれるのですが、50ヤード以内(とりわけ30ヤード前後)では肉眼で目測するにしくはありません。それも単にボールの後ろからの目測ではなく…。

ボール地点からピンを見ると、およそ25ヤードの距離のように見えます。しかし、それはグリーンが受けていて上り勾配になっているための錯覚であることが多い。電動カートでプレイしている私は、足が疲れるのを心配することなくグリーンの横に廻って、ボールからピンまでの距離を目測出来ます。25ヤードと見当をつけたのは大間違いで、30ヤード飛ばさないと届かないことが判ったりします(これが非常に多い)。また、勾配によっては、さらに数ヤード多く見積もらないと、大幅ショートになるに違いないという発見をしたりもします。

私の「一手間」は、《億劫がらずにグリーンの真横まで行き、ボールからピンまでの実際の距離を確かめること》です。先週エイジ・シュート・マイナス1を達成したラウンドでは八個の寄せワン(計13パー)、そのまた次のラウンドでは九個の寄せワンに成功しましたが(計10個のパーと1バーディ)、その多くは上の「一手間」に負うところ大でした。

(September 09, 2018)

砲台へのチップ

ピンの根元が見えないほど下から打ち上げる場合、私は5ヤード増やして打つことにしています。

例えば目測で斜めに(直線で)15ヤードなら20ヤード、目測で斜めに(直線で)20ヤードなら25ヤード。5ヤード足すとピンを大幅にオーヴァーしそうですが、打ち上げでクラブのロフトが増えるため、ボールは異常に高く上がって距離が減ります。大体において、5ヤード増やして丁度いいという結果です。

ただし、常に5ヤード増で打つわけではなく、状況次第です。グリーン・オーヴァーしてグリーンへの打ち上げとなる時は、着地後ボールは下り坂を転がることになります。そのランを相殺するため5ヤード増は行わず、15ヤードなら15ヤードそのままとして打ちます。ぴったりピン傍で止まります。

(September 09, 2018)

Moe Norman(モゥ・ノーマン)のスウィング

 

[Moe #1]

私のゴルフ仲間の一人が亡くなり、彼の遺族からあるDVDを譲られました。それはカナダの異才Moe Norman(モゥ・ノーマン)のスウィングをモデルにしたインストラクションDVDなのですが、その二枚目全部にたっぷりとMoe Normanのスウィングが収録されていて、こっちの方が見ものでした。

Laws of Simplicity
by Graves Golf Academy, 2016

私はドライヴァーを打つ際ボールを高い軌道で打ち上げるために、ティーアップしたボールの後方約15センチでクラブヘッドを構えます。Moe Normanもボールのかなり後ろでクラブヘッドをアドレスするのですが、ドライヴァーを打つ時は15センチなんてケチなもんじゃありません。ヘッドが右足に近いので、およそ25センチ以上後ろのように見えます。【註】

【註】Moe Normanのスウィングをモデルにしたゴルフ・スクール'Natural Golf'の教科書によれば、「ドライヴァーではボールの30センチ後方にクラブヘッドをセットすること」となっています(そうすべき理由は明らかにされていませんが)。

しかし、Moe Normanは私のようにボール軌道を上げるために後方で構えるわけではないのです。何故なら、ティーアップしないでフェアウェイウッドを打つ時でもボール後方でクラブヘッドを構えますが、明らかにボールのターゲット側でディヴォットを取っています。右下の図を御覧下さい。フェアウェイウッドのクラブヘッドはドライヴァーほど後方ではなく、15〜17センチぐらいでしょう。ボール前方にディヴォット跡が明瞭に見えますね。ディヴォットを取るからには、ボールに向かってヒットダウンしているのであって、掬い上げようとしているわけではないのです。

[Moe #2]

ドライヴァーを30センチほど後方で構える時でも、彼は身体を捻転させません。スタンス・ラインも両肩を結ぶ線もターゲット・ラインに平行のままです。ですから、彼は「先行捻転」をしているわけではありません。ということは、インパクト前後では、クラブヘッドは地面すれすれに長く動くのでしょう。

Moe Normanのスウィングの特徴は、真っ直ぐ伸ばした両手をフォロースルーまで縮めないことです。他のプロたちのように両手とクラブが身体に巻き付くようなフィニッシュではなく、ターゲットに向かって伸ばされた両手がフィニッシュです。フォロースルー即ちフィニッシュ。見ているわれわれには、それはいささか物足りない思いを抱かせますが、彼にとってはそれで充分なのです。

私の現在のフィニッシュもMoe Norman風になっています。というか、両手とクラブが身体に巻き付くようなフィニッシュが出来ないせいですが(^^;;。

Moe Normanのニックネームは"pipeline"(パイプライン、送油管)でした。それほど真っ直ぐで、全く曲がらなかったからです。

「ベン・ホーガンは『真っ直ぐ飛んだボールは、どれも偶発である』と云った。私は彼に『私のスウィングを見れば、沢山の偶発にお目にかかれるだろう』と云った」
Moe Norman(モー・ノーマン)

「たった二人だけが自分のスウィングだというものを持っている。Moe Norman(モー・ノーマン)とBen Hogan(ベン・ホーガン)だ。私もこれが自分のスウィングだと云えるものを持ちたい」
Tiger Woods(タイガー・ウッズ)

なお、一枚目のDVD(インストラクション)でスウィングする人物も、クラブヘッドをボールから30センチ近く離してアドレスしますが、なぜそうするか、なぜそうすべきなのかについての説明はありませんでした。

何たる偶然か、シニア・グループにCharles(チャールズ)という新しいメンバー(黒人)が加わりましたが、彼はMoe Normanのスウィングをモデルにしたゴルフ・スクール'Natural Golf'メソッドでゴルフを始めたのだそうです(ただし、自分に合わないという理由で挫折)。彼は何と生前のMoe Normanのデモを見たことがあるそうです。ピンの周囲にボールが集まるその正確なアイアン・ショットに呆れ返ったとか。なお、彼もMoe Normanがボールの遥か後方でアドレスする理由は知りませんでした。

下のヴィデオは、上記DVDをリリースしたインストラクターTodd Graves(トッド・グレイヴス)による、Moe Norman方式の良さを伝えるイントロダクション。「旧来のスウィングは、手とクラブが折れ曲がっている2プレーンのスウィングである。手とクラブを一直線に伸ばしたMoe Normanの1プレーン・スウィングの方がシンプルで打ち易い」と云っています。

 

【参考】
・「Moe Norman(モゥ・ノーマン)のNatural golf(ナチュラル・ゴルフ)」(tips_10.html)
・「Moe Norman(モゥ・ノーマン)の半生」(tips_85.html)
・「先行捻転で飛ばす」(tips_161.html)
・「Moe Norman(モゥ・ノーマン)のプレショット・ルーティーン」(tips_187.html)

(September 16, 2018)

スウィング・スピードがボールの方向を変える

トップクラスのプロ・ゴルファーは、クラブの長短に関わらずスウィング・スピードが一定である…と云われます。それが何故なのか、解ったような気がします。

市営ゴルフ場のNo.9(230ヤード)は、ゆるやかな左ドッグレッグで、かなりの打ち上げです。他のゴルファーたちは、フェアウェイ真ん中ではあるものの5番アイアンの距離を残すか、飛ばす人でフェアウェイ右か、そのまた右のラフということが多いホール。私はここでフェアウェイ左へ打ち(ピンに近い)、短く持った9番アイアンでグリーンを攻める(とても簡単)…ということが数週間続きました。仲間の一人が、「このホールはあんたの庭だね」とやっかむように云ったほど。

ところが、ある日を境にそのお得意の場所(フェアウェイ左)に打てなくなりました。数週間右方向ばっか。不思議でした。

突然悟ったのです。最近、飛距離に自信を得ていた私は、このホールで以前よりもっと飛ばそうとし、通常より早いスウィングをしていたのです。通常のスピードならボール位置でクラブフェースがスクウェアになるところを、早いスピードだと手首がスクウェアに戻る前にボールに到達してしまう。オープン気味のフェースによって、ボールは右方向へまっしぐら(プッシュ)。

過ちに気づいた後、そのNo.9で「打つ」のでなく「スウィングする」意識で、ティーに立ちました。ちゃんと、以前のようにフェウェイ左側のお馴染みの地点に飛ばすことが出来ました。

パー3で、「欲張らずに大事に打とう」と、通常よりゆっくりのスピードでスウィングする場合も同じことが起きます。あまりにゆっくりでも、フェースがスクウェアになる以前にボールに到達してしまう。結果はプッシュ。

つまり、通常より早くても遅くても、ボールは真っ直ぐ飛ばなくなるのです。これが、名人たちが常に一定の速度でスウィングする理由だと思います。

(September 16, 2018)

パットする際、両手の高さを揃えよ

 

このテーマは以前研究したことがあるのですが、現在のストローク法に合わせた方法を模索しているうち、あるtipをヒントに、理想的状態に到達しています。

[straight_stroke]

私は、自身で考案した「常識外れのパッティング」(tips_185.html)を用いて、最近成功しています。

このメソッドの狙いは次の二点です。
1) パットの方向性と距離は、ボールの真ん中をパターのスウィートスポットで打つことによって達成される。
2) 上の(1)を成功させるには、腕とパターを一直線にすべきである。手・腕を伸ばしたり縮めたりしなければ、パター・ヘッドはアドレスした地点に自然に戻ってスウィートスポットでボールを打てる。

「手・腕を伸ばす」と云っても、精一杯突っ張るとストローク動作がぎごちなくなり、ショートしたりオーヴァーしたりします。かと云って、肘を過度にリラックスさせると手・腕が伸び縮みする恐れがあります。

手・腕の適切な伸ばし具合は、ボールと身体との距離で決まります。「完璧なストロークの探究」(tips_193.html)で紹介した方法(右図)を用いながら、様々な距離で試しました。

偶然と云うか奇跡と云うか、この時点で私は過去のあるtipに遭遇したのです。それはインストラクターPeter Krause(ピーター・クラウス)による「パットのショート病にはボールとの距離を確認せよ」(tips_167.html)というものでした。

 通常のセットアップをし、グリップから右手を外してだらんと垂らす。あなたの垂らした右手が左手のグリップより外側なら、あなたはボールに過度に近く立っている。この位置だとパターをアウトサイドに振り、ボールをカット打ちする原因となる。それをストロークする際に予感すると、パター・フェースをオープンにしてロフトを増やしてしまう。こうなると、ボールに過度のバックスピンをかけてしまうため、大幅にショートする。

垂らした右手が、パター・ハンドルと同じ位置に来るように立つ。そうすればソリッドなストロークでカップにボールを送り届けられる。

 

この示唆に従い、左右の手が同じ高さになるようにして、上図の練習をしたところ、100%と云うのは大袈裟でも、かなりの精度でスクウェアにストロークが出来るようになりました。

上のtipは「パターを構えた左手を基準にし、それに右手の高さを合わせる」という趣旨なのですが、私は逆ではないか?と思いました。パターを持った左手は、ゴルファーの勝手な考えでどうにでもなります。手を高く構えよう(あるいはその反対)とか、ボールに近く立とう(あるいはその反対)とか…。これらは重力を無視している(逆らっている)構えなので、ストローク軌道が微妙に上下にブレる恐れがあり、スウィートスポットで打つことを妨げる要素になり得ます。しかし、右手は重力に逆らうことなくだらんと垂れている。その右手に左手を合わせれば、自然の力と共に揺れる(真の振り子のような)スムーズなストロークが出来るのではないか?

そう考えた次のラウンド、全てのパットでだらんと垂らした右手に左手(+パター)の高さが合致するように努めました。右手より左手が高ければ、両足を少しターゲット・ラインから遠ざけて高さを合わせる。右手より左手が低ければ、少し両足を前進させて高さを合わせる。この日、特筆すべき成功率だったとは云えないものの、いくつかの大事なパットを沈めることが出来、この方式に自信を持ちました。

「手の高さの調節は、膝の曲げ伸ばしでも出来るんでないの?」とおっしゃる?出来ます。しかし、ゴルファー個々にとって最適のポスチャーというものがある筈なので、快適な膝の角度をころころ変えてはいけないと思います。快適な膝の角度を変えないで、ボールと両足との距離を変えるべきだと考えます。

本番では、左手一本でアドレスし、右手はだらんと垂らす。その右手に左手が揃うように両足を前後させてボールとの距離を調節する。こうすれば、ほんの一瞬で完璧なポスチャーが得られることになります。室内で横に置いた鏡でチェックすると、パター・シャフトと左前腕が一直線になっています。【左の生命線でグリップする私には、これは理想的な構えとなります】

右上の写真のMichelle Wie(ミシェル・ウィ)は、別にこのtipのデモをして見せているわけではありませんが、この記事の内容に近い写真なので掲載しました。彼女の場合、だらんと下がった右手に左手を合わせるには、ターゲットラインから少し下がらねばならないでしょう。

 

次の週のラウンドで8オーヴァー、パット総数28。さらにその次のラウンド。ハーフだけですがパープレイが出来て、その原動力は手堅いパットによるものでした。ハーフのパット数12は、上の方式の良さを証明していると云えましょう。そのまた次のラウンドは計5オーヴァー、パット総数27でした。

確実に云えるのは、上の方法でストロークすると、ボールは真っ直ぐ進むのだ…と確信出来ることです。ボールが狙い通り転がらないゴルファーは、是非試してみるべきです。

私の留意点:
・体重の掛け方を一定にすること。人によって拇指球に体重を掛けたり、踵に掛けたりすることでしょう(私は後者)。ストロークの間じゅう、その体重を移動させないこと。踵体重をストローク途中で爪先体重にしたりすると、スウィートスポットでボールを打てなくなってしまう。
・「はみ出し禁止のテイクアウェイ」(tips_124.html)をする。バックストロークで左肩を前に出すと、ストレート・ストロークでなくなってしまう。
・FLW(フラットな左手首)によるインパクトが必須。

【結論】ボールの真ん中をパターヘッドのスウィート・スポットで打つ最良の方法は、両手・腕を伸ばしてストロークすることです。これはMoe Norman(モゥ・ノーマン)がフル・スウィングでやっていたことであり、現在では24歳のプロBryson Dechambeau(ブライスン・デシャンボー、今年三勝している将来有望株、右の写真)がドライヴァーからパターまで全ての局面でやっていることです。異常でも格好悪くもありません。

【参考】
・「常識外れのパッティング」(tips_185.html)
・「完璧なストロークの探究」(tips_193.html)
・「はみ出し禁止のテイクアウェイ」(tips_124.html)

 

(September 20, 2018)

テコで飛ばせ

 

[Hogan]

私は「体系別スウィング」(tips_54.html)で「テコ型」と分類されている中肉中背のタイプに属します。

このほど、やっと何故自分がテコ型なのか理解出来ました。練習場で方向性と飛距離の関係を研究していた時、コックすることによって飛ばそうと集中するのではなく、バックスウィングの最後で右肘を畳むと、スコーン!と快音を放ってボールを長く真っ直ぐ打てることに気づいたのです。右肘を畳むバックスウィングは、本番でこれまでも時たま実行していましたが、これがテコの原理の応用であることに思い至りませんでした。

私は、左肩をボール位置まで廻してから、やおらコックする…という手順が教科書通りで正しいと考えていました。しかしです。手首に集中して意識的にコックすると、左手首を左や右に捩(ねじ)ってフェース角度を変えてしまう危険があります。それよりも右肘を畳んで付随的にコック動作を促す方が自然であり、手首の捩れを避けることが出来る…ということに気づきました。

【手・腕ではなく】その折った肘をそのまま下方(地面)に引っ張り下ろす。これだと暴力的ダウンスウィング不要、「コックを保ってレイト・ヒットしよう」という努力も不要です。ダウンスウィングの最初の瞬間に折り畳んだままの肘を引っ張り下ろせば、自然にコックが保たれ、努力せずにレイト・ヒットが実現します(心配しなくても、コックはインパクトで遠心力によって解(ほど)かれます)。これこそ、テコで打つことの神髄です。力むのは逆効果、ただ振り抜くだけでスコーン!と快打が生まれます。

Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)は「右肘を身体に引きつければ、多くのミスを減らせる」(tips_191.html)という記事で、「ダウンスウィングで身体に引きつけられるこの右肘の動きは、クラブヘッドがヒッティング・ゾーンに突入するまで、アンコックを正しく遅らせることを可能にする。このレイト・アンコックはクラブヘッド・スピードを増し、飛距離増に繋がる」と云っていますが、全く同感です。

これはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の右肘を身体から離す動きの正反対で、Ben Hogan(ベン・ホーガン)の写真の右肘に近いものです。彼のはトップからダウンスウィングに移る瞬間のようですが、上に述べた右肘の状態はこういう感じです。

(Octomber 05, 2018)

パットは芸術か科学か

 

パット名人やインストラクターの多くは「パットは科学ではない。芸術だ」と云っており、私もそれを信じていました。しかし、パターのスウィート・スポットでボールの真ん中を打つ努力と工夫をするうち、「ひょっとすると、パットは科学かも知れない」と思うようになりました。

[Science]

私は、身体的に右側に較べて左側(の手・腕、脚)が僅かに短いため、パットのアドレスをしたら、最後に左膝を右に押し込みます。こうすると、自動的に左肩が時計回りに少し動き、両肩がターゲット・ラインにスクウェアになります。これって、純粋に物理的動作ですよね。

また、パターのスウィート・スポットでボールの真ん中を打つためには、ボールと身体との間隔を終始変えない方がよいと考え、手・腕を出来るだけ伸ばしてアドレスしてストローク動作をしていますが、これも物理的思考です。

私のパッティングはいつの間にか、芸術よりも物理学に傾斜していたのです。そこで、思い出したのが'The Art and Science of Putting'(パッティングの芸術と科学)という本です。これは、以前短く紹介したことがあります。なぜ「短く」だったのかと云うと、「色々理屈はこねているけど、実際にプレイに応用出来る部分が少ない」と思われたからでした。実践的ヒントとは思えなかったので、その本に書かれた理論のどれ一つ、試そうとしませんでした。しかし、物理的パッティングに傾斜している現在、何か参考になるものがあるのではないかと思われました。

著者Rik DeGunther(リック・デガンサー)は工業物理学を修め、ハイテク・デザインの専門家として、科学的にパッティングを解明しようとした人で、当人もシングルの腕前だそうです。この本を再読して印象に残った箇所を、以前の記事と重複しない範囲で抜き書きしてみます。

'The Art and Science of Putting'
by Rik DeGunther (Masters Press, 1996, $14.95)

「・クラブフェースは常にターゲットラインに直角でなければならない。
・幅広い実験データに基づいて云えば、ストロークの軌道はたった15%しか正確なパットに影響せず、85%はインパクト時のパター・フェースの角度である。  【註】以上二点は、「完璧なストロークの探究」(tips_193.html)で紹介した練習法が正しいことを証明しています。
・指を他方の手に重ねるオーヴァラッピング(あるいはリヴァースオーヴァラッピング)・グリップがベストである理由はない。左手甲と右の掌がターゲットを指し、両方の親指がパターヘッドを指すようにする。右の人差し指を伸ばして、シャフトの脇に添える。手首の自由度を制限するため、左右の手を離して握る。これが最もシンプルでお薦めのグリップだ。
・頭は、ターゲット・ライン上で、ボールのやや後ろに位置させるべきである。
・どんな長さのパターを用いるにしても、両手は肩の真下に位置すべきである。(右の写真)

・スタンスはオープンにしても肩はオープンにすべきではない。肩は常にターゲット【カップあるいはブレイクの頂点】にスクウェアであるべきだ。
・ストローク動作は両爪先を結ぶ線ではなく、肩と平行に動かすべきである。これはパッティングで最も重要な要素である。

・両肘を寄せながら身体に近づけると、肘でもって傾斜するストロークになってしまうので、これは避けるべきである。逆に、両肘を離しながら前に突き出すと、ストロークを固くし、不自然なものしてしまう。
・最も望ましいのは、両肘を快適にゆったりと肩からぶら下げることである。
【註】この最後の部分は、「パットする際、両手の高さを揃えよ」(09/20)で私が書いたこととそっくりです。肩から自然に垂らした手・腕でストロークすべきなのです。
・ストロークの間じゅう(特にインパクトで)、右の掌および左手甲はターゲット【カップあるいはブレイクの頂点】にスクウェアに保つべきである」

著者はいくつかの単純なパッティング・ロボットのモデルを提示し、その利点と問題点とを指摘しています。

「パターがターゲットラインの真上で振り子のように動くロボットは正確である。ただし、それは回転軸(肩)もターゲットライン上にある場合であり、パター・シャフトを傾斜させてハンドルをターゲットラインから離すと、パターフェースがバックストロークでオープンに、フォワードストロークでクローズにならざるを得ず、垂直に垂れ下がった振り子動作よりは難しくなる。

 

人間の身体のように関節を備えた機械は、コントロールが難しい。最も単純で狙いに沿ってストロークし易いのは、ケーブル・カーのように上からぶら下がっているパターが直線的に動く(関節がない)ものである。ただし、これはバックストロークでどれだけ後方に引けばよいかを練習で身につける必要がある」

[square stroke]

右図の私の練習法は、後者の例のように直線的に動くもので、フォロー(図の③)までフェースがスクウェアであれば当然インパクトもスクウェアであるという想定で行っています。これは振り子式動作ではありません。振り子の付け根を左右に動かすわけで、こんな振り子は実在しないでしょう。

以上のように、「芸術と科学」という表題はちと大袈裟な本なのですが、次の二点で私が現在やっていることが支持されたと考えています。
・両肘を快適にゆったりと肩からぶら下げること。
・ストロークし易いのは、関節がなくパターが直線的に動くものである。【=ストレート・ストローク】

【参考】
・「Rik DeGunther(リック・デガンサー)のパットの芸術と科学」(tips_68.html)
・「Rik DeGunther(リック・デガンサー)のモーツァルトでパット」(tips_76.html)
・「Rik DeGunther(リック・デガンサー)のパターを加工する」(tips_65.html)
・「Rik DeGunther(リック・デガンサー)のパットでもトップの間(ま)」(tips_65.html)

【おことわり】本の画像はhttps://images-na.ssl-images-amazon.com/にリンクして表示させて頂いています。

(October 14, 2018)

フォワード・プレスでFLW

 

FLW(Flat Left Wrist、フラットな左手首)はパットに成功するために必須の秘訣です。間違っても、左手首を凹ませたり凸状にしたりしてはいけません。アドレスした状態のままでインパクトを迎えるべきです。今回のは、手首の微かな動きでFLWを貫徹させるtip。

私はフォワード・プレスというものをしたことがありませんでした。フル・スウィングでもパットでも。パット名人Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)によれば、普通のパターはロフトがあり過ぎるので、それを1〜2°に減らすためにフォワード・プレスが必要だ…とのこと。しかし、私のパターはロフトが「あり過ぎる」というほどではなかったし、愛用した一つなどは0°だったので、その必要がなかったのです。

ある日練習をしていて、パターフェースのロフトのためではなく、左手首を真っ直ぐにするためのフォワード・プレスをしたらどうか?と思いました。試してみると、左手首を伸ばす動きはパターフェースにほとんど影響を与えず、独立して出来ることが判りました。

右のヴィデオを御覧下さい。Rory McIIrloy(ロリィ・マカロイ、北アイルランド)がDave Stocktonの指導を受けた後、パッティングに成功し始めた時期の映像だそうです。彼のもパターフェースのロフトを減らすためというより、左手首を真っ直ぐにするためだけのフォワード・プレスに見えます。

実際にラウンドで試してみました。「左手首を伸ばすだけの微かなフォワード・プレス」とは云っても、パターフェースも僅かに伏せ目になります。しかし、たった1°ぐらいのものです。前半は慣れないことを始めたためリラックス出来ませんでしたが、後半はターゲット(カップあるいは中間目標)に真っ直ぐ転がるボールによって12パットに収められました。

 

「FLWのためのフォワード・プレス」、お勧めします。

(October 22, 2018)

ハーフのパット総数10を恵んでくれるグリップ

 

私の脳は100GBぐらいの容量しかなく(本当は、人間の脳は1,000テラバイトの容量があるらしいですが)、99.9GBの情報・知識・経験を記憶すると、新しい10GBの情報を蓄えるには、古い知識・記憶を消去するしかないようです。

[ultimate grip]

私は自分が書いた「完全なるパッティング・ストロークを求めて」(tips_193.html)という2018年4月の記事を“完全に”忘れていたのです。その記事の骨子はスプリット・ハンズによって左右の手首を殺したグリップでした。これを用いていた当時、「2月に一回、3月に一回、各ラウンドで四つのバーディを得ていた」と書いています。そんなに功績があったグリップによるストロークをとんと忘れ去っていたのでした。

ある日の練習ラウンドで、そのグリップをリヴァイヴァルさせてみました。最初のハーフは、あるホールがメンテナンス中でプレイ出来なかったため、パット数は合計出来ません。どっちみち、慣れないグリップに気を取られたせいで芳しい結果ではありませんでしたが。

しかし後半に入って、何と2パットはたったの1ホール、残りは全部寄せワンで、合計10パットの3オーヴァーでした。パット数計10というのは、私にとってこれが二回目ですが、前回(2011年6月)は二度のチップインを含む幸運の賜物でした。今回もピッチング、チッピングが良かったとはいえ、チップインはゼロでした。ですから、今度のハーフ10パットは堅実なパッティングによるものと云えます。

グリップの詳細は「完全なるパッティング・ストロークを求めて」(tips_193.html)にあるので繰り返しません。このグリップの素晴らしいところは、右手の四本指を左前腕に押しつけ続ける(矢印)限り、左手首の角度が変化することはない…という点です。FLWを気にしなくていいのです。横に置いた鏡で見ると、パター・シャフトと左手・腕は一直線になっています。また、例の床に寝せたクラブの上でのストローク練習も、これまでよりずっと正確に遂行出来ます。左手・腕を真っ直ぐ伸ばしているのですから、当然なんですが。

どうして、この金鉱のようなグリップを忘れていたのか?日記を読み返して分りました。6月頃、右手が強過ぎて失敗が続いた時、「遂に発見!ショートパットの秘訣」(tips_187.html)を読み直し、グリップを変えてしまったのです。そして、この技法は過去の実績もろとも完全に忘れ去られていたのです。いやはや、五ヶ月間を無駄にしてしまいました。

(November 01, 2018)

バンカー・ショットに失敗しない方法

 

「最大コックがバンカー・ショットの決め手」(tips_193.html)と「バンカー・ショットの距離調節・完全版」(tips_195.html)の二つを備えていれば完璧だと思っていましたが、もう一つありました。

上の二つに付け加えたいのは、他のフル・スウィング同様、《トップで重力(引力)がクラブを下方に引き戻す動きを待つ》ことです。これが最大コックを有効利用するパワーを付け加え、しかもスクウェアなクラブフェースを保ってくれます。

実際問題として、手・腕だけでクラブヘッドで砂の中を潜り抜けさせるには、ちょっとしたパワーを必要とします。最大限コックしていたとしても、砂の抵抗によってクラブヘッドがつっかえてしまうこともあります。

しかし、重力の助けを借りれば必ず振り抜けます。「バンカー・ショットはゆっくり打て」は多くのプロやインストラクターが説く言葉ですが、グリーンサイド・バンカーであれば距離は必要としないわけですから、全力を使う必要はさらさらありません。砂地獄の恐怖に怯えて慌ててスウィングするのでなく、ゆっくりトップに向かいフルにコックし、そこで一時停止し、クラブの重みが下方に向かうのを待つ。重力が司る振り子運動によって適切なパワーで砂を打ち抜けば、絶対チョロにはなりません。

 

(November 01, 2018)

パットの方向性を良くする裏技

 

これは「完全なるパッティング・ストロークを求めて」(tips_193.html)および「ハーフ10パットのグリップ」(11/01)を補完するものです。それらを未読の方は、一読されておくことをお薦めします。

実際には“裏技”というほど奇妙なものでも変則的でもなく、ほんの小さい調整なのですが、私の知る限りこれ迄語られたことのないテクニックであり、しかも方向性を抜群に改善してくれる工夫です。

私は以前からパッティング・ストロークは、左手首と左肘の使い方が鍵であると考えていました。

1) ある時、Ben Hogan(ベン・ホーガン)の本にあったように、左右の前腕の内側を空に向けて固定してストロークしたらどうか?と考えました。これは、あまりにも手と腕が強ばってしまって駄目でした。

2) 次に、左肘を真っ直ぐ伸ばしてガチンとロックしたらどうか?と考えました。これは当時やっていた両腕を伸ばすストローク法の助けとなってくれることを期待したのですが、やはり動作が木偶人形のようになってしまって、効果は上がりませんでした。

今回発見した技は「フォワード・プレスでFLW」(このページ上)を補強する策でもあり、上の二つのアイデアの根本を活かし、もっと洗練させたものでもあります。

アドレスした後、左前腕をほんの僅かターゲット方向に捩るのです(ほんの一寸ですよ。やり過ぎないように)。微かな筋肉の緊張が左肘に到達した瞬間、ストップ。ほんの少しの、繊細な動きですが、これが左肘をロックし、ついでに左手首をフラット(FLW)にするという一石二鳥の動作となります。パターフェースは、自然にフォワード・プレスした時と同じように1°ぐらい伏せ目となるでしょう。ですから、フォワード・プレスする必要はなくなります。

この動作をする時、上の(1)と(2)のような窮屈さや緊張はありません。窮屈さを感じたとしたら、前腕の捻り過ぎです。

 

この技を発見した後の練習で、ボールがどれもほぼ正確に狙った方向に転がり始めたので、我ながら驚いてしまいました。そしてこれが、後日の18ホール2オーヴァーのラウンドの原動力となってくれたのです。

【ストレート・ストロークに成功するコツ】
・左肩を終始前に出さないこと。
・体重を踵に掛け続けること。上の写真のMinjee Lee(ミンジー・リー、オーストラリア、LPGAツァーで四勝)も体重を踵にかけています。爪先体重だと、前のめりになってパターのヒール側でボールを打つ恐れがあります。
・ボールの残像を見るストローク。

【参考】
・「完全なるパッティング・ストロークを求めて」(tips_193.html)
・「完璧なストロークの探究」(〃)

(November 07, 2018)

パッティング・グリップの改良

 

現在、私のパッティングは最高の状態です。「パットの方向性を良くする裏技」(このページ上)のお蔭で、数回のハーフ・パープレイ、18ホール2オーヴァーのラウンド、エイジ・シュートなどの記録が達成されています。ストローク法については、この『日記』で詳説していますので繰り返しません。今回は、それを改良するアイデアの発見について記します。

[grip]

上のように、これまで書いた方法でも充分にいいストロークを恵んでくれているグリップですが、さらに留意すべきポイントを発見しました。

1) 「完全なるパッティング・ストロークを求めて」(tips_193.html)で、右手の生命線をパター・ハンドルの⑥(左図)に当てると書きました。実際にはほとんどのパターの⑤と⑥の部分は丸まっており、角はありません。ですから「生命線を⑥に当てる」という表現は、一寸曖昧でした。私自身にとっても、右手のグリップがホール毎に変わってしまう危険を孕んでいるため、必ず正しく握れる方法を発見することが急務でした。

[grip2]

で、それを明確にする方法を案出しました。右手だけでパターを持ちます。先ず、大雑把でいいので「生命線を⑥辺りに当てる」ように試みます。右手をゆるゆるにしながら、写真のように床あるいは地面に寝せたクラブ・シャフトなどターゲットラインを示すものを尺度として、パター・ヘッド上部にある狙い線(写真のパターでは三本の線)がスクウェアかどうかチェックします。ターゲットラインと狙い線が合致したらグリップを固めます。写真のように手を高めに上げている時には窮屈に感じるでしょうが、左手を添えて本格的にアドレスすると、両手は身体の下方に引き寄せられるので、その窮屈さは消滅します。心配御無用。以上で、右手の生命線を⑥に当てる…が、本格的に達成されたことになります。

【御注意】パターフェースをスクウェアにしても、右手の生命線がハンドルの⑥付近から外れ、⑦方向に動いたりしてはいけません。それだと、すぐさま右手がストロークをコントロールしようとしゃしゃり出て、方向性を損なってしまいます。

パター・ハンドルの④(左側面)に左手の生命線を当てながら両手でグリップを完成させます。下に置いたシャフトの上でストローク動作をしてみて下さい。格段に正確さが増し、パターヘッドの狙い線は下のシャフトからほとんど逸れない筈です。逸れるとすれば、1) ストローク中に左肩を前に出してしまった、2) 体重を踵にかけていない…などが原因であろうと思われます。

2) 「ハーフのパット総数10を恵んでくれるグリップ」(このページ上)に掲載した写真では、右手と左手の間隔がやや狭かったようです。完全なるFLW(フラットな左手首)のためには、両手を10センチ前後離し、完全なスプリット・ハンズにする方が効果的です。これですと、左手首を曲げようがなくなり、完璧な方向性が約束されます。

【御注意】スプリット・ハンズにしても「パットの方向性を良くする裏技」(このページ上)の前腕を捩るテクニックは必要です。でないと、このグリップの最高の効果は得られません。

スプリット・ハンズにすると、テコの作用によって以前より長くボールが転がりますので、やや控え目なストロークをする必要があります。

【参考】
・「完全なるパッティング・ストロークを求めて」(tips_193.html)
・「完璧なストロークの探究」(〃)

(November 16, 2018)

チップインの法則

 

チップインはプロでも喜ぶ嬉しいハプニングです。われわれも、ワン・ラウンドにせめて一回はチップインが出来たら、どんなに気持ち良いことでしょう。

私が自分や他人のチップイン、TVで見るプロのチップインを思い返してみると、そのほとんどが3〜5ヤード(あるいはそれ以上)グリーンを転がってからカップインしています。ボールがピンの中程〜下部のどこかを直撃し、そのままストンとカップインするケースも無いではありませんが、これは非常に稀です。チップインの多くが、上手いパットのように転がってから入ります。

この傾向に便乗しようとするなら、カップまで少なくとも3〜5ヤードは転がさなくてはならない。かなりピン近くに着地させて止めるようなチップは、入る確率が少ないと云えましょう。折角ピンに向かったとしても、カップを見下ろしながらオーヴァーしたりしちゃって。

私の「ピッチングとチッピングの距離調節・完全版」(tips_169.html)は、ウェッジでボールを弾くように打つと【クラブヘッドを下降→(インパクト)→上昇】高い軌道になりますが、地面の上を滑らすように打つと低い軌道でランが増えます。これからは、後者の打ち方に専念すべきだと思いました。

(November 16, 2018)

ショットでも残像を見よ

 

「ボールの残像を見よ」(tips_171.html)というtipは、パッティング・ストロークのために私が捻り出したものですが、実際には全てのショットで実行すべきだという気にさせられました。

[afterimage]

プロたちのフルスウィングを見ていると(スローモーション・ヴィデオや分解写真において)頭を残すスウィングをしていることに気づきます。しかし、パッティングで「頭を残す」を鉄則にしている私ですが、フルスウィングでも頭を残そうなどとは、ついぞ考えたことがありませんでした。

練習ラウンドのあるホールでプルを放った後、私は脳内で反省会を開きました。何がいけなかったのか。どうすればいいのか。で、その解決策の選択肢の一つが「残像を見るスウィング」でした。ボールは真っ直ぐ飛びました。

その日のNo. 18(280ヤード)。私の二打目は残り100ヤード。「残像を見るスウィング」を試してみました。驚くべし、ボールは「ガチャン!」とピンを直撃し、ピン傍30センチに落下。イーズィ・バーディ。(真下のカップに入ってくれればイーグルだったのに(^^;;)これなど、正確な方向性の見本以外の何物でもありません。

なぜ、これが素晴らしい効果を生むのか?考えるに、残像を見る(=頭を残す)ことは、頭の位置を変えない、すなわち背骨の角度も変えないインパクトが達成出来ることを意味します。アドレス時の背骨の角度を変えなければ、身体とボール間の距離も不変なので、クラブのスウィートスポットでボールの真ん中を打てる可能性が高くなります。これこそ正しい飛距離と方向性を生む鍵です。

[Wie]

この背骨の角度の重要性については、この『日記』で何度も言及して来たのですが、自分ではそれをとんと実行していませんでした。馬鹿は死ななきゃ直らない。しかし、死ぬ前に気づいてよかった^^;)。

われわれの多くは、前傾姿勢を完全に保たず、インパクト前後で立ち上がりつつターゲット方向に身体を開いてしまうスウィングをしがちだと思います。これだと、アドレス時の背骨の角度は失われ、クラブのスウィートスポットでボールの真ん中を打つことが(ほぼ)不可能になります。

アイアンを打つ際、これまではボールの直前(ターゲット側の地面)を見つめてスウィングすることを重要視して来ました。この「残像を見る」を実行するとなると、ボール全体ではなくボールのターゲット方向の先端と地面の両方を見なくてはなりません。

【追記】「残像を見るスウィング」をすると、正しいインパクトが得られるせいか、あるいはショットの結果が見られないので不安になって力むせいかどうか分りませんが、飛距離が伸びます。私の場合、いくつものホールで10ヤードほどオーヴァー目に乗せたりしています。(November 25, 2018)

【参考】
・「背骨の傾斜を維持せよ」(tips_114.html)
・「背骨の角度の重要性」(tips_147.html)
・「Tの字を傾けて捻転せよ」(tips-165.html)
・「1時にこだわれ」(tips-165.html)
・「背骨を正しく右傾させよ」(tips_173.html)


(November 23, 2018、追記November 25, 2018)

スウィートスポットの変動に注意せよ

 

[sweet_spots]

私は、ドライヴァーもアイアンもクラブヘッドの中央でボールにアドレスしたりしません。練習場でクラブフェースにインパクト・シール、あるいは水虫用(粉末タイプ)スプレーを施して打ってみれば判りますが、われわれはそれぞれスウィングの癖があったり、クラブそのものに癖があったりで、クラブヘッドの中央は当てにならないのです。

右の写真は昨年の11月に「日替わりスウィート・スポット」(tips_188.html)という記事を書いた時のアイアン六本です。左から5番、6番、7番、8番、9番、ピッチング・ウェッジの順に並んでいて、テストした結果赤マジックでアドレスしないとフェースの真ん中で打てないことが判りました。この時の“私の”スウィートスポットは、クラブフェースの真ん中付近三本、トゥ寄り二本、ヒール寄り一本でした。

つまり、5番と8番アイアンを普通にクラブフェースの中央でアドレスして打つと、否応無くフックすることになります。最後のピッチングウェッジをクラブフェースの中央でアドレスして打つと、プッシュかスライスが出ます。

その“私の”スウィートスポットが一年後にどう変化したか、このほど確認してみました。右下の写真がその結果です。今回もクラブの並び順は同じですが、黒マジックが今回の“私の”スウィートスポット。6番と7番のスウィートスポットがトゥ寄りに移動、ピッチング・ウェッジのスウィートスポットがフェースの真ん中に移動しました。他の三本はほぼ変わらず。

[sweet_spots4]

本当は一本のクラブにつき、練習ボールを一篭打つ位でないといけないのに、たった3〜5回のスウィングで決めるのは乱暴です。しかし、やらないよりはマシという考えも出来ます。事実、ここ一年の私の好調を支えてくれたスウィートスポットだったわけですし…。しかし、クラブによってスウィートスポットが移動するというのは、考えてみれば恐ろしいことです。プロのように一定したスウィングが出来れば問題ないのですが、私のレヴェルだとしょっちゅうスウィングが変動するということを見せつけられているわけです。

こういう調子だと、頻繁に検査する必要があります。皆さんも御自分のスウィートスポットを調べてみることをお薦めします。このために練習ボールを買う必要はありません。練習マットのゴムのティーを弾くだけで充分です。フェースに粉末タイプの水虫スプレーを吹きつけ、ゴムのティーを打ちます。先ず、フェースの真ん中でボールにアドレスし、打ってみます。体重の掛け方を一定にすること。ゴム・ティーを弾いた跡がトゥ側やヒール側に一定していれば、フェースの真ん中とのズレを相殺する(そこでアドレスすれば真ん中で打てる)位置にマジックで印をつけ、次のクラブに移ります。もしゴム・ティーを打った跡がバラけるようであれば、一定になるまで繰り返します。


(November 23, 2018)

傾斜した狭いグリーンの攻略

 

私がプレイしているコースのパー3は、どれも手強い。全英オープン・コースの一つに"postage stamp"(切手)と綽名されるホールがありますが、こちらの二つはそれより小さい。そしていずれも急勾配で左右どちらかに傾斜しており、「乗った!」と思ってもコロコロと転げ出てしまいます。

これまで、いくつもの作戦・スウィング・心理で、これらのホールを攻めようとして来ましたが、まだ攻めあぐんでいます。ある夜、床に入って「真っ直ぐ打とうとするから、どんどん転がってこぼれてしまうのかも知れない。早くボールを止める必要がある」と考えました。「早く止める?フェードか!」

寝床を飛び出して、『日記』を読み返しました。「フェードの秘訣」(tips_179.html)です。この記事のオリジナルは真に“秘訣”と呼べるもので、懇切丁寧な内容です。この記事の要点を抜き出すと、
1) クラブフェースはターゲットにスクウェアに構える。
2) ボールが最初に発射される方向(ターゲットのかなり左)にスタンス・ラインを定める。【注意:フェースはターゲットに揃えたまま、動かさないこと】ボールがオープン・スタンスの前方になるように微調整する。
3) グリップはウィーク(Vが背骨より左になる)。
4) スタンス・ラインに沿ってスウィングする。
5) 身体の回転を早めにし、オープン・フェースを活かすため手首を返さないで打つ。チキン・ウィング気味に、【右の写真のように】懐を広くしたフォロースルー。
【詳しくは「フェードの秘訣」全文(tips_179.html)をお読み下さい】

次の日、全てのパー3をフェードで狙ってみました。三つのホールでプッシュし、フェードで乗せられたのはたった一つでした。ま、一夜漬けで全部乗るとは思っていませんでしたから、一つでも成功すれば御の字。四つのうち三つはパーでしのげましたので文句はありません。

その次のラウンド、No.1の急な上りの145ヤードの二打目で3番ウッドのフェードに挑み、何と1メートルにつけることが出来ました(惜しくもバーディは逃してしまいましたけど)。このホールは右から左への傾斜が急なので、オンさせると止まらず左の崖下へ転落するのが普通なのです。誰であれ2オンさせるなんて滅多にお目にかかれない出来事である上に、しかもピン傍というのは目の覚めるプレイに他なりません(自画自賛)。これもフェードのお蔭です。右回転のボールだったからグリーン上で停止してくれたわけです。ありがたや。ただし、パー3でのフェードには1ホールを除いて失敗してしまいました。

 

そのまた次のラウンドでもフェードによるNo.1の2オンに成功しました。しかし、肝心のパー3でまだ見事に乗るという域には到達していません。一つには、私にとってアウトサイド・インのスウィングは難しいのです。生来フック系な上に、通常はターゲットに向かってストレートなフォローを出すスウィングをしているため、かなり大袈裟にアウトサイド・インで振らなければならず、その度合いを定めるのは容易ではありません。

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)は徹底したフェード派です。それが正しいことは、彼の勝利数が証明しています。傾斜した狭いグリーンのコースでプレイしている私も、フェードを多用すべきであることを痛感し、今後も探究を続けるつもりです。

(December 05, 2018)

赤子をあやすようにパットしてはいけない

 

恐る恐るパットして大幅ショートした場合、英語では"I babied it."と云います。動詞としての"baby"には、1) 赤ん坊扱いする、甘やかす、2) 物を大事に扱う…という意味があります。

私がある日のあるホールのバーディ・パットに失敗したのは、まさに"I babied it."したせいでした。かなり右に切れる急な下りのラインだったので、カップの左端を狙ったのですが(この狙いは良かった)、そっと打ったボールはへろへろと転がり、地面の凸凹の影響をもろに受けて、千鳥足の酔っぱらいが巧妙に通行人を避けて歩くように、カップを避けてしまったのです(;へ;)。

いかに短くても、いかに急な下りでも、ボールには推進力を与えなくてはなりません。われわれがプレイするコースはマスターズ・トーナメント会場ではないので、グリーン表面は理想的な平面ではありません。ボールは、新米グリーンズ・キーパーによる虎刈りやゴルファーたちの踏み跡、引っ掻き傷などを乗り越える障害物競争を克服せねばならない。プロたちがTVで見せるトンと押すようなストロークでは、障害物競争に勝てないのです。

下りでオーヴァーするのが恐くて強く打てないとしても、適切な推進力は与えなくてはならない。その場合、ボールの赤道の上を打って、トップスピンを与えるのがいいようです。下りのパットを穏やかに打とうとする際、パターのトゥ寄りで打つという方法もありますが、この場合、ボールにスライス・スピンを与えないか?と心配になります。

実際にテストしてみました。正解は「赤道の上を打つ」でした。これだとボールは狙ったポイントに真っ直ぐ転がります。トゥ寄りで打つと、やはりへろへろ球になり地面の凸凹の影響を受けます。

 

(December 05, 2018)

スウィートスポットでパットすべし

 

[stroke]

ドライヴァーやアイアンをスウィートスポットで打たねばならないのは周知の事実ですが、パットで方向ミスを犯してもその程度が小さいので、あまり真剣に考えられていないような気がします。かく申す私にしてからが、昨年から今年にかけて、やっと右図のようなストレートな軌道でストロークする練習法を開発したぐらいですから。【参照「完璧なストロークの探究」(tips_193.html)】

「スウィート・スポットでパットせよ」(tips_137.html)で、元検眼医で各種スポーツにおける眼の能力を発展させる方面の第一人者となり、現在はPGAツァー・プロにパッティングを指導しているDr. Craig L. Farnsworth(クレイグ・L・ファーンズワース博士)は次のように云っています。

ボールを常にラインに乗せるにはスウィート・スポットで打つことだ。ボールをパターのトゥ近くで打てば、自動的に捩じれてフェースがオープンになるし、ヒール近くで打てばクローズになり易い。こういう中心から外れた接触は、ボールに伝えるエネルギーの量に影響するので、強さや方向のコントロールにムラを生じがちだ。

10フィート(約3メートル)のパットの成功の一部はスウィート・スポットによると云って過言ではない。あるゴルフ用品デザイナーのデータによれば、25フィート(約7.6メートル)のパットをPGAツァー・プレイヤーがスウィート・スポットを外したとしても1/4インチ(約6ミリ)のズレに過ぎないが、ハンデ0〜5のゴルファーたちだと1/2インチ(約1.3センチ)もズレるそうだ。この場合のズレは最大40%のエネルギーのロスとなり、大巾ショートを意味する」

私の場合、上図のようにストロークし、しかも「ボールの残像を見よ」(tips_171.html)を併用すれば、短いパットの成功率は極めて高いと云えます。どちらもスウィート・スポットでストロークするために捻り出した工夫です。ま、成功と云っても、確実なのは1メートル以内ですけど。しかし、ラインの読みさえ良ければ3メートルが入ることもあります。私の寄せワン率が向上しているのは、チッピングが七割、パッティングが三割という感じだろうと思っています。

【参考】「手首と手を伸ばしてストロークせよ」(tips_191.html)

(December 16, 2018)

ターゲット・ラインの拡大

 

[stripe]

マスターズとPGA選手権を含むツァー17勝を挙げたJackie Burke, Jr(ジャッキィ・バーク二世)は、「ペンキ塗りの刷毛の幅のラインを視覚化せよ」と云いました。まあ、刷毛の幅はちょっと太過ぎると思いますが、確かにボールに描いた細い線で狙うと、つい精密に狙おうという気になって時間もかかるしストロークも神経質になります。

で、このほど線を太くしてみました(図の右)。このボールでの最初のラウンドはパット総数25でした。もっとも、チップイン(まぐれ)を一個含んでいますので、ちょっと通常との比較が難しいですが。

このボールを使った次のラウンド、アウト13、イン13で、パット総数26に収められ、7オーヴァーでした。これ、結構使えます。


(December 16, 2018)

フェードの研究

 

[fade]

コースが閑散としていたある日、No. 4(パー3) 140ヤードでフェードの練習をしてみました。これまでストレートに打っていた時は、21°ハイブリッドでした。フェードを試すようになったら21°では大幅に不足するので3番ウッドにしました。たった140ヤードに3番ウッドというのは信じられないかも知れませんが、私はこの距離の場合に大振りもしないし、パワーも使わないのでこれで適切なのです。

何発か打ったうちのボールが、真っ直ぐ飛んでピンを直撃し、ピンの向こう1メートルに落下しました。嬉しい結果オーライですが、フェードでなくストレートだったので満足は出来ませんでした。

アウトサイド・インが不足なのだと考え、肩とスタンスラインを大袈裟なほどオープンにしてみました。頭を左に廻すと、左肩は左の背後にある大木を指している感じで、感覚としてはターゲット・ラインに対し45°もオープンにしているように思えます。その構えで打つと、ボールは左前方の木にぶつかってしまいます。「どうしてだ?」私は写真のようにティー・グラウンドにクラブを置いてみました。右のクラブはターゲット・ラインで、左はスタンス・ライン。こうして見ると、スタンス・ラインは10°オープン程度に過ぎません。45°なんて誇大妄想でした。周辺視野によって、背後の大木が見えたに過ぎないようです。

フェードは、オープンにしたスタンス・ラインに沿ってアウトサイド・インにスウィングします。私はストレートに打つ場合と同じように、ティー・グラウンドの左にボールを置いて打っていました。すると、スタンス・ラインが左を向いていればボールは左へ出て、左の林にぶつかって当然だったのでした。

で、私はティー・グラウンドの右側から打つことにしました。

次のラウンド、No. 4では2.5メートルに、No.12(パー3)では1.5メートルにオンさせることが出来ました。

【追記】昨日、No. 7(160ヤード)で2.5メートルに1オン、No. 12(105ヤード)で、3メートルに1オンさせることが出来ました。(December 17, 2018)


(December 16, 2018、追記 December 18, 2018)

「ピッチングとチッピングの距離調節」改定の経緯

 

私が属しているシニア・グループに最近加わったWayne(ウェイン)という男がいます。彼は元消防署職員で、背が高い飛ばし屋ですが、非常に温和で明るい性格。小技も結構巧いのですが、ドライヴァーが不安定なのとダフったりチョロったりのミスでスコアを壊しています。

彼は私のウェッジ・ゲームを賞賛してくれ、私から習いたそうな気配でした。実際、私が推薦したTitleist Vokeyの60°ウェッジを、あっという間に購入してしまったほどです。前に一度、「教えてくれ」と云われて手ほどきした別な男がいたのですが、私の技法は複雑過ぎたらしく、その男はマスターするのを諦めてしまいました。今度、Wayneに教えるとしたら?と頭の中で想定問答をしていて、ハッと気がついたことがありました。

[marks] [Lob swing]

私のこのテクニックは、《クラブは1インチ(2.5センチ)短く持つと距離が10ヤード減る》という原理に基づいています。で、60°ウェッジのフル・スウィングの際に親指先端を当てる場所を基準として(右のハンドルの写真の"e")、そこから1/2インチ(1.25センチ)刻みで"d, c, b, a"とマークをつけました。1/2インチですから5ヤード刻みで距離が短くなる勘定です。【手で触って感じられるマークをつけると違法ですが、見えるだけで触感が得られなければ合法です】

スウィングとしては、図左の"2"がクラブシャフトが地面と平行になり、最も目安とし易い角度です。私の場合、ハンドルの"a"で、この"2"のバックスウィングをすると、15ヤード飛びます(キャリー+ラン)。

現在の私の方法は"a"で握って"1"のバックスウィングで10ヤード、"2"で15ヤード…と打っているのですが、20ヤードになると"b"で握って"3"のバックスウィング、25ヤードだと"c"で握って"2"のバックスウィング…という風に変化させます。

頭の中で「なんで、そう複雑にするわけ?」というWayneの声が聞こえるような気がしました。「1/2インチ長く持つ度に、5ヤードずつ増える…という方が簡単でいいのに」と云われそうでした。確かに、"a"で握って"2"で15ヤードなら、"2"のバックスウィングは変えずに、"b"で20ヤード、"c"で25ヤード、"d"で30ヤード、"e"で35ヤード…になる理屈です。この方が簡単です!

"2"の次にスウィングし易いのは"4"の左腕が胸の前で地面と平行になるバックスウィングです。これも、"a"で握って飛ぶヤーデージを見つけたら、同じ"4"のスウィングで、5ヤード刻みで打ち分けられるではないか?これが可能なら、「ピッチングとチッピングの距離調節・完全版」(tips_169.html)に掲載した複雑な図表は必要なくなり、俄然シンプルになる!…と思いました。

実際には私の60°ウェッジのハンドルには、もう一つ1/2インチ長く握る距離が残されているので、それを"f"とすれば、さらに二つのヤーデージをカヴァー出来ることになります。

コースで試してみました。"4"の、左手が胸の高さで地面と平行になるスウィングは、"e"は50ヤードでした。そして、"d"で45ヤード、"f"なら55ヤードです。これによって、全体に10〜55ヤードがカヴァー出来ることになります。

実際にこの方式を本番で試してみました。正しい!その事実があっけなく証明されました。"2"と"4"だけに限定すると、曖昧な"3"を除去出来るし、組み合わせを覚える必要もなくなります。現在でも定評のある私のピッチング、チッピングは、さらに完成度を増すことが可能になります。というわけで、次の記事のように大改訂しました。

『負うた子に教えられ』という言葉がありますが、まだ背負ってもいないのに仮想問答で教えられ、大なる進展があった…という一幕でした。

(December 24, 2018)

「ピッチングとチッピングの距離調節」簡略版

 

「ピッチングとチッピングの距離調節・完全版」(tips_169.html)を改訂します。では、前のは「完全」ではなかったのか?というと、いや、完全ではあったのですが同時に複雑だったのです。それを改良し、シンプルにしました。

この技法だと、10〜55ヤードの距離を60°ウェッジ一本で5ヤード刻みで簡単に打ち分けられます。以下は私のスウィングによる距離調節の例ですので、ゴルファーやボールによってはもっと飛ぶ人、飛ばない人もいることでしょう。それぞれ、実際にボールを打ってみて、それから本格的調整に着手して下さい。

[lob]


トップ ハンドルを握る位置
a b c d e f
110          
215 20 25 30 35 40
3      45 50 55

このテクニックは、《クラブは1インチ(2.5センチ)短く持つと距離が10ヤード減る》という原理に基づいています。先ず、60°ウェッジをフルスウィングで握る場合の左手親指の位置を定めます。それがハンドルの写真の"f"になります。そこから、1/2インチ(1.25センチ)刻みで"e, d, c, b, a"とマークをつけます。【USGAによれば、手で触って感じられるマークをつけると違法だが、見えるだけで触感が得られなければ合法】 1/2インチですから、そこに左手親指を当ててスウィングすれば、5ヤード刻みで飛距離が短くなる勘定です。

明瞭で解り易いバックスウィングのトップの目安は、クラブあるいは左腕が地面と平行になるトップです(左の図の地面と平行の二つの線)。先ず、短い距離から説明します。私の場合、ハンドルの"a"で握り、クラブが地面と平行になるトップ(図の"2")だと15ヤード飛びます(キャリー+ラン)。すると、理論的に(というか、私の場合実際に)"b, c, d, e, f"…と握る場所を変えると、このクラブが地面と平行になるトップで、六種類の距離を打ち分けられるようになります。方向性は別ですよ。それは個々のスウィング次第で、正確だったりピンの左右にバラけたりします。しかし、距離に関しては正確極まりなく打てます。

10ヤード
これが一番難物です。この距離はクラブが地面と平行になるより低い位置で打たねばならず、目安がないからです。この距離はこの「ピッチングとチッピングの距離調節」の唯一の弱点であり全く保証出来ない部分で、専ら猛練習による力加減に頼らざるを得ません。唯一の目安は「"a"で握って、クラブは地面と平行以下」ということだけ(図の1)。この距離は、実はパターを使う方が賢明かも知れません。

15ヤード〜40ヤード
これについては、上で説明しました。図の"2"のトップで、"a"〜"f"のいずれかでクラブを握って打ち分けます。

45ヤード〜55ヤード
この距離を打つには、左腕が胸の前で地面と平行になるトップ(図の"3")で打ちます。"d"で45ヤード、"e"で50ヤード、"f"で55ヤードです。

【おことわり】私は「○ヤード」と書いていますが、これはロードメジャーで測った数値でも、GPS距離計の数字でもなく、また歩測で調べた距離でもありません。目測です。何故か私の目測は実際のヤードよりも短く、17ヤード近辺を20ヤードとして認識する傾向があります。しかし、実際のラウンドで歩測している暇はないし、GPSもその日のピン配置や勾配まで計算してくれるわけではないので、やはり目測に頼るしかありません。私の場合、私の目が20ヤードと結論を出したら、それがロードメジャーで17ヤードだったとしても気にしません。要は目測通り正確に打てればいいだけなので。

【参照】「ロブ・ウェッジの工夫」(tips_194.html)

(December 24, 2018、増補April 08, 2019)

ボールのどこを見てパットするか?

 

普通は、スタンス中央に置いたボールをパットする人が多いと思われます。私もずっとそうしていました。

ところがある日、練習グリーンでパットしているうち、ボールを左足の方に寄せてパットすると何かしらいい感じがしました。ボールがスタンス中央だと、ボールの天辺を見ながらストロークすることになりますが、左足に寄せるとボールの右側面を見ながらストローク出来ます。パターヘッドはボール右側面を打つのであって、ボールの天辺を打つのではない。打つ場所を見つめながらストロークする方が自然のような気がしました。

[Eye_position]

スタンス中央というのは、振り子運動の弧の最低点で打つという趣旨なのでしょうが、ストレート・ストロークは地面と平行にパターヘッドを動かすので、ストローク弧の最低点を気に病む必要はありません。もしパターヘッドが上昇気味になってボールと接触するにせよ、ボールの赤道の上を打つ方がフォワード・スピンで転がりがいい…と説くプロも少なくありません。

右図はパッティング・インストラクターStan Utly(スタン・アトリィ)のボールと目の位置です。彼もボールの右横を見ていることが判ります。パット名人Bobby Locke(ボビィ・ロック、1917〜1987、南ア)やBen Crenshaw(ベン・クレンショー)のボール位置も左足寄りです。

右側面を見ながら打つと、不思議ですが安心感が湧きます。これ、ナーヴァスになりがちなパッティングには、ひょっとすると重要なことかも知れません。

ある日、全部のパットをスタンス中央より左に置いてストロークしてみました。1.3メートルと1.8メートルのバーディ・パットに成功、他にも2メートル前後の距離をいくうか沈め、チームの仲間を驚嘆させました。この方式、間違いなく良さそうです。

いま気がついたのですが、ボールの天辺を見る時はあまり焦点が定まらない目で漠然と見ているのに反し、ボールの右側面を見ようとすると焦点が狭まるのです。大きい丸ではなく、右脇の小さな点(ディンプル)をみつめることになり、集中力が高まって、パターヘッドをボールにスクウェアに接触させるのを助けてくれるような気がします。

【参考】「パットのボール位置は胸骨のちょい前にせよ」(tips_159.html)

(January 08, 2019)

脱力してストロークせよ

 

ある日のNo.7(パー3)、私のパー・パットはピンまで上りの1.5メートル。チームの他のメンバーはみなパーを逃し、私がパーでしのぐことを切望しています。私も、是が非でも入れたいと思いました。

アドレスし、体重を調整し、三度素振りして距離感を身体で覚え、最後にもう一度カップを見て距離を再確認。そして、やおら本番。その時、何故か私は手・腕から(多分、肩からも)力を抜いたのです。強ばりを解かれた手・腕によって雲を掻き分けるようにソフトにストロークされたボールは、真っ直ぐカップに向かって転がりポトンと沈みました。その脱力した感覚と、ふんわかした打感は、脳と身体にいい後味を残してくれました。

続くNo.8(パー4)。私の二打目はピンまで上りの2メートル。われわれにとっての2メートルは、入れごろ・外しごろで、誰にも結果は予見出来ません。

私はそのラインを「カップの右端を狙えばよい」と読み、アドレスに入りました。その時、頭の中に前のホールでの脱力したストロークが蘇りました。その再現に努力した私のパットは目論見通り転がり、ポトンとカップイン。バーディ!

われわれは、単純にボールをカップに送り届けようとするプロセスよりも、その結果である「パットを成功させよう!」という意志によって緊張し、身体を強ばらせてしまうようです。強ばりがあると打ち切れずショートしたり、不自然な動きで方向を捩ってしまったりします。子供がパットするように、「ボールを穴に放り込む素朴な遊び」だと考え、脱力してボールを転がすことに徹する必要がありそうです。

 

(January 08, 2019)

裏技礼賛

 

年末年始恒例のサイト・メンテナンスを行いました。その時、「パットの方向性を良くする裏技」(tips_195.html)の《左前腕をほんの僅かターゲット方向に捩る》を読み直し、「最近、これやってなかったな」と気づき、これを加味すればもっと良くなる筈だ…と思いました。

その次のラウンドから、私のパットは全然入らなくなりました。それまで絶好調だったパットが台無しになったのです。現在、私はスプリット・ハンズでストロークしており、これはFLW(フラットな左手首)を遂行出来る理想的なグリップですから、左前腕を僅かでも左へ捩るのは屋上屋を重ねることなので、やるべきじゃなかったのだと考えました。

しかし、よくよくそのtipの前後の記事を読み直すと、私は「ハーフのパット総数10を恵んでくれるグリップ」(tips_195.html)でスプリット・ハンズのグリップを採用し、その後に「パットの方向性を良くする裏技」を発見したのです。両者は相性がいいだけでなく、最高のコンビだったのです。

で、本日Mike Reekie(マイク・リーキィ)と二人だけのラウンドで、迷うことなく《左前腕をほんの僅かターゲット方向に捩る》ストロークを試しました。すると、何度も長短のパットがスコンスコン入ってしまい、Mike Reekieが「プロみたいじゃないか!」と舌を巻いたほどでした。裏技は正しかったのです。

彼とは缶ビール一本を賭けたマッチ・プレイを行ったのですが、No.14で私が6アップで勝ちを決めてしまいました。前々項の「ボール位置を右にする」アイデアによって、ザックリ無しどころかピン傍に寄せたことが何度かあったのも助けとなりましたが、《左前腕をほんの僅かターゲット方向に捩る》裏技の功績大です。2メートルぐらいのパットが入ってくれると、最高に気持ちがいいです。

思うに、私は自分で「(捩るのは)ほんの一寸ですよ。やり過ぎないように」と書いていた癖に、捩り過ぎていたのでしょう。捩る度合いは《ごく僅か》でなくてはなりません。

 

(January 21, 2019)

先行捻転の本格活用

 

最近、めっきり飛距離が落ちて来たので、先行捻転【註】を復活させようと思いました。
【註】「先行捻転で飛ばす」(tips_161.html)、「先行捻転・再履修」(tips_195.html)

[pre_turn]

現在やっている、ボール後方15センチでアドレスする方法はフェアウェイキープ率が高く、シニア・グループの中では飛ぶ方に入るのですが、ここのところ朝露で湿っているフェアウェイのせいか、以前ほど飛ばなくなったのが不満です。

練習場でふたたび先行捻転を試してみました。最初の日は「飛ばそう!」と力んだせいか、まるで飛びませんでした。もう先行捻転は諦めようかと思いましたが、ふと、私が自分流にアレンジした先行捻転でなく、オリジナルであるインストラクターShawn Clement(ショーン・クレメント)の方法に戻したらどうか?という案が浮かびました。 ・【オリジナル】クラブヘッドをスタンス中央でアドレス ・【私流】膝・肩のテクアウェイにつれてヘッドを動かし、そこで停止。【捻転が少し始まっていて、クラブヘッドが右足を越えるアドレス、右図】

で、翌日また練習場に赴き、両方を比較してみました。前回の反省からぶっ叩く意識を排除し、手・腕に力を篭めず身体で打つことに専念。このスウィングだとオリジナルも私流も、そして15センチ後方アドレスでも、似たような距離になりました。この時、毎回断トツというわけではありませんでしたが、私流先行捻転が最も長く飛んだことがありました。しかし、私としては、ゴルフ場の練習ボールの性能にはムラがあるので、瞬間風速で一喜一憂しても始まらないと思いました。

今回の練習の成果は、以前試した時の先行捻転のように方向が乱れなかったこと。左肩を仮想ボール位置まで廻す、そしてダウンスウィングで重心を右膝の上に乗せて上体を振り解(ほど)く【体重を左足にかけて立ち上がらないこと】。ダウンスウィングで重心を左足に移すとプルを招き易い。

そして、インパクト・ゾーンではあくまでもクラブを水平移動させる。高いティー・アップと後方に位置させたアドレスによってボールの高い軌道は約束されているので、さらに上げようとしてはいけない。でないと、凝視している「仮想ボール」の位置の手前からクラブヘッドが上昇を始めてしまい、ヘッドがボールの下を叩いて醜悪なポップアップを引き起こす恐れがあります。

その後のある日のラウンド、18ホールのうちパー3を除く全てでこの先行捻転を実行してみました。何度か練習して自信がついていたせいか、方向性は申し分無し。肝心の飛距離も、地面が湿っているため夏場と同じようには飛ばないものの、最近の平均飛距離よりは10〜20ヤード遠くへ飛びましたので、文句無しに満足。練習ボールでは目立たなかった飛距離ですが、やはりラウンド用の本式のボールだとちゃんと飛んでくれました。で、今後はずっと先行捻転でドライヴァーを打つ決心をしました。

【重要】目は終始仮想ボールの位置を見続けなくてはなりません。詳しくは過去の記事を参照のこと。

以後、ずっと先行捻転でドライヴァーを打っています。たまにやや右へ出ることはありますが、ほとんどは真っ直ぐです。冬場の地面は転がりが悪いのが特徴ですが、比較的ドライな着地点に打てると、夏場とほぼ同じ距離が得られたりします。もうやめられません。

(February 19, 2019)

二段モーションが全てのショットの鍵 [square]

バックスウィングで、クラブヘッドを低く真っ直ぐ後方に下げます(振り上げるのではなく)。左腕が飛行線と平行になったら【右図】、そこから左肩を右に廻し始め、同時にクラブを上昇させます。二段モーション。

これだと確実に肩の回転が実行されます。私の場合、すぐクラブを上昇させると肩の捻転が不足しがちになることが判りました。肩の捻転が足りないと、手打ちになるのが定番。その結果、ダフったりトップしたり、プッシュしたり、碌なことになりません。

実は、この二段モーションのスウィングは、既にドライヴァーでやっているのです。しかし、3番ウッド、ハイブリッド、アイアンではやっていませんでした。これらは一定の距離を出せばよく、出来るだけ遠くへ飛ばすクラブではないからです。しかし、エクストラの飛距離を求めるためではなく、正しいスウィングをするために二段モーションが必要だったのです。

ある日の練習ラウンドで、これらのクラブをこの二段モーションで打ってみると、真っ直ぐのいいボールが出始め、「これだ!」と自信が持てました。今後、バーディ・チャンスが増えることを祈っています。

(February 19, 2019)

ストロークする右手の角度

 

[split hands]

現在の私のパッティング・ストロークは、レフトハンド・ローのスプリット・ハンズで、しかも左上腕・前腕・手首を真っ直ぐ伸ばして、パター・シャフトと一線になるように握っています。スプリットした右手の親指から左手の小指までの間隔は、約13センチも離れています。

また、右手の四本指と左前腕をくっつけています。このスタイルなら、よほど異常なことでもしなければ左手首が捩じれる心配はありません。

問題は右手の握り方です。ストロークの舵取りは左手、パワーは右手です。右手が自然に左方向にストレートに押し出されないといけないわけですが、これがそう簡単ではありません。被せるように(右手を左に廻してウィーク風に)握ると、インパクトでフェースはオープンになってしまい、逆に掌を上向きにして(右手を右に廻してストロング風に)握ると、インパクトでフェースはクローズになってしまいます。これはフル・スウィングにおけるグリップと球筋の関係と同じで、手首は常に自然で楽な状態に戻ろうとするからです。ですから、最初から手首に不自然な握り方を無理強いしてはいけないのです。

写真の右手親指の下に黄色いが見えます。これは暫定的に黄色いビニール・テープを切って貼ったものです。この丸の上に右手親指を乗せてグリップし、床(あるいは地面)に置いたシャフトの上で素振りします。【参照:「完璧なストロークの探究」(tips_193.html)】 右手をもっとストロングにすべきだったり、ウィークにすべきだったりしたら、その親指の位置にビニール・テープを移動します。精確にフェースをラインに沿って出せることが安定して出来るようになるまで続け、右手親指の位置を確定します。

本番のラウンドの際にビニール・テープを貼ったままには出来ません。以前USGAに確認したことがありますが、「触って感じ取れる目印はルール違反」なのだそうです。ですから、右手親指の理想的ポイントが見つかったら、テープの場所をホワイト・マーカー(修正液)で描いたに置き換える必要があります。マーカーなら触って感じ取ることは出来ませんのでOKです。

驚いたのですが、このの位置はパター毎に異なるのです。写真のパターはGuerin Rife製2 Bar Malletで丸の位置はほとんど真ん中なのですが、Odyssey Rossie IIだと丸の位置はもっとストロングで(親指一本分右に廻して)握らなくてはなりません。その理由は、双方のハンドルの太さの違い、シャフトの長さの違いによるものと思われます。

この右手グリップの角度を発見した翌日のラウンド、絶好調とは云えませんでしたが二つのホールでバーディ(1メートルと1.5メートル)を達成し、パット総数29でトータル9オーヴァー。

その次のラウンド。パット総数24、三つのバーディ、トータル5オーヴァー。それも、ダボ二つ込みで(^^::。

ミスした場合の多くも、ゴルフ・ボールに描いた線は揺れずに真っ直ぐ転がったのが自慢です。それは、読みは誤ったものの、ストロークは正しかった証明だからです。

(March 02, 2019)

バンカー・ショットの遵守事項

 

シニア・グループの中で私ほど練習に精出すメンバーはいないでしょう。それもその筈、グループ・メンバーの多くは、ひたすらチームの勝敗だけに関心を持っていて、自分個人のスコアを数えたりしないのです。だから練習しない。パチンコや競輪競馬と同じで、ツキ(バーディ)を待っているだけ。私にとっては出来れば毎回7オーヴァー以下で廻ることが最大の目標なので、チームの勝ち負けだけでなく、自分のスコアも重要なのです。

私の練習にはバンカー・ショットも含まれていて、これまでボールをバンカーに入れても自信満々でプレイ出来ていました。ところがある日のラウンドで二つのホールのバンカー・ショットをホームランしてしまいました。ショックでした。

それだけではなく、その次のラウンドでもホームランしちゃいました。幸い、練習ラウンドだったので、後続のプレイヤーがいないことを確認し、何発か同じショットを試してみました。判りました、何がいけなかったのか。

私がドスンと砂を弾こうとしたのはいいのですが、右手の力が強過ぎ、インパクトで左手が返っていたのです。クラブヘッドは砂にめり込まず、ロフトが減り、ダイレクトにボールを打ってしまった。ホームラン王復活(;へ;)

私は左手主導のスウィングをすべきだったのです。いや、練習ではうまく行っていたのでそうしていた筈ですが、自信過剰か、不注意だったのか、このところ寒くてあまりラウンド出来なかったせいか、ロフトを維持すべきであるという基本を失念していたのです。手首を返さないスウィングを他のものに喩えると、左手に持った木べらでお釜の底のお焦げを「こそげとる」感じがぴったり。お焦げではなく、砂をこそげとるんですが。

 

ここで思い出したのが過去のtipsの一つ。Paul Stankowski(ポール・スタンコウスキ、愛称スタンコ)がこう云っていました。「私はFred Couples(フレッド・カプルズ)のプレイをTVやこの目で見ることが出来た。彼は十中八九クラブから手を離し、一本の手だけで偉大なバンカー・ショットをした。私はFred Couplesのやり方を真似てみた。ある日、私は魔法を見つけた。驚くべき成果だった。こうして、バンカー・ショットは私のベストの技能となり、どんなバンカー・ショットもこなせるという自信をつけさせてくれた」【参照:「スタンコのバンカー・ショット」(tips_143.html)】

そうです。Fred Couplesは時々(毎回ではありません)写真のように右手をクラブから離し、左手一本のフィニッシュをします。【しかし、われわれがインパクト前に右手を離したのでは、多くの場合ボールはバンカーから出ません】 われわれには右手の力も必要なのですが、《バンカーでは右手は添えるだけという感じでスウィングする》…このように考えるべきです。主導権は左手にあり、右手は左手を補佐する程度。これなら手首が返ることはありません。これがバンカー・ショットのコツだと思います。

30ヤードのバンカー・ショットを練習してみました。この距離だと、私はピッチング・ウェッジを使います。普通のショットをする時、私はこのクラブをダブル・インターロックで握るのですが、Fred Couplesに倣って右手はグスグスに緩く握るようにしました。いつでも放せるほど緩く握れば、否応無く左手主導になります。一度、バンカーから30ヤードでチップインも出ました。チップインしないボールもピン傍に集まりました。この作戦、正解のようです。

これまで、いくつかバンカー・ショットのコツを書いて来ましたが、今回遵守事項がまた一つ増えてしまいました。
・距離に応じてクラブを持つ長さを変える。【「バンカー・ショットの距離調節・完全版」(tips_195.html)】
・右手をすごく緩く握り、手首を返さない。【今回分】
・コックを最大にする。【「最大コックがバンカー・ショットの決め手」(tips_193.html)】
・トップで重力がヘッドを下ろすのを待つ。【「バンカー・ショットに失敗しない方法」(tips_195.html)】

なお、これらを遵守しても、砂を先に打たないと相変わらずホームランは出ますので、御注意。

 

(March 11, 2019)

[right_angle] ストロークする右手の角度・パート2

この記事を当サイトの'Tips Archives'(Tips貯蔵庫)に収める際には、間違いなく「金メダル」の部に入れます。それほど重要な技です。

現在の私のストローク方は右の写真のように、左手は真っ直ぐ伸ばしパター・シャフトと一線にしています。これだと左手首は絶対に折れず、ストレートな軌道でストロークする限り、抜群の方向性が保たれます。私はこれをFLW(Flat Left Wrist=フラットな左手首)と呼び、金科玉条として来ました。しかし、右手のことを深く考えなかったのは浅墓でした。

《ストロークの最中、右手甲側の角度(右の写真の赤線)も変えてはいけない》のです。

私のストローク法は、原則的にバックストロークの幅で距離を調整します。コックした手首でボールを弾(はじ)くのではありません。弾くのは、弾く強さの目安がないため距離のコントロールが困難で、一回毎にショートしたりオーヴァーしたりします。弾くのではなく、バックストロークの幅で距離感を出すのが最も無難な方法です。

距離が長くなると、嫌でも強く打たないと届かないため、自然に右手が甲側に折れ、弾く動作も加わります。しかし、これはとても長い距離であって、私の場合、10メートル以内でボールを弾くのは厳禁です。

右手首の角度を変えないということは、パターを低く長く、ラインに沿って後方へ下げることを意味します。こうすると、右手首は終始リラックスしたままの状態を保ち続けます。しかし、角度を変えてしまうと(=甲側へ折ってしまうと)右手首は緊張し、縮められたバネのように、早く手首を伸ばしたくて待ち切れない状態となります。インパクトで伸ばされる右手首の反動によって、「バチン!」とボールを弾くことになってしまいます。また、手首が折れるにつれ、パターヘッドが地面から持ち上がるため、ダウンブロー気味のインパクトでボールを芝の中に埋め込んでしまう危険も生まれます。手首の緊張は絶対に避けなくてはなりません。

右手首の角度を変えないコツは、ストロークの間じゅう右手を意識しないことです。左手だけを意識し、全工程を左手だけで行うつもりになれば、右手首が折れる心配は無くなります。このコツに気づいた次のホール、偶然の賜物だとは思いますが15メートルを越えるロング・パットに成功しました。10メートル以上なのですが、右手首の角度を変えまいとした努力が報われたようです。

右手首の角度を変えず、左手主導でストロークすると、身体のどこにも緊張を生じないため、軽くスムーズなストロークが可能になり、方向だけでなく距離のコントロールも良くなります。

まだ最少パット総数の新記録は出ておりませんが、この《右手首の角度を変えないストローク》によって、1メートル前後の距離には凄い自信がついています。

繰り返しますが、弾く動作での距離のコントロールは非常に難しい。右手首は折らないこと。それが安全なストローク・メソッドだと考えます。

【参照】「ストロークする右手の角度」(このページ上)

 


(March 21, 2019)

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