英語の諺に"Monkey see, monkey do."というのがあります。猿は人真似をしますが、われわれゴルファーも仲間のプレイを見守っていて、その男がチョロするとこちらもチョロしちゃったりします。まさに猿真似。
上手い人と一緒に廻ると、彼の素晴らしいプレイを見て、こちらも恥ずかしくないプレイをしようと真剣に努力しますから、スコアもまとまるし、上級者もあなたに一目置いてさらに上達するヒントをくれるかも知れません。 下手っぴと廻ると、あなたの自尊心は満足させられるかも知れませんが、彼のお粗末なプレイに感染し"Monkey see, monkey do."状態になる恐れがあります。彼があっちゃ行きこっちゃ行きしてるのを待ってる間に、こちらの真剣味は薄れ、気分はだらけてしまいます。スコアが良くなることなどなく、「こんなことなら家でTV見てる方がよかった」となるのは必至です。 「上級者の誰もが下手っぴと廻りたくないなら、おれと廻ってくれる上級者もいない筈ではないか?」いえ、そうとも限りません。あなたの性格とマナーが良くて、楽しく廻れるタイプなら上級者もあなたを選ぶでしょう。 出来れば、あなたの模範としたいような上級者が見つかると最高です。その人のスウィングも、寄せのテクニックも、戦略すらも、全て真似たいような人。ゴルファーは(ほとんど)みな教え魔ですから、真剣に教えを乞えば拒む筈はなく、逆に喜ぶでしょう。何でも吸収したくなるような人とのラウンドは、こちらも勉強になるし、あちらも嬉しい筈です。 |
しかし、単なる聞き上手で、御説は拝聴するがそれをちっとも実行しないというのは駄目です。上級者の助言は、長年の経験から出た金言です。それを練習もせずその場でたった一回試しただけで捨て去るようではいけません。そんなことでは、上級者から愛想を尽かされ、一緒に廻ってくれなくなります。
ある日の午後、練習ラウンドしにゴルフ場へ行ったら、顔なじみの男が丁度No.1でスタートするところでした。彼は私と同じようなレヴェルであるものの、強いて云えばショートゲームがあまり上手でないので、僅かに私が頭一つ上という感じ。本当は私一人のラウンドをするつもりだったのですが、行きがかりで二人で廻ることに…。彼は既に18ホール済ませ、これが19ホール目で、あと9ホール廻るつもりだとのことでした。
私もせっかちな性格なのですが、彼は私の三倍ぐらいせっかち。どんどん勝手にショットし、勝手にパットし、私のホールアウトを待つという感じ。18ホール済ませている彼が結構いいプレイをするのに反し、彼のペースに追いまくられた私はダボを二つも出し、全く精彩なし。「一人で廻りゃ良かった」と後悔しました。このハーフ、私はパット数17の7オーヴァーでした。
帰宅するという彼から解放され、後半は一人で廻りました。3バーディ、13パットの2オーヴァー。アウトとインのこの違い、私はパートナーによるものと考えています。同伴競技者というものは、それほどこちらのプレイに影響します。相手は選ぶべきです。
(April 03, 2019)
●アイアン・フェースのどこで打っているかを調べる毎年11月にアイアン・フェースのどこでボールを打っているか確認していますが、今回ちょっと気になったので五ヶ月経ったばかりですがチェックしてみました。スウィングが悪くてピンに寄らないのか、アドレスする際のフェースの合わせ方がいけないのか、その確認です。アイアンはピンを狙う道具ですから、必ずスウィートスポットで打つことが求められます。僅か1センチでもスウィートスポットを外して打てば、100ヤード先では5〜6メートルも右か左に逸れることがあり得ます。
写真は、いずれも左から5番、6番、7番、8番、9番、ピッチング・ウェッジの順です。光線の具合でクラブの色が違って見えますが、どれも同じクラブです。
このチェックには練習ボールは必要ありません。クラブフェースに水虫スプレー(粉末タイプ)を噴霧し、マットから突き出ているゴムティーを数回打てばいいのです。五回ほどゴムティーを打って、自分が最も多く打つ地点を調べます。トゥ寄り1センチで打つことが多ければ、フェースの中心から1センチだけヒール側に下げたところに印を付け、そこでボールにアドレスすれば、ちゃんとスウィートスポットで打てるという寸法です。
今回、大きな変動はありませんでしたが、5番を以前よりトゥ寄りで、6番をフェースのほぼ中央で、ピッチング・ウェッジをややヒール寄りでアドレスしなければいけないことが判りました。実はこれら三本のクラブに疑いをかけていたので、早めにチェックしたのでした。よく寄るような気がしないクラブというのがありますが、それは実はこのようなことが原因だったということもある筈です。
なぜ、このようにボールを打つ部分が変動するのか?長い間使っているとどうしてもライ角が変化しますから、ヘッドのソールを地面と平行に下ろした場合、ボールと接触するフェースの位置も僅かに変化するのだと思います。最も理想的なのは、修理業者に頼んでライ角を直して貰うことです。私も何度かそうしたのですが、私が頼める修理屋は素人に毛の生えたような人で、ネックを折ってしまうことを恐れ、業界標準(出荷時)のライ角に戻すだけで、私個人のスウィング傾向に合わせるということまではしてくれません。折角頼んでも服を仕立ててくれるんではなく既製服にされる感じ。これでは意味がないので、上のような調整をしているわけです。
(April 12, 2019)
●Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の至言
私はゴルフ雑誌の購読をやめたのですが、当地の図書館がゴルフ雑誌のバックナンバーを放出し、数冊タダで手に入りました。その中の目についた記事をいくつか紹介します。
以下の記事は、Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)が過去の'Golf Digest'誌に書いたものの中から選りすぐった名言のいくつか。
'The Wisdom of Jack'
edited by Max Adler ('Golf Digest,' October 2018)
「Jack Nicklaus:『私にとって1ストローク差の勝利は、10ストローク差の勝利と何ら変わらない』
【編者独白】僭越ですが、私の経験も。われわれシニアのベスト・ボールのゲームは、3〜4チームでスコアを競います。他のチームのベストが1オーヴァーならイーヴン・パーでも勝ちです。3アンダーである必要は全くありません。他のチームのベストが2アンダーなら、3アンダーで勝ちになり、5アンダーである必要はありません。しかし、全てのチームがラウンド終了するまでは、お互いに他のチームのスコアを知らないので、みな出来るだけバーディを得ようと必死になります。後で考えると、シャカリキになる必要はなかったことが判ったり、どこかのホールでの短いパー・パット失敗が敗因となったことが判ったりします。いずれにしても、一打差が勝敗を別けるものであることを、われわれは痛感しています。
Jack Nicklaus:『そのパットを入れなければならない時、他の選択肢はない。入れるしかない。それが私の焦点である』
【編者独白】私は責任の重いリーダーではなく、リーダーの副官的ポジションが性格的に向いています。他のチーム・メンバーがボギー・ペースのゴルファーばかりだと、「バーディ取らねば…」「パーでしのがねば…」と、ついついパットに必死になってしまいます。
そういうある日、私は何度もバーディ・チャンスに恵まれながら失敗しました。失敗の後、もう一度練習パットすると難なく入ります。「リラックスしなきゃ駄目だ」と悟ったのですが、「入れるしかない」という選択肢しかないプレッシャーで、ついにリラックス出来ませんでした。「勝つと思うな、思えば負けよ」という演歌の伝で云えば、「入れようと思うな、思えば負けよ」でしょうか。身体が強ばっちゃうんですね。
Jack Nicklaus:『クラブを地面に付けてアドレスしたら、インパクトでクラブがその地点に戻るのは自然の理(ことわり)である。言葉を替えれば、あなたはダフる準備をしていることになる』
【編者独白】伸ばした左腕がスウィングの半径を形成するので、左腕・手を伸ばしてボールの後ろの地面にクラブヘッドを置いたら、フォワードスウィングでその場所へクラブヘッドが戻って当然です。
しかし、《アイアンではボールのターゲット側の地面を打つ》ことが望ましいからといって、ボールのターゲット側の地面でアドレスするわけにもいきません。バックスウィング開始と同時にボールを後方に打ってしまいます。
多分、スウィング軌道上の「数センチ後方で、クラブヘッドを浮かして構える」のが正しいのでしょう。フォワードスウィングでヘッドはそこを通過しつつ落下し、アイ=ハンド・コーディネーションによってボールを打つ。Jack Nicklausが云いたいのはこれだと思います。
【おことわり】画像はhttps://media.golfdigest.com/にリンクして表示させていただいています。
(June 02, 2019)
●2019年ルール改定の重要事項
'Golf Digest'誌が、2019年のルール大改定の主なポイントをまとめてくれました。20項目と多岐に亘っていますが、これだけ知っていれば少なくとも時代遅れと云われずに済みそうです。
'The 20 most important new rules for '19'
by editors of 'Golf Digest' ('Golf Digest,' June 2019)
「1) ボールを探す時間:5分→3分に短縮。
2) ボールを探している間にボールを動かした:無罰でリプレース。
3) フェアウェイやラフで地面に埋まったボール:無罰で救済。
4) ドロップ地点の計測:最も長いクラブ(ただしパターを除く)。
5) 異なるグリーンに乗ったボール:そこでのストロークは禁止。グリーン外に無罰でドロップ。
6) ペナルティ区域で地面に触れる:無罰。
7) 意図せず二度打ち:無罰。一打と数える。
8) バンカーで砂に触れることの規制の減少。
9) グリーンで(自然なものでなく、【編註】スパイクマークなど)人為的に破壊された部分は修理してよい。
10) ドロップは膝の高さから(以前は肩の高さ)。
11) ウォーターハザードは「ペナルティ・エリア」と呼ばれる。
12) アライメントを助けるためにクラブを置くことは許されない。
13) プレイヤーがスタンスを定める際、その後方にキャディが立つのは不可。
14) リプレースする際、ボールがグリーンに乗ってしまう:無罰で元の位置に動かす。
15) 偶然ボールがプレイヤーあるいはゴルフ道具に当たった:無罰。
16) グリーン上でボールが偶然動いた:無罰でリプレース。
17) ルース・インペディメンツ(動かせる障害物)は「ペナルティ・エリア」やバンカーから除去出来る。
18) 旗竿を抜かずにパットしてよい。
19) バンカー外へボールをドロップ:二罰打。
20) 旗竿とカップに挟まれたボールは、カップに入ったものと看做される。
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(June 20, 2019)
●ゴルフGPSの使い方GPSの距離表示にはグラフィックと数字だけの二種類があるのが普通です。私は数字だけの表示を好んでいます(写真の右端)。しかし、グリーンに近づきチッピングの領域に達するとGPSを信用せず、目測でヤーデージを測ることにしていました。
その理由は、ピンの位置は日々どんどん変わるのに、GPSは常に手前・中央・奥の三つの距離を教えてくれるだけであり、その日のピンへの距離は自分で計測するしかないと思ったからです。
しかし、60ヤードとか70ヤードを計測するには一寸時間がかかります。ボールとピンの中間まで行き、10ヤード刻みで目測するのに数分。もし再度確認すると倍の時間がかかります。そして、その目測が正しいという保証はありません。
ここ数回のラウンドで、私のチッピングはオーヴァー目になることが多く、目測の精度が狂ったのかと思われました。そして、その精度を上げる演習を行っているうち、より賢い方法を発見しました。読者の中にはとっくにその方法を用いていて、「何だ、今頃」と云いたい方もおられることでしょう。しかし、私にとっては大発見でした。
ピッチング、チッピング圏内にボールを運んだら、先ず何よりもグリーン近くへとカートを飛ばし、エッジからピンまでの距離を目測します。エッジからピンまで、仮に10ヤードとしましょう。それが判ったらボールの場所にとって返します。GPSの距離で「手前」の数字を見ます。仮に50となっていれば、ボールからピンまでの距離は50+10=60ヤードです。コース設計が変わらなければ、GPSの手前のエッジまでの距離は確実に正しいわけですから、それにエッジからピンまでの距離を足せばいいわけです。
この方法に気づいた直後のラウンドのNo. 3(227ヤード、パー4)。グリーンに近づいてエッジからピンまでの位置を目測すると、約5ヤードでした。私のボールはエッジまで70ヤード地点でしたから、全体の距離は75ヤード。ただし、最近乾燥気味でグリーンが早くなっているので、私は【距離ー(マイナス)5ヤード】でピッチ、チップすることにしています。で、この場合、70ヤードとしてピッチし、ピン横1メートルに寄せられました。残念ながら、バーディ・パットに失敗してパーに終わりましたが…。
他のメンバーが打ち終わるまでボケっと待っているのではなく、エッジからピンまでの距離さえ見定めれば、GPSを有効利用し正確な寄せが可能になります。
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(June 20, 2019)
●大統領の(姑息な)陰謀
図書館に'Commander in Cheat'という本が入荷していたので、借りて読んでみました。'Commander in Chief'なら、アメリカの陸海空全軍に司令する「最高司令官」(=大統領)を意味しますが、"Cheat"ですから「インチキする司令官」という皮肉な題名になります。
'Commander in Cheat'
by Rick Reilly (Hachette, 2019, $36.50)
・Donald Trump(ドナルド・トランプ)の父Fred(フレッド)は、息子たちに「勝て、勝て!勝ったら、もっと勝て!」と教育した。
・Donald Trumpは大学に入るまでゴルフとは無縁だった。彼はPhiladelphia(フィラデルフィア)のみすぼらしいゴルフ場で、失業中の鉄鋼労働者や、ギャンブラー、ハスラーと知り合い、賭けゴルフをするようになった。多くの相手が、「見つからなければどんなインチキをしても勝つ」というプレイの仕方をしたので、彼も同じようにプレイするようになった。
・事業に成功し、彼はアメリカに12のゴルフ場、ヨーロッパ及び中東に7つのゴルフ場を所有あるいは運営している。
・Donald Trumpは「18のクラブ・チャンピオンに優勝した」と豪語しているが、よく調べるとその多くは自分のゴルフ場の開場前に知人と廻ったラウンドを勝手にクラブ・チャンピオンと呼んでいるか、スーパー・シニア(高齢者)のトーナメントであり、純粋なクラブ・チャンピオン優勝は一つもない。
・あるホールで、彼のボールは池の縁から30ヤード付近に突入し誰もが波紋を見た。一行がその付近に到達すると、フォア・キャディがDonald Trumpに、「ボス、ボールはここでさあ」と云い、芝の上のボールを指差した。グループの誰かが「お前、潜水マスクとシュノーケルを使ったのか?」と怒鳴った。
・彼のゴルフカートは特別製の強力エンジンがついており、誰よりも早く走行出来る。誰よりも早くボールに到達すれば、ライの改善は容易い。
・彼はゴルフカートをグリーンの上でも乗り回した。【編註:Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)は、2019年いくつかのグリーンを腹立ち紛れに損傷させたことで、競技失格となったほどなのに】
・著者の友人であるカントリー歌手が、初めてDonald Trumpとラウンドした。Donald TrumpはNo.1でラフに入ったボールをフェアウェイに蹴飛ばした。歌手が「ちょ、ちょっと!今日はそんな風にプレイするの?」と聞くと、Donald Trumpは「おれがプレイする連中はみなこうやるんだ。あんたも奴らに負けずにこうすべきだ」と答えた。
・Donald Trumpはボールを蹴るのが上手いので、彼が所有するコースのキャディたちは、サッカー名人の名をとって彼を「ペレ」と呼んでいる。
・ゴルフ中継で有名な黒人アナウンサーMike Tirico(マイク・ティリコ)が、パー5の二打目でいいショットをピン傍に放った。ところが、グリーンに上がってみると彼のボールはそこになく、バンカーに転がっていた。彼は7を叩いた。ラウンド終了後、Donald Trumpのキャディがやって来て「あんたのあのパー5の二打目はピン傍3メートルについていたんだけど、Trumpがバンカーに投げ込んだんだ」と告げた。
・彼がマリガンを正当化する理由は次のようなものだ。「あんたがおれの気を散らせた」、「おれがスウィングしようとした時、あの鳥が飛んだ」、「足が滑った」等々。
・常識的には、ごく短いパットが残った際、同伴競技者が他の競技者に「そいつはギミー(OK)だ」とパットの省略を許すものだが、Donald Trumpは多くの場合無言で自分自身に「ギミー(OK)」を与える。(勝手にボールを拾い上げてしまう)
・彼は自分の公式ハンディキャップは2.8であると公言している。彼は一年間に80ラウンドしているそうだが、GHIN(USGAのオンライン・スコア登録システム)には、七年間に20ラウンドしか登録していない。【編註:本来は全てのラウンドを登録すべきなのに、出来のいいラウンドだけ登録している感じ】しかも、コースのスロープを見ると、彼がプレイするとは思えない140(高難度)でプレイしたように入力されており、自動的にハンデが下がるように操作されている。一緒に廻ったプロたちは「せいぜい10前後だろう」と云っている。
・Donald Trumpは、難しいLos Angeles C.C.で「68で廻った」と吹聴した。ルールに厳格だったそこのヘッド・プロは、Donald Trumpのグループについた二人のキャディに「68ってのは本当か?」と尋ねた。顔を見合わせた二人のうち一人は「とんでもねっす」、もう一人も「冗談でねっす」と云った。「よくて79だべ」と最初のキャディが云った。
・2017年、Donald Trump大統領は気候変動に関するパリ協定から合衆国の離脱を宣言した。理由は「気候変動は欺瞞、デマ、架空のものに過ぎない」というものだった。ところが彼がアイルランド南西の町に所有するDoonbeg(ドゥーンベッグ)ゴルフ場は、(気候変動による)水位の上昇のせいで三つのホールの損壊が懸念されるとし、約1キロにわたる防壁を作る許可を申請した。
・2017年、トランプ政権は回教国七ヶ国からの入国規制令を発した。それらの国は、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエーメンであった。不思議にも回教国であるアラブ首長国連邦もサウディアラビアも入っていない。何故か?アラブ首長国連邦にはTrumpの名を冠したゴルフ・コースが二つある(一つはTiger Woodsデザイン)。また名だたる回教国であるインドネシアも入国規制令に含まれていない。何故か?Donald Trumpはバリ島に一つ(フィル・ミケルスンによる再デザイン)と、ジャカルタに一つ、ゴルフ場を持っているからだ。
Donald Trumpのゴルフ場売買を含めたビジネス面での嘘八百、厚顔無恥なごり押し、借金の踏み倒し…等についての内容は割愛します(多過ぎるので)。
【おことわり】画像はhttps://m.media-amazon.comにリンクして表示させて頂いています。
(July 12, 2019)
●ラウンド開始に当たっての遵守事項ラウンド開始後、いつも三ホールぐらいの間に「あ、いけね!忘れてた!」といういくつかの失敗を犯します。犯す前に、それらを再発させないように充分自分を戒める必要があると感じます。
1) 身体を左に泳がすな
巷間「ダウンスウィングで体重を左に移せ」と云われますが、私の場合、ドライヴァーのダウンスウィングで体重を過度に左に移動させると、必ず引っ張り込んだプルになります。多くの場合、「飛ばそう!」と思った時に起ります。私の心構えとしては、バックスウィングで頭が右サイドに寄ったら、そのまま頭をそこに留めてダウンスウィングをすると、ボールを高い軌道で打て、飛距離に繋がります。
よく考えると、私はここ一年以上週に二、三回ジムに通って三頭筋を鍛えているので、力む必要はないのです。力めば余計に飛ぶこともありますが、ドラコンでも無い限り、多くの場合5ヤード〜10ヤードのおまけの距離よりも方向性の方が大事なものです。
最近発見したことですが、Justin Thomas(ジャスティン・トーマス)風に爪先立ちのインパクトを心掛けると、身体が左に流れることを防いでくれます。
【参考】「Justin Thomas(ジャスティン・トーマス)風に飛ばす」(tips_197.html)
2) ショートゲームでボールをぼんやり見るな
私はショートゲームの練習に精出しており、その結果として自信もつけています。この自信は諸刃の剣で、つい安易なスウィングをしがちになります。そもそも、私などは最初の三ホールぐらいは興奮して上の空でプレイしており、すっかり落ち着くのはNo.6のティーぐらいと云って過言ではありません。
ですから、最初の三ホールで私の目はボールをクリアに凝視しておらず、その天辺をぼんやり見ているに過ぎないことがあります。「目のつけどころ」を完全に忘れているわけです。バンカー越えの20ヤードのチップをトップしてホームランしたりするのは、こういう時です。
【参考】「目のつけどころ・最新版」(tips_197.html)
3) パットでボールの残像を見よ
私はラウンド前に通常30分近くはパットの練習をします。練習の結果が良ければ本番で野放図になって「ボールの残像を見る」ことを怠ってしまい、「ありゃ、こんな筈じゃなかった!」という失敗の連続。また、練習の結果が悪ければ、パットの成否が心配になり、やはり「残像を見る」ことを忘れてしまいます。
パットでボールの残像を見ることは、頭を残した理想的なストロークをすることであり、もし不成功に終わったとしてもギミー(OK)の距離につく正確なパットが遂行される筈です。
無我夢中の最初の三ホールは、この「パットで残像を見よ」も念頭にないことが多く、うまく読んだとしてもヘッドアップによって僅かにパター・フェースをオープンにしてしまったりして失敗します。
【参考】「ボールの残像を見よ」(tips_171.html)
以上三項目のミスは毎ラウンドで起りがちなので、何とかしてこの三つを最初のホールで厳重に戒めたいと思っています。
(July 21, 2019)
●'Natural Golf'(ナチュラル・ゴルフ)誕生秘話
'The Secret of Golf'
edited by George Peper (Arran House Press, 2005, $18.95)
'The Secret of Golf'(ゴルフの秘訣)と題されたこの本は、過去現在のゴルフに関する名著47冊のエッセンスを集めた“名著”です。絶版や入手困難な本も多数混じっていますから貴重ですし、それにこの低価格。英語が読めるゴルファーなら必携でしょう。この本の'Natural Golf'(ナチュラル・ゴルフ)に関する紹介ページに、興味深いエピソードが含まれています。
「Jack Kuykendall(ジャック・キューケンドール、写真)は当時44歳、ハンデは12で、シニアPGAツァーに参加したいという野望を抱いていた。しかし、彼は準備のために六年かかると考え、1984年にレーザー物理学者としての仕事を辞め、レッスンを受け、練習し、プレイするというゴルフ漬けの生活に身を投じた。
二年後、彼の12だったハンデは14となってしまい、彼は頭に来た。「丸いボールを棒で打つには、もっと良い方法がある筈だ」と彼は思った。科学者としての冷静な精神でゴルフ・スウィングを分析し、またそれらを統合した。
45日後、彼は急進的な新しいボールの打ち方を発見し、そのメソッドは彼に目覚ましい成果をもたらした。ハンデ14のJack Kuykendallは連続したラウンドにおいてアンダー・パーで廻ったのだ。4アンダー、2アンダー、そして3アンダー。四日目、彼は後に'Natural Golf'(ナチュラル・ゴルフ)として知られるようになる会社を設立した。
1991年、彼はカリフォーニアで'Natural Golf'のデモンストレーションを行っていた。参加者の一人であるカナダのレッスン・プロが、「なんだ、それってMoe Norman(モゥ・ノーマン)のスウィングそっくりじゃん!」と云った。Jack Kuykendallは「一体全体、Moe Normanって誰かね?」と尋ねた。
Moe Normanはゴルフ界の“レイン・マン”であった。彼はカナダのオンタリオ州出身の、風変わりで隠者のようなプロだった。彼は極端に早くプレイし、不調和な衣類を身に付け、同じことを二度喋り、スタート時間に遅れるといけないと五つもの腕時計を付けて来たりした。しかし、最も重要なのは、誰しもが彼はゴルフ始まって以来の驚くべき正確無比なプレイヤーであると認めていることだった。彼はゴルフ界の"idiot savant"(イディオ・サヴァン、知能が劣っているように見えるが、一芸に秀でた人)に最も近い存在であった。
Moe Normanに関する逸話は枚挙にいとまがない。彼が三回続けて旗竿を直撃したとか、彼が54ホール廻った時、その時のどの18ホールにおいても(6番アイアンや3番ウッドで)ホールインワンを達成したとか、彼が40以上のゴルフ場においてコースレコードを持っており、そのうち三つは59であったとか。 Moe Normanは独学の自然に覚えたスウィングをしていたのだが、それはJack Kuykendallが科学的な試行錯誤を経て開発したものとそっくりであった。とりわけ、簡潔な上体主導の動きで、両腕とクラブシャフトが同一プレーンで振り上げられ、振り下ろされる点において。 二人が初めて相見(まみ)えた時、それは両者にとってまさに天啓であった。Moe NormanはJack Kuykendallにこう云った、「これまでの人生、あたしゃ常に不思議だった。どうして、あたしが世界一正確なゴルファーなんだろうかってね。でもって、あんたがそれを説明出来た最初の人間ってわけさ」Moe Normanは彼の天分を明確に説明出来る人物を見つけ、Jack Kuykendallは彼の発見に対し実践によってお墨付きを与えてくれる人物を見つけた。二人は即座に友達となり、Moe Normanは'Natural Golf'のポスター・ボーイとなって、二人は津々浦々を旅してデモを行い、何千人ものゴルファーを宗旨替えさせた。 Jack Kuykendallは1995年に'Natural Golf'の権利を売却し、Moe Normanも2004年に亡くなった。しかし、今日でもシカゴを本拠地とするNatural Golf CorporationがJack Kuykendallのコンセプトを受け継ぎ、クリニック、ゴルフ教室、ゴルフ学校等の開催、書籍・ヴィデオ・雑誌等の販売、ウェブサイトなどを運営し、Callaway(キャラウェイ)が製造する'Natural Golf'専用クラブを販売もしている。 |
Jack Kuykendallは'Natural Golf'を譲り渡す前、そのメソッドを詳述する本を執筆した。それは、改訂されて現在200,000人(増加中)と云われる'Natural Golf'信者たちのバイブルとなっている」
【参考】
・「Natural Golf(ナチュラル・ゴルフ)」(tips_10.html)
・「Moe Norman(モゥ・ノーマン)のスウィング」(tips_195.html)
・「Moe Norman(モゥ・ノーマン)の半生」(tips_85.html)
(October 11, 2019)
●シングル・プレーン修得ドリル
インストラクターTodd Graves(トッド・グレイヴズ)による'Laws of Simplicity'というDVDは、カナダの異才Moe Norman(モゥ・ノーマン)のスウィングを教えてくれるものですが、その中でいくつかのドリルが紹介されています。
・アドレス・ドリル
・先ずお馴染みの2プレーンのアドレスを取る。両手を上げ、ボールから遠ざかるようにして立つ。
・ゴルファーの前方から見ると、クラブシャフトと左手は一直線である。飛行線後方から見ると、クラブシャフトと右手は一直線でなくてはならない。ただし、右肘は僅かに折れ、必ず左手より右手が下側でなければならない。
・背骨は直線で伸びており、お尻は突き出され、(両膝は微かに折れるが)両脚はほぼ真っ直ぐである。
【重要】Moe Norman(モゥ・ノーマン)のアドレスの写真(左)を見て頂けば一目瞭然ですが、彼の手とお腹の間には拳が四つ入るほどの空間があります。従来型の2プレーンでは、拳がやっと一つか一つ半入る程度の空間しかないので、拳四つは信じられないほどの距離だと思います。
・ステップ・ドリル
両足をくっつけてアドレスする(足を開かない)。上の「アドレス・ドリル」のように基本の捻転をし、バックスウィングを完了させたら、左足を大きくターゲット側に踏み出す。そしてダウンスウィング。この動きに慣れるまで練習し、実際にボールを打つ練習の時は、最初から両足を開いたアドレスをする。
このドリルで判りますが、インストラクターTodd Gravesは《トップを形成したら、ダウンスウィング開始前に体重を左に移す》ことを確実に行え…と云っているわけです。これは、ダウンスウィング開始の切っ掛けを、左膝を開いてガニ股にするのと同じことです。
・アンダーハンドスロー・ドリル
1) ドライヴァーのヘッドを持った左手を伸ばし、ドライヴァーのハンドルを地面に立てる。左腕と立てたドライヴァーの内側で右手に持ったクラブを振る(先ずは素振り)。
2) 慣れたら同じ体勢でボールを打つ。池に小石を投げ、水面で石を弾かせる動作と同じ。
これは背骨の角度を保つのに役立つドリルである。
(October 11, 2019)
●ガニ股トレーニング手打ちを予防し、下半身主導のダウンスウィングをするには、トップに達した後左膝を開いてガニ股にするのが効果的です。私は主に飛距離増を目指して、上腕三頭筋を鍛えるためにジムに通っているのですが(脚の鍛錬もしてますけど)、その一つの運動にトップ→ガニ股への推移を取り込んで実行中です。
このフィットネス・マシンは、普通はマシンに正対したり背中を向けて三頭筋の力でロープを自分の身体の方に引っ張るものなのですが、私は横向きになって先ずトップの形を作り、左膝を開いてから手・腕を斜めに引っ張り下ろすという運動にしてみました。
三頭筋トレーニングと下半身主導のダウンスウィングを合体させたわけです。見ている人には「何やってんだ、こいつ?」と思われてるでしょう。こんな運動をしているのは私一人しかいないので。
これに慣れれば、最初に「右」、トップで「左」と唱えて意識的にガニ股にする手順無しに、自動的にガニ股式ダウンスウィングが遂行出来るようになるでしょう。そしたら手打ちとはおさらばです。
楽に下半身主導のダウンスウィングが出来る人はこんな運動をしなくていいのですが、ややもすると手打ちが出る私などには癖をつける意味で必要です。
(October 25, 2019)
●慣れないことをしようとすると、スウィングが早くなる
これは誰しも経験があることではないでしょうか?われわれは普通ボールを真っ直ぐ打とうと努力します。ごくたまにスライスをかけたいとかフックをかけたいと考えると、頭の中で先ずグリップやアライメントのおさらいをし、それに即してセットアップし、アドレス。
人間は慣れないこと、結果が極めて不明瞭なことをする際、緊張し、「成功・不成功に関わらず、出来るだけ早くコトを済ませてしまおう」という境地に陥りやすいそうです(スポーツ心理学者の言)。
確かに、こういう場合に極めて急速なスウィングしがちです。しかも、上の空になってボールを直視せず、ヘッドアップするというおまけ付き。慌てる乞食は貰いが少ない。慌てるスウィングは、いい結果が得られない…と悟る必要があります。難しいショットをする段になったら、その悟りを思い出し、心と身体にスローなスウィングをすることを促すキー・ワードを呟くべきでしょう。
ある日のNo.1の二打目。ここのグリーン手前もグリーンそのものも左へ下っており、ピンを真っ直ぐ狙うとごろんごろん左へ転げて崖下へ直行します。そこは約20°の傾斜があり、旗は見えるもののピンは全く見えないという地獄です。私はこのグリーンをフェードで攻める練習をしたことがあり、ピンのやや右を狙ってスタンスを左向きにし、そのスタンスラインに沿って(アウトサイドインの)スウィングすれば、ショートしても花道へ(バンカーがのさばっていて狭いんですけど)、うまく行けばオン…ということを知っていました。
他のチームメイトは、二人が右のガード・バンカーにボールを入れ、二人がショート(この日は特別に五人編成でした)。私一人グリーンにオン。私はフェードの掛け方を熟知していたので、アライメントやセットアップは考えることもなく自然に出来ました。また、乗らずに花道で止まっても、寄せワンが期待出来るからいいやというリラックスした気分でした。ですから、スウィングも慌てず、力まず、穏やかに遂行出来ました。それが2オン達成の要因でした。
やったことがあり、成功したこともある…という自信は重要ですね。
(December 02, 2019)
●パーオン率が悪くても80は切れる
「パーオン率がゴルフを決める」(tips_89.html)という記事で、筆者Lou Riccio(ルー・リッキオ)は「80を切るには、八つのグリーンにパーオンさせなくてはならない」と云っていますが、数週前のある日パーオンしたホール数はたった三つなのに、7オーヴァーで廻れました。
その日のNo.1(パー4)、グリーン・エッジからの30ヤードのチップ(三打目)をトップしてしまい、ボールは反対側のグリーン・エッジへ。残り約20ヤードですが、下りなので15ヤードとして打つことに。私はこのラインが右に切れそうに錯覚させるものの、実はストレートであることを知っていました。ですから、真っ直ぐピンを目掛けてソフトに、しかししっかりチップ。それが入ってしまい、思いがけぬパー。 No.3(パー4)で、私は林からの二打目を木に当て、三打目を10メートルもピンをオーヴァーさせてオン。絶望的な気分でしたが冷静に読んで、ちゃんとカップに届くようにストローク。これが入っちゃいました。ツいてる日というのはこんなもんなんですね。 No.5(パー4)は、本グリーンを修理中で手前のフェアウェイに仮のグリーンが設定されています。フェアウェイなので地面が固くて10ヤードぐらい手前に落とさないと弾み過ぎてグリーン・オーヴァーは必至。私の10ヤード減作戦の二打目は大成功で、ピン傍1.2メートル、バーディ。 途中を省略し、No.14(パー5)。三打目をまたもや10メートルもピンをオーヴァーさせてオン。やや下りのスライス・ライン。「これを沈めるのは無理。ショートせず、オーヴァーもしないように打とう」とストロークしたら、また入っちゃいました。 No. 17で痛恨の3パットでダボにしてしまい、「結局完全にツいてる日というわけでもなかったか…」と告別式にでも参列してる気分になりましたが、パーでNo.18を終え、数えてみたら7オーヴァーでした(パット総数は27)。ま、二つの10メートルが入っていなければあり得ない僥倖でしたが、当サイトのタイトルとなっている使命を達成出来たので結果オーライ。 なぜパーオン率が低かったのか?「真っ直ぐ打てない理由」(tips_197.html)に書いた発見《真っ直ぐ飛ばすには、コックしてスウィング・スピードを上げること》なる秘訣を忘れていたのです。折角の発見も忘れちゃうんじゃ駄目ですね。で、「よし、この次は忘れないぞ!」と決意すると、次は別の何か大事なことを忘れたりするんです。いたちごっこorz。 |
【参照】「パーオン率がゴルフを決める」(tips_89.html)
(December 02, 2019)
●ストレートにストロークする練習道具
驚きました。先ず左の写真を御覧下さい。'Putting Navigator'という商品で、米Amazonの価格は約50ドルです。これはどんなタイプのパターにも装着出来るのと、この器具をつけてボールを打てるのがいい点ですが、こんなものに50ドル出す必要はありません。
以前、Odyssey Rossie II用にも作ったことがありますが、今回はGuerin Rife 2Barのために製作したものをご紹介します。パターヘッド上部の錘(おもり)調節用の弾丸みたいな二つの凸起の間にすっぽり嵌(は)まるように切ったスタイロフォームに、鉛筆をガムテープで貼り付けただけ。超軽量で、我ながら傑作です。着脱も簡単。材料費はタダです。
なぜ、これがクラブシャフトの上に置かれているかは、「完璧なストロークの探究」(tps_193.html)を御覧下さい。床(あるいはコースの芝)の上に寝せたクラブのシャフトの上で、このような器具を装着したパターによってストローク動作をします。ストレート・ストロークを志向する場合、インパクト〜フォローにかけて鉛筆の先端がターゲットを向き続け、寝せたシャフト上でスクウェアに留まっていなくてはなりません。
パターに描かれた線だけだと一見フェースがターゲットにスクウェアのようでも、僅かな誤差でもズレを拡大して見せてくれる鉛筆やペンの先を誤摩化すことは出来ません。こうした器具を用いる素振りは非常にシビアです。グリップ、スタンス、ポスチャー、ボールの位置、目の位置などのどれかを変更したら、その都度その方法で正しくストローク出来るかどうか、必ずこのテストを実行して確認すべきです。何しろ、タダで出来るのですから、利用しないテはありません。
(December 18, 2019)
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