Golf Tips Vol. 194

パー3では低いボール

ある日、私はNo.7(160ヤード)打ち下ろしのパー3で、ほとんど力を篭めないエフォートレスな3/4スウィングで3番ウッドを打ってみました(=方向性重視)。低く出たボールは真っ直ぐピン方向に向かいましたが、手前の土手で蹴られてごろんごろんグリーンを横切って右へ転げてしまいました。行ってみると、ボールはグリーン右横のピンハイでした。短いスウィングで距離は適切だった。低い軌道でもちゃんと届く。もし、私がグリーンのずっと左手前を狙っていたら、多分ピン傍だったのではないか?

その体験が私にヒントを与えてくれました。Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)が紹介したLee Trevino(リー・トレヴィノ)の言葉を思い出したのです。それは2004年に当サイトで紹介した「低いボールは曲がらない」(tips_80.html)という記事で、以下のようなたった二行の内容でした。

「Lee Trevino(リー・トレヴィノ)は、高いボールは大きく曲がるが、低いボールは曲がる率が低いと云う。だから、私はナーヴァスになり始めた時は、ボールをややスタンス後方に置き、低めのボールを打つ」

《低いボールは曲がらない》のだったら、No.7でウッドなんか使う必要はないのではないか?グリーン左手前から低目に転がして、ピン傍に寄せられるかも知れない…。

ある日の練習ラウンドのNo.13(210ヤード)打ち上げのパー3で、ドライヴァーを胸の高さがトップというハーフ・スウィングをしてみました。低くティーアップし、時計の文字盤の3時から9時へのスウィングで打ったボールは、低い軌道でグリーン手前20ヤード付近に着地し、真っ直ぐピンに向かってころんころん転がり、ピンを50センチほど通過して停止しました。えーっ?自分でも信じられないほど呆気ない成果。いつもドライヴァーでショートするか、右や左の旦那様なのに。

私はNo.4(150ヤード)砲台グリーンのパー3に移動しました。いつもだと、ここでは24°ハイブリッドによる3/4スウィングで正確さ第一のショットをします。ですが、最近の私は引っ掛けの量産体制。この日私は6番アイアンを選び、時計の文字盤の3時から9時へのスウィングで、パンチ・ショット気味の低い弾道で打ちました。三発打ったどれもがグリーン手前に着地してから、長くも短くもなしの距離に達し、そのうち一つはピンの左横50センチへ。

ハーフ・スウィング作戦の成功を確信した私は、前述のNo.7(160ヤード)パー3へと急行。ここでは5番アイアンを選び、グリーン左手前にあるグラスバンカーを狙いました(ピンから20ヤード手前で20ヤード左の地点)。同じく胸の高さのトップとフィニッシュのハーフ・スウィングによるボールは、低く真っ直ぐ目標地点に落下し、そこから右へ弾んでグリーンへと駆け上がり、ころころ右上へと登って行ってピンの左1メートルへ。もう一個打ったボールも同じ経路でピン傍へ。

なーんだ!これまで色々工夫していたことが馬鹿みたい。全てハーフ・スウィングで充分だったんじゃないの!低いボールは間違いなく正確です。グリーン手前にハザードさえ無ければ、このように打つのが正解です。

 

とはいえ、その後の数ラウンドではそのように見事に打てませんでした。バックスウィングが’胸の高さを越えたり、フォローを高く上げ過ぎて低い軌道にならなかったせいでもあるし、以前やっていたエフォートレスなスウィングが邪魔して気が抜けたようなショットになったせいもあります。期待過剰でもありました。これはパンチ・ショットなので、ボールを(打ち上げるのではなく)押しつぶさなくてはならないのです。そのためにはティーアップするべきではないように思われました。

その後、毎回ワン・オンとはいかないまでも、以前のように大きくブレることはなくなり、手堅く寄せてパーが狙える…というところまで漕ぎ着けました。この作戦は間違っていないと思います。

(July 01, 2018)

練習する時は、必ずクラブを地面に置け

 

ヨーロピアン・ツァーの花形Ian Poulter(イアン・ポールター、英国)による、彼の練習法の必須アイテム。

'Golf Tips from the Pros'
edited by Tim Baker (David and Charles Limited, 2006, $14.99)

「私が練習する時は、アライメントの助けとなるように常にクラブを地面に置く。それは特に最初の十数個のボールを打つ際、その日の感じを掴み、自分のいつもの打ち方を呼び戻そうとする時にとても重要である。その間に、悪い癖が忍び入って来たりしてほしくないからだ。

鉄道の線路をイメージしよう。ボールは線路の右のレール、あなたの爪先は左のレールで、アライメントが正しくなるように、地面にクラブを置く。

何度でも繰り返せる安定したスウィングの構築は、多くの場合単純なことをちゃんと実行することで可能になる。アライメントはその典型的な例だ。クラブを地面に置くことによって、あなたは常によい習慣を強化することになる。その習慣は、基本的にゴルフコースで本能的に正しいことを行うことを身につけるトレーニングである。そのためのいい機会を逃してはならない」

(July 01, 2018)

Nick Faldo(ニック・ファルド)の練習

 

Nick Faldo(ニック・ファルド)は、全英オープン三回、the Masters(マスターズ)に三回優勝し、現在TVのトーナメント解説者として活躍中。

'The Best Golf Tips Ever'
edited by Nick Wright (Contemporary Books, 2003, $24.95)

「Nick Faldoがかつて計算したところによると、彼の練習時間の75%はショート・ゲームの技を磨くことか、アドレス・ポジションの細部を洗練することのどちらかに費やされたそうだ。

Nick Faldoはショート・ゲームとスウィングの基本に集中することが、安定したボール・ストライキングとスコアを良くすることの鍵であると信じている」

(July 01, 2018)

残り40ヤードに刻む作戦

 

私がプレイする市営ゴルフ場のNo.14(360ヤード)パー5は、グリーン前面の全てがバンカーでガードされています。顎が深いので転がしでは乗せられません。砲台なので、長いクラブでアプローチ・ショットを止めるのが難しい。バンカーの横をすり抜ける二打目でピンハイにつけられれば、幸運ならチップインのイーグル、悪くてもバーディ・チャンスに恵まれます。私は、右からと左からイーグルを得たことがあります。バーディも何度も得ていますが、毎回バーディ・チャンスが得られるわけではありません。

ふと考えました。イーグルなんて、オリンピックと同じ四年に一度ぐらいのものである。バーディにしたって、数ヶ月に一度。大体において、パーかボギー。だとしたら、絶対にボギーを排除し、必ずパーを得る作戦はどうか?バンカーの横ピンハイにつけられるのは幸運な場合であり、プルすればバンカー、プッシュすればカート道路を弾んで10ヤードもオーヴァーしてしまうのです。

私の特技は60°ウェッジなのだから、50ヤード残すアプローチにしたらどうか?いや、50ヤードを目標にしてドジれば、60ヤード、70ヤード残すことになってしまう。40ヤード残す作戦にすべきだろう。

その日のラウンド、No.1でこの作戦の成否を占うことに。このホールもガードバンカーが大きく、花道はフェアウェイ左の5ヤード位しかありません。しかもフェアウェイもグリーンも左に傾斜しており、花道を狙ったボールは間違いなく左の崖下へ。グリーンにオンしたボールはどんどこ転がり、グリーン・オーヴァー。ですから、ここはバンカー手前に刻んで、ピン傍に寄せるテクニックに頼るのが最善なのです。

この日の私のティー・ショットは、GPSで残り130ヤード。40ヤード残すには、90ヤード打って刻むことに。やってみました。ボールはバンカー手前10ヤードほどに着地し、勾配通り左に転がり、花道の右端へ。私のチップはベストとはいかず、5メートルのパットが残りましたが、幸運に恵まれて予定通りのパー。No.1でのパーは重要です。借金は作らない方がいいので(^-^)。

 

肝心のNo.14。私はティー・ショットを右にミスし、二打目を木々に遮られてピンを狙う訳にいかず、フェアウェイ左へ打つことを余儀なくされました。予定を大幅にオーヴァーする65ヤードのアプローチ。私はグリーン・オーヴァーを避けるため、サンドウェッジを(65ヤード打つより)長めに持ち、フェースを僅かにオープンにしてスウィング。ボールはピンを1.5メートル越えて停止。うまくパットしてパー。

今回は理想的な運びではありませんでしたが、一応狙い通りパーにおさめられたので結果オーライ。

(July 01, 2018)

オープン・フェースのインパクトを防ぐ

 

ドライヴァーを目一杯長く持って振るとプッシュし易い傾向がありました。で、やや短めに持ってプレイしていたのですが、目に見えて飛距離を損しています。何がいけないのか?インパクトでフェースが(遅れて到着し)オープンになっているのは明らかなので、それをスクウェアにしなければならない。

「体型別スウィング」によれば、「テコ型」の私のダウンスウィングは左膝を開いてガニ股にすべきで、これは腕・手の到着遅れを待つ効果があるようです。しかし、これは「云うは易く」で中々難しい。

私はJimmy Ballard(ジミィ・バラード)の「右サイドで火を吹け」のイメージで、ダウンスウィングの開始で右膝を左に押し込むようにしました。これは大成功で、以後その日のドライヴァーは全てフェアウェイのド真ん中に向かいました。

(July 01, 2018)

ハイブリッドによる転がしの距離調節

 

ある日、No. 17(270ヤード)パー4のティー・ショットをプッシュし、大木でスタイミーになりました。残り120ヤードなら6番アイアンで木越えのショットでオンさせることも可能なのですが、生憎残り90ヤードなので木に近過ぎ、木の下を転がすしかありません。こんな長い転がしは滅多にやったことがないので、ちょっと戸惑いました。普通は24°ハイブリッドで転がすのですが、この時は21°を使ってみました。見事にグリーン・オーヴァー。

[hybrid]

このコースで、木の蔭になって転がしが必要になるのは、主に三つのホール、No.11、No. 13、No.17です。口惜しいので、これらのホールでティー・ショットをミスした場合のリカヴァリーを練習しました。

先ず気がついたのは、短いからといって手打ちをしてはいけないということでした。きちんと肩を廻しながら手の高さでバックスウィングの幅を定めることと、その幅によるパワーとヘッドのスプリング効果だけを用いる(力を入れたりしない)ということでした。次のテスト結果は、いずれも24°ハイブリッドを使用した場合です。

No.11
残り90ヤード:ハンドルの「白+(プラス)」で握り、右腰骨の上に上げるバックスウィング。
残り80ヤード:ハンドルの「緑」で握り、右腰骨の上に上げるバックスウィング。
残り70ヤード:ハンドルの「赤」で握り、右腰骨の上に上げるバックスウィング。
残り60ヤード:ハンドルの「赤+」で握り、右腰骨まで上げるバックスウィング。

No.13
残り55ヤード:ハンドルの「赤ー(マイナス)」で握り、右腰骨まで上げるバックスウィング。

No/ 17
残り90ヤード:ハンドルの「白」で握り、右腰骨の上に上げるバックスウィング。

これらが必要になることは最少限に留めたいと願っていますが…。

(July 01, 2018)

あるパー3での作戦の勝利

 

No.12(105ヤード)パー3は、距離は短いものの、誰もが攻めあぐねる難物ホール。やや上りのレイアウトである上に、グリーンの手前は全面完璧にバンカーでガードされているので、距離より長めに打つ必要があります。ショート気味のボールはバンカーで一網打尽。かといって、距離ぴったりに打つと、砲台グリーンなので、オンしたボールは奥のラフへ転げ出てしまいます。

私は8番アイアン〜6番アイアンまでを使って、色んな打法でテストしました。距離的には、7番アイアンのスウィングがぴったり。問題はそれをどうやって停止させるか?1クラブ増やしてフェードをかければ、少ないランで止まってくれるのではないか?しかし、フェードがかかるよりもシャンクを多発する結果となり、この試みは頓挫しました。

ふと浮かんだのが木越えのショットの応用。ボール位置をスタンスのやや左側とし、右足体重で高あ〜く上げる。他のホールの木越えのショットで成功しているのですから、このNo.12に木はなくとも同じ効果が出せる筈。

で、ある日、ボール位置をスタンス前方とし、アイアンを打つには邪道ですが普通より高くティーアップし、7番アイアンをフルに握ってスウィング。ボールは高めの軌道でまっしぐらにピン方向に。しかし、止まってくれたかどうかは勾配のせいで見えません。恐る恐るグリーンに近寄ると、ボールはカップを1.5メートル過ぎたところで停止していました。作戦成功、万歳。

そのパットを沈めてバーディ。このホールでのバーディは棚ぼたみたいなものです。'Golf is a thinking man's game'(ゴルフは考える人のゲームである)という言葉がありますが、今回の私はその正しさを実感しました。

【追記】この作戦は、その後も私にバーディ・チャンスを恵んでくれています。アイアンを高くティー・アップするなんて、眉を顰める方もおられるでしょうが、正しく打って乗らないよりは邪道でも乗る方がいいのです。勝てば官軍。

 

(August 01, 2018)

一打入魂

「一球入魂」は学生野球の推進者だった飛田穂洲(私の高校の先輩)の造語で、「一球一球に魂を篭める」という意味だそうです。私は「一打入魂」がゴルフの神髄だと思います。なぜなら、PGAツァー・プロたちの多くが口にする"I played one shot at a time."は「一打、一打に集中してプレイした」と訳せるので、つづめれば「一打入魂」になるからです。

最近の私は、アイアンを打つ時、ボールの直近のターゲット側の地面を見つめながら、「一打入魂」と内心で呟きながらスウィングを開始します。ボールを見つめて打つと掬い打ちになりますので、ボールの前方を見る訳です。そこがスウィング弧の最低点となるため、多少ボールを押し潰し、ロフト通りの軌道で真っ直ぐ飛ぶボールが得られます。

「一打入魂」と呟くと、心が引き締まり、その一打への真剣味が増幅され、会心の一打が生まれます。

(September 16, 2018)

心理学的・自信構築ヴィデオ [Tiger]

私はThe Masters(マスターズ)1997のハイライト・ヴィデオ(VHS)を持っています。これはTiger Woods(タイガー・ウッズ)がマスターズに初優勝した年です。彼のプレイはとても素晴らしいのですが、彼は興奮した顔も見せず、淡々と四日間のプレイをこなして、簡単に優勝してしまいます。

私はTigerの見事なティー・ショット、アプローチ・ショット、パッティングの場面だけを抜き出して編集し、10分に満たない自家製DVDを作成しました。元のヴィデオの音声は消去し、瞑想や自己催眠などに使われる、ゆったりしたα波の音楽をかぶせました。

これをラウンド前夜に見ます。どういう効果があるか?Tigerの自信に満ちたプレイとその成果を連続して見せられると、「なんだ、ゴルフってずいぶん簡単なもんじゃないか」という気にさせられます。α波の落ち着いた音楽によって、(興奮するのではなく)限りなく透明に近い心理状態でTigerのイメージが定着します。いわば「洗脳」ですね。脳に「やれば出来る。不可能ではない」というメッセージが、じっくりと刷り込まれるのです。

この頃のTigerは多くのパットを、それもマスターズの難しいグリーンでのパットを、いとも易々と沈めてしまいます。そのTigerの能力が僅かでも私に乗り移ってくれれば…と念じながら見ます。「鹿も四つ足、馬も四つ足」のように、「Tigerも人間、おれも人間」には違いないので。


(October 05, 2018)

厳しい目でTV観戦する

 

プロたちがパットする時、それが超短い距離でない限り、その成功・不成功を予言することが出来ます。

プロのアドレス時の左手首の角度を記憶します。インパクトでその角度が保たれていればパットの成功率は高いですが、もし左手首の角度を減らす(くの字にする)と、しゃくり上げるようなストロークをしているわけで、方向性も定かでなくなり、ショートする確率が高くなります。

このサイトで私が力説していることですが、正確なパットにはFLWが不可欠です。FLW、すなわち"Flat Left Wrist"(フラットな左手首)です。プロが、左手をパターと一直線に伸ばすのではなくYの字のアドレスをしているのであれば、インパクトでFLWにする必要はないのですが、Yの右辺の角度を増やしたり減らしたりしてしまうと失敗することが多い(100%失敗ではなく、なおも成功することがあります)。

これはPGAもLPGAも問いません。パットが巧くなければ生きてはいけないプロたちでさえ、左手首の角度を変えてミスすることが多いのです。

上のグリップを採用すればミスは少なくなる筈ですけど(^^;;。

 


(November 01, 2018)

内心でほくそ笑んではならない

 

ラウンド中、「お、これはイタダキだ」と思える状況がよくあります。私の場合、例えばピンまでの距離が15、20、25、30ヤードとぴったり残っているような時です。これらは「ピッチングとチッピングの距離調節・完全版」(tips_169.html)を用いて、60°ウェッジでうまく寄せられることが多いからです。ぴったりではなく18とか、22、28ヤードなどだとちょっと難しくなるため緊張し、真剣に打とうとするので問題無いのですが、ぴったりだと「しめしめ。パーは固い。うまく行けばチップイン」などと顔の筋肉が緩んでしまいます。

こういう時は間違いなく失敗します。顔の筋肉だけでなく、手・腕の筋肉も、緊張感さえも緩んでしまうせいです。こういう場合は、早く結果を見たくなるのでルックアップ(ヘッドアップ)も出易い。

先達て、パー4のピン1.5メートルに2オンさせ、「バーディ頂き」と思ったパット、ダフってボールの手前の地面でパターヘッドがつっかえてしまい、結果はちょろ(;へ;)。痛恨のパーにしてしまいました。自作の金言《イーズィなパットというものは存在しない、ギミーを除いては…》を忘れていたのです。ギミー以外、イタダキという状況はありません。

フォーサムの中でドライヴァーを一番遠くに飛ばした男が、二打目も素晴らしいショットをするかというと、ちょくちょく目にするのはゴロやちょろで折角の一打目を台無しにするケース。こういう人も、「どんなもんだい。おれに敵う奴はいないだろ」と内心ニタニタしていた筈。で、「絶好調、絶好調!おれ様は何をやっても最高!」と天に舞い上がるような気になってしまい、次のショットを真剣かつ一生懸命に打とうという境地でなくなってしまうのでしょう。驕れる平家は久しからず。

私がかなり前に作った戒めの文句に《いい結果を期待するな》というのがあります。自信過剰・期待過剰にならないための戒めです。常に薄氷を履(ふ)んで歩くようにプレイすべし。ツァーでも「病気のプロを警戒せよ」と云われるそうで、元気一杯なプロより「こんな体調でうまくプレイ出来るだろうか?」という不安を抱えながら慎重にプレイするプロの方が、意外な好成績で廻ることが多いという意味です。われわれも一打、一打、「うまく打てるだろうか?神様、何卒助けて!」という謙虚な姿勢でプレイすべきなのでしょう。

 

(November 16, 2018)

記録は作るものではない

 

ある日のラウンド。アウトは4オーヴァーでがっくり。ところがインに入って寄せワンが四ホール続き、「こりゃ、ハーフ・パープレイか、九ホール全部寄せワンの記録が作れるかも」などという能天気な期待をしてしまいました。五つ目のホール(パー5)で2パットしてしまったので、九ホール連続寄せワンは諦めざるを得なくなりましたが、それでもハーフ・パープレイの望みは絶たれていません。

しかし、No.16のティー・ショットをプルしてしまい、その後二回もチョロ。痛恨のダボを叩いてしまいました。残る二ホールでバーディを期待したのですが、それは高望みでした。

これまでのラウンドを振り返ってみても、《ゴルフの記録は知らぬ間に生まれるもの、作るものではない》と断言出来ます。この日、まだ残り五ホールもある時点で「記録を作ろう!」などと考えたのは浅墓でした。PGAツァーで初めて59を達成したAl Geiberger(アル・ガイバーガー)でさえ、残り三ホールになるまで59を意識しなかったというのに。

しかし、スコアを計算してみたら、アウト4オーヴァー、イン3オーヴァーの7オーヴァーでした(パット総数31)。最近の私としては最低の出来でしたが、ダボ込みでも7オーヴァーで上がれたのはまずまずと云わねばなりません。12個のパーに助けられました。

その次のラウンドもダボで発進というお粗末でしたが、10個のパー、1個のバーディに支えられて7オーヴァー。

このところ、この日記のタイトル通り「80を切る!」ラウンドが連続していて、嬉しい限りです。

(December 05, 2018)

女子プロ世界No.1だったMickey Wright(ミッキィ・ライト)が教わった三つの秘訣

 

[Mickey]

Mickey Wright(ミッキィ・ライト、1935〜)は15年間の競技生活で、当時のLPGAメイジャー13勝、LPGAツァーで計82勝(ツァー以外の優勝を含めると計90勝)を挙げ、数々の記録を塗り替えた女性。ツァー82勝は、Kathy Whitworth(キャスィ・ウィットワース)の88勝(歴代一位)に次ぐ第二位の記録だそうです。

筆者Herbert Warren Wind(ハーバート・ウォーレン・ウィンド)は、Ben Hogan(ベン・ホーガン)やJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)などの本の共著者として有名です。

'Herbert Warren Wind's Golf Book'
by Herbert Warren Wind (Simon & Schuster, 1948)

Mickey Wrightはカリフォーニア州サンディエゴの弁護士の家に生まれ、12歳の時に地元ゴルフ場の専属プロからゴルフの手ほどきを受けた。だが、彼女のスウィングを開化させたのは、ロサンジェルス郊外のゴルフ場のプロHarry Pressler(ハリィ・プレスラー)であった。彼女が14〜15歳頃の二年間、毎土曜、母親が運転する車で125マイル(約200キロ)ドライヴし、一時間のレッスンを受けた。

レッスン・プロHarry Presslerが彼女に教えた基本は、大抵の女性がほぼ腕だけでスウィングして距離が出なかったのと逆に、優秀な男性ゴルファーと同じように活発な手の動きでボールを打つことだった。その目的を達成するため、彼は彼女に三つのポイントに取り組むよう強調した。
1) ダウンスウィングの最初で体重は右足から左足に移動し始めること。
2) ダウンスウィングでは、右肘が右腰の前近くにくっつくこと。【註】
3) 手がボールに向かう時、手首を出来るだけ長くコックし続けること。

【編註】これは「正確無比なショットの秘訣」(tips_185.html)および「ダウンスウィングの研究」(同左)に書いた《右肘が右ポケットを越えないダウンスウィング》と同じですね。Ben Hogan(ベン・ホーガン)のセーターは、猛練習によって右腰の上の部分が擦り切れたそうです。やはり、この方法が正確なスウィングの秘訣なのです。

Mickey Wrightは、生涯忠実にこの三点にこだわり続けた。時折、スウィングが安定しなくなりHarvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)やPaul Runyan(ポール・ラニャン)他に見て貰ったことはあったが、いかなる時も自分が育ったスウィング動作を変えようなどとは考えなかった。

彼女はアマチュアとしていくつかのトーナメントで優勝したが、すぐにはプロにならず、スタンフォード大に入学した。しかし、1955年、一年生の時に退学してLPGAツァーに加わった。他の娘さんたち同様、プロ入りした時の彼女の夢は世界ナンバー・ワンの女子ゴルファーになることであった。彼女は1964年までに、全てのトーナメントでの優勝を期待される高みまで登り詰めた。彼女は期待された記録は、全て塗り替えた。1965年、やるべき目標を全て制覇した彼女は競技生活から引退し、心理学専攻の生徒としてテキサスのある大学に入学した。

 

(January 08, 2019)

ピンの左右どちらかを狙うべし

 

[pin]

漫然とピンを狙うのではなく、ピンの右か左か、どちらかを選んで攻めるべきだと思います。どちらを選択するにしても、その根拠がなくてはなりません。「このグリーンは右から左へ傾斜しているから、右目に乗せるべきだ」とか、「自分の今日の球筋は右目に出るから、左を狙おう」とか。

このようにピンの右か左かを選定するだけで、われわれの焦点が定まり、集中力が増します。もちろん、思った通りの結果にならないことが多いと思いますが、プロではないわれわれとしては致し方ないことです。

しかし、私は「ショットでも残像を見よ」(tips_195.html)を実践し始めてから、狙った通りの方向へ打てることが多くなりました。普通、ピンを正面から攻撃してボールが真っ直ぐ転がってピンに向かうということはなく、大体において右か左にブレイクするものです。その傾向を知らないのならともかく、知っているなら利用しない手はありません。

先日、残り160ヤード上りの丘越えの二打目で、3番ウッドを打ち、ピンの下1.8メートルにつけることが出来ました(1パットでバーディ)。普通このホールでの二打目は、真っ直ぐ飛んでも手前のグラス・バンカーに捕まることが多い。右に逸れると崖下からの打ち上げで、距離感を合わせるのが難しい。どのミスが一番いいかと云うと、左です。左ならグリーンとほぼ同じ高さなので。

で、ピンの左を狙って打ったのですが、軌道は間違って(?)真っ直ぐになってしまったものの、生涯一番のファインショットとも云えるものとなり、間違いなくオンしていると確信出来ました。その感覚は今でも消えていません。

【おことわり】画像はhttp://thegolfclubgame.com/にリンクして表示させて頂いています。

(January 21, 2019)

どれだけ反省点を覚えていられるか?

 

私のゴルフは、いかに前回のミスを繰り返さずに済むか?がポイントです。それは、前のホールでの掬い打ちによるショートであったり、前回のラウンドの下りのラインをオーヴァー目に打った失敗であったりします。私の場合は結構頻繁にラウンド出来るので、前回のラウンドのミスはまだ湯気が立っている間に次のラウンドが可能です。しかし、10日も雨や寒気に見舞われてラウンドが出来ないとなると、ミスした苦い思いは薄らぎ、身についたと思っていたパットの感覚も身体から離れてしまっていたりします。これだと、折角積み上げていたスウィングやパットのコツは崩れ去り、一から出直さないといけなくなります。

日本で週一でラウンド出来る方も、多分ミスした痛い思いは覚えておられることでしょう。しかし、月一だと前回のミスはもうかなり昔のことになっていて、「えっと、注意すべきなのは何だったっけ?」てな具合ではないでしょうか?年に一回の方は…、そういう人は多分こんなウェブサイト見に来ないでしょうから省略:-)。

私のようなこんなウェブ版の日記を作らずとも、一冊のノートに前回のラウンドの反省点を書いておくといいと思います。次のラウンドの前にそれを読み返し、練習場へ行く必要を感じたら行って練習し、メンタルなミスならその防止策を脳裏に刻む。夜、寝る前にスウィングをスロー再生するというのも役立ちます。手の位置、角度、その時のクラブフェースはどこにあってどこを向いているか。これが克明に視覚化出来るのであれば、もう何も心配する必要はないと思います。結構難しいんです、これ。

(January 21, 2019)

冬場のゴルフ

 

さしものアメリカ南部も厳寒の候で10℃以下の日が多く、さっぱりゴルフ出来ません。シニア・グループのラウンドもめっきり少なくなっています。

冬場は草が枯れて地面の露出度が増える、だからボールのランが増え、総飛距離が伸びる…と思うんですが、左にあらず。秋から冬にかけては夜半〜明け方にかけて気温が下がるせいで、草の表面に朝露がつき、曇った日などは午前中一杯乾かず、ボールを転がらなくしてしまいます。

[ball position]

夏場に飛んでいた地点までボールが届かないので、がっかりし、かつ焦ります。しかし、それは全てのゴルファーにに一様に起っている現象なので、実は焦る必要はないわけです。夏に較べると遥かに長い二打目が、スコアの決め手となります。

湿った地面はショート・ゲームにも影響します。夏は固く乾いた地面がクラブヘッドを滑らせてくれたのですが、湿った地面だとヘッドが突き刺さってしまい(=ザックリ)、その結果としてのチョロの危険性が倍増します。

で、一計を案じました。図のように第七頸椎(首の根元の凸起、図の赤丸)より右にボールが来るようにしてアドレスします。これはPaul Runyan(ポール・ラニャン)が提唱した五つのサスペンション・ポイント(tips_147.html)の一つで、本来は深いラフにおける支点の設定です。私の場合、フェアウェイでも首の右横にボールを置くと、ザックリを予防出来ます。ある日のラウンドで毎ショットに成功し、「この方法なら100%ザックリ無しでプレイ出来ると『日記』に書ける!」と思った途端、最後のNo.18でザックリをやっちゃいました。「日記に書こう!」と思ったのが間違いでした。これは、トーナメント最終日、トップを走っているプロが、優勝者インタヴューで喋る内容を考え始めた途端に池ポチャを出すのと同じ失敗です。先走り過ぎてはいけないのです(^^;;。

なお、Paul Runyanは、「このようにボール位置を後方にした場合、体重は左足にかけ、身体を左に傾げる」と云っています。左体重にしないと、ボール位置を右にした意味がなくなるからです。

(February 03, 2019)

練習ストロークについて

 

私は、本番のストロークの前に三回素振りをすることにしています。カップあるいは中間目標を見つめながら、そこに届く適切なバックストロークの幅を身体に覚え込ませます。カップを見ながらストロークする人もいますが、普通本番ではボールを見ながらストロークするので、どのように打つかは、直前に身体が覚え込んだ振り幅しかありません。もし、素振りをしないと、「こんなもんだろ」という山勘(当てずっぽう)でストロークするしかなく、それでは身体の筋肉がどう動けばいいのか判らず、パニックに陥るでしょう。とんでもなくショートしたりオーヴァーしたりするのは、こういう時です。

スポーツ心理学者Dr. Bob Rotella(ボブ・ロテラ博士)は、'Putting Like a Genius'(天才のようにパットする)というテープの中で、「ゴルファーの中には、素振りをする時ボールやパターヘッドを見ている人がいるが、これは絶対にいけない。カップを見るべきである」と強調しています。

素振りは距離感を構築するためのステップですから、カップあるいは中間目標を見つめながらの動作でないと無意味です。ここで中間目標と云うのは、ブレイクの頂点であったり、上りのラインであればカップの10センチ向こう、下りであればカップの30センチ手前などを指します。カップではなくその地点を見つめながら素振りします。素振りを終え、アドレスした後、もう一回目標を見るのはいいのですが(私はそうしてます)、間違って中間目標でなくカップを見てしまうと、素振りに費やした全ての努力はおじゃんになります。素振りで構築した距離感がリセットされてしまうからです。

 

(February 03, 2019)

ロブ・ウェッジの工夫 [sticker]

「ピッチングとチッピングの距離調節・簡略版」(tips_195.html)には、毎ラウンド助けられています。バックスウィングの高さを明確な(曖昧でない)二種類に限定し、クラブを握る長さだけで調節するというシンプルなアイデアの功績です。

距離を目測し、グリーンの状態(よく転がるか遅いか)によって若干調節した長さ(やや長くしたり、短くしたり)でクラブを握り、お決まりのスウィングをすればいいだけなので、超簡単。五つ星(☆☆☆☆☆)に値する工夫となっています(自画自賛)。

「えーっと、この距離だと?」と毎回クラブを持つ位置を考えなくても済むように、写真のようなシールをシャフトに貼りました。シールの文字の色とハンドルに描かれた丸の色が対応していますので、一瞬でどこを握ればよいか分ります。左側の数字の列がクラブ・シャフトを膝上で地面と水平にするバックスウィング、右側の列が左腕を地面と水平にするバックスウィング。この二通りで15〜55ヤードを打ち分けられます。これ以上簡単なピッチング、チッピングの方法があるでしょうか?あったら教えて欲しいくらいのもです。

このようにメモや心覚えをシャフトに貼り付ける方法は、インストラクターDave Pelz(デイヴ・ペルツ)が推奨しているもので、ルール違反ではありません。活用すべきです。


(February 10, 2019)

グリーンを制するものが勝者となる

私はパッティングがゴルフで最も大事なものだと思っています。当サイトの「テクニック」の項には、2019年2月現在2,369のtipsがありますが、そのうち約30%(696)がパッティングに関するものです。残りのスウィング、パワー、ショット・メーキング、ミス・ショット防止策、寄せ、バンカー・ショット、トラブル・ショット…等全てに較べ、いかに分量的に比重が高いか、お分かり頂けるでしょう。

いくらドライヴァーが飛ぼうが、二打でパー5にオンしようが、うまく1ピンの距離に寄せられようが、最後の局面でパットが入らなければスコアが良くなることはありません。

スポーツ心理学者Dr. Patrick Cohn(パトリック・コーン博士)は次のように云っています、「ツァー・プロの場合、いいスコアはパットの成功によるものである。プレイヤーの多くがティーからグリーンまでは見事にボールを運ぶ。しかし、賞金の小切手がどこに行くかというと、普通それはパットを見事に沈めたプレイヤーのところである」

われわれは小切手とは無縁であるものの、初めて80を切るとか、初めてパー・プレイを達成するなどの快挙は、100万円の小切手に相当する感じでしょう。そのためにはグリーンを制する必要があります。

南ア出身のパット名人Bobby Locke(ボビィ・ロック)は「32パットのラウンドはまあまあの出来、30パットだったら上出来、28パットで収められたら最高と考えるようにしていた」と云っていました。

私は、ずっと以前からスコアカードの上段にそのホールのパット数、下段にスコアを書いています。チップインしたらパット数はゼロ。これによって、自分のパッティングが向上しているかどうかが判断出来ます。私は生意気なようですが、32パットは最悪、常に30を越えないように努力しています。

パッティングは、練習でも本番でも何が悪かったのか判断しにくいのが難点。読みは良かったのだが、ストロークが悪かったのか。ストロークは良かったが、読みが悪かったのか。はたまた、読みもストロークもどっちも悪かったのか?

唯一、ストロークの善し悪しを判断する助けとなってくれるのは、「ターゲット・ラインの拡大」(tips_195.html)に書いたように、ボールにマジックで太い線を描くことです。読んだ目標(カップあるいは中間目標)にその線を揃えてストロークします。スクウェアなストロークが達成出来れば、ボールに描かれた線は真っ直ぐ直線となって転がります。しかし、線が斜めにゆらゆら揺れて回転するようであれば、そのストロークはスクウェアでなく、歪んだ軌道で打たれた証拠です。この場合、いくら巧くラインを読んだとしても入る筈はありません。

 

ストロークの練習はゴルフ場へ行かなくても出来ます。パット練習器などなくても可能です。もっと云えば、ターゲットもボールすらも要りません。ですから、ボールの線が真っ直ぐ転がらない言い訳を考えるのは困難です。「完璧なストロークの探究」(tips_193.html)を使ってみて下さい。

(March 02, 2019)

あるインストラクターが経験したthe Zone(ザ・ゾーン)

元PGAツァー・プロで、現インストラクター兼ライターのLarry Miller(ラリィ・ミラー)は、彼の著書で次のように書いています。

[Alison]

'Golfing in the Zone'
by Larry Miller 'MJF Books, 1996, $6.98)

「音楽は、スポーツのパフォーマンスと明確な関連がある。Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)は、スウィングする時にメロディを聴いたそうで、好調時には心の耳でそのリズムを聞くことによってスウィングのタイミングを取ることが出来たという。PGAツァーでも練習の際にヘッドフォンを着けて音楽を聴いたり、ハミングや口笛を吹いてプレイする者もいる。Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)は、シンガー・ソングライターJackson Browne(ジャクスン・ブラウン)の霊感的歌詞を聴きながらプレイしていた。Jackson Browneの歌は私の好みでもあった。

私がアラバマ州のあるコースでプレイした時、No.2(628ヤード)パー5の三打目はオンしたものの、75フィート(約23メートル)も離れていた。この化け物のような長い上りのラインを見ながら、私はJackson Browneの最新アルバムの歌をハミングしていた。

私が『ピンを抜いていい』と云った時、ピンを持っていた女性が驚いた。彼女は、私にカップが見えるのだろうと思ったそうだが、実のところその距離からではカップはよく見えなかった。だが、私には私とボールとカップの密接なコネクションが感じられたのだ。わたしは30フィート、40フィート、50フィートのパットは成功させたことがあったが、75フィートは未経験だった。

カップとのコネクションは不思議なフィーリングだったし、その時の澄んだ心は魅惑的だった。パットする際、カップは見えなかったものの、その位置は感じられた。ボールは線路に乗って運ばれるようにカップに向かった。同伴者たちによれば、ボールはド真ん中から入ったそうだ。彼等は単なる幸運だと考えたようだが、私は何か別な作用だと思う。いくつもの否定し難いエネルギーが単一のゴール目指して結集したのだ。


【おことわり】画像はhttps://underarmour.scene7.com/にリンクして表示させて頂いています。

(March 02, 2019)

何故しゃかりきになっちゃうのか?

二回の連続したラウンドで、同じホールで全く同じミスをしてしまいました。No.15(パー4)は残りほぼ130ヤード地点からフェアウェイが急激に下っていて、凄く高い砲台のグリーン。下っているので二打目の距離を短く感じるため、誰もがショートします。私はこのホールは残り150ヤードでも3番ウッドでないと乗らないことを知っています。

何せ土手が高いので、ほとんどのボールは駆け上がるエネルギーを失い、夏場は手前に転げ落ち、湿っている冬場は土手の途中で止まってしまいます。私はこのホールのアプローチ・ショットを何度も練習し、残り150ヤード、140、130、120、110、100…と、距離に応じた標準のクラブ選択基準を携帯しています。

前回はティー・ショットが良く飛んで残り140ヤード。21°ハイブリッドを2.5センチ短く持ってぴったりの距離。普通にスウィングすればオンする筈なのに、何故か私は目一杯のパワーで打ってしまい、プッシュしてグリーンの遥か右へ。

その次のラウンド。この日は朝方の小雨でフェアウェイが湿っており、ティー・ショットは残り150ヤード。これも3番ウッドならぴったりであることは分っています。それなのに、私は何故かしゃかりきになって打ってしまい、またもプッシュしてグリーンの遥か右へ。

どうしてこんなことが起るのか?クラブ選択や飛距離に自信がないと、往々にして(ショートが恐いので)強く打ちたくなる衝動が湧くことは理解出来ます。しかし、距離計測とクラブ選択に確信があり、不安を感じる要素は全くないのです。

この突然の衝動に対処するには「距離はクラブに任せろ。下手に人間が助けるとロクなことはない」と呟くことでしょう。飛距離はクラブのロフトに内蔵されているのであって、もしその距離には不足ではないか?と不安を感じるのであれば、もう一つ上の長いクラブを選ぶべきなのです。選択したクラブを信じ、自分の普段通りのスウィングをすべきなのです。

突発的に発生する「ぶっ飛ばす衝動」を厳に戒めるべきです。

 

(March 11, 2019)

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