Golf Tips Vol. 193

完璧なストロークの探究

 

"Putting is the name of the game."「パッティングこそゴルフの肝心要(かなめ)である」とはよく云われる言葉です。特に、パットが不調だった日のプロやアマが、「分っちゃいるんだけどねえ」と自嘲気味に嘆く時に使われることが多い。そりゃそうです。どれほどイーグル・チャンス、バーディ・チャンスに恵まれても、ボールがカップに沈まない限り、いいスコアにはならないからです。

先日の「ゴルフ金言集」でTony Lema(トニィ・リマ、1934〜1966、全22勝)は「ゴルフというゲームの目的は、直径10.8センチのカップにボールを入れることだ。それ以外はクライマックスを求めるマクラに過ぎない。全ての議論に終止符を打つ究極のストロークはパットである」と云っていますが、まさにその通り。パットこそ画に書いた龍に点睛を入れるアクションです。

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私はこう考えました。パッティング・ストロークは右図のように
⓪ アドレス
バックストローク
インパクト
フォロースルー
…となりますが、最重要なのは最後の②→③の約30センチの範囲である。特に、の時点でターゲット・ラインにスクウェアなら、その他の部分はどうでもいいのだ…と。

私は図のようにアイアン・シャフトのクラブを床に寝せ、その上で練習を始めました。ボールは無し。②→③でパターヘッドの中心線が寝せたクラブのシャフトと重なるように努力します。スタンス、ポスチャー、腕・手の角度、グリップなどは、教科書や過去のtipsの教えなど無視し、全てヘッドの中心線がスクウェアな30センチを達成させるために奉仕すべき裏方だと考えます。スクウェアな②→③以外に重要なものなどないからです。

上の練習に慣れたら、目を瞑(つむ)って同じことをします。ヘッドが付近に到達したら目を開け、ヘッドの中心線とシャフトがきちんと重なっているかどうか確認します。重なっていなければ、バックストロークで左肩が前に出ていないか、左目の周辺視野で監視します。多くの場合、左肩が方向を左右にずらすことが多いからです。

この練習法は、ゴルフ場に着いてティータイムを待っている間にも実行出来ます。アイアンを一本抜いて、地面に寝せるだけでいいのですから簡単です。

パッティングには、a) ラインの読みと、b) 完璧なストロークの二つが揃っていなければなりませんが、上の練習に精出せば二つのうち一つには自信が持てることになります。

(March 07, 2018)

パターのロフトを調べよ

 

'Boost your bag'
by Evan Rothman ('Golf Magazine,' December 2017)

「『ゴルファーたちはパターヘッドの形状には注目するが、重大な要素であるロフトには無関心だ』と、あるクラブ・フィッターが指摘する。『誰もがドライヴァーのロフトは知っているが、いつも使っているパターのロフトを知っている人はたった2%ぐらいだろう』

パターのロフトは、ボールの滑走を減らして早めに転がし始めたいと思うなら熟慮すべき要素である。全てのパターが明らかにしているわけではないものの、大方は2〜4°だが、購買者はそういう知識だけではなくもっと有益な情報を必要とする筈だ。

『一般的に、両手はアドレス時の位置に戻るものだ。だから、あなたがフォワード・プレスするタイプであれば(それはロフトを減らす)、あなたにはロフトの多いパターが必要だ。あなたが、両手をボールの真上かその後方でアドレスするタイプなら、ロフトの少ないパターヘッドが必要だ』」

【参考】
・「パターのからくり」(tips_70.html)
・「Paul Runyanのパター鑑別法」(tips_69.html)
・「パターの研究」(tips_136.html)
・「ヒールシャフト・パターの問題点」(tips_141.html)

 

(March 07, 2018)

盲目ゴルファーは足でラインを読む

 

筆者Tom Sallivan(トム・サリヴァン)は、生まれた時からの盲目。しかし、ハンデは18だそうです。

'Be the Ball'
by Charlie Jones and Kim Doren (Andrew McMeel Publishing, 2000, $14.95)

「盲目であることが私にゴルフと心について教えてくれることを要約するとしたら、情緒的・肉体的両面で目的とすべきイメージを持たなければプレイは出来ないということだ。例えば、ボールを打とうと立っていて、心の中で文字通りショットのイメージを描けなければ、何も達成出来ない。それが、盲人が学ぶ最初の概念である。

二番目は、ゴルフ・ゲームを感じることだ。私はアマチュアとしては世界的なパット名人の一人だ。何故なら、私はパットのラインについて考えたりしない。それは私のコーチの仕事であり、彼がパター・フェースを揃えてくれる。私はフィーリングだけ考える。この場所からボールを動かすに必要なことは?私は足でグリーンを読むが、目の見えるキャディよりずっと上手だ。あなたが全ての感覚を使ってプレイすることを学べば、とてもよいゴルファーになれる筈だ。

【編註】AimPoint Express(エイムポイント・エクスプレス)というグリーン・リーディング技法があります(tips_155.html)。ボール後方やカップ直近で足を開いて立ち、左右どちらの足に体重がかかるかで、傾斜を感じ取ります。これは盲目ゴルファーに一歩近づいた手法と云えましょう。

三番目は景観を愛でることだ。あなたが私のホームコースのNo.4ティーに立ったら、あなたはPebble Beach(ペブル・ビーチ)でプレイしているような気になり、海の音を聞き、ユーカリの香り、オレンジの花、ライラック、そしてどこから風が吹いて来るかを感じとる。ある日、あなたは霧がやって来てあなたの肩に触れるのを感じることが出来る。こうした全ての感覚的なことが連続する。

視力のあるプレイヤーが逸するのは、【視覚以外の】残りの四つの感覚がゴルフを素晴らしいものにしているという経験だ。フェアウィを歩き、足の下のスポンジのような感覚を楽しむこと。ボールを打ち、それが木々を抜ける音を聞くこと(木に当てるってことじゃなく、ショットの反響音を聞くことである)。それはあなたが巨人になったように感じさせる。特に、パー5でフェアウェイの真ん中にいて、打った後、スウィートスポットで打てた音を聞く時。

自分のショット、あるいは他の人のショットがどこへ飛んだか、ボールの空を切る音によって分る。バンカーからボールが飛び出すドスンという音も素晴らしい。ゴルフ・ゲームの景観を感じ取るのはうっとりさせられることだが、視力のあるプレイヤーたちは、それを感じない。彼らはメンタル・イメージに関連することを感じないのだ」

(March 07, 2018)

フェアウェイウッドのボール位置

 

インストラクターMike Perpich(マイク・パーピッチ)による、ボール位置の重要性。

'The best shot of 2017'
by Mike Perpich ('Golf Magazine,' December 2017)

「U.S.オープン三日目のNo. 18(667ヤード)パー5。Justin Thomas(ジャスティン・トーマス)の残りヤーデージは299ヤードだった。彼がメイジャー・トーナメントにおける最少タイ記録である63で廻るには、ここでイーグルが必要だった。ライと状況をチェックした彼は、3番ウッドでピン傍6フィート(1.8メートル)につけ、次いでパットを成功させた。3番ウッドで300ヤードだと?そう、そうなのだ。

彼に対抗して3番ウッドで300ヤード打つのは忘れることにして、少なくともフェアウェイウッドを期待通りに打つ方策を学ぼう。程度の差こそあれ、スウィングというものは、常に左脇の下が最低点となるものだ。

だからボール位置が左脇の下より右であれば、インパクトに近づきながら下降気味にボールを打つことになり、これはアイアンを打つ時に相応しいボール位置である。

ボール位置が左脇の下より左であれば、クラブは上昇気味にインパクト・ゾーンに突入し、これはドライヴァーに最適のボール位置である。

フェアウェイウッドで芝の上からクリーンにボールを打ちたいのであれば、スウィング弧の最低点をボール位置とすべきであり、それはまさに左脇の下に他ならない」

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《スウィングの最低点は必ず左脇の下となる》のであれば、バンカーでボールの手前数センチを左脇の下にすれば、トップもせずダフりもせず、常に完璧なバンカー・ショットが出来る筈だと思いました。結果はホームランとダフりばっか(;へ;)。いい考えだと思ったのですがねえ。

 

(March 11, 2018)

Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)のボール・コントロール

 

Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)の遺産」シリーズ。

'495 Golf Lessons'
by Arnold Palmer edited by Earl Puckett (PGA), (Digest Books, Inc., 1973, $4.95)

・ホーガン流フェードを打つ方法

大方のアマチュアは、絶対にスライスのようにカーヴするショットを打ちたがらない。だが、ハイ・フェードのプローチ・ショットを選択すべきことについては、もっと多くが語られるべきだ。このショットは左から右へ僅かにカーヴする。それはグリーンにふわーっと着地し、急停止する。信じて欲しい。グリーンが固いか砲台であったり、追い風であったりすれば、Ben Hogan(ベン・ホーガン)が名人芸を見せたこのハイ・フェード・アプローチを、あなたの武器の一つにするのは価値あることだ。

このショットを打つには、アドレスでクラブフェースはターゲットにスクウェアにしたまま、両足・腰・肩で僅かに左を狙う。このアドレス体勢はクラブが若干ボールをカットするように打ってフェードを生む。

通常よりボールをスタンスの遥かターゲット側、ほぼ左踵の前方に置くこと。これがエクストラの高度を与えてくれる。

インパクト直後に右手が左手にかぶさらないように注意。これはクラブフェースをクローズにしてしまい、低く左に出るプルフックの原因となる。

【参考】「フェードの秘訣」(tips_179.html)


・スライサーはアドレスをチェックせよ

 

アドレスしたゴルファーを飛行線後方から見た時、右腕が左腕より上になっている場合このゴルファーの上半身はターゲットの左に身体を揃えており、インパクトでターゲットラインに対し間違いなくアウトサイドからインサイドにクラブヘッドが振られることを示している。これは弱々しい右へのカット、あるいは左へのプルを生む。

右腕が左腕より下でアドレスされるのが正しいアライメントだ。こうするとあなたは右を狙っているように感じるかも知れない。だが、あなたはクラブヘッドをボールに向かってスクウェアに振り、ボールは長く真っ直ぐに飛ぶ筈だ。


・スライスを真っ直ぐにする

バックスウィングのトップで左手首を甲側に凹型に折る人は、スライスを製造しがちである。あなたがスライスを打つ傾向があるなら、トップでの手首の折れをチェックすべきだ。

ショットを真っ直ぐにするには、トップで左手首と前腕部とを真っ直ぐ一線にする。この形をトップで(そしてインパクトでも)作るには、テイクアウェイでクラブフェースが長時間ボールに面するようにする。バックスウィングの最初の1メートル近くを、(丁度パットする時のバックストロークのように)スクウェアにし続けること。


・体重を踵に掛け続けよ

ダウンスウィングの間体重を踵に掛けていないと、遠心力の作用が実質的に安定した良いショットをすることを不可能にする。ダウンスウィングでゴルファーが身体を回転させる際、遠心力がクラブを外側に引っ張る原因となる。この遠心力を相殺しなければ、お粗末なショットを生じるのは明らかだ。遠心力の影響と釣り合いを取るには、体重の多くを踵側に掛けたアドレスをすることだ。


・ティーアップしたアイアン・ショットでもヒットダウンすべし

 

大方のプロはティー・グラウンドからアイアンを打つ際、ボールをティーアップする。アマチュアの中には、ティーアップせずにボールを地面に転がして打つのが格好いいと考える人がいるように見受けられる。

私は、このようにティーアップされたボールも、フェアウェイにあると看做して打つべきだと考える。その意味は、クラブが地面に接する前にボールと先にコンタクトするように打つということだ(=ヒットダウン)。

ボールへのしっかりしたダウンブローが、最大飛距離でなく方向を主眼とするこうしたショットに必要な、引き締まった左サイドと強固な左手首を維持しつつボールに向かうことを助けてくれる。


[Palmer]

・左耳をボールから離すな

多くのゴルファーが、バックスウィングで上体を右にスウェイさせて、パワーとコントロールを失ってしまう。最大の飛距離とコントロールを得ようと筋肉を捻転するためには頭をボールの上に留めるべきだ。

実際には、私はスウィングの間じゅう、自分の右耳がボールの上にあるように考える。これはスウェイを防ぐだけでなく、ダウンスウィングの間上半身をボールの後方に正しく留めてくれる。


・爪先の角度一つでパワフルなスウィング

スウィングに足の位置が影響する事実を軽視してはならない。今日の上手なゴルファーたちは、右爪先は飛行線に対し直角にしているが、左爪先は僅かに開く。

右爪先を真っ直ぐにすると、バックスウィングで右横にスウェイするのを防ぐ。それはボールの上に留まり続けるのを助けてくれる。

左爪先を開くと、ダウンスウィングの開始で両脚を左へ動かすことを促進する。左爪先を開かないと、この動作を制限しスウィングをブロックしてしまう。

つづめれば、これらの足の位置はバックスウィングでの捻転と、ダウンスウィングでの下半身の自由な動きを与えてくれるのだ。その結果はよいバランスとさらなる飛距離である。


・アドレスで両手を上げよ

次回トップ・アマかプロのスウィングを見る機会があったら、アドレスでの手の位置に注目。彼らが両手を高くしているのを見るのは間違いないと思う。つまり、前腕のトップから親指までほとんど一線に揃っているということだ。

この両手の位置はプレイヤーがパーム(掌)でなく、フィンガー(指)でクラブを握っていることを示している。これは掌で握るよりもフィーリングが得られる。われわれが何かを感じたい時、われわれは掌でなく指で触れるものだ。

高く上げた手首は、機敏な臨戦態勢にある。手首の上に皺が出来ているのは不可。もし、横から見て手首が甲側で折れたアドレスをしているゴルファーは、ロー・ハンデではないと云えるだろう。

フル・スウィングでの主な役目は、アドレスした時と同じようにボールにスクウェアにクラブフェースを戻すことだ。逆に云えば、プレイヤーのアドレス体勢はほぼインパクト体勢に類似しているべきである。インパクトでは両手首は高い位置にある筈だから、アドレスでも高くしておくべきなのだ。


・バックハンドでボールを打て

ボールを打つのは、テニスのバックハンドの動きのようなものである。あなたは左手の甲でボールを打つ感覚を得るべきだ。もし、あなたがしょっちゅうスライスしているなら、あなたはバックハンドでのインパクトをしていないからだ。

右手が優勢だと左手首が凹型に折れてしまう。強靭なゴルファーが左手優先でスウィングすれば、こうはならない。バックハンドで打つためには、バックスウィング開始の際に手を右に廻したりしないことだ。

インパクト・ゾーンで左手甲、手首そして前腕下部は真っ直ぐで、ほぼターゲットラインを向いているべきである。あなたの左サイドが真に優勢であるなら、この真っ直ぐな左手首をフィニッシュまで維持出来る筈だ。

 

誰にでも達成出来るわけではないが、これは全てのゴルファーが求める目的として価値あるものだ。これに成功すれば、もっと頻繁にボールをストレートに飛ばすことが可能になる。


・飛行軌道を延長せよ

もし飛行軌道と、ターゲットラインのボールの高さに沿って長い間クラブヘッドの動きを維持出来るなら、スコアは格段に向上することだろう。

これを達成し、そしてソリッドなコンタクトのチャンスを増やす途は、インパクトを過ぎてもなお両手をターゲット方向に延長することだ。確実に左手甲をターゲットに向けてボールを打つ。その方向に引き続きコンマ数秒左手甲を向け続けるのだ。


・ヒッティング・ゾーンでアンコックせよ

バックスウィングのトップまでに完了したコックは、クラブと両手が90°を形成し、"L"字になる。私はこの"L"字を、両手がヒッティング・ゾーンに突入するまで緩めない。これは『レイト・ヒット』と呼ばれ、パワーの主たる源泉である。ゴルファーでこの"L"字を作り、インパクト迄にクラブフェースをスクウェアに出来る者は間違いなく遠くにボールを飛ばせる。

両手が腰の高さ迄下りて来て、なおかつ"L"字を解かずにインパクトに向かわせるには、
1) ダウンスウィングの開始で体重を左に移す。
2) 右肩を下げ、右肘を身体の右脇に戻す。
3) ダウンスウィングを両手で遂行しようとか、頭を左に移そうとする動きを避ける。

【参考】《Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)の遺産」シリーズ》
・「眼鏡を掛けたゴルファーの頭」(tips_188.html)
・「Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)の脚の使い方」(tips_189.html)

 

(March 14, 2018)

Hank Haney(ハンク・ヘイニィ)のショート・ゲーム

 

有名コーチHank Haney(ハンク・ヘイニィ)のDVDをレンタルしてみました。ドライヴァー、ウェッジ、パターの三本の使い方を教えるもので、初心者向けの内容です。しかし、次に紹介するウェッジの使い方(特にコックの有無とテンポなど)は興味深いものでした。

'ESPN Golf Schools: The 3-Club Tour'
by Hank Haney (DVD, 2007)

「・ピッチ・ショット

これはミニチュアのゴルフ・スウィングである。60°ウェッジを用い、腕によるスウィングで、バックでクラブフェースをオープンにし、フィニッシュでもフェースをオープンにする。コックはごく僅か。

・ロブ・ショット

60°ウェッジを用い、クラブフェースをオープンにし、スタンスもオープン。コックの度合いを強めた、長くゆっくりしたスウィングをすること。

・チップ・ショット

距離によってクラブを換えるが、標準的にはピッチングウェッジがベストの選択。ボール位置はスタンス後方、アップライトなハンドファーストの構えでロフトを減らす。固い手首を保ち、ディセンディング・ブローをする」

 

(March 18, 2018)

Fred Couples(フレッド・カプルズ)のナチュラル・ストローク

 

 

快適なポスチャーで自然にパットしようというFred Couples(フレッド・カプルズ)のメソッド。この本は、彼がthe Masters(マスターズ)で優勝した翌年に出版されています。彼の技法をまとめると、この当時は普通の長さのパターを用い、レフトハンド・ローのグリップ、ボール位置は(ややアッパーに打つため)左足内側前方、ボールから離れ(目の下より5〜10センチは外)、ややオープンに構え、かなり深めに屈み込み、(突くような動きは避け)カップで息絶える強さでストロークしていました。

'Total Shotmaking'
by Fred Couples with John Andrisani (HarperPerennial, 1994, $15.00)

「パッティング・スタイルの主流には二つの流派があり、一つは手首を硬くして肩と腕主体でストロークする一派、もう一つは手首でボールを弾く一派である。私は両方をミックスしたスタイルで、肩と腕でストロークのパワーを生成するけれども、手首を硬直させず自然になるがままに任せるため、トップとフォローの両方で手首は僅かに曲がる。

私は手首を動かすかどうか決めたりしない。私はパターを軽く握るので、長いパットでパターヘッドをより遠くに動かす時は、手首が単純にそれに反応する。どれだけ手首が折れるかは、ストロークの長さとカップに届かせるに必要なパワーの量次第である。60センチの距離のパットでは、私の手首は動かないが、15メートルのパットでは顕著な手首の折れが生じる。

短いパットでは少しきつ目のグリップをしても問題無いが、私は距離が長くなればなるほどさらにもっと軽く握る。この軽いグリップは右手首が折れるのを容易にする。距離が7メートル以上になったら、徐々に右手のグリップ圧を軽くし、バックストロークのトップで右手首の自然な折れを許す。

私は主として腕と肩が一体となったバックストロークをする。私は左手はガイド役を務める手、右手はパワーを供給する手と考える。

短いパットではパターを地面すれすれに低く動かすが、ストロークが長くなるにつれ、パターヘッドの重みに反応して右手首が折れる。パターを軽く握っていれば、その右手首の動きは自然に発生する。どれだけ右手首を折るか、それをあなたが決める必要はない。手首が決めるのだ。

私が云わんとするところを視覚化出来る比喩を進呈しよう。小さな子供と地面でボールを転がす遊びをしているところを想像してほしい。1メートルの距離であれば手首の動きなど無しで腕がコントロールする。距離が5メートル位になると、腕のスムーズな振りに反応して手首がほんの少し折れる。15メートル以上の距離を転がす段になると、手首は後方と前方どちらでも大きく折れる筈だ。これはパッティング・ストロークでもまさしく発生させるべきことなのだ」

 

(March 21, 2018)

Lee Trevino(リー・トレヴィノ)のパッティングの智恵

 

The Masters(マスターズ)を除くメイジャーに二回ずつ優勝し、プロとして計90勝を挙げているLee Trevino(リー・トレヴィノ)のパッティングtip。

'Groove Your Swing My Way'
by Lee Trevino with Dick Aultman (Atheneum/ SMI, 1976)

「ゴルフの全てにおいて左手が主導権を握るべきだ。特にパッティングにおいて。私はパターのヒールがストロークをリードする感覚を得たい。

私が時折用いるいい練習法の一つは、意図的に超短いバックストロークでパットするというものだ。私は10メートルのパットに、5〜7センチのバックストロークでパットする。馬鹿げてるって?それは承知の上だ。これはストロークに必要な加速するフィーリングを生み出す。この練習を数回行うと、ストロークの長さなど考えなくても自動的に加速し始める。

もしあなたが1メートル前後のパットで悩んでいるなら(悩んでない奴なんているかい?)、ボールをスタンス後方(両足の間隔の1/2ほど下げる)にしてみられよ。これはJack Burke, Jr.(ジャッキー・バーク二世)から教わったもので、非常に役に立つ。スタンス後方にボールを置くと、実際には通常のスタンスより左足がカップに近づく。これは短いパットをさらに短くするわけで、自信を持ってストローク出来ることになる。ボール位置を後方にして両手を通常通りにアドレスすると、左手はクラブヘッドをリードする良い位置を占め、それもまた加速する助けとなる。そして、このハンド・ファーストの構えだと、インパクト前にパターフェースをクローズにしたりしなくなる。

アーム・ストロークをするなら、アドレスで両手を高く構えること。両手が低いと手首を多用するストロークになり易く、ストレート・ストロークでなく円弧型ストロークになってしまう。手首を高く構えることを、業界用語では手首の"freeze"(凍結)と呼ぶ。パターは左手の生命線で握ることを勧める。フル・ショットでは手首の動きを必要とするが、パットでは否である(手首の動きはトラブルの因でしかない)。

多くのパット名人たちがやることの一つは、思考を明確な二つのパートに分けることだ。最初は方向について考え、次いで距離あるいは強さについて考える。彼らはいったんラインを決定し、パターフェースで狙いを定めたら、その後方向については忘れ去り、距離に合う感覚を得ることに務める。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)がパットする前に長時間立ち尽くしている時、彼の頭の中でこのようなプロセスを辿っていることは間違いない。私だってJack Nicklausのようにパット出来るなら、カラスが塒(ねぐら)に帰るまで立っててもいい(^-^)。

 

実際には私はせっかちにパットするタイプだ。私は何度も素振りをしたりしないし、ボールの上で立ち尽くして筋肉と頭を緊張させたりもしたくない。プレッシャーがかかればかかるほど、私は早めに引き金を引く。1971年の全英オープン最終日の最終ホールの優勝をかけたパットなど、アナウンサーがまだブレイクの方向について喋っている間にボールを沈めてしまった。【編註:その結果優勝した】

グリーンを読む時、私は具体的にラインを絞る前に、全体の印象を得たいと思う。それが、私がボールの背後からだけでなく左右両横からも見ながら、グリーンのあちこちを歩き回る理由だ。ラインの両サイドの勾配をチェックすれば、どっちへどの程度ブレイクするか判る。距離や上り下りの度合いおよび軌道も、単にボールの背後から見るだけよりも明確になる。だが、パットの判断に一日かけたりしないで貰いたい。同伴競技者がグリーンに上がって来て、ボールマークを修復する間に、両サイドからラインを読むことは完了出来る筈だ」

(March 21, 2018)

パットのショート病への妙薬

 

ある日の練習で、5メートルの距離も10メートルも20センチほどショートする傾向がありました。私は弾くようなストロークはしたくないので、あくまでもバックストロークの幅で調節するしかありません。しかし、たった20センチ増やすためのバックストロークの幅というのは、どれだけ長くすべきか判断がつきません。立ち往生。

ふと、「自分はスウィートスポットで打っていないのではないか?スウィートスポットでボールを打てば、20センチぐらい伸びるのではないか?」と思いました。その時思い出したのが、Michelle Wie(ミシェル・ウィ)の「ディンプルの一つを見つめよ」(tips_171.html)です。彼女のtipはパッティングではなく、ドライヴァーを打つためのものなのですが、無論パッティングにも応用出来る筈です。

Loren Roberts(ローレン・ロバーツ)のようにストロークする際は目の焦点をぼやかす…という人もいますが、スウィートスポットで打つにはディンプルの一つを凝視することが役立つと思われました。事実、ディンプルの一つに焦点を合わせてから、距離はぴったりに打てるようになりました。スウィートスポットで打つことによって、労せずして20センチの距離を増やせたのです。

その数週間後、またショート病が復活。ディンプルを凝視しても距離が伸びません。グリップあるいはグリップ圧に問題があるのではないかと推測し、レフトハンド・ローだけでなくライトハンド・ローを試したりもしました。

結論を先に云えば、パターを短めに持つとぴったりの距離で打て、方向性も改善されることが判りました。「うっそーっ!」ですって?ホントですから仕方がありません。ドライヴァーは長尺の方が飛ぶのですが、パターは違うみたいです。ある英国のインストラクターが「パターを短く持ってはならない」と云っていたので、常に長く持つようにしていたのですが、私の悩みには逆の方が効果があることが判ったのです。多分、短く持つとより精確にスウィートスポットで打てるので、パワーがストレートに伝わるからではないでしょうか?

あるいは、私がパター・ハンドルを太目にしたせいで全体のバランスが変わり、短めに持った時に最適のバランスになっているということかも知れません。いずれにせよ、異なる長さで握ってみることがいい結果を生むかも知れない…というヒントにはなるでしょう。

 

(March 21, 2018)

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の パターを短く持ってはいけない

 

 

これはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)が旧著や雑誌などに書いた原稿のパッティングの部分だけを集大成した本から、ショートパットを成功させるコツ。

'Putting My Way'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (John Wiley & Sons, Inc., 2009, $25.95)

「われわれ全てがショートパットで時々ためらいがちになる。そのためらいが頻繁にインパクト前にクラブヘッドを減速させる原因となり、結果は保証付きのショートだ。

この点に関して、私はショートパットの際にパターを短く持たないよう助言する。短く持つと常よりもパターが軽く感じられ、異なる質の(おずおずした、あるいはギクシャクした)ストロークをしがちになる。そんなことが起らないよう、私はパターのグリップをかなり短くし、グリップエンドしか握れないようにしている。

また、ボールをしっかり打つことを確実にするため、誇張したフォロースルーをするとよい。パターフェースをオープンにしたりクローズにしたりすることなく、ボールが6〜9インチ(約15〜23センチ)ほどカップを真っ直ぐ通過するぐらい、スウィングする。

こうした1〜1.2メートルのパットの練習によって、真にスクウェアなパターフェースでソリッドなストロークの感じはもちろん、ボールに向かって加速する感覚も獲得出来る筈だ」

 

(March 21, 2018)

湿って固いバンカーではスローに打て

 

 

「Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の バンカー・ショットへの助言」(tips_175.html)によれば、「どのバンカー・ショットも常にスロー・モーションで打て」なのですが、以下の記事は特に湿って固い砂の場合に注意を喚起しています。

'How to hit it close from wet sand'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' January 2015)

「多くのアマチュアのように、多分あなたもグリーンサイド・バンカーが嫌いだろうと思う。そのバンカーの砂が湿って固かったら?あなたの恐怖は第二段階へと突入する筈だ。湿った砂からのショットは硬い裸地に似ているので、あなたはトップしてボールをロケットのようにグリーン・オーヴァーさせるのを恐れる。

従来のインストラクションだと、湿った砂ではクラブを楽に砂の下で潜らせるためクラブフェースをスクウェアにせよと説かれる。だがこの方法は、多くの週末ゴルファーが目一杯の力でスウィングすればするほど砂をどっさり取る原因を作る。そうではなく、次回湿った砂に取り囲まれたら、(目一杯スウィングして砂を掘るのではなく)ゆったりとスウィングし砂を"slap"(平手打ち)するように試みられたい。手順以下の通り。

1) 肩幅のスタンス、ボール位置はスタンス中央のターゲット寄り。
2) クラブのバウンスが剥き出しになる【編註:ソールが砂と平行になる】ほどフェースをオープンにする。
3) 肩の回転ではなく腕でクラブを振りかぶり、手首を急速にコックする。
4) クラブヘッドを下ろしつつ、クラブのトレーリング・エッジ(底部の膨らみの尾部)で湿った砂を平手打ちする。砂が固ければ固いほど強くひっぱたく。この方法によって、充分にクラブヘッドが砂の下を貫通し、ボールを弾き出すことが出来る。

ボールは通常の砂のライの場合よりも激しく飛び出し距離も長くなる。これがスローにスウィングすべき理由である。ゆったりとしたスウィングとクラブのトレーリング・エッジによる断固たる平手打ちとの組み合わせが、どんな固く締まった砂からでも寄せワンを可能にする助けとなってくれる」

 

(March 25, 2018)

60〜80ヤードのバンカー・ショット

 

 

ヨーロピアン・ツァーのIan Garbutt(イアン・ガーバット、英国)による中距離のバンカー・ショットの打ち方。

'Golf Tips from the Pros'
edited by Tim Baker (David and Charles Limited, 2006, $14.99)

「多くのパー5には、あなたの第二打の着地点付近にバンカーが配置されている。それは偶然ではなく、あなたのボールを捉えようと待ち構えているのだ。そしてそれは、あなたが折りにふれタフな60〜80ヤードのバンカー・ショットに直面しなければならないということを意味している。だが、次の手順に従えば成功疑い無し。

1. 考えもせずサンドウェッジを引き抜いてはいけない。それは、こうした中距離のバンカー・ショットの際の一般的なミスだ。ピッチングウェッジを選ぶこと。サンドウェッジよりやや少ないロフトが、グリーンまでの飛行を助けてくれる。

2. ボール位置はスタンス中央で、両手がクラブヘッドに先行した(=ハンド・ファーストの)アドレス。

3. 足を滑らせないよう、リズミカルにかつスムーズに加速しながらダウンスウィング。インパクトで少しは砂を取るとしても、極めて重大なのはボールを打った後で砂を取るということだ。ボールが先、その後で砂と接触するよう集中すること。

これはフェアウェイからのショットよりずっとミスが許されない類いのものだ。もしあなたが少しでもダフったら、もの凄くショートするだろう。だからといって、ビビることはない。上の三つの手順の実行に専念すれば、自分でも驚くような結果が見られる筈だ」

 

(March 25, 2018)

長いバンカー・ショットに関する達人の教え

 

ここに登場する二人のプロは、共に見事なバンカー・ショットが鍵となってPGAツァーのトーナメントで優勝しました。その一人は今や“バンカー・ショットの名人”と崇められているGary Player(ゲアリ・プレイヤー)。名人である彼を教えたNorman von Nida(ノーマン・フォン・ニダ、オーストラリア、1914〜2007)は“達人”と呼ぶべきでしょう。

'The Senior Tour and the Men Who Play It'
by Steve Hershey (Doubleday, 1992, $30.00)

「Norman von Nida(ノーマン・フォン・ニダ)は素晴らしいバンカー・プレイヤーだった。彼と私が共に若いプロだった時、どっちがバンカーからピン近くに寄せられるかお金を賭けて練習したものだ。

彼はゴルフの中でも最も難しいと思われる長い距離のバンカー・ショットの打ち方を教えてくれた。彼の助言は、長いバンカー・ショットではフルに肩の回転をせよというものだった。バンカーから30ヤードとか40ヤードの距離がある場合、短いスウィングなどもってのほかで、クラブを後方に引く必要から、必要な距離を飛ばすには肩を廻すことがボールに向かって加速するのを助けてくれるのだ…と云った。

私の最初の全英オープンは1959年のスコットランドのMuirfield(ミュアフィールド)であった。No.9で長いバンカー・ショットが必要になったが、私はカップまで5センチに寄せることが出来た。それはその年の私の優勝を導く鍵となったショットとしていつも思い出す」

次はアメリカのツァー・プロDave Hill(デイヴ・ヒル、1937〜2011)。彼は計25勝を挙げました。

「1989年にノース・キャロライナ州のQuail Hollow C.C.(クエイル・ホローC.C.)で開催されたPaineWebber Invitational(ペインウェバー招待)で、私はBruce Crampton(ブルース・クランプトン、オーストラリア、1935〜)とタイで最終ホールを迎えた。

 

そのNo.18はタフなパー4だったが、私はティー・ショットをフェアウェイ・バンカーに入れて更にタフな状況を作ってしまった。グリーンまで172ヤード。短い4番アイアンのショットでピンまで1.5メートル以内につけ、パットを成功させた私は一打差で優勝出来た。

私はフェアウェイ・バンカーからのショットが上手ではなく、大抵の場合、顎も越えられない体たらくだった。私は1970年代の初めNorman von Nida(ノーマン・フォン・ニダ)に教わり始めた。彼は私に堅固な足場を築くために足を砂に深く埋めることと、両脚を静止させることを力説した。上のトーナメントで、私は両手を下げ、ボール位置をスタンスのやや後方とし、Norman von Nidaの助言の実行に務めた。そのtipを私は絶対に忘れない。フェアウェイ・バンカーでは両脚を静止させ続けることだ」

(March 25, 2018)

爪先上がり(下がり)のバンカー・ショット

'Shift in the sand'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' January 2005)

「・爪先上がり

このライでは砂を取り過ぎる危険がある。何故かと云うと、ボールが通常より身体に近いからだ。だから、伸びるように立ち、数センチほどクラブを短く持つ。クラブを実質的に短くすることは、腕を伸ばすことに通じ、ボールのかなり後方の砂を打つこと無しにスウィング出来ることになる。だが、ボールが上方であればあるほど、勾配がクラブフェースをクローズにすることを警戒せよ。その結果はボールを左に飛ばす。だから、それを相殺するため、ターゲットの右を狙わなければならない。

・爪先下がり

膝を余分に折ることによって、通常のライのように快適に出来る。極端なケースで、片方あるいは両方の足がバンカーの外で前屈みになることを強制されても、膝に焦点を当てるべきだ。スウィングの間じゅう膝の柔軟性を保つことが、アドレス時のクラブヘッドと同じ高さに保ってくれる」

 

(March 25, 2018)

フックとスライスの練習

これはLPGAファンのために、出版当時のスター・プレイヤーたち(今や過去の人物が多い)が、得意の分野のテクニックを披露し、それにLPGAのインストラクターたちが解説を加えた本。この記事の筆者Kay McMahon(ケイ・マクマホン)はLPGAの教師部門の代表を数年勤めた人。彼女のインストラクションは「こうすればこうなる」式ではなく、生徒自身に様々なショットを実行させ、その結果を確認させて身につけるシステムです。読んで知るのではなく、実行して知るわけです。

'LPGA Guide to Every Shot'
edited and published by Ladies Professional Golf Association (2000, $19.95)

「ゴルフに上達するにつれ、基本のスウィングだけでなく、ボールを操る術(すべ)を身につけることに喜びを見出す筈だ。障害物(木、ハザード、バンカーなど)を除けたり、戦略的な地点にボールを運ぶために、意図的にフックをかけたりスライスさせることによって、打数を節約することが出来る。ドローはフックより大人しい右から左へのカーヴであり、フェードはスライスより大人しい左から右へのカーヴである。こうしたカーヴを意図的にかけられると、フェアウェイ、グリーンやピンを狙えるようになり、リカヴァリ・ショットにも成功するようになる。

・グリップによる違い

通常のグリップでボール(A)を打ち、それがどこへ着地するか確認する。次に緩めた手を廻し、左手のナックルが一つだけ見えるようにしてグリップし、またボールを打つ(B)。先ほどのボール(A)との関連で、ボールBがどう飛行し、どこへ着地するか確認する。

次に再度手を緩めて廻し、左手のナックルが一個半見えるようにしてグリップし、ドリルを続ける。ナックルが二つ、三つ、四つ見えるようにして、特定のターゲットに対し、それぞれのグリップでどう意図的にボールをカーヴさせられるかを査定する。

・グリップ圧による違い

異なるグリップ圧のテストをする。先ず、通常のグリップ圧でボールを打つ。ボールの飛行を観察し、どこへ着地するか確認する。次に、クラブを軽く握ってボールを打ち、その飛行と着地点を調べる。最後に、通常よりきつくクラブを握ってボールを打つ。ボールの飛行を観察し、その方向を確認する。軽いグリップ圧は手と手首のアクションを促し、インパクトでクラブフェースをクローズにするため、ドロー(フック)のカーヴを生む。軽いグリップは手のアクションを減らし、インパクトでクラブフェースをオープンにするため、フェード(スライス)を生む。

 

・スライス・アライメント

ターゲットを選ぶ。5番アイアンを用い、クラブフェースでターゲットを狙う。次に、ボールが最初に向かう方向であるターゲットの20°左に身体を揃える。五個のボールを打つ。観察し、結果を身体に滲み込ます。次に、身体をターゲットの40°左に揃え、クラブフェースはターゲットを狙ったまま、五個のボールを打つ。カーヴの結果を観察する。最後に身体をターゲットの50°左に揃え、クラブフェースはターゲットを狙ったまま、さらに五個のボールを打ち、結果を観察する。どの場合が穏やかなスライスで、どれが極端なスライスだろうか?意図したターゲットにボールを戻せるかどうか、試す。

・フック・アライメント

ターゲットを選ぶ。5番アイアンを用い、クラブフェースでターゲットを狙う。次に、ボールが最初に向かう方向であるターゲットの20°右に身体を揃える。五個のボールを打つ。観察し、結果を身体に滲み込ます。次に、身体をターゲットの40°右に揃え、クラブフェースはターゲットを狙ったまま、五個のボールを打つ。カーヴの結果を観察する。最後に身体をターゲットの50°右に揃え、クラブフェースはターゲットを狙ったまま、さらに五個のボールを打ち、結果を観察する。どの場合が穏やかなドローで、どれが極端なフックだろうか?意図したターゲットにボールを戻せるかどうか、試す。

・肩の軌道を変える

5番アイアンを用い、ターゲットにスクウェアに立ち、ボールを右や左にスピンさせるべく様々な手と手首の操作を用いながら、インパクト・ゾーンで肩の軌道を変えるテストをする。先ず、意図したターゲットの右を肩が指すようにし、手首を用い、クラブフェースをクローズにすることによって、ターゲットの右にスタートしたボールが左にフックするショットを試みる。これを五回繰り返す。次に、インパクトで肩がターゲットの左を指すようにし、クラブフェースがオープンになるように手首を操作し、ターゲットの左にスタートしたボールが右の戻るフェード(あるいはスライス)生むショットをする。ゲームをし、遂行する前にショットを予言する。

・障害物ドリル

ボールを迂回させる木を見つける。木に近寄ったり遠ざかったりする。異なるクラブ(5番アイアン、7番アイアン、3番ウッドなど)を用い、どのクラブでの成功率が高いか確認する。一般的に、ロフトの少ないクラブほどボールをカーヴさせ易い。何故なら、ロフトが少ないとバックスピンが減少し、サイドスピンが増すからである。ショットを視覚化せよ。方針を適用し、ボールをカーヴさせられるのだと信じること。

・視覚化してスウィング

練習場で、コースでプレイしていると想像し、次のようなショットが必要とされている状況を視覚化する。1) フェード、2) スライス、3) ドロー、4) フック。例えば、左ドッグレッグのホールで、ドローを打てばおまけの距離が得られるという状況。ドライヴァーを用い、あなたが最も成功したメソッドを視覚化し、ショットする。次に、ピンが全部に切ってある固いグリーンにソフトに着地する7番アイアンのフェードを試みる…という具合。

 

覚えておくべきことは、クラブフェースはボールの終点を狙い、身体はボールが最初に打ち出される方向に揃えるということだ。自分の能力を信じ、身体のライン(両足、両膝、腰、肩のライン)に沿ってスウィングする。クリエイティヴであれ。想像力を用いよ。意図的にボールをカーヴさせることがスコアを減らし、ゲームを面白くすると自覚せよ。ショットを予言することを楽しむように」

(March 28, 2018)

スライスの解剖学

U.S.オープン優勝者であり、ツァーで28勝を挙げたプロJohnny Farrell(ジョニィ・ファレル、1901〜1988)による講義。

'The Best Advice Ever for Golfers'
edited by Robert McCord (Andrews McMeal, 2001, $12.95)

「スライスする原因は数々あるが、そうなる道筋はたった一つ、クラブヘッドをボールに対し(アウトサイドから)斜めに横切らせることによって右スピンを与えることだ。

スライスへの道筋に関して云えば、ナンバーワンの敵はあまりにも早く身体の右サイドを働かせてしまうことである。そして、ダウンスウィングでアウトサイドからのスウィング軌道になることがもう一つの致命的な要因で、大体においてバックスウィングのトップでシャフトがコントロールを失うことに由来する。スライスはまた、左腕がしっかりしていないことによっても生じる。左腕が強固でないから右肘がしゃしゃり出るのだ。

ウッドやロングアイアンを打つ際にオープンスタンスをとることもスライスを生む。

最後に、スライスの原因を追及して行くとグリップに辿り着くことがある。左手が下向きにシャフトに巻き付いており、間違っても掌が上を向くように滑っていないことを確認せよ。左腕、左手、左手首の重要なパワーを無駄にしてはならない」

 

(March 28, 2018)

スライス病を治す処方箋

この本はインストラクターの組織であるPGAの中の、GolfTec(ゴルフテック)というグループが'Golf Magazine'誌と提携して出版したもの。

'Golf Magazine's The Par Plan'
powered by GolfTec edited by David Denunzio (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)

「ローンチ・モニターその他のテクノロジーによって、ここ数年インストラクション界はいくつかの重要な発見をした。

その中の最も重要なものは、インパクトでのクラブフェースの角度がショットがスタートする方向を決定する要素の85%を占めるという事実。一方、クラブヘッドの軌道は、主としてボールにカーヴを与える。これは40年前に信じられて来たことと正反対だ。

しかしながらこの事実は、ストレートなボールを打とうとするあなたの探究における、スウィング軌道の役割をいささかも減じるものではない。リサーチの結果、スウィング軌道はボールがカーヴする主たる要因であることを示している。あなたのショットがどれだけ右や左に曲がるかは、クラブフェースの角度とスウィング軌道双方が決定する。フェースの角度と軌道の角度の差が大きければ大きいほど、ボールにコースを外れるスピンが加わる。打たれたショットの初期にターゲットの右か左にスタートするのは一つの問題だが、それが右や左に向かい続けるのはまた別の問題なのだ。

大抵のインストラクターは、生徒のフェース角度を修正するより、スウィング軌道を直すのに苦労する。スライスを直すためにインサイド・アウトで右に振り抜かなければいけないと指導するのは、ゴルファーの見当違いの論理、論拠、テクニックを大変更しなければならないからだ。彼らが右へ行くボールを正そうとして左へ打とうとするのは理に叶っているように見えるが、それは全く逆なのだ。もっと右へ打てばスライス・スピンを無効に出来るのだが、左に打てばスライス・スピンを増大してしまう。

誰かがあなたの次のスウィングを、(アウトサイド・インではなく)もっとインサイド・アウトに動かしたら1億円上げようと申し出たら、あなたはその方法を何とかして発見する筈だ。ボールがどっちへ向かうかに関係ないとなれば、あなたには確実にインサイド・アウトに振る能力が存在するし、スウィング軌道を変えるにはそのメンタルな自信が不可欠なのだ。目下のゴールはベストのドライヴを放つことではなく、右方向に振り抜くことである。

 

[右下]

ドライヴァーを手にアドレスした時、あなたは野球のバッター・ボックスに立っていると想像してほしい。あなたがスライサーなら、あなたは三塁方向にスウィングしている筈だ。理想的には投手の頭の上を経て二塁に打つべきなのだが、あなたのアウトサイド・インの悪い癖をぶち破るのは大変なので、誇張したスウィング軌道で一塁に向かって振り抜くべきだ。これは妥協案だが、右に振ることによって、あなたはインサイド・アウトの軌道を身につけることが出来る。

もう一つ助けとなる方法がある。ボールをどこへ打つかとかどう打つかなどに集中するのでなく、アドレスしたらボールを四等分した右下の部分(写真の緑色の部分)に集中する。ドライヴァーのスウィート・スポットでその部分の中央(赤点)をぶっ叩く


(March 28, 2018)

Sam Snead(サム・スニード)の スライスの原因

 

Sam Sneadが解説するスライスの原因と対策。

'The Best Advice Ever for Golfers'
edited by Robert McCord (Andrews McMeal, 2001, $12.95)

Sam Snead(サム・スニード)が解説するスライスの原因と対策。

「ダウンスウィング開始にあたって、あまりにも多くのゴルファーが左腕を折ってしまう。この時点で、ゴルファーは右手、右腕、右サイドにショットの主導権を委譲してしまう。右腕が主導権を得ると、クラブは正しい軌道ではなくアウトサイドに動き、ボールと接触する時に飛行線を横切るように引っ張る。これが多くの週一ゴルファーがスライスに呪われる理由である。

スライスを生じる別の要素は、バックスウィングのトップで左手の指を僅かに開いてしまうことだ。ダウンスウィング開始とともに、その指は無意識にきつく締められる。それは、ダウンスウィングを始めた時にクラブヘッドがループ(輪)を描く原因となり、ヘッドを飛行線を横切るように投げ出してしまってスライスのもとを作る。だから、バックスウィングのトップで左の指を締めておけば(小指の締まり具合を感じることが鍵)、あなたの頭痛の種を減らすことが出来る」

(March 28, 2018)

スライス矯正法

 

The Masters(マスターズ)を含め全19勝しているヨーロピアン・ツァーのCharl Schwartzel(チャール・シュワーツェル、南ア)による抗スライス特効薬。

'Golf Tips from the Pros'
edited by Tim Baker (David and Charles Limited, 2006, $14.99)

「アマチュアに最も一般的と云えるお粗末なショットはスライスだ。これはひとえに両手を廻しリリースすることの訓練を欠いている結果である。私はこのドリルをドローを打つために小さい時に教わり、今も練習場でのウォーミングアップで両手のフィーリングを得るために用いている。

1) 先ず、通常のショットを打つ時のセットアップをする。

2) 左足を一歩前に出す。これはターゲットとの関係でクローズな身体の位置となる。

3) 普通にバックスウィングする。ダウンスウィングで、あなたの上半身は右方向に打ち抜くことを強制されるように感じる筈だ。

4) その位置からあなたがしなければならないのは、手首を返しクラブをリリースすることだ。

あなたはファンタスティックで掃くようなドローが打てる筈で、最初はその結果にびっくりするかも知れない」

(March 28, 2018)

鉛筆咥(くわ)えてスライス防止

インストラクターPatti MacGowan(パティ・マゴワン)の原文では「ペン」なのですが、ゴルフ場ならいくらでも手に入る鉛筆に変更しました。

'Write off your slice'
by Patti MacGowan with Dave Allen ('Golf Magazine,' July 2003)

「大方のスライサーは、ターゲットに向かって肩を廻すことでダウンスウィングを始め、それはトップからクラブを振り下ろすこと【=手打ち】に繋がる。アウトサイド・インのスウィング軌道と、オープンなクラブフェースはスライスを生む結果となる。このアウトサイド・インのスウィングを直す鍵は、肩を可能な限り長く捩ったままに留めることだ。

そのフィーリングを得るには、鉛筆を口から突き出すように咥(くわ)える。そして5番アイアンを打つ。鉛筆が頭の位置を示すインディケーターとなり、その結果肩がどこを向いているかも教えてくれる。

スウィングする際、ダウンスウィング後半に突入するまで鉛筆がボール後方を指すようにする。肩がターゲットの右をクローズ目に向く角度であるように感じること。肩が捩じれたまま留まれば、クラブはインサイドに落下し、あなたのスライスは消滅する」

 

(March 28, 2018)

完全なるパッティング・ストロークを求めて

私はしょっちゅう新しいストローク法を“開発”しているので、「またか!」という感じかも知れませんが、今度こそは真剣です。いくらいいショットを続けても、グリーン上でモタモタしたのではスコアはまとまりません。ショットが悪くても、極端な話、全てのホールを1パットでしのげれば、それは多分立派なスコアになるでしょう。鍵はパットなのです。パットが最重要なのです。

・グリップ

[handle] [ultimate grip]

年末から二月にかけて零下の日が続き、ほぼ40日ぐらいゴルフが出来なかったので、室内でパッティングの猛練習をしました。今度の課題は、インパクト・ゾーン(ボールの前後40センチ)でフェースをスクウェアに保つこと。それを達成出来るグリップ、スタンス、ポスチャー、ストローク軌道を探す。

先ず右手の生命線を左図の⑥に合わせることが定着しました。これだと掌が天を向き、クローズにするような動きは出来なくなります。 グリップはレフトハンド・ローで、左手の生命線を図の④に当てる。つまり、左掌は左側面から握り、右掌は完全に空を向くようにしてハンドルを握ります。右手が出しゃばらず、左手の方向性が保たれ、私にはこれが一番合っているようです。

レフトハンド・ローに加えてもう一つ重要なのは、スプリット・ハンズにすること。上のグリップを採用しても、素晴らしいパットが出来る時とそうでない時があり、何でだろうと不思議でした。あるPGAツァーのTV中継で、某プロが完璧なFLW(Flat Left Wrist、平らな左手首)でストロークするのを目撃し、最近の自分にそのフィーリングが欠けていることに気づきました。両手をくっつけてパターを握ると、FLWを遂行するのが難しい。左手をぐっと下にし、両手の間を8〜9センチほど離してパターを握ると、完全なFLWの基礎が出来ます。しかし、その基礎を最後まで維持するには、右手指の背中を左前腕内側に接触させ、その接触を断たないように努める(写真の白矢印)。こうすると完璧なFLWでストローク出来ます。

・ストローク

私は下のLydia Ko(リディア・コゥ)の写真の赤矢印のように左肩突端のやや内側にステンレス製のパイプが貫通していると想像し、そのパイプを中心に肩を廻してバックストロークします。左肩を大きく下げるショルダー・ストロークではなく、左肩を真横にスライドさせるのでもありません。左肩内側を回転軸とすると、ボール位置はその直下である左脇の下の正面とするのが、非常に理に叶った組み合わせとなります。そして、Lydia Koのような上下する振り子式ストロークが実現します。

 

実は上のアイデアは新発明でも何でもなく、2010年の日記に次のように自分で書いていたものでした。 [arc] [pipe]

「ストレート・ストロークの場合、右図のように左肩(緑色の)を支点とした振り子運動になるのが自然。この場合左腕+パターの長さが振り子の長さであり、バックストロークの巾が大きくなればその振り子は、時計の振り子のように右上に弧(赤線)を描くのが自然です(黒線のように右横に水平移動するのではない)」(「左腕主導でストロークすべき理由」tips_124.html)


今回、緑色のは腋の付け根に移動させました。その正面をボール位置とします。

踵体重を維持し(左右の体重はほぼ6:4)腕を伸ばしてアドレスすると、頭と膝を動かしたりしない限り、確実にスウィートスポットでボールを打て、ボールは狙ったところに真っ直ぐ転がります。

暖かくなってからのラウンドで、ハーフでのパット数12とか13が出るようになりました。

・狙い方

私はボールに描いた線でカップへの狙いをつけるのを止めてみました。細い線で精密な狙いをつけると、萎縮した弱々しいストロークになるような気がしたからです。完璧さを望むプレッシャーも高まります。そして、精密に狙ったからといって、その通り打てるわけでもありません。

ボールの後ろから、どの程度ブレイクするかは読みますが、ボールの背後数10センチに目印を見つける程度にしました。何と、以前よりパットの成功率が上がったのです。パット名人Jackie Burke, Jr.(ジャッキー・バーク二世)の教えの一つに「ラインは、ペンキ塗りの刷毛の太さのラインを視覚化すべきだ」というのがあります【「パッティング・ラインは広く想定せよ」tips_153.html】。私の想定するラインも、マジックの線の太さからパターヘッドの太さに膨らみ、そのせいでリラックスした大胆なストロークが出来るようになりました。

アドレスした後、ラインを視覚化し、ボールが転がる道筋を“見る”ことも重要です。最終段階で、そのラインが上りか下りかを思い出すこと。それによってボールをカップの何センチ手前で止めるか、何センチ通過する強さが必要かを判断し、それを念頭においてストローク。

二月下旬に1ラウンドで四つのバーディを得ましたが、それはまぐれではありませんでした。上の方式で、三月下旬にまたもや1ラウンドで四つのバーディを達成したのです。いずれも1パットによるバーディで、その一つは9メートルの長さでした。

【参照】「ハーフのパット総数10を恵んでくれるグリップ」(tips_195.html)【上の方法でハーフをパット総数10で廻った報告】

(April 01, 2018、増補January 02, 2023)

完璧なストロークの探究・2

 

[Hi8]

私は、2009年の「日記」に「スクウェアなストロークの探究」(tips_120.html)という記事を書いています。その時は、パターヘッドのスウィートスポット上に細長い棒をつけ、いかにスクウェアなフォワードストロークが難しいかを見極めた後、解決策はインパクト後のチキン・ウィングである…としました。

今回、同じアイデアを普段の練習にも使えるように改良しました。私のOdyssey Rossie IIのヘッドにデジタル・ヴィデオテープHi8のプラスティック・ケースがぴったり合うことに気づき、その中央(ヘッドのスウィートスポット上)に鉛筆を接着したのです。こうすると、パターヘッドに描かれたスウィート・スポットの線を延長・増幅するため、僅かな方向ミスも認識出来ます。この道具をヘッドに装着し、横たえたクラブ・シャフトの上でストロークして、フェースの向きをチェックしてみました。

今回はチキン・ウィングという選択肢は最初から除外。なぜかと云うと、フルスウィングと同じようにパッティングでもボールの真ん中をパターヘッドのスウィートスポットで打つのが最善であり、そのためには左腕を軽く伸ばして身体とボールとの距離を一定にすべきだと考えるからです。だらんと構えた時もチキン・ウィングも、腕が伸び縮みする恐れを孕んでおり、スウィートスポットで打つことを困難にします。かと云って、左手・腕を突っ張るのも筋肉の緊張によってスムーズなストロークを阻害するので好ましくありません。

突っ張らない程度に左腕・手を伸ばす。そのために必要なら、ボールとの距離を増す。手とパター・シャフトを一直線にしようと無理に持ち上げない。

バックストロークのトップで、パターヘッドを下方に向かわせる重力の動きを待ち、重力と共にダウンストロークをするのが自然です。

この道具を用いて、目を閉じてストロークしてみました。レフトハンド・ローで両手をくっつけてストロークした100回のうち、満足出来る方向性が得られたのは49%で、半数以上が失格でした。失敗の内訳は、スウィートスポットで打てずパターヘッドを下方に逸らしたミスが15%、プッシュ(右向きオープンフェース)が16%でした。

次に、スプリット・ハンズによるグリップで、ボール位置をスタンス前方にして目を閉じてストローク。完璧な方向性は70%になりました(21%向上)。ボール位置のせいか、プルするミスが増えました(16%)。ボール位置を左にし過ぎたようです。僅かに中央寄りに戻すべきだと思われました。

(April 01, 2018)

パターフェースがスクウェアかどうか確認せよ

これはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)が旧著や雑誌などに書いた原稿のパッティングの部分だけを集大成した本から、スクウェアなパッティングのtip。

'Putting My Way' [Ensuring square-bladed impact]
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (John Wiley & Sons, Inc., 2009, $25.95)

「それと知らずに、パターフェースを望ましいラインに対してオープンにしたりクローズにしたりしてボールを打つのは、パッティングの代表的ミスの原因である。以下は、あなたがそういうミスを犯しているかどうかをチェックする方法である。

狙いを定めた後、ボールの5センチ前(ターゲット方向)に目を据え、普通にストロークする。あなたの視野を通り過ぎるパター・ブレードの角度が、インパクトでのアライメントを明らかにする。

もしアライメントのミスが見つかったら、その問題を解決する練習法がある。練習パットのラインに沿ってチョーク・ラインを引く。【編註:チョーク・ライン・ツールは一時的に直線を引く大工道具。日本では墨壷を用いて墨付けで黒い線を引くが、西洋ではチョークの粉で白線を引く】インパクト後、12〜15センチほどそのラインに沿ってパターヘッドを出す。

この練習はスクウェアに打てるようになるだけでなく、加速することによってしっかりボールが打てるようになるというおまけの効果もある」

[icon]

私の「完璧なストロークの探究」(03/07)で紹介したのは、床あるいは地面に置いたクラブ・シャフトをチョーク・ラインの代わりにするというアイデアでした。この方が簡便です。これに「完璧なストロークの探究・2」のようなアイデアを加えると、ストロークの正確さが向上します。

 

(April 01, 2018)

パッティング成功の秘訣

 

Greg Norman(グレッグ・ノーマン)が説く、パッティングの基本中の基本。

'Be the Ball'
edited by Charlie Jones and Kim Doren (Andrew McMeel Publishing, 2000, $14.95)

「あなたが為すべき唯一のことは、ソリッドに打とうと考えること。それ一つだけ、始終それだけを考えよ。しかしながら、よくあるのはあなたの心にさして重要でないことが飛び込んで来ることだ。それは、あなたが突っ立って他の人々がパットするのを見守るだけという無駄な時間があるからだ。

通常、あなたはボールを打ってフェアウェイを歩く時、動き続けることによって余計なことを考えずに済むのだが、完全に静止して立っていると、その瞬間にメンタルに心がさまよい出し、フォーカスを失うのだ」

(April 01, 2018)

グリップ圧で打ち分けるフェードとドロー

フェードとドローについては沢山の記事を紹介して来ましたが、今回の内容はこれ迄のフェード/ドロー・シリーズに欠けていた要素です。「フェードはきつめのグリップ、ドローは緩めのグリップ」というのが相場ですが、このtipは左右の手のグリップ圧を細かく指定します。

'How to finesse shots with your grip'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' September 2011)

・フェード

右手は軽く握り、左手はきつく握ってクラブフェースをリリースする。それが左から右へのスピンを生んで、フェードとなる。

・ドロー

右手はきつく握り、左手はリラックスさせる。このセッティングがインパクト時に右前腕部が左側に回転するのを助け、クラブフェースを回転させてボールに右から左へのスピンをかける。

どちらのショットの場合も、クラブフェースでターゲット(着地点)を狙い【編註】、身体(肩、腰、足のライン)をボールをスタートさせたい方向に揃える。上に述べた適切なグリップ圧で、身体の向きに沿ってスウィングする」

【編註】フェードの場合、クラブフェースで真っ直ぐ着地点を狙ったのでは、「プッシュ要因」によってボールは着地点の右へ飛んでしまいます。「Johnny Millerのフェード上級編」(tips_137.html)も併せてお読み下さい。

 

(April 04, 2018)

上手い人はオープン・フェースでフックを打つ

『モダン・ゴルフの祖』Byron Nelson(バイロン・ネルスン、1912〜2006)による、ゴルフ・スウィングの上級者向け顕微鏡的分析と解説。

'Shape Your Swing The Modern Way'
by Byron Nelson with Larry Dennis (Golf Digest, 1976)

「ボールと接触する際、理想的にはクラブフェースは意図したターゲットラインに対してスクウェアであるべきだ。しかし、上手いプレイヤーのクラブヘッドはターゲットラインのインサイドからボールに近づくため、クラブのヒールはトゥより先行している筈だ【=オープン・フェース】。だが、スウィング弧とインパクトにかけての手と手首をリリースする動きが、トゥをヒールに追いつかせる。実際上、トゥはヒールを追い越す。

このような舞台裏があるため、あなたがトゥをヒールに先行させる時間が長ければ長いほど、ストレートなボールを打てることになる。それが、左サイドと左腕を伸ばし切ることが非常に重要である理由に他ならない。もし左サイドと左腕が折り曲げられていたら、手は過度に急速に回転し、トゥは時期尚早にヒールを追い越してしまい、かなりのフックを打つ結果となる。

このコンセプトの興味深い点は、上手いプレイヤーはアドレスでのオープンなクラブフェースでボールをフックさせるということだ。私がいま述べているのは真のフック(あるいはドロー)であり、ボールは先ずターゲットの右へ向かい、やおら左に針路を変えターゲット方向へと戻るものである。

【編註】フックとその親類には以下のようなものがあります。
1) プッシュ・フック  ターゲット・ラインの右へ出て、半ばから左旋回しターゲットの左へ大きく曲がる
2) ストレート・フック ターゲット・ラインに沿ってスタートするが、半ばから左旋回しターゲットの左へ曲がる
3) プル・フック    ターゲット・ラインの左へ出て、更に左へ曲がる
4) プル        ターゲット・ラインの左へ出て、そのまま左に直進する

 

正しいスウィングは、クラブをインサイドからターゲットラインへと進める。クラブフェースは若干オープンか、インパクトで右を向き、それによってボールは右方向へスタートする。自然な手のリリースがクラブフェースをクローズにし(トゥがヒールを追い越す)、ボールにフックスピンが加えられ、それによってボールはターゲットへと戻って来る。この自然なリリースは、オープンフェースをクローズにしなければならないというプレイヤーの本能的知識によってより一層サポートされ、プレイヤーは反時計方向に腕を回転させる。これは攻撃的強打と呼ばれ、ブロックト・ショット(無意識にクラブフェースをオープンにし続け、ボールを右へ出す)の反対である。

私はオープンなクラブフェースでひどいスライスを打つことや、クローズなフェースで低く窒息するようなフックを打つことが出来ないなどと云っているのではない。正しいスウィングをし、あなたの本能に逆らわなければ、私が上に述べたことが正しいと判るに違いない」

(April 04, 2018)

プル対策

 

'Golf Magazine'誌が当時の一流プロたちのtipを集め、素晴らしいイラストとの見開きで編集した素晴らしい本より。アメリカ人ですが全英アマ優勝者となり、プロ入りしてPGAツァーほかで計9勝を挙げたFrank Stranahan(フランク・ストラナハン、1922〜2013)によるtip。

'Golf Magazine's Pro Pointers and Stroke Savers'
edited by Charles Price (Harper & Publishers, 1959)

「あなたはプルに悩まされているだろうか?それはターゲットの右にスタートし、その後左に向かうボールだ。あるいはプル・フックに悩んでいるだろうか?それはボールが左にスタートし、そのまま左に向かうものだ。

もしそうなら、インパクト・エリアに近づくにつれ通常より左肩を上げるようにすべきだ。そのままインパクト後まで上げ続ける。こうすると、ダウンスウィングで右肩をゆるやかに下げることが出来、インパクトからフォロースルーのフィニッシュまで右肩を左肩より低くキープし続けられる。これは動作的には堅実なボールの打ち方である。多少の変化をつけて、左OBという狭いフェアウェイで効果的に使える。インパクトでシャフトを先行させるように努力する。このアクションは、左OBという状況でわれわれがよく犯しがちなブロッキングやスウィング中絶をすることなく、フル・パワーを生み出す結果となる」

(April 04, 2018)

ナックルでショットの軌道修正

'Use your knuckles as clubface guides' by Ian Hughes,
a part of 'Golf Magazine's The Par Plan'
edited by David Denunzio (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)

「打たれたボールが飛ぶ最初の方向は、主としてインパクトの瞬間のクラブフェースの向きに影響される。あなたのグリップがニュートラルだとすれば、ボールを打つ時に左手のナックルがどこを向いているかによって、インパクトでのクラブフェースをコントロールすることが出来る。これはクラブフェースを正しい位置に導く簡単な視覚的助けとなってくれる。

・あなたのボールが、あまりにもターゲットの右へスタートする悩みを抱えているなら、インパクトで左手のナックルが’ターゲットのもっと左を向くように調整する。両手を反時計方向に廻す感じ。

【註】廻すのは手だけであって、クラブフェースも廻してはいけません。手を緩めてから廻し、次いでグリップを固めます。以下も同じ。

・あなたのボールが、あまりにもターゲットの左へスタートする悩みを抱えているなら、インパクトで左手のナックルが’ターゲットのもっと右を向くように調整する。あなたはクラブフェースを過度に廻しているので、身体の回転を増やし、次いで手の動作を続ける。

・ボールを安定して正しくスタートさせるには、インパクトで左手のナックルが真っ直ぐターゲットを向いているイメージを抱くこと」

 

(April 04, 2018)

歯切れのいいチッピングにはストロング・グリップ

 

'Golf Magazine'誌編纂のショートゲーム大全から、シャープにチッピングするコツ。

'Golf Magazine: The Best Short Game Instruction Book Ever!'
Edited by David DeNunzio (Time Inc. Home Entertainment, 2009, $32.00)

「あなたのチッピングが上出来とは云えない日、グリップを見直すといい。あなたが両方の親指をシャフトの上に添えるスタンダードなニュートラル・グリップをしているなら、ストロング・グリップを試してみられたい。両方の手を右に廻し、左手でしっかり握る。手首を固くし、クラブよりハンド・ファーストの構えをし、インパクトにかけて左手甲はターゲットを向く。ややヒットダウンするようにボールを打つが、手首を返してはいけない(右手が左手にかぶさらないように)。クラブヘッドをインパクト後もターゲットラインに沿って動かす。

この方法だとクラブヘッドのコントロールが良くなり、ボールはクラブフェースからジャンプし、望んだ方向へ向かって行く」

 

(April 04, 2018)

ティーアップの研究

現在の私は8.3センチのティーを地面でやっと立つ程度に浅く刺し、かなり高いティーアップでドライヴァーを打っています。ドライヴァーのヘッドは、そのボールの後方数十センチ(15〜20センチ)で構えます。ボールを見ないでヘッドの直前(写真の青い)を見つめながらスウィングします。これですと、ホットスポットと呼ばれるフェース上部で、高い軌道のボールを打て、距離が稼げます。

[tee up]

ティーアップの高さを一定したいところですが、ティー・グラウンドの固さ、傾斜、草の高さ…等に影響され、常に同じ高さには出来ません。ということは、ボールとクラブヘッドの距離も変わらざるを得ない…ということになります。スウィングは一定ですから(写真の赤い弧)、正しくボールの真ん中を打つためにはティーが高ければクラブヘッドをボールから遠ざけ、低ければボールに近づけなくてはなりません。

「フェアウェイウッドのボール位置」(このページ上)で「程度の差こそあれ、スウィングというものは、常に左脇の下が最低点となる」という説を紹介しました。これを応用すると、私のスタンスの場合、左踵の正面が左脇の正面となるので、そこをボール位置にすべきということになります。そのボールの20センチ後方でドライヴァーを構える際、二つの選択肢があります。
a) そのまま真っ直ぐ(フェースはターゲットラインにスクウェアのまま)20センチ下げる。
b) 「先行捻転で飛ばす」(tips_161.html)のように、アドレス完了前に両膝・腰・肩をクラブヘッドがボールの後方になるまで廻す。この場合、クラブフェースは僅かにオープンに見えるが、スウィング軌道に対してはスクウェアなので問題ありません。【注意:手・腕の独立した動きでヘッドを動かすのではなく、身体の捻転によって後方に動かすこと】

a)の場合、否応無く両手は臍の正面になり、これはBen Hogan(ベン・ホーガン)風のアドレスです。私は入門時からJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)やMr. X(ミスターX)推奨の「逆Kのアドレス」(「Mr. X(ミスターX)のゴルフ」[tips_167.html])をしていますので、これにはちょっと抵抗があります。

b)を、身体の捻転抜きで、単に手・腕だけ動かしてオープン・フェースにすると、盛大なプッシュになります。これは先行捻転ではなく、「クラブフェースをオープンにしたアドレス」に過ぎません。

二つを比較テストしてみました。練習場で練習ボールを使ったテストではなく、コースで本番用ボールを用いたテストです。bの先行捻転では、クラブヘッドは20センチどころか自然に40センチ近くボール後方にすることが適切になりました。何百発も打ったテストではないので信頼性には欠けるでしょうが、先行捻転の最良のショットはBon Hogan方式より15ヤード遠くへ飛びました(平均でも優っています)。しかもこれは、これまで私が深く考えずに、ボールから20センチ離してスウィングしていた時より、20〜30ヤード遠くへ飛んでいます。先行捻転の御利益が証明されたと云っていいでしょう。

私のこのティーアップ・メソッドでの最重要事項は、スウィングの間中、実際のボールを見てはいけないということです。その数十センチ後ろのヘッド前の地点(写真の青い)を見つめながらスウィングしなくてはなりません。これは「アイ=ハンド・コーディネーション」(目と手・腕の協調作業)を逆手にとって、を仮想のボールとしてその地点をスウィング弧の最低点とします。その後の上昇軌道で真のボールを捉え、バックスピンを抑え、可能な限りのキャリーを稼ぐことを無理なく実行出来るという巧妙な作戦です。自然に上昇軌道で打てるので、下降気味の軌道が生む醜悪なポップアップを根絶させます。

ボールを見て打ってしまうと、そこがスウィング弧の最低点となってしまうため、高いボール軌道は得られなくなります。それだけでなく、ポップアップの危険や、盛大なプルを招く恐れがあります。

(April 08, 2018)

Annika(アニカ)式トップの作り方

 

'Stay on top of your game'
by Annika Sorenstam with Stina Steinberg ('Golf Digest,' May 2010)

「競技生活から引退し、結婚し、赤ちゃんが出来、おしめも替えなければならないし、私のゴルフ・スクールの理事会にも出なくてはならない。で、多忙な中で場所を選ばずに可能な、腕を錆び付かせないためのドリルを考案した。

私は絶えず鏡を使ってスウィングをチェックする。バックスウィングのトップが正しいと感じられない時、次の四つのステップのドリルを用いる。

1) アイアンを手に通常のアドレス体勢を取る。

2) クラブを持ち上げ、右肩の上にクラブを乗せる。

3) クラブを肩に乗せたまま、いつものスウィングのように身体を廻す。

4) その位置から、身体から腕を離して伸ばす。

これが私のスウィングのトップのあるべき位置である。私はこのポジションが身につくまで何度も何度も繰り返す」

 

(April 08, 2018)

打つのでなく、スウィングせよ

ある土曜日、私がゴル友のJim(ジム)とラウンドしていた時のこと。われわれがNo. 9のティーで打とうとしていると、後続のジュニア・ゴルファーの群れから背の高い一人の少年(15歳ぐらい)がカートを突っ走らせてやって来ました。
「サー?打ち込んで済みませんでした。いつもあんなに飛ばないのに、急に飛んでしまったんです」と少年。No. 8でロング・ドライヴを放ったのでしょう。
「ノー・プロブレム」とJim。実際には、われわれは打ち込まれたというボールに気づきませんでした。
「いつもは精一杯引っぱたくんですが、ゆっくりスウィングしたらとてつもなく飛んでしまって。やっと、どう打てばいいのか解りました」少年は、詫びに来たのか自慢しに来たのか分からないような感じで興奮しています。
「あ、アドヴァイスが一つある」去ろうとする少年に私が声を掛けました。「その発見を、家に帰ったらすぐ書いとくこと。人間は忘れっぽいからね」
「そうします。ありがとう!」少年が云って、仲間の方に戻って行きました。

私の別なゴル友Mike(マイク)のティー・ショット前の口癖(独り言)は、"Don't hit. Make a swing."(打つんじゃない。スウィングしろ)というものです。スポーツ心理学者の説によれば、脳は否定形の指令を理解出来ないそうです。たとえば「池を見るな」と自分に語りかけても、「見るな」という否定形の文句は脳に理解されず、「池」という言葉だけが脳に伝わるので、脳は「御主人はボールを池に入れたがっているらしい」と解釈するのだそうです。そういう観点ではMikeの"Don't hit"(打つな)は役に立ちません。しかし、"Make a swing."は役に立ちます。

"hit"(打つ)はボールをターゲットにした動作です。野球ならバントのように当てに行く動き。"swing"は振り抜く動作で、ボールはターゲットではなく、たまたまスウィング軌道に存在した邪魔者に過ぎないという感じ。次の例はパッティングに関してですが、いかにわれわれがボールに囚われるか、当てようとしがちになるかがよく解ります。

'Extraordinary Putting'
by Fred Shoemaker with Jo Hardy (G.P. Putnam's Sons, 2006, $21.95)

インストラクターFred Shoemaker(フレッド・シューメイカー)は、彼のゴルフ・スクールで面白い実験をしました。一人の生徒に練習グリーンでパターを持ってアドレスさせる。その前に篭一杯のボールを用意したパートナーがしゃがむ。パットする人は延々と振り子の動作をし、それが安定したリズミカルなストロークになったと実感出来たら、前にいるパートナーに「OK」と合図する。パートナーはパットする人の前にボールを置いたり、置くように見せかけて直前に取り去ったりして、いつ本当にボールを置くのか見当がつかないようにする。安定した自由で自然なストローク(振り子運動)をしていた筈の人が、ボールが置かれると(置かれたと思うと)、95%の割合でストロークを変えてしまう。多くの場合、ボールがあると概ね動きがスローダウンし、急停止するような気配が窺え、ジャブ(突く)風の動作となり、ボールが突如取り除かれた場合もぎくしゃくした動きになったり、軌道が変わってしまった。

 

【参考】「パッティングを妨害するもの」(tips_131.html)

(April 08, 2018)

Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)のパッティング

Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)の遺産」シリーズ。

'495 Golf Lessons'
by Arnold Palmer edited by Earl Puckett (PGA), (Digest Books, Inc., 1973, $4.95)

 

・パットは他人に頼るな

プロ・ツァーにおいてでさえ、キャディからパットの助言を求めるゴルファーを多く見掛ける。ラインについて途方に暮れた場合は、時々私も同じことをしたことがある。

しかし、一般的に云って、私がキャディに聞くのはパットのおおよそのラインについてのみである。私は彼にブレイクの具体的な量を聞いたりしないし、一般のアマチュアもそうすべきでないと考える。

キャディのある者は、あなたよりグリーンがどっちに傾斜しているかよく知っていて当然である。特に、あなたが慣れないコースに行った場合には。だが、キャディはあなたがどんな強さで打とうと考えているか見当もつかない筈だ。だから、キャディはあなたがどこを狙うべきかなど助言出来ないし、すべきでもないのだ。

あなたが選んだラインに自信を持つことは、パットの成功に重要なものである。もしあなたのキャディがラインを選定したりしたら、充分に自信を持てるかどうか疑わしい。

 

 

・利き目の下でパットせよ

パターフェースは利き目の真下に置くべきだと考える。パッティングのアライメントは、理想的には利き目とパターフェースが、ラインと直角になるべきだ。

自分の利き目が左右どちらであるか判ったら、パターフェースをその真下に置く。これによって、よりよいアライメントが達成される筈だ。

 

・下り坂ではブレイクを多く見積もれ

ゆっくり転がるパットが、早く転がるパットよりもサイドヒルのブレイクの影響をずっと多く受けるのは御承知の通り。

この理由により、賢いゴルファーはカップ周辺の勾配に注目する。そこが、ゆっくり転がるボールが最もサイドヒルの影響を受ける場所だからだ。

同じ理由で下りのパットは、同じ地形の上りのパットよりもサイドヒルの影響を受けるということを認識しておくこと。ゴルファーは下りのパットを、上りのように攻撃的に打ったり出来ない。下りではカップに向かって寄せるしかなく、ゆっくり転がるボールはサイドに向かい易いからだ。

(April 11, 2018)

Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)のバンカー・ショット

Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)の遺産」シリーズ。

'495 Golf Lessons'
by Arnold Palmer edited by Earl Puckett (PGA), (Digest Books, Inc., 1973, $4.95)

 

・爆発でなくスプラッシュせよ

【編註】スプラッシュ型バンカー・ショットは、Byron Nelson(バイロン・ネルスン)が「リンゴの皮のように、浅く剥く」と云っているように、1センチぐらいの深さの砂を水平に浅く掻くメソッド。

私は、一般的なバンカー・ショットを説明する“爆発”という用語は、不幸な言葉の選択だったと考える。ボールが砂に埋まっていれば、明らかに爆発させなければならない。だが、ライがノーマルなら、正しいバンカー・ショットは多くの場合『スプラッシュ』である。爆発させようと試みる者の大多数が、深く砂を抉り、ボールをショートさせてしまう。

スプラッシュする前に明確にしておくべきことは、サンドウェッジを寝せて若干フェースをオープンにし、ターゲットのやや右を向いているようにすることだ。もし、リーディングエッジをスクウェアにしてターゲットラインを向かせると、深く砂を取り過ぎる傾向がある。

爪先を結ぶ線はターゲットの左を指す(=オープンスタンス)。このスタンスは、クラブヘッドがターゲットラインをアウトサイドからインサイドへとスライスするように横切るのをお膳立てする。こういう準備の結果は、クラブヘッドがボールの下を比較的に浅くカットすることに繋がる。ボールはぴょんと高く上がり、グリーンへと浮遊し、着地後すぐに停止する。

 

・ボールの埋まり方次第で、フェースの向きを変えよ

バンカーショットを標準化するよい方法は、どれだけ砂に埋まっているかによってクラブフェースの向きを変えることだ。

 

ボールが砂の上に座っている場合は、ターゲットのやや右にクラブフェースを向けることを勧める。

ボールがやや砂に沈んでいる場合は、クラブフェースをターゲットに向ける。

ボールが埋まっている場合には、ターゲットの左にクラブフェースを向ける。

クラブフェースを左に向ければ向けるほど、クラブは砂を深くカットする。これはボールが沈んでいる場合に望ましい方法だ。

 

・バンカー・ショットはスローモーションで

恐怖と緊張が、多くのゴルファーのバンカー・ショットを大慌てで遂行させる。彼らはショットの処理に心配するあまり、無意識にスウィングのテンポを早めてしまい、計画していたショットを台無しにしてしまう。

一般ゴルファーは、素振りをスローモーションで行うのが賢い方法だ。そのテンポを実際のショットで繰り返す。クラブヘッドが突入すべきボール後方の一点に集中し、ゆっくり、しかし、しっかりとスウィングする。

スローなバンカー・ショットには副産物がある。ゆっくり振れば、早く振る時のように砂の中で足を滑らす恐れが少なくなるのだ」

 

 

・バンカーでは膝を滑らせよ

バンカーでわれわれが避けたいのは、クラブヘッドをあまりにも深く砂に突入し、クラブヘッド・スピードの多くを失ってしまうことだ。

われわれは、スウィングの間じゅう両膝を超柔軟にし続けることで、このトラブルを回避する。両膝はダウンスウィングとフォロースルーでターゲット方向にスライドする。この膝のアクションは、砂の中でクラブヘッドを水平に動かし続ける。

われわれが避けるべきなのは、左脚を硬直させることだ。脚が硬直すると左肩が持ち上がる。逆に右肩が下がらざるを得ず、これがクラブヘッドを砂に埋めてしまう原因となる。

 

・バンカーでは左爪先を開け

ぐらぐらする足場は、ダウンスウィングで下半身を左に正しく回転させるのを少し困難にする。

もし、あなたが左爪先を開くと、身体を動かすのがずっと楽になる筈だ。爪先を開いておけば、腰は先行して捻転しているからだ。

左爪先を開くことは、バックスウィングの度合いを制限することでもある。これもバンカー・ショットに望ましい良いコンタクトの助けとなる。制限されたバックスウィングは、過度に右へ体重移動するのを妨げる。

バンカー・ショットでは体重移動を少なくすればするほど、バランスを失う危険が少なくなる。

 

(April 11, 2018)

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のロング・パット

'Jack Nicklaus' Playing Lessons'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (Golf Digest Book, 1981)

「私がプロ=アマでしょっちゅう経験していることだが、アマチュアは彼らが転がすべき広範な地域を大雑把に眺めることしかせず、単純にボールに歩み寄ってパットする傾向がある。それが大幅ショートやオーヴァー、凄い方向違いに終わると、彼らはボールを罵ったり愚痴ったりする。あなたのゴルフが運動のためならそれでもいいだろうが、真剣にプレイしようとしているならそれは悪い習慣だ。

ロング・パットにはダブル・ブレイクや、湿った箇所、乾いた箇所、芝の濃い薄い、芝目の変化…などさまざまな要素が介入して来る恐れ大なのだ。それら全ての条件がボールの動きに影響する。それが、私がとても長いパットに臨む際、ボール後方から読むだけでなく、しばしばラインに沿って歩く理由である。時折、私はカップ側からボール方向へとラインを調べることもする。とても長いパットの距離を歩くことは、私にボールをカップに届かせるに足るストロークの"weight"(重さ=強さ)を教えてくれる。

極端に長いパットのための作戦は以下のようになる。

1) 先ず、あなたが快適に感じられる範囲内で最もアップライトに立ってアドレスする。これはボールからカップまでの全体の地勢が見通せ、いい距離感が得られる。

2) 次に、ラインに精密に転がすというより、ボールとのソリッドなコンタクトに集中せよ。なぜなら、こういう際に3メートル左右どちらかに切れるよりも、3メートルもショートすることの方があり得るからだ。

 

3) 最後に、欲張ってはいけない。15メートルのパットならカップの1メートル以内に寄せられれば上出来なのだ。だから、カップではなく、そこをターゲットとすべきだ。多くの場合、私はカップの周りに直径1メートルの円を視覚化し、その円内でボールが停止するようにパットする。これだと私は1メートルの誤差の許容値を得るわけだ。

あなたの仲間たちのパットを分析してみれば、彼らがひどい方向ミスを犯すより、かなりショートするかオーヴァーするかであることに気づく筈だ。人々の多くは、ラインを読んだ時ストロークの"weight"(重さ=強さ)を計算して記憶するよりも、直観的にラインを見て、それを記憶しがちだ。あなたもこの範疇のゴルファーなら、ラインでなく強さを心の中心に置くべきである」

(April 15, 2018)

届かなければ入らない(絶対的真理)

"Never up, never in"「ネヴァー・アップ、ネヴァー・イン」は誰でも知っている文句ですが、ショートするミスはプロにも発症する珍しくないビョーキです。「入れよう!」とする場合、われわれの意識はどちらにブレイクするか、どの程度ブレイクするか…に集中します。ブレイクの度合いは、ストロークの強さによって変わるものなので、われわれの頭の中では方向と強さが渾然一体となって分析されており、当然素振りもそのように遂行される筈です。それなのに、どうしてショートするのか?多分、距離感というのは「目に見えない感覚」でしかない(=抽象的である)のに対し、「方向」は目に見える(具象的である)ので対処しやすい。で、つい方向に引き摺られ易いということかも知れません。

[nail]

インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)の助言。

'Don't get 'line crazy'
by Jim McLean ('Golf Digest,' November 2015)

「あなたはパットを沈めるつもりだったのだが、いざという時になってびびりながらストロークしてしまった。あるいはラインに拘るあまり強さの調整を忘れてしまった。もしくは、あなたはミスした後の返しのパットを恐れたのかも知れない。いずれにしても、結果はパターを真っ二つにしたくなるようなものとなった筈だ(パターを折っては駄目よ)。

次回、ラインを定め、パターをボールの背後にセットしたら、ソリッドにストロークすることだけに集中しなさい。ボールの後部に刺さっている画鋲を打つように考える。過大なフォロースルーをしようとしないこと。それは実際には減速を生ずる恐れがあるからだ。その代わり、しっかりしたストローク、短いフィニッシュをし、そこで一瞬停止する。ボールは"true roll"(真の回転)をし、カップに入る確率が増す」

次はインストラクターChuck Cook(チャック・クック)による距離感マスター法。

'Set up a backboard to learn speed control'
by Chuck Cook ('Golf Digest,' November 2015)

「ゴルファーはブレイクを読むのに相当な時間をかけるが、打つ強さの方がもっと重要である。必ずカップに届くような強さで打つことを習慣にすべきだ。以下の方法で、距離感をコントロール出来るようになる。

練習グリーンのカップの向こう60センチにクラブを横たえる。

3メートルから始め、パットが入れば理想的だが、ミスした時のボールの停止位置が重要である。打つ強さを調整し、クラブにカチンと当たらないようにする。この練習により、コースでも返しのパットがかなり楽になる。

3メートルに慣れたら、5メートル、6メートル,7メートルと距離を伸ばす。それぞれの距離から数個のボールを打ち、どれだけカップとクラブの間でボールを停められたか数える。もちろん、パットが沈めば大成功である」

(April 15, 2018)

パットする時の鮫の視線 [shark]

Greg Norman(グレッグ・ノーマン)のパッティングtip。

'My quick putting tip'
by Greg Norman ('Golf Magazine,' July 2013)

「二つの秘訣があなたをパッティング巧者にする筈だ。

一つはとても緩いグリップ圧を用いること。1〜10の尺度の3である。

もう一つは、常にボールを打ち抜くこと。私は“ポップ・ストローク”あるいは打ってすぐ止めるストロークの信奉者ではない。ボールのターゲット側の一点(上図の赤点に集中し、その一点をパターヘッドで押し抜く。ストロークがよりスムーズになり、パターはヒッティング・ゾーンで地面を這うように動き、ボールをスウィート・スポットで捉えるのが容易になる」

(April 15, 2018)

「ティーアップの研究」の補遺

 

[tee up]

ボール後方20センチで構えた後、先行捻転すると、ドライヴァーのヘッドは少なくとも40センチほどボールから後退します。さて、こうなると目はどこを見つめるべきか?

a) 元通りヘッドの20センチ後方(写真の青
b) 40センチ後方のヘッドのすぐ前

正解は(a)です。上昇軌道でヘッド上部のホットスポットで打つのが「先行捻転」の狙いですから、スウィング弧の最低点はヘッドの20センチ後方のままでなくてはなりません。40センチ後方を見つめるとそこがスウィング弧の最低点となり、ボール位置でのヘッドの高さはボールの遥か上となってしまい、空振りしかねません(^^;;。

40センチ後方に先行捻転させると、クラブフェースはややオープンになりますが、20センチ後方ではちゃんとスクウェアになるので、心配ありません。私はこの「先行捻転」を「意図的フライング」と呼んでいます。水泳や陸上競技のフライングはルール違反ですが、ゴルフではお咎め無しなのですから、やらにゃ損々です。

数年前、たった一度だけグリーンサイド・バンカーに入れたことがあるNo.3(231ヤード、パー4)で、ここのところ二週連続でグリーンサイド・バンカーに入れてしまいました(水不足で乾燥しているフェアウェイのせいもありますが)。次回からドライヴァーを短く持って刻む必要があるかも知れません。私が飛距離の目安にしているNo.14(360ヤード、パー5)では、先週・今週と、ティー・ショットをグリーンまで残り140ヤードの地点へと運べました。これは私にとってのこのホールにおける最長不倒距離です。

ティー・ショットが伸びたせいか、先々週は5オーヴァー(パット総数28)、先週は7オーヴァー(パット総数29)で廻れました。間もなく、このサイトを始めて満20年になりますが、やっと長年の研究が実を結んで来たようです。

(April 15, 2018)

正確なスウィングのコツ《左右の腕の力を同一にする》

 

私は、最初これをパー3攻略の秘訣と考えたのですが、実はドライヴァーからパッティングまでゴルフ全般に渡っての真理であることに気づきました。

最近のある時期、私はパー3を右腕主導で打ってプッシュ、左腕主導で打ってプル…で、とても短いNo.4(135ヤード)やNo.12(105ヤード)にも乗せられないことが多かった。ふと、いっそのこと両腕の強さを均等にしたらどうか?というアイデアが浮かびました。ある日、両腕のどちらにも優勢な力を与えないようにしてスウィング。慣れないスウィングですぐにはいい結果が出ませんでしたが、その日のNo.13(165ヤード)でのティー・ショットは真っ直ぐピンに向かうショットが実現しました。

《パー3(スリー)では左右の腕の力を同一にするのがコツ》なのだ…と実感しました。毎回うまく行く訳ではないのですが、以前よりショットがバラけなくなったのが進歩です。

左右の腕の力を同一にするというのは、実はこの『日記』草創の頃に得たtip「パットの内ゲバを鎮圧する」(tips_1.html)でAl Geiberger(アル・ガイバーガー)が云っていたことでした。両手の指全体を曲げ、双方を組み合わせて軽いテンションで引っ張りっこします。両方の力が拮抗すれば、両手は独立した動きを封じられ、左右の動きは肩と腕主体によるストロークとなります。

《パットでも左右の腕の力を同一にするのがコツ》なのです。

私はドライヴァーを打つ時にも左右の腕の力を同一にしてみました。私のドライヴァー・ショットは、以前から真っ直ぐ飛ぶ方でしたが、たまに力むとプルが出ます。左右の腕の力を同一にすることは、プルを防ぐ最良の方策となっただけでなく、飛距離増にも繋がるというおまけがつきました。

 

[Sadlowski]

Ben Hogan(ベン・ホーガン)は「可能ならもう一本腕が欲しい」と云いました。それほどパワーを望んだのです。われわれは(少なくとも私は)二本の腕さえちゃんと使っていなかった。右腕を多用する人はスライスを乱発し、私は左腕を多用してプルを製造して来ました。それも弱々しいショットで。二本の腕を均等な力で使えば、良い方向性だけでなく、一本の腕では実現出来なかった飛距離も得られるのです。

どちらか一方の腕が主体のスウィングをしている時には感じられないことですが、両腕を均等のパワーにすると、インパクトでエネルギーの全てが腕からシャフトを奔流のように流れ下ってボールに向かう感覚が得られます。

そしてこれにも実は先行するtipがあったのです。それは「クラブ投擲レッスン」(tips_51.html)で、インストラクターFred Shoemaker(フレッド・シューメイカー)が、フォロースルーで勢いのままにクラブを投げ捨てる動作をすると、アマチュアでもプロ並みの完璧なスウィングが出来ると断言していました。当時の私の実験でも、それが正しいことを実感しました。フォローでクラブから両手を同時に離すということは、エネルギーをクラブヘッドに向かって放出するのと同じことです。両腕の力を同一にすることは、クラブを投げ捨てることの模倣に繋がり、正確な上に飛距離増まで得られるのも当然なのでした。

《ドライヴァーでも左右の腕の力を同一にするのがコツ》なのです。

【クラブ投擲風素振り】

野球の素振りのように水平にクラブを振るのですが、両腕を伸ばしてクラブを抛り出す感覚を得ながら胸の前(インパクト)で動きを止め、その瞬間に左右の腕・手の力が均等であるように努力します。これは真っ直ぐピンに向かうショットを恵んでくれます。

【おことわり】ロング・ドライヴ・チャンピオンSadlowskiの画像は、www.acentro.itにリンクして表示させて頂いています。

(April 18, 2018)

クラブとコックの組み合わせ

 

'Hinge right for crisper irons'
by Dom Dijulia ('Golf Magazine,' June 2007)

「誰でもバックスウィングでコックしなければならないことは知っているが、クラブとの関係でいつどのようにすべきかは知られていない。

[square]

・ミドル〜ロングアイアンのフル・スウィング

 アドレスで形成したコックを単純に維持する。フル・スウィングではコックの度合いよりも大きな身体の捻転が必要とされる。【右図のように】シャフトがターゲットラインに平行になった時、グリップ・エンドは右脚の外にあるべきである。

・ウェッジでのハーフ・スウィング

 バックスウィングで両手が右膝を越える前にコックを完了する。30〜60ヤードの短いスウィングでは、身体の捻転をあまり必要としない。シャフトがターゲットラインに平行になった時、胸が右足を指し、グリップ・エンドが右脚の真上にあれば正しいコックである」


(April 18, 2018)

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のシャンク解消法

 

'Jack Nicklaus' Playing Lessons'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (Golf Digest Book, 1981)

「私は13歳の時三日間だけ患って以来、シャンクとは縁がない。シャンクは心身を破壊するので、それに罹(かか)らないことを真にありがたく思っている。これを読んでいるあなたが重症のシャンク患者とは思わない。何故なら、重病の人はさっさとゴルフに見切りをつけてしまうからだ。だから、あなたは時折シャンクするゴルファーであると見做すことにする。

シャンクの基本的原因は、インパクト以前のスウィングのどこかでクラブを外に突き出す動作をすることである。ゴルファーがボールにクラブフェースの中央で正しくアドレスしていると仮定すれば、スウィングのどこかでクラブの軌道全体のプレーンを数センチ遠くへ移してしまうせいだ。

ボールにあまりにも近く立つことは、明白にシャンク製造に貢献する。身体が邪魔で腕を振る空間がなく、身体からクラブを突き出すしか手がないからだ。奇妙なことだが、あまりにもボールから離れて立つのもシャンクを招く。この場合、ゴルファーは身体を前方へ動かすか、手と手首でクラブヘッドをボールに向かって投げ出そうとするからだ。しばしば、この類いのゴルファーはクラブを投げ出しつつ、前につんのめってホーゼルでボールを打つことになる。

バックスウィングでクラブを過度にインサイドに引くのも、いとも簡単にシャンクを生み出す。過激なインサイドへの動きは、ダウンスウィングの初めで肩のリバウンド(反動)によるアウトサイドへの動きを誘発するからだ。

・私はプロ=アマのパートナーのシャンク病を即座に全快させたことがある。彼の体重を踵にかけさせたら一発で治った。

・私の師Jack Grout(ジャック・グラウト)は面白い治療法をしていた。彼は生徒にクラブのトゥでボールにアドレスせよと云い、手首を固くしてぐらぐらさせるなと命じた。緩い手首のバックスウィングは、往々にして手首を投げ出すダウンスウィングの原因となるからだ。

 

・もし私がシャンクで悩んだら、最初にすべきことは頭の位置のチェックだ。スウィングの間じゅう頭が一ヶ所に留まれば(これは難しいが不可能ではない)、スウィング(あるいはプレーン)の回転軸を変化させない。これはシャンクの基本的原因を取り除いてくれる」

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私の経験では、シャンクの原因は手打ちです。理由は色々ありますが、最も多いのはヒットダウンしようと集中した時です。ヒットする動作にこだわる余り、下半身によるダウンスウィング開始を忘れ、盛大な手打ちをしてしまうからです。

【参考】「Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のシャンク撃滅索」(tips_171.html)

(April 18, 2018)

チッピング・シャンクの撲滅

'End the short-game shanks'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' February 1998)

「チッピングでシャンクするほど不愉快なものはない。しかも、どうしてそうなったのか見当もつかない。

シャンクの原因は、多くの人が信じているように過度なオープン・フェースなどではない。チップでのシャンクの原因は、あなたがクラブのスウィートスポットを1インチ(約2.5センチ)以上外して、クラブのホーゼル(ヘッドにシャフトが埋め込まれた部分)でボールを打ったせいで起る。

それはお粗末なアイ=ハンド・コーディネーション(目と手・腕の協調作業)のせいではなく、意図したラインからクラブフェースを否応無く逸らすような余計な身体の動きのせいである。あなたは、ボールを宙に浮かべようなどと考えてはいないだろうか?そういう想念はトラブルに陥りがちな身体の動きを誘発するものだ。

どのクラブを選んだにせよ、それにはボールを宙に浮かべるに充分なロフトが備わっている。あなたの任務は【ボールを掬い上げるのではなく、ロフトを信じて】下降気味の動きで、クラブを単純に前後に動かすことだ。これを達成するには、ボールを後方の足の前方に置き、両手が5〜8センチほどボールのターゲット方向になるようにシャフトを傾斜させることである。体重のほととんどをターゲット方向の足に掛ける。頭と下半身を静止させ、腕と肩でスウィングする。ボールとのカッチリしたコンタクトを得るため、手首を固くする。

上のような動作をマスターするには、ショート・アイアンかウェッジを短く持ち、左手一本でチップすることだ。両足を近づけて立ち、ボールはスタンス後方に置いてチップする。身体を静止させ、インパクト・エリアで左手がクラブヘッドに先行していなければ、ソリッドなコンタクトはほとんど不可能である。一本腕での練習ソリッドなチップが出来るようになれば、両手によるテクニックはいとも簡単になる」

【参考】
・「チップでシャンク」(tips_129.html)
・「いま解き明かされるシャンクの謎」(tips_143.html)
・「シャンクの真の原因と処方箋」(tips_189.html)

 

(April 18, 2018)

Natalie Gulbis(ナタリィ・ガルビス)のバンカー・ショットの秘訣

LPGAツァー・プロNatalie Gulbis(ナタリィ・ガルビス)が、彼女のコーチButch Harmon(ブッチ・ハーモン)から学んだバンカー・ショットのエッセンス。

'Get off the beach'
by Natalie Gulbis with Ron Kaspreske ('Golf Digest,' August 2016)

「私のドリルは次のようなもの。

砂の上に大きな"T"の字を描く。"T"の横棒はターゲットライン、縦棒はボール位置を表す。スタンス・ライン(両足を結ぶ線)はターゲットの左を向き、オープンにしたクラブフェースはターゲットラインの右を向く。スタンス・ラインとフェースの向きが反対なのに注意。

バックスウィングは左腕が地面と水平になる高さで充分。しかし、フルにコックすること。

ボール後方約5センチのところにクラブヘッドを入れ、ターゲットラインに沿って、灰汁を取るようにクラブをスライドさせる(水平に動かし続ける)。バンカー・ショットで最も重要なポイント=加速し続けること。

アマチュアの多くはインパクト前に減速したり、クラブが砂に触れた途端に動きを止めたりしてしまう。ボールの後ろの砂にクラブヘッドを突入させれば、ボールは高くソフトに舞い上がってカップの近くで止まると信じること」

 

(April 22, 2018、改訂April 28, 2018)

Justin Rose(ジャスティン・ローズ)のバンカー・ショット

Justin Rose(ジャスティン・ローズ、英国)は過去四年PGAツァーの「サンド・セーヴ」部門で20位から外れたことがないそうです。以下は、彼のスウィング・コーチであるSean Foley(ショーン・フォリィ)が分析するJustin Roseの秘密。

'Why Justin owns the sand'
by Sean Foley ('Golf Digest,' May 2012)

「Justin Roseがバンカー・ショットの名人である理由は、彼がプレイするように練習することだ。ゴルファーの多くは、練習バンカーで完璧なライから打つが、Justin Roseはそうじゃない。彼は砂にボールを放り出し、それによって生じたライから打つ。

私はJustin Roseがスウィングを絶対に変えないのも好ましく思う。異なるライによってテクニックを調節したくなるのが人情だが(手首のコックの増減とか、砂に突入させる地点の変更、フォロースルーの長さの変化等々)、そうした変更項目を除去出来ればもっと安定する理屈である。

彼と私の練習セッションで同意していることは、ライはコントロール出来ないが、スウィングはコントロール出来るというものだ。次の諸点がJustin Roseが焦点を合わせていることである。

1. 広いスウィング弧でバックスウィングとフォローを行う。彼のクラブはフルに伸ばされ、スウィングを完了する際にも手首の形は変わらない。広いスウィング弧はスウィングの半径を一定にし続けるので、クラブがどこで着地するか予測が出来ることになる。

2. ショットに従って胸を廻すこと。もし身体が回転し続け、スウィング弧が変わらなければ、同じロフトのフェースで安定して砂を潜り抜けさせられるのだ」

 

(April 22, 2018)

バンカー・ショットは左手主導で

筆者Fred Mcleod(フレッド・マクレオド、1882〜1976)はイギリス生まれで、U.S.オープン優勝を含む全七勝を挙げたプロ。

'The king of bunker play'
by Fred Mcleod ('The American Golfer Magazine,' 1931)

「先ず第一に、スリップしないように両足を砂に埋め込まねばならない。次に、クラブフェースが空を向くまでオープンにする。カップの左を狙い、イメージ上のボールの底部を見つめながら、強打する。ボールは勢いよく跳ね上がる筈だ。上の空でスウィングしたのでは、ボールは出て行かない。バンカーにおける主な目的は一打で脱出することである。先ず脱出、第二にカップに出来るだけ近づける。

しかし、まだもう一つトリックがある。右手の親指と人差し指でグリップしないこと。その二つは緩いままにしておく。バンカー・ショットは完全に左手で遂行されるべきなのだ」

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右手が強いとついフェースを返してしまい、ロフトが失われます。ボールは上がらず、脱出に失敗します。上のtipは右手を殺し、オープンにしたクラブフェースを最後まで保つためのアイデアです。

 

(April 22, 2018)

10ヤード以内と、それ以上のバンカー・ショット

'Get every bunker shot close'
by Eden Foster ('Golf Magazine,' October 2008)

「バンカー・ショットの距離調節は、リリースの仕方次第である。

・10ヤード以内

 腰の高さより下で両手を停止させた短いフィニッシュをする。その時、フル・スウィングのように右手を返すような動きをしないこと。それが実行出来れば、クラブフェースをオープンにし続けられ、ボールはソフトに飛行する。ソフトであればあるほど、キャリーの距離が短くなる。

・10ヤード以上

 フェアウェイからのアプローチ・ショットのようにクラブをリリースする。大きなフィニッシュは必要ない。重要なのは、左の掌が空を向くように、クラブヘッドをリリースすることだ。クラブヘッドは両手より上方でフィニッシュを迎える。この方法は、あなたのスウィングにパワーを付けたし、ホールに向ってボールを飛行させる」

 

(April 22, 2018)

頭をボール後方に留めよ

 

[head]

'Let the head move'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' December 2001)

「高名なインストラクターJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ)は云っている、『「頭を動かすな」という文句は、ゴルファーに拘束衣を着せるようなもので、パワーと正確さに不可欠な充分かつ自由な回転を妨げる』と。

[ball]

ツァー・プロのスウィングをヴィデオ分析すると、スウィング中彼らは頭を静止させるのではなく、アドレスからインパクトにかけてほぼ全員が頭をターゲットから遠ざけている。

頭を静止させようと努力するのでなく、『頭をボール後方に留める』と考えるべきだ。これはバックスウィングの間、身体に右サイド上での充分な捻転を可能にする。頭をボール後方に留めることはまた、バックスウィングで生まれたテコの作用を維持する。それは長く真っ直ぐなショットに重要な要素である、腕が身体を通過するクラブのフル・リリースを助ける。

インパクトで、真上から四分割したと仮定した場合のボールの右下方の1/4でコンタクトすることを心掛けよ(左図)。この1/4に集中すれば、あなたの頭はボールの後方に留まれる可能性が高くなる」

【参考】
・「頭の使い方」(tips_59.html)
・「頭を動かせ」(tips_82.html)
・「頭を使え」(tips_103.html)
・「頭は動かしてよい」(tips_126.html)


(April 25, 2018)

直立猿人となって正確に打とう

 

オーストラリアのプロAdam Scott(アダム・スコット)によるアドレス前の儀式。

'Stand for something better'
by Adam Scott with Dave Allen ('Golf Magazine,' June 2005)

「あなたがソリッドなコンタクトが出来ず、ダフりやトップを連発しているなら、先ず第一にポスチャーをチェックすべきだ。

アドレスで、すっくと背を伸ばして立っていることが先決。私はゴー・サインを出す前に、背が真っ直ぐで肩がターゲットにスクウェアであって欲しいと考える。前屈みになってはいけない。これは大変重要なことだ。もし私の背が丸まっていたら、完全な肩の回転を行いつつスウィングの間じゅうポスチャーを維持するのは困難だからだ。

よいポスチャーを確実に行うため、私は時々直立して両肩を引き締める(勲章を授与される軍人のように胸を張る)。その後アドレスし、高い胸とスクウェアな肩の感覚をセットアップに転送する。私の顎は高く留まって胸に埋まることはなく、両腕は肩から自然に垂れる。

快適なアドレスが出来たら、私はターゲットに最後の一瞥をくれ、私が望むショットの飛行を視覚化する」

(April 25, 2018)

右脚を動かすな

この本はプロ・ゴルファーたちが、自分が育った宗教(キリスト教)的環境、信仰がゴルフを支えてくれた瞬間、および彼らから読者に贈るゴルフtipsという三部構成で、43人の男女が執筆した原稿をまとめた珍しい本。今回はChampions(チャンピオンズ)ツァー・プロLarry Nelson(ラリィ・ネルスン)のtip。彼はU.S.オープン一回、PGA選手権に二回優勝しています。

'The Way of an Eagle'
edited by Robert Darden and P.J. Richardson (Thomas Nelson Publishers, 1996, $19.99)

「私が世界中で尋ねられる質問は『ゴルフ・スウィングで最も重要なものは何か?』というものだ。ゴルフ・スウィングは沢山の身体の部品、異なるプレーンの異なる動きによって成り立っているものだが、私にとって最も重要なのは右脚である。

アドレスで地面との関係で形成された右脚の角度は、スウィングの間じゅう維持されねばならない。右脚は背後に動くことは可能だが、左右に動いてはいけない。バックスウィングで右脚がボールから離れたり、ボールに近づいたりしてはいけないのだ。同じ場所で同じ角度で留まるべきである。

あなたがこれを守れるなら、頭を動かすこととスウェイを防止出来、右脚はあなたの体重を正しく受け止める。これを守れない名人というものは存在したためしがない。

だから、右脚に注意深いゴルファーは、他の部分で何をしていようと、スコアを良くすることが出来る。それは当然のことだ」

 

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Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)は、スウィング開始前に右膝を内側に押し込むことをフォワード・プレスの代わりにしていました。私も初心者の頃その動きをスウェイ防止のために真似して、とても役立ちました。

最近ダフりが頻出した時も、真っ先に右脚をチェックし、バックスウィングで右に移動しないよう注意しました。しかし、この時は右脚のせいではなく、上半身が右に動いていたのでした。左肩を捻転させる際、顎のところでつっかえ、なおも左肩を動かそうとすると、顎と一緒に上半身を押していたのでした。で、Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)に倣って打つ前に顎を右に引くようにしました。これでダフりは消滅し、ナイス・ショットが連発するようになりました。

(April 25, 2018)

Nick Faldo(ニック・ファルド)の手打ち防止法

 

Nick Faldo(ニック・ファルド)は、いまやSir(サー)の称号を持つイギリスのプロ。

'A Swing for Life'
by Nick Faldo with Richard Simmons (Penguin Books, 1995, $19.95)

「トップから打ちに行く間違いは大多数のアマチュアを悩ませるが、度合いは軽度であるもののプロをも苦しめることがある。それは徐々に捻転し徐々にその捻転を解くということの反対のことをするのが原因だ。あまりにも早く振り解くと、トップでギクシャクし、それはあらゆる種類の問題を引き起こす。どうすれば、よい切り返しをして順調なダウンスウィングの軌道に乗せられるか?

・ドライヴァーを逆さまに(ヘッドの方を)持ち、スウィングして「ヒューッ!」という音がインパクトで出るようにする。これには、じわじわと加速する必要がある。手をフルに伸ばし、身体の中から生じるゆっくりのテンポを感じながら、音を立てる。私はこれをトーナメントの最中に、頻繁に実行する。

・両手を【編註:5センチぐらい】離してグリップし、スロー・モーションのスウィングをする。この練習の効果は二つある。第一に、両腕と身体がスウィングの開始(特にテイクアウェイ)で一緒に動くことを促進する。第二に、トップでのいいスウィング幅を形成することを鼓舞し、それはダウンスウィングの開始でも維持される。一石二鳥の練習法である」

(April 25, 2018)

トップを根絶する練習法

 

現在the Golf Channel(ゴルフ・チャネル)の'School of Golf'(ゴルフの学校)の講師を務めているMartin Hall(マーティン・ホール)による、ユニークな練習法。チッピングのために書かれていますが、他のショットにも役立つことと思われます。身長にもよりますが、約1.6メートルの紐が必要です。

'The Scoring Zone'
edited by Steve Hosid (PGA TOUR Partners Club, 2000)

「ボールに向かってセットアップする時はいつでも『寸法』というものがある。その寸法は首の後ろからボールの底部までである。その寸法がインパクトでアドレス時のまま保たれていれば、ソリッドなコンタクトになると云える。

首に廻した紐の端がクラブシャフトまで届く長さのものを見つけてほしい。紐を首に廻してアドレスし、垂れた端をピンと張ってクラブのハンドルと一緒に握る。これで首の後ろとボールの底との間の寸法がセットされた。スウィングする間クラブは伸び縮みしないのだから、あなたが紐の長さを保っていれば、紐の寸法は同じままの筈だ。

もしロープが緩めば、あなたは手を持ち上げて寸法を短くし、インパクトでボールを掬い上げようとしているに違いない。それはソリッドなコンタクトではない。ロープをピンと張り続けるのだ!」

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この方法でチッピングの素振りをしてみました。驚いたことに、バックスウィングで紐が緩むことを発見しました。だからといって、トップしたという経験はしてませんが。

アイアンのフル・スウィングの練習も試してみました。フル・スウィングでのトップでは右手が折られるので紐が緩んで当然だと思いますが、インパクトではピンと張らねばなりません。私の場合、インパクトで紐が張ったり張らなかったりムラがありました。これが、スコアにムラがある原因かも知れません。

 

(April 25, 2018)

地面から上へと逆転せよ

 

このtipの筆者Martin Hall(マーティン・ホール)はThe Golf Channel(ゴルフ・チャネル)の週一番組'School of Golf'の先生。

'The Golf Magazine Full Swing Handbook'
Peter Morrice & the editors of 'Golf Magazine' (Lyons Press, 2000, $14.95)

「約1メートルのロープをゴルフ・クラブのように握って、上半身を捻転させながら右肩の上に振り上げる。そこから、ロープを振り下ろして振り抜く。その際、下半身が逆転の動きをリードし、ロープをピンと張ってロープの端がインパクト・ゾーンで手を追いかけるようにする。

このドリルはダウンスウィングがプルする(引く)動きであり、ロープの端が最後に鞭のようになるように、下半身が上半身をリードしなければならないこと証明している」

(April 25, 2018)

Walter Hagen(ウォルター・ヘイゲン)のショート・パットのコツ

伝説的プロWalter Hagenのパッティングtip。

'My angle of putting: Some advice from one of the greatest of them all'
by Walter Hagen ('The American Golfer Magazine,' 1929)

「いいパッティングをするために先ず必要なのは、メンタルなバランスだ。これはメンタルと神経のコントロール(冷静さ、心配しないこと、気楽さ、推量ではない決断)を意味する。ラインとグリーンの速さについて結論を出し、(正しかろうが間違っていようが)その通りにプレイする。ボールを打つ段になってもまだ推量しているようなら、それが間違いなのはほぼ明白だ。

あなたがカップから1.5〜2メートルを残した時、何度も片手でボールを沈めたことがあるんじゃないかと思う。それは、緊張を感ぜずリラックスし、方向も気にせず急がずにパターヘッドに仕事をさせたからである。

ゴルファーが1〜1.2メートルの短いパットに失敗し始めるのは、大体においてあまりにもきつくグリップするせいで、それは過度の緊張の徴候である。少しグリップを緩め、もっと快適なスタンスをとり、スムーズにストロークせよ。これはかなり助けとなる方法だ」

【参考】
・「Hagen(ヘイゲン)、Jones(ジョーンズ)、Sarazen(サラゼン)時代のゴルフ事情」(tips_170.html)
・「Walter Hagen(ウォルター・ヘイゲン)の運否天賦(うんぷてんぷ)」(tips_140.html)
・「Walter Hagen(ウォルター・ヘイゲン)の ティー・ペグの発明と普及」(tips_172.html)
・「Walter Hagen(ウォルター・ヘイゲン)の身分差別との闘い」(tips_172.html)

 

(April 29, 2018)

純粋振り子式ストローク法の実像

 

振り子運動とパターを低く動かすという試みは両立しないという、インストラクターBrad Redding(ブラッド・レディング)の理論。

'Pure pendulum'
by Brad Redding with Greg Midland ('Golf Magazine,' December 2001)

「理想的なパッティング・ストロークは振り子運動に似ていると云われる。同感である。しかし、多くのゴルファーが振り子運動と、もう一つの一般的アドヴァイスである『パターヘッドを地面すれすれに低く引け』を合体させようと努力する。おーっと、それは両立しないんだなあ。低く動くパターヘッドは、振り子ストロークの長所を台無しにしてしまうんだ。

真の振り子ストロークは【縦の】弧を描く。パターヘッドは上がり、インパクトで落下し、フォロースルーでまた上がる(お祖父さんの時計のように)。これをよく観察するには、60センチ〜1メートル離して二個のボールを置き、その真ん中でストロークすることだ。パターヘッドは先ず後方のボールの上に振られ、フォロースルーで前方のボールの上を通過する。だから、低く動かすというのは忘れなさい。適切なセットアップと動きを学べば、安定した振り子ストロークは最高なのだから。

・アドレス

股関節から上体を折り、ボールの真上に目を置き、左右の肘を軽く折る。ボール位置はスタンスの中央から僅かにターゲット側で、両前腕はパター【ハンドルの延長線で】二分される三角形を形成する。この三角形はストロークの最初から最後まで維持されるべきで、それは背中と胸の筋肉で(腕ではない)達成される。もし、パターを低く動かそうとして両肘を伸ばすと、三角形と振り子運動は破壊されてしまう。

・ドリル

今度は三個のボールを使う。前と同じように二個のボールをセットし、その真ん中に一個ボールを加える。その真ん中のボールにアドレスし、ストロークする。そのボールはターゲット方向のボールに、ガツンとぶつかる筈だ。もしまともにぶつからなかったり、全くぶつからなかったりすれば、あなたは真の振り子運動をしていないことになる」

 

(April 29, 2018)

ストロークの強さの決定

 

ヨーロピアン・ツァーのNiclas Fasth(ニクラス・ファスト、スウェーデン)によるパッティングtip。

'Golf Tips from the Pros'
edited by Tim Baker (David and Charles Limited, 2006, $14.99)

「人々はいつもパットに苦労するが、それは練習しないせいだ。それは残酷な事実である。喜ばしいことに、パッティングはゲームの中でも簡単に上達出来、僅かの努力が長持ちするる分野である。秘訣はストロークの強さの判断であり、強さが全てである。それがラインの読みと打ち方を決定する。

パットに際し、先ず決断すべきはどの程度強く打つかであり、それがラインを決定する。強く打てばブレイク(曲がり)は少なくなる。その観点から、ボールがカップへと向かう軌道を心の中で映像化出来る。これはとても重要だ。つまり、あなたはカップに到達するボールのイメージをポジティヴに考えており、目標を持っていることになるからだ。多くの人々は目標も無しでパットする。彼らは単にカップの方向へボールを送り届けるだけなのだ。

パッティングの準備をしながら、先ほどの心の中の映像を保ち続ける。

少なくとも一回の素振りをし、その時、ボールをカップまでスムーズに転がすには、どのくらい大きいスウィングをすべきか考える。それが、あなたが考える唯一のことだ。技術的なことは考えない。どのくらい強く打つか感じ取ること。その後で、アドレスに入り、ぐずぐずせず(他のことは一切考えることなく)イメージした映像を具体化するようにストロークする。全ては感覚の問題である」

 

(April 29, 2018)

パットの緊急事態を切り抜ける手段

 

ラウンド中、何らかの理由でパットが入らなくなった時の対処法。

'Putting emergencies'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' April 2000)

「それが単なる遊びのラウンドなら、耐え忍べばいいことかも知れない。しかし、トーナメントとかマッチ・プレイの最中だとしたら、それは緊急事態である。何とかしなければならない。何とかボールをカップに送り届けなくてはならない。それもたった今!次の二つは、出血を止める有益な止血帯である。

・カップを見よ

時折、パットの緊急事態はストローク動作を重要視し過ぎることによって起るものだ。ストレートなストロークにあまりにも集中すると、強さと方向の感覚を失ってしまう。パットの失敗が続くにつれ、あなたはいいストロークをしようとしゃかりきになり、あまりにも機械的になり過ぎてしまう。この悪しき連鎖を断ち切るには、パターを見てはならない。通常通りアドレスし、ストローク開始前に頭を廻してカップを見るのだ。【編註:カップを見ながらパットする】 これはストロークの質に集中する想念を遮断させるだけでなく、ストロークの間にあなたの目に距離の情報を登録し、それが適切な強さの判断を助けてくれる。

・短いパットでは目を閉じよ

 

ショートパットの連続ミスもまたストローク動作を重要視し過ぎたせいとも云える。それに加えて、時期尚早に結果を見ようとする傾向がストロークを乱してしまう。そうした障害とおさらばするには、目を閉じてストロークすることだ。

アドレスし、通常のプレストローク・ルーティンを実施する。その後、ボールと接触する直前に目を閉じたままにするのだ。見えないことがストローク動作ではなくフィーリングに焦点を当て、目を閉じているためカップを見たくなる誘惑も消え失せる。その結果、上体と頭は静止し続け、ボールがカップに転げ込む音を聞こうと耳を澄ますことになる」

(April 29, 2018)

ストローク前に肩を落とせ(不可解なパット・ミス防止法)

 

ラインを読む必要のない平らな絨毯の上でさえ、2メートルのパットをミスすることがあります。ストロークは完璧なのに…。なぜ、ストロークが完璧と云えるかって?ボールに描いた直線がゆらゆら揺れずに真っ直ぐ一直線に転がるのですから、これ以上の完璧なストロークは望めません。

絨毯の上で失敗するようでは、練習グリーンや本グリーンでミスして当たり前です。何がいけないのか?私は苛立ち、途方に暮れました。ストロークが完璧だとすると、他にどんな要素が絡んで来るのか?私のゴルフ仲間の一人は、ラウンド中によく「練習グリーンだと思ってパットしろ」と云いますが、そのメンタルtipは私に役立ちませんでした。ラインを読まなくてはならない練習グリーンどころか、真っ平らな絨毯上でさえ失敗するのですから、メンタルな問題ではない筈です。

鏡の前でストローク動作を点検してみました。異常ありません。「ん、待てよ?」両方の肩が微かに上がって見えます。完璧なストロークには「はみ出し禁止のストローク」(両肩を胸の方に突き出さないメソッド)が必須だと私が考えているせいか、意識が肩に集中し、その結果肩を強ばらせていたようです。

テストをしてみました。「パターを照準器として精密にラインを狙う方法」(tips_161.html)でカップを狙い、アドレスし、両肩をすぼめます(肩が持ち上がる)。これは、バーディを狙っている際の身体の緊張状態の再現です。パットします。次のテストでは、すぼめた両肩をぐたっと落とし、身体の緊張をほぐしてパット。この両方を繰り返したところ、両肩が上がっていてもパットに成功する場合はあるものの、ボールがカップから僅かに逸れることが多いという結果でした。もし、サイドスピンがかかればリップアウトの危険を生じます。

最近の私は「距離のコントロール第一」を心掛けていて、それによって距離感は合うものの、数センチ右や左に逸れるミスが続いていました。その多くは強ばって持ち上がった肩が悪さをした結果に違いありません。

パットのアドレスに入る前に常に身体の緊張を解くべきです。それを助けてくれる最大の方法は強ばって持ち上がった両肩を緩めてぐたっと落とすことです。「落胆の余り、がっくりと肩を落とす」という表現がありますが、まさにその感じ。深呼吸し、息を吐きながら肩の力を抜くのが一番いいようです。これでもまだうまくいかない場合は、両肩を胸の方や背中側に弓なりにしている恐れがあり、これも緊張状態なので、ゆったり真っ直ぐにします。

両肩を自然にリラックスさせることをプレストローク・ルーティーンに取り入れ、毎回実行すべきだと思いました。

 

(April 29, 2018)

ティーにボールをぶち当てるパット練習

 

'Supersize the hole'
by Mike Malaska with Davis Dusek ('Golf Magazine,' August 2003)

「短いパットにミスするのは、多くの場合不注意が原因とされる。ラウンドの間に、こうした膝がガクガクするような距離のパットをもっと多く沈めるには、練習最後の15〜20パットの焦点を狭めるべきだ。

練習グリーンにティーを刺し、1メートル、1.2メートル、1.5メートルの距離からパットし、ティーに当てる。

その後、ティーをカップの反対側に刺し、同じことをする。ティーに向かってパットし、カップは単純にその途中にあるものと考える。

コースでは、カップの向こうにティーを視覚化する。数多くのショート・パットの成功に驚かないように」

(April 29, 2018)

これがアンコックだ!

 

インストラクターMike Lopuszynski(マイク・ロパスジンスキ)による低いフィニッシュの勧め。

[Annika]

'Power snap'
by Mike Lopuszynski with Kathryn Maloney ('Golf Magazine,' October 1999)

「あなたは高いフィニッシュをしろと教わったかも知れないが、遠くへ飛ばしたいなら低いフィニッシュを考えるべきだ。プロ・ツァーのビッグ・ヒッターを見ていれば、彼らのフィニッシュで両手が低く左肩の上に落ち着くのに気づく筈だ。その位置はインパクトで手首がフルにアンコックし、リリースされている結果である。それは彼らのスウィングにパワフルなスナップ(パチンと弾き飛ばすこと)と低いフィニッシュを生む。

このフィーリングを会得するには、ドライヴァーを引っくり返して右手でヘッドのすぐ上を持つ。しゃがむか地面に膝をついて、右手首だけを使い、コックによってハンドルを上げ、地面をスナップする。バンという音がし、この小さな動作がもたらす凄いスピードを感じる筈だ。

これを手首の動き無しで腕だけで同じことをしたら、スピードと音が劇的に減退するに気づくだろう。手首の動きを加えて、スピードとスナップを作り出してほしい。

同様に、ゴルフ・スウィングでも手首のアンコックがクラブヘッド・スピードと飛距離を増し、ロングヒッターたちに見られる低くリラックスしたフィニッシュを生む。手首を、スウィングの最後に肩にクラブを急速に届けるコックとアンコックするソフトな蝶番だと考えるべきだ。ボールをさらに遠くに飛ばすことが出来る」


(May 02, 2018)

両手の高さとコックの関係

 

「体型別スウィング」(tips_54.html)の共著者の一人で、生体力学の博士号を持つPGAインストラクターDr. Jim Suttie(ジム・サッティ博士)による、アドレス時の両手の高さによってコックのタイミングが変わるという卓見。

'Handy advice'
by Jim Suttie with Lorin Anderson ('Golf Magazine,' September 1997)

「アドレスで両手を高くすると、テイクアウェイの段階で手首のコックを遅らせて(左腕とクラブシャフトが一体となってボールから遠ざかるような)ワンピース・テイクアウェイを完全にすることを助ける。両手の低いアドレスは、バックスウィング早期のフル・コックを促進し、ゴルファーにさらなるパワーを与える。

・両手が高めのアドレス

・アドレス

これはワンピース・テイクアウェイを持続させ、ダウンスウィング開始まで最大のコックを遅らせる。このレイト・コックをコントロールするために腕と手のかなりの強さを必要とする。

・両手が低目のアドレス

両手を低目にアドレスすると、両手首は既に半ばコックされた形になっており、バックスウィングの初期にフル・コック状態となり、パワーを増す助けとなってくれる。これは上半身が弱い(胸幅・厚みが少ない)ゴルファーに向いている」

 

(May 02, 2018)

シニアは尻を突き出せ

'Butt out!'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' December 2000)

「あなたは次のような良いポスチャーの鍵を承知している。すなわち、股関節からの前傾、僅かな膝の柔軟性、真っ直ぐな背骨…など。だが、シニアの一般的な過ちの一つは尻を突き出すのを控え目にし、ボールに向かってクラブを下ろすために背中を丸めることだ。これは顎を胸に埋め、理想的な回転を不可能にしてしまう。

多分、『股関節から前傾せよ』というのは、役に立つ文句ではないのだろう。だったら、次の文句を試してほしい。『尻を突き出せ!』なら、少しましだと思う。あなたがアドレスで尻を突き出すことを思い出して実行出来るなら、あなたは股関節から前傾することになり、背骨は自然に真っ直ぐになり、腕は肩から垂れ下がる。この尻の角度をスウィングの間じゅう維持出来るなら、そして最初から最後まで尻を突き出したままでいられるなら、フル回転をするのがいとも簡単であることに気づく筈だ」

【参考】「スニードの 飛ばしたきゃケツを突き出せ」(tips_159.html)

(May 02, 2018)

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のフットワーク

 

'My lifetime principles'
by Jack Nicklaus ('Golf Digest,' March 2010)

「私が初めてゴルフを覚えようとした時、私の師匠Jack Grout(ジャック・グラウト)は、『家に帰って、クラブ無しで、くるぶしを廻しながら腕を行ったり来たりさせろ』と云った。これは素晴らしい指導だった。くるぶしが廻らなければ腕はスウィング出来ない。くるぶしから始めることは、大地に根ざしてゴルフすることだ。どんなスポーツ(野球、テニス、フットボール)でも、プレイする際は両足が支配する。

くるぶしを廻すことは二つのことを教えてくれる。 1) 地面の上で身体を安定させ続けながら、ソフトに前方へ動くこと。 2) クラブをリリースさせること。何故ならインパクトまでのスウィングで、右足は地面に留まったままだからだ」

'Use your legs'
by Jack Nicklaus with Roger Schiffman ('Golf Digest,' December 2013)

「私は『手を用いるプレイヤー』と云うより『脚を用いるプレイヤー』である。と云っても、両手がスウィングの中で重要な役目を果たしていないということではない(両手は間違いなく重要な役を務めている)。云いたいのは、私の両手と手首は身体と脚のアクションをリードするのではなく、それらに追従するということだ。

基本的に、私の両手と手首はパワーを蓄えるための要(かなめ)として働き、身体と脚で作られたパワーを伝導する。だから、手と手首は意識的努力ではなく、反射的にプレイに参加するのだ。

私の両脚は昔のように働かないが、私はそれらを強く保とうと努力している。歩ける際には常に歩いて脚をシェイプアップし続けるべきだ。私は自分がデザインしたコースを歩き回ったり、孫たちについて歩いたりする。まだテニスもする(これは下半身によい)。

私の両手はどんな時でも追随するものである。練習場で、私は手と脚が土台から上へと正しい連鎖をするように務める。私はいまだに下半身がバックスウィングとダウンスウィングをリードする感覚を抱いている。足と膝でダウンスウィングを開始し、それに手・腕が反応するように専念する。時々、私は足がいつもよりもっと働くように心掛けるが、そんな日はいつもよりいいプレイが出来る」

 

(May 02, 2018)

Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)のチッピング

 

Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)はU.S.オープン(1973)と全英オープン(1976)に優勝、Mastersで三度(1971, 1975, 1981)二位タイ、PGAツァーにおいて計25勝を挙げ、現在はNBC-TVのゴルフ中継解説者。

'Pure Golf'
by Johnny Miller with Dale Shankland (Doubleday & Company, Inc., 1976)

「私はチッピングの際、異なるスピンをかけたいので、ウェッジを多用する。

【編註】この本の出版当時、ロブ・ウェッジはさほど一般的ではなかったようで、Johnny Millerは主にサンドウェッジを使用しています。

これを手首の動き無しで腕だけで同じことをしたら、スピードと音が劇的に減退するに気づくだろう。手首の動きを加えて、スピードとスナップを作り出してほしい。

ボールが飛ぶ高さと距離の調節は、インパクトで手がクラブに先行する量によって行なう。私のサンドウェッジによるチッピングの多くが、地面から僅か2フィート(約60センチ)で打たれているのに、グリーンに着地したボールが一度のバウンスで急速に停止するのは、かなりバックスピンがかかっているせいである。このバックスピンはボールの前に出た手によって、インパクトでボールを摘(つま)むことで生じている。

スピンをかけたくない場合は、手の先行の度合いを減らし、ほぼパッティングと同じように打つ。インパクトで手をボールの前に出さない。ボールはクラブフェースをスピン無しでゆるやかに離れる。

ボールを急速に停めたい場合、インパクトにかけてクラブフェースをオープンにする。ボールをカットする感じで打ち、ボールは急停止する。

私がいま述べている事柄は上級者がさらに上達する一助になれば…と思ってのことであり、初心者は考慮すらしない方が賢明だ。初心者はソリッドに打てるクラブで、スクウェアにチップすべきである。

 

上のポイントを説明するため、サンドウェッジと5番アイアンのインパクトの違いを比較してみよう。サンドウェッジの鋭いリーディングエッジは、クラブフェースがボールを打つ以前からボールの下に向かうが、5番アイアンはボールにスクウェアに向かう。だから、5番アイアンで多少ダフり気味だったりトップ気味であっても大怪我にはならない。だが、ロフトが多くなればなるほどソリッドに打つことが難しくなる。これが、初心者はチッピングでウェッジを避ける方がいいという理由である。初心者はロフトの少ないクラブでグリーンに着地させ、そこから転がすショットをすべきだ。

チッピングに全てのアイアンを使い分けるのは複雑である。5、7、9番で、どの局面も打開出来る筈だ。

チッピングのテクニックは以下の通り。
・出来るだけパッティングのようにストロークする。
・ボール位置は左足踵の前方。
・狭いオープン・スタンス。
・クラブを短く持つ。
・左腕とクラブがボールに向かって一直線になるように構える。
・ストロークの間中、上記の一直線を保つ。

アマチュアの多くは手首を少し折ったり大きく折ったりして一定していない。手首のコックは最小限度に留めるべきだ。スウィングのアクションは常に手首の動きの結果であり、もし完全に手首を殺したらテンポもスムーズさも失われてしまうと思う。

必ず狙い所を定めること。どのタイプのチッピングを行なうか決めたら、着地点を定め、そこへ落下して転げ出すボールを視覚化せよ」

(May 06, 2018)

安全確実バンプ&ラン

私の周りではロブよりバンプ&ランをする人ばかりです。30〜40ヤードでもバンプ&ラン、バンカー越えでも(顎が低ければ)バンプ&ラン。ウェッジの練習をしてないから、ボールを上げるのが恐いんでしょうけど、私からすれば砲台グリーンに駆け上がらせるバンプ&ランの方が恐くて出来ません。フリンジで急停止するボールをいやと云う程見てますし…。しかし、ロブ・ウェッジ一本で寄せをしている私でも、ボールが木の下へ行ってしまった時などはやむなく転がしを行います。

'Add the lob and the bump-and-run'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' April 1997)

「ボールとカップの間に何の障害もないとしたら安全第一で行くべきだ。ボールを高く上げてそれがピン傍で停止することを試みるよりも、フェアウェイからフリンジを越えグリーンへと駆け上がるコントロール可能なバンプ&ランを選ぶべきだ。バンプ&ランだとダフったりトップしたりするミスを最小限にし、着地後の奇天烈なバウンスに見舞われる可能性も減らすことが出来る。

バンプ&ランはチッピングを延長したようなもので、5番アイアンからピッチング・ウェッジまでのどれを使ってもよい。

・ターゲットに対しややオープンに構え、体重は左に多めにかけ、ボール位置は右足内側前方。

・ハンドファーストで構え、手と手首の動きがゼロかそれに近いバックスウィングをする。クラブは右腰より高く上げないこと。

・ダウンスウィングでは、右手が左手を越さないように。【=右手を返してはいけない】

この結果は低く、飛行よりもランの多いショットとなる。キャリーの少ない、もっとランの多いショットを望むなら、ロフトの少ないクラブを選ぶ」

 

次はインストラクターMike McGetrick(マイク・マゲトリック)版バンプ&ラン。

'The Scrambler's Dozen'
by Mike McGetrick with Tom Ferrell (HarperCollins, 2000, $25.00)

「これは主に地面を転がすショットなので、可能な限りロフトの少ないクラブを用いる。コントロールを良くするため、7〜8センチほどクラブを短く持つ。5〜8センチほどボールに近く立ち、シャフトを立てて構える。これが下降気味のインパクトをお膳立てする。

ボール位置はスタンス中央より1インチ(約2.5センチ)後方。このボール位置は地面より先にボールを打つためばかりでなく、ハンド・ファーストで多少ロフトを減らすショットを可能にする。

体重は左右均等、肩は地面と平行。

バンプ&ランでは手首の蝶番の動きを最小限にして、クラブ・手・腕を一本の棒のように動かす。上体をほとんど回転させずにバックスウィング。このショットにおけるバックスウィングはフォロースルーより長い。距離によって異なるが、バックスウィングの長さは腰の高さから肩の高さまでの範囲である。

両手のリードでスムーズな切り返しを行い、ボールに向かって打ち下ろす。ボールの軌道を低くするため、フォロースルーは腰の高さより低く留める。ただし、クラブがあなたの正面でターゲットを指すように身体を回転させること。

クラブが変わればキャリーとランの比率も変わることに注意」

最後に、もう一つ注意事項を。

'Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'
by George Peper et al. (Harry N. Abrams, Inc., 1997, $45.00)

 

「上り坂でボールが死んでしまわないよう、チップ・ショットよりももっと腕のアクションを用いること。ボールをバウンドさせたい土手の一点を狙う。ビクビクしてはならない。上り坂を充分越えられるように、ハードに打つこと。かといって、グリーン・オーヴァーするほどハードであってはならないが」

(May 06, 2018)

真っ直ぐな左手でアプローチせよ

 

筆者Amy Alcott(エイミィ・オルコット)はLPGAツァーのメイジャーに五勝し、全33勝を挙げたプロ。特に1988年のメイジャーNabisco Dinah Shore(ナビスコ・ダイナ・ショア、現在のANA Inspirational)優勝の際、No.18の池に飛び込んだ最初の女性として有名。以後これが優勝者の恒例行事となった。

'A Woman's Golf Game'
by Shirli Kaskie (McGraw-Hill Companies, 1983)

「短いショットを成功させるには、揺るぎない左肘を伸ばし続けることだ。スウィングする時、左肘は折られてはならない。左肘が左に返されたり、右に留まったままだと正確さは失われる。ボールをきっぱりと打つように考える。左手甲がカップを向くようにフィニッシュすること」

(May 06, 2018)

ショート・ゲームの選択肢を豊富に持て

 

2000年の'Golf Digest'誌選出50ベスト・インストラクターのNo.1に輝いたDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)のショート・ゲームtip。

'Hit it farther, straighter, closer'
by David Leadbetter with Scott Smith ('Golf Digest,' August 2000)

「全てのショート・ゲーム名人はグリーン周りでの創造力が豊かである。あなたの選択肢を視覚化してもっとクリエイティヴになるためと、ショットの選び方の判断力を磨くため、カップに向かって下手投げでボールを投げる練習をしなさい。異なる強さと軌道(高くソフトに、あるいは低く転がる等)を実験する。あなたが必要な軌道はどれか、カップに近づけるためにはどこに着地させるべきか。それをガイドラインとし、同じ結果を得るであろうクラブとショットの型を選択する」

(May 06, 2018)

ゴルフは第二打である

 

こう唱えるのは、私がショート・ノッカーだからではありません。最近の私はロング・ノッカーの一人になっていますので。有名な金言に"Drive for show, putt for daugh."(ドライヴは見世物、パットは飯の種)というのがありますが、確かにパットは総仕上げであり、パットが入らない日、スコアは絶対によくなりません。私が最近ハーフを1オーヴァーで廻れた日、パット数は13でした。これは明快に先の金言の正しさを証明しています。このハーフの私のパーオンはたった三ホールでしたから、ひたすら寄せワンで凌いだラウンドと云ってもいいのです。

これは実は情けないラウンドと云い切るべきだと思います。全九ホールでバーディ・チャンスがたった三回しかなかったのですから(一つだけバーディは得ましたが)。われわれのレヴェルではVision 59(全てのホールでバーディを得る)は絵に描いた餅だとしても、少なくともバーディ・チャンスだけはもっと得たい。バーディはどこかのホールのボギーを帳消しにしてくれたり、今後起り得るボギーのための貯金となったりもします。また、下降気味だった意気を急上昇させてくれる役割もします。全てのホールでバーディ・チャンスを得るのが、その第一歩です。バーディが得られるかどうかは、その後の話。

私のドライヴァーのフェアウェイ・キープ率はかなり高く、まずまず安定しています。また、アイアンは「驚異のFLW(フラット・レフト・リスト)」(tips_155.html)に書いたように、FLWのスウィングを心掛けるようになって正確さが増しました。最近、パー4での9番アイアンによる二打目をチップインさせてイーグルを得たのが、その証明です(以前、こんなことは考えられなかった)。

1967年のマスターズ・チャンピオンGay Brewer(ゲイ・ブリューアー、1932〜2007)は次のように述べています。「プロたちが集まると、誰かさんのパッティング・ストロークだとか、誰がどんなパターを試しているとか、そんなことについてはお喋りするものの、誰が常に280ヤードのドライヴを放っているかなんてことはついぞ話題にならない。230ヤードだろうと280ヤードだろうと大して変わりはないのだ。もしショート・ゲームの伎倆が人並み以上なら、ドライヴをフェアウェイのド真ん中にドカーン!と打とうが打てまいが、どうでもいいことなのだ」

仲間内ではショート・ゲームに関しては定評のある私なので、正確な二打目によってバーディ・チャンスを増やす…これが現在の私の目標です。

 

(May 06, 2018)

最大コックがバンカー・ショットの決め手

ある日、バンカー・ショットの練習をしていました。「Natalie Gulbis(ナタリィ・ガルビス)のバンカー・ショットの秘訣」(このページ上)で、彼女は「バンカー・ショットで最も重要なポイントは加速し続けることだ」と述べています。これは、インパクト前後で減速させてはならない…として、多くのプロやインストラクターたちが云っていることと同じです。で、懸命に加速しようとしたのですが、スピードに気を取られると、砂への突入地点がボールに近過ぎたり(=ホームラン)、遠過ぎたり(=チョロ)します。

途方に暮れかけた時、もう一つ彼女が云っていたことを思い出しました。「バックスウィングは左腕が地面と水平になる高さで充分。しかし、フルにコックすること」というものです。「そんな小さなバックスウィングじゃ、加速出来ないんじゃないの?」と半信半疑。短いバックスウィングをすると、フルにコックせざるを得ません。最大のコックを実行してみると、なんと、五個のボールのうち一個がチップインし、残る四個も1メートル前後の距離につきました。

よくぞ云ってくれた、Natalie Gulbis(ナタリィ・ガルビス)。「最大のコック」、これこそが加速の決め手だったのです。【写真参照】 加速はコックをほどく動作が自動的にやってくれるので、ゴルファーは加速することなど意識する必要はありません。

最大コックと併用すべきtipはDavis Love, Jr.(デイヴィス・ラヴ二世)による「砂の一掴みを投げ出すイメージを持て」(tips_191.html)です。砂の量(多く取るか、浅く少なく取るか)をイメージし、その砂がバンカーからグリーンにかけてバサーッと舞い散る様を視覚化します。この作業によって、脳味噌に確実に砂を取るべきことを命じ、ホームランを防ぎます。

最大コックは、ややもすると「飛び過ぎるんでないか?」とブレーキをかける心理に繋がり易いのですが、それでは確実にショートし、最大コックした意味が失われます。ピンに向かって大きなフォロースルーをする必要があります。

その日のNo.18、私の二打目はコースで最も深いグリーンサイド・バンカーへ。ボールからピンへは約25ヤード。ボールは顎から70センチは離れているので、出せることは間違いありません。問題は距離ですが、数日前の雨で砂も締まっていてサンドウェッジは使えませんし、そもそもこのバンカーは砂の層が薄いので、いつも60°ウェッジを使っています。慌てずスローに、ちゃんと砂を取ることと最大のコックを心掛けてスウィング。ボールはするするとピンに近寄り、あわやチップインかと思われましたが、カップの左横10センチで停止。文句無しのサンディ・パー。

 

このパーによってわがチームは一打差で優勝出来たのでした。Natalie Gulbis様々です。

(May 13, 2018)

バンカー内のボールを外から屈んで打つ

筆者Ken Venturi(ケン・ヴェンチュリ、1931〜2013)は1964年のU.S.オープンを始めPGAツァーで14勝、後年はCBS-TVのメインの解説者を勤めました。

'Ken Venturi's Stroke Savers'
by Ken Venturi with Don Wade (Contemporary Books, 1995, $14.95)

「これは手強いショットである。本能的にウエスト(腰のくびれ)から身体を折ってボールに届かせようとすると、ますます難しくなる。私はいい解決法を知っている。

1) スタンスをワイドにする。

2) サンドウェッジを精一杯長く持って、クラブをボールの背後に届かせる。

3) 膝を柔軟にする。この膝の柔軟性を保つことが最も重要な鍵である。アドレスで形成した脚の角度を最後まで変えないこと。これは格好よくないが役立つのだ。

上手いプレイヤーたちはこのショットに備えるため、サンドウェッジのシャフトを少し長くしている。たった数インチでも、グリーン周辺でのこのような厄介なショットには大きな違いを生む。通常のバンカー・ショットでは、少し短く持てばいいのだ」

【参考】「普通はお手上げのバンカー・ショット」(tips_187.html)

 

(May 13, 2018)

ダウンヒルのバンカー・ショット

 

左足下がりのバンカー・ショットは「上がらない」、「飛ばない」、「出ない」になり易い。では、どうすべきか?

'Scrambling Golf'
by George Peper (Prentice-Hall., Inc.. 1977)

「このライはバンカー・ショットの中で最も難しいものに入るだろう。特に、ボールが砂に埋まっていたり、グリーン奥へこぼれ易い状況では。

先ず、地面の傾斜に身体(膝、腰、肩)を揃える。ズボンのベルトが左足下がりの勾配と平行であることを確認。

ボール位置を、オープン・スタンスの後方にする。これは、このライが必要とする急角度のスウィングを生み出す。

クラブフェースをオープンにし、ほとんど地面と平行に寝せる。これはダウンヒルがクラブのロフトを減らしてしまうので、とても重要なことだ。

ボールを上げようとしてはいけない。ボール後方7.5〜10センチのところの砂にヒット・ダウンする。何故なら、ボール後方より前方の砂の方が深さが浅いからだ。手の動作で砂の下を潜らせ、フォローへと振り抜く。インパクト直後、ボールと手はグリーンへ方向へと向かう。

このダウンヒル・ライからのショットではほぼ絶対にバックスピンがかからないので、かなりのランを覚悟すること。ピンが手前だったり、奥に向かって下っているような場合は、高いボールを出来るだけゆったりと打ち、オーヴァーしないよう祈るしかない」

 

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この本はTom Kite(トム・カイト)がロブ・ウェッジを一般に広める以前に出版されたものなので、ロブ・ウェッジに関しては全く触れられていません。クラブのロフトが減ってしまう左足下がりでは、サンドウェッジよりも60°とか64°のロブ・ウェッジを用いる方が楽です。顎にぶつかって戻って来る危険を回避することが出来ます。スウィングはサンドウェッジよりやや大きくする必要がありますが…。

【参考】「Jim Furyk(ジム・フューリク)のダウンヒルのバンカー・ショット」(tips_189.html)

(May 13, 2018)

バンカー・ショットの練習法

 

インストラクターMark Durland(マーク・ダーランド)が推奨する、ボール無しの簡単練習法。

'A fistful of sand saves'
by Mark Durland ('Golf Magazine,' August 2017)

「練習バンカーに一本の線を引き、その上に股がって立つ。この線はボール位置を表す。線の先端の両脇でアドレス。通常のグリーンサイド・バンカーのスウィングをし、あなたのクラブヘッドがどれだけ線の近くを抉るかを調べる。

線に合わせて移動しながら、スウィングを継続する。あなたの目標:線との関係において常に同じ距離にクラブヘッドを突入させること。

あなたに一定した位置に突入出来る能力が備わったら、それに突入角度をマッチさせる。もし、突入地点が線に近いならクラブヘッドを深く砂に送り込んで、砂の大きい塊を弾き出して、大きいディヴォット・ホールを作る。もしあなたの突入地点が5〜7センチ線の後方なら、砂の表面の僅か下を掬うように少なめに取る。

突入地点と突入角度をマッチさせれば、トップしたり砂を取り過ぎたりしてスコアを壊す恐れがなくなる」

(May 13, 2018)

Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)の長めのバンカー・ショット

Gary Playerがバンカー名人であることは御承知の通り。しかし、これまで当サイトが採録した彼のtipは「湿った砂のバンカー・ショット」只一つだけでした。今回のはパワーを必要とする長めのバンカー・ショットのコツ。

'Golf Tips from the Pros'
edited by Tim Baker (David and Charles Limited, 2006, $14.99)

「バンカーでのしくじりの一般的な原因は、砂に突入する際減速してしまうことだ。この原因はクラブのパワーを失い、砂を沢山取り過ぎ、ショットを失敗に終わらせる。世界のバンカー名人たちは、常に最高にポジティヴな人々だ。私は砂を通り抜けるという比喩を好む。これは、長いバンカー・ショットの場合に特に関係が深い。

少し余分の距離を得たい場合は、バックスウィングの急角度にする度合いを減らし、砂をクラブで浅く掃くように手と腕を動かす。ボールはやや低く出て、長いキャリーで飛んだ後カップへと転がる。

・身体の位置

 頭はボールの真上でアドレスするが、私は両膝をターゲット方向に曲げておく。バックスウィングの間もその両膝の角度を変えない。

・インパクト

 クラブヘッドをハードに加速させながら、砂を通過・前進させる。

・フォロースルー

 コントロール優先のため3/4(スリー・クォーター)のフォロースルーをする」

【参考】「Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)の 湿った砂のバンカー・ショット」(tips_169.html)

 

(May 13, 2018)

パットの距離感マスター法

'You need for speed'
by Joe Hallett ('Golf Magazine,' December 2015)

「たった30秒で、超長い距離や入れごろ・外しごろのパットの距離感をマスターする方法。

1) ターゲットは特に無しで、四個のボールを同じ長さのバックストローク(例:右爪先〜左爪先)で打ち、四個全てを全員集合させる。

2) 先ほど打っていた地点から全員集合させたボールの地点までの歩数を数える。10歩だったり15歩だったりするだろうが、それは問題ない。仮に10歩だったとすれば、あなたは10歩の距離感をマスターしたことになる。これがあなたの距離感の基本の尺度となる。

3) 上のドリルを目を瞑(つむ)って繰り返す。前と同じように、四個を全員集合させられれば、もうこっちのものである。コースでは、距離に応じて基本の距離感を調節すればよい。特定の距離に集中して練習しないように。あなたの距離感の基本の尺度さえ損なわなければ、あとはどんな距離でもフィーリングで対応可能だからだ」

【参考】
・「距離感養成法」(tips_09.html)
・「絶対にショートしてはいけない理由」(tips_74.html)
・「パットの距離によってグリップを使い分ける」(tips_90.html)
・「距離感をマスターする」(tips_102.html)
・「距離感の習得」(tips_107.html)
・「パットでは距離こそ命」(tips_122.html)
・「全員集合ドリル」(tips_156.html)
・「パットの距離感向上のために」(tips_163.html)
・「パットの距離をコントロールする」(tips_175.html)

 

(May 20, 2018)

硬貨二つでパット練習

 

これはDavis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)の亡父でインストラクターだったDavis Love, Jr.(デイヴィス・ラヴ二世)が遺したノートにDavis Love IIIが自分の経験を加えて出版した本。

'Every Shot I Take'
by Davis Love III (Simon & Schuster, 1997, $24.00)

「パッティングにおける非常に一般的な過ちは、ボールの上半分をディセンディング・ブローで打ち、バウンドさせながら転がしてしまうことだ。本当にパットが巧い人は、ボールの最初の転がりから最後の一転がりまでの質が高い。それがボールをラインから逸らさず、それが一般のゴルファーより彼らがパットを成功させる理由である。

私の父は、パターで質の良い打ち方が出来るようになるドリルを教えていた。1セント硬貨を一枚グリーン上か絨毯の上に置く。その上に10セント硬貨を乗せる。父はわれわれに1セント硬貨を動かさずに、10セント硬貨だけを打つように命じた。これは、ボールの底部でなく若干上向きのコンタクトを教えるドリルであった。このドリルは本当に役立つ。私の父はコインを用いるこのドリルを教えるのに飽きなかった」

【編註】1セント硬貨は、亜鉛に銅メッキされたもので、外径は19.05ミリ。10セント硬貨は銅とニッケルが素材で、外径は17.9ミリ。Davis Love, Jr.はこの組み合わせにこだわっていたようですが、果たしてどのような根拠だったかは不明。10円玉と100円玉でも問題無いと思われます。

(May 20, 2018)

練習でも本番と同じようにラインを定めるべし

Horace Hutchinson(ホレス・ハッチンスン、1659〜1932)は、英国アマに二度優勝のほか、全英オープンの六位に入ったこともある英国のアマチュア・ゴルファー。

'Practice putting like you're playing' by Kevin Kihslinger,
a part of 'Golf Magazine's The Par Plan'
edited by David Denunzio (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)

「多くのゴルファーが、コースではボールに描かれた線をラインに揃えてパットする。だが練習グリーンでそうする人は滅多にいない。これは問題だ。何故なら、本番と練習の違いがラインを見る目を正しく訓練するのを妨げるため、ターゲットを狙うパターフェースの向きが正しいかどうかは当てずっぽうにならざるを得ないからだ。

練習であってもボールの線をラインに揃えれば、あなたのストロークがインパクトでスクウェアだったかどうか知ることが出来る。ソリッドにボールを打てば、ボールはその線を揺らすことなく一線にして転がる。それは練習でも本番でも、あなたのパッティングが成功している徴(しるし)である」

 

(May 20, 2018)

パットの左へのミスを防止する

 

'Use your body to roll putts on line'
by Kip Puterbaugh ('Golf Magazine,' February 2007)

「あなたのセットアップと狙いが正しいのに、パットを常に左へミスするという場合、ボールを追いかけるような上体の動きによって、インパクトで肩がオープンになっている恐れがある。

目でボールを見据えていると、ボールの動きに連れて上体が開いてしまう。それを防ぐには《目よりもパターを先行させる》ことだ。妙な感じを抱くかも知れないが、インパクトでパターに目を追い越させれば(目はボールがあった場所に留まっている)、肩がスクウェアになっている間にパターの仕事が完了し、狙った通りのポイントにボールが転がって行くという寸法だ」

私の父は、パターで質の良い打ち方が出来るようになるドリルを教えていた。1セント硬貨を一枚グリーン上か絨毯の上に置く。その上に10セント硬貨を乗せる。父はわれわれに1セント硬貨を動かさずに、10セント硬貨だけを打つように命じた。これは、ボールの底部でなく若干上向きのコンタクトを教えるドリルであった。このドリルは本当に役立つ。私の父はコインを用いるこのドリルを教えるのに飽きなかった」

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これは「頭を残せ」、「ボールを見送るな」、「結果は音で知れ」などと同じことなのですが、「パターに目を追い越させる」という具体的なアクションがあるだけ、明解であり実行し易い方法と云えましょう。確かに、ボールを凝視していると、目・頭につられて上体が早期にオープンになりがちです。パットの名手Loren Roberts(ローレン・ロバーツ)は「アドレスしたら目の焦点をぼやかしてしまう」そうです。これもボールを目で追わないための一法でしょう。

(May 20, 2018)

短いパットはタップインの要領で

 

スポーツ心理学者Dr. Joseph Parent(ジョゼフ・ペアレント博士)によるショート・パットのミス防止法。

'Stroke your knee-knocker as if they're tap-ins'
by Dr. Joseph Parent with Scott Smith ('Golf Digest,' July 2005)

「ゴルフは、無理矢理何かを達成しようとすると火傷を負うゲームである。それはドライヴァーで打ったボールをフェアウェイど真ん中に誘導しようとしたり、ショート・パットをカップに捩じ込もうとする場合にも全く同じように当てはまる。

逆に、マリガン【編註:無罰で打ち直す非公式慣行】で打った素晴らしいドライヴァー・ショットや、カップに数十センチのタップインのボールを何も考えずスムーズに転がせたことが過去何度あったか考えてみてほしい。カップ無しで、その本能的タップインのストロークを練習してみられたい。そのボールは1〜1.2メートル転がる筈だ。であれば、次回1〜1.2メートルの膝がガクガクする距離のパットをする際、タップインさせるようにストロークすればよいのだ。ショート・パット成功率の向上、疑い無し」

【参考】
・「攻撃的パッティング」(tips_1.html)
・「カップに注目」(tips_74.html)
・「1mのパットをミスしないために」(tips_78.html)
・「短いパットは打って止めよ」(tips_94.html)
・「ショート・パット成功の三つの鍵」(tips_107.html)
・「1.2mのパットを気楽に入れる」(tips_129.html)
・「カップの向こうの壁を狙え」(tips_129.html)
・「ショート・パットの研究」(tips_133.html)
・「ショート・パットをミスする原因:インストラクター四人の意見」(tips_141.html)
・「ショート・パット距離感の目安」(tips_147.html)
・「Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の ショートパットに重圧を感じる理由(わけ)」(tips_157.html)
・「1mのパットに習熟する練習法」(tips_181.html)

 

(May 20, 2018)

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のロング・アイアンの打ち方

 

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)が'Golf Digest'誌に四年間連載したアメコミ風カラー・イラスト満載のインストラクション'Jack Nicklaus' Lesson Tee'(ジャック・ニクラスのレッスン・ティー)の総集編より。慢性フック病に悩んでいる方は必読のtipです。スウィングを改造することなく、フックを消滅させることが出来ます。

'Jack Nicklaus' Lesson Tee'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (Golf Digest/Tennis Inc., 1977)

「多くのゴルファーがロング・アイアンを打つのに困難を感じる。彼らはあまりにも急角度でヒット・ダウンしようとするからだ。

彼らは地面にクラブを突き刺すか、ボールの後ろでダフってしまう。これらのクラブではボールを掃くように打つべきなのだ。ロング・アイアンを打つスウィングのセットアップをする際、ドライヴァーのスウィングを思い起こすとよい。ボールをクラブヘッドで払うように打てば、ディヴォットを取るのではなくインパクト後に草を薙ぎ払うだけとなる」

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インストラクターによっては、「ハイブリッドはアイアンの代わりなのだから、アイアン同様ダウンブローに打つべきだ」と唱える向きもありますが、上のJack Nicklausが云うように「ロング・アイアンは掃くように打つべき」なら、ロング・アイアンの代わりであるハイブリッドも掃くように打つべきでしょう。事実、私はハイブリッドをアイアンのようにではなく、3番ウッドのように打って成功しています。

【参考】「ハイブリッド打法の大嘘」(tips_147.html)

 

(May 23, 2018)

手打ちを手討ちにいたせ

'Stop the over-the-top'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' October 2003)

「あなたがスライスやプルを多発しているなら、ダウンスウィングの開始で右肩を落下させるのでなく、ボールに向かって動かしているに違いない。このトップからの手打ちの動きは、インパクトへかけてのアウトサイド・インの軌道の原因となる。もしこの軌道にクラブフェースがスクウェアならプルとなり、もしオープンならスライスとなる。以下は、手打ちの二つの原因とその手当の方法である。

《原因その壱:フラットなバックスウィング》

テイクアウェイでクラブをかなりインサイドに引っ張り込むと、それはあなたの身体の背後に動き過ぎる。この位置からだと大抵のゴルファーは本能的に同じ道筋を辿ってボールへとクラブを戻す。問題は彼らがやり過ぎて、アウトサイド・インの軌道でクラブを投げ出すことだ。

《手当:ストレートに行け》

正しい軌道でクラブを引き始めるには、【テイクアウェイで】クラブフェースが可能な限り長くボールを見続けるように、ターゲット後方へ真っ直ぐスウィングすることに集中する。これがトップでクラブを正しく位置させる。

《原因その弐:ボールへのよろめき》

もう一つの一般的過ちは、ダウンスウィングを上体でスタートすることだ。そういう動きは、トップからクラブを投げ出すことに繋がる。

《手当:逆転をちょっと待て》

両脚がダウンスウィングを始める間、背中をターゲットに向けたままにする。下半身がリードすることによって、右肩は両腕が振り下ろされる間左肩の後ろでぐずぐずする」

 

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もう一つ付け加えるなら、「正確無比なショットの秘訣」(tips_185.html)にあるように《下半身主導で、右肘がズボンの右ポケットを越えないスウィング》をすれば、絶対手打ちにはならず、飛距離も方向性も安定します。

(May 30, 2018)

FLW(フラット・レフト・リスト)のインパクト予習

 

'Get the left wrist flat'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' June 2005)

「スウィングのトップで左手首がフラットであるべきかどうかについて、意見の一致を見ることはないであろう。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)とTiger Woods(タイガー・ウッズ)は手首を平らにするが、Ben Hogan(ベン・ホーガン)の左手首は常に凹型であり、それはFred Couples(フレッド・カプルズ)も同じである。一つだけ確かなことがある。低く、突き刺すようなアイアン・ショットでの左手首は、最も重要なポイントであるインパクトにおいてフラットでなくてはならない。それを達成するには、ダウンスウィングの開始からフラットにしておくべきである。

バックスウィングで両手が腰の高さに到達したら、左手首はコックされフラットになる。左腕が地面と平行になる頃には、左手首はフルにコックされるがフラットである。この段階から腕がクラブを持ち上げて、左手甲側の手首がクラブシャフトと共にプレーンを形成する。このプレーンを正しく形成すればクラブシャフトはターゲットを指す筈である。ダウンスウィングを開始しながら、この左手首の角度を正しく維持すれば、パワフルで突き刺すような弾道が得られることになる。

《ドリル》

バックスウィングのトップとインパクトを結びつけるには、インパクトの予習をすることだ。ボールにアドレスし、腰を左に廻し両手をターゲット方向に押して左手首がフラットになり、クラブフェースがボールにかぶさるようにする。数秒間そのまま静止し、スウィングを始める。

ダウンスウィングの間、予習したインパクト・ポジションに戻ることに集中する。この方式で何発かスクウェアなショットが打てたら、通常のアドレスに戻って、同じコンタクトが得られるように努める」

 

【参考】
・「インパクトを予習する」(tips_88.html)
・「驚異のFLW(フラット・レフト・リスト=フラットな左手首)」(tips_155.html)

(May 30, 2018)

左肘が折れても構わない

 

'The Best Golf Tips Ever'
edited by Nick Wright (Contemporary Books, 2003, $24.95)

「インストラクターBob Toski(ボブ・トスキ)とJim Flick(ジム・フリック)の二人が口を揃えて云う、『左腕を伸ばし続けようと努力するのは腕と肩の緊張に繋がる。左腕を硬直させ続けようとし、バックスウィングで無理に腕を伸ばそうとすると、反射的にダウンスウィングで腕はリラックスして折れてしまう。どっちかでミスを犯すのなら、バックスウィングで左腕が僅かに折れている方がまだましだ』」

(May 30, 2018)

パーマーのConnection(コネクション)

 

Arnold Pakmer(アーノルド・パーマー)が説く、Jimmy Ballard(ジミィ・バラード)のconnection理論に酷似したメソッド。

'The Best Advice Ever for Golfers'
edited by Robert McCord (Andrews McMeal, 2001, $12.95)

「まあまあのゴルファーがコンパクト・スウィングをマスターする早道は、アドレスからフィニッシュまで左右の肘が常時近いまま留まっているようにすることだ。両肘がアドレスした位置から遠くに離れると、スウィングはゆるゆるになり、だらけてしまい、結果はムラのあるものとなってしまう。コンパクト・スウィングを構築すると、スウィングの間中頭を錨として留めることが可能になる」

【参考】「Jimmy Ballardメソッド ①《"Connection"とは何か?》」(tips_151.html)

(May 30, 2018)

打つのでなく、スウィングせよ

 

Macdonald Smith(マクドナルド・スミス、1892〜1949、英国生まれ)は米PGAツァーで24勝、全29勝を挙げたプロ。

'Swing, don't hit'
by Macdonald Smith ('The American Golfer Magazine,' 1930)

「『打つ』というのはテンション(筋肉の硬直)を意味する。『スウィング』という言葉の意味はその正反対である。スウィング動作では、【バックスウィングで】体重は左から右へと手・腕・クラブヘッドの移動につれ(右から左へ動く時よりもずっと)楽に動く。

私は、スウィングがスタートしてからのコントロールの基礎は、左脚に向かって打つことだと考える。だから私は【ダウンスウィングで】左踵を下げ、左サイドが正しい位置に納まるように気をつける。インパクトの瞬間に、もし左脚がスウィングを捉え抱きとめる用意が整っていなかったら、パワーとコントロールを得るのは不可能である。私は左サイドに向かってスウィングするが、これは頭を定めた場所から動かさず、ルックアップ(=ヘッドアップ)を防止する役目も果たす」

(May 30, 2018)

Brooks Koepka(ブルックス・ケプカ)のバンカー・ショット

 

2018年5月下旬のFort Worth(フォートワース)招待、Brooks Koepka(ブルックス・ケプカ)は何度かバンカーからチップインさせる妙技を見せました。TV中継を見ていた私は、彼のフォロースルーで、フェースがもの凄くオープンであることに気づきました。

Youtubeヴィデオで確認したところ、彼は両手がほぼ膝に接するくらい下げています。両手を肩の高さに上げ、90°のコック。そして、フォロースルーは胸の高さ。つまり、バックスウィングは高いが、ダウンスウィングのプレーンは極度に低くなるのです。この低いプレーンがオープン・フェースを保つ秘訣のようです。

彼の使用クラブは不明ですが、完全にピンにスクウェアにアライメントしている(よく云われるように、ピンの左を向いているのではない)ところからして、サンドウェッジ以外、多分、ギャップウェッジかバウンスの少ない60°ウェッジ。

また、ほとんどのチップインがそうであるように、長いランで転がってカップ・インしています。この場合、約10ヤード。このランの量からすると、使用クラブはギャップウェッジかと思われます。チップインは幸運の所産であるとは云え、一つのトーナメントで何度も“サンディ”を出したBrooks Koepkaの技は素晴らしい。

数日後、ケプカ流バンカー・ショットを練習してみました。最近の私は常時60°ウェッジを使っていますので、それでピンに身体を揃えてスウィング。やはり、低くフォローを出すのがコツです。クラブヘッドを低く保とうとすれば、間違ってフェースを返してしまうことが防げ、維持したロフトによって間違いなく脱出出来ます。“点”として砂にクラブを突入させるのではなく、ボールを中心に灰汁を掬うように“面”として砂を掬うので、突入地点もアバウトでいいことになります。

10ヤード前後の短いバンカー・ショットでは、クラブを短く持てば短かめに打てます。その際、バックスウィングの幅は変えず、コックも最大。でないと、加速(=脱出のエネルギー)が生じません。10ヤード以上ではクラブを長く持つ。これで距離調節も可能になります。

 

(June 03, 2018)

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)の長いバンカー・ショット

 

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)による、距離の長いバンカー・ショットへの注意事項。

'How to play the long bunker shot'
by Tiger Woods with Pete McDaniel ('Golf Digest,' September 2000)

「距離のあるエクスプロージョン・ショットの場合、私はややオープン・スタンスで構えるが、クラブフェースはターゲットにスクウェアである。クラブを突入させる地点に焦点を合わせ、僅かな肩の回転を伴ういいリズムのバックスウィングをする。そこから私の想念は、インパクトにかけて加速することだけに絞られる。かなり長いフォロースルーをとる。

短いバンカー・ショットとの違いはスウィングのスピードとフォロースルーの長さだ。長いバンカー・ショットの鍵はクラブヘッドが砂を打つ際にかなりのクラブヘッド・スピードを生み出すことと、加速することの二つだ。

アマチュアが犯す最も一般的なミスは、インパクトで減速することだ。これでは、必要な距離を飛ばすことは不可能である」

次のは、80〜100ヤードのバンカー・ショットについての、インストラクターRick Smith(リック・スミス)の推奨の手法。

'Try my 8-iron specialty shot'
by Rick Smith with Ron Kaspreske ('Golf Digest,' August 2002)

「80〜100ヤードのバンカー・ショットは、ゴルフの中で最も難しいものの一つだろう。理想的には、フル・スウィングをしてボールを高く上げ、ソフトに着地させてランを少なくしたいところだ。

1) 8番アイアンをフィンガーで握る。

2) クラブのヒールがトゥより高くなるように構える。

3) クラブフェースをオープンにし、僅かに左を狙う。

4) 通常より多少伸び上がるように立つ。

5) 砂よりも前にボールを打つ」

 

(June 03, 2018)

湿ったバンカーからのピッチング

 

'Golf Magazine'誌が当時の一流プロたちのtipを集め、素晴らしいイラストとの見開きで編集した素晴らしい本より。U.S.オープン優勝者でPGAツァーほかで計27勝を挙げたプロJohnny Farrell(ジョニィ・ファレル、1901〜1988)のバンカーtip。

'Golf Magazine's Pro Pointers and Stroke Savers'
edited by Charles Price (Harper & Publishers, 1959)

「砂が湿っていたり固い場合には、ボールをクリーンに打てる。砂が乾いていたりさらさらしている時には、このショットを試みるべきではない。この手のショットには8番か9番アイアンを使うべきで、ウェッジはお呼びでない。

・オープン・スタンスをとり、体重はやや左側にかけ、ハンドファーストで構える。
・ボール位置は左踵の正面。
・アドレスで、前腕部(特に右)をリラックスさせるように努める。右前腕はテンションが最も発生し易い場所だからだ。
・バックスウィングでエクスプロージョン・ショットよりさらに多く手首をコックする。
・前腕と手首を用いて、ボールを砂よりも先に打つ。

このショットは、ディヴォットの取り方まで事実上フェアウェイでのチップ・ショットと同じように打ってよい。何を隠そう、メンタル的にはボールの下に草があると考えて正解なのだ」

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60°ウェッジが一般的となった昨今では、もしそのバウンスが少なければ…という条件付きで、湿ったバンカー、固いバンカー、砂の層が薄いバンカー等では、60°ウェッジが最適だと思います。

(June 03, 2018)

Cary Middlecoff(ケアリ・ミドルコフ)のバンカー・ショット【難しいライ篇】

 

【おことわり】この記事の筆者Cary Middlecoff(ケアリ・ミドルコフ)は、実はバンカー名人ではなかったという話を聞いたので、このtipの公開は最後の最後まで控えていました。しかし、何方かのヒントにはなるかも知れないので、日の目を見せることにします。

メイジャー優勝三回を含むツァー41勝を達成したCary Middlecoff(ケアリ・ミドルコフ、1928〜1998)の「バンカー・ショット基本編」(tips_151.html)に続く、目玉や傾斜地などタフな状況のバンカー克服を目指す上級篇。

'Advanced Golf'
by Cary Middlecoff (Burford Books, 1957, $16.95)

「・目玉

これは易しいショットではない。これから脱出するには、ボールの右方5センチのところにクラブの強打を与えなくてはならない。この一撃の下降する空手チョップの特徴を強調するため、ボールをターゲット・ラインの右踵の前方に置く。クラブヘッドは5〜7センチほど砂に打ち込まれるべきなので、フォロースルーはほぼ期待出来ないが、それでもあなたの力が許す限りフォロースルーをとろうと努力するように。

このショットではバックスピンがかからないので長めのランを見込んでおくこと。

・砂に埋まったボール

クラブフェースを少しクローズにする。これは明白に砂に突入する角度を与える。このショットにはフルスウィングが不可欠である。なぜなら、ボールをグリーンに打ち上げるには、あなたの全力か、それに近いパワーが必要だからだ。

このタイプのショットの際、私は目はボールではなくクラブヘッドが砂に突入する箇所を見つめる。

・極端に深く砂に埋まったボール

これにはピッチングウェッジか9番アイアンが効果的である。鋭いリーディングエッジを砂に突入出来るからだ。バウンス【編註:日本方言では「バンス」】が大きいサンドウェッジだと砂で弾かれて跳ね返ってしまう。

[Paula]

・左足上がり

スロープの傾斜に身体を快適に合致させるため、体重を右足に掛ける。ボールはターゲット・ラインの右踵の前方に置く。これだと下降するスウィング弧の最後でクラブヘッドが砂に突入する。スウィング弧がやや上昇を始めた時に砂を打ったとしても、大怪我にはならない。左足上がりのライでは、クラブヘッドがターゲット方向に向かうほど砂の層が厚くなる。だから、平らなライの場合よりボールに近いところにクラブを突入させなくてはならない。

・顎の間近で砂に埋まったボール

クラブを多少アウトサイドに引き、インサイドにボールに戻すとよい。これは通常のショットでスライスやフェードを打つのと同じである。このカットする動きは、クラブヘッドが打ち抜くのを容易にし、ロフトによって顎を越えるのを助けてくれる。

・左足下がり

これは左足上がりの反対の調節をする。体重は主に左足、ボールはターゲット・ラインの右踵の前方に置く。クラブヘッドはボールの右方約2.5センチのところの砂に突入させる。

・非常に短い距離

ボールがグリーンエッジに極めて近く、ピンもバンカーに近い場合、フォロースルーを短くするだけで通常のバンカー・ショットをすればよい。だからといって、これはクラブヘッドを砂に突き刺し、フォロースルー無しでいいと云うわけではない。明確なフォロースルーがあるべきだが、クラブヘッドは1メートルほどボールを通過するべきである。

・バンカーからチップショット

これは時には賢い選択だが、常にある程度の危険が伴う方法でもある。これを遂行出来る条件は、クリーンなライで、ボールを隠すような砂が全く存在しないことだ。そして、前方に高い顎が無いこと。ピンまでボールが転がる余地(9メートル前後)があること。

正しいテクニックは、体重を主に左足にかけ、ボールは通常の(草の上からの)チッピングより右足の近くに位置させる。これを遂行する場合、先ず(砂ではなく)ボールを先に打つことを絶対確実にしなければならない。もし、ボールの右側の砂を打ってしまうと、クラブヘッドは砂に留まってしまいがちになり、結果を台無しにする。ダウンスウィングは、どんなチップショットもそうであるように、下方に打ち抜かれるべきである。これはボールが急速に停止するショットではない。

これは落ち着いた心境と自信のあるスウィングを必要とするショットだ。一抹の不安があればこれは断念し、普通のエクスプロージョン・ショットを行うべきである。

・バンカーからパターで出す

これは時には最も安全なショットである。上のチップ同様、クリーンなライで、スムーズなグリーン方向への上昇気味の傾斜があり、顎が無いことが条件だ。ソリッドにボールの中心を打てば、ボールは90°以下の傾斜なら駆け上がって行く。

あまりにもボールを低く打つと、ボールは出て行かない。ボールの天辺近くを打つと、ボールは砂にめり込み、少し転がるだけに終わる。湿って固い砂、あるいは浅い砂であれば、パッティングはかなり安全である。ソフトで深い砂の場合、パターを使うのは危険だ。

・長いバンカー・ショット

フル・ショットまではいかないが、かなりキャリーが要るというケースは、かなりタフなショットである。正しく遂行されたエクスプロージョン・ショットは30ヤード以下のキャリーでしかない。もっと距離が必要で、ライが芳しくなければ、ボールと砂を同時に取る必要がある。ボールが僅かでも砂に埋まっていると、これは困難極まりない状況だ。この場合の最良のメソッドはクラブフェースをややクローズにし、ボールと砂を同時に捉えることだ。ライがクリーンなら、ボールと先に接触すれば、距離はそこそこ正確に打てる筈だ」

 

Creditのない画像はhttps://www.gannett-cdn.com/にリンクして表示させて頂いています。

(June 03, 2018)

三階建ての家の高さを越えてオンさせる

 

誇大広告ではありません。本文でちゃんと「三階建ての高さの木」となっています。それを越えて、グリーンにオンさせるという大スペクタクル。

'Tree? What tree? 3 Ways to scale any obstacles'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' March 2015)

「あなたはドッグレッグの曲がり角を打つのに成功したと思ったのだが、何とボールとグリーンとの間には三階建ての建物ぐらいの木があるではないか。もちろん、フェアウェイにピッチして戻すことは出来る。でも、それって楽しくないよね?

ボールの少なくとも半分は芝の上に出ているライで、あなたと木の間に充分な距離があれば、あなたはボールをグリーンに乗せ、バーディ・パットにトライすることが可能だ。

① ロフトを活かすアドレス

決行すると決めたら、その距離に通常ふさわしいクラブより短いものを選ぶ(ロフトを増すため)。そしてハイ・フェードを打つような構えをする。肩幅を少し越える程度のワイドなスタンス。ボール位置は通常より2〜3センチほどスタンス前方。クラブフェースはターゲットを向くが、両足と肩を若干ターゲットの左に揃える。

② 真っ直ぐ上げるバックスウィング

スタンス・ラインに沿ってバックスウィングをする(かなり急角度)。観覧車のように、トップへと真っ直ぐ上げる感覚を得ること。これはシャープにヒットダウンし、ボールを急速に上昇させるのを助ける。バックスウィングの腰の高さで、クラブヘッドが手よりアウトサイドに出ていることを確認する。このアウトサイドへのテイクアウェイはクラブフェースをオープンにし、クラブにさらなるロフトを加える。

③ インパクト後腕を畳む

 

インパクトでは、両手を伸ばしたフル・リリースではなく、両手を畳んでクラブが急速に天を指すフォロースルーを考える。これはヒッティング・ゾーンでクラブフェースをオープンにし続ける。スウィングの留意事項としては、クラブヘッドはインパクトでほんの一瞬地面と接触するだけと考える。これは、さらなる縦のリリースを生み、シャフトをフォロースルーの位置へと急上昇させる」

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私のコースのNo.17でティー・ショットをプッシュすると、ボールは枝を広げた大木(これも三階建ての高さ)の後ろになってしまいます。残り120ヤードは、普通なら私の場合8番アイアンですが、フェースを開き右体重にして木越えを試みると、大幅に飛距離が減ってしまうので6番アイアンにしなければ届きません。その6番アイアンで、これまでに二度2オンさせています。上の記事では「短いクラブを選ぶ」となっていますが、私の場合は全く逆です。

本日のNo.2(パー4)、私はティー・ショットをプルして左隣りのホールのフェアウェイに。目の前に、二階建て半ぐらいの高さの木が数本立っています。残りヤーデージは110ヤードでしたが(平地なら9番の距離)、No.17の例に倣って2クラブ増し、7番アイアンの右足体重でスウィング。ボールは、ぴったりピンの下につきました。

【参考】
・「われ泣き濡れて木々と戯(たわむ)る」(tips-183.html)
・「高い木を越すショット」( 〃 )

(June 06, 2018)

バックスウィング出来ない窮地からの脱出

 

'Scrambling Golf'(窮地脱出のゴルフ)という本から、クラブを持ち上げるのが難しい場合のショット。

'Scrambling Golf'
by George Peper (Prentice-Hall, 1977)

「あなたのバックスウィングを細い小枝が邪魔しているという状況。それは大きな邪魔物ではないのだが、あなたを不安にさせ、そのショットに100%集中出来ない。では、どうすべきか?バックスウィングを素っ飛ばして、トップからスウィングをスタートすればよい。

普通にアドレスし、トップを形成し、フルにコックする。この体勢を作るスムーズな方法は、もちろんそこまでバックスウィングをすることだ。トップに到達したら、一時停止する。目でボールを見据え、両手を振り下ろせば、小枝をひゅっと通り過ぎてボールを打てる。

このように、邪魔物が存在する地点からダウンスウィングをする方法は、様々に利用出来る。

一般的注意。このショットを行う前に何度か舞台稽古をしておくとよい。なぜなら、これは型破りの作戦行動であり、真剣なラウンドで公開する前に、慣れておくべきだからだ」

 

(June 06, 2018)

右手一本で背後に打たねばならぬ場合

 

'Golf Tips from the Pros'
edited by Tim Baker (David and Charles Limited, 2006, $14.99)

「ボールが木に近くて普通にアドレス出来ない時、このバックハンドがベスト。やってみると驚くほど簡単である。

このショットはロフトのあるクラブでだけ可能。多分、ピッチングウェッジが最良の選択であろう。

テクニックは極めて単純。ターゲットにスクウェアに背を向け、ボールを右足横前方(ターゲットの反対側)数10センチのところに置く。これによってボールを下降気味に捉えることが出来る。

手首を固くし、クラブを身体の前方(ターゲットの反対側)に上げ、ボールの背中にかっちりとクラブヘッドを落す。手首が折れてもいいのはフォロースルーの時だけである」

【参考】
・「バックハンド・ショット」(tips_105.html)
・「曲芸的ショット」(tips_25.html)
・「トラブル・ショットの要点」(tips_88.html)
・「トラブル・ショットの心構え」(tips_179.html)
・「コースでの七つの難問、その解決法」(tips_187.html)

 

(June 06, 2018)

急な左足下がりのショットを寄せる

 

'How to catch it clean from a downslope'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' November 2014)

「グリーンに乗せられる距離の左足下がりのライにボールがある場合、平坦あるいは左足上がりのライに較べ、バランスを保ちパワーを生み出すのは困難である。たとえ140ヤードであろうと、グリーンに乗せるのは容易ではないと思う筈だ。

・セットアップ:右足を下げよ

肩幅のスタンスで、ボール位置はスタンス後方(右足踵の前方)。地形の傾斜に合わせて肩のラインを平行にし、右足をターゲットラインから約30センチほど下げる。これはインサイド・アウトのスウィング軌道に右脚が邪魔にならないようにする措置である。こうしないと、クラブを真っ直ぐ上に上げなければならなくなり、過度に急角度な攻撃によってパワーを損なってしまう。

・ダウンスウィング:傾斜に沿ってスウィングせよ

バランスを失うことなく可能な限りフル・リリースをする。インパクトで右手は左手にかぶせる。これはクラブフェースをスクウェアにするだけでなく、クラブヘッド・スピードを増す。傾斜に沿ってスウィングするが、左膝の柔軟性を保つこと。過度にパワフルに打たないこと。それはバランスを失い、ダフる原因となる。

以上のポイントを守って節度あるスウィングをすれば、そこから二打で上がれるのはほぼ間違いない」

 

(June 06, 2018)

ウェッジの打ち方・あっと驚く最新版(3)

 

インストラクターJames Sieckmann(ジェイムズ・スィークマン)が確立し、多くのツァー・プロに教えているメソッドの練習法。「ウェッジの打ち方・あっと驚く最新版(1)」(tips_149.html)、「ウェッジの打ち方・あっと驚く最新版(2)」(同左)に続く完結編。

'The new way to hit your wedges'
by David DeNunzio ('Golf Magazine,' July 2013)

「ウェッジの新しい打ち方は、ダウンスウィングの連続動作を変えることに尽きる。クラブは切り返しから腕よりも早く動き、それ以後腕と胸でクラブの動きを助けることを学ばなくてはならない。

その練習として利き腕一本でボールを打ってみる。James Sieckmannは『あまりにも単純に思えるだろうが、これはパワフルなドリルだ。こんな風にソリッドなショットを打つことは、あれこれ思い煩うことなく正しいスウィングの連続を自動的に生成するからだ』と云う。言葉を替えれば、正しいクラブヘッドが身体をリードするように動かないと、ダフったりトップしたりするということだ。このドリルを遂行する際、以下のことに留意すべし。

1) クラブヘッドを先に動かせ

クラブが真っ先に加速し、腕、胸がそれに続き、最後に腰が続く。(そう、この順序はフルスウィングの正反対である)

2) インパクトにかけて胸を廻せ

胸を廻すことはクラブのリリースを助け、インパクトで腕をストップさせないことを保証する。右腕が身体を通り越すようにスウィングを続け、クラブヘッドが両手を通り越すようにスムーズに加速する。フィニッシュでグリップがあなたのお臍を指し、クラブフェースが僅かにオープンであれば、あなたが正しく遂行した証拠である。

3) フィニッシュの体勢のグリップに左手を添える

左手をハンドル(グリップ部分)に適合させるため、左肘を折り左手首を凹型(手首の裏側に皺が出来る)にする。

 

これらが正しくクラブヘッドをリリースし、ロフトとバウンスを最適化する鍵となる動きである。

パワー・スウィングは可能な限りスピードを生み出したいものなので、ロフトとバウンスは重要ではない。James Sieckmannは次のように云う。『技巧的スウィングにおいては、スピードをコントロールし、ロフトとバウンスを利点として用いる』 二つのスウィングをメンタルに切り替えるように、動作手順にも変更が加えられる。

James Sieckmannによれば、短いショットにおける下半身の役割は安定とバランスを与えることであり、パワーを作り出すために使うものではない。彼の2010年以降の教え子Nick Watney(ニック・ワトニィ)のダウンスウィングは先ずクラブを身体の前で動かすことで始まる。それは穏やかな投擲動作と考えられる。James Sieckmannは『重力を友とせよ』と云う。Nick Watneyの腰はクラブが身体の前に戻るまで全く回転しない。『あなたが追求すべきものは、ソフトでリラックスした腕が下半身を追い越してクラブを振り、同時に胸が同じスピードでターゲット方向にスムーズに回転する…というものだ』とJames Sieckmann。 あなたが5番アイアンをこのように打つと、ボールは全く飛ばないだろう。『基本的に、偉大なウェッジ・プレイヤーたちは故意にスウィングを弱々しくしているのだ』とJames Sieckmannは云った」

(June 10, 2018)

Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)の旧型チッピング

 

Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)は、長らく距離によって数種のクラブを使い分けるチッピングをしていました。これが旧型。2003年にPGAツァーのColonial Tournament(コロニアル・トーナメント)に参加した時、男子プロたちがロブ・ウェッジ一本でチップしているのを知り、自分もそちらに宗旨替えしました。それが新型。以下はクラブを使い分ける旧型ですが、彼女に云わせればこちらの方が簡単で、素人にお勧めだそうです。

'Golf Annika's Way'
by Annika Sorenstam with editors of Golf Magazine (Gotham Bools, 2004, #30.00)

「着地点を一定にし、必要なランの距離によって異なるクラブを用いるチッピングは、なおも一般ゴルファーには頼りになるメソッドである。一本のクラブで着実にチッピング出来るようになるには、かなりの練習が必要だ。絶えずセットアップを調節し、正しい距離のキャリーを生むスウィングの長さの感覚を開発しなければならない。数本のクラブを使う場合、セットアップ、ボール位置、スウィングの長さはほぼ同じでよい。

先ず着地点を決める。それは比較的平らな、グリーンまで3フィート(約90センチ)の場所であるべきだ。フリンジ【編註:グリーン外縁の草の長い部分】や斜面には絶対に着地させないこと。ボールは急停止するか、あさっての方にジャンプしてしまう。

次にボールから着地点までと、着地点からカップまでの距離を歩幅で測定する。私のコーチHenri Reis(アンリ・リース)が教えてくれた《キャリー対ラン》の割合は以下の通り」

 キャリー:ラン

サンドウェッジ 2:1
9番アイアン 1:1
7番アイアン 1:2

【編註:当然、グリーンの勾配によって若干の調節が必要になります】

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上は覚え易い簡単な数字の割合だけ選ばれているようで、8番やGW、私の愛用の60°ウェッジの割合などは含まれていません。

 

(June 10, 2018)

転がしの距離調節

 

アメリカのTV中継では、アナウンサーたちがゴルファーのピン近くに寄ったチッピングの成功を"He had a good judgement."(よい判断だった)と評することがしばしばあります。”judgement"という言葉を「距離感」という風に使っているわけです。

私の50ヤード以内の寄せは、ロブ(60°)ウェッジ一本が頼り。距離さえ正確に測定出来れば多少方向のバラツキはあっても、距離だけはぴったりに寄せられます。しかし、ボール近くに木の枝がせり出していたりするとお手上げです。60°ウェッジのボール軌道は相当高いですから。

私の仲間たちは、ロブ・ウェッジを持っていないか、持っていても練習しないせいで、グリーン近くになると転がす人が大半です。中には50〜60ヤードを(たとえバンカー越えでも)パターで転がす者までいて、パターヘッドが過労でシャフトから外れてしまう始末(実話)。

私は転がしは嫌いです。地面のコンディション(凸凹や湿気)に左右され、イレギュラーなバウンドで距離も方向も予測がつかない結果になることが多いからです。私がプレイしている市営ゴルフ場で、私がグリーン近くの林に入れて転がししか手段がないという事態に陥るのは、たった三ホールしかありません。それも、私が真剣に転がし手法を学ぼうとしなかった理由の一つです。しかし、60°ウェッジが使えないと、初心者のようにショートしたりオーヴァーするのが恥ずかしくなって来ました。

で、非常に遅ればせながら(^^;;、バンプ・アンド・ランの練習を始めました。私のショートゲームはピッチング、チッピングもパッティングも、全て打つ強さを一定にしてバックスウィングの長さで距離調節しています。転がしでも同じ方法を使いたいと思いました。しかし、問題の三ホールで実際に試してみると、その手法では弱過ぎ、地形と地面の影響をモロに受けてグリーンまで届かないことが判明。一頓挫。

その後、私は24°ハイブリッドを【註】、手が右太腿の上までバックスウィングだと○ヤード、そこを越えるバックスウィングだとどこそこまで行く…というシミュレーションを脳内で行い、ボールをピンまで到達させるためのバックスウィングの長さを視覚化するようにしました。以前は、最初から全距離を転がす素振りをしていたのですが、多くの場合、ショートしたりオーヴァーしたりで最悪でした。それが、このように全距離を小刻みに分割してスウィング幅を拡大していくことによって、成功率が向上し始めたのです。失敗するにせよ、成功するにせよ、この試行錯誤の結果は脳内のデータベースに残り、次回の役に立つ筈です。

【註】なぜハイブリッドかというと、ソールが幅広いためアイアンのように地面でつっかえる恐れがないからです。スプリング効果によってかなり転がります。私は30ヤード程度なら24°、それ以上なら21°を使っています。

アメリカのTVアナウンサーたちは、困難なライに直面したゴルファーの状況について"He needs a good imagination."(彼に必要なのはよいイマジネーションだ)と云うことがよくあります。高い木を越えるショット、深いラフ、左足下がりのバンカー・ショット等々。こういう状況では打つ前にどんな軌道のボールを打つか、先ずその軌道を脳裏に描き、それを達成するスウィングをしなければなりません。

 

私の転がしも結果を想像し、アイ=ハンド・コーディネーションによる潜在意識の動作に任せるわけで、ここには”judgement"(判断)というものはなく、ひとえにイマジネーションの成果です。

出来るだけ多く転がしを試し、イマジネーションを使って手加減による距離感を身につけないといけません。60°ウェッジによる高い軌道、24°ハイブリッドによる低い軌道という両方の選択肢が獲得出来れば鬼に金棒なのですが…。

(June 10, 2018)

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の超簡単フック防止法

 

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)が'Golf Digest'誌に四年間連載したアメコミ風カラー・イラスト満載のインストラクション'Jack Nicklaus' Lesson Tee'(ジャック・ニクラスのレッスン・ティー)の総集編より。慢性フック病に悩んでいる方は必読のtipです。スウィングを改造することなく、フックを消滅させることが出来ます。

'Jack Nicklaus' Lesson Tee'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (Golf Digest/Tennis Inc., 1977)

「フック防止法の最後の手段は、クラブのハンドルを太くすることだ。ハンドルが太ければ太いほど、フィンガーではなくパームで握らねばならなくなる。こういう風にグリップすると、インパクトにかけて手首の動きをスローダウンさせ、それゆえインパクト・ゾーンでクラブフェースがクローズになるのを遅らせることが出来る。

ドローを打つには、私はアドレスで少しクラブフェースをクローズにし、足から肩までを若干ターゲットの右に揃え、通常通りスウィングする」

(June 10, 2018)

アライメントは踵で確認せよ

 

インストラクターの世界No.1として長く君臨するButch Harmon(ブッチ・ハーモン)のtip。

'Don't let your feet fool you'
by Butch Harmon with Ed Weathers ('Golf Digest,' October 2000)

「一般的に云って、あなたの両足はターゲット・ラインに平行であるべきだ。多くのゴルファーは、練習の際、クラブを一本横たえてアライメントをチェックする。

しかし、その方法は誤解を生む恐れがある。何故なら好きなように斜めにされた足によって、爪先を結ぶラインが歪められてしまうからだ。

正確なアライメントを知るには、踵にクラブを揃えるべきである」

(June 10, 2018)

嫌な方向へのスピンを拒絶する

No.3(231ヤード)パー4、ピンがグリーン左側にある時に二打目を寄せると、往々にしてボールは左へ切れ、グリーンの外へこぼれてしまいます。グリーン正面の外にしゃがんでよくよくグリーンを見ると、グリーン左サイドから左方向へ下っているのでした。長年月プレイしているのに気づかなかった(間抜け)。

先週のラウンドで、私のティーショットは左右に二つ並んでいるガード・バンカーの間の花道の手前に飛びました。残り40ヤード。乾燥し、ランが多くなっているのを勘案し、35ヤードと見積もりました。ボールがピンに近づいてから左へこぼれるのを拒否するため、僅かにフェースをオープンにしました。ボールをしっかと見つめながら打ったのですが、若干トップ気味となり、低く出たボールはピンを1メートルオーヴァーして停止。オープンにしてあったフェースのせいで真っ直ぐ転がり、外へこぼれるのを避けることが出来ました。うまくパットして、バーディ。

同じ日のNo.6(395ヤード)パー5。素晴らしいドライヴと3番ウッドのお蔭で(自画自賛)、ピンまで残り55ヤード。このグリーンはピンのかなり左を狙って打っても、着地後ボールはころころと右へ切れ、多くの場合崖下40ヤードに落ちちゃうという地獄のグリーン。で、この日、スライス・スピンを断固拒否するため僅かにフェースをクローズにして打ってみました。狙い所はいつもと同じピンの左。ボールはちゃんと予定した地点に着地しましたが、それでもなお右へ転がります。チーム仲間の「あああーっ!」と悲愴な叫び声。そのまま奈落に転げ落ちるボールを嫌という程見ているからです。ところが、ボールはピンを通過後1.5メートルのところで停止。仲間は、ラッキーだったねという顔で私を見ましたが、実はラッキーなどではなく、クローズ・フェースで打った作戦が功を奏したので、要は頭の使いようだったのです\(^o^)/。

残念ながらパットに失敗し、バーディは得られませんでした。しかし、この日試みたこの小さな一歩は今後のための偉大な一歩だったと思います。行きたくない方向は、ほんの僅かフェースを開閉するだけで拒絶出来るのです。これを活用しない手はありません。(オープンにし過ぎると距離がガタっと落ちますので、ほんの少し開くだけにすべきです)

 

(June 13, 2018)

さよなら、ホームラン

 

「さよならホームラン」ではありません。見出しの二語間の読点に御注目。「ホームランよ、さらば」の意です。

'Shallow it out in the sand'
by editors of 'Golf Magazine' ( 'Golf Magazine,' July 2018)

「あなたが記録的なホームラン・ヒッターなら、砂を沢山取ってダフるのが恐さに上半身を攻撃的にボールの前方へとスライドさせ、それがあなたのスウィング弧を前に移動させて、砂よりも先にボールを打ってしまうからだ。

そのビョーキの治療法は、砂に二本のティーを2インチ(約5センチ)離して深く刺し(頭が見える程度)、左側のティーにボールを乗せる。右のティーを抉るようにしてクラブヘッドを砂に突入させ、さらに左のティーをも掘り起こす。

この浅い角度ならボール以前に砂を打つことが出来る。覚えておくべきこと:ボールは砂の座布団に乗せて弾き飛ばすのだ…ということを。

本番ではクローズ目のスタンスで、体重を後方の足により多く掛ける。これが浅いスウィングに繋がり、より多くの砂を取るための勇気を与えてくれる」

[icon]

「Brooks Koepka(ブルックス・ケプカ)のバンカー・ショット」(06/03)で紹介した、彼の《高めのトップ、低いフィニッシュ》を試してみましたが、私には向いていませんでした。頭が単純なせいか、往復運動を異なる高さで実行するのが困難なのです。

上のこのtipを浅めのバックスウィング、低いフィニッシュで行う方がずっと楽です。

ドライヴァーを打つ時は、低く広い弧のテイクアウェイ、狭い弧のダウンスウィングをしていて、異なる弧の往復運動に何の疑問も持たず、困難も感じていません。単に慣れの問題でしょうか…。

この記事で勉強になったのは、1) ホームランの原因の一つは上体を前方にスライドさせてしまうこと、そして2) 後方体重にすることが浅いバンカー・ショットのコツである…という二点です。

 

(June 13, 2018)

Tiger(タイガー)流スティンガーで攻めよ

 

スティンガーは低く出て曲がらず、そのレーザー光線のような正確さでTiger Woods(タイガー・ウッズ)やMichelle Wie(ミシェル・ウィ)が愛好するショット。インストラクターMike Lopuszynski(マイク・ロパスィンスキ)が解説するスティンガーの要領。

'Golf Magazine's Play Like a Pro'
edited by David DeNunzio (Time Home Entertainment In., 2013、$29.95)

「スティンガーはロング・アイアンのどれかで低く飛ばすショットだ。もっとも、Tiger Woodsの場合はピッチング・ウェッジからドライヴァーまでどれでもありだが。これは風の中のショットや、フェアウェイが狭く正確さ第一で多少距離を犠牲にしてもいい場合に、役立つショットである。

1) ボール位置はスタンスのやや後方。あなたのシャツのボタンがボールの前方(ターゲット側)になるように。

2) クラブを1インチ(約2.5センチ)短く持つ。これによってボールに近く立て、ヒットダウンするのが容易になる。

3) 肩までのバックスウィング、肩までのフィニッシュをする。スウィングが短いほどボール軌道は低くなる。

4) 両手をクラブヘッドに先行させる。70%のスウィングをすること。ハードにスウィングするとロフトが増えてしまう。

5) 手首を凸型にしたインパクトをすること。これがロフトを減らし、距離を増す。

6) 3/4のフォロースルーをする。フル・フィニッシュは高い軌道になってしまう。だから、フィニッシュは短くせよ」

【参考】
・「Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のNewスティンガー」(tips_143.html)
・「スティンガーの留意点」(tips_105.html)
・「スティンガーの習得」(tips_107.html)
・「スティンガーの秘訣」(tips_135.html)

【おことわり】画像はhttp://media.golfdigest.com/にリンクして表示させて頂いています。

(June 13, 2018)

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の 両足をつけてテンポを構築せよ

 

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)が'Golf Digest'誌に四年間連載したアメコミ風カラー・イラスト満載のインストラクション'Jack Nicklaus' Lesson Tee'(ジャック・ニクラスのレッスン・ティー)の総集編より。

'Jack Nicklaus' Lesson Tee'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (Golf Digest/Tennis Inc., 1977)

「正しい足の動きを構築する最高の練習法は、両足をくっつけてボールを打つことだ。私が常に説いている『くるぶし』を回転させる動作に集中しながら。

5番アイアンを用い、スムーズな3/4スウィングをし、絶対にどちらの踵も上げないこと。数時間の練習で、スウィング全体はもちろん、あなたのテンポが良くなることに驚くことだろう」

(June 13, 2018)

ロング・パットを確実に寄せる方法

 

日本アマの最高峰・中部銀次郎は「グリーンの端からロング・パットを練習してもスコアは良くならない。アマチュアは1メートルか、せいぜい1ピンの距離を練習すれば凄くうまくなる筈だ」と云っています。しかし、われわれはラグパット(OKの範囲に寄せるパット)も練習しないと、3パットの恐れが絶えず付きまとうことになります。中部銀次郎の言葉も、われわれがラグパットを必ず1メートル以内に寄せられるという前提に立っての発言です。分不相応に「入れよう!」と欲張るのでなく、「寄せよう」という練習は必要だと思います。

ある日、TVでLPGAトーナメント中継を観ていました。プロ・トーナメントが開催されるコースのグリーンは大体においてかなり大きく広い。必然的に、うまく寄せられなかった第一パットの大半はとても長いわけです。そしてプロたちの多くが1メートル以上ショートします(1メートル以上も残すのは上手いラグパットとは云えません)。

そういう場面を見ていて、ふと自分が画面のボールの転がりを助けようと手に力を篭めていることに気づきました(これは、多分誰にでも起ることでしょう)。もう一つ、私はボールが打たれた瞬間から停止しかけるまで、内心ずっと一定の速度を期待していました。これもボールの転がりを助けようとした心理によるものでしょう。しかし、パットパット・ゴルフしか知らない人でさえ理解しているように、ゴルフ・ボールがずっと一定の速度で転がるんんてことはありません。最初は短距離走者のように早く飛び出すものの、途中からマラソン・ランナーのようにゆっくりのスピードとなり、カップ近くになると子供の三輪車のようにのろのろとした動きになります。

これまで私は、次のようなことだけは知っていました。パットの距離を三つに分けると、打ち出された直後の第一区間(加速区間)は最も回転が早いため芝目の影響を受けないが、速度がやや落ちる第二区間(惰性区間)では多少の影響を受け、カップ近くの最終区間(減速区間)では最も芝目や勾配の影響を受けて大きくブレイクする…。これはいわば「読み」の要素であって、どうスピード・コントロールをするかとは無関係です。

パットの距離をいくつかに分けた場合、速度はどのような公式で漸減して行くのか?それが分れば、ボールの速度を視覚化するのに便利だし、それに呼応したストロークの強さを構築出来ると思いました。例えば、加速区間で3、惰性区間で2、減速区間で1の速度…などというものです。真っ平らな平面でパットした研究論文はあり(http://isjos.org/JoP/vol3iss2/Papers/JoPv3i2-1Putting.pdf)、それによればボール速度はリニアに(直線的に)減衰するそうです。しかし、パットには上り、下り、順目、逆目、湿気、乾燥、順風、逆風…など、様々な要素が絡んで来るので、それら全てに対応出来る公式を確立するのは不可能でしょう。

 

それでもなお、パットの距離コントロールにボール速度を視覚化するのは重要だと思います。パッティング専門インストラクターDr. Craig L. Farsworth(クレイグ・L・ファーンズワース博士)は、ストローク前にライン中程の横に立ち、胸の前に構えたパターで全行程をなぞるべきだと説いています(「パットの距離感向上のために」[tips_163.html])。これもやってみましたが、加速から減速までのボールの転がりをシミュレートしただけでは、ストロークの強さの構築には役立ちません。

で、次のような方法を考案しました。

《ロングパットの距離を1メートルずつに分け、それぞれの区間をボールが走破出来るバックストロークの長さを素振りで確立する》

何故1メートルか?日本人には1メートルの長さを視覚化し易い。私のスタンスでボールを1メートル転がすには、ヘッドが右爪先の前までのバックストロークと分っているので、バックストロークの長さの基準にし易い。

例として5メートルのパットに直面しているとしましょう。ラインを五つの区間に分け、先ず1メートルの長さの距離を転がす素振りをします。次に2メートルに対応した素振り(バックストロークは若干長くならねばならない)、そして3メートル(更に長いバックストローク)…こうして5メートルまで続けます。最後の5メートルのバックストロークの長さを記憶に留め、それを本番で再現します。

5メートルを越え、10メートルともなると上の方法では10回も素振りをすることになり、これはいかにも時間がかかり過ぎ、見ている人も欠伸を噛み殺すでしょう。こういう場合は2、4、6、8、10…と2メートル単位で素振りします。私の場合、2メートルはアドレスした時の右膝に両手がかぶさるところまでのバックストロークです。そこから始めて4、6、8、10…と進めます。

私はこの方法を、「パットのFLW(固定した左手首)改訂版」(05/11)と併用しています。最初に練習を始めた日、ロング・パットの五回に一回はボールがカップに入ってしまうので驚きました。ラグパットのつもりなのに…。ですから、欲張らず虚心にラグパットするつもりなら、この方法に満足出来ること請け合いです。

この練習を始めたその日のラウンドで、9メートルのパットを沈めることが出来ました。チームの仲間は呆れた顔をしただけで、驚嘆の表情も見せず、盛大に誉め称えてくれもしませんでした。完全な“まぐれ”だと思ったわけです。まあ、私も入れようなどとは思っていなかったので“まぐれ”には違いないのですが、そういう“まぐれ”が起り得るだけの研究・工夫と努力を重ねているには違いないんですがねえ…(;へ:)ぐすん。

有り難いことに、上の練習を重ねるうちに、ラインを1メートルとか2メートルに分割しなくても、カップや目標地点に目を凝らすだけで、OKの距離に寄せられる距離感を得ることが出来るようになります。徐々にですが…。これを目標に練習に励むべきだと思いました。


(June 17, 2018)

パットのFLW練習法

スウィングのFLW(Flat Left Wrist=フラット・レフト・リスト=平らな左手首)はシャープにピンを狙う秘訣ですが、パッティングのFLW(Fixed Left Wrist=フィックスト・レフト・リスト=固定した左手首)もターゲットに向かうボールを生む秘訣です。インストラクターDr. Gary Wiren(ゲアリ・ワイレン博士)のアイデアによる、そのFLWに慣れるための練習法。

'The golden angle'
by Dr. Gary Wiren with Dave Allen ('Golf Magazine,' May 2000)

「ストロークする際、手首の動きは抑制されなければならない。効果的な注意事項としては、左手首をフラット(平ら)にし、右手首を終始折り気味にすることだ。

この固定された手首を身体に覚えさせるには、テニス・プレイヤーが手首に巻くようなリスト・バンドを、左手首とパター・ハンドル(グリップする部分)に一緒に巻き付ける。あなたが左手首を平らに、そしてシャフトの角度をアドレス時のまま維持すれば、リスト・バンドは伸びない。シャフトの角度を失うとリスト・バンドはシャフトが傾いた方向に伸びてしまう」

(June 17, 2018)

Joey Sindelar(ジョーイ・シンデラー)のパッティング・ボード

 

2×4(トゥー・バイ・フォー)の板を使う練習法は既に紹介済みですが、今回は本人による説明。実際の練習だけでなく、本番でもこの道具を使っていると想像する…というのがユニーク。

[Sindelar]

'Swing Thoughts'
by Don Wade (Contemporary books Inc., 1993, $12.95)

「私は、父が開発した“パッティング・ボード”なる練習道具をフルに利用している。それはストロークする間、終始パターを正しい軌道で動かすのを助けてくれるべくデザインされている。

難しいパットをする状況に直面し、神経と情緒が昂っている時でも、この“パッティング・ボード”を用いているのだと想像出来れば、重圧を軽減し、良いストロークをする助けとなってくれることを発見した。パッティング・ストロークの大部分はマスル・メモリの問題なので、これはとても助かる。

そういう風に想像力を用いて成功した二つの例を挙げよう。一つは1985年のGreater Greensboro(グレイター・グリーンズボロ)オープンで、この時私は約2.5メートルのパットを沈めて優勝した。もう一つは1990年のHardee's Golf Classikku(ハーディーズ・ゴルフ・クラシック)で、私は最終ホールでトーナメント・リーダーとタイになってプレイオフに持ち込むために、1.5メートルのパットを沈めねばならなかった。どちらのパットも丁度カップの右縁の内側が狙うべきポイントだった。これは右利きのゴルファーにお誂えのパットだが、鍵は“パッティング・ボード”を使っていると想像することだった。それはプレッシャーを軽くし、良い、自由なストロークをさせてくれた。私はパットに成功し、プレイオフに勝利した」

[icon]

以下は、“パッティング・ボード”の詳細と使い方。

作り方。長さ約40cm、高さ5cmぐらいの板を用意。板を横長に立てた状態にし、板の両端に板の高さを越える長い釘があまりきつくもなく緩くもない感じで抜き差し出来るように穴を開けます。釘は練習グリーンに刺して、板を固定する役目です。

準備です。比較的ストレートなラインを選び、カップから約2メートル離れて板を置きます。先ず、一本の釘を板を通してグリーンに刺して、板がカップを向くようにし、足で板を抑え(写真)、パターが板に接するようにしてパットします(ちゃんとスウィート・スポットに当たるようにボール位置を調整する)。うまくボールがカップインしたら、もう一方の釘も刺して完全に板を固定します。これで準備完了。

あとは、マスル・メモリが定着するまで練習あるのみ。

【参考】「材木でパット練習の効能」(tips_180.html)

(June 17, 2018)

超流動体をパターヘッドへと滑り落とす

 

ある日、計10ホールでパーオンしながら、バーディを得たのは1ホールだけという口惜しい思いをしました。成功したそのバーディは、約10メートルの上りで、しっかり打てば良かったので楽勝でした。他の多くは難しいラインだったので仕方がないのですが、No.8とNo.9のパットの距離は僅か4メートル程度。それらの失敗の原因は、距離に焦点を合わせたストロークで機械的過ぎ、ストロークがスムーズでなかったこと。スムーズにリリースしていれば入ったところでした。(復習パットは一発で入った)

口惜しいので、その後流麗なストロークをテーマに練習しました。練習している内に、自然に「重力まかせのストローク」(tips_155.html)と「超流動体的ストローク」を合体させることに…。「重力まかせ」と云うのはパターヘッドの重みを活かしてストロークすることを意味し、人間が方向に積極的に関与しない分、より正確なストロークが得られるというコンセプトです。

その「重力まかせのストローク」を「スーパーフルイド」と唱えながらパットしてみました。"superfluid"(超流動体)は「超流動体的ストローク」(tips_157.html)に出て来た水銀のような液体金属のイメージで、そのねっとりした性状をストロークで模倣すべきであるという理論です。「スーパー」と云いつつバックストロークし、「フルイド」【註】と云いながらフォワードストロークしますが、その時、脳内にねっとりした液体のイメージを抱くのです。単に「ワン・ツー」という無機的なメトロノームの役割では得られない、滑らかなストロークを遂行しようという狙いです。この感覚を得るには、目をつむって練習するのがいいようです。

【註】"fluid"(フルイド)というのは発音しにくいと云う方がおられますが、これは「古井戸」と全く同じ発音であり、日本人なら誰でも問題なく云える言葉です。日本語に英語の"R"の音はなく、「ラリルレロ」は全て"L"に近い音ですから、"fluid"は完全に「古井戸」なのです。「古井戸」も液体のイメージを喚起しますから、単なる「ワン・ツー」よりベターと云えます。

 

練習しているうちに、手元に存在した超流動体の塊が、シャフトを滑り降りてヘッドに到達し、そのエネルギーがボールを打つイメージが湧くようになりました。バックストロークのトップで超流動体が下方に向かう動きを感じるためには、一瞬の間(ま)が必要です。それはパターヘッドをボール方向に戻そうとする重力の作用を感じ取る間(ま)と同じです。それはまた、時計の振り子やブランコが両端で一瞬止まるように見えるのに似ています。一瞬の間(ま)の後、その超流動体をシャフトの中で転がしながらフォワードストロークします。滑り降りる超流動体の塊の動きを感じながらのストロークですから、急速であったりぎくしゃくしたものではなく、ねっとりしたものでなくてはなりません。ここに「重力まかせのストローク」と「超流動体ストローク」とが合体したのです。

これは解り易く云えば、重力がパターヘッドをアドレス・ポジションに戻そうとする作用を利用する…と云い替えられます。しかし、そんな舞台裏を知っても何も視覚化出来ません。やはり超流動体の塊がシャフトを滑り落ちるイメージが必要です。その転がりの速度に合わせてストロークします。

驚いたことに、その日の練習では2メートルのパットがぽんぽん入り出しました。これこそ文字通り「目から鱗」でした。

その数日後のラウンド。パット総数には目覚ましい変化が見られなかったものの、自分でも驚くようないいパットが出来るようになりました。新しいメソッドを試す時には馬鹿げたミスも犯すもので、この日のかなりのミスはそういう類いでした。

【参考】「超流動体的ストローク」(tips_157.html)

 

(June 20, 2018)

パットする際、下半身をコンクリート詰めにせよ

 

'The Best Golf Tips Ever'
edited by Nick Wright (Contemporary Books, 2003, $24.95)

「ヨーロピアン・ツァーのPaul Eales(ポール・イールズ)のメンタル・アイデア。『ストロークの間下半身を静止させておくことはきわめて重要だ。脚や腰を大きく動かすとパターをラインから逸らす原因となるからだ。下半身を静止させるいい方法は、両脚がコンクリートで固められていて動かせないと想像することだ。それはストロークを腕と肩でコントロールし、ストロークを台無しにする下半身の動きを防ぐことが出来る」

(June 24, 2018)

与作が木を伐(き)るように飛ばせ

 

筆者Eddie Loos(エディ・ルース、1896〜1950)はPGAツァー・プロ。

'Hit the ball'
by Eddie Loos ('The American Golfer Magazine, 1922)

「次の実験をしてほしい。

ボール無しで二、三回素振りをする。その時、クラブヘッドが地面を擦り、ボールがあるべき場所の数センチ前と後ろを真っ直ぐ振り抜くよう注意する。

上の動作が楽に、自然に出来るようになったら、ボールを置き、打ちたい方向を定める。

さっきの素振りと同じ心理状態を保ちつつ、今度は斧を振るつもりになる。攻撃目標のことだけ考え、それを達成するための身体的動きについては考えないこと。ボールに近づき、釘を打つ時のような、木を伐(き)る時のようなストレートで正確な(距離はどうでもよい)ショットを放つ。自分でも驚くような結果が得られることだろう」

(June 27, 2018)

頭は自然に動かせ

 

当時のメイジャーに11勝し、LPGAツァー創設者の一人となったLouise Suggs(ルイーズ・サグズ)による頭の動かし方。

'The Best Advice Ever for Golfers'
edited by Robert McCord (Andrews McMeal, 2001, $12.95)

「多くのゴルファーが頭をどうすべきかについて完全に間違った観念を抱いている。彼らは『頭を下げ続けろ』、『ボールから目を離すな』、『頭を動かすな』と警告されている。これらは不自然な固定した位置に彼らを留まらせようとするものだ。

肩を望みの場所に廻して、なおも顔が地面を向いているなどというのは人間には不可能なことだ。そういうことをしようとすると、バックスウィングをひどく制限してしまう。ただし、目はボールを向いているべきだが」

(June 27, 2018)

神の手ショット

 

これはマラドーナの「神の手ゴール」のようなインチキではなく、正々堂々たるファイン・ショットのお話。

その日、私のショットは安定しておらず、ほとんど冴えませんでした。No.18(342ヤード)パー4のティー・グラウンドに移動しながら、キャプテンのRichard(リチャード)が私に「ここでバーディを射止めようぜ」と云いました。われわれは2オーヴァーで、少しでもスコアを減らしたかったのです。

私はかなりいいティー・ショットを放ち、しかも固い地面と傾斜に助けられて残り100ヤード地点へ。急な上りだしバンカー越えなので、つい長めに打ちたくなるのですが、グリーンは砲台だし乾燥しているとボールは止まってくれません。特に日照り続きの昨今、私は総距離マイナス5ヤードが適切であると判断し、100ヤードを95ヤードとして打つことに…。最近の私の場合、95ヤードは平地なら9番アイアンを2.54センチ短く持ち、コック無しで打つ距離です。

自分の計算を信じた私は、力むことなく(力むとオーヴァーする)ゆったりしたテンポでかっちりとスウィング。空気を打ったような無反応のクラブヘッド。私は「ショートか?」と一瞬恐れましたが、それは完璧にスウィートスポットで打った証しなのでした。ボールはいい軌道で舞い上がり、真っ直ぐピン方向へ。

行ってみると、ピンはかなり奥に切ってあり、私のボールはその1.5メートル手前に着地していました。あの空気を打ったようなショットは完璧なものでした。私には、自分があのショットを遂行したのではなく、天上のゴルフの神様が打ってくれたショットに思えました。

他のチームメイトはボギーに終わり、期待は私のバーディに。ブレイクを読み切った私は、"There's no easy putt eccept gimmie."(ギミー以外に簡単なパットというものは存在しない)と心の中で呟き、いいストロークをすることだけ考えてパット。それはど真ん中から沈み、「予定通りのバーディ」でチームメイトたちを驚喜させました。

「一打差で勝利した」と書ければ格好いいのですが、そうは問屋が卸さず、われわれは数打差で負けてしまいました。しかし、私にはあの神の手ショットの感触が残り、今でもうっとりしています。その次のラウンド開始前、私はNo.18の100ヤード地点から神の手ショットを再現しようと試みましたが、二個はグリーン手前のバンカー、一個がかろうじて顎に引っ掛かっただけでした。やはり、神様の手を借りないと駄目なようでした。

 

最近、私は90〜120ヤード地点から数個のボールを打って、確実にグリーンに乗るクラブを探し求めました。何と、以下のような予想外の結果に…。
90ヤード   8番アイアンのフル・ショット
100ヤード 7番アイアンのフル・ショット
110ヤード 6番アイアンを2.54センチ短く持ってフル・ショット
120ヤード 5番アイアンで(バンカーを避けて)グリーン右横に寄せる【このクラブでバンカー越えは危険過ぎる】

いくら急な上りとはいえ、ヤーデージから考えると信じられないようなクラブ選択となりました。しかし、私は悟ったのです。クラブの飛距離の限界で距離ぴったりに(目一杯の力で)打とうとすると、必ず距離も方向も乱れる。上のように長めのクラブで穏やかなスウィングをすると、あの神の手ショットが再現出来、ボールはふわーっと浮揚し、グリーンに正確にオンするのです。「100ヤードを7番で打つなんて…」と考えてはいけないのです。スコアカードに何番で打ったかを書く欄はありません。乗せることが優先事項なので、何番のクラブであるかはどうでもいいことなのです。

(June 27, 2018)

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