Golf Tips Vol. 180

呼吸法一つでプロ裸足のショット

 

この本の著者Ken Blanchard(ケン・ブランシャード)は、ベストセラーとなったマネジメントの本に記したゴルフのエピソードが'Golf Digest'誌編集者の目に止まり、ゴルフの連載記事執筆を依頼されます。彼は子供の頃から父にゴルフを教わり、その当時はハンデ11でした。彼はBob Toski(ボブ・トスキ)との共同作業ということで連載を承諾。メンタル重視のインストラクターChuck Hogan(チャック・ホーガン)にも学び、その後、自ら'Golf University'(ゴルフ大学)というゴルフ・スクールを設立。そのスクールにはLynn Marriott(リン・マリオット、後の'GOLF54'共同経営者の一人)もインストラクターとして参加していたそうです。

'The One Minute Golfer'
by Ken Blanchard (William Morrow, 1992, $9.95)

「私はスウィングする時、心を空っぽにするテクニックを'The Magic of Conflict'(1987)の著者Tom Crum(トム・クラム)から学んだ。彼は、東洋の防御術・合氣道の達人でもある。合氣道は攻撃者のパワーにパワーをもって抵抗するのではなく、攻撃を受け入れ旋回動作によって一歩脇に除け、攻撃者のエネルギーによって彼を投げ飛ばすか中和してしまう。Tom Crumが指導するその術の鍵は、心と身体がリラックスし、かつ油断なく落ち着いていられる方法を学ぶことだそうだ。それは高められた意識の状態であり、動作に関する思考が停止しゾーンの開始点となる連結性でもある。

Tom Crumは、競技者の邪魔をするテクニカルな想念は、呼吸法のような単純な生理的反応に集中することで排除出来ると云う。全ての偉大なスポーツ的動作は、緊張抜きで流れるように行われる。もし呼吸が充分にそして継続的になされれば、身体の動作状態もリラックス度も同じように充分となる。だが、呼吸が止められたり浅かったりすると、それに対応して身体の動きも固くなり途切れ途切れになってしまう。スムーズでパワフルな呼吸は、スムーズなテンポと安定した飛距離に関連づけられる。

以上の原理をゴルフに適用するためにTom Crumが示唆するのは、バックスウィングで呼気し、フォワードスウィングで排気し、排気がクラブヘッドを通り抜けて出て行くのを視覚化することだと云う。

 

有名なテニス・プロがサーヴする時、大声を出すのを聞いたことがある筈だ。優れたテニス・プレイヤーたちはサーヴする際、息を吸いながらボールを空中に投げ上げ、ボールを打つ際に息を吐く。これが彼らのパワーを増加する。重量挙げの選手も同じことをする。ゴルフにおいては、呼吸は単にパワーを増すだけでなく、呼気と排気に集中することによってスウィング動作についての想念が入り込む隙間を無くしてくれる。

私に合氣道の呼吸法を用いた素晴らしい経験がある。世界最高のコースの一つであるカリフォーニア州のCypress Point(サイプレス・ポイント)でプレイする機会に恵まれた時のことだ。私は当時のコース理事長だったBill Borland(ビル・ボーランド)と廻っていた。有名な海越えのNo.16(235ヤード)パー3にさしかかった時、Bill Borlandは『このホールはパー4と考えて安全に攻めよう』と示唆した。

私は『とんでもない!安全にプレイするためにこのコースに来たんじゃありません。合氣道の呼吸法で海越えを打つ方法をお目にかけましょう』と云った。フォーサムの他の二人は笑いながら、『見せて貰おうじゃないか』と云った。素振りをしながら、私はボールが海を越えてグリーンに乗り、カップに向かって転がる様を視覚化した。そして、エネルギーを充填し、拳を握り締め、自信を持ってボールに向かった。バックスウィングしながら息を吸い始めた。トップからダウンスウィングを開始。私は息を吐き始め、大きな排気と共にボールを打ちフォロースルーへと向かった。ティーから爆発したボールは海を渡り、向こう岸3フィート(約1メートル)に着地し、グリーンへとバウンドし、カップから2フィート(約60センチ)に転がった。それを見ながら、Bill Borlandは『信じられん!』と叫んだ。世界で最もタフなパー3と目されているホールで、私はタップインのバーディを得た(このホールでのホールインワンは、コースの歴史の中でも数えるほどしかないそうだ)。私にとって、230ヤードのキャリーだけでも最高だった。

 

このストーリィのポイントは、ボールに向かった時、スウィング動作について考えてはいけないということだ。心を他の何かで一杯にしておく。例えば、念仏を唱えるとか、『息を吸う、息を吐く』など、そしてボールを打つ。スウィングについて考えるのは、ボールの後ろからターゲットを見る時で打ち切り、その後は実行あるのみ」

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息を吐きながらダウンスウィングというテクニックは知っていましたが、上のような説得力ある記事にぶつからなかったので半信半疑でした。真剣にやってみると、これは素晴らしい。いつもよりバシーッ!と打て、ボールは真っ直ぐ飛び、距離も伸びる感じ。呼気と排気に精神を集中することがいいショットに繋がるのでしょう。

ヨガとか合氣道がゴルフの役立つというのは驚きです。東洋人の一人として、東洋の行法や武術が西洋起源のゴルフに役立つことを知り、訳もなく誇らしい思いを抱いております(^^;;。

【参考】
・「呼吸で飛ばす」(tips_70.html)
・「呼吸法だけで15ヤード増(嘘のようなホントの話)」(tips_171.html)
・「合氣道でスウィングせよ」(tips_153.html)
・「Harvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)の ヨガで上達せよ」(tips_178.html)

(February 05, 2017)

8秒間動き続けて打て!

 

「二つのボックス」の深化(01/01)に「よいゴルファーたちは、『実行ボックス』に踏み込んでからスウィング開始までのルーティーンを、4〜9秒で完了する」とありましたが、それに呼応する「じっとしてないで、8秒間動き続けてからスウィングを開始せよ」というtip。

'Just hit!'
by Mike Bender ('Golf Magazine,' February 2017)

「フットボール選手にせよバスケットボール選手にせよ、彼らは反射的に行動する。ゴルフは異なる。ボールはそこに座っている。だから、あなたは反応としてではなく、先回りして行動せねばならない。だが、あなたの思考する心はあなたの集中する運動能力を妨害し、緊張の因となりお粗末なコンタクトを生み出すかも知れない。反射的な運動神経によるスウィングをするには、8秒でショットを放つことだ。クラブヘッドをボールの後ろに置いた時からカウントを始め、身体を動かし続ける。時計はあなたがフィニッシュを迎えるまでカチカチと時を刻み続ける。

あなたは、ボールの後ろにクラブヘッドを置いたら次のようにすべきだ。

・ワグルを開始する

 クラブヘッドを前後させることは、スウィングに必要な感覚を与えてくれる。これは小さなウォームアップであり、あなたの心が成し遂げたいと思うことと、身体がどうするかの橋渡しである。

・体重を左右に移動させる

 ワグルしながら、ワグルの動きを体重移動で模倣する。これはアドレス体勢を静的な状態から、足、膝、腰の緊張をほぐしエネルギッシュな状態に変える。

・ワグルのエネルギーをバックスウィングへ移す

 

 時計がまだカチカチ云っている間に、時を置かずに(8秒の制限時内に)スウィングを始める。あなたの心は空っぽで単純にターゲットに反応する。反応と云えば、あなたのパートナーたちは『ナイス・ショット!』と頻繁に云わねばならなくなる筈だ」

(February 05, 2017)

情動をコントロールしてプレイせよ

スウェーデン出身のコーチPia Nilsson(ピア・ニルソン)は、Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)に「全てのホールをバーディで廻る」という'Vision54'という理念を植え付けた女性。彼女はアメリカ人女性インストラクターLynn Marriott(リン・マリオット)と組んで'GOLF54'というゴルフ・スクールをアリゾナ州に開設しました。二人の共著の三冊目は「今すぐ、あなたのベストのゲームをせよ」というタイトル。

この本の「情動のコントロール」の章には、副腎皮質から分泌される二つのホルモンが登場します。筆者たちはDHEA(dehydroepiandrosterone、デヒドロエピアンドロステロン)をゴルフ・プレイに役立つ"positive"(陽)なホルモン、cortisol(コルチゾール)を脳の働きを阻害する"negative"(陰)なホルモンと分類しています。

インターネットで調べると【下記参考資料参照】、人間がストレス状態に置かれるとストレスに対抗するため血糖値を上げるコルチゾール・ホルモンが分泌される。これは身体のDNAを傷つける大量の活性酸素を発生させてしまうので、その急激に上がったコルチゾール・レヴェルを元に戻すのが同時に体内に分泌されるDHEAで、この二つは常にセットで働く。DHEAの役割はそれだけではなく、筋力や記憶力とも結びついていると云われています。世間ではDHEAを“若返りの妙薬”とする向きもありますが、効能のほどは定かでないようです。

【参考資料】「副腎疲労症候群とDHEAについて!」(http://taniguchiiin.jp/blog/?p=1745)

糖分の一気飲みは糖分が血糖を増加させるため、身体は一時的にパワフルになるものの、膵臓が多量のインシュリンを放出する結果、血糖値は逆にプレイを阻害するまでに下がってしまうそうです。似たような葛藤が副腎皮質から分泌される二つのホルモンの間でも起るわけです。

'Play Your Best Golf Now'
by by Pia Nilsson and Lynn Marriott with Ron Sirak (Avery, 2011, $23.00)

「情動はあなたが高次脳機能【編註:動物が獲得した脳の機能】へのアクセスに影響するホルモンを分泌する。端的に云えば、怒りはあなたを愚か者にし、喜びはあなたが最高のプレイをする状態へのアクセスを許す

 

陽気で積極的な情動は、脳の潤滑剤のようなホルモンであるDHEAを分泌し、高次脳機能へのアクセスを可能にする。それはより確実でより情報に基づいた、より確信に満ちた決定が出来る状態である。また、視覚中枢や運動神経、脳の実行中枢にもフルにアクセス可能になる。これは偉大なこと、素晴らしいゴルフを達成可能な状態だと云える。

DHEAは素晴らしいことを約束するものではないが、あなたの能力をフルに発揮する道を開き、素晴らしい状態を維持させてくれる。DHEAは体内で分泌される限り、無料だしドーピング違反に問われることもない。あなたがDHEAを得る引き金とすべきは、純粋に陽性の情動状態を感じることである。

陰気で消極的な情動はコルチゾールを分泌するが、これはわれわれが高次脳機能にアクセスすることを遮断するホルモンである。極めて高いコルチゾール・レヴェルは、脳の一部である視床【註】の機能を妨げる。その結果、あなたは脳の爬虫類か哺乳類の部分にしかアクセス出来なくなる。あなたは犬のように考え、犬のようにプレイする(犬のように楽しい思いはしないだろうが)。あなたはお粗末に思考し、お粗末に行動し、お粗末にプレイする。この妨害状態は6〜10時間も続くので、ゴルフの1ラウンドだけでなく残りの一日の大半にも打撃を与えるに充分である。

【編註】「視床」は間脳の主な部分で、嗅覚以外の知覚神経を大脳皮質に伝達する。

長時間影響するのはコルチゾールだけではない。DHEAも長時間影響するのだ。コルチゾールもDHEAも同じ塩基分子から分泌される。だから、あなたが多量のコルチゾールを得ればDHEAの量は少なくなるし、多量のDHEAを得ればコルチゾールの分泌は減る。あなたが一日を、あるいはラウンドを多量のDHEAと共に開始すれば、それもまた長く続くのだから、こんないいことはない。

私たちはあなたが絶対に怒ったり悲しんだり、欲求不満になったりしてはいけないと云っているのではない。人間なのだから、当然そういう情動は湧くだろう。だが、私たちが云わんとしているのは、進行過程の早期に何が起っているか認識することと、ホルモンがあなたの高次脳機能へのアクセスを遮断する前に、情動の連鎖反応をストップさせることを学ぶことは出来るということだ。

積極的にDHEAを作り出すことは、ゴルフでも生活でも良い状態に留まるために不可欠なことなのである」

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つまり、気の置けない仲間と談笑しながらラウンドすると、DHEA生成に役立ち、いいラウンドへの道が開けるわけです。さらに、U.S.オープンでもないわれわれのラウンドを生きるか死ぬかの問題のように考えず、「80を切ったからと云って、棒振名人八十切院居士なんて戒名が付くわけでもないんだから…」と楽な気持ちでプレイする心境になるべきでしょう(^^;;。

(February 12, 2017)

ゴルファーの個性別ゴルフ習得法

 

スポーツ心理学者Dr. Guy S. Fasciana(ガイ・S・ファスキアナ博士)による、個性別の効果的な学習法。

'Golf's Mental Magic'
by Dr. Guy S. Fasciana (Bob Adams, Inc., 1994, &12.95)

「ダンスを習った時、あなたは他の人が踊っているのを見て覚えましたか?誰かにステップを説明して貰って学んだでしょうか?あるいは、誰かが手取り足取りで動作を教えてくれて覚えたでしょうか?何かの技術を学ぶ際、指導してくれる誰かに対しあなたがどう反応するか、その自分の言葉に注目しなさい。それは、"I see."(なるほど)、"I hear you."(解りました)、"Show me how?(どうやるのか見せて下さい)のどれでしょうか?

・"I see."(なるほど)と応じる人は視覚型学習者(visual learner)であり、誰かが見本を見せてくれることで学ぶタイプ。こういう人は右脳との結びつきが強く、芸術家タイプとも云える。この範疇の人は結果よりもプロセスとディテールにこだわり、学んだことを書き留めておくことを好む。このタイプの人には正しい動作を繰り返し見せてくれるヴィデオ・テープが効果的である。Greg Norman(グレッグ・ノーマン)はJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のヴィデオ・テープで学んだと語っている。

・"I hear you."(解りました)と答える人は聴覚型学習者(auditory learner)であり、誰かが話し言葉や印刷されたもので説明してくれると理解が進む。この範疇の人は左脳との結びつきが強く、計算、判断が得意であり、自己診断を下し、プロセスよりも結果に重きをおく。このタイプの人は教師が一段階ずつ教えてくれると効果的に学習出来る。教師との一対一のレッスンがベストだが、多くても五人までのグループ・レッスンが望ましい。

・"Show me how?"(どうやるのか見せて下さい)と応じる人は、運動感覚型学習者(Kinesthetic learner)で、誰かに自分の身体を動かして貰って覚えるタイプ。この人は左右の脳を甲乙無く用いる。とにかく実行するのがベストである。このタイプの人は、指導されることを注意深く見たり聞いたりしない傾向があるため、グループ・レッスンより個人指導が向いている」

 

(February 12, 2017)

ゴルファーの三つのタイプ

 

この本の著者Ken Blanchard(ケン・ブランシャード)は、ベストセラーとなったマネジメントの本に記したゴルフのエピソードが'Golf Digest'誌編集者の目に止まり、ゴルフの連載記事執筆を依頼されます。彼は子供の頃から父にゴルフを教わり、その当時はハンデ11でした。彼はBob Toski(ボブ・トスキ)との共同作業ということで連載を承諾。メンタル重視のインストラクターChuck Hogan(チャック・ホーガン)にも学び、その後、自ら'Golf University'(ゴルフ大学)というゴルフ・スクールを設立。そのスクールにはLynn Marriott(リン・マリオット、後の'GOLF54'共同経営者の一人)もインストラクターとして参加していたそうです。

'The One Minute Golfer'
by Ken Blanchard (William Morrow, 1992, $9.95)

「インストラクターChuck Hogan(チャック・ホーガン)が主宰するS.E.A. (Sports Enhancement Associates) は、プレイヤー個々の習得スタイルに合わせた教え方を取っている。私はChuck Cookから自分が主に聴覚型学習者(auditory learner)であることを学んだ。ということは、心に行動をプログラムするには言葉による指令が最も効果的だということである。

参加可能なあらゆるアマチュア・トーナメントに優勝したJay Sigel(ジェイ・シーゲル)【註】は、視覚型学習者(visual learner)である。彼は自分がどうプレイすべきか先ず知る必要がある。彼はショットの結果を視覚化しなければならない。トーナメントの際、実際にプレイする前にどのように各ホールをプレイするか知っておくために、コースを熟知していなければならなかった。あるホールで右から左へ、あるいは左から右へ打つ必要があれば、彼はそのショットを心の中でプログラムした。

【編註】Jay SigelはU.S.アマに二度優勝、全英アマにも一度優勝。17歳のJay SigelがU.S.ジュニア・アマに参加した時、そのコースを熟知していた21歳の著者がキャディを務め、二人は良き友人となった。Jay Sigelは大学時代に手を痛めたためプロになることを諦めたが、50歳になった時シニア・ツァーに参加し、賞金獲得額のトップ・クラスとなった。

Lynn Marrott(リン・マリオット)は運動感覚型学習者(Kinesthetic learner) であり、彼女には視覚化のテクニックは効果的ではない。それどころか、彼女が視覚化イメージに集中すると、彼女はミス・ショットを放つ。彼女はターゲットと結びついた感覚を必要とする。Lynn Marrottに役立つのは、彼女のボールがターゲットへの波長か振動に乗っている感覚を抱くことだ。彼女がすべきことは、その波長か振動に合致するようにクラブヘッドをボールに届けることである。

聴覚型学習者として、私はターゲットへの道筋を文字通り喋って、言葉で心にプログラムする。私は1980年公開の映画'Caddyshack'(邦題『ボールズ・ボールズ』)のグリーンズ・キーパーBill Murray(ビル・マレイ)を真似するのがベストであることを発見した。『ここはthe Masters(マスターズ)会場のオーガスタであります。ホールまで約165ヤード、風は多少向かい風。彼は5番アイアンを手にしています。ピンは大きなバンカーの真後ろであります』人々は私の独り言を笑ったが、これは私の頭と身体の働きを良くしてくれた。

どんな方法であれ、遂行する仕事をハッキリさせる目的は、ターゲットにショットを結びつけるべく心にプログラムすることだ。

Jay SigelもLynn Marrottも、プレショット・ルーティーンの間にスウィングについて考えたりしない。大方の優れたゴルファーは、"swing thoughts"(スウィングの鍵)は何か限定されたことを目的にした練習場で用いるべきものと考えている。コースでは、プレショット・ルーティーンは完全にターゲットに集中すべきものであって、スウィングについて集中すべきではない

【参考】
・「Chuck Hogan(チャック・ホーガン)の'Nice Shot!'(ナイス・ショット!)」(tips_56.html)
・「Chuck Hogan(チャック・ホーガン)の 視覚化を超えて」(tips_96.html)

(February 12, 2017)

Al Geiberger(アル・ガイバーガー)の「60を切った、その日」Part 1

PGAツァー最初のMr. 59となったAl Geiberger(アル・ガイバーガー)が回想する「60を切った、その日」。それは1977年、テネシー州Memphis(メンフィス)のColonial C.C.(7,249ヤード、パー72)で開催されたDanny Thomas Memphis Classicでのことでした。以下は1イーグル、11バーディ、6パーの59が達成された第三ラウンドのあらまし。大それた目標でなく、達成可能な小さな目標を追求したことが凄い結果を生んだ…という事実が、「80を切る!」レヴェルにも参考になると思われます。【写真は59のスコアカードを見せるAl Geiberger】

[Al]

'Tempo'
by Al Geiberger with Larry Dennis (Pocket Books, 1980, $13.00)

「その日以前、私は二回連続予選でカットされ、本戦に進めなかった。だから、このMemphisでのトーナメントでは36ホールでのカットを免れることが目標だった。

私はそれ迄のお粗末なラウンドの反省から、セットアップを変えようとした。息子にスウィングを教えていて、彼の高過ぎる手の位置を下げさせようとしていて、『待てよ?おれ自身の手の位置も高過ぎるかも…』と思い、股関節から上体を折って、両手を下げるアドレスにしてみたのだ。両手が高いと、インパクトであまりにも急速に両手が返るように感じられ、両手を低くすると両手とクラブヘッドは、インパクト・ゾーンで長く一緒に動いた。

それでスウィングは改良されたが、貧弱なパッティングが問題だった。私のパッティングはどん底で、最後にカットの憂き目にあったのは1メートルのパットの失敗ゆえであった(1ストローク差でカット)。カットされた後、練習グリーンでパットの練習をした。私のキャディは『あんたのスタンスはクローズで、ターゲットの右を狙っている。そしてバックストロークでパターをターゲットラインからインサイドに引いている』と指摘した。その傾向は私に8の字のストロークを強制するもので、私はパターヘッドをスクウェアにするのに忙しく、とても加速するストロークなど出来るわけがなかった。

翌週、私はラウンドする気も練習する気にもなれなかったのだが、カーペットの上でボールを転がした。私はスタンスをオープンにしてみて『これ、いけるじゃないか!』と思った。気分的にはまるでボールをカットするように思えたが、以前が極端にクローズだったせいである。実際は、スクウェアになったのにオープンだと錯覚したに違いない。

水曜日、トーナメント予選前のプロ=アマで、グリーンが荒れていたにもかかわらず、私はパッティングに自信を持った。自分が正しい路線を歩んでいると確信出来たのだ。ちなみに、荒れていたのはグリーンだけではなく、冬の凍結によってコース全体の芝が痛んでおり、われわれはライの改善を許されていた。

木曜日(トーナメント初日)、私は72で廻り、カットラインは144だろうと推定した(図らずも、それは当たっていた)。本戦に進むには、私にもう一回72が必要だということだ。

金曜日(二日目)、トーナメントはアウトとイン同時スタートで、私は昼過ぎにNo.10からスタートした。とても暑く、気温は摂氏38°近く、湿度も高かった。この天候のせいで私は不快な気分になったが、逆に天候にへこたれずに生き残ろうと考えたせいか、私のスウィングのテンポはベストの状態だった。この日、私の身体はアドレナリンを分泌し続け、驚くほど飛距離が伸びた。あるホールでいつもなら3番アイアンか5番アイアンで二打目を打つのに、この日は8番アイアンで充分だったほどだ。

No.10(417ヤード)パー4。約14メートルのパットを沈めてバーディ(-1)。

No.11(376ヤード)パー4。パー。

No.12(218ヤード)パー3。約4.3メートルを沈めてバーディ(-2)。

No.13(464ヤード)パー4。第一パットを約1.5メートルほどオーヴァーさせたが、返しのパットをど真ん中から沈めてパー。

No.14(447ヤード)パー4。いいパットをしたものの、バミューダ芝が私の読みを裏切ってミス。パー。

このホールの近くに住む顔見知りが、私のためにピーナッツ・バターをクラッカーで挟んだサンドイッチを差し入れてくれた。これは私の大好物なのだ。私は直ちに四つか五つをぺろりとたいらげた。(この知人は、私の59は彼のピーナッツ・バター・サンドの功績だと考えているに違いない)

No.15(200ヤード)パー3。私は約4.6メートルのパットを沈めてバーディ(-3)。

No.16(512ヤード)パー5。約1.5メートルのパットを沈めてバーディ(-4)。

No.17(433ヤード)パー4。約3.7メートルのパットを沈めてバーディ(-5)。

No.18(548ヤード)パー5。二打目、大きな池があるため5番アイアンで刻み、約3.7メートルに寄せて、それを沈めてバーディ(-6)。

私は『ワオ!このハーフ30!』この前30を達成したのがいつだったか、私は思い出せない始末だった。

No.1(512ヤード)パー5。いいドライヴを放った私は、他の連中のように刻む気になれず、二打目で難物のバンカーを越え、残り30ヤードをウェッジでチップインさせてイーグル!(-8)

No.2(414ヤード)パー4。ウェッジによる第二打は5.5メートルほどショート。しかし、パットする時これまでのように心配せず、自分のベストを尽くそうとだけ考え、ボールをカップのど真ん中に放り込んだ。パターは完璧に働いた。バーディ(-9)。

この時点で、私は六ホールで7アンダー。ここ迄のところ9アンダーであった。私は連続アンダー・パーの記録を考えていた。それはBon Goalby(ボブ・ゴールビィ)とFuzzy Zoeller(ファズィ・ゼラー)の二人だけが達成した八ホール連続アンダー・パーである。

 

No.3(182ヤード)パー3。この日のピンは手前に切られていて、実際にはカードの数字よりもっと短かった。7番アイアンのショットはピンを6メートルほどオーヴァー。自分でも信じられなかったが、ボールはど真ん中から入ってバーディ(-10)。

私は同伴競技者Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)とJerry McGee(ジェリィ・マギー)に済まない気がした。(だけど、どうしようもない)特に、二度のPGA選手権優勝者であるDave Stocktonは、この日最悪のラウンドをしていたのに、後々私の59の目撃者として何度もマスコミ相手に証言することになった。『ところであなたのスコアは?』と聞かれた時、少なくとも69辺りなら彼は胸を張って答えられたろうが、生憎75だったから悲劇だった」

【「Part 2」に続く】

【おことわり】59を達成したカードを見せている画像はhttp://www.golfbaike.comにリンクして表示させて頂いています。

(February 19, 2017)

Al Geiberger(アル・ガイバーガー)の「60を切った、その日」Part 2

PGAツァー最初のMr. 59となったAl Geiberger(アル・ガイバーガー)が回想する「60を切った、その日」。その後篇。

'Tempo'
by Al Geiberger with Larry Dennis (Pocket Books, 1980, $13.00)

「No.4(423ヤード)パー4。ここをバーディで上がれれば、八ホール連続アンダー・パーのタイ記録を作れるのだ。ピッチングウェッジの寄せは、カップからほぼ4メートル。いいパットをしたが、30センチほどショート。ここで得たパーには、ボギーのようにがっかりさせられた。

No.5(199ヤード)パー3。ティー・ショットを9メートルオーヴァーさせて、パットも約1メートルほどオーヴァー。私は八ホール連続アンダー・パーのタイ記録を逃してがっくりしていたが、2パット目で『パットをミスして、この絶好調を台無しにすまい』と考えた。パー。

振り返ると、八ホール連続アンダー・パーの記録への挑戦は、私にとってベストの目標であった。初手からツァー新記録の59を達成しようなどと考えていたら、ビビってしまって何も達成出来なかったに違いない。目前の小さな目標があったので、ビビる段階を通り越していたのである。このホールで1メートルのパットを沈めた時、ギャラリーが騒ぎ始めた。私自身も混乱していた。自分がいくつアンダーなのか分らなくなり、八ホール連続アンダー・パーに失敗したことで少し落ち込んでいた。

最終的に私はこう思った。『なんかまともじゃないことが起っている。どこまで少ない数字になるか見てみようじゃないか』これは私の性格から完全に外れた考え方だった。多くのプレイヤーがそうであるように、6アンダーとか7アンダーになると、それ以後安全にプレイしようとし始め、バーディ・チャンスを活かそうとしなくなる傾向がある。それは内蔵の防壁のようなもので、ATCのようにブレーキをかけ、欲張らずに貯金を守ろうとする。私はこの日、その防壁を乗り越えることが出来たのだった。

No.6(388ヤード)パー4。大方のプレイヤーがティーから3番ウッドを打つ。私の3番ウッドは飛び過ぎたが、ピッチング・ウェッジで約4メートルに寄せ、バーディ(-11)。

私はこの時点で11アンダー。私の過去の最少スコアはホームコースでの61で、その記録を破れるかも知れない。私が59の可能性を自覚し始めた時、ギャラリーもそれに気づき、『59! 59! 59!』と叫び始めた。それは、これ迄聞いたことがないものだった。ファンはよく知っていた。あと三ホールのどれかで二つバーディを得れば59なのだ。

No.7(564ヤード)パー5。このグリーンはクラブハウスに近かったため、ロッカー・ルームにいたプロ全員と、クラブハウス内の誰もが私のプレイを見に出て来ていたそうだ。こんなのは前代未聞である。絶好調だとブレイクが見え、それが正しいと信じられる。約3メートルのパットをストロークした時、私はそれが入ることが判っていた。私はボールを目で追わずに、顔をギャラリーに向け、彼らの反応を待った。ボールがカップに沈んだ時、ギャラリーは爆発した。バーディ(-12)。それは私が今も忘れられぬ瞬間だった。

私に必要なのは、あと二つのホールのどちらか一つでのバーディとなった。

No.8(470)パー4。私はパットを30センチ外し、パー。というわけで、大詰めは最終ホールに持ち越された。大群衆が『59!』と叫びながらNo.9のティーに殺到した。

No.9(402ヤード)パー4。左ドッグレッグで、曲がり角にバンカーがある。私はティー・ショットがバンカーを越えるかどうか心配したが、無事に越えることが出来た。越えると、占め子の兎でボールはどんどん前方に転がった。同伴競技者二人が寄せるのを待つ間、私とキャディの間でヤーデージに関する議論があった。私は121ヤードと云い、キャディは127ヤードだと云う。通常、私はピッチング・ウェッジを115ヤード打つのだが、興奮している時は120ヤード打つことも出来る。緊張状態では短いクラブでフル・ショットを打つのが普通だ。何故なら、その方がエラーが少ないからだ。部分ショット(3/4とか1/2のショット)は避けるべきだ。緊張下でイーズィにスウィングするのは至難の業だからだ。

しかし、この日の私のクラブ・コントロールは全く申し分なかったので、自分が9番アイアンの3/4スウィングが出来ることを疑わなかった。私はキャディに云った、『これはチャンスであり、ピッチング・ウェッジで10メートルもショートしたくない。ピンの位置は奥だし、上りのロング・パットは避けたい』と。私は9番アイアンのイーズィなショットを正しく遂行し、カップの2.4メートル左横にボールをつけた。

グリーンの周りでは誰もが狂ったようになっていた。叫びや悲鳴が渦巻いていた。同伴競技者のJerry McGee(ジェリィ・マギー)が長いパットをし、カップをオーヴァーさせた。予選落ち確定だったDave Stockton(デイヴ・ストックトン)は、さっさと舞台裏に消えるべく7.6メートルのパットを沈めた。

私のパットはやや上りで、僅かに左から右へのブレイクがあった。それは私にとってお誂えのラインで、カップの2.5センチ左外を狙えばよかった。問題はバミューダ・グラスの芝目のせいでショートしかねないことだ。私はパットし、ショートさせなかった。ボールはど真ん中からカップに飛び込んだ。バーディ(-13)。突如、大混乱となった。誰もが跳び撥ね、同伴競技者のJerry McGeeでさえまるで彼が59を達成したかのように躍り上がっていた。

その瞬間、私は自分が何を達成したのか自覚していなかった。59という響きは素晴らしかったが、PGAツァーの公式試合で60を切った者が皆無だとは知らなかったのだ。私が最終的にことの重大さを知ったのは、記者会見の席に赴いた際、総立ちの長い拍手喝采で迎えられた時だった。

 

私のフェアウェイ・キープ率とパーオン率は100%だった。パット数はたったの23。最も近かったバーディ・パットは1.5メートル。前半では3メートル前後のパットも成功させたが、他のバーディ・パットはどれも3.7〜14メートルの範囲内であった。

この日、私はいつもと違うことをした。全ての一線級のプロが守っている鉄則を破ったのだ。大抵のツァー・プロはラウンドで六個のボールを用い、各ホールで順ぐりに使用する。私の場合、三個のボールを使い始め、一個を六ホールずつ使ってチェンジする。その理由は、打たれた後のボールの復元力と耐久力の問題だ。それは科学であって迷信ではない。だが、この日のラウンドで私は一個のボールで通したのだ。最初は交換するつもりだったのだが、ボールが常にカップに転げ込むので、不味いことが起らない限りそのボールで通す決意をしたのだ。不味いことは起らなかった。このボールは現在ゴルフ名誉の殿堂に飾られている」

(February 22, 2017)

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これは、私の行きつけのクリーニング店のカウンターの後ろの壁にかかっている写真です。「スーツがプレスされるまで、無料ゴルフをお楽しみ下さい」というバナーの下で、紳士たちが土管目掛けてパットパット・ゴルフをしています。大した値打ちものの写真ではないと思っていたのですが、1930年にニューヨーク市で撮られたもので、世界的なコレクションBettmann Archiveの中の一つの複製だということが判りました。調べると、この写真をあしらったマグカップやTシャツまで売られています。知る人ぞ知る結構有名な写真なのでした。

[Free Golf]

【おことわり】画像はhttp://photos1.blogger.comにリンクして表示させて頂いています。

(February 19, 2017)

カート・ゴルフへの警告

'Golf Magazine'誌が当時の一流プロたちのtipを集め、素晴らしいイラストとの見開きで編集した本より。以下の記事の筆者Byron Nelson(バイロン・ネルスン、1912〜2006)はthe Masters(マスターズ)二勝、U.S.オープン一勝、PGA選手権に二勝、計64勝を挙げ、特に引退前にPGAツァーで11連勝という前人未到の記録を達成しました。

'Golf Magazine's Pro Pointers and Stroke Savers'
edited by Charles Price (Harper & Publishers, 1959)

「カートでゴルフする際、注意しないとスコアに悪影響を与えることがある。

ボールの傍にカートを走らせ、外へ飛び出し、ほとんど時間をかけずにボールを打ち、またカートに飛び乗り、次のボール位置めがけて疾走するというゴルファーが少なくない。こういう大慌てのプレイはスコアに打数を増やす以外のなにものでもない」

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実は私が以前これでした。慌てるというよりも、ボールのライを見極め、作戦を練る時間が欲しいので高速でカートを飛ばしたのです。何人かの仲間から「慌てるな。リラックスしろ」と云われ、最近は人並みの速度で走っています。落ち着いてプレイするために歩き方まで遅くしたというプロたちに云わせれば、私の神風ドライヴは気違い染みていたことでしょう。

 

(February 22, 2017)

材木でパット練習の効能

「パット練習器」(tips_63.html)や「垂直振り子の練習道具」(tips_79.html)で紹介した材木を使う練習法ですが、こんな単純作業で完璧なストロークが身につくものだろうか?と疑問にお思いでしょうか。

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習字の稽古で先生の書いた模範を下敷きにしたり、英字のペンマンシップで点線で描かれたアルファベットをなぞるという学習法があります。こういうものは一応仕上がりは無難に見えるものの、活き活きとした勢いがなく、芸術的でもありません。材木利用のパット練習も同じように思えます。

しかし、Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)がパッティング・スランプに陥った時、長時間30センチのパットばかり繰り返した…という実話を御存知でしょう。たった30センチのパット練習なんてナンセンスに思えますが、メンタルなパット成功の記憶が自信を構築するようです。「パット練習器」で紹介したPGAツァー・プロJoey Sindelar(ジョーイ・シンデラー、写真右)は練習グリーンで材木を利用するプロの一人です。また、パラグワイ生まれのLPGAツァー・プロJulieta Granada(フリエッタ・グラナダ、下の写真)は、物差し二本をパターヘッドが通過出来る幅に平行に並べ、ストレートなストロークの練習をしています。こうしたプロたちが、こうも単純な練習に精を出すというのは、それがとりも直さず効果を発揮するからに他ならないでしょう。

マスター・インストラクターDr. Gary Wiren(ゲアリ・ワイレン博士)とスポーツ心理学の第一人者Dr. Richard Coop(ディック・クープ博士)共著の中で、次のような実話が紹介されています。

'The New Golf Mind'
by Dr. Gary Wiren and Dr. Richard Coop with Larry Sheehan (Simon & Schuster, Inc., 1978, $9.00)

「筆者は、オクラホマ州立大のゴルフ・コーチだったLabron Harris Sr.(レイブロン・ハリス一世)とラウンドする機会に恵まれたことがある。彼はパットの名手として知られていたので、私はグリーン上でいくつかの秘訣を盗めるのではないかと期待していた。だが、ラウンド半ばにして、彼から盗むべき特別なテクニックなどないことが分った。最後になって、彼の秘密はテクニックではなく、沢山のパットを沈めさせる彼の考え方であることに気づいた。彼のグリーン上における彼自身への信頼は完全なものであった。彼は自分自身をパット名人であると公言し、それを信じていた。そして、事実その通りだった。

Labron Harris Sr.は、彼の生徒たちに練習グリーンに置かれた木の通路から何千回もパットさせた。その繰り返し動作は、生徒たちのストロークを身体に刻み込ませるだけでなく、ボールがカップに沈む様を何千回も見せる(ボールが通路を逸れることはない)ため、彼らに自信をも植えつけるのである」

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「ショート・パット練習のベスト1」(tips_165.html)というテスト記事では、材木を使っての練習は最悪と宣告されていましたが、短期間のテストとしてでなく、長期の練習法としてなら話は別だと思われます。テストされた三つのうち、ラインの上(空中)に紐を張る「ストリング・ドリル」も、芝に白線を描く「チョーク・ドリル」も練習グリーンでないと出来ません。自宅で出来る練習法は、唯一「材木ドリル」だけです。

もしパットが一定して右か左に逸れるなら、材木を使っての練習が一番です。材木に沿わせてストロークするとボールがカップインして当然なのに、そうならないとすれば軌道が悪いか無意識に手首を捩っているか、どちらかが原因であり、材木がそれらの悪癖に気づかせてくれます。

いわゆる「マスル・メモリ」なるものは「ある」とも「ない」とも云われており、私にも真偽のほどは解りません。しかし、材木に沿わせたパターヘッドが間違いなくターゲット(カップあるいは模造カップ)にボールを送ることが分っていると、ゴルファーが集中すべきはリズムとテンポだけになります。実際にはリズムとテンポがいい加減でもボールは真っ直ぐターゲットに向かうので、材木でわれわれが学べるのはリズムとテンポしかないとも云えます。

ラインの読み方に長け、「パターを照準器として精密にラインを狙う方法」(tips_161.html)にも慣れ、真っ直ぐ打てるストローク法も身につけているとしたら、絨毯の上でやることはあまりありません。自分のいつものリズムとテンポを維持し、絶えずターゲットに真っ直ぐ向かう結果を見ることによって自信を蓄えることだけが目標となります。

つまり、習字の稽古で下敷きにこだわる場合は勢いがなく、活き活きとした書になりませんが、材木利用のパット練習では逆に勢い(リズムとテンポ)に集中することによって活き活きしたストロークがマスター出来ると云えます。

材木利用でリズムとテンポを磨くよい方法を思いつきました。ボールをパターのスウィートスポットにセットしたら、目をつぶってストロークするのです。材木利用だからこそ不安を感じないで出来る練習法です。

【参考】
・「パット練習器」(tips_63.html)
・「垂直振り子の練習道具」(tips_79.html)
・「ショート・パット練習のベスト1」(tips_165.html)

 

(February 26, 2017)

ゴルフを楽しくするゲーム(パット練習篇)

インストラクターSandy LaBauve(サンディ・ラボウヴ)による、楽しく練習するシリーズ。

'Shave 10 Strokes in 12 Days'
by Sandy LaBauve and George Kehoe (Berkley Publishing, 1994, $9.95)

「以下のゲームは、単に楽しいだけでなく、熱中している間に知らず知らずのうちにゴルフに上達する優れ物である。そのいくつかは一人でも可能だが、その他はパートナーを必要とする。

・The Clock(ザ・クロック、時計)【必要人数:特になし】

 12個のボールを使い、カップから1メートル(あるいは1.2メートルとか1.5メートル)の距離で時計の文字盤のように並べ、一時から始めてそれぞれをホールアウトするまでパットする。仮に、三時のボールを失敗したとしたら、そこまでのボールを元に戻し、もう一度最初からやり直す。別なホールで同じゲームをする仲間と、どちらが先に12時まで行き着くか競争するとよい。

・Sevens(セヴンズ)【必要人数:二人】

 どちらが先にパットするか決め、選択したカップに向かって各々パットする。より近い方が1点、カップインすれば2点を得る。勝った者が次のカップを選ぶ。3パットしたら減点1。先に7点獲得した者が勝つが、7点を越えてしまったら全てリセットされ、ゼロからスタートせねばならない。

・Lagging Up(ラギング・アップ)【必要人数:特になし】

 練習グリーンで九つの長い距離のカップに向かい、どのパットも1メートル以内に寄るようにパットする。1メートル以内に寄ったら1点、失敗したら2点。このゲーム開始前に予想スコアを設定しておき、どれだけ少ないスコアで済ませられるか挑戦する。友人と競う場合は、カップにより近い方が1点、二位は2点、タイの時は双方とも1点を得、最後に点の少ない方が勝ち。

・Bogey(ボギー)【必要人数:二人〜四人】

 これはバスケットボールでは"Horse"(馬)として遊ばれているゲーム。誰かがターゲットとなるカップを選ぶ。各自がパットし、ターゲットから最も遠い人が"B"となる。最もカップに近かった者が次のターゲットを選ぶ。"B-O-G-E-Y"となった者は順次失格し、最後に残った者が勝ちとなる。

【編註】"Bogey"というスペルが思い出せなければ、「ヘタクソ」などという言葉に変更すればいいと思います。

・Blind Lady Luck(ブラインド・レイディ・ラック)【必要人数:特になし】

 練習グリーンで九つのカップに目をつむってパットする。パットする前にはターゲットを見てもいいが、ストロークする時は閉じること。この練習は見たものと感覚との連関を研ぎ澄ませてくれる。少ないストローク数で全ホールを廻れるように務める。友人に挑戦すると面白い」

 

【参考】「ゴルフを楽しくするゲーム(フルスウィング練習篇)」(tips_168.html)

(February 26, 2017)

お薦め出来ないパッティング・ゲーム

只のパット練習の本なのに、全ページ上質紙を使用した贅沢な本。ただし、例によってDave Pelz(デイヴ・ペルツ)の会社で製造・販売している練習道具を使うゲームが半分くらいを占めているので、この本の購入はお薦め出来ません(^-^)。ここに紹介するのは、彼が「やってはいけない」と断罪した二つのゲーム。

'Dave Pelz's Putting Games'
by Dave Pelz with Eddie Pelz (Gotham Books, 2012, $30.00)

「全てのパッティング・ゲームがあなたのパッティング技術を改善するわけではない。あなたがプレイすべきではないものもあるのだ。上達するためにはストロークした結果のフィードバックが重要である。パッティング・ゲームの中には良くないフィードバックを与え、あなたのパッティングを悪くするものがある。《良くないフィードバックは、フィードバックが無いより悪い》のだ。

・Aces(エイスズ)

このゲームは、選ばれたカップに向かって二人がマッチ・プレイ方式でパットする。どちらか一人が一発で仕留めれば(="Ace")そのプレイヤーが勝ちとなる。最初のパットを両名とも成功させるか失敗したらタイとなり、次のカップに向かう。

一発勝負なので、失敗した次のパットはプレイされない。あまりにも攻撃的なスピードでストロークされた最初のパットについての否定的な結論も残してくれない。

私は多くのゴルファーが『このゲームは私に攻撃的にパットし、ショートしないことを教えてくれる』と云うのを耳にする。不幸にして、問題点はこのゲームがカップをオーヴァーすればよしとすることを教え、そのオーヴァーさ加減が容認出来ないものになりがちで、リップ・アウトと3パットの危険を作り出してしまうことだ。

一発で沈めたいならもっといい方法がある。カップに近づく時に最適のスピード(ミスした場合に43センチほどオーヴァー)で転がるようにするのだ。

・極端に小さなカップにパットする

これもよく聞く話である。グリーンで、通常の直径10.795センチより小さなカップにパットすると、シャープに狙う助けとなってくれる…というものだ。それはその通りかも知れないが、同時にゴルファーに恐る恐るパットする心理を染み込ませてしまう。カップが小さければ、ボールをかなりゆっくりカップに到達させ、縁で息絶えるように転がすしかない。しかし、通常のサイズのボールを半径の小さなカップにパットすると、リップアウトしがちである。

小さなカップへのパットを長期間続けると、次の二つのどちらかになる。1) (43センチほどオーヴァーさせるのでなく)カップで息絶えるようにストロークする遅い速度が、ラインから左右に逸れ易くする、2) パット数の半分をショートし、カップに入るチャンスを失ってしまう」

【参考】「Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)の ホールはゴールではない」(tips_46.html)

 

(February 26, 2017)

スウィングの鍵は練習場を出る時封印せよ

この本の著者Raymond Floyd(レイモンド・フロイド)は、"swing thoughts"(スウィングに関する想念)という言葉を使っているのですが、筆者によっては'swing key(s)"(スウィングの鍵)とも云います。打つ前に「左肘を伸ばそう」とか、「スウェイするな」、「ダウンスウィングは左膝で始めよう」など、プレイヤーがああしようこうしようと考えるチェック・リストのことです。当サイトでは便宜的に「遵守事項」という言葉を使っていますが、ここでは「スウィングの鍵」としておきます。

'The Elements of Scoring'
by Raymond Floyd with Jamie Diaz (Simon & Schuster, 1998, $20.00)

「われわれはスウィング動作の調子を整えるに当たってスウィングの鍵を必要とする。スウィングの鍵を持つことに異論はない。それは向上するために価値あるものである。だが、私はスウィングの鍵は練習場か、様々な実験をするカジュアルなラウンドだけで用いるように制限すべきだと考える。誰かと競い合うラウンドには無用のものだ。競い合う際はゴルフをプレイすべきなのであって、スウィングについて考えるべき時ではない。

私の経験から云うと、ラウンド中にゴルフ・スウィングについて考えるのは失敗への招待状である。どこへ打ちたいかではなく、どのようにボールを打ちたいか考えると、プレイするのが困難になってしまう。スウィングの鍵は、あなたの意識からターゲットを消し去ってしまうのだ。

スウィングの鍵は雑音を作り出す。あなたが視覚化した活き活きとしたターゲットのイメージは、『トップで左の親指をシャフトの下にしよう』とか『左腰を廻そう』などの想念によってぼやけてしまう。

もしスウィングの鍵をプレショット・ルーティーンの初期に限定するなら、それがプレイを妨害する度合いは少ない。ボールの後ろからターゲット方向を向いてショットを視覚化する時、研究中の変更点や調整に関する心覚えを思い出すのは助けとなるが、唯一アドレスに入る前にそれらの意識的想念を追い出し、ターゲットに心の占有権を譲り渡すことが出来れば…の話だ。

私が考えるに、実際のスウィング実行中、ターゲットに集中することより価値あるものは、感覚やリズムに関するものぐらいだ。スウィングをスローダウンしようとか、スムーズにしよう、あるいはクラブヘッドの重みを感じよう…などと考えるのは問題無い。

スウィングの鍵は中毒になり易い。あるスウィングの鍵で成功すると、それ無しではプレイ出来なくなる。お粗末なショットを修正しようとするのは、人間として自然なことだ。PGAツァー・プロもお粗末なショットの後、何回か素振りを繰り返し、バックスウィングの両手の位置をチェックしたりする。これはトラブルを招く原因となる。スウィングの鍵に頼るプレイヤーが乗り越えなければならないハードルは、信頼である。あなたがよい基礎を身につけているなら、既によいスウィングの仕方を知っているわけだ。だとすれば、あなたに必要なのはターゲットへの心理的専念と身体の応答を信頼することである。ゴルフ・スウィングを考え続けていては、それは不可能だ。

 

スウィングを変更しようと試みた時は、私も数年間スウィングの鍵を用いたことがある。意識的に考えること抜きでは正しい動きが出来ると思えなかったからだ。一つのスウィングの鍵によって結構効果的にプレイ出来ることを発見した。だが、鍵が二つあると、ほぼ絶対にいいプレイは出来なかった。

私がベストのラウンドをした時、スウィングの鍵はゼロだった。ここ十年ほど、私はほぼ全てのスウィングの鍵を捨て去っている。もし、30年前にもそうしていたら、もっとトーナメント優勝の数が増えていただろう。あなたもスウィングの鍵を捨て去るべきだ。次回のラウンドで、スウィングの鍵を除去すべく意図的に努力してほしい。その空いた場所を、ターゲットへの真剣な集中で埋め尽くすのだ。もしお粗末なショットが出たら、スウィングを調整するのではなく、ターゲットへ集中の度合いを高める調整をせよ。プレイが良くなること請け合いである」

(March 08, 2017)

見栄を張っても益は無し

 

この本の著者Wally Armstrong(ウォリィ・アームストロング)はPGAツァーに10年間参加し、The Masters(マスターズ)に五位タイに入ったりしましたが、その後インストラクターに転向し、多くの著書やDVDを出しています。Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)の臨時のキャディを三週間務めるという得難い経験もしたそうです。

'The Heart of a Golfer'
by Wally Armstrong with Frank Martin (Zondervan, 2002, $14.99)

「1) Pebble Beach(ペブル・ビーチ)で開催されたあるトーナメントでのBen Hogan(ベン・ホーガン)の偉大なお話。有名なNo. 7は短いパー3だが、海越えのタフなホール。約100ヤードのダウンヒルで、グリーンは小さく、その前部はバンカーでガードされている。おまけにこのコースでは、ティーグラウンドで立っていられないほどの強い海風が吹き荒れることが多く、プレイヤーたちが(たった100ヤードなのに)2番アイアンで風に立ち向かうことで有名である。

Ben Hoganがティーグラウンドでショットの判断をしている間も風が強く吹きすさび、彼がどんなショットをするか誰にも見当がつかなかった。観衆が驚いたことに、彼はパターを取り出し、グリーン手前のバンカーを狙った。彼はボールをパットしてフェアウェイ全体を転がしてバンカーに入れ、ピンに向かって安全な二打目を準備したのだった。

 

2) Tiger Woods(タイガー・ウッズ)がPGAツァーに参加した最初のシーズン、彼はあるトーナメントの三日目にJohn Daly(ジョン・デイリィ)と組み合わされた。信じられないような多数の観衆が二人を取り巻き、二人の飛距離競争を満喫していた。二人は、急角度で左へドッグレッグするパー5にやって来た。グリーンへ250ヤードの地点まではフェアウェイは広いものの、そこから先は狭くなり両側にびっしりと木々が聳えている。フェアウェイは、その木々の先で左へカーヴしていた。

このホールでプレイヤーには二つの選択肢がある。ロングアイアンで刻み、二打目にピッチ・ショットで木々を越えてグリーンに乗せるか、完璧なティー・ショットで木々に挟まれたフェアウェイの狭い一点を狙って打ち、二打目にキャリーでグリーンに乗せるか…の、どちらかだ。後者はフェアウェイを外せば林から打たねばならず、非常に危険である。

オナーのJohn Dalyがドライヴァーを手にしても誰も驚かなかった。彼は『撃ちてし止まん』タイプだからで、それは彼の長所であり短所でもあった。彼が放った狭いフェアウェイのど真ん中への信じられないようなショットに、観衆は気が狂ったように喝采した。

TVカメラがパンすると、Tiger Woodsはロングアイアンを手にして立っていた。彼は数打差でトーナメントをリードしており、ここでは安全に刻むつもりだった。John Dalyの素晴らしいショットを目撃した観衆は、Tiger Woodsにも同じショットをさせようと野次り始めた。群衆の背後の数人が、"Go for it! Go for it!"(行け!行け!)と唱え始めたのだ。John Dalyはニヤッと笑い、Tiger Woodsのバッグに近寄るとドライヴァーを抜き出し、挑戦するようにTiger Woodsに差し出した。誰もがTiger Woodsがどう判断するか待ち構えた。

最初、Tiger Woodsは刻むという作戦を変えないように見えた。しかし、観衆が与えるプレッシャーが彼を捉えた。彼はドライヴァーを引っ掴んでティーグラウンドに向かった。二人のプロの間で何やら儀礼的なやりとりがあった後、Tiger Woodsはティーアップし、ボールを放った。それは素晴らしいショットだったが、彼の期待に反し若干右にカーヴし、木々の奥に突入した。幸運にも、彼はそこから脱出してパーを得たものの、それは手こずった末の寄せワンであった。彼は、観衆のプレッシャーを撥ね除け、本来の作戦に固執すべきだったと悟った筈だ。

John Dalyは二打目をショートし、同じくパーに終わった。これは、素晴らしいドライヴが、必ずしもいい結果を約束するものではないことを示す一例と云えよう」

 

(March 08, 2017)

自分なりのゴルフをする

これは「快適領域でプレイする」というのとは違います。快適領域のプレイというのは「まさか俺が優勝出来る筈はない」、「今日突然80が切れる訳がない」…などと、目前の重圧から逃避し、いつもの駄目ゴルフ(=ぬるま湯)に戻ってほっと胸を撫で下ろす傾向を指します。私の「自分なりのゴルフ」は、自分の能力以上のショットを欲張るのでもなく、さりとて自分の能力以下のプレイに堕することも避けようという姿勢です。

木の間を縫ってグリーンを目指すような英雄的ショットは、Phil Mickelson(フィル・ミケルスン)には可能であっても、私のようなダッファーにはホールインワンの(あるいは宝くじの一等に当たる)確率に等しく、成功を期待してはいけない部類です。チップインも、プロでさえ大喜びするようなまぐれに過ぎないのですから、狙って出来るものではない。10メートル以上のパットも同様。

われわれは一打ミスするとその損失をリカヴァーしようと無理をし、多くの場合さらにミスを重ねることになり易い。競馬の大穴に大金を注ぎ込んで外れ、その損失を取り戻そうとしてサラ金から借金し、さらにまた損失を倍増させるのに似ています。待っているのは借金地獄、身の破滅。

自分に出来ることを過不足なく遂行するのが「自分なりのゴルフ」です。ハンデ15ならハンデ15なりの実力が備わっている筈で、プライドもあって当然です。ハンデ20や30のプレイはしないぞ!と決意する。

ある日、「自分なりのゴルフをしよう!」と考えたら、すっと気持ちが軽くなりました。完璧を望まなくていい。自分はシングルではないのだから。しかし、馬鹿げたミスは犯したくない。自分は初心者ではないし、そんな馬鹿げたことをするためにゴルフ場へ来たのではないのだから。

自分に出来るベストのゴルフをする。80を切るためには、(各ホールを2パットで上がるとして)七つのミスが許されている。3パットしたら六つのミス。1パットで上がれれば八つのミス。そのハンデを有効に使うには頭を使わねばならない。バンカー越えを敢行すべきか迂回すべきか。グリーンのどこへ乗せるべきか。最初のパットを寄せるべきか沈めようとすべきか。七つのミスの範囲内で安全策を取るのが、私レヴェルの作戦であろうと思うのです。

 

(March 08, 2017)

携帯電話の作法

老インストラクターMarshall Smith(マーシャル・スミス)が示唆するエティケット。

'Hit Your Second Shot First'
by Marshall Smith with Tom Ferrell (The K.I.S.S. Group, 1999, $19.95)

「私は、ゴルフ・コースにおける携帯電話に関するありとあらゆる議論を耳にしている。それは実際のところもう生活に浸透しており、その使用をエティケットに融合させねばならない。

携帯電話の持ち主が以下のルールを守れば、ゴルフ・コースで他のプレイヤーを悩ませることはない。

1. 受信するべからず

携帯電話に慣れているなら、ヴォイス・メールやコーラーIDについて知っているべきで、着メロであなたの同伴競技者たちの邪魔をすることなく、誰があなたと話したがっているか知ることが出来る筈だ。

2. プレイを停滞させるな

携帯電話での会話に時間を費やし、あなたが打つ順番になって、さらにショットのために同伴競技者たちを待たせるようなら、あなたはエティケットの欠如を露呈したことになる。電話の相手と会話を始めるのでなく、自分のプレイが済むまで待ってくれと云うべきだ。ゴルフ・コースでは、電話の相手でなくあなたの同伴競技者たちを尊重すべきである。

3. グループから離れて話せ

 

あなたがフォーサムとの歓談中に電話を受ければ、あなたの同伴競技者たちはあなたの話の邪魔をしないよう静かにしなければならないと考える。彼らが歓談を継続出来るよう、あなたは仲間から離れるべきだ。

自分の行動が周囲にどう影響を与えているか、絶えずチェックすべきだ。そうすれば、人々はあなたと一緒のプレイをエンジョイすることだろう」

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私のシニア・グループにもティーグラウンドの近くで携帯電話に応答する奴がいます。誰かが掛けて来ると無視出来ないみたいです。私は延々と素振りを繰り返して、無言の抗議をします。私は俗に云う"rabitt ears"(聴力が良過ぎるタイプ)で、誰かが喋っているとスウィングに集中出来ないのです。しかし、無言の抗議をした自分の嫌みな行動の後味の悪さが影響し、その後のショットは大体において良くありません。「携帯電話で喋る奴は地獄へ行け!」と罵りたくなります。

(March 19, 2017)

カートで踏まれたボール

 

ある時、ゴルフ仲間の一人がフェアウェイにあった私のボールを冗談のつもりでゴルフ・カートで踏んづけて走りました。私は「反発力が無くなるじゃないか!冗談ごとじゃないぞ!」と怒り狂いました。相手は「もの凄いスピードのクラブヘッドでぶっ叩いても元に戻るんだから問題ない」の一点張りで謝ろうともしません。私は「またやったら承知しない!」とプリプリしたままプレイを続けました。

私はその男をやっつけるための証拠を集めるべく、ボールメーカー数社に質問のメールを発信しました。「カートで踏んづけられたボールの反発力はどうなのか?ツァー・プロは数ホール毎にボールを替えるぐらいなのだから、ボールの回復力にも限界があるのではないか?」という内容。

日本のタイトリストは「そういうテストは行ったことがないので、判断致しかねます」という素っ気ない返事。

アメリカのブリヂストンは「とても興味深い問題です。あなたの相手はあなたのリズムを壊したかも知れませんが、多分ボールに甚大な損害は与えていません。ゴルフ・ボールは圧縮・伸張が可能なので、多くの場合元の形に戻ります。ボールの形を確実に歪めるには、かなりの重さを長期にわたってかけなくてはなりません。ツァー・プロが頻繁にボールを替える理由は、概ねカヴァーに傷が認められるためです。彼らの賞金は莫大ですし、ボールはタダですしね」と回答をくれました。

私は自分の過剰反応に思い至ったので、相手の男にブリヂストンの返事を伝え、なおかつそれでも他人のボールをカートで踏みつける行為は無礼であると咎めようとしました。しかし、相手の男は私の説明を遮り、そっぽを向いたまま相変わらず「ボールは強靭だから、踏んだぐらいじゃ問題ない」と繰り返すだけなので、私は自分の考え過ぎについても相手の無礼についても話すのをやめました。こんな鉄面皮な男が相手では議論になりません。次回、その男とラウンドすることになったら、その男のボールをカートで思い切り踏んづけたやるつもりです(何度も)。彼の主張によれば、何の問題もないんですからね:-)。

 

(March 19, 2017)

Harvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)のボール・テスト法

 

伝説的インストラクターHarvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)の、ボールの反発力を簡単にチェックする方法。

'For All Who Love the Game'
by Harvey Penick with Bud Shrake (Simon & Schuster, 1995, $20.00)

「ボール・メーカーは、自社の新製品が他社のより飛ぶと互いに喧伝し合う。彼らの宣伝は、コンプレッション比だのディンプルの数だの、飛行軌道の図表だので満ち溢れている。しかし、ボールがどれだけ遠くに飛ぶかを知るには、昔ながらの落下テストがベストだと思う。

二個のボールをコンクリートの上に落とす。より高く弾んだボールを選べばより遠くに飛ばせる」

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私は使い古しや人から貰ったボール、コースで拾ったボールなどが沢山あり、どれをまだ信用していいのか、どれを捨てるべきか迷っていました。で、二個のボールの比較ではなくそれぞれがどれだけ高く弾むかチェックしてみました。

先ず、ラウンドで現在使っているボールを腰の高さからコンクリートの上に落とし、平均の反発力を調べました。私の腰の高さから落としたボールが同じ腰の高さまで戻ることはなく、絶えず下方に手を迎えに出さねばなりません。その平均の高さを計ると、地面から約68センチでした。全てのボールを試し、かなり低く手が迎えに出ないといけないものは処分することにしました。

表面が新品同様でも、それがブランドものであっても落第のものがありましたし、安物でも68センチに達したものもありました。ボールはどんな風に保存されていたか(温度)、どれだけ長く池の底にあったかなどで寿命が変化するので、綺麗に見えても性能が衰えていることがあるわけです。

 

テストの結果、捨てるべきだったのは2/5ぐらいでした。残りは古そうに見えても及第でした。しかし、これはあくまでも反発力のテストであって、飛距離はいいかも知れませんが、寄せでスピンがかかるかどうかは別問題です。スピンについてはゴルフ雑誌のテスト結果を参考に、及第したボールの中からさらに選別しなければなりません。

(March 19, 2017)

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