Golf Tips Vol. 185

ジャンプするようなポスチャーを取れ

 

英語のゴルフ本やゴルフ雑誌には、「"athletic posture"(アスレティック・ポスチャー)を取れ」というフレーズがよく出て来ます。意味としては、野球の内・外野手が打球を待つように、すぐどの方向へでも飛び出せる体勢であることは判っていますが、この表現はまだ日本語にはなっておらず、「運動選手のポスチャー」としても曖昧です。メイジャー優勝二回を含め計35勝を挙げたJohnny Miller(ジョニィ・ミラー)の本に、詳しい説明があるのを見つけましたので紹介します。

'Pure Golf'
by Johnny Miller with Dale Shankland (Doubleday & Company, Inc., 1976)

「私は、特に良いプレイをしている時、自分は獲物に飛びかかる体勢のクーガー(アメリカライオン)のように感じる。【編註:写真左はチータ】立ったままの姿勢から3メートルもジャンプ出来るかのような…。この活発な、猫のような可動性は、踵と拇指球との間の体重の配分、膝の快適な柔軟性、そして踵よりも後方に突き出された尻などによって作り出される。つづめれば、それは私が前や後ろに動くのではなく、真っ直ぐ宙にジャンプしようとしているようなものだ。私の考えでは、このフィーリングを得ることが完璧なポスチャーを身につける第一歩となるものだ。

 

[Miller]

このフィーリングを深く身に浸透させるには、両足を肩幅に開き、両腕を自然に脇に垂らす。そして、真っ直ぐ空中に跳び上がるかのように膝を動かす。膝を曲げるのではなく、動かすのだ。体重が踵と拇指球との間に均等に掛けられていることに注意し、全体のフィーリングが揺るぎない敏捷さであること。

ベストのプレイヤーでさえ、時折体重を過度に爪先や踵に掛けたりする。どちらの場合もトラブルを引き起こす。

体重がスウィングの初めに足の前方の拇指球にあったらどうなるか想像出来る筈だ。バックスウィングで体重は踵へと移動し、それは身体がボールから遠ざかる原因となる。同様に、もし体重が最初に踵に掛かっていて、バックスウィングで爪先へと移動したら、あなたはボール近く前方へと倒れ掛かるだろう。私は何度か踵に体重を掛ける症状に陥り、フォロースルーでバランスを失って、フックやプッシュを乱造したことがある。

ジャンプのイメージを抱き続けることは、体重を爪先と踵の間の正しい位置に置くことに繋がる。さらに、両足の内側への僅かな体重配分も付け加えたいと思う。地面に平らにべたっと両足を付けるのは最悪だ。両方の膝を少し内側に廻して互いに向き合うようにし、両足の内側に体重を乗せる。これはあなたの基盤を強固にする。第一に、右脚は上体が回転する軸を作る。第二に、腰の水平移動(スウェイ)を防ぐ。第三に、腰のアクションを制限し、必須である上半身と下半身のトルク(回転モーメント)を作り出す」


【おことわり】Johnny Millerの画像はhttps://s-media-cache-ak0.pinimg.com/にリンクして表示させて頂いています。

(june 04, 2017)

すこぶる奇妙な(しかし凄い結果の)ロング・ヒッター

アメリカの5月は'Older American Month'(敬老月間)で、当市では55歳以上の参加者を集め、市営ゴルフ場で参加費用無料のシニア・トーナメントを開催します(三位までとニア・ピン、ドラコンの賞品はあり)。他にボウリングやビリヤード、ヘルス・フェア、ダンス・パーティ、フィッシュ・フライ(ナマズの唐揚げ)ランチ等々の催しがあり、いずれも55歳以上なら全て無料で楽しめます。

[worrior]

私を含むシニア・グループの四人が組み合わされた他の四人の内の一人は80歳以上らしく赤ティーから打っていましたが、その飛距離は素晴らしいものでした。ただし、彼のスウィングはとても奇妙でした。

彼のボール位置はスタンス中央で(普通、ドライヴァーは左足踵の前方)、パンチ・ショットを打つようなハンド・ファーストで構えます(両手が左膝の上辺り)。両手はボールより遥かに先行し、クラブフェースはシャットになっているわけです。両手が右肩の高さ程度の短いバックスウィングをし、低めの弾道でボールを打ちます。それがとてつもない距離を生むのです。

興味が湧いたので、「どんなクラブを使ってるの?」と聞きました。彼のドライヴァーはWorrior(ウォリアー)という三流のゴルフ製品メーカーの、ロフト10.5度、レギュラー・フレックスのシャフトでした。しかし、彼はハンド・ファーストに構えるので、この10.5度を9度か8度にしている筈です。

私はWorriorという会社から毎年暮れにハガキを受け取っていますが、Worrior印のボール1ダース無料(送料だけ払う)とか、ゴルフ製品福袋だとか、様々な宣伝活動をしています。上のドライヴァーの持ち主は、それをモニターとして受け取り、何ヶ月か試用報告を行った結果無料で貰ったそうです。つまり、クラブはごく普通の三流製品であって、種も仕掛けもなく、彼のロング・ドライヴはパンチ・ショット風スウィングというアイデアの勝利なのです。

いくら格好が奇妙でもがんがん飛ぶのなら、私は気にしません。私にも出来るかどうか、試してみました。ボールをスタンス中央に置くと、クラブフェースがオープンの状態でボールと接触するため、盛大にプッシュあるいはスライスします。次の記事「Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)の パンチ・カット・ドライヴァー」が、ターゲットの左を狙えと云っているのはそのせいでしょう。かなり左を向いて打って、やっとフェアウェイに打てるようになりました。しかし、肝心の飛距離には何の変化もありません。ロフト10.5°のR11とロフト12°のR11sで打ってみても、ティーの高さを高・中.低…と変えても飛距離は全く同じ。

奇妙な飛ばし屋のクラブに種も仕掛けもないのは確かなのですが、彼の腕力(特に手首)に種と仕掛けがあるのかも知れません。目には見えませんが、完璧なレイト・アンコックをしているのかも知れないし、彼なりに相当練習した賜物なのかも知れません。ちょいちょいと真似出来る代物ではなかったのでした。

(June 04, 2017、写真追加July 03, 2017)

Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)の パンチ・カット・ドライヴァー

 

2015年のthe Masters(マスターズ)とU.S.オープンの優勝者Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)が説く、いざという時頼りになるティー・ショット。

'Go low!'
by Jordan Spieth with Michael Chawasky ('Golf Magazine,' January 2015)

「ラウンドが終盤に近づきプレッシャーが高まると、アドレナリンが噴出し、スウィングを妨害しかねない状態になり得る。こういう状況では"go-to shot"(頼りになるショット)の出番である。それは、目を閉じていてさえ容易に繰り返し可能なショットだ。そういうショットを身につけていれば、不調な日の助けともなってくれる。

私はプレッシャーに強いパンチ・カットでドライヴァーを打つのを好む。

1) 先ず、フェアウェイ左端にターゲットを定め、クラブと身体をそれに揃える。クラブフェースから始め、足、腰、肩をターゲットにスクウェアに揃える。【原注】オープンに構えてはならない。

2) 通常よりスタンス後方をボール位置とし、ティーアップの高さも通常よりやや低目にする。これらの微調整が低い弾道と最少限のサイドスピンをお膳立てする。

【編註】記事添付の写真では、ボール位置は左踵前方で、両手は身体の中心で構えており、ハンドファーストではありません。

3) 75%の速度でスウィングする。ぶっ叩く必要はなく、ボールをフェアウェイ真ん中に送り届けるだけのコントロールされた動作をすればよい。ソリッドなコンタクトの確率を増すため、通常の3/4のスウィングをする。

 

4) 以下は、あなたが腕主体でスウィングするタイプの場合のオプションである。インパクトで左手首をターゲットラインにスクウェアにし、クラブフェースの回転を阻止する。これがカット・スピンを生み、それがフェアウェイ中央へとボールをフェードさせる」

(June 04, 2017)

Mr. X(ミスターX)の トップ

Mr. X(ミスターX)のスウィング理論、トップ篇。

[beam]

'Golf Lessons with Mr. X'
by Mr. X and 'Golf Monthly' (Pelham Books, 1968, $4.95)

「こと一般ゴルファーに限って云えば、危険地帯はスウィングのトップであろう。この時点でプレイヤーの身体に対するクラブの片持ち梁(ばり)作用の引っ張る力が最大になり、バランスを壊しかねない恐れがあるからだ。【註】

【編註】「片持ち梁」は建築用語で、建造物の重量を一端のみで支え、他方を自由にした梁のような構造(右図参照)。ここで著者は、ゴルファーがトップでクラブヘッドとシャフトの重量を手で支える状態を「片持ち梁」に喩えています。

クラブの片持ち梁作用は、静止状態でおよそ3キログラムである。この梃子の作用に勢いを加えれば、バックスウィングのスピードでは、いとも簡単に7キログラムに達する。だから、スウィングをスムーズに開始することの重要性を理解し、それをトップからダウンスウィングで逆転させるべきだ(ひったくるような、乱暴な動きでなく)。

バックスウィングで『左爪先の杭(くい)』と『右脛(すね)の柱』【註】がしっかりしていれば、クラブがトップで水平になった時の片持ち梁作用は、両膝と臀部総体の動きと拮抗する。その下半身の動きは、左腰がターゲットラインからインサイドに(斜めに)スライドし、ターゲットに真っ直ぐ向かう右腰に道を空ける。だからこれは土台を引き摺る動きであり、左腰とクラブヘッドの慣性とのせめぎあいとも云える。

【編註】著者は次のように定義しています、「脚のアクションには重要な二つのポイントがあることを私は発見した。一つは右脚(膝と足の間)で、それはバックスウィングの最中、門柱のように不動でなければならない。私はこの身体の部分を『右脛(すね)の柱』と呼ぶ。これを股の骨とか右腰を不変に保つことと考えてはいけない。もう一つは左足親指の爪先の内側の先端で地面をしっかり噛むことで、私はこれを『左爪先の杭(くい)』と呼ぶ」【「Mr. X(ミスターX)のスウィングの土台」より】

以上と異なり、ゴルファーが腕と肩の筋肉でクラブを振り下ろそうとすると、クラブの慣性に加わる腕を引っ張り下ろす力は、クラブヘッドに先行して左に動こうとする臀部総体と両膝の動きを阻害する。それどころか、この望ましくない引っ張り下ろす力は、臀部総体を静止させるか、遥かターゲットラインの右へ強制移動させるかどちらかである。これは一般ゴルファーによくある過ちであり、彼らはダウンスウィング初期に膝と腰が左へ移動して推進力を生み出すのを待ち切れないのだ。成人の初心者は物体を腕で動かすのに馴染み過ぎており、ゴルフの正しいアクションは彼らにとって自然に思えない。だから、彼らは学ばねばならない。それは家でも出来ることだ。最初は、左腕一本だけでスウィングし、後には二本の腕で振る。

正しくダウンスウィングを行えば、素早い左腰の動きが急速にスピードを生み、それは左腕とクラブシャフトの鋭い角度(レイトヒット)を確立する。クラブヘッドがプレイヤーの「測鉛線」【註】の頂点に近ければ近いほど、クラブシャフトが垂直になるまで両手の下降は速くなる。その下降はクラブヘッドに向かって外側へ流れて行き、ボールへと大幅に速度を増す。名人たちの両手と左腕で形成するコックを保っていた手は、ほぼ右の股関節の真向かいに達した瞬間に梃子(てこ)の作用を加える。成人の初心者は、この一連の動作をマスターするのが難しいようだ。しかし、正しい膝と腰のアクションを学ぶことによってマスター可能で、かなりの上達が期待出来る」

【編註】「Mr. X(ミスターX)のバランスと体重移動」(05/14)を参照。

【参考】
・「Mr. X(ミスターX)のゴルフ」(tips_167.html)
・「Mr. X(ミスターX)のポスチャー」(tips_183.html)
・「Mr. X(ミスターX)のグリップ」(tips_183.html)
・「Mr. X(ミスターX)のスウィングの土台」(tips_183.html)
・「Mr. X(ミスターX)のスウィング」(tips_183.html)

 

【おことわり】片持ち梁建築の画像はhttp://img.decoratingdecorandmore.comにリンクして表示させて頂いています。

(june 07, 2017)

トップで左手首の皺をチェックせよ

著者Julius Boros(ジュリアス・ボロス)はメイジャー二勝(U.S.オープンとPGA選手権)を含め計25勝を挙げたプロ。

[wrinkles]

'How to Play Golf with an Effortless Swing'
by Julius Boros (Prentice-Hall, Inc, 1953, $4.95)

「私の両手がバックスウィングのトップで望ましい位置にあれば、左手首に皺を見ることが出来る。その皺は左親指と人差し指が形成する"V"の真下に現れる(図の印)。ここに皺が出来れば、クラブフェースは正しい位置にあり、ノーマルなダウンスウィンググはインパクトでスクウェアなクラブフェースを生み出すことが判っている。

もし皺が手首の後ろ(手の甲の下、図の×印)に現われたら、クラブフェースは地面に対して過度に垂直になる。バックスウィングのトップでこうなると、スライスになるのが普通である。

左手首の皺がバックスウィングのトップで正しい場所に現われれば、クラブシャフトは自然に左親指の上に乗り、左掌の膨らみの下半分に沿って伸びる。

以上の他に一つだけ気掛かりなのは、スウィングのトップでグリップがしっかりしているかどうかだ。私は絶対に緩ませたくない。普通、ゴルファーの左手に緩みが起き易く、これが起きるとダウンスウィングの初期にリグリップ(握り直し)しなければならず、これは時期尚早のアンコックを促し、クラブをアウトサイドに抛り出すことになる。この結果はクラブヘッド・スピードの喪失と、ボールを擦るような打撃である」

(June 07, 2017)

トップで右肘を浮かせるべきか、引きつけるべきか?

 

インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)の、果てしなき議論への結論。

'The 3 Scoring Clubs'
by Jim McLean (Gotham Books, 2005, $30.00)

「この議論の対象となっているテーマに、私なりの考えを述べたい。

インストラクターのある一派は、バックスウィングのトップに近づくにつれ、両腕は身体に比較的引きつけられるべきだと云う。左腕がその位置になると、右腕は肘をほとんど下に向けて右脇に付けるべきだと主張するのだ。この、右腕と身体の一体感という理論のチェックポイントは、右脇にハンカチを挟んで、それを落とさずにフル・スウィングを完了させるというものだ。この助言はともすれば誇張して受け止められ、生徒たちは狭いバックスウィングの貧弱なパワーの捻転をする。

一方、フライング・ライト・エルボー(右肘を浮かせたスタイル)のトップは、ゴルフ理論の議論の的となっている。これはあまりにもアップライトであり、オン・プレーンのスウィングではないと繰り返し言及されている。実際には多くのプロがフライング・ライト・エルボーでプレイしており、目立つところはJm Furyk(ジム・フューリク)、Fred Couples(フレッド・カプルズ)、そしてJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)らである。

私は、クラブを持ち上げるべき完璧なプレーンは万人にとって一つだけだなどという説に同意しないし、偉大なプレイヤー数百人の研究に見解の基盤を置く。あなただって今日のPGAツァー・プロを観察すれば、容易にそれを確認出来る。あるいは偉大な二人の巨人、Ben Hogan(ベン・ホーガン)とJack Nicklausのスウィングを思い起こすだけでも事足りる。Ben Hoganのスウィングは低く、Jack Nicklausはとてもアップライトだ。要するに、似たスウィングは二つとしてなかったし、今も二つとないのだ。トップ・アマでも、プロの世界であっても。

 

Jack Nicklausは劇的に右肘を浮かし、それは批評家たちから修正すべき過ちとされた。しかし、Jack Nicklausは26歳になる前に八つのメイジャーに優勝し、大方の批難を黙らせた。彼がアップライトなスウィングの効果を証明したからだ。二度のU.S.アマ優勝を勘定に入れれば20のメイジャーに優勝したJack Nicklausは、ゴルフの専門家たちから嘗てない偉大なゴルファーとして評価されている。私のリストのナンバー・ワンもJack Nicklausである」

[icon]

記事添付の写真で筆者Jm McLeanは、「バックスウィングのトップで、右肘と身体との間に若干の隙間を作ることが好ましい」と解説しています。

私がゴルフに入門した時の教科書はJack Nicklausの本でしたから、右脇にハンカチを挟んだ練習などとは無縁でした。しかし、今考えれば、私のフライング・ライト・エルボーは、トップで左手首の角度を凸(手を掌側に折る)にしたり、凹(甲側に折る)にしたりして方向性を悪くし、上達を阻む原因となった気がします。

現在の私は低く長く大きい弧のテイクアウェイをしつつも、トップで右肘を折り畳み身体に近づけるようにしています(とは云っても、ハンカチを挟んだら落ちるほどの隙間はあります)。その右肘の動きが自然なコックを促すので、飛距離を生むパワーには事欠かず、左手首が凸凹になるのを防止してくれて方向性も良くなっています。

私は「体形別スウィング・プレーン篇」(tips_137.html)の自己診断テストで自分が「中プレーン」のゴルファーであると承知しており、自分にそぐわないアップライトなバックスウィングを必要としないせいもあります。アップライトでなければ、ことさらフライング・ライト・エルボーをする必要もないわけで。

 

(June 07, 2017)

Fred Couples(フレッド・カプルズ)の飛距離増のためのドリル

 

'Total Shotmaking'
by Fred Couples with John Andrisani (HarperPerennial, 1994, $15.00)

「あなたが大方のアマチュア・ゴルファーと同じなら、どうやってプロたちが遠くに飛ばせるのか不思議に思っているのではないだろうか。ぶっちゃけて云えば、身体的強靭さとはほぼ無関係なのだ。プロたちは多くのアマチュアより強靭である必要はない。だが、彼らは持てるものをより効果的に用いる。プロは、真に自由なクラブヘッドのスウィングを生み出すために、手・腕・身体を同調させる努力をするのだ。アマチュアは逆で、ボールをコントロールしようとするか、ハードに打とうとして上体を過剰に使い、緊張した外見のアクションをし、滅多に望んだ結果を得られない。あなたのスウィング動作を向上させるドリルをお教えしよう。

1) 片手だけでボールを打つ

右手だけでボールにアドレスし、左手は背中に廻す。よい肩の回転をし、右手首と右肘のゆったりした折れ具合を伴ってバックスウィングし、ボールを打つ。

同じことを今度は左手だけで行う(右手は背中に廻す)。肩の回転と左腕・肘がコックするのを感じる。

最初はクラブのコントロールが難しいかも知れない。だが、次第に動きの強さと同調が構築される筈で、最後には改良されたスウィングとなる。ショート・アイアンかミドル・アイアンを片手でボールを打ち、20発も打ち終えたら両手でクラブを持ってスウィングする。まるでFred Couples(フレッド・カプルズ)になったみたいじゃない?

2) 目をつむってボールを打つ

ゴルフ・スウィングにはよいバランスが絶対不可欠である。だが、われわれは飛距離を求めるのに夢中で、この単純な真実を忘れがちになる。その結果得られるのは、ミス・ショットと飛距離不足である。

 

ショート・アイアン(例えば7番アイアン)を目をつむったまま、コントロールされたバランスのよいスウィングでボールを打つ。最初の二、三回は空振りするような気がするだろうが、このドリルを続けてほしい。よいバランスの維持を学ぶにつれ、ボールとのコンタクトが向上する筈だ。いったん目をつむってのスウィングに慣れたら、同じ感覚を本番のプレイに持ち込む。これを達成出来たら、今年最高のスコアで廻れることだろう」

(june 18, 2017)

ロング・ドライヴの手応え

Tim Burke(ティム・バーク、27歳、写真)は2013年のRE/MAX世界ロング・ドライヴ選手権で優勝し、賞金25万ドルを獲得しました。

[Burke]

'Secrets of the long-drive champ'
by Tim Burke with Guy Yocom ('Golf Digest,' February 2014)

「427ヤードを打つ時の感じを云うとすりゃ、“無”だね。Las Vegas(ラス・ヴェガス)でのチャンピオン決定戦【2013年10月30日】の最後のドライヴなんか、ほとんど空振りみたいな感触だった。クラブフェースの真ん中を、最適のクラブ軌道で打てば、手応えも振動も感じない。あの日、対戦相手が先に打ち、彼の記録は405ヤードだった。それに勝つために三個のボールを打てたんだが、最初のボールでぼくは何も手応えを感じなかった。その時、あ、自分が勝った!と思ったよ。

ぼくのクラブヘッド・スピードは67.05 m/s、ボール・スピードは99.23 m/sだ。USGAルールによるクラブの長さの限界は、グリップからヒールまで48インチ(121.92センチ)で、ロング・ドライヴ選手権でもそれが適用されてる。ぼくはその制限のちょい手前で47インチ3/4のシャフトを使っている。

ぼくはゴルファーとしちゃ経験豊富ってわけじゃない。普通は75前後で廻るけど、正規のハンデは持ってない。悪いライにはお手上げで、ラフからのスピンをどうコントロールするかなんてマジ見当もつかない。400ヤードのティー・ショットの後、50ヤードからのショットで手こずるなんて楽しかないよ。研究の余地が沢山あるってわけ」

【おことわり】画像はhttp://www.golfchannel.com/にリンクして表示させて頂いています。

(June 18, 2017)

フェアウェイでドライヴァーを使う前の注意点

 

中堅インストラクターBill Moretti(ビル・モレッティ)が教えてくれる状況判断。

'Deck it'
by Bill Moretti with Greg Midland ('Golf Magazine,' October 2002)

「ティーアップ無しでドライヴァーを打つのは上級に属するショットであるが、グリーンが3番ウッドでは届かない場合には考えたくなる選択肢である。これは練習抜きで試みてはいけないし、次の諸点をチェックせずに実行してはならない。

《やるべし》

・トラブルが左にある時。
・アップヒルであるか、ボールが足よりも上にあるライの時。
・グリーン手前が開けている時。

《やめるべし》

・トラブルが右にある時。
・ダウンヒルだったり、タイトな(ボールが草の上に浮いていない)ライの時。
・グリーン手前に障害物がある時。

このショットはほぼ必ずフェードになるので、15ヤード左を狙うこと。ボールを上げようと努力せず、体重を左にかけたアドレスからやや下降気味に打つこと。そして、フェアウェイウッドを打つように単純にスウィングする。ボールは低く出て、鋭い軌道で飛ぶ筈だ」

[icon]

 

最近のドライヴァーは底部にダイヤルなどがついていて、地面にぺたっと寝せられません。私はそれが原因でトップするのかと思っていました。Golf Digestのオンラインの記事(http://www.golfdigest.com/story/you-have-to-watch-sergio-garcia-hit-driver-off-the-deck)によれば、様々な原因があるようです。スウィング・スピードの早いプロには問題ないが、一般ゴルファーには大幅にサイド・スピンがかかり易い。また、ローンチ・アングルが3°〜7°減ってしまい、一般ゴルファーはマイナスのロフトでボールを打ちがちになる。結果は、(速いスウィングをする者以外にとっては)飛距離を得るどころかゴロになり易い…ということです。

【参考】「フェアウェイ・ドライヴ」(tips_57.html)

(June 18, 2017)

左右の脚の長さの違いはショットに影響する

 

左右の脚の長さの違いがスウィングやストロークのアライメントに影響することは、既に何度か触れて来ました(この項末尾のリスト参照)。この事実を知らずに上達が足踏みしているゴルファーが多いのではないでしょうか。今回は有名プロの証言です。

筆者George Knudson(ジョージ・ヌードスン、1937〜1989)は、生涯に28勝を挙げたカナダのプロ。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)はGeorge Knudsonを「"a million-dollar swing"(100万ドルのスウィング)の持ち主」と評したそうです。

'The Natural Golf Swing'
by George Knudson with Lorne Rubenstein (McClelland & Stewaet Ltd., 1988, $18.99)

「理想的には、ターゲットに対し身体をスクウェアに構えたいところである。だが、われわれの身体は理想的に作られているとは云えないので、次のような重要な要素を認めなくてはならない。即ち、各人はボールをストレートに打つための彼自身のためのアライメントを持たねばならない。それは基準と大きく異なるものではないにしても、物理的完璧さから逸脱する恐れはある。われわれは全て異なる身体的部品で作られているからだ。

私がそのいい例である。私の右脚は左脚より5/8インチ(0.625センチ)短い。それが、私がターゲットに対し、ややクローズ目に構える理由である。スウィングの開始に当たって身体を水平に立つためと、スウィング・モーション実行中にバランスを保つために、私はこうしないと駄目なのだ。

アドレスで私の体重は、左右の足に50-50でありたい。だが、もし私がターゲットにスクウェアに構えると、私の右脚が左より短いため、私の体重は過度に右側にかかってしまう。だから、私はバランスを保つために左脚を柔軟にし続けなくてはならない。このバランスを保つ調整法は、左足上がりのライでプレイするのと同じである。身体の自由な動きを確保するため、私は身体を水平にしたい。私がアイス・スケートやスキーをするとしたら、同じことをするだろう。

私は持って生まれた肉体的バランスの欠陥に負けたくない。だから調整するのだ。調整は私がボールをストレートに打つ位置につくことを助けてくれる。もちろん、私は両足を水平にしてスクウェアに立ちたい。だが、私には出来ない。1960年代初期に、私は右足を上げる試み【編註:上げ底靴?】をし、それは一時効果を発揮した。私はちゃんと動くことが出来、素晴らしい気持ちも味わった。だが、それは私の"back"(背中)の筋肉にストレスを与えたので、諦めた。だから、上のような調整をすることにしたのだ」

 

[icon]

私は、Gパンの左の裾だけが早く擦り切れるのが不思議でした。左右の脚の長さが異なるなんてことに思いは至らぬまま、ズボンやGパンは左右両方の長さを個別に測って寸法直しして貰うことにしていました。北海道に住んだ頃、仕事で否応なくスキーをしなければならなくなったのですが、左ターンはスムーズに出来るのに右ターンがうまく出来ない。これも不思議でした。左足に寄りかかることが多いせいで、左脚が疲れ易い。この「日記」を始めてゴルフ本を渉猟し、初めて人間の脚の長さが同一とは限らないことを知りました。そして、当地のクリーニング店で寸法直しを担当していた日本婦人から、ズボンの左右の異なる長さの寸法直しの注文は引っ切りなしにあることを伺いました。私は、自分の左脚が右より1センチほど短いという厳然たる事実を認めざるを得ませんでした。奇形と云うほどではなく、世界の脚の長さが違う大勢の人間の一人だったのです。そして、この事実はゴルフ・スウィングやストロークに影響して当然であることを学びました。

私は左膝を内側に軽く押し込むことで、脚の長さの違いを相殺しています。これは、フル・スウィングでも大事ですが、方向性が厳密でなければならないパッティングで不可欠な調整です。私の場合、普通に構えると肩はオープンになっちゃうのですが、左膝を内側に押し込むとスクウェアになります。

【参考】
・「脚の長さとスウィング」(tips_104.html)
・「右脚が左より長いゴルファーへの警告」(tips_169.html)
・「脚の長さの違いは、両手の向きに影響する」(tips_169.html)

(june 21, 2017)

Mr. X(ミスターX)の タイミング

Mr. X(ミスターX)のスウィング理論の一つ。ここでMr. Xはリズムとタイミングについての理論を展開しています。

タイミングとは?スウィングは、ボールから遠く離れた遠距離通勤の手(+腕・クラブ)と、非常に近距離で自転車通勤のような腰を、時間的に一緒にボール位置にゴールインさせなければならないのですが、その両者のスピードを調整する機能がタイミングです。

'Golf Lessons with Mr. X'
by Mr. X and 'Golf Monthly' (Pelham Books, 1968, $4.95)

「一般ゴルファーたちは快打を達成したことは実感出来るが、それを再現する方法を知らない。彼らは『スウィングが速過ぎる』だの『遅過ぎる』、『トップから打ちに行った』などと指摘されるが、それらはどれも参考にならない。

私は幸運にも、最速でスウィングするプロから一般ゴルファーまで、ほぼどの速度のゴルファーにも適合するフレーズを発見した。

先ずゴルファーは自分の左腕・手首・グリップの強さをテストしなくてはならない。3番ウッドか4番ウッドを左手に持ち、最初はゆっくり振り、次第にスピードを上げて肘と手首が折れるまで続ける。腕が折れる直前のスピードが、あなたの最高のスピードだ(左腕を鍛えれば、その限界は変化する)。

[One And Two]

さて、次はリズムだ。【註】フレーズは"One And Two"で、それはスウィングの各部分に相当し、スピードはそれぞれに関係する。この三つの単語からなるフレーズは、完璧なタイミングを生む。その上、これはスウィングが遅かろうが早かろうが、プレイヤーの手・手首・腕の強靭さ次第でどんなスピードにも完璧なタイミングを生成する。

【編註】Mr. Xはここで「次はテンポだ」と書いているのですが、例えば行進曲(二拍子)は軍楽隊のように勇ましく(早いテンポで)演奏も出来るし、葬送行進曲のようにゆっくり演奏することも可能で、これがテンポです。彼が推奨する"One And Two"はリズムであり、テンポではありません。勝手ながら読み替えておく次第です。

私のタイミングは、ゴルフを始めてから二、三年後の50歳の時にスクラッチでプレイ出来るようにしてくれた。あなたは、"And"をトップでの休止であり、"Two"がダウンスウィングだろうと考えるかも知れないが、そうではない。このタイミングはもう少し複雑なものだ。"And"はバックスウィング後半とダウンスウィングの前半とを含んでいる。"And"をこのように用いると、トップから打ちに行こうという気持ちをたちどころに除去出来る。逆に、両手がヒッティング・ゾーンに突入するまで、打とうという気持ちを自動的に遅らせられる。この場合、ダウンスウィングの初期にパワーのほとんどを浪費する代わりに、ボールに最大のパワーを伝えることが可能になる。

避けるべきタイミングは"One - Two"である。これはスウィングの早さにも関わらず、破壊的なものだ。この二語のタイミングではなく、三語の"One And Two"に集中すれば、自分の上達に驚くことになるだろう」

[icon]

ある日のNo.10(360ヤード)パー4の二打目のアイアン・ショットで、ふとこの"One And Two"を思い出し、試してみました。「Andはバックスウィングの最後とダウンスウィングの最初を含んでるんだったな…」と復習しながら数回素振り。本番のショットは、スウィートスポットで打った快感を残して、まっしぐらにピンへ。同じチームのメンバーが「ワーオ!」「ありゃギミー(OKの距離)に寄ってるぜ!」と賛嘆の声を挙げました。実際には、そのボールは数ヤード足りずに手前のグラス・バンカーに捉まっていました(残り15ヤードをOKの距離に寄せて、パー)。慣れないせいで、その後の全てで"One And Two"が凄い結果を生んだわけではありませんが、このハーフは久し振りにいいスコアで廻れました。

次のラウンドでは、ドライヴァーからアイアンまで全ショット(チッピングは別)"One And Two"にトライ。"bad break"(不運なバウンド)やツキの無さでスコアは良くなりませんでしたが、ドライヴァーもアイアンもいくつか快打が生まれました。

思うに、"And"が切り返し前後を大幅に含んでいるのがミソですね。多くのインストラクションがダウンスウィングで両手が腰の高さに下りるまでコックを解かず、そこから一気にインパクトに向かう…と述べていますが、うまく行けば腰の高さ以降の"Two"でのエネルギーの爆発が得られるわけです。単に飛距離だけでなく、グッド・タイミングによって良い方向性も得られます。これは、今後も私のスウィングのリズムとして採用しようと思いました。

【参考】
・「Mr. X(ミスターX)のゴルフ」(tips_167.html)
・「Mr. X(ミスターX)のポスチャー」(tips_183.html)
・「Mr. X(ミスターX)のグリップ」(tips_183.html)
・「Mr. X(ミスターX)のスウィングの土台」(tips_183.html)
・「Mr. X(ミスターX)のスウィング」(tips_183.html)

(June 21, 2017)

タイミング良くインパクトを迎えるのための訓練

 

インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)は『X-ファクター』の発見・提唱者として有名です。《腰の捻転の度合いと肩のそれとの差が大きければ大きいいほどパワフルなスウィングになる》という理論。肩は人によって90〜110°、腰は40〜45°捻転します。トップを形成し、インパクトへの往復という観点で考えれば、肩は遠距離通勤、腰は自転車通勤。しかし、その両者はボールという職場に同時に到着しなければならない。それらの速度を同期させ、パワーを全開しようとするのが、以下のドリルです。

'The 3 Scoring Clubs'
by Jim McLean (Gotham Books, 2005, $30.00)

・ベースボール・ドリル

1. ミドル・アイアンを手に、ティーアップしたボールにアドレスする。
2. 左足を右足方向にスライドし、接触させる。クラブヘッドはボールの背後約25センチに置く。
3. バックスウィングを開始。クラブが腰の高さに届いたら、左足をターゲット方向に踏み出し、野球の打者が投手に向かって踏み出すように、左足を元の位置に戻す。
4. 下半身は前方に動いているのだが、クラブヘッドは依然バックスウィングを続ける。

これは手首の動きを自動的に増し、右肩がダウンスウィングをリードするのを防ぎ、偉大なゴルファーたち全てが経験する流れるような感覚をもたらしてくれる。

・右肩ドロップ・ドリル

ダウンスウィングの最初で右肩を落とす。これが引き金となって、腰がターゲット方向に横移動する。それはまた、右肘を左腕の下に下ろし、クラブを理想的な位置に落下させる。あなたは全てのトップ・プレイヤーのように、インサイドから打つことが出来る。

・右爪先を開くドリル

1. 通常のアドレスをする。
2. 右足を右肩の外まで広げたスタンスをする。
3. 右爪先を外側に45°になるように開く。
4. 上体がスライドしないようにしながら、ボールを打つ。

 

これは、両膝の間隔を維持し、右脚の動作を劇的にスローダウンする。とりわけ、腰と肩の速度のギャップを解消し、インパクトへ、そしてフィニッシュへと究極的にスウィングを流動させる」

(June 21, 2017)

常識外れのパッティング

 

ある日のラウンドで、以前はパット名人だった(現在はそうでもない)老人から助言を貰いました。私はインサイドに引き、ストレートに出すストロークをしている、それがミスの原因だ…と云うのです。下手くそな男から云われたのなら無視するところですが、相手が相手だけにショックでした。

Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)はインサイドに引き、ストレートに出すストロークをしているので、私のストロークも100%悪いとは云えません。しかし、私は、ストレートに引き、ストレートに出すストロークをしているつもりだったので、ショックを受けました。勿論、私の最近のパッティングがベストの状態でなかったこともありましたが…。

室内で2メートルのパットをするのを、ターゲットライン後方からデジタル・ヴィデオ・カメラで撮影してみました。ストロークは問題なく、ボールは真っ直ぐターゲットに向かいます。一点、気になったのは、アドレスでヒールが浮いていたこと。これは私が手首をロックするために、両手をかなり持ち上げているせいなので、当然と云えば当然なのです。しかし、ヴィデオで見るまでは、もっと微かな角度だろうと思っていました。微かどころか、かなり上がっていたのです。

[address]

両手を上げるアドレスは、手首を殺すための方策なので私にとっては不可欠です。両手を上げ、なおかつヒールを浮かしたくないとなると、かなりボールから離れて立たないといけません。普通、パットではボールは目の下か、あるいは目の内側と教えられます。目の外側というのはあまり聞きませんが、Fred Couples(フレッド・カプルズ)は少なくとも5〜10センチは目の外側にボールを置いてアドレスしていました(1993年にメイジャー優勝した当時)。私が両手を上げ、ヒールを浮かさないようにアドレスすると、ボールは約28センチも目の外になります。

なぜ、ボールを目の下に置かねばならないかですが、首を廻してラインに沿って目を滑らせた時、ターゲットが正確に確認出来るから…というのが理由の一つ。私の場合、アドレス前にボールに描いた線をターゲット(カップあるいは中間目標)に揃えてあるので、方向はもう決まっています。ラインを見るためにボールを目の下にする必要はありません。もう一つの理由は、振り子式にストロークするなら、両手を肩から自然に垂らすのが妥当で、それだとボールは目の下になる…ということでしょう。しかし、私の2メートルのテストでは、とても不思議ですがそのどちらも無視出来るのです。では、長いパットだとどうなるのか、その成否が気になりました。

翌日、練習グリーンで10メートルのパットを同じようにヴィデオ撮影。ボールから離れたアドレスで打ってみました。構えた後、カップを見ると、肩の線はカップの1メートル近く左を向いている感じ。「をいをい、いくら何でもこれは異常なんでないの?」と思ったほど。しかし、打ったボールは間違いなくカップ近辺に向かいます。私レヴェルの10メートルのラグ・パットとしては悪くありません。よく使われる二本のレールの比喩:ターゲットラインと身体の向きが平行であれば問題無いわけです。

ヴィデオに撮りながら30発近く打ってみました。両手を揃えて上げたり、左手だけ上げたり、上げる角度も変えてみたり、色々テスト。驚いたことに、三回も10メートルのパットに成功しました。つまり、大筋において、私の試みは可能性を秘めていると云えそうでした。実際、この練習直後の本番のNo.1で、8メートルのパー・パットを沈めることが出来ました。

帰宅してヴィデオをチェックすると、伸ばした両手とパター・シャフトが一線になっているスタイル【左上の写真】の時に、パットに成功していました。パターヘッドが真っ直ぐライン後方に引かれて、結果を見る前に「あ、これはいいストロークだ!」と思うと大当り。手首を折らず、手元を凹ませないメソッドの効果のようです。写真の白線は目に垂直な線、ボールは赤矢印の幅だけ目の外です。約28センチも離れています。手前の黒い物体はヴィデオ・カメラ。

鏡でどの程度両手を上げるべきか、研究しました。「3(スリー)ジョイント・ストローク」式に右親指と手首の中間部分が「ビビッ」と緊張するまで上げると、パターと両手は一直線ではなく、かなり弓なりになってしまいます。で、両手を基準にすることを断念。そして、両手・腕を伸ばすと綺麗に腕・手とパター・シャフトが一直線になり、ついでに手首までロックされることが判りました。つまり、目の下からボールを何センチ離すかではなく、《パターのヒールを上げずに左肘をロック出来る(蝶番を動かなくする)位置が、適正なボールと身体の距離を決定する》と考えるべきだったのです。

以上のポイントを踏まえてアドレスしたら【註】、仕上げは右肩が前に出ないバックストロークをすること。右肩が前に出ると円弧型ストロークになってしまい、ボールは真っ直ぐ転がりません。

【註】アドレスする際、右脚が左より長い私は左膝を少し内側に押し込みます。それによって脚の長さの違いを相殺し、身体を水平にします。ボールを真っ直ぐ転がすには、私がこの調整が必要なのです。【参考:「脚の長さの違いは、両手の向きに影響する」(tips_169.html)】

[top]

ボールから離れて立つと、否応なく円弧型ストロークになる筈ですが、ヴィデオでは私は右肩を前に出さず、終端でパターヘッドを少し上げる軌道にしてストレート・ストロークを保っています。本来なら、終始低く長くストロークしたいところですが、手・腕の長さに限界があるので、距離が10メートルともなるとパターヘッドを上げざるを得ません。(写真はカメラ位置が地面すれすれなので、パターヘッドの位置はかなり上方に誇張されています)

ヴィデオ・チェック直後のラウンドで、おずおずとこの方式を実行してみて、8メートルのスライス・ラインを成功させて、バーディ。その次のラウンドでは6メートルと4メートルをねじ込んで、二つのバーディ。そのまた次のラウンドでは7メートル(上りなので実質8メートル)を沈めてバーディ。この成果は、これまでの私の過去のいくつかのパッティング・スタイルの中でも優秀な部類です。

結論として云えるのは、
a) パター・シャフトと両手・腕を真っ直ぐにすると正確にストローク出来る。
b) パターのヒールやトゥは上げない方がよい。【ただし、ヒールを下げ過ぎるとダフってショートしがちになる】
c) ボールから離れて立っても問題無い。
…の三点です。(a)と(c)は、イップス対策で変わったグリップを多数発明したBernhard Langer(ベルンハード・ランガー)さえやらなかったほど常識外れですが、私には役に立っています。アメリカのゴルファーたちは"Whatever works."(役に立ちゃ何だっていいのさ)と云いますが、まさにその心境。

私が受けた助言は、私がたまたまインサイドに引いたミスを目撃された直後だったようで、いわば見当違いのお節介だったわけです。しかし、それが私のヴィデオ・チェックに結びつき、自信を持ってストローク出来るポスチャーを確立させてくれたのですから、感謝すべきお節介でした。

(june 25, 2017)

パットの方向制御を向上させるポスチャー

次のGolfTec(ゴルフ・テック)の記事は、私の「常識外れのパッティング」(上の記事)がいかに常識外れであるかを非難する教科書的メソッド。

'Golf Magazine's The Par Plan'
powered by GolfTec edited by David DeNunzio (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)

「身体の右脇を鏡に映しながらアドレスし、次の諸点をチェックせよ。

・左右の前腕を平行に

 あなたの右前腕は左前腕を覆い隠すべきで、こうすればパター・シャフトと前腕が一直線になる。このポスチャーならラインに正しくパターヘッドを動かせる可能性が高い。

・目をラインの近くに

 多くのインストラクションが『目はラインの近くで、ラインと平行にせよ』と指示するが、さほど精密である必要はない。目がラインに近ければよい。あなたがあまりにボールから離れたり直立したりすると、ストロークに過度の円弧を作り出し、安定した打撃を与える能力を制限してしまう。いかなる場合でも、両目を地面に水平にし、ラインに平行にすることを第一義とせよ。

・両腕を中心に

 手・腕ではなく、身体でストロークをコントロールすれば、中央でボールとコンタクトし、選んだラインにボールを転がし始められるチャンスを増大させる。手・腕のアクションを制限するには、身体と両腕を一つのユニット(単位、塊、チーム)として動かす。もし、アドレスであなたの両腕が身体からあまりにも離れていると、ストロークの間、パターヘッドをオフラインに操作する余地を生み出す。逆に、両腕を身体にくっつけるのも、同じように害がある。これは身体を揺り動かす動きを煽り、身体を動かさずにインパクト・ゾーンで両手がパターヘッドを動かすに必要な空間をゼロにしてしまう。

 

腕の位置を固定するベストの方法は、両方の上腕三頭筋【註】の上半分だけを上体に軽くつけることだ。この程度に両腕を身体に接触させることは、自由さと腕のコントロールを完全に調和させ、肩でストロークさせることを促す」

【編註】力瘤(こぶ)の出る方が上腕二頭筋(肘を曲げる時に使う筋肉)で、その裏側にあるのが肘を伸ばす時に使う上腕三頭筋。

(June 25, 2017)

楽なパットというものは存在しない

 

最近のいくつかのラウンドで、短いパットを何回かミスしました。どれも「これは簡単。バーディ(あるいはパー)は頂きだ」と思えたパットでした。顧みれば、ある時はボールを見送って(ルックアップ)パターフェースをオープンにしたせいです。しかし、ちゃんと頭を残してストロークしたのに失敗したケースもあります。それらの中には、カップの周りに私が読み切れなかったブレイクがあったものもあるでしょう。しかし、その多くは、私のメンタルおよびストローク両面に落ち度があったのだと思われました。

反省点その一。短い距離、簡単なラインということで、いつもより時間をかけずにパットした。アライメント、スタンス、ポスチャー等を、長いパットのようにじっくり確認・実行するのを怠った。そのパットを舐めていたのです。

反省点その二。きちんとボールをパターのスウィートスポットで捉える努力をしなかった。目の焦点が虚ろだった。これもパットを舐めていたせいです。その結果、ボールはへろへろと転がり、狙ったところを逸れてしまった。

ある日、同じチームの一人が、パー3で長いバーディ・パットに挑みました。それはギミー(OK)の距離より僅かに長い70センチほどショート。彼は直感でパットするタイプで、私のようにラインを横から見たり、しゃがんで見たり、ボールに描いた線をラインに揃えたりしません。ボールの後ろに立ってブレイクを判断するだけで、アドレスしたらすぐに打ちます。この時の70センチのパットも、あたかもタップインさせるかのような気楽さでストローク。ボールは僅かにカップを逸れ、ボギーに。彼は自分のミスを罵りました。

次のホール(パー4)。私は三打目をカップから1メートルに寄せました。他のチーム・メンバーはみなボギーで、私のパー・パットに期待しています。私は、下りのスライス・ラインだが難しくはない、パーは頂き…と思いながらパット。失敗orz。この時の私も、そのパットを侮っていたのです。そして、次の教訓を得ました。

教訓:"There's no easy putt in golf except gimme."(楽なパットというものは存在しない、ギミー以外は)

この文句を例の70センチのパット失敗の仲間に聞かせると、「あはは!確かにそうだ。簡単なのはギミーだけだ」と笑っていました。

今後、短いパットに向かう時、必ずこのフレーズを心の中で唱えようと思います。徒に緊張するためではなく、きちんとパットするために。駅員や運転士の確認喚呼のように「アライメントよし。スタンスよし。ポスチャーよし」と喚呼すべきなのです。深呼吸も併用すれば逸る心を静めることが出来、パットも沈めることが期待出来るでしょう。

 

(June 25, 2017)

Lee Trevino(リー・トレヴィノ)の安定打法

 

[Lee]

当市の図書館は年に一度、古い蔵書や寄付された本を格安で放出します。【私は古い本こそ大事にすべきであって、放出したりすべきではないと思っていますが】 その催しで購入した一冊がこれ。Lee Trevino(リー・トレヴィノ)と云えば冗談好きな豪放磊落な気性で知られていますから、いい加減な本ではないかと高をくくっていました。あにはからんや、詳細で明解なイラスト付きで“ツァーで最も安定したボール・ストライカー”と絶賛される彼のスウィングを、何とかして読者に伝授しようという熱意がありありと感じられる内容でした。

'Groove Your Swing My Way'
by Lee Trevino with Dick Aultman (Atheneum/ SMI, 1976)

「私のスウィングは、あなたが目にするスウィングの中で最も格好いいものではないし、オーソドックスでないのは確かである。だが、これは最も機能的なスウィングなのだ。数年前、'Golf Digest'『ゴルフダイジェスト』誌が25人のツァー・プロに、『ツァーでベストなスウィングの持ち主は誰か?』という質問をしたことがある。以下はその応えの数例だ。

『私にTrevino(トレヴィノ)のアクションを与えて欲しい。それは詩的な動きとは云えないかも知れないが、確実に役に立つのだ』—Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)

『ベストなスウィングというのは、ほぼ毎回繰り返せるものだ。現在のツァーでいえば、それはLee Trevinoのスウィングだ』—George Archer(ジョージ・アーチャー)

『Trevinoは凄く格好いいように見えないが、彼は毎回同じことを達成出来るいいスウィングの持ち主だ。それこそがゴルフの神髄である』—Sam Snead(サム・スニード)

『最多優勝者の二人Jack NicklausとLee Trevinoのどちらか一人と云われたら、私はTrevinoを選ぶ。彼はツァーで最も安定したボール・ストライカーだ。彼はヒッティング・ゾーンで毎回デッドにスクウェアに打つ』—Homero Blancas(オメロ・ブランカス)

スタンダードなスウィングだと、上手なゴルファーでさえヘッドを長く飛行線上を動かすのは難しい(最高の場合で2〜3センチだろう。私のスウィングがほぼ常に正確なのは、他の誰よりも長く飛行線上にクラブヘッドを保ち続けるからだ。その長さは他の人より僅か数センチ長いだけかも知れないが、これがとてつもない差を生み出す。スタンダード・スウィングでのボールとのコンタクトは、スウィング弧の僅か一点である。ボールは、その一点においてクラブフェースが向いている方向に飛ぶ。熟練したゴルファーはその一点でフェースをうまくスクウェアに出来るだろうが、彼らはしょっちゅう練習し、妻や子供や仕事など全てを無視してその技を獲得する。週に一度や二度ラウンドするだけの大多数のゴルファーは、(短いショットとパットを除き)ターゲットライン上でクラブヘッドを動かすことなど出来ない。五人のうち少なくとも四人は、インパクトで飛行線を横切るようにクラブヘッドを動かす。

【編註】以下の技法を真似するのであれば全部まとめて実行すべきものであり、どれか一つ二つを伝統的スウィングに応用すべきものではないと思われます。

私の方法の主な要素は四つある。

1) 飛行線の左に身体を揃える

両足、腰、方など全てをターゲットの左に揃える。【伝統的スウィングでは、飛行線に平行に身体を揃える】フル・ターンのバックスウィングをする通常のショットの全てで、私は30〜40度ほど身体をオープンに構える。

【編註】アライメント(角度)とクラブによる狙い方(角度)については、この項の後半を御覧下さい。

2) クラブを飛行線の外側にテイクアウェイする

私は飛行線の約7センチ前後アウトサイドにクラブヘッドを引く。その後は伝統的スウィングと同じように、クラブを持ち上げつつ普通に肩と腰をフルに捻転する。多くのゴルファーのダウンスウィングは、テイクアウェイの動きに対応するので、アウトサイドのテイクアウェイ軌道は重要なのだ。

3) 膝と腰の横移動(スライド)でダウンスウィングを始める

ダウンスウィングの最初の動きは左腰と左脚が、文字通り左にスライドすることだ。実際には横移動しながら左腰と左脚は回転もするのだが、その動きは横移動の感覚を抱くべきだ。

これを実行するには、右足の内側から左足の拇指球の外側へと体重を移動させる。この時、頭を腰と一緒にスライドさせないこと(脚と腰は肩の下でスライドすると考えれるように)。この横へのスライドがインサイドからボールに向かう軌道を約束してくれる。

4) インパクト後、左脇を開けよ

インパクト後もクラブヘッドを飛行線上で少しでも長く動かし続けるには、ボールを打ち抜きつつ左腕を身体の左から離さなければならない。これが正しく行われれば、右肩は身体の周りを廻るのではなく、下方に位置するのを感じる筈だ。クラブヘッドが飛行線上に留まる長さがほんの僅か伸びるだけでも、ボールが目標にスタートするチャンスは増大する筈だ。

 

あなたが私のプレイ【編註:あるいはヴィデオ】を見れば、ダウンスウィングからフォロースルー初期にかけて、私の右肩が顎の下に深く沈むことに気づいたかも知れない。私は多くのゴルファーより右肩を極端にスウィングする。それはダウンスウィングの横移動と、インパクト後の左腕の飛行線への伸張が原因である。私はこの右肩の極端な動きを意識的にやれと云うつもりはない。あなたが、腰のスライドと左腕の伸張を実行し、しかも頭をちゃんと静止させ続ければ、この右肩の回転は結果として起るものなのだ。

▼アライメント(角度)と狙い方(角度)の組み合わせ

基本はアライメント(身体の向き)30度左で、狙い方(クラブフェースの向き)も30度左である。これでスライスやフックが出る場合には、次のように角度を変えてみる。

・スライス防止

a) アライメント20度、狙い方30度  スライスが出るのはアウトサイド・インでボールに向かうスウィングにより、ボールに左から右へのサイド・スピンを与えるからだ。アライメントの左向きを減らせば、クラブはインサイドからインパクトに向かうようになる。

b) アライメント30度、狙い方20度  クラブフェースの左への狙い方を減らすことで、ボールを左に打つ恐れを少なく出来る。これが、インパクトであなたの手首を自由に右から左へ回転させる作用を生む。このエクストラの手首の回転がスライスを防止する。

・フック防止

a) アライメント30度、狙い方40度  フックを防ぐためにさらに左を狙うというのは奇妙に聞こえるだろうが、左を狙えば手首がクラブフェースを左へ廻すことを本能的に阻むことになる。この手首の回転がフックの主たる要因である。

b) アライメント40度、狙い方30度  あなたのフックの原因が過度にインサイドからボールに向かうことであれば、アライメントの左向きの度を増やせばノーマルになる。このノーマルなクラブヘッドの動きが、フックの原因である手首の左回転を抑制する」

(june 28, 2017)

Lee Trevino(リー・トレヴィノ)のスウィング分析

この記事の筆者Dick Aultman(ディック・オールトマン)は、Lee Trevino(リー・トレヴィノ)の技術本'Groove Your Swing My Way'(1976)の共著者でもあります。こちらの本はその一年後の出版ですが、多分同じ時期に執筆が進行していたものと思われます。

[Methods]

'The Method of Golf's Masters'
by Dick Aultman & Ken Bowden (The Lyons Press, 1975, $19.95)

「Lee Trevinoのメソッドは、伝統的スウィングの観点からすれば混乱の極と云える。

彼はターゲットの遥か左にアライメントし、飛行線の外側にテイクアウェイし、トップで左手首を内側に折ってクラブフェースを極度にクローズにし、インパクト・ゾーンで普通ならスライスとなるクラブヘッドを引き摺る動きをする。このようなオープンなアドレスだと、プルを防ぐためにダウンスウィングで飛行線のインサイドからボールに向かわねばならないし、恐るべきプル・フックを防ぐために両脚と左手・左腕を最高のコントロールで左へ引っ張らねばならない。

上のようなスウィングで、Lee Trevinoがターゲットに毎回真っ直ぐに飛ばせるのは何故か?彼の一心不乱の練習【註】を別にすれば、それは『劇的な帳尻合わせ』によるものと云えよう。全てのスウィング要素が極端であるために、クラブヘッドがどの時点でどこで何をしているか、彼にとって感知し易いのだ。だから、異常を発見し易くコントロールもし易い。

【編註】Lee Trevinoは、プロ入りする前Texas(テキサス州)のある打ちっ放しでゴルフを教えていた。彼の日課は午前に18ホール廻り、練習場で1,000発のボールを打つことだった。最初の離婚の原因は、彼があまりにもゴルフに熱中したためであった。

Lee Trevinoのスウィングは、その開始から極端に強い左手によるコントロールを必要とする。それ無しだとテイクアウェイで右手がクラブを引っ張り上げてしまうだろうし、トップでクラブシャフトを正しい向きに揃えられない。また、それ無しだとインパクト前に右手によってクラブヘッドはクローズ・フェースで飛行線に近づくことになる。

彼のスウィングには左手主導だけでなく、強靭でしなやかに速く動く脚と優れたリズム感覚も必要だ。彼はバックスウィングとダウンスウィングとの間に、両脚が前方への動きをリードするに充分な時間を与えるべく、一定のリズミカルなビート(拍子)でスウィングする」

(June 28, 2017)

飛距離増のための決断

'Golf Magazine'誌編纂のドライヴィング大全から、ゴルフ・コースの特徴に合わせた打法の勧め。筆者はインストラクターJames Leitz(ジェイムズ・ライツ)。

'Golf Magzine: The Best Driving Instruction Book Ever!'
edited by David DeNunzio (Time Inc. Home Entertainment, 2012, $32.95)

「ドライヴィング戦略の選択肢には、次の二つがある。
a) 最長キャリー
b) 総合最長距離(キャリーとは無関係)

どちらを選ぶかは、あなたがプレイするコースのコンディションに基づくべきだ。もし、湿っぽいコースでプレイすることが多いのなら、『最大キャリー』がより重要であり、固く風の強いコースでプレイすることが多ければ『総合最長距離(追加のランを含む)』が重要である。下の例はクラブヘッド・スピードが90 mph(40.2 m/s)と100 mph(44.7 m/s)の場合。「攻撃角度=0°」は水平の打撃、「攻撃角度=+5°」は上昇軌道の打撃を意味する。(データはTrackMan™提供)

a) 最長キャリー

ヘッド速度 攻撃角度 発射角度 ボール速度 スピン率 キャリー距離 総合距離
40.2 m/s
13.4°
131 rpm
3,093 rpm
203ヤード
228ヤード
40.2 m/s
+5°
16.4°
132 rpm
2,633 rpm
214ヤード
239ヤード
 
44.7 m/s
12.1°
146 rpm
3,118 rpm
235ヤード
272ヤード
44.7 m/s
+5°
14.9°
148 rpm
2,538 rpm
247ヤード
272ヤード

b) 総合最長距離

ヘッド速度 攻撃角度 発射角度 ボール速度 スピン率 キャリー距離 総合距離
40.2 m/s
10.8°
132 rpm
2,517 rpm
196ヤード
245ヤード
40.2 m/s
+5°
13.8°
134 rpm
2,021 rpm
207ヤード
259ヤード
 
44.7 m/s
10.0°
148 rpm
2,570 rpm
230ヤード
278ヤード
44.7 m/s
+5°
12.4°
149 rpm
1,887 rpm
239ヤード
293ヤード

 

あなたがソフトな地面のコースでプレイするのでなければ、総合距離を最長にするのがより効率的であると私は考える。

インストラクターたちは、急角度に落ちるボールよりも緩やかな角度で落下・着地するボールの方が距離が稼げることを以前から経験上知っていたが、TrackMan™が登場するまで、その度合いはよく解らなかった。いまTrackManの助けで云えることはこうだ。《ボールの降下角度を1°減らす毎に1.5〜2ヤード増やせる》 さらに、あなたがドローを打てば、簡単に着地角度を10°減らすことが出来る。【編註:つまり約15〜20ヤードの飛距離増】

ボールの選択も無視出来ない。あなたがドライヴァーで過度にスピンを生むスウィングをしているのであれば、スピン率の低いボールを選ぶべきだ

[icon]

私は12°ロフトのR11sドライヴァー購入した際、「FCTスリーブ」と呼ばれるシャフト・アダプターによる弾道調整を"HIGHER"(高め)にして打ってみました。飛距離は全く伸びませんでした。以前から、南部の暑い気候と粘土質の固い地面では、キャリーだけでなくランが重要ではないかと思い、弾道調整は"LOWER"(低め)にしていたので、R11sも直ちにそれに戻しました。

上の記事は、私の直感を裏書きしてくれました。固い地面のコースでは低めの弾道が有利なのです。雨の後の湿った日のラウンドでは、キャリー優先の"HIGHER"に調整し直します。前々日の雨でまだ湿っぽい地面で試してみると、"LOWER"より"HIGHER"の方が最長14ヤード遠くに飛びました。

(july 02, 2017)

ローンチ・モニタのデータ解読法

各ツァーのクラブ・フィッターとして活躍するChris Demsey(クリス・デンプスィ)とインストラクターKevin Walker(ケヴィン・ウォーカー)両名による、ローンチ・モニタ解析項目の説明とツァー・プロたちの参考データ。

'Golf Magzine: The Best Driving Instruction Book Ever!'
edited by David DeNunzio (Time Inc. Home Entertainment, 2012, $32.95)

「現在最高のローンチ・モニタはFlightScupe®とTrackMan⁚の二つである。これらはあなたの打ったボールがどのように宙を飛ぶかについての重要な情報を提供するだけでなく、あなたがどのようにクラブをボールに送り届けているかも教えてくれる。

あなたがローンチ・モニタに対する時、明確に何が計測されるのか知っておくべきだ。次の八つの要素は、最も重要なものとして広く認められている。

1) 発射角度(Launch angle)

ボールがクラブフェースを離れる際の最初の角度。これはクラブのロフト、フェース角度(オープンあるいはクローズ)、そして攻撃角度などによって変化する。一般的に云って、最長飛距離を得ようとすれば高い発射角度と低スピンが望ましい。

PGAツァーのベスト:14.25°
PGAツァーの平均: 10.72°

2) スピン率(Spin rate)

 

ボールのバックスピンの毎分の回転数(rpm)。スピン率は、クラブのロフト、シャフトの重さ(グラム)、シャフト・フレックス(毎分のサイクルで測られる)、あなたの攻撃角度(上昇軌道、フラット、下降軌道等)、フェース角度(オープンあるいはクローズ)、シャフト特性、シャフト・トルク、そしてボールの性能などによって変化する。最長飛距離を生むドライヴァーは、一般的に云って低スピンと適切な発射角度を生み出すものだ。もし、あなたが遅めのスウィングをするタイプなら、ボールを上げるためにもっとスピンが必要である。

PGAツァーの最低スピン率:2,197.5 rpm
PGAツァーの平均スピン率:2,655.4 rpm

[fitting]

3) スマッシュ・ファクター(Smash factor)

ボール速度をヘッド速度で割って得られる値(エネルギー転換効率)。これはボールとどれだけソリッドに接触したかを示す指標である。もし、あなたのヘッド速度が100 mph(44.7 m/s)、ボール速度が120 mph(53.64 m/s)だとすると、スマッシュ・ファクターは1.2になる。完璧に効率のよいスマッシュ・ファクターは1.5だ。もしあなたのスマッシュ・ファクターが1.5以上であれば、あなたのドライヴァー・ヘッドはUSGA公認の最大CORを逸脱していると思われる。

あなたがゆっくりスウィングすればするほど、効率のよいスマッシュ・ファクターを生むに充分なボール速度を作り出すことが困難になる。あなたのヘッド速度が極端に早い場合も同じことだ。いずれにせよ、可能な限り効率よいスマッシュ・ファクターを得る鍵は、ドライヴァーのスウィート・スポットでボールを捉えることだ。

4) フェース角度(Clubface angle)

インパクトでクラブフェースがターゲットに対し何度オープンあるいはクローズであるかの測定値。これは、あなたのスウィングのタイミング、ヘッド速度・手の速度・シャフトにかける負荷等と関連するシャフト・フレックスおよびシャフト特性などによって変化する。

フェース角度それ自体を完璧に測定することは出来ないのだが、クラブヘッド軌道との関連で測ることは出来る。《ボールが飛び出す最初の方向は主にフェース角度によって決定され、カーヴする度合いはヘッド軌道に対するフェース角度が決定する》

よくある例:ヘッドが5°ターゲットラインの外側からインパクトに向かう(=手打ち)ものの、フェース角度が2.5°クローズだった場合、ボールはターゲットの左に飛び出してスライスする。フェースはクローズなのだが、軌道に対して2.5°オープンだからスライス・スピンを生むのだ。

5) ヘッド軌道(Clubhead path)

ターゲットに対しクラブヘッドが振られる軌道。正の値はインサイド・アウトで振られたことを表し、負の値はアウトサイド・インで振られたことを示す。この軌道は、クラブの長さ、ライ角、あなたの肉体的弱さと強さ、シャフト・フレックスなどによって変化する。あなたが最長飛距離を得たければ、ドライヴァーをターゲットラインにインサイド・アウトで向かわせる必要がある。

6) ヘッド速度(Clubhead speed)

クラブがインパクトへと動く早さの測定値。これはクラブの長さ、シャフト・フレックス、手の速度、スウィング・テクニック、クラブ全体の重さとあなたの運動能力などによって変化する。ヘッド速度は飛距離のために重要な要素だが、いかにボールとコンタクトするかの質の方がもっと重要である。

PGAツァーの最高:125.34 mph(56 m/s)
PGAツァーの平均:112.68 mph(50.4 m/s)

7) ボール速度(Ball speed)

インパクト後ボールがクラブフェースを離れる速度。これは、クラブヘッドとボールの接触のソリッドさの度合い、ヘッド速度、シャフト・フレックス、C.O.R.、そして使用ボールなどによって変化する。ボール速度を増すには、以上の組み合わせを正しくする必要がある。

PGAツァーの最高:185.80 mph(83 m/s)
PGAツァーの平均:166.61 mph(74.5 m/s)

8) 攻撃角度(Angle of attack)

 

インパクト・ゾーンで、クラブヘッドがボールへ向かう角度(地面に対する比較)。これはクラブのスウィング・ウェイト、シャフト・フレックス、スウィング法、そしてヘッド軌道などによって変化する。一般的に、ロング・ヒッターは正の攻撃角度(0〜7°)、そうでない者は概して0に近いか若干負の角度(0〜マイナス3°)になる。基本的に、あなたがボールを遠くへ飛ばしたいなら上昇軌道で打つべきである

[icon]

最近の私は、ボール位置は左肩突端の前方とし、8.3センチのティーをかろうじて立つぐらいに長めに地面に刺し、その15センチ後ろでドライヴァー・ヘッドを構えるようにしています。これだと確実に上昇軌道でボールを打てます。これは、私のゴル友のMike Reekie(マイク・リーキィ)がずっと前から実践し、凄い飛距離を得ていた方式です。私も真似しようと試みたことがあったのですが、どうしてもポップアップを打ちそうな恐怖から逃れられず、7センチのティーに撤退していたのでした。

この方式にしてほぼ一ヶ月経ちますが、この記事執筆時点では只の一度もポップアップは出ていません。恐れる必要はなかったのでした。ここ数年の臆病さが悔やまれます(;へ:)。

【参考】「ドライヴァーのロフトに関する知られざる事実」(tips_91.html)

【おことわり】クラブ・フィッティングの画像はhttp://ballgolf.comにリンクして表示させて頂いています。

(July 02, 2017)

ストローク軌道のチェック法 [stroke] [marker]

以前、パターヘッドにレーザー・ポインタを括り付け、フェースがストロークの間終始ターゲットを向いているかどうか調べるという軌道チェック法を紹介しました。レーザー・ポインタはさほど高いものではありません。ただパターヘッドにレーザー・ポインタを取り付ける角度調整が厄介でした。今回の方法は家にあるもので間に合わせるので一銭もかからず、レーザー利用よりもずっと簡単です。おまけに、レーザーでは解らない要素も解析出来ます。

用意するものはマジック・マーカーとガムテープ、それにやや大きく厚めの紙。上左の写真のようにマジックのペン先だけがパター底部(スウィート・スポットの真下)にはみ出すように調節して、マーカーをシャフトにテープで止めます。

手元に大きめの光沢紙があったのでそれにボール大の赤丸を描いて床に置き、その紙を両足で踏んで紙が動かないようにしながらストローク。「常識外れのパッティング」(06/25)で紹介した両腕を伸ばしてパター・シャフトと一線にしてストロークするメソッド。今回は8メートルの距離にボールを転がす想定で打ってみました。

私はバック・ストロークもフォワード・ストロークもストレートにしようと努力しているのですが、テスト結果(上右の図)ではバック・ストロークで僅かにインサイドに引いていることが判明しました。これは右肘が緩んでいて、完璧な“常識外れ”になっていなかったせいです。どうせやるならとことん常識外れにすべきでした。

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両手の間に出来る三角形を変形させずに動かすとパターフェースをスクウェアに保てます。しかし、右肘も左肘と同じように突っ張って左肩を前に出すまいとすると(前に出すと円弧型になってしまう)、アーム・ストロークではなく肩を上げ下げするショルダー・ストロークに変貌してしまいます。これは以前にやっていた時期があり、距離コントロールが至難であることが分っています。右肘を支点にして前腕を返すようなバックストロークも、ヘッドをインサイドに向かわせてしまいます。で、折衷案。右肘は(突っ張るのではなく)割と固めに保つだけにし、右肘を身体から浮かせることにしました。これだと両前腕が形成する三角形は保てます。でも、これって僅かながらフライング・ライト・エルボー!この方式でテストした結果が右の図です。バックストロークで右肘を浮かすことがパターヘッドをやや上昇させるため、ボール後方の軌跡が短くなっています。前回のテストに較べ、バックストロークでインサイドに向かう傾向が激減しているのが判ります。前回の軌道はインパクトにおける方向性がかなり雑でしたが、それが狭く集中したのは進歩です。

数日後のラウンド、OUTを15パット、INを12パット、計27パット(スコアは計6オーヴァー)に収められました。バーディ達成は一個だけでしたが、二つのバーディ・パットを僅かにリップ・アウト。チップイン無しでハーフ12パットは、最近の私としては上出来でした。

【参考】「レーザー光線でパット練習」(tips_139.html)

(july 05, 2017)

スウィートスポットでパットすることの重要性

 

ショート・ゲーム専門インストラクターDave Pelz(デイヴ・ペルツ)による、スウィートスポットでボールを打つかどうかで著しく変わる結果について。

'Putt Like the Pros'
by Dave Pelz with Nick Mastroni (HarperPerenial, 1989, $13.50)

「8フィート(2.4メートル)を越えるパットにおいて、他の全てのテクニックが完璧だったとしても1/4インチ(約0.64センチ)スウィートスポットを外すと、95%のパットをミスする。だから、ボールをスウィートスポットで打つことがもの凄く重要だということが解ると思う。あなたが、よいフェース角度を重要視するか、打球面の中央で打つことのどれかでいいヘッド軌道を得なければならないとしたら、常にソリッドなコンタクトの方を選ぶべきだ。何故かって?ソリッドにストロークをすれば、ボールは少なくともラインを逸れずに転がるので、カップに入るチャンスがあるからだ。

あなたがスウィートスポットでストロークしないと、いかにあなたの軌道とフェース角度が良くても、ボールは想定よりもっとブレイクし、ライン上の凸凹などに影響され易い。ソリッドに打つことこそが成功のチャンスを増やしてくれるのだ」

【参考】
・「スウィートスポットでパットする」(tips_20.html)【手軽で効果的な練習法】
・「スウィートスポットの秘密(パター篇)」(次項)

 

(July 04, 2017)

スウィートスポットの秘密(パター篇)

ショート・ゲーム専門インストラクターDave Pelz(デイヴ・ペルツ)による、真のスウィートスポットを見つける方法。

[Aoki]

'Putt Like the Pros'
by Dave Pelz with Nick Mastroni (HarperPerenial, 1989, $13.50)

「パターのスウィートスポットは、フェースの真ん中にあるとは限らない。打球面の中心でボールを打つと、パターフェースはぐらつかずに留まる。ヘッドは全エネルギーをボールに伝えて、単純にスピードを緩める。

しばしば、誰かがパターを指で垂直にぶら下げ、フェースを鉛筆の先などで叩いてヘッドがぐらつかないポイントを調べている様子を目にすると思う。だが、この方法は正しくない。それはパターの重心の位置を教えてくれるだけで、打球面の中心は判らない。何故なら、パターが垂直に下げられた場合、シャフトとハンドルの重量が中心でバランスを取るからだ。

正しい方法はこうだ。パットする時と同じように、地面に対し約70°ほど傾斜させる。これだと、シャフトとハンドル双方の重さはパターのヒール側でバランスを保つ。指先でこの角度に軽くパターを保持し、それから鉛筆の先などでフェースを叩く。叩いた時にヘッドがぐらつかず、振動もせず、あなたの手にショックを感じないところが打球面の中心で、真のスウィートスポットである。

お分かりのように、スウィートスポットの実際の場所は地面に対するパターの角度によって変化する。例えば青木功のようにシャフトを寝せると、シャフトとハンドルの重量は著しくヒール側に寄るため、スウィートスポットもそちらに動く。ゴルファーがその新しいスウィートスポットでボールと接触するのなら、これがいけないという理由はない。だが、この手法には具合の悪い点がある。すなわち、このゴルファーがパターで地面を引っ掻くと、ヒールが地面でつっかえ、トゥをターゲット側に回転させ左へミスする原因を作る。しかしながら、真のスウィートスポットで打たれていれば、この位置からでもうまくソリッドなパットは可能である。

逆に、Payne Stewart(ペイン・ステュアート)のようにパターをほぼ垂直に立ててパットする場合、スウィートスポットは若干トゥ側に寄る。だが、彼はそこでボールを打つので問題ない。

重量配分やパターの形体の違いは、ソリッドに打たれる限り、ボールへのエネルギーの伝達には全く無関係である」

(July 05, 2017)

ショート・パットの軌道チェック

 

インストラクターDavid Leadbetter(デイヴィッド.レッドベター)によるtip。

'Make more three-footers'
by David Leadbetter ('Golf Digest,' August 2008)

「『入れて当然』という短いパットの失敗が度重なっているなら、パッティング軌道をチェックする必要がある。

地面にクラブ・シャフトを寝かせ、それをターゲット・ラインと想定する。その上にパターを当ててアドレスし、寝かせたパターから外れないように集中しながら素振りを繰り返す。

アーク(弧)パッティングをする人の場合は、バックストロークとフォローでパターヘッドはややシャフトの内側に向うことになる。

パターがシャフトを擦る音は、メトロノームのようにあなたのリズムを構築する助けとなってくれる。スムーズな音はスムーズなストロークの証明である」

【参考】
・「ショート・パット練習法のベスト1」(tips_165.html)
・「材木でパット練習の効能」(tips_180.html)
・「1.2mのパットをミスしない方法」(tips_120.html)
・「ショート・パットの研究」(tips_133.html)

 

(July 05, 2017)

Jim McLean(ジム・マクレイン)のスロット・スウィング

インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)は“Xファクター”、“Yファクター”などユニークな発見で有名ですが、この「ゴルフ・スウィングには一つのプレーンでなく、二つのプレーンが必要」とする“スロット・スウィング”も注目に値します。次項の「正確無比なショットの秘訣」と合わせてお読み下さい。

'The Slot Swing'
by Jim McLean(John Wiley & Sons, 2009, $25.95)

[Garcia]

「高いプレーンから低いプレーンにシャフトを落下させることを、私はスロット・スウィングと呼ぶ。【註】 スロット・スウィングはボールとのソリッドなコンタクト、突き刺すような弾道、選んだクラブに適切な軌道などを生み出す。スロット・スウィングはまた、最も有害なエラーである手打ちを撲滅する。

【編註】"slot"(スロット)の原義は「自販機やスロット・マシンなどのコイン投入口のような細長い小さな穴、細長い隙間 」。「スロット・スウィング」はシャフトをトップから一定の位置(スロット)に落下させることを暗示している。

長い間、ゴルファーたちはボールと肩とを結んで描かれたガラス板の絵によって誤ったイメージを植えつけられて来た。【註】 アドレス・プレーンはガラス板のプレーンよりかなり低い。バックスウィングでパワーを蓄えるには高いプレーンでなければならず、ダウンスウィングでそれを低いプレーンに戻す必要がある。アマチュアはバックスウィングのプレーンをなぞってダウンスウィングをしようとするが、これはうまくいかない。両手はボールへと同じ軌道を辿らず、トップでのプレーンのまま留まる(あるいは僅かに急角度になるだけ)。低いプレーン(=スロット)へと落下するのはクラブシャフトである。下半身の中心をターゲット方向へシフトすることによってダウンスウィングの引き金を引くと、この動きは自然に発生する。

【編註】バックスウィングのガラス板の絵が強烈なのは確かですが、Ben Hogan(ベン・ホーガン)の本には“第二のプレーン”としてダウンスウィングのガラス板の絵も掲載されています(あまり目立たないけど)。Ben Hoganも「第二のプレーンは最初のプレーンより角度が浅い(=低い)」と云っています。

スロット・スウィングには三つのタイプがある。

1) 高く上げて低く下ろすプレーン

最も一般的なスロット・スウィング。クラブをアドレスより高いプレーンで上げ、ダウンスウィング開始と同時にクラブを落下させ、シャフトをフラットに(寝せるように)する。この代表はSergio Garcia(セルジオ・ガルシア、右図)やRickie Fowler(リッキィ・ファウラー)である。これはさしたる努力抜きで実行出来るので、私の生徒たちの多くに勧めている。

2) ほぼ同一プレーン

この代表はTiger Woods(タイガー・ウッズ)。私の考えではこれはとても難しい。上げるのも下げるのも同じプレーンというのは容易く聞こえるが、これには大変な運動神経と、スウィング動作のどの位置においても完璧さが要求される。これには何年もの練習が必要である。大概のゴルファーは自分は1プレーンのスウィングをしていると思い込んでいるが、実際には異なるプレーンを用いている。

3) 低めに上げて高くから下ろすプレーン

これは(1)の反対である。この代表はSam Snead(サム・スニード)、J.B. Holmes(J.B.ホームズ)、Matt Kuchar(マット・クチャー、右の写真)らである。クラブヘッドはテイクアウェイでインサイドからフラットに(低めに)上げられ、右手と右肘を身体の背後に位置させる。ダウンスウィングの開始で両手・腕はループを描き外側に向かう。クラブヘッドは身体の前で返されるのでなく、両手を追いかける。多くのゴルファーにとって、これは古典的な自殺行為である」

[icon]

(1)を実践する方法は「正確無比なショットの秘訣」(次項)をお読み下さい。

【参考】「腰のリードで、さらなるパワー」(tips_181.html)

 

(july 09, 2017)

正確無比なショットの秘訣

 

これは上の記事の「高く上げて低く下ろすプレーン」、「二つのプレーン」(tips.80.html)における「2プレーン・ゴルファー」に役立つ秘訣です。

 

・右肘が右ポケットを越えないダウンスウィング

先ず、私が2000年に当サイトに掲載した「レイト・ヒットの研究・解明篇」(tips_37.html)という記事の一節を御覧下さい。


[Fred]

答えは只一つ。右肘は漠然と身体の右へ引きつけられるのでなく、身体の右脇の背中寄りに引きつけられなくてはならない。

右肘が背中寄りに引きつけられるかどうか、体格の割りには飛ばし屋と云われたFred Couples(フレッド・カプルズ)のヴィデオを研究してみました。これ迄語られたことがなかったレイト・ヒットの秘密が解明出来ました。私はFred Couplesのズボンのポケットに注目したのです。彼の右肘がポケットを越えるかどうか。アニメを御覧下さい。細部は放っておいて、右肘()と右ポケット()の位置関係だけに目を凝らして下さい。Fred Couplesの右肘はインパクト直前まで右ポケットを越えていません。私が「右肘は身体の右傍の背中寄りに引きつけられなくてはならない」とした推論は正しかったのです。  (May 14, 2000)

 

 

・ダウンスウィングで右肘を右ポケットに入れよ

次はインストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)が2009年に出版した本『スロット・スウィング』の中の一節。この本の骨子は、ゴルファーは高めのバックスウィング・プレーンと、低めのダンスウィング・プレーン(=スロット)の二つを持つべきだというもの。

'The Slot Swing'
by Jim McLean(John Wiley & Sons, 2009, $25.95)

「ダウンスウィングの最初の動きは、ベルトの下の出来事である。バックスウィング完了後直ちに下半身がターゲット方向に水平に動く。膝も前方に動き、体重が左足に移動する。それにつれて両肘と両前腕が落下し、下半身はさらに前方に動く。クラブシャフトはフラットになり、ゴルファーが意識することなくプレーンは低めになる。

クラブシャフトとクラブヘッドはあなたの身体の背後に落下するように感じるべきだ。その鍵となるものは、右肘を腰に近づけ、右手の下に位置させることだ。これが正しく遂行されれば、右肘がボールに向かって動くように感じる筈だ。

もしバックスウィングからダウンスウィングへの推移で焦点を当てるべき何かが必要なら、それは右肘だ。クラブを身体の背中側にし続けながら、引き締まった右肘がズボンのポケットの中に入り込もうとしているように感じること。これが遂行出来れば、ボールにインサイドからのパワフルな打撃を与えることが出来る」

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どうです?ズボンの右ポケットに着目し、右肘が右ポケットを越えないこと…とする点などそっくりです。Jim McLeanの本は私の記事掲載の九年後の出版ですから、彼が私の記事にヒントを得た可能性があります(まさかね)(^^;;。

[drop]

私は凄い秘訣を発見したわけですが、発見しっ放しでそれを実行していませんでした(;_;)。これを機に、右肘が右ポケットに向かうスウィングを再開しました。トップで両手や右肘を落下させようとするとプッシュしたりしますが、右肘を右ポケットに向かわせるスウィングは別に難しくない上、驚くほど正確な方向性が得られます。

私はスウィング速度が早くないので、これによってドライヴァーの飛距離がどう変わるかより、アイアンでのその素晴らしい方向性にうっとりさせられています。このダウンスウィングのコツは、手・腕のことを忘れて先ず下半身を動かすこと(でないとプッシュする)。上半身がその動きに追随しますが、《右肘を右ポケットに向かわせる》が念頭にあれば,自然にそれが実現し、拍手喝采もののピン傍ショットが生まれます。これと「Mr. X(ミスターX)のタイミング」(6/21)の"ONE-TWO-THREE"のリズムを併用すると鬼に金棒です。

この《下半身主導で、右肘がズボンの右ポケットを越えないスウィング》を練習ラウンドで試した日、攻めるのが難しいあるホール(パー4)で、二打目のミドル・アイアンをピンに絡めて1.5メートルに寄せられたので、呆然とし、なおかつこれが秘密兵器となることを確信しました。

続く本番の日のNo.3(パー4)。私はティー・ショットをプッシュして右の松の木に当ててしまい、残りは95ヤード(木に当たらなければサンド・ウェッジかロブ・ウェッジの距離が残るところだったのに…)。経験上、この距離だと9番アイアンを6センチほど短く持って打たねばなりません。その距離感を信じつつ《下半身主導で、右肘がズボンの右ポケットを越えないスウィング》を実行したところ、何とチップイン、イーグル!大袈裟でなく、これは驚異的正確さを実現出来るメソッドと云えそうです。

'Golf Magazine'誌編纂による'Play Like a Pro'(Time Home Entertainment In., 2013、$29.95)という本でRickie Fowler(リッキィ・ファウラー、右の写真)は、彼のダウンスウィングについて「クラブシャフトは右前腕に重なる。これが超正確なスウィングの源だ。私はこれを単純に下半身を回転させることで達成する。とっても簡単」と述べています。これは「腰のリードで、さらなるパワー」(tips_181.html)に出て来たチェック・ポイント(上図)そっくりではありませんか!同書に出て来るRory McIlroy(ロリィ・マカロイ)やJustin Rose(ジャスティン・ローズ)なども全く同じ形のダウンスウィングをしています。 三名とも、ダウンスウィングでシャフトは右前腕に重なり、右肘は右ポケットの手前に留まっています。やはり、これが正確なショットを放つ秘訣なのです。

後日、「腰の動きで飛距離を伸ばす」(tips_116.html)の「三塁方向にベルトがグイッと引っ張られるように腰を動かせ」を加味してみましたが、私がこれを実行すると慌てふためいてしまってスウィングが荒くなり、ダフったりトップしたりします。私にはもっと穏やかな、《右ポケットを追い越そうとする右肘から逃れるように腰を動かす》…程度が適切のようです。

このスウィングはレイト・ヒットも実現するため、正確なだけでなく飛距離も増します。ウェッジは別として、ミドルアイアン、ショートアイアンはいつもより5ヤード(あるいはそれ以上)遠くへ飛んでいた感じ。このメソッドを実践する限り、今後はクラブ選択を微調整せねばなりません。折角ピンにまっしぐらに飛んでも、常に5ヤードもオーヴァーするんでは勿体ないので。

【参考】「腰の動きで飛距離を伸ばす」(tips_116.html)

 

(July 09, 2017)

ダウンスウィングの研究

「正確無比なショットの秘訣」(07/09)で、《ダウンスウィングの両手が腰の高さの時、右前腕とシャフトが重なるべきだ》という説およびそれを実践しているRicky Fowler(リッキィ・ファウラー)の例を紹介しました。そのセオリーはまた、右肘がズボンの右ポケットを追い越さないという点でも共通しています。もっと沢山、こういう実例が見つけられないか…と思いました。

[cover]

手元に二冊のスウィング連続写真集があるので、その中から右図と同じダウンスウィングをしているプロを探しました。

1) 'David Leadbetter's Lessons from the Golf Greats'
by David Leadbetter with Richard Simmons (HarperCollins, 1995, $29.95)

これには25名の男女プロの連続写真が収められています。連続写真と云っても、飛行線後方と正面から一人につき8枚ずつしかありません。右の図のようなアクションを調べるには飛行線後方のアングルが必要ですが、タイミング的にカメラが捉え切れなかったり、編集者が上の位置の一駒を選択していないこともあるわけです。

ダウンスウィングの両手が腰の高さで右前腕にシャフトが重なっているのは、Laura Davies(ローラ・デイヴィス)、Ernie Els(アーニィ・エルス)、Raymond Floyd(レイモンド・フロイド)、Davis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)、Nick Price(ニック・プライス)、以上五名のみでした。

2) 'Lessons from Golf's Greatest Swings'
from the editors of 'Golf Digest' (NYT Magazine Group, 1996, $4.95)

この'Golf Digest'誌別冊には33名のプロの連続写真が掲載されていますが、飛行線後方からは一人につき9枚。ダウンスウィングで右前腕にシャフトが重なっているのはPaul Azinger(ポール・エイズィンガー)、Corey Pavin(コリィ・ペイヴン)、Nick Faldo(ニック・ファルド)、Nick Price(ニック・プライス)、Davis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)、Moe Norman(モゥ・ノーマン)、以上六名。

不思議ですが、こちらの方ではLaura Davies(ローラ・デイヴィス)とErnie Els(アーニィ・エルス)の右前腕はシャフトと重なっていません。彼らのスウィングが変わったのか、カメラのシャッター・チャンスのせいか、編集者の画像選択のせいなのかどうかは不明。

この別冊の巻頭を飾っているのはJohnny Miller(ジョニィ・ミラー)で、彼自身の写真を材料に19項目にわたって「連続写真の読み方」を解説しています。《右前腕とシャフトが重なるべき》というテーマを探究している私に、彼は次のように冷水を浴びせかけます。「もし、シャフトが右腕に重なるようだと、ボールはドローかプッシュになり、逆に、シャフトが左腕に重なるようならボールはプルかフェードになる筈だ」 で、彼自身のクラブシャフトは右前腕の上(地面と45°の角度)になっています。

通常、私はJohnny Millerの云うことには耳を傾けるのですが、今度ばかりは眉に唾しました。以下の写真を御覧下さい。これら世界の精鋭たちが、みな揃いも揃ってドローかプッシュを打っているなんて信じられないからです。


Rory Mcilroy(ロリィ・マカロイ、愛蘭)

Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア、スペイン)

Tony Finau(トニィ・フィナウ、米国)

Adam Scot(アダム・スコット、豪州)

Lydia Ko(リディア・コゥ、ニュージーランド)

Emiliano Grillo(エミリアノ・グリロ、アルゼンチン)


松山英樹(日本)

Paul Casey(ポール・ケイスィ、英国)

Henrik Stenson(ヘンリク・ステンソン、スウェーデン)

Ernie Els(アーニィ・エルス、南ア)

 

手元にある他の本も調べてみました。Byron Nelson(バイロン・ネルスン)、Lee Trevino(リー・トレヴィノ)、Steve Elkington(スティーヴ・エルキントン)らが、右前腕とシャフトが重なるダウンスウィングをしていました。それぞれ単行本に掲載された写真であり、最初の二人のはスウィング分析の材料とされています。ドローやプッシュを打った写真を分析の材料にするとは思えません。

[Hogan]

'The Fundamentals of Hogan'
by David Leadbetter (Doubleday and Sleeping Bear Press, 2000, $27.50)

David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)による'Ben Hogan's Five Lessons'(邦題:モダン・ゴルフ)の解説本にレイト・ヒットの練習に関する部分があります。それはBen Hogan(ベン・ホーガン)の右図の位置から素振りをするというものですが、この位置は飛球線後方から見ればまさしく右前腕とシャフトが重なる部分です。David Leadbetterは次のように述べています。

「ダウンスウィングが始まると、右肘は落下して右腰に向う。一方、両手は胸からの距離を維持している。この感覚を養うには、ダウンスウィングの途中の、インパクトの一歩手前の状態を作る(右図)。右肘は右腰に接しているか、右腰の前にある。このポーズを数秒間キープし、ついでフィニッシュに向って"aggressive"(攻撃的、積極的)に振り抜く。これをマスル・メモリにインプットする。これがHoganが望んだ『パワーを増すためには、私は三本の右腕が欲しい』を実現する、パワー全開のためのポジションである」

【参考】「レイト・ヒットの研究・特訓篇」(tips_54.html)

(july 12, 2017)

ダウンスウィングの右肘について

 

「正確無比なショットの秘訣」(07/09)で、《ダウンスウィングで、右肘はズボンの右ポケットを越えてはならない》という説を紹介しました。「二つのプレーン」(tips_80.html)で有名なインストラクターJim Hardy(ジム・ハーディ)が、Ben Hogan(ベン・ホーガン)の右肘に関する考察を書いています。

'The Plane Truth for Golfers'
by Jim Hardy with John Andrisani (McGraw-Hill, 2005, $16.95)

「私はここで不正確なインストラクションについて指摘しておきたい。それはBen Hoganが'Ben Hogan's Five Lessons'(邦題:モダン・ゴルフ)で提起した腕に関するもので、特に右肘に関わるものだ。Ben Hoganの本は、ダウンスウィングの開始にあたって右肘が腕をリードし、右腰の前に置かれるべきだと述べている。

彼の偉大なゴルフへの道は平坦ではなかった。彼がトップクラスとなってもなお、低く飛び、絶えずつきまとうコントロール不能のフックを克服せんと、何年も練習に明け暮れた。彼はフックを手懐(てなず)けようと腐心したのだ。

彼に役立つと思われたことの一つは、股関節の上に右肘を落下させる動きであった。私は明白に、Ben Hoganが右肘を身体の前に位置させることによって、クラブを後方に置き去りにし続けられると考えたと思う。彼は、そうすればクラブフェースをターゲットラインに対してオープンにしたまま、ターゲットラインのインサイドからボールに向かうことが出来ると考えたのだ。彼は当初、その二つの要素でフックを撃滅可能だと感じたに違いない。しかしながら、彼がダウンスウィングで(かなりインサイドのスウィング軌道で)クラブフェースをオープンにすればするほど、インパクトの瞬間にクラブフェースをスクウェアにするため、両手をもの凄く返さなくてはならなくなった。インパクトの瞬間に、独立した手の動きによってクラブフェースを一定してスクウェアにすることなど、到底不可能である。それはあなたがハンデ25だろうとBen Hoganであろうと同じである。超短時間に行うべき精密な動きとしては、常軌を逸している。

[Hogan]

だが、Ben Hoganは彼のプロ生活後半になって、ダウンスウィングで徐々に右肘を後方にし、(以前のように腰の前ではなく)身体の右に向けるようになった。これはシャフトを過度にインサイドでなくクラブフェースをスクウェアにするオンプレーンに変えた。私には、これが(手で過度にクラブフェースを弄くることなく)上体の回転が両腕とクラブをインパクトで鞭のように動かせるようになった理由であろうと考える」

以下は、同書から「2プレーン・ゴルファー」の正しい腕の使い方。

「2プレーン・プレイヤーのトップで、両手は右肩の上にある。両手が下方へ動く時、両手・両肩と右肘で形成される三角形の角度を大幅に広げる。それはまるで右腰の高さにある板を空手チョップで叩き割るようなものだ。この両腕の下方へのチョップは、2プレーン・プレイヤーのダウンスウィングにおける最も重要なパワー源である。覚えておくこと:両腕をあなたの右サイドに真っ直ぐ突進させねばならない。多くのゴルファーは両腕とクラブをボールに向かって振るべきだと考える。大間違い!あなたが両手をボールに向かってスウィングすると、両腕はインサイドに充分に落下せず、過度にアウトサイドに振られてしまう。その結果は急角度のアウトサイド・インの薪割りスウィングである。

もし2プレーン・スウィングに秘訣があるとすれば、それはボールに向かって振るのでなく、両腕を切り離して(=セパレーション)身体の右サイドに落下させ、インサイドからヒットすることである」

[icon]

セパレーションについて「体型別スウィング(テコ型の補遺)パート2」(tips_157.html)には、「ダウンスウィングの最初で、クラブは(ボール方向へと前方に向かうのではなく)下降せねばならない。ということは、両手は右肩から独立して離れるということだ。われわれの用語で、これをセパレーション(分離)と呼ぶ。左腕が地面と平行になるまでに、(横幅の観点からすると)右腕はクラブヘッドを身体から引き離すように真っ直ぐになり始める。このように、左腕とシャフトで形成される90°の角度【コック】を保持しながら、クラブを下降させクラブヘッドの運動の弧を広げるのである」と書かれています。

【参考】「二つのプレーン」(tips_90.html)

(July 12, 2017)

チップインのコツ

ある日のラウンド、私のチーム・メイトのJack Rushing(ジャック・ラッシング、88歳)は、No.7(160ヤード)パー3のティーショットを左の木に当ててしまい、残り80ヤードのピッチングを余儀なくされました。「どこまで寄せられるか?」とわれわれが見守っていると、彼のボールはグリーンエッジに着地し、ポンポーンと弾み、ころころとピンに向かって転がってチップイン!バーディ!

次のNo.8(280ヤード)パー4。同じJack Rushingは二打目をダフってグリーンサイド・バンカーの左横へ。彼の40ヤードの三打目はかろうじてグリーンの端に着地し、上り傾斜をものともせずぽんぽん弾んでピンに向かって転がり、又もやチップイン、パー。

私の場合、「入れよう!」と意気込むとターゲットはカップそのものになってしまいます。しかし、上のJackの例を見ても、私自身の過去のチップインを振り返っても、ボールが直接カップ・インするなんてことは皆無で、少なくとも着地後数回は弾み、その後数メートル(少なくとも1メートル)は転がってから入るものです。つまり、結構なランを見込んで着地点を定め、そこからカップへの勢いを残すようにチップしなければならない。

ある日、No.18(320ヤード)パー4の私の二打目はグリーン左横5ヤードへ。ピンまでは15ヤードですが、砲台グリーンなので20ヤードと見積もって打つことに。この時、チップインなどとはチラとも考えていず、ひたすらギミー(OK)圏内に寄せようとしていました。「ランを見込むこと」…間違ってもピン目掛けて打たないことを心掛けたチップは、着地後とろとろとカップ目掛けて転がり、カップイン、バーディ!実は、二打目を見事にピン傍に寄せたチーム・メイトが二人もおり、私は彼らのバーディ・チャンスを奪ってしまったのでした。彼らはプレッシャーが消えて半ばホッとし、半ば(自分の見せ場を奪われた)怨めしそうな表情をしておりました(^^;;。

その次のラウンド。No.2(350ヤード)パー4の私の第二打は、グリーンオンしたものの、ピンを10ヤードほどオーヴァーして、5ヤードほどグリーンの右外へ。急な下りのラインはパットでも強さ加減が難しいものですが、チップとなるともっと難しい。私は絶対にピンをオーヴァーさせずに寄せようと、全体を10ヤードとして処理することに。間違っても強めに打たない決意で打ったボールは、低く5ヤード飛んでとろとろと転がり、カツンとピンに当たってカップイン、バーディ!この時も私は入れようなどと思っておらず、ひたすらピン傍に寄せようとしただけでした。

 

チップインの可能性を得るコツは、次のようになるでしょう。
1) チップインさせようと思わないこと。チップインは【写真のTom Watson(トム・ワトスン)のように】PGAツァー・プロでさえ喜ぶほどラッキーなハプニング。「入れよう!」と思うと、大体においてオーヴァーします。われわれのゴルフで、オーヴァーしたボールが戻って来てカップに入るなどということは、宝くじの1等に当たるような確率でしょう。謙虚に、ギミー(OK)の距離に寄せようとし、間違って入っちゃう幸運を秘かに祈るのが妥当。

2) カップ目掛けて打たないこと。カップの数メートル手前を着地点とし、惰性で転がったボールがカップに到達する程度の距離感が適切。

期待しないとゴルフの神様が恵んでくれるもの、それがチップイン。

【参考】
・「チップインを目論む」(tips_107.html)
・「Ernie Els(アーニィ・エルス)のチップイン技法」(tips_143.html)
・「Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)のチップインの秘訣」(tips_151.html)

(july 16, 2017)

チッピングの距離調節の進化 [handle]

「ピッチングとチッピングの距離調節・完全版」で紹介したように、私は60°ウェッジに図のようなマークを付けています。これは《クラブを1インチ(2.5cm)短く持つと1クラブ短いものに相当する》という原理に基づいたアイデアです。(e)はフル・スウィングをする時に握る位置で、そこから1.25センチ刻みで白、緑、赤、青と色分けし、5ヤード刻みで打ち分けています。10ヤードの距離なら(a)の青い点(最もヘッドに近い方)に左手の親指を当て、左前腕が地面と水平以下(シャフトが約45°)のバックスウィングをします。15ヤードなら同じ青い点で左前腕が地面と平行になるバックスウィング。【詳細は「ピッチングとチッピングの距離調節・完全版」(tips_169.html)を御覧下さい】

最近は、15ヤードではあるが上り勾配なのでもう少し距離が必要…という場合、(b)の赤点で握って20ヤードのバックスウィングを長くするのではなく、(b)の赤点で握るものの15ヤードと同じ左前腕が地面と平行になるバックスウィングをしています。

20ヤードのチップには、通常は(b)の赤点で握り、左前腕が水平を若干越えるバックスウィング(シャフトは約135°)をするのですが、グリーンが上りで若干距離が必要という場合、(c)の緑点で握り、(20ヤードの通常通りの)左前腕が水平を若干越えるバックスウィングをします。

つまり、一目盛り上げるだけで、バックスウィングは変えません。「15ヤードではあるがもう少し距離が必要」という場合に、即20ヤードとして打つのではなく、一目盛り上げるだけの方がオーヴァーする恐れはなく、必ず上りの攻撃(=容易い)を残してくれるからです。この方がチップインする可能性も高い。

ある日、本番のNo.18(パー4)、私の二打目は砲台グリーン右横20ヤードに。ピンがグリーン中央なら、上の通常の20ヤードのチップで済むところですが、この日のピンは何とグリーンの右端から10ヤードも離れてないところに切ってあるではありませんか。普通に20ヤードのチップをしたらピン近くに着地し大幅オーヴァーは必至だし、ショートすると土手に着地しころころ戻って来てしまうという難問。ピン傍で停止させるにはバックスピンをかけるしかありません。私は、たった5°程度でもクラブフェースをオープンにした場合、予想外に飛距離が落ちることを知っていました(研究の賜物)。で、普通の20ヤードなら(b)で握るのですが、「持ってけ、ドロボー!」と二目盛りおまけして(d)で20ヤードのチップ。ブラボー!高めに飛んだボールは、かろうじてグリーンエッジの内側に着地し、ほぼギミー(OK)の位置で止まりました。やったぜ、ベイベー!

後日、No.4(パー3)で右へ外した場合のチップ・ショットも試してみました。ここはNO.18より意地悪で、グリーンが左に急傾斜しており、右から寄せるボールはごろんごろん転がって、グリーンの外へ出て行ってしまいます。是が非でもバックスピンをかけなくてはなりません。ピンまで10ヤードの位置からトライ。前例に従い、フェースを5°ほどオープンにした後、ここでも(a)から二目盛り増やした(c)で握って10ヤードのバックスウィング。ボールはぴたりとピン傍で止まりました。

結論:フェースを5°オープンにして短いチップをする場合、クラブを1インチ(2.54センチ=二目盛り)長く持たなければならない。

 

(July 16, 2017)

 

常識外れの成果

 

「ストローク軌道のチェック法」(07/05)で、「OUTを15パット、INを12パット、計27パット(スコアは計6オーヴァー)に収められました」と書きましたが、先日OUTを11パット、INを14パット、計25パット(スコアは計4オーヴァー)に収められました。私は23パットを過去に何度か達成しており、その記録には及ばないものの、久々の快挙でした。

パットは、あるホールの数ショットに努力した最後の仕上げであり、いくら華麗なティーショットを放ち、目の覚めるようなアプローチ・ショットを成功させても、パットが入らないと「画竜点睛を欠く」ことになります。まこと、「上がってなんぼ」はパット次第、パッティングの上達無しにスコア・アップはあり得ません。それが、当サイトにパッティングに関するtipがベラボーに多い理由であり、私がなりふり構わず珍奇なスタイルでのストローク法を試みるのを厭わない理由でもあります。

[absurd]

「常識外れのパッティング」(右の写真、6/25)を考案したのも、傍目にどう見えるかなど気にせずそれを継続していたのも、何とか頼りになるストローク法を確立したいという願いからでした。こういう新案というのは、当人が恐る恐る真剣に試している間はいい成果を収めるものですが、ポスチャーやスタンスその他に慣れるに従い、いつしかマンネリになり、成功率も減って来るもの。この、ボールを目の下からかなり離し、両手を伸ばしてアドレスするストローク法も、そのような経緯を辿りました。

しかし、この朝(シニアのゲームの前)の練習の際、私に一つのアイデアがありました。《初心忘るべからず》で、このメソッドを開発した原点に戻ろうという決意でした。いつの間にか両手の伸ばし方が不足気味になっていると思われたのです。練習するうちに、両手をどう伸ばすかより、両手と地面の角度を65°程度に保持するといいように思われました。事実、練習では10メートルの距離のパットに何度か成功しました。

「65°なんて曖昧な角度を常に一定に保てるもんかね?」 お任せあれ。私は、パター・ハンドルの先端(ヘッド側)から4センチ上の部分を基点として左右に延長した(仮想の)線に両爪先を揃えると65°になることを発見。その4センチのところに赤いテープを巻き付けました。両爪先をそれに合わせてアドレスすれば、迷うことなく一定の角度を保てます。

この65°のシャフト角に自信を持って臨んだ本番、通常パーを得るのが難しいNo.1で寄せワンのパーを達成し、自信が確固たるものになりました。No.2でチップイン、バーディの後、No.4(パー3)とNo.5でもソリッドなストロークで寄せワン。No.7(パー3)とNo.8でも寄せワン。No.9をパーに収めて、ハーフのパット数11(1オーヴァー)。

INはNo.10をボギーでスタートしたものの、No.11(パー4)を2オン・1パットのバーディ、No.12(パー3)を寄せワンのパー。No.13(パー3)はワンオンしたもののパー。No.14(パー5)ではバーディ、No.17(パー4)を寄せワンで、パット数14(3オーヴァー)。

パット総数25(合計打数4オーヴァー)。実際には5センチほどカップの横に逸らしてミスしたパットが二度ありますので、それが入っていれば【たら、れば】、パット総数23も可能だったところ(^^;;。

《初心忘るべからず》は大事です。マンネリに堕さず、真剣な姿勢に立ち戻ること。そして、練習での成功で自信を持つことも不可欠。

(July 16, 2017)

 

クローヴァーからの脱出

 

様々な難しいライの処理法を網羅した'Scrambling Golf'(窮地脱出のゴルフ)から、クローヴァーのライについて。

'Scrambling Golf'
by George Peper (Prentice-Hall., Inc., 1977)

われわれの多くはボールがクローヴァーや生い茂った草の上に乗っている時、それが劣悪なライであると認識しない。ボールがラフの上にちょこんと座っているのに似て、とても好ましい状況に思える。だが、クローヴァーのライは(例え、それが四つ葉であったとしても)ラッキーなどというものではない。

【編註】写真のAlison Lee(アリスン・リー)は四つ葉のクローヴァーを見つけたようです。

クローヴァーのライの対処法はいくつかある。先ず第一は、『やっつけられない相手なら、そいつの仲間になってしまえ』という諺に準じて、ワン・クラブ減らし、普通のスウィングで高いフライヤーを打って、必要な距離だけ飛ばす。

二番目の選択肢は、パンチ・ショットによってフライヤー効果を減らすという方法だ。ワン・クラブ減らし、コンパクトに、手首を固くしてショットする。インパクトで手を先行させ、旗に向かってフォロースルーをする。この低いランニング・アプローチは、グリーン手前にバンカーや池がある場合には無論使えない。

三番目で最も洗練された手段は、劣悪なライから通常のショットで脱出しようとするものだ。ラフの上に座っているボールを打つように、クラブを短く持ち、ボールの天辺にクラブヘッドを揃え、右肩より左肩が高いアドレスをする。この場合のスウィングの鍵は長く低いテイクアウェイで、出来るだけ手首のコックを遅らすこと。これらの準備によって、ボールへの水平のダウンスウィングが生まれる」

 

(July 19, 2017)

クローヴァーではランニング

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)が'Golf Digest'誌に四年間連載したアメコミ風カラー・イラスト満載のインストラクション'Jack Nicklaus' Lesson Tee'(ジャック・ニクラスのレッスン・ティー)の総集編より。

'Jack Nicklaus' Lesson Tee'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (Golf Digest/Tennis Inc., 1977)

「クローヴァーには注意せよ、たとえフェアウェイであろうと。クローヴァーは非常にすべすべした物質で、それがクラブフェースとボールの間に挟まると、常にバックスピンを減少させ、フライヤー・ライとなる。クローヴァーのライでは、厚く濡れたフェアウェイの芝同様、私は多くの場合通常のフル・ショットで宙に上げるギャンブルをするより、クラブを短く持ったパンチによるランニング・アプローチをする」

(July 19, 2017)

下半身からのダウンスウィングの見本

2017年のU.S.女子オープンTV中継で印象に残ったのは、優勝者Sung Hyun Park(【英】サン・ヒャン・パク、【日】パク・ソンヒョン、23歳、韓国)のNo.18の二打目のショットのスロー・モーションでした。私には彼女のダウンスウィングが、(彼女の腰が細いせいもあって)まるで蛇がにょろーっととぐろを解(ほど)く動きのように見えました。

[Park]

下記Youtubeヴィデオの後半で彼女の下半身だけの動作が見られますが、蛇の動きのようには見えません(不思議)。このヴィデオで刮目すべきは、彼女の両脚が一瞬ですがガニ股になること。これはSam Snead(サム・スニード)やAnnika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)が見せていた動作です。Sung Hyun Parkの場合は、バックスウィング完了と同時に左膝をターゲット方向に開き始め、手が地面と水平になったところでガニ股になります(写真)。

伝説的インストラクターHarvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)は、「ダウンスウィングの開始で左膝を目標方向に動かし、同時に右肘を身体に引きつける、これを一挙動でやる(二挙動では駄目)」と云っています。

私に手打ちの弊害が出て、必死で下半身主導のダウンスウィングをしようと頑張っても不可能な時、意図的にガニ股体勢を取ろうと努力します。これは特効薬で、一発で手打ちが治ります。

【参考】
・「左膝の研究」(tips_49.html)
・「ダウンの開始はガニマタで」(tips_103.html)
・「ガニマタでダウンスウィング」(tips_112.html)
・「スクヮット姿勢でパワー・アップ」(tips_124.html)
・「ズボンの膝の上に皺を作れ」(tips_129.html)

【参考ヴィデオ】https://www.youtube.com/embed/6X-7EcIm__Y (2:51)

(july 23, 2017)

頭を残すドリル

2017年のLydia Ko(リディア・コゥ)の低迷ぶりは目を覆うばかりです。何せドライヴァー、アイアンからパターまで全部変え、キャディもコーチまでも変えちゃったんですから、ま、当然と云えば当然。蔭で糸を引いた彼女の親父(韓国人)も収入減で臍を噛んでいることでしょう。ゴルフを甘く見た罰ですな。

【私見】最年少記録を更新し続けた娘を天才だと考えたLydia Koの親父は「弘法筆を選ばず」で、どんなクラブでも娘が優勝出来ると考えた(大間違い)。また、昨年までの彼女のコーチDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)は、Lydia Koを彼の「A Swing」メソッドのポスター・ガールに仕立て上げようとしていた感があります。多額のコーチ料を取りつつ、娘を只で宣伝に使うのは許せない…と、彼女の親父は思ったんでしょう。Lydia Ko自身も「A Swing」に傾倒していたわけではなく、もうDavid Leadbetterから学ぶものはない…と考えた可能性があります。David Leadbetterと縁を切れば、多額のコーチ料を浮かせる。安い給料のキャディに替えれば経費が減る。新規参入のクラブ・メーカーと契約すれば、莫大な契約金が入る…という親父の皮算用。こうして、プロ・ゴルフ始まって以来の欲張り大作戦(大博奕)が始まったのですが、結果は予想以上に悪く、Lydia Koはシーズン後半に入ったというのに未だ一勝も出来ず、ベスト5入りは二位タイが一度だけという有様。David Leadbetterは、父親の意見に左右されるLydia Koに苛立ちを隠せない感じでしたが、韓国系の女子プロはみなゴルフ・スクールに通わせてくれたり、コースで練習ラウンドをする金を出してくれた恩義ある親に頭が上がらないことを見逃していたようです。LPGAのTV-CMでLydia Koは「あたし、もう子供じゃないわ」とかのたまっていますが、彼女も父親の言葉には逆らえないのです。

ところで、2017年のU.S.女子オープンTV中継が見せたLydia Koのスウィングのスロー・モーションにはハッとさせられました。写真のように頑ななまでに頭を動かさないスウィングをしているのですが、これをスロー・モーションで見せられると、その完璧さに感動させられます。私のアプローチ・ショットがちゃんと乗らないのは、多分頭を充分残していないせいではないかと思わされました。

次のはインストラクターChuck Cook(チャック・クック)のアイデアによる頭を残す練習法。

'Perfectly Balanced Golf'
by Chuck Cook with Roger Schiffman (Doubleday, 1997, $25.00)

「私は普通は葉巻を吸うことを推奨したりしないのだが、このドリルでは葉巻がスウィングの間ポスチャーを終始一定に保つ助けをしてくれる。

【編註】葉巻でなく、長めの鉛筆や割り箸で代用可。

ボールをティーアップした後、第二のティーを右足前方でターゲットラインの外側(スウィングの邪魔にならないところ)に刺す。葉巻を口に咥えてアドレスし、葉巻の先端を第二のティーに向ける。葉巻を第二のティーに向け続けながらスウィングする。

このドリルは、頭を上下させるミスを防ぎ、インパクト・ゾーンを過ぎるまでポスチャーを保つ助けをしてくれる。その結果、あなたは以前よりクラブの中央でボールを打てるようになる」

 

【参考ヴィデオ】https://www.youtube.com/embed/3wLk27z0Yvk (2:45)

(July 23, 2017)

 

アイアン・フェースのどこで打っているか

ライ角に大きな狂いはないにしても、私はスウィート・スポットで打っていないのではないかという疑念がありました。全てのインパクト・シールを使い切ったので、「インパクト・シール代用品(しかも格安)」(tips_160.html)で紹介した水虫スプレー(粉状)を購入すると、とても気軽にインパクト・チェックが出来ます。そこで、全てのアイアン・フェースのどの部分で打っているかをチェックしてみました。

練習ボールを一篭求め、全てのアイアンのフェースにスプレーを施し、三個ずつボールを打ちました。驚くべし、サンドウェッジ以外の全てのアイアンを、私はヒール側で打っていることが判明しました。よくもこんな状態でグリーンを狙えたものです(冷や汗)。

GW  1センチ(ヒール側)
PW  1センチ(〃)
9番   2センチ(〃)
8番   0.5センチ(〃)
7番   1.5センチ(〃)
6番   2センチ(〃)
5番   2センチ(〃)

で、その差を相殺すべくトゥ側にマジック・マーカーで印を付けました。9番であれば、フェースの中心からトゥ側2センチにマーク。7番であれば、フェースの中心からトゥ側1.5センチにマーク。新しく付けたマークでアドレスして、全てのアイアンで再度三個ずつボールを打ってみると、概ねスウィートスポットで打つ快感と共に、狙った方向に飛ぶ軌道が得られるようになりました。

 

(July 23, 2017)

グリーンの読み方の練習

ヨーロピアン・ツァーのPaul Casey(ポール・ケイスィ)による読み方の初歩。

'Golf Tips from the Pros'
edited by Tim Baker (David and Charles Limited, 2006, $14.99)

「誰にも本当にはマスター出来ないのだが、誰もがマスターすべきもの、それがグリーンの読み方だ。グリーンの読み方は、猛勉強と練習を通して学ぶ芸術である。それはストロークそのものと同じように重要なものだ。だが、人々はストロークの練習ほど読み方に時間をかけない。あなたは完璧なパッティング・ストロークが出来、完璧なショットが打てる。しかし、ボールがカップに沈む方向について練習しなければ、ボールが沈むことはあり得ない。ラインを視覚化することを学ぶべきだ。

友達と一緒に、ブレイクのあるラインを選び、先ずあなたがどれだけカップの右(あるいは左)を狙うべきか読み、その幅にティーを一本刺す。次いで、友達もラインを読んで、ティーを一本刺す。ラインに沿ってパットし、どちらの読みが正しかったか確かめる。

ほとんどのアマチュアは決まってブレイクを少なめに読み、カップから低い側(アマ・サイド)にミスする。上のドリルは、グリーンの読み方を助けてくれる」

[icon]

シニア・グループの一人に非常に競争心の強い人間がいます。彼はアメリカ人にしては背が低いので(私より低い)、憶測ですが少年時代から「チビ」とか馬鹿にする奴らを凌ぐために相当精神的、心理的、肉体的に人並み以上の努力をしたのだと思います。彼の専門知識・技能を借りようとすると快く助けてくれるのですが、彼のゴルフに何か助言しようとすると、素直に聞くことも、聞き流すこともせず、必ず「こうこうだから、おれはこうしてるんだ」と反駁して来ます。負けず嫌いの対抗心が滲み着いているのでしょう。というわけで、誰も彼に助言したりしなくなりました。

 

その彼は、グリーンに二打目であれ三打目であれ、ピンに一番近くに寄せると、腰に手を当てて突っ立ち、「おれが一番近くに寄せたんだかんね」と優越感に浸りながら(?)みんなが寄せるのを見物しています。その時間を有効に使って自分のラインのブレイクを読むとか、上り・下りの度合いを測定するとかすればいいのに、そんなことは一切しません。私は、内心彼のことを「文盲」と形容しています。「文盲」は読めないのですが、彼の場合は読めないのではなく読まない(読む努力を一切しない)ので、もっと悪いかも知れません。そして、彼が自分の番になると本能だけでストロークするので、ショートしたりオーヴァーしたり、明々白々なブレイクの反対側に打ったり、もう滅茶苦茶。呆れます。

「いくら慣れ親しんだコースだからと云って、ボールは毎回違うところにオンするんだから、真剣に読んだら?」と云いたいところですが、そういう助言にも必ず反駁して来ることが予想出来るので、誰もそんなことは云いません。彼はチームのお荷物です。

【参考】
・「パットに関する驚くべき事実」(tips_15.html)
・「Corey Pavin(コリィ・ペイヴン)の芝目を読む」(tips_27.html)

(july 26, 2017)

グリーンの裏目読み

コース設計家は、ゴルファーに簡単にグリーンを征服されぬよう、視覚的・心理的にゴルファーを欺くトリックを多数仕掛けます。しかし、彼にも無視出来ぬ物理の法則があり、われわれがブレイクを読むヒントを残さざるを得ません。それらを賢くチェックすれば、ラインの読み方が楽になることでしょう。以下はインストラクター集団GolfTec(ゴルフテック)が教えてくれる裏技。

'Golf Magazine's The Par Plan'
powered by GolfTec edited by David DeNunzio (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)

「・パットはクラブハウスの方角からブレイクする

100%絶対とは云い切れないが、クラブハウスは通常コースを見下ろす位置に建てられるものだ。城を建てる時、どこからでも見える場所を選ぶのと同じである。あなたがブレイクの読みに迷っているなら、クラブハウスを探すとよい。

・パットはバンカーから遠ざかる方向にブレイクする

コース設計家とコース管理者が避けたい最大のものは、雨水がバンカーに溜まることである。多くの場合、バンカーの余計な保守作業を省くため、グリーンはバンカー以外の方向に傾いている筈だ。

・パットは"collection area"に向かってブレイクする

"collection area"(コレクション・エァリア、写真)は、グリーン周辺でグリーンと同じ長さに芝が刈られ、グリーンに乗せられなかったボールが地形的に自然に集まる場所。ここはこの周辺で最も低い場所であり、排水のための窪地でもあるため、パットはこの方向に転がる」

 

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「パットは太陽の方向にブレイクする」、「パットは水のある地域(海、川、湖、池など)にブレイクする」、「パットは山やグリーンサイドの岡からブレイクする」、「早いグリーンはブレイクが大きく、遅いグリーンはブレイクが小さい」などの初・中級篇は省略しました。

【参考】
・「グリーンの読み方・達人篇」(tips_82.html)
・「ラインの読み方」(tips_135.html)
・「Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)の読み方のヒント」(tips_139.html)

(July 26, 2017)

 

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の読み方の手順

 

'Jack Nicklaus' Playing Lessons'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (Golf Digest Book, 1981)

「ゴルフ・コースで一般的に受ける助言には事欠かないのだが、グリーン上ではそれが甚だしい。そういう助言に耳を傾けるのがいい作法だとしても、私は実際には聞かないのが最上だと示唆したい。自分自身でラインを読んで決定すべきだ。その理由としては以下の三つが挙げられる。
1) ブレイクの量は強さ次第だが、あなたがどんな強さで打つかは誰にも解らない。
2) ラインに関する過度な議論は、距離への注意を混乱させる。距離の方が常に判断が難しいのに。
3) ストロークには完全に明快な自信が必要だが、他人のアイデアが介入すると、それが損なわれる。

トーナメントで私を見たことがあるなら、私がラインを見極める際、ボールの後ろかカップの後ろでしゃがむのに気づいていると思う。私はこの姿勢が傾斜の全体像とうねりを見るのに最適だと考える。地面に這いつくばって虫の視点を得るのはもっといいのかも知れないが、それは唯一前景がよく見えるだけで、地勢が露わになるより隠れてしまうように思われる。直立すると遠くの地域はよく見えるが、近くの勾配と角度がフラットに見えてしまう。しゃがむのが最もいい位置である。

常にカップの両側から読むべきだろうか?完全にノーというのが、その問いに対する私の答えである。最初に検討するのは常にボール後方からであり、あなたが知るべき感覚を全て教えてくれる。他の無駄なことはせず、パットすべきである。この方法だと、他の視点との齟齬はなくあなたの自信をぐらつかせることもない。

しかしながら、ボール後方から見て疑念が残るようなら、カップ後方からの視点があなたの読みを裏付けるか訂正してくれるだろう。それでも充分でなければ、最後の手段はラインの横から見ることだ。これは他の視点では得られないグリーンのうねりを見せてくれる。こうした検討は、円滑なプレイのために、他の競技者が読んでいる最中に行うべきである」

 

(July 26, 2017)

七つのティーアップ法

安易にティーアップしてはいけない。ティーグラウンドのどこへ、どんな風にティーアップすべきか。デューク大学コーチEd Ibarguen(エド・イバーゲン)のtip。

'Tee sheet'
by Ed Ibarguen ('Golf Magazine,' January 2017)

① ハザードを避ける

もしフェアウェイ左側にハザードがあるなら、ティーグラウンドの左側にティーアップしてトラブルを避ける。

② ドロー系の人

ティーグラウンドの左半分にティーアップすれば、右側に広い着地点が得られる。(フェード打ちの人は逆にする)

③ ドッグレッグ

曲がり角の反対側(左ドッグレッグなら右サイド)にティーアップする。こうすると、フェアウェイど真ん中へ真っ直ぐなラインが得られる。

④ ドッグレッグでプルする人

曲がり角と同じ側にティーアップする。この攻撃角度はフェアウェイを効果的に広げ、エラーの許容範囲も広げられる。

⑤ スウィング速度が100 mph(44.7 m/sec)以上の人

ドライヴァーのクラウン(フェース上端)にボールの1/4が出ているようにティーアップする。飛距離を失うことなくコントロール出来る。

⑥ スウィング速度が遅い人

ドライヴァーのクラウンにボールの3/4が出ているようにティーアップする。こうすると上昇軌道で打つことになり、飛距離が稼げる

 

⑦ 長いパー3

地面の上の約1.9センチにティーアップし、掃くようにスウィングする。これはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)がロング・アイアンで誰よりもうまく打った工夫である」

(july 30, 2017)

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の高低差の研究

 

'Jack Nicklaus' Playing Lessons'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (Golf Digest Book, 1981)

「地面が水平であればあるほど、ゴルフはより易しくなる。どのショットを遂行する場合も、この法則に留意しよう。それはティー・グラウンドから始まる。多くの者がやるように、何も考えずにティー・マーカーの真ん中にティー・アップしてはならない。意図したショットを完遂出来る、最も平坦な部分を探す。マーカーの後方2クラブ・レングス以内ならどこにでもティーアップ出来ることを忘れないように。しかもそのルールはボールに対して言及されており、あなたの身体はマーカーから出てもよいのだ。

ティー・グラウンドが傾斜だらけのお粗末な構造なら、狙いとセットアップをその傾斜に合わせて調整せねばならない。爪先下がりや左足下がりであれば、自然にフェードやスライスが生じ、逆ならドローやフックを生み易い。

全てのショットを計画する際、ハザードやアプローチの角度と共に、勾配も考慮すべきだ。ライが水平でないのなら、距離に関わりなく成功率が低くなる。例えば、私は急勾配のスタンスしか取れない場所で8番アイアンを打つより、平坦な場所で5番アイアンを打つ方を好む。それが、アップダウンの激しいコースにおいて、私がしばしばティーからドライヴァーでなくアイアンを打つ理由である。私は二打目を平坦なライから打ちたいし、特にダウンヒル・ライを避けたい。ドライヴァーで岡の天辺を越えたボールがダウンヒル・ライで停止すると判っているなら、3番ウッドや4番ウッドで岡の天辺に打つべきだ。たとえアップヒル・ライになったとしても、ダウンヒルよりはアプローチを打ち易い。

下りや上りの傾斜と同じように、サイドヒルにも注意すること。あるホールが左にカーヴしており、フェアウェイも右から左に傾斜しているなら、知的な狙い所はフェアウェイの右サイドである。それは傾斜を次のようにポジティヴに利用する方法だ。
1) 傾斜の土手の効果による最高のランを得ることで総合飛距離を増すことが出来る。
2) フェアウェイがカーヴしている方向にボールをバウンドさせる。
3) フェアウェイ左半分の平坦な場所にボールを転がせる。
逆のレイアウトでは逆の作戦をとること。

 

地面の高低を研究せよ。ツァーがプレイするあるコースのNo.16(145ヤード)は、大方のプロにとって7番アイアンの距離である。だが、ある年の調査で、大多数のプロが6番アイアンを選んだことが判った。何故か?このホールは打ち上げであり、ターゲットが高ければ高いほどショットの弧が短くなり、ボールは早期に着地してしまうからだ。平坦な地形なら7番アイアンは簡単に必要な距離を飛ばせるが、このホールでは高地のグリーンに達する手前で息絶えてしまう。

Muirfield Village(ミュアフィールド・ヴィレッジ)のNo.8(私の好きなパー3の一つ)のグリーンは、逆にティー・グラウンドの高度より遥かに下っており、どのクラブであれショットの弧が延長され、ボールは平坦な地形で打たれた場合より遠くに飛ぶ。

上の二つの状況での作戦は明白である。ターゲットが高ければ、そこに届かせるにはロフトの少ないクラブが必要。どうクラブを変えるべきか。私の原則では、30フィート(約9メートル)高いか低いかで1クラブ増減する

(July 30, 2017)

フェアウェイをキープするコツ

 

'Straight away'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' January 2013)

「ストレートなボールを打つには、二つの条件が揃わねばならない。
1) インパクトで頭がボール位置の後方に留まること。
2) フォロースルーで左腕とクラブシャフトが一直線になること。

インパクトで頭が前(ターゲット方向)に出ると、クラブフェースがスクウェアなオンプレーンのスウィングをすることはほぼ不可能であり、時期尚早にクラブヘッドが左腕に先行し(シャフトと左腕が真っ直ぐでなく、角度がついてしまうと)弱々しく曲がるショットを放つ結果となる。

一直線になった左腕とシャフトは、クラブフェースがターゲットラインにスクウェアに留まることを確実にし、クラブヘッドもオンラインのまま長く留まる。インパクト後にシャフトがターゲットラインを指す時間が長ければ長いほど、ボールをストレートに打つことが出来る。

正確にドライヴァーを打つには、フォロースルーまで腕と身体の動きを互いに同期させねばならない。もしどちらかが独立行動をすると、その埋め合わせをするため、インパクトにかけて手や手首はクラブを捩ったり返したりしなければならなくなるが、それはバックスピンやサイドスピンを生み出してしまう。

クラブを身体の前に保ち、腕と左右の肩で形成される三角形を維持すべく集中する。腕と身体が同期すれば、インパクト直後にグリップエンドは身体を指し、クラブフェースはスクウェアになる」

 

(July 30, 2017)

左手主導のストローク

 

先日、私は二つのバーディを得て、3オーヴァー(パット総数26)で廻れました。

その朝の練習で私が考えたのは、パッティングの浮き沈みの原因は両手の使い方にあるのではないか…ということでした。バックストロークは右手主導でしなければならないが、フォワードストロークは左手主導で行うべきである。左手主導なら方向がズレる怖れはない。ただ、左手オンリーでは充分な距離が得られないので、やはり右手の協力が必要。50:50の関係だとやはり右手がのさばり過ぎて、ストローク軌道を逸らしてしまう。70:30ぐらいの比率にしたいところですが、距離優先なら(長めのパットではこの方針が正しい)実際には60:40ぐらいでしょうか。ラウンド前の練習で、両手の力関係を確立しておくべきだと痛感しました。

No.2とNo.3を寄せワンで凌いだ私は、内心この日のパットが好調であることを確信していました。No.4(パー3)でティーショットをショートした私の第二打は、カップへ約1メートルで停止。他のチームメイトがパー・パットに失敗。私は上りのスライスラインを読み切って自信満々でストローク。げっ!ミス!ボギーっ!私は「楽なパットというものは存在しない」(06/25)という自作の金言(?)を失念していたのです。いくら短くても、どれだけ読み切ったラインでも、プレショット・ルーティーンに通常の時間をかけ、ちゃんと頭を残したストロークをしなければいけなかった。懺悔の値打ちもないけれど…(;_;)。ただし、私はその贖罪を次のNo.5のバーディで果たして、ちゃらにしました。

あるホールで8メートルのパットを沈めてパー。これは左手主導のストロークの成果でした。

しかし、あるホールでは5メートルのパットを、ラインの読みは良かったのにボール二個分ショートしてバーディ失敗。これは右手のサポートが足りなかったせいでした。

「左手主導のストローク」というのは、云うは易く…で、中々難しい。短いパットには(ちゃんと頭を残せば)絶対役立ちますが、5メートル以上の距離ともなると猛練習が必要。バックスウィングは右手で引き、ダウンスウィングは左手で引くのだが右手もそれをサポートする。このコツを何とか身につけないと…。

 

(July 30, 2017)

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