Golf Tips Vol. 179

バーディ・パットを沈めるには

 

フロリダ州にあるKeiser(カイザー)大学の教授兼インストラクターT.J. Tomasi(T.J.トマシ)による、スコア向上へのヒント。

'How to pencil in low numbers'
by T.J. Tomasi ('Golf Magazine,' August 2014)

「多分あなたはパー・パットの方が、バーディを狙う時よりも成功率が高い筈だ。なぜか?科学的リサーチは、悲しいことにわれわれがバーディを成功させる喜びよりも、ボギーやダボへの嫌悪感に呪縛されていることを示している。いまこそ、スコアリングの好機を活かす術を得る時である。

シカゴ大とペンシルヴェイニア大のグループがPGAツァー・プレイヤーたちの四年間250万回以上のパットを研究し、優れた公式を用いて次のような事実を発見した。すなわち、プロたちはパー・チャンスと同じ距離のバーディ・パットを平均7.4ミリほどソフトに打った。(イーグルだともっと悪く、約3センチもソフトに打つことが判った) 全体として、同じ距離であればプレイヤーたちはバーディやイーグルよりも、3%も多くパー・パットを沈めるのだ。

以上の事実を一般ゴルファーに同じように当てはめても、拡大解釈とは思えない。われわれは皆、潜在意識的にパーを失うことを恐れる点で有罪である。バーディ・パットをカップの向こう側の壁にぶち当てる代わりに【編註:その強さは、失敗すればパーを得ることさえ難しくなる危険を孕んでいる】、ショートしても容易にパーが得られるよう穏やかに打つのだ。スリー・パットだけは回避したい。←この心理は、われわれが勝利を愛するよりも、敗北を嫌うということを意味している。科学者たちはこれを“損失回避”【編註:失うことを嫌悪する感情】と呼ぶ。守りの姿勢に害はないとは云え、正直になろうではないか、バーディ・トライは生きるか死ぬかの問題からはほど遠いのだ。【編註:ゴルフは遊びに過ぎない】 もしあなたが生涯ベストのスコアを達成したいと思うなら、常にショートするパー偏重の態度を変えるべきである。その方法をお教えしよう。

① 練習グリーンのカップのすぐ前に、カップの直径より長い鉛筆を寝せ、ティーを刺して鉛筆が動かないようにする。【編註:記事の写真ではティーを左右に二本ずつ、計四本刺して鉛筆を挟んで固定しています】 ボールが鉛筆をぽんと乗り越えてカップインする強さでストロークする。3メートルの距離で始め、2メートル、4メートルへと距離を伸ばし、どの場合もしっかり打たないといけないという感覚を身につける。

 

② ラウンドではカップの前に横たわっている鉛筆を視覚化する。必ずしっかり打つという基本を遵守する。ボールにイメージ上の鉛筆をぽんと乗り越えさせる強さで打ち、パーに甘んじる連中をハラハラさせながら、あなた一人バーディを連取するのだ」

(December 04, 2016)

パットの方向ミスをチェックする

 

これはストレート・ストロークをする場合に役立つ診断法です。

'Service your stroke'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' April 1999)

「3メートルの真っ直ぐなラインでパットし、フィニッシュでそのまま静止する。静止状態のまま、パターヘッドをチェックする。ヘッドはターゲットライン上のかなり低い(地面に近い)位置にあり、フェースはターゲットにスクウェアでなければならない。パットに成功したとすれば、これらの全ての条件が満たされている筈である。

・左にミスした場合

インパクト前に左手首が折れて、クローズになったせいである。多くは、左手のフィンガーでパターをコントロールした際に起りやすい。パームでしっかり握り、左手甲がターゲットを向くようにする。こうすればストロークの間じゅう左手首はぐらつかない。

・右にミスした場合

フィニッシュでパターフェースが右を向いている筈だ。それはターゲットラインにスクウェアではなく、インサイド→アウトサイドの軌道によってフェースがオープンになったことを意味する。右掌がターゲットラインに直角になっているかどうか確認せよ。それがストレート・ストロークを助けてくれる」

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われわれはパットに失敗すると(フル・スウィングをミスした時でも同じですが)フィニッシュで静止したりしません。失望と挫折感ですぐ歩き出したりします。上のtipは、かっかとせずフィニッシュでのパターフェースを確認するという冷静さが求められます。誰にでも出来る業ではありません。しかし、上達を望むゴルファーなら、この程度の分析をする余裕がなくてはならないでしょう。

(December 04, 2016)

パッティング・スタイルへの指針

 

インストラクターJim Flick(ジム・フリック、1930〜2012)は、Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の二人目のコーチとなり、Nicklaus-Flick Golf School(ニクラス=フリック・ゴルフ・スクール)の共同経営者ともなった人。

'On Golf'
by Jim Flick with Glen Waggoner (Villard Books, 1997, $24.00)

「一般ゴルファーは滅多にパットの練習をしない。だから、グリーンで膨大な数のミスを犯すのも不思議ではない。だが、イーヴン・パーで廻るための打数の半分はパットである。半分というのは50%だ。さ、云ってくれたまえ、あなたの練習時間の50%をパッティングに費やしているだろうか?

強さをコントロールするためのストローク法のお勧めは、"hit"(打つ)でも"accelerate"(加速する)でもなく、振り子式である。パッティングにおける最重要な要素は"speed"(速度、強さ)である。そして、その強さの供給源は一つであるべきで、それ以上だとトラブル以外の何ものでもない。

『手と手首派』は腕を両脇につけ、強さは手と手首によって生み出す。この代表はArnold Palmer(アーノルド・パーマー)とBilly Casper(ビリィ・キャスパー)である。

『腕と肩派』は手首の動作は皆無で、腕と肩が全ての推進力を提供する。Tom Watson(トム・ワトスン)とBob Charles(ボブ・チャールス、ニュージーランド、1936〜)がこの一派の優等生だ。PGAツァーとLPGAツァーのプロの大半はこれに属する。

最後に、『Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)派』がある。彼は腕・手・手首の組み合わせを用いる独特のストロークをする。何人か彼の真似をした者がいたが、誰も成功しなかった。彼の秘密は驚異的な感性と自信によるものだ。もしBen Crenshawにホッケー・スティックを持たせたとしても、素晴らしいパットをすることだろう。

パット巧者(名人クラスの多数派)は『手と手首派』であるが、彼らは毎日パットするプロであり、彼らは両手にずば抜けた感覚を開発させている。あまり練習時間をとれない一般ゴルファーには、両手・両手首の自由を制限させた腕と肩によるストロークを勧める。これは強さをコントロールする最善の方法である。

自由な手はインパクトで多くの強さの変化を生み出す。特に緊張した局面において。

クロスハンデド・グリップ(=レフト・ハンド・ロー)は手首の活動を排除し、腕と肩によるストロークを構築する。強さをコントロールする方法としてはクロスハンデド・グリップはベストである」

 

【参考】「奇跡のパッティング・グリップ」(tips_70.html)

(December 04, 2016)

チップイン常習犯になろう

 

ショート・ゲームの名手Ray Floyd(レイ・フロイド)の、《パッティングのようにチップする》という独特の技法。

'The Elements of Scoring'
by Raymond Floyd with Jaime Diaz (Simon & Schuster, 1998, $20.00)

「チッピングは常に私の特技だった。PGAツァーでプレイしていた頃、どのトーナメントでも平均一回はチップインさせたし、一つのトーナメントで四・五回チップインさせたことも何度かある。人々がチッピングと呼ぶものを私はそうは呼ばない。『ロフトのあるパッティング』と呼ぶ。

クリーンなライからのチップ・ショットは、単純に『ロフトのあるクラブによるパット』なのだ。私はグリップ、スタンス、ボール位置、そしてストロークまで、全てパッティングと同じにする。違うのは、ショットの長さと心の目で計算したキャリーとランの比率によってクラブ選択をすることだけだ。《パットするようにチップせよ》が私の法則である。

私はフル・スウィングの時よりボールに近く立ってパッティング・ストロークが模倣可能なようにする。両足をターゲットにオープンにすることで、腰がストロークの邪魔をしないようにし、なおかつラインがよく見えるようにする。シンプルでリラックスした腕・肩でスウィングをすれば、よいライからボールを払い打つのは簡単だ。グリップ圧はきつくもなく緩くもない。ストロークの間、手と身体の動きはゼロ。フォロースルーまで右手が左手を越えないように務める。私は、多くのチップ名人たちがインパクトで左手甲を僅かにボールに先行させることに気づいた。【編註:FLW(フラット・レフト・リスト)でヒットダウン気味に打つ】

ストローク全体はカッチリと、しかしスムーズなテンポによって静かなアクションで遂行さるべきである。チッピングでは、ボールを突き通すようだったり、過度に強く打つような急激な動作を必要としない。『ロフトのあるパッティング』の法則は、ボールを地面に近く保つことだ。多くの人々にとってボールを宙に浮かべるより、転がす方が見当がつけ易いし、怪我が少ないものだ。

 

この手法では、私は一本の気に入りのクラブに限定せず、グリーンにキャリーで乗せ、カップへと転がせる最もロフトの少ないクラブを用いる。ロフトが少ないほど、短いストロークで、少ない努力で済む。

各クラブでどれだけ転がるかを知っておくことは、極めて重要だ。そのためには、前もって決めた地点に打って、キャリーとランとを見極める。私の場合、ピッチング・ウェッジによるチッピングでは、大雑把に云ってキャリーの二倍転がり、5番アイアン(私が用いる最もロフトの少ないクラブ)では、チップ距離の10%キャリーで残り90%が転がりとなる。

私にとってはピンを抜いた時の方が、チップイン出来ることが多い。リサーチによる事実がその逆であることは承知だ。だが、私はカップを見る方が集中出来る。私はチップする時は常にチップインを狙う。そういうポジティヴな姿勢は、あなたのゲームにも役立つ筈だ」

【参考】
・「アイアンでパット」(tips_107.html)
・「チップインを目論む」(tips_107.html)
・「Ernie Els(アーニィ・エルス)のチップイン技法」(tips_143.html)
・「Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)のチップインの秘訣」(tips_151.html)
・「パットするようにチップしてはいけない」(tips_141.html)

(December 07, 2016)

二つのグリップを使い分ける

 

'Change your grip for more finesse'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' September 2014)

「仲間をアウトドライヴするのは小気味のいいものだが、それがいいスコアに直結する訳ではない。次のホールでは、ターゲットに向かってボールをシャープに打つ者がオナーとなることだろう。

考えても御覧。一般ゴルファーがパーを失う打数の約75%は100ヤード以内で発生する。100ヤード以内はまた60%のショットが必要な領域である。われわれの大多数にとって、グリーン周りはドライヴァーの飛距離よりずっと重要なのだ。

あなたのショートゲーム全体を向上させるのは簡単だ。ウィーク・グリップにするのだ。ウィーク・グリップはインパクト・ゾーンで手の動きを抑制し、それがクラブのロフトを最大限活かし、ストレートなボール軌道とよりよい距離のコントロールに繋がる。

クラブを握る際、左右の手の"V"の字がどちらも顎を指すようにする。グリップを見下ろした時、左手のナックルは二つ以上見えてはいけないし、右手はハンドルの真上にあるべきだ。数週間このグリップを練習してから、本番に臨むように」

[grips]
 ニュートラル
   ストロングウィーク

 

 

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今まで私の(パッティングを除く)スウィングのグリップの型は一つでした。ドライヴァーからチッピングまで全て同一。しかし、考えを変えました。

ドライヴァーを打つ時は、私は左右の手のVがほぼ右肩を指すニュートラル・グリップです。左手のナックルは二つ見えますが、右手のナックルは一つ。ドライヴァーを打つ場合、私のレヴェルではフェアウェイのどこかへ真っ直ぐ飛べばよしとし、飛距離を優先します。

しかし、ハイブリッドやアイアンになると「どこかへ真っ直ぐ飛べばいい」などと甘ったるいことは云っていられません。ピン傍とは云わずとも、ピンの右か左、どっちか狙ったところに乗せたい。で、最近気づいたのですが、グリーンに近づけば近づくほどニュートラルではなく、ウィーク・グリップの方が成功率が高いのです。左手のナックルは二つで同じですが、右手のナックルは二つ見えるようにします。

二つのグリップを使い分けるなんて、聞いたことない…とおっしゃる?ドライヴァーは上昇軌道のスウィング、アイアンは下降軌道のスウィング…と、われわれはその二つのスウィングを使い分けています。スウィングでさえ変えるのなら、ドライヴァーとアイアン双方でグリップも変わっておかしくない理屈です。

私の場合、ウィークにしたグリップによって、二打目以降がグリーンにまっしぐらに飛ぶ確率が増えています。

【おことわり】画像はwww.radfordgolf.co.za/にリンクして表示させて頂いています。

(December 07, 2016)

オープン・フェースの研究

 

市営ゴルフ場のNo.3(270ヤード)パー4での、私のティー・ショットは何故か右方向へ飛び、残り75ヤードぐらいになります。このホールのグリーンには左右どちらにもバンカーが仕掛けられており、花道は中央にほんの5ヤードぐらいの幅しかありません。当然、私の残り75ヤードもバンカー越えになります。

75ヤードは私の場合、ギャップ・ウェッジを1/2インチ(1.25センチ)ほど短く持ったフル・スウィングですが、これだと大体グリーン中央のピンを越えて左奥のエッジに転げ出てしまいます。かといって、もっと短く(1インチ=2.5センチ)持つとグリーンに届かず砂風呂入浴。ギャップ・ウェッジを精一杯長く握ってフェースをオープンにしても同じで、バンカー突入は変わりません。フェースをオープンにすることがこんなにも飛距離を短くするものとは知りませんでした。10ヤード近く減ってしまうのですから。

ある夜、ベッドの上でこのホールのことを考えていました。「ピッチング・ウェッジを使ったらどうなるのだろう?」今まで、ギャップ・ウェッジに固執していたのですが、10ヤード不足するのならピッチング・ウェッジで丁度いいのではないか?

翌日早速試してみました。ピッチング・ウェッジを1インチ(2.5センチ)短く持ってオープン・フェースにすると、グリーン中央でボールが停止しました。やった!バンカーは脅威ではなくなりました。ピッチング・ウェッジを1インチ短く持つと、計算上はギャップ・ウェッジのフル・スウィングの飛距離と同じになる筈ですが、ロフトの違いが飛距離とランに影響するのでしょうか(この辺の事情はよく分りません)。

ある日のNo.7(160ヤード)パー3。私のティーショットはピンハイの左15ヤードへ。そこからピンへは上ってピンから向こうへは下りになるという過酷な状況。上りなので正味15ヤードとして打ったのではショートし、ボールは戻って来てしまいそうです。20ヤードとして打つと対面(といめん)へごろんごろん転がる大幅オーヴァーが恐い。で、フェースを少しオープンにして20ヤードとしてチップ。ボールはピン傍25センチでぴたりと停止。やんやの喝采を浴びました。

(December 07, 2016)

もの凄く短いピッチ

 

ボールがグリーンまで数ヤードのところにこぼれた。パターで転がすには草が長過ぎる。さあ、どうする?執筆は女性インストラクターKellie Stenzel(ケリィ・ステンツェル)。'Golf Magazine'誌編纂のショートゲーム大全より。

'Golf Magzine: The Best Short Game Instruction Book Ever!'
edited by David DeNunzio (Time Inc. Home Entertainment, 2009, $32.00)

「正解は、もの凄く短いピッチングなのだが、これを達成するために必要なのは、大方が考えるような力技ではなく、スウィングの長さなのだ。それも、ごく当たり前の動作を用いて。

1) 先ずクラブを短く持つ。右手はシャフトに触れるほどに。これはサンドウェッジやロブ・ウェッジの長さをごく短くし、ボールに与えるパワーを自動的に減少させる。

2) 両足をほとんどくっつけるスタンスで、ボール位置はその中央。この超狭いスタンスは、あなたの腰の柔軟性を奪い、回転を制限し、特に意識しなくてもバックスウィングを短くする。以上のセットアップによってクラブが遠くに行くことはないので、通常のテンポを用いることが出来る。

3) スムーズな加速でダウンスウィングを行い、ウェッジのソールでボールの真下の地面を『ドン!』と打つ。ボールはソフトかつクリーンに舞い上がり、あなたが必要とする短い距離を飛ぶ」

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私の「ピッチングとチッピングの距離調節・完全版」(tips_169.html)は、大体において(方向はともかく)距離だけはぴったりに打てます。しかし、10ヤードのチップが一番難しい。こういう短いバックスウィングではリズムが取り難く、バックスウィングの幅が行き当たりばったりになり易い。このショットは歯切れ良く打たなければいけないのですが、それには勢いが必要なので僅かながらパワーが絡んで来ます。力加減というのは最も曖昧なものです。そんなこんなで10ヤードのチップは難題となっていました。

 

 

しかし、上のtipのように、シャフトを短く持ち、超狭いスタンスで「ドン!」と打てば、(私の場合、60°ウェッジだと)5ヤードぽんと飛び、5ヤード転がって停止…と、うまくいくかも知れないと思いました。

「ドン!」に当たる原文は"thump"という言葉が使われていて、これはバンカー・ショットで聞かれるべき音と同じなので「ドン!」で間違いありません。しかし、私が試したところ、「ドン!」では力が入り過ぎて15ヤードになってしまいます。「ドン!」ではなく「トン!」と打つのが正解です。これなら飛行+ランが10ヤードで停止します。

絶対に10ヤード以上にしたくない時は、多少フェースをオープンにするという手がありますが、砲台グリーンに寄せる場合、斜面に着地させるとベラボーにショートしてしまいます。本来、ピンがエッジから5ヤード…などという状況がこのテクニックの出番ですが、それが砲台(あるいは急な上り勾配)だとかなり成功率が低いので、要注意。

(December 07, 2016)

フェードの秘訣

この本はインストラクターの組織であるPGAの中の、GolfTec(ゴルフテック)というグループが'Golf Magazine'誌と提携して出版したものですが、これまでに紹介したフェードの打ち方には全く見られなかった痒いところに手の届く説明が素晴らしい。

'Golf Magazine's The Par Plan'
powered by GolfTec edited by David Denunzio (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)

「持ち球が左に向かうゴルファーはフェード技術を開発すべきだ。フェードはドローのように距離は出ないが、高く上がりソフトに着地するので、現代風の早いグリーンに向かって打つのに最適のショットである。

フェードが必要な場面は色々ある。右ドッグレッグ、フェアウェイ右にトラブルが並んでいるとか、ピンへの道を右側の木々が邪魔していて、安全に乗せるにはその木々を迂回せねばならないとか、グリーン前面右にピンがある場合等々。これらのケースでは、いずれも緩やかに左から右にカーヴさせなくてはならない。

1) ややウィークな(両手を僅かに左に廻した)グリップを用いる。これはインパクトでクラブフェースをオープンにするのを助けてくれる。フェードは距離が伸びないので、長めのクラブを考慮すること。

2) クラブフェースはターゲットを狙い、スタンスライン(両爪先を結んだ線)は最初にボールを打ち出す方向に揃える(この時、クラブフェースの角度を変えてはいけない)。スタンスをオープンにする際、ボール位置に注意。スタンスをオープンにすると、ボールは実質的に後方に位置してしまう【下図参照】 ボールがスタンス前方になるよう、微調整しなければならない

 

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【編註】私がフェードをかけようとして盛大なプッシュになることがあったのは、上の説明のようにボールがあまりにもスタンス後方となり、フェースが過度にオープンなままインパクトを迎えたせいのようです。上のアンダーラインの一行だけでも、この本を購入して良かったという気になります。実際には安売り店で3ドルで買ったのですが(^^;;。

3) スタンスラインに沿ってスウィングする。その際、クラブフェースの向きなど気にしないこと。オープンなセットアップなので、スウィング軌道は自然にアウトサイド・インでターゲットラインを横切るものとなる。このオープンなセットアップはバックスウィングで腰の回転を抑制させ、ダウンスウィングでそれを増大し、フェードに望ましいアウトサイド・インのスウィング軌道を助長する。

4) ダウンスウィングでは、通常より少し身体の回転を早くする。オープンなクラブフェースで打つのだから、前腕を返してはならない。クラブシャフトが垂直に天を指すフィニッシュを心掛ける。

・フェードのコツは、インパクト・ゾーンで右掌が地面を向くように、次いでフォロースルーではその右掌が天を向くように集中することだ。インパクトで左肘が折れるチキン・ウィングはフェードに役立つ。リリースする際、両方の前腕の間に隙間があるべきだ。このスウィングの練習をスローモーションで実施し、両前腕の間に空間があるかどうか確認するとよい。

・もう一つ重要なコツは、あなたが充分だろうと思うより以上に左を狙うことだ。フェードのセットアップではクラブフェースがスタンスラインの右を向いているので、ボールは想像以上に右へ飛んで行く。この点は、木やその他の障害物を迂回させたい場合に考慮すべき重要なポイントである」【参照】「Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)のフェード上級篇」(tips_137.html)の「プッシュ要因」

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市営ゴルフ場のNo.11(360ヤード)パー4は残り150ヤード付近で右ドッグレッグしています。ティーショットをフェアウェイ右に打ってしまうと、意図的スライスをかけないといけません。これまでの成功率は30%といったところでしょうか。スタンスをオープンにすると、ボール位置が自然にスタンス後方になることに気づかなかったので、フェースが過度にオープンな時点でボールと接触し、右の木に当ててキンコンカンか、スライスがかからず左にプルするミスか、どちらかに見舞われていました。

今回、オープンスタンスにした後、ボールがスタンス前方になるよう微調整したら、狙い通りの意図的スライスが実現し、ボールはグリーン正面へ。まこと《知識は力なり》。この知識は私の財産です。もう怖いもの無し(^-^)。

(December 14, 2016)

フェードもどきで軟着陸

 

Gay Brewer(ゲイ・ブリューアー、1932〜2007)は1967年のthe Masters(マスターズ)に優勝したほか、計17勝を挙げたツァー・プロ。もとの言葉"tail-end fade"には訳語はなく、純粋なフェードでなく最後の瞬間にボールが右に向くだけだそうなので「フェードもどき」としました。

'Score Better Than You Swing'
by Gay Brewer (Golf Digest. Inc., 1968)

「スライスは誰に対してもお勧め出来る代物ではないが、スライスも程度問題である。実力派のプレイヤーあるいはフックに悩めるゴルファーにお勧めしたいのが"tail-end fade"(フェードもどき)だ。ボールはほぼ真っ直ぐか、あるいはフェアウェイ・センターの僅かに左寄りに飛び始め、そのまま力強く飛行する。ボールが着地する数ヤード手前で、ボールは徐々に右に向かう。このショットの大きな利点は、軟着陸するショットであり、通常は(固い地面であっても)着地したところで止まるということにある。

私に関して云えば、フェード系のスウィングは、悲惨なフックの恐れなしにボールをハードに打てるのが利点だ。

この"Tail-end fade"を打とうとする場合、グリップ、セットアップ、スウィング・プレーンをドローとは反対にすることになる。このショットの目的は、ボールにごく僅かなカット・スピンを与えることだ。そうするには、クラブはインパクトで少しオープン目のフェースで、ターゲットラインの外側からボールを横切るように進まねばならない。だが、こうした調整は全てごく僅かでなければならない。【編註:過剰投与をすると純正スライスになってしまう】」

(December 14, 2016)

フェード用ティーアップ法

 

'Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'
by George Peper et al. (Harry N. Abrams, Inc., 1997, $45.00)

「Bruce Lietzke(ブルース・リツキ)はフェードしか打たない。彼がドライヴァーで強打してパワー・フェードを打とうとする時、彼は異常なほど低くティーアップし(クラブフェースの上にボールの一部がほんの少し見えるだけ)、両手はボールの後方で構える。【編註:左手とクラブシャフトは一直線ではなく、Yの字になっているという意味】 これらの調整の組み合わせが彼のスウィングをアップライトにし、ターゲットラインに対しアウトサイドインに横切り、左から右へのカーヴを生む」

(December 14, 2016)

[fade] フェードの知られざるコツ

 

'Golf Magazine: How to Hit Every Shot'
edited by David DeNunzio (Time Inc. Home Entertainment, 2008)

「プル・フックを防ぐため、ティーアップを低くすること。【編註:高いティーアップは、爪先上がりのライと同じようにフックになり易い】

アドレスし、上から見たボールを四分割した場合、右上の部分の外側(右図の赤点周辺)を狙うとフェードを打つ助けとなる」

(December 14, 2016)

ドローとフェードを両手の高さで打ち分ける

 

これは素晴らしいtipです。ドローとフェードの打ち方については、既にいくつものtipを紹介して来ましたが、それらの全ては狙い方、グリップ、スウィング軌道について触れているだけで、手の構え方(高さ)に言及したものは一つもありません。

'Hands up, hands down'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' October 1997)

「ドローやフェードを打つというショットメーキングにおいて、手の役割に無頓着なのはゴルファーの最も一般的な過ちである。ボールを真にコントロールするには、ドローでは手のアクションを活発にさせ、フェードでは制限せねばならない。

【ドロー】手を低く構える

ドローを打つ際のセッティングは、通常のポスチャーをとり、次いで太腿から5〜8センチのところまで両手を下げる。これはまた、あなたの上体を下げることになるが、注意すべきは股関節から上体を折るのであって、背を曲げてはならないということだ。この姿勢を横から鏡で見れば、左腕とシャフトにはいつもより角度がついている筈だ。

この両手を下げる効果には二つの要素がある。両手のコックをプリセットし、インパクトにかけてのアンコックとリリースを容易にする。第二に、これはフラット目のバックスウィング・プレーンを促し、それはインパクト・ゾーンでインサイドからスウィングすることと、クラブフェースをスクウェアにするため右手を左手の上に返すリリースを助ける。

アドレスで、スタンスとクラブフェースをクローズにする度合いによって、ボールをどの程度右から左に曲げるかの幅が容易に増減出来る。

【フェード】手を高く構える

 

フェードを打つ鍵は、手のアクションを最少限にし、腕と肩によるスウィングをコントロールすることだ。両手の仕事はインパクトにかけてクラブフェースをオープンに保持することである。アドレスでやや左を狙い、次いで通常より両手を上げる。手首がアーチ状隆起を呈する(=弓なりにする)と、両手と手首は自由に動けなくなり、肩と腕にスウィングの制御を委ねることになる。あなたのインパクトの鍵は、両手をアドレス時と同じ状態に戻すことだ。

(December 14, 2016)

バンカー・ショットは音が決め手

 

このtipは、インストラクターの組織であるPGA of Amaricaの中の、GolfTec(ゴルフテック)なるグループが'Golf Magazine'誌と提携して出版した本より。

'Golf Magazine's The Par Plan'
powered by GolfTec edited by David Denunzio (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)

「クラブが正しくボールの下を潜り抜けられる唯一の途は、クラブのリーディング・エッジでなくウェッジの底部(バウンス)が砂と衝突することだ。これが、バンカー・ショットのアドレスでクラブフェースをオープンにすべき理由である。正しいバンカー・ショットのインパクトのフィーリングを得るには、インパクトで明瞭に聞き取れるほど『ドスン!』という音を立てなくてはならない。その音は極めて重要である。次回、ツァー・プレイヤーのバンカー・ショットをTVで見る時、よいバンカー・ショットが立てる識別可能な音に耳を傾けて欲しい。

その『ドスン!』という音を増幅するには、バンカーではなく芝の上で練習するとよい。40ヤードのロブショットをするかのようにコックし、上体と腕を主体にした早めのスウィングをする。『ドスン!』という音が出るように地面を打つ。音に集中すること。

大きなディヴォットは必要ない。芝の天辺をこそげ取る感じ。擦った跡もコンパクトであるべきだ。このドリルは、あなたが一定の場所を削れるかどうかも教えてくれる。それはバンカー・ショットの鍵である。同一地点を打てるようなら、あなたのバンカー・ショットも安定して遂行出来る可能性が高い」

【ヴィデオ】https://www.golftec.com/parplan 「28—30」セクションの「Drill 9.1」View Drill をクリック。

 

「上の音を出すドリルはとても重要なので、絶えず練習すべきだ。今度は家庭やオフィスで出来る練習法を紹介する。芝の代わりにカーペットを打って『ドスン!』という音を出し、クラブで正しい位置を打つことが習慣になるようにする。

【編註】会社のカーペットに穴を開けて社長さんから御目玉を食らったり、家の絨毯を禿げちょろけにして奥さんに叱られても、当サイトは一切責任を負いません。御自分の判断で実行して下さい。

スウィングの最中に身体が前後に動く問題を抱えていないかどうかチェックする。顎・臍・両手・クラブヘッド等が一線となってクラブヘッドを打ち込みたい地点の真上になるようにアドレスする。肩はほぼ水平、背骨も垂直でターゲットから遠ざかるように傾いでいない。この体勢は、クラブヘッドが砂を浅く潜(くぐ)る軌道を推進する。過度に上体を傾斜させると、クラブヘッドが早期にスウィング弧の底辺に達してしまい、クラブで正しく砂の中をスライド出来ない。

バックスウィングで頭を動かさず、顎が終始突入地点の真上に留まるようにする。肩は少し回転するとしても、フルスウィングのように大きくは動かさない。右足への体重移動もほんの僅かである。あなたの左手首はトップで凹みを作るが、それがボールの下の砂をスライドさせる助けとなる。インパクト・ゾーンで、その左手首の凹みを維持し、クラブヘッドが早期に両手を追い越す感覚を得れば、ボールの下でスライドさせることが可能になる。この手首の動作は、クラブフェースをオープンにしたままインパクトを迎えるフロップショットと同じである」

【ヴィデオ】https://www.golftec.com/parplan 「28—30」セクションの「Drill 9.4」View Drill をクリック。

(December 18, 2016)

サルより下手でもピンに寄せられるバンカー・ショット

「サルより下手でも出せるバンカー・ショット」(tips_175.html)採用以来、私の本番でのチョロやホームランは皆無。必ず一発で脱出し、そこそこの距離につけています。これは野球の安打記録更新に匹敵する快挙です。しかし、どうせ乗せられるのなら「そこそこ」なんぞでなく、ピン傍につけたいと思うのが人情。そこで「サルより下手でも…」をベースとしながら、それをさらに発展させる方法を追求してみました。

[marks] [Lob_wedge]

私のウェッジには、図右のように1.25センチ刻みで五つのマークがつけてあります。白い修正液を乾かした上にマジックで色づけしたものです。ルールを定めるUSGAに問い合わせたところ、触って判るようなマークはルール違反だが、そうでなければOKとのこと。修正液マークは触れても何も感じませんので合法です。(e)(紫色)は通常フルスウィングで握る位置で、図の上に行くほど短く持つことになります。私は「ピッチングとチッピングの距離調節・完全版」(tips_169.html)の左腕が胸の高さで地面と平行になるトップ(図の4の位置)に慣れています。その高さのバックスウィングで、(a)(青色)の位置で握ってバンカー・ショットした場合の距離を求めれば、握る位置を変えるだけで、同じスウィングで5ヤード刻みの距離調節が出来るのではないか?もしそれが可能なら「バンカーからピン傍へつける“三倍の法則”」(tips_155.html)でも不可能だった5ヤード刻みの距離調節が可能になる…と興奮しました。

やってみました。サンドウェッジを(a)の位置で握って胸の高さのバックスウィングだと15ヤード、(b)で20ヤードでした。(c)も試してみましたが、25ヤードならギャップウェッジを使う方がベターです。パワーで運ぶよりクラブのロフトに任せる方が楽だからです。

同じ方式でロブ・ウェッジ(60°)、サンドウェッジ(56°)、ギャップウェッジ(52°)の三本のウェッジを試してみると、平均して次のようになりました(ヤーデージはラン込み)。

ロブ・ウェッジ サンドウェッジ ギャップウェッジ
(a)
10ヤード
15ヤード
25ヤード
(b)
15ヤード
20ヤード
30ヤード

各クラブ間のロフトは4°刻みで同じなのに、ロブ・ウェッジとサンドウェッジでは5ヤードの差、サンドウェッジとギャップウェッジでは10ヤードの差となっています。20ヤードを越える距離ではスタンスもクラブフェースもさほどオープンにせず、ピンをダイレクトに狙うのでスピンがかからずランが多いからだろうと思われます。

ともあれ、左腕が胸の高さという一定のスウィングで、10ヤード〜30ヤードの距離を5ヤード刻みでカヴァー出来ることになったわけです。もちろん、砂の取り方が一定しないレヴェルの私としては計算通り飛ばないことがままあるわけですが、この方法ですと運を天に任せて闇雲にスウィングするのでなく、ちゃんと基準に則ってプレイしているという安心感が得られます。

私の場合、一つだけ留意すべきなのは、同じ高さのトップでも「これはピッチングでなく、バンカー・ショットだから、三倍のパワーが必要なのだ」と自分に云い聞かせないとショートしてしまうことです。

(December 18, 2016)

バンカー・ショット練習法

 

'Golf Magazine'誌編纂のショートゲーム大全から、インストラクターBill Davis(ビル・デイヴィス)によるユニークで効果的な練習法。

'Golf Magazine: The Best Short Game Instruction Book Ever!'
Edited by David DeNunzio (Time Inc. Home Entertainment, 2009, $32.00)

「・スプリット・グリップ・ドリル

サンド・ウェッジを握る際、左手親指が右掌の膨らみの端に触れる程度に両手を離す。このグリップはバンカー・ショットの次の三つの基礎を学ぶ助けをしてくれる。
1) 手首のコック
2) 腕によるスウィング
3) クラブヘッド・コントロール

スプリット・グリップだと手を回転させるのが困難になる。これはインパクトでクラブフェースを過度に回転させず、砂を取り過ぎることを防いでくれる。

スプリット・グリップは最少限の下半身の動きで、腕主体のスウィングをすることを促進する。脚のアクションが大きいと、物事は不確かになってしまう。ターゲットに向かってスムーズに回転し、スウィングのほとんどを腕に任せるべきである。

クラブを後方に引く時、スプリット・グリップは急速に、そしてフルに両手首をコックさせ、左手がハンドルを押し出すことに気づく筈だ。こういう風に手首をコックすると、砂をヒット・ダウンし、クラブにボールを下を通り抜けることを可能にする。

 

・スプラッシュ・ドリル

アマチュアがバンカーで苦労するのは、彼らが砂を打つのに慣れていないからだ。あるいは、ボールは砂が飛ぶ方向に飛ぶという事実に馴染んでいないからだ。あなたはターゲットに砂を飛ばすことを学ぶべきである

バンカー表面に砂の塊を乗せ、それをボールだと想定する。バックスウィングしてはならない。アドレスし、そこからクラブを前方に投げ上げる。【編註:写真ではちゃんとディヴォットを取っている】 あなたのゴールは砂をターゲットに向かって押すことである(最初はターゲットの右や左でも構わない)。砂を飛ばすのに慣れたら、バンカーにボールを落とし、同じフィーリングで打ち抜く」

(December 18, 2016)

ドローの秘訣

 

この本はインストラクターの組織であるPGAの中の、GolfTec(ゴルフテック)というグループが'Golf Magazine'誌と提携して出版したものですが、これまでに紹介したドローの打ち方には全く見られなかった痒いところに手の届く説明が素晴らしい。

'Golf Magazine's The Par Plan'
powered by GolfTec edited by David Denunzio (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)

「あなたの持ち球が右方向に向かう傾向があるなら、ドロー技術を開発すべきだ。ドローはフェードより飛び、着地後のランが多いので、より短く振り易いクラブを用いることが出来る。

左ドッグレッグ、フェアウェイ右にトラブルが並んでいる場合や、ピンへの道を左の木が邪魔していてそれを迂回せねばならないとか、グリーン後方左にピンがある場合等々。これらのケースでは、いずれも緩やかに右から左にカーヴさせなくてはならない。

1) 両手を右に廻したストロング・グリップを用いる。両手ともグリップ圧を軽くする。これがインパクトでクラブを返す動きを助けてくれ、右から左へのボール軌道を生み出す。

ドロー・スウィングはロフトを減らすので【編註:ランが増す】、1クラブ短いものを選ぶのを忘れないこと。

2) ターゲットにクラブフェースを合わせて狙う。スタンスライン(両爪先を結んだ線)は最初にボールを打ち出す方向に揃える(この時、クラブフェースの角度を変えないように)。スタンスをクローズにする際、ボール位置に注意。スタンスをクローズにすると、ボールは実質的に前方(ターゲット側)に位置してしまう【下図参照】 ボールがもっと後方になるよう、微調整しなければならない。【編註:これは編者が読んだことも聞いたこともなかった素晴らしいtipです】

クラブフェースを左に向けたまま身体を右に廻しているので、クローズ目のスウィング軌道は完璧な右から左へのカーヴを生む。

3) クローズなセットアップのせいで、スタンスラインに沿ってターゲットラインの内側から外側にスウィングすることになる。このセットアップはまた、バックスウィングでの腰のターンを多めにし、ダウンスウィングでのそれを制限するが、それがさらにインサイド・アウトのスウィング軌道と理想的なドローを生む。

 

[draw]

インパクト・ゾーンで左肘の回転に集中し、それが地面に向かうようにする。これがクローズなクラブフェースでボールを鞭打つのを助けてくれる。クラブシャフトが頭の背後で左の耳へと巡り、スウィングが身体の周りで回転して完結する感覚が得られたなら、あなたのスウィングは正しいと云ってよい。

・ドローのコツは、インパクト・ゾーンで右掌が地面を向くようにすることだ。また、インパクトで左右の前腕部が互いにキスする感覚も必要。何故なら、クラブを返さなければならないので、両方の前腕がほとんど接触するリリースが望ましいからだ。キスするかどうか、スローモーションで練習されたい。

・もう一つ重要なコツは、あなたが充分だろうと思うより以上に右を狙うことだ。ドローのセットアップではクラブフェースがスタンスラインの左を向いているので、ボールは想像以上に左へ飛んで行く。ボールのスタートする方向と望ましいカーヴを得るため、どの程度右を向いてスタンスを取るべきかは、実験によって確認されたい」

(December 21, 2016)


低いドローで距離を稼ぐ

 

'Golf Magazine'誌がPGAインストラクターを総動員して執筆させた、ラウンドのあらゆる局面に役立つtips集より。

'Put a low draw in your bag'

from 'Golf Magazine: How to Hit Every Shot'
edited by David DeNunzio (Time Inc. Home Entertainment, 2008)

「この通常より低いショットは右から左へカーヴし、着地後力強く転がり10ヤード増やしてくれるショットである。これはそう難しくない。いくつかの注意点を守ればすぐ実行出来る。

1) 身体のアライメントが、ボールが最初に打ち出される方向(右)を決定する。ターゲットの右の一点(例:フェアウェイ右端)を選び、両足・両膝・腰・肩をその一点に揃える。これがショットをカーヴさせる。

2) クラブフェースをボールの終点となるべきターゲットに向ける。このターゲットラインは、ボディラインに対してはクローズになり、ボディラインに沿ってスウィングされると右から左へのサイドスピンを生じる。

3) 通常のスウィングで、ボディラインに沿って振り抜く。最も大事なことは、インパクトでクラブフェースを返すことである。力んでいるとフェースが返らず、ボールは右へ行った切り戻って来ない。インパクトでクラブフェースを返すには、前腕を柔軟にしておくこと。

ボールは右へ出るが、穏やかに左に方向を転じ、ターゲットへと向かう」

 

[icon]

市営ゴルフ場のNo.14(440ヤード)パー5は、シニア・グループの年齢75歳以上のメンバーは赤ティーから打て、飛ぶ人の二打目は残り150ヤード付近になります。グリーン手前は100%バンカーで防御されているのですが、スウィングに自信のある者は、真正面から攻めてバンカーを転がし上げてイーグルを狙います。二打目が平均210ヤード以上ある私などは、彼らの挑戦を指をくわえて見ているしかありません。このホールのバンカーはさらさらの砂なので、私の3番ウッドによる二打目はバンカー内で息絶えてしまい、グリーンに駆け上がる余力がないのです。

しかし、最近のドライヴァーの飛距離が伸び始め、残り190ヤードになることが増えたので、なんとか私もイーグルに挑戦出来ないかと欲張り始めました。そこで見つけたのがこのtip。低いドローでバンカーを駆け上がらせられないか?という野望が湧きました。チャンスがあり次第試そうと思っています。

(December 21, 2016)

飛ばない男はドローで攻めよ

ツァー・プロとしては飛ばない方に入るCorey Pavin(コリィ・ペイヴン)のドローの練習法。

'Golf Tips from the Pros'
edited by Tim Baker (David and Charles Limited, 2006, $14.99)

「ドローの打ち方としてはいくつかのメソッドがあるが、私はセットアップ時のアライメントを変えることで右から左へ打つ簡単な方法を見つけた。

・練習場で、ターゲットの右を向くようにアイアンを一本地面に置く。

・足・膝・腰・肩・前腕などでターゲットの少し右を狙う。(もっと右を向けば、ドローの度合いが増す)

・ドライヴァーのクラブフェースがターゲットを指すようにグリップする。このセットアップはシャット(クローズ目)に感じられる筈だ。

・地面のアイアンに沿ってスウィングする。

・ボールはターゲットの右方向に出るが、ドロー軌道で左に戻る。簡単だ」

(December 14, 2016)

シニアのためのドロー講座

 

身体が固くなったシニアのためのスウィング・テクニックというのは少なく、それゆえこの記事は貴重です。インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)のメソッドは、青壮年向けのオーソドックス版に較べるとかなり過激ですが(←固い身体を甘やかしてくれるという意味で)、「これならオレにも出来そうだわい」と思わせるに充分です。

'Swing your age'
by Jim McLean with Pete McDaniel ('Golf Digest,' January 2013)

「身体の柔軟性を失ったゴルファーほど通例飛距離が必要であり、それにはドローを打つことを学ぶべきだ。

1) ボール位置を後方にし、上体を右に傾げたアドレス

ボール位置を数インチ(約5〜8センチ)スタンス後方に下げ、右足をターゲットラインから下げてクローズド・スタンスにする。これがバックスウィングで身体の回転と、インサイドからのインパクト・エリアへの接近を促進する。背骨の右方への傾斜を少し増やすと、ワインドアップを助けてくれる。

【編註】この記事には筆者Jim McLeanのスウィングのイラストがついています。彼のスタンスは肩幅、そのスタンス中央のややターゲット寄りをボール位置としています。上体を右に傾げるため、頭はスタンス中央と右足の中間。

2) スウィング動作が身体を後方に引く

頭を自由に右へ動かしつつ、上体をボールから少し水平移動させることが、さらなるワインドアップを生む。腕を後方に伸ばすことに集中し、手首のコックを最大にする。バックスウィング開始に当たって、明瞭に掃く【編註:クラブを水平移動させる】動きがあり、腕が身体を引っ張りつつ回転させ、体重を右サイドに移す。柔軟性に欠けるゴルファーは、パワーを増すために全体にモーションを大きくする必要がある。

【編註】バックスウィングのトップで、Jim McLeanの頭は右足の上まで水平移動しています。腕を伸ばすことを優先したトップの手の位置は、頭の右横。クラブシャフトは水平ではなく30°ほど斜めに立っています。

3) ダウンでは手首をリリースしてよいが、インサイドに留まる

ダウンスウィングの開始で、手・腕はボールにまっしぐらに向かう。右肘と右肩はトップから落下し、インパクトへのインサイドからの接近をセットアップする。『トップからクラブを投げ出す』動きは、しばしば過ちとして議論されるが、それは柔軟性を失ったゴルファーには最適なのだ。急速な動きの投擲アクションが出来なくなったゴルファーの腕のスピードを上げ、手首のアンコックが段階的なパワーの増幅をもたらしてくれる。

【編註】イラストでは、トップで大幅に水平移動したJim McLeanの頭はアドレス時の位置に戻っています。両手は腰の高さまで下りていますが、クラブシャフトはまだ水平より上にコックされたままです。

4) 手と腕でクラブを放り出す

身体が固いと、青壮年ほどダウンスウィングのスピードを上げられない。右足は上がらず、身体はインパクト後も正面を向いたままだ。この回転速度の欠如を補うため、上の(3)で説明した手と腕のリリース(投げ出す動き)を継続しなければならない。

【編註】イラストはインパクト後のフォローの初期段階ですが、頭はまだアドレス時の位置のまま留まっていますし、身体もほぼ(ターゲットではなく)正面を向いたままなので、クラブを横に薙ぎ払っている感じに見えます。

5) 腕を曲げ、身体を反り返さない

動きの幅の制限がフォロースルーでも主な障害である。大きな、身体に巻き付くようなフィニッシュの代わりに、快適に腕を折ってよいが、両肘は地面を指し、どちらかというと身体に引きつけられるべきだ。腰と肩はほぼ同じ程度に回転され、背中に負担を与えない。これは背骨の湾曲がない、直立したフィニッシュである。

 

・フォロースルーから始めるドリル

フォロースルーの形から素振りを開始する。これは、ターゲットから反対方向に腕を伸ばすこと(より大きな動きが必要なゴルファーに必須のアクション)を教えてくれる。後方へのバックスウィングは、最初のフォローの体勢のミラー・イメージ(左右対称)で行う。腕が身体をバックスウィングへと引っ張る。これは通常のスウィングと同じである。

・クラブヘッドを『ヒューッ!』と唸らせてスピードを上げる

クラブを上下逆さまにし、ヘッド近くを右手だけで握って、ボール位置付近で大きな『ヒューッ!』という音を作り出す。これは右手首のアンコックとボールに向かってのクラブのリリースを学ぶいい方法である。後方に引く時、パワーを蓄えるため右肘を折って手首をコックせねばならない。ダウンではそれらの角度をインパクトで解き放つ。この投げるアクションはスピードを増すだけでなく、ドローを生む助けともなる」

(December 21, 2016)

詳説・Nicklaus(ニクラス)のルーティーン

 

[Jack]

この本の著者Peter Croker(ピーター・クロカー)は、オーストラリア生まれの元ツァー・プロですが、アメリカに住むインストラクターとなってアメリカをはじめ世界中でゴルフを教えているそうです。以下は、彼が分析したJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のプレショット・ルーティーン。

'Path to Better Golf'
by Peter Croker (HarperResource, 2002, $24.95)

「私の生徒だったことのある故Seve Ballesteros(セヴェ・バレステロス)は次のように語った。『Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)がセットアップし、足から上へとバランスの取れた基礎を築き上げていく様(さま)は美しい眺めだった。プレ・スウィング手順の全てが、モーツァルトの一曲のようにスムーズに、そして凝縮して流れていく』

全てのゴルファーは安定したゴルフを求める。彼らはフェアウェイの真ん中にやグリーンに正確にボールを打ちたいのだが、その目的達成はいつの日か見当もつかない。典型的な一般ゴルファーは完璧なスウィングを開発しようと懸命なのだが、実際には彼らは先ず第一に堅固なアドレス体勢を構築すべきなのだ。

多くのPGAツァー・プロはアドレスがスウィングのエンジンであることを弁えており、日頃からグリップ、スタンス、ポスチャー、アライメント、狙い…など各要素のチェックを怠らない。まさに、Jack Nicklausが彼の絶頂期にそうしていたように…。Jack Nicklausは自著'Golf My Way'に次のように書いている。

『あなたが正しくセットアップしたなら、たとえあなたが褒められないようなスウィングをしても、まあまあのショットを打てる確率は高い。だが、セットアップが悪ければ、あなたが世界一の偉大なスウィングをしたとしても、その結果はひどいものになることだろう』

彼は師匠のJack Grout(ジャック・グラウト)と共にプレショット・ルーティーンを磨き上げ、現在に至るまでそれを用い続けている。彼のゴルフ人生で常にショットの準備をして来た手順を検討してみよう。

1. ボールの背後から猛烈な集中度でフェアウェイを見る。

2. ターゲット(着地点)を選び、ボールから1メートルぐらい前のターゲットライン上の地面に中間目標を定める。

3. 彼が注意深く選んだ軌道でライン上を飛ぶボールを、心の中で映画のように視覚化する。

4. 注意深くアドレスに入るが、常に右足を先ずゆっくり動かして望ましい位置に据える。

5. ショットに与えたいサイド・スピン【編註:彼好みのフェードを得るためのスピン】に合わせてクラブフェースを調整し、ボールの後ろに正確に置く。

6. 目をボールと中間目標を行ったり来たりさせ、クラブと身体を最終位置に据える。

7. クラブヘッドを少し地面から上げ、二、三度軽くワグルする。

8. クラブフェースの真ん中を、地面から少し上のボール後方にセットする。

9. 準備完了。

【編註】右のYouTubeヴィデオは、5:30からが狙いを定めるアドレス手順。

 

【参考】
・「Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のアドレス前の儀式」(tips_114.html)
・「Nicklaus(ニクラス)の続・アドレス前の儀式」(tips_116.html)

(January 04, 2017)

Nick Faldo(ニック・ファルド)のポスチャーの基本

彼自身が身につけるのに苦労したと告白している正しいポスチャー。

'A Swing for Life'
by Nick Faldo with Richard Simmons (Penguin Books, 1995, $19.95)

「私が1985年にDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)にコーチを依頼した時、ポスチャーの再構築を懸命に行う必要があることにショックを受けた。だが、すぐにその理由を理解出来た。ゴルファーがアドレスで作り出す身体の角度は捻転の質に影響し、究極的にはポスチャーが安定した軸の周りで回転する能力を決定するのだ。それは反復可能なスウィングの重要なポイントである。

私はDavid Leadbetterの前で数週間次の練習を行った。これは、私が基本に帰らねばならない時、今でも用いている手順である。ミドル・アイアンを握り、次の4ステップによって良いポスチャーの感じを得てほしい。

1. 両足の間隔を肩幅に開いて直立し、身体の前に両腕を快適に突き出す。

2. 両方の太腿にバネのようなテンションを感じるまで膝を緩める。尻を少し突き出し、体重が両足の拇指球でバランスが取れている感じを得ること。

3. 股関節から上体を穏やかに折り、クラブのソールを地面につける。両方の上腕部は胸に軽くもたれている。

4. 身体の左サイドを僅かに突き上げ、同時に右サイドをリラックスさせ、内側に曲げる。

【ポイント】鏡の前でチェックしてほしい。右肩からクラブをぶら下げた時、そのクラブは右膝の前部に接触し、右足の拇指球へと貫通しなければならない。

私にとって、いいポスチャーを取る鍵は、両膝をピストンのように用いることだ。

私はエッフェル塔の構造をアドレス体勢の青写真にする。私の足、膝、太腿は、エッフェル塔のがっちりと安定した下層階を形成する。筋肉群は上半身の捻転を支えるために緊張する。その感覚を増幅するため、私は膝の内側を外側に押し出し、両脚を固定する。

 

上の感覚を別の表現を用いると、まさにプールに飛び込もうとしている感じに似通っている。私の体重はほんの少し前方(拇指球)に乗っていて、両脚は活き活きしている」

(January 04, 2017)

顎を右足に向けてアドレスせよ

 

インストラクターKip Puterbaugh(キップ・ピューターボウ)が提唱する、Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)的アドレスの効果とコツ。

'How to max out your backswing'
by Kip Puterbaugh ('Golf Magazine,' April 2006)

「もっとパワーが欲しいのにうまくいかないとしたら、バックスウィングで左肩を地面の方にディッピング(ちょいと下げること)をしていないかどうか確認すべきだ。それは肩の回転を制限し、ダウンスウィングのタイミングを狂わせてしまう。

ディッピングはアマチュアだけのミスではない。かのNick Faldo(ニック・ファルド)でさえ一時期ディッピングが重大な欠点であった。

このミスを避けるにはどうすればいいか?Jack Nicklausからヒントを得て、右目をボールから逸らすのだ。Jack Nicklausはボールを左目で見ており、これがあなたのディッピング防止法でもあるのだ。

右目でボールを見ると、頭はそのままそこに留まるので、回転するためにはディッピングせざるを得ない仕儀となる。あなたがすべきなのは、通常通りアドレスし、その後顎が後方の足を指すように廻す。その位置に頭を留め、左肩が顎まで届くようにバックスウィングする。あなたは、水平回転とパワフルなスウィングを一挙に身につけることになる。

Nick FaldoのコーチDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)は、練習の際Nick Faldoの右目にアイ・パッチ(眼帯)をかけさせた。それは否応なく顎を廻して左目だけでボールを見ることを強制し、Nick Faldoは六つのメイジャー優勝への道を歩むことになった」

(January 04, 2017)

ボール位置をスタンスとの関連で考えるな

 

女性インストラクターJane Horn(ジェイン・ホーン)による、正しいボール位置の決め方。

'Power Golf for Women'
by Jane Horn (Citadel Press, 1999, $16.95)

「多くのゴルファーは、ボールを足の位置でなく、身体の位置との関連で配置すべきであることを知らない。

例として、両足を30センチ広げ、その真ん中にボールを置いたとしよう。誰かがそれを見たら、ボールはスタンスの中央にあると云うだろう。さて、同じ位置ではあるものの、今度は右足を15センチ右へ広げる。このスタンスを誰かが見たら、ボールはスタンス中央より左にあると云うだろう。しかしながら、ボール位置は、身体との関連では同じ位置に留まっている。

二番目と同じテストを、(右足だけ動かすのではなく)両足を右へ10センチずつ動かす。今度は、身体と両足が右へ動いたのだから、ボールは真にスタンス中央の左に置かれたことになる。

短いショットをする際、ゴルファーは意識せずに両足を近づける。潜在意識は足を広げる必要などないことを知っているので、無意識にスタンスを狭めるのだ。この状況では、ボールは実際にはスタンスの中央に置かれてはおらず、両足がかなり接近しているのでそう見えるだけである。

ボールを真に中央に配置するのは、上体との関係においてである。【註】 その際、アドレスで左右の足に均等に体重がかかっていることを確かめること。もし体重が均等なら、左足から右足の間のどこであっても、それは真のボール位置だと云うことが出来る」

【編註】「上体」と云うより、「胸骨」と云うべきでしょう。「胸骨」をスタンス中央の基準とし、それより左にボールがあれば「ボールは真にスタンス中央の左」となるわけです。

 

(January 04, 2017)

チップする時、手首を弓なりにすべし

 

ショートゲームのグールーDave Pelz(デイヴ・ペルツ)が証明する、ショートゲーム用グリップの奥義。これはパッティング・グリップにも通じます。私の「3(スリー)ジョイント・ストローク」は同じ原理を利用しています。

'Dave Pelz's Short Game Bible'
by Dave Pelz with James A. Frank (Broadway Books, 1999, $45.95)

「チップする時は、ボールに非常に近く位置し、背筋を伸ばして立つべきである。両手を上げ、僅かに手首を弓なりにしてスウィングの間じゅうそれをしっかり維持する。

なぜ、弓なりにするか?この記事を読みながら、以下の簡単なテストをして貰いたい。

1) 身体の前に左腕を突き出し、掌を床に垂直に立てる(各指は床に対し水平)。目をつぶり、手を団扇であおぐように左右に振る。この時の手首の動きがいかに容易であるか感じること。

2) 手をリラックスさせ、掌は前と同じように垂直に立てたまま、指を水平から軽く下に曲げる。目を閉じ、手を左右に動かす時、その動きがエネルギーを必要とすることを感じ取る。

3) 最後に、親指を下に向け、可能な限り手首を弓なりにし、前腕に対し手が急角度に折れ曲がるようにする。弓なりにした手首のプレッシャーを保ちつつ、手を左右に振る。動かすのにかなり制約があることが感じら取れる筈だ。

これが、チップする時、手首の動きを制限し、手首の角度が崩壊するのを防ぐために手首を弓なりにすべき理由である」

 

[icon]

私はパットする時手首を弓なりにしているのに、チッピングに応用することまで考えが至りませんでした。チップインやOKの距離を目指すチッピングにも方向の正確さが重要ですが、私は両手を太腿の方に引きつけ、クラブシャフトと手を「く」の字の角度にしていました(プロでもこれが普通ですが)。

練習してみると、方向性は確かにいいです。しかし、手首を弓なりにするチッピングは(慣れないせいもありますが)とてもぎごちない感じ。パッティング・ストロークは弱い力なので弓なりのグリップでも可能ですが、チッピングで手を強ばらせてリズミカルにボールを打つのは至難の技です。練習では三回に一回ほど失敗しました。しかし、あなたには向いているかも知れません。お試しを。

(January 08, 2017)

簡単なパットを残すようにチップせよ

 

アプローチ・ショットをする際、盲目的にピンを狙ってはいけない。楽なパットを残すのが賢いゴルフである…という趣旨のtip。'Golf Magazine'誌編纂のショートゲーム大全から。

'Golf Magzine: The Best Short Game Instruction Book Ever!'
edited by David DeNunzio (Time Inc. Home Entertainment, 2009, $32.00)

「多くの場合、着地点はカップから離れた場所だが、グリーンの特定の区域を選ぶべきである。何故?ある区域からのパットは、他の区域よりも容易だからだ。

・上りのパットは下りより簡単だ。だから、カップの下にチップすべきである。

・右から左へのパットは、ストレートなパットより簡単である。そして双方とも、左から右へのラインより楽である。だから、グリーンが奥から手前に傾斜している時はピンの右を、グリーンが手前から奥へ傾斜しているならピンの左を狙うのが良策である。ストレートなパットにはカップで沈む完璧さが必要だが、ブレイクのあるパットは誤差の許容範囲が大きい。

最悪の組み合わせは下りの左から右へのラインである。人類はこのパットに向いていない

誰しもがアプローチ・ショットで出来るだけ短いパットを残そうとし、あるいはグリーン周りからだとチップインさせようとしたりする。だが、攻撃的なプレイは、それが裏目に出ると、ほぼ必ず長い距離のパットを残すものだ」

 

(January 08, 2017)

ウェッジの全て

 

[Wedge]

'The Wedge Book'と題された、こんなウェッジだけの本というのは珍しい。それも無名のクラブ・プロの執筆となると、もっと珍しい。その無名のプロの原稿を'Golf Digest'(ゴルフ・ダイジェスト)誌の編集者とアート・ディレクターが参加して出版したというのも珍しい。著者Brandon Stooksbury(ブランドン・ストゥークスバリィ)は、テネシー州の生まれで、15歳から近くのゴルフ場で働き出し、その後アシスタント・プロとなり、インストラクターJim McLeane(ジム・マクレイン)のゴルフ・スクールに勤めた後、現在ジョージア州Macon(メイコン)にあるIdle Hour Clubのインストラクターとなっています。仕事の傍ら、彼は様々な有名インストラクターを訪れ、教えを受けたそうです。それらはTodd Sones(トッド・ソーンズ)、Stan Utley(スタン・アトリィ)、Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)など、錚々たるショート・ゲーム・インストラクターたちでした。

この本では、四種類のウェッジの使い方が網羅されているのですが、それら全てに共通する基本事項の部分を紹介します。

'The Wedge Book'
by Brandon Stooksbury with Mathew Rudy (Brandon Stooksbury, 2015, $19.95)

「全てのショット数の70%はフルスウィングではなく、それ以下で実施される。その70%のうちの40%はウェッジによるショットである。あなたは、このフルスウィング以下の状況をカヴァー出来る多くの選択肢を持つべきである。…という意味は、ピッチングウェッジを含めて四本のウェッジをバッグに入れるべきだということだ。

[Wedges]

クラブのソールの形状を説明するには、バウンス角とバウンス・プロファイル【編註:断面?】の二つの用語が使われる。バウンス角はトレイリング・エッジ(後方のエッジ)がリーディング・エッジ(前方のエッジ)より下がっている量である。クラブは広いバウンスか狭いバウンスであるかに別れ、ソールの異なる部分に異なる量のバウンスを持たせることが出来る。ツァー・プレイヤーたちはヒールからバウンスがグラインド(削ぎ落と)され、フェースをオープンにしても地面に座りがいいタイプを好む。【編註:図の赤い部分のバウンスが削ぎ落とされている】

あなたのピッチングウェッジは多分アイアン・セットの一本に含まれているもので、そのロフトは45°〜47°のどれかだろう。調べてみてほしい。

ギャップウェッジはロフトが50°〜52°で、ミディアム・バウンス(8°〜12°)の、トゥからもヒールからもバウンスが削ぎ落とされていないものを勧める。

サンドウェッジは54°〜56°のロフトで、ミディアム・バウンス(8°〜12°)か、あるいは10°〜12°のバウンスで、トレイリング・エッジとソールのヒール部分が削ぎ落とされたものを選ぶかどうかは個人の好みである。

ロブ・ウェッジは通常59°〜60°のロフトで、あなたはこれを主に草の上から高いボールを打つために用いる。ロブ・ウェッジを選ぶ際、バウンスと"sole relief"(トレイリング・エッジの形状)の正しい組み合わせに注意。普通は少ないバウンスを避け、6°〜8°のバウンスでヒール側が最大限削ぎ落とされているものを探すとよい。

【編註】私のウェッジ群をロフト/バウンス角の順で記すと、PW(47°)、GW(52°/7°)、SW(56°/9°)、LW(60°/7°)です。

シャフトは、あなたのセットの他のクラブにマッチするものを選ぶのが安全。グラファイトや軽量スティールのアイアン・セットを使いながら、ウェッジになるとスタンダードなスティール・シャフトを用いるのは、小さな釘を打つのに大槌(おおづち)を使うようなものだ。

ライ角は1°〜2°フラット目の方がフェースをオープンにするのに楽である。

シャフトの角度は、地面とシャフトとの角度で表される。ここでは、クラブが地面に対し完璧に90°のアドレスを『ニュートラル』と呼ぶ。

① シャフトを前傾させる(=ターゲット方向に傾げる)と、二つの現象が起る。先ず、クラブの実効ロフトが減り、ボールは低く飛ぶ。そして、バウンスの露出度を減らし、リーディングエッジで地面と接触する度合いが増す。

② シャフトを後傾させ(=ターゲットと反対の方向に傾げ)た場合、実効ロフトが増えボール軌道は高くなる。バウンスの露出度が増えて、リーディングエッジと地面との接触度は減る。

どんなショートゲームにおいても、先ずクラブをボールの背後に置き、その後シャフトを傾げ、そのシャフト位置に身体を調整する。シャフトがどんな角度(ニュートラル、前傾、後傾)であろうが、手と腕は身体の真ん中にセットしてほしい。いわば、クラブのハンドル(握る部分)の上で立つ感じ。ショットの種類に関わらず、この同一のニュートラルな手の位置からスタートして、それに戻し、プリセットしたロフトに仕事をさせること。

あなたが、先ず身体の体勢を作ってから前傾・後傾させた手を加えると、スウィングの間じゅうコントロールするのが難しい不自然な姿勢になってしまう。スウィングの間にスウィング弧の最低点がシフトすると、ダフりやトップなどのミスを犯し易い。

バックスウィングとフォロースルーの量は、どんなショットにおいても同量にすること。鏡像のように」

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ロブ・ウェッジ一辺倒の私は、amazon.comでこの本の表紙と題名を見るや否や購入を決意しました。こんな私好みの主題の本はざらにありませんので。ですから、頁数だの発行元について調べたりなどしませんでした。何と、これ自費出版なんです。自分の生徒たちに読ませたい(買わせたい)のが半分、一流インストラクターの仲間入りをしたいのが半分ではなかったかと推測しています。20ドル近いこの本は、たった102頁に過ぎません。しかも白紙の頁や一頁大の扉がやたら多く、それらを除くと本文は80頁。その80頁のうち「バンカー・ショット」に15頁も費やされています。ですから、他のウェッジ.ショットについて書かれているのは65頁のみ。『ウェッジの本』と称する以上、バンカー・ショットも入れなければならない事情は解りますが、それは有名インストラクターたちも教えていることです。そんなものではなく、著者だけしか知らないチッピングやピッチングの裏技を公開してくれるのでは?と期待していました。著者のメソッドはほぼオーソドックスな範疇なので、これなら私の「ピッチングとチッピングの距離調節」(tips_169.html)の方がずっとユニークで出版に値すると思われました(^^;;。

私の現在のチッピングは60°ウェッジをハンド・ファーストでフェースをやや立て気味に構えるので、両手はお臍の少し前方(ターゲット方向)です。著者の提唱する「手と腕を身体の真ん中にセット」を採用すると、現在より実効ロフトが増えるため、かなりショートするのではないか?と危惧されました。しかし、やってみると実際には距離はほとんど変わりません。本当にこの方式だとダフりやトップのミスが減るのかどうか、ある日のラウンドのピッチングとチッピングを全て「手と腕を身体の真ん中にセット」して試してみました。私の不注意もありますが、やはりダフりやトップは出ます。何よりも、私の「ピッチングとチッピングの距離調節」はクラブを握る長さ(およびバックスウィングの幅)で距離調節するので、10〜20ヤードの時に金属シャフト近くを持つ場合はグリップエンドがお腹につっかえてしまいます。仕方なく、通常よりボールから離れないといけなくなりますが、これは正直云って不快です。

【おことわり】画像はamazon.comとhttp://www.dwquailgolf.comにリンクして表示させて頂いています。

(January 08, 2017)

ボールに向かって両腕を伸ばせ

 

Sam Snead(サム・スニード)をスランプから救い出した偶然のヒント。それは、その翌日、59で廻れる一歩手前という快挙に結びつくスウィングの鍵となりました。

'Swing Thoughts'
edited by Don Wade (Contemporary books Inc., 1993, $12.95)

「1983年のある日の午後、私はTVで野球中継を見ていた。ある選手が打撃のスランプから脱出出来たのは、ヒッティング・エリアで両腕を伸ばすことによってだったと語った。何のことはない、私自身スランプに陥っていて、その一言は山ほどの煉瓦をぶつけられたように私を打ち叩いた。私は、スウィングを短くしていて、ボールにろくな元気を与えていなかったことに気づいた。

翌日、友人たち数人とラウンドした。私はボールに向かって両腕を伸ばすことに集中し、13パットを含めてハーフを30で廻った。後半も30だったが、もし最後のホールでアプローチ・ショットが狂ったようなバウンドに見舞われる不運がなければ29だったところだ。59の甘き香りを嗅ぎたかったのに…。

60でも多少甘い香りが得られたのは、私の甥J.C. Snead(J.C.スニード)が作った最少記録とタイだったことだ。ゴルフにおいては、ベストのものは時々予期せぬところから降って来るという証明である」

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いつ頃からか、私も両腕を伸ばすインパクトを心掛けています。これは英国のインストラクターPercy Boomer(パースィ・ブーマー、1885〜1949)の説「ボールの手前ではなく、ボールを通過した直後で最大のヘッド・スピードを達成しなくてはならない」を実現出来ることに加えて、何よりも気持ちいいのです。練習不足だとボールに当てようとしてクラブヘッドがインパクト・ゾーンで減速するため、ボールはあまり飛びません。自信に満ちたスウィングが出来る時は、「ボールよボール、飛んでけ〜っ!」と存分に振り抜けます。

 

(January 11, 2017)

Bryson DeChambeau(ブライスン・デシャンボー)のシングル・プレーン

 

ここでシングル・プレーンというのは、「二つのプレーン」(tips_90.html)に出て来る「1(ワン)プレーン」のことではありません

Bryson DeChambeau(ブライスン・デシャンボー、23歳)はフランス風の苗字ですが、カリフォーニア州生まれのアメリカ人。彼は2015年にNCAA(全米大学体育協会主催のゴルフ部門)個人優勝とU.S.アマの二冠を同時に手中にしましたが、これは史上五人目の快挙でした。先達はJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)、Phil Mickelson(フィル・ミケルスン)、Tiger Woods(タイガー・ウッズ)、Ryan Moor(ライアン・ムーア)。彼は2016年にプロ入り。世界中のゴルフ界が彼の今後の活躍を期待しています。

彼のユニークさはいくつかありますが、何と云ってもアイアンとウェッジが全部同じ長さのシャフトであること。それゆえどのクラブでも同じスウィング・プレーンで振れるわけです。'Golf Magazine'誌が特集した彼自身による説明を紹介しますが、彼は古今の様々なメソッドから「いいとこ取り」をしていますので、私に分る範囲で背景説明も付け加えようと思います。

'Plane and simple'
by Bryson DeChambeau with David DeNunzio ('Golf Magazine,' February 2017)

「誰だっていいスウィングが出来る。難しいのはそれを繰り返すことだ。それが、私がここ10年間無駄な動きを排除しようとして来た理由だ。シンプルであることこそが安定性を生み出す。私が悟ったのは、切り返しでドロップ・ダウンしなくていいということだ。プレーンを二つ持つなんて多過ぎる。一つのプレーンの方が、バックスウィングもダウンスウィングも良くなる。私のシングル・プレーンを試してみなさい。

1) パームでグリップ

 

大方のゴルファーは、クラブヘッド・スピードを増すためフィンガーでクラブを握れと教わる。しかし、リサーチによれば、両手はスウィングの早さ全体のたった10%に貢献するだけなのだ。僅かな速度のために、ショットの正確さを失うなんて勿体ない。

左掌の真ん中(パーム)にクラブのハンドルを当てて、掌で包み込む。このしっかりした感じのグリップが、シングル・プレーンのスウィングの理想的な角度を作り出す。

【編註】「Natural Golf(ナチュラル・ゴルフ)を利用する」(tips_167.html)を参照して頂ければ分るように、カナダの鬼才Moe Norman(モウ・ノーマン)のスウィングをモデルにした'Natural Golf'もシングル・プレーンでスウィングするため、左手はパーム(生命線の下の膨らみ)、右手は生命線で握ります。オーソドックスなスウィングは、アドレスで手・腕とクラブシャフトが「く」の字になるため、スウィング・プレーンがバックとダウンで否応なく二つになります。Bryson DeChambeauのシングル・プレーンは、'Natural Golf'メソッドを応用しているわけです。

【参考】「Natural golf(ナチュラル・ゴルフ)」(tips_10.html)

2) インパクトを予習する

一般に教えられているメソッドでは、アドレス(初まり)とインパクト(終わり)の形が異なる。シングル・プレーンなら、その二つを一致させられる。それは私が子供の頃読んだHomer Kelley(ホーマー・ケリィ)の著書'The Golfing Machine'(ゴルフィング・マシン、1982年刊)で学んだ方法だ。

バックスウィングを開始する前、私は両手をターゲット方向に押し、体重も幾分か左足に移してインパクトを予習する。

【編註】これは、「インパクトを予習する」(tips_10.html)という記事で紹介した"Impact Fix"(インパクト・フィックス)というプレショット・ルーティーンに他なりません。

【参考】「The Golfing Machine(ゴルフィング・マシン)」(tips_87.html)、「続・The Golfing Machine(ゴルフィング・マシン)」(tips_131.html)

3) アイアンのシャフトを全部同じ長さにする

私の全てのアイアンとウェッジのシャフトの長さは7番アイアンと同じにしてある。これは全てのアイアン・ショットのアドレスと、両手が右肩に向かうプレーンを同一にする。普通のアイアン・セットだと、各クラブはシャフトの長さとライ角が異なるため、ボールとの距離を変えて立たねばならず、様々なプレーンによる異なるスウィングを強制される。私が専属契約を結んだCobra Golfは、私と同じ「一定の長さのアイアン・セット」を販売する。価格は$999。(http://www.cobragolf.com/king-forged-one-length-iron-set)

4) 左手首の角度を一定にする

(1)で述べたパーム・グリップは必須であり議論の余地はない。しかし、パームで握る限りウィークでもストロングでも問題ない。重要なのは、アドレスで形成した左手首の角度を、トップでもインパクトでも変えずに保つことだ。

アドレスで左手首をフラットにして構えたのであれば、トップでもそれをどちらの方向にも折ってはならず、左手首はインパクトでもフラットのままであるべきだ。

【編註】「驚異のFLW(フラット・レフト・リスト=フラットな左手首)」(tips_155.html)に書いたように、フラットな左手首によるアイアン・ショットは、クラブに備わった本来のロフト(あるいはそれ以下)でボールを押し潰すため、理想的な軌道のボールと飛距離を生み出します。上の部分でBryson DeChambeauがFLWのみを押し売りしていないのは、多数存在するであろう「Yの字アドレス」のゴルファーを慮ったせいでしょう。

5) 体重移動せずに回転せよ

大きな水平の動きはシングル・プレーンのスウィングを難しくする。攻撃的に体重を前後に移動させる必要はない。回転だけすればいいのだ。簡単に云えば、回転はスウィングのエンジンなのだ。頭の位置をアドレスからインパクトまで同じ場所に留め、体重は両足に平均にかけたまま回転するのだ」

【編註】これは英国のインストラクターPercy Boomer(パースィ・ブーマー、1885〜1949)の教え《ビア樽の中でスウィングするように身体を廻せ》にそっくりです。

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以上を総合すると、Bryson DeChambeauのオリジナル・アイデアは、アイアンとウェッジを同一の長さにし、同一プレーンでスウィングすることの一点に尽きるようです。彼がこの方式でどこまでやれるか、注目したいところです。

(January 15, 2017)

パッティングのグリップ圧とFLW(固定した左手首)

 

Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の導師と目されているStewart Maiden(スチュアート・メイデン)は、「ボールはバックスウィングで打つ訳ではない」という名言を残しています。その心は、バックスウィングで力んだって仕方がない…というもの。【あるいは、バックスウィングのスタイルはどうでもいい、重要なのはインパクト…の意】

私はパッティング・ストロークに関して同じことを悟りました。

ある日、練習グリーンで何度やってもボール三個分ぐらいショートします。力を篭めればカップに届くのは分っていますが、私のパッティング・メソッドはバックストロークの幅で距離をコントロールする方式なので、力は使いたくありません(バックストロークは目に見える幅によって距離を制御出来ますが、力は目に見えないので制御しにくい)。たまたまですが、FLW(Fixed Left Wrist、固定した左手首)に専念してみました。すると方向は改善され、距離もあとボール一個分残すほどに近くなりました。その時、バックストロークで打つ訳じゃないんだから、もっと力を抜いたグリップで、すーっと引いたらどうだろうか?と思いました。ぴんぽーん!ボールの走りが良くなり、カップにちゃんと届くようになりました。

練習しながら研究したところ、バックストロークは力まずすーっと引き、フォワードストロークに移る際にFLWをがっちりさせるのが正しいことが判りました。確固たるFLWを構築すると、カップを僅かに越える理想的な転がりとなり、方向性も良くなったのです。事実、その日のラウンドで、この方法によっていくつかの重要なパットを成功させ、チームの勝利に貢献出来ました。フォワードストロークに移る際にFLWをがっちりさせるのは、プロたちがフル・スウィングの切り返し以後に行う「リグリップ(再グリップ)」と同じと考えれば、別に異常な方法ではありません。

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のパッティング・グリップは、1〜10の尺度の5ぐらいのグリップ圧だそうです。パット名人Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)はというと、パターが手から落ちかねないほど軽く握るそうです。

私のパッティングの適切なグリップ圧の発見は、フル・スウィングからピッチング、チッピングのグリップをも再考させる契機を作ってくれました。アドレス時からぎゅっと握ったグリップは手首が硬直し、自然なリリースが出来ずにプッシュを招いたり、スウィングをぎごちなくしてトップやダフりをもたらしたりします。全てのスウィングとストロークの最初でグリップは緩めにしておくべきだ…と思いました。

 

(January 15, 2017)

トラブル・ショットの心構え

 

世界中で計89勝を挙げたLee Trevino(リー・トレヴィノ)の、トラブルショットに関する助言。

'Be the Ball'
by Charlie Jones and Kim Doren (Andrew McMeel Publishing, 2000, $14.95)

「トラブル・ショットは全て試行錯誤である。あなたが木の下からグリーンへボールを運ぼうと、とんでもないショットを試みようとしていて、あなたが過去に一度たりともそんなショットを試みたことがないなら、私はウェッジで横にボールを出し、まともなプレイに戻ることを勧める。

あなたがたった100メートルしか走れないことを弁えている場合、マラソンに参加すべき理由は見当たらない。以前にそんなショットを打ったことがないなら、今それを試すべきではない。トラブル・ショットはゴルフにつきものである。それを遂行する唯一の途は練習することだ。その練習に熱中する必要はないが、『このショットなら練習したことあるぜ!』と云えるぐらいにはなってほしい。

私がトラブルに陥った人に与えたいベストの助言は、『それはたった一打であることを忘れるな』というものだ。ボールをフェアウェイに戻し、それをグリーンに乗せれば、パーかボギーが得られる。たとえ偉大なショットをしたとしても、どっちみちボギーが精一杯だろう。だが、馬鹿げたショットを試みると、カードにトリプル・ボギーと書く可能性が待っているのだ」

 

(January 18, 2017)

薮の下をかいくぐるショット

 

フェアウェイからパターで乗せる“テキサス・ウェッジ”はよく知られていますが、薮や木の枝の下からグリーンに向かって転がすにもパターが役立つというtip。

'Golf Magazine: How to Hit Every Shot'
edited by David DeNunzio (Time Inc. Home Entertainment, 2008)

「あなたはグリーンに到達するまでパターのことなど考慮しないだろうが、コースのどこであれトラブルに見舞われた際、パターは多芸な才能を持つことが可能なクラブなのだ。

次回、普通のアイアンではフェアウェイに戻ったりグリーンに近寄せたりするのが難しい時、以下のテクニックを試されたい。ボールを30センチ右足の後方とする。多めの手首の動きを用いてパターヘッドを強くボールに向かってポンと打ち下ろす。ボールは多量のトップスピンで低く飛び出す。トップスピンは大して努力しなくても多くの距離を転がしてくれる。

このショットを練習し、様々な距離に応じてどのくらいの強さで打つべきかの感覚を得るように。そうすれば、あなたは新しい武器を手にコースに向かうことが出来ることになる」

 

(January 18, 2017)

水の中のボールを打つ

 

'Scrambling Golf'
by George Peper (Prentice-Hall, 1977)

「ほとんどのトラブル・ショットの成功はドラマティックであるが、水の中のボールを弾き出すことほど印象的なものはない。不幸にして、大方の水の中でのエクスプロージョンは成功せず、プロでさえ気恥ずかしい思いをすることが多いものだ。1975年のSan Diego Open(サンディエゴ・オープン)の最終日の最終ホールで、Bruce Devlin(ブルース・デヴリン)はグリーンサイドの池から六打を費やして10を記録し、4アンダーから1オーヴァーとなって数千ドルをふいにした。

水の中に足を踏み入れる前に、いくつか考慮すべきことがある。先ずルールだ。水のタイプの違いによっては異なるペナルティがある。水浸しになるギャンブルをする必要はなく、固い地面にドロップする便宜が与えられるかも知れない。カジュアル・ウォーターならペナルティ無しである。ルールブックが定義するどういう地点に自分がいるのかを明確にすべきだ。

[Bill Haas]

ボールのライだけでなく、前方への状況もよく把握すること。上りの急斜面の土手はないか?そんなものがあれば、あなたの成功率は低い。飛行線に越えるべき他の罠(最悪なのは又もや池や川)はないか?あるのなら、靴と靴下を脱ぐ前に熟考すべきである。

最後にライはどうなのか?これは最も重要な要素である。概して、少なくともボールの半分が水面から出ているなら、脱出出来る可能性は高い。他の状況が完璧で、あなたが以前にこのショットを試したことがあるなら、ボールの半分以上が水の中であってもやってみる価値はある。だが、ボール全体が水面下であるなら、もうお手上げである。手で弾き上げるのと同じくらい難しい筈だ。

通常、このショットに向いているのはピッチング・ウェッジ、あるいは9番アイアンである。それらの薄いフランジは水を掻き分けるのに効果的に出来ている

このショットではショットそのものだけでなく、あなたが転んでずぶ濡れにならないためにもバランスがとても重要だ。そのために、体重を左にかける。スクウェア・スタンスでボール位置はスタンス中央の左。クラブを水につけたらバンカー同様ペナルティなので注意。

このショットはバンカーでのエクスプロージョンに類似している。バックスウィングの早期にコックし、ボールに鋭い一撃を加える。ボールの背後2インチ(約5センチ)を見つめる。断固たるスウィングをし、インパクトで伸び上がってはならない。水を打つのは異様な感覚だが、ボールを浚(さら)い出したいのならスウィングを完結すること。

ルールによれば、ボールが動き始めても打ってよい。ただし、プレイヤーに有利な地点まで漂って行くのを待つのは許されない」

次のはButch Harmon(ブッチ・ハーモン)が解説する彼の実父でありthe Masters(マスターズ)優勝者Claude Harmon, Sr.(クロード・ハーモン一世)のテクニック。

'The Four Cornerstones of Winning Golf'
by Claude "Butch" Harmon, Jr. with John Andrisani (Fireside, 1996, $15.00)

「私の父が1948年のMastersで優勝した時、No. 15のウォーター・ハザードで水の中のボールをプレイした。

少なくともボールの半分が水の上に出ているなら、イエス、あなたにもこのグリーンサイドのショットが出来る。私の父はサンドウェッジを使った。しかし、あなたには60°ウェッジがお勧めだ(父がMastersに出た頃は、まだ60°のウェッジは無かった)。このクラブはバウンスが少ないので、簡単に水の中を突き進むことが出来る。さらに、多めのロフトはボールを急速に上げ、特別ソフトな着地をもたらしてくれる。以下は、私の父によるこのショットのためのシンプルな秘訣である。

1) クラブのフェースをオープンにして水の上で保持する。
2) 急角度のテイクアウェイをする。
3) ボールの背後に鋭くヒットダウンする」

Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)は次のように助言します。

'Go for Broke'
by Arnold Palmer with William Barry Furlong (Simon and Schuster, 1973)

 

「水の中のボールを打つべきではない。プロの間では、水面からボールが少しでも出ていないと駄目だというのが鉄則だ。でないと、ボールを水から出すためにクラブをボールの下に届かせられない。かてて加えて、水を通した光の屈折により、あなたが見ているボールは、実際にはその場所にはないからだ。これを実感するには、鍋に水を一杯入れ、大きめのスプーンを差し込んでほしい。スプーンの柄は水面の直下で急激に曲がって見える筈だ。あなたはそのスプーンが真っ直ぐであることを知っている。この実験は、水面のすぐ下に横たわって『おいでおいで』しているボールを打とうという誘惑を永久に排除してくれるだろう」

'Astonishing but True Golf Facts' by Allan Zullo (Andrews McMeel Publishing, 2002)に次のような逸話が紹介されています。

「1947年のthe Masters(マスターズ)でJimmy Demaret(ジミィ・デマレ、1910〜1983)のボールがNo.15グリーン前で水没した時、彼のチャンスも没したかに見えた。彼は水の中でエクスプロージョン・ショットをし、ピンまで1.2メートルにつけバーディを得て優勝への道を歩んだ。これはトーナメントの歴史上最高の障害物からの脱出の一つとなった」

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しかし、マスターズ優勝者でないわれわれには次の言葉が適切でしょう。

「水の中にあるボールを打とうという人に私が出来る最高の助言は、『やめろ』というものだ」
Tony Lema(トニィ・レマ、1934〜1966、1964年全英オープン優勝者)

【おことわり】2011年ツァー選手権の画像はhttps://i.ytimg.comにリンクして表示させて頂いています。

(January 18, 2017)

John Daly(ジョン・デイリィ)のパッティング理論

「John Dalyにパッティング理論なんてあんのかよ!」と驚いてはいけません。彼が二つのメイジャー(1991年のPGA選手権と1995年の全英オープン)に優勝出来たのはパッティングが絶好調だったからだそうです。彼のやり方が理論なのです。次の記事は、その二つのメイジャー優勝の中間で刊行された本から抜き出した彼の全盛期の理論で、学ぶべき点も多々あります。

'Grip It and Rip It!'
by John Daly with John Andrisani (HarperCollins, 1992, $13.00)

「人々は私が単なる飛ばし屋だというイメージを持っているようだ。私の飛距離が利点であることには同意するが、私はパットも結構上手い方であると思っている。PGA選手権優勝も、人々は私の長いドライヴィングのせいだと考えているが、優勝の本当の理由は、あれは私の一生でベストのパッティングが出来た週だったからだ。

私は八歳から80歳まで誰でも素晴らしいパットをするゴルファーになれると信じている。

いいパッティングのためには以下の四つのポイントがあるが、いずれも簡単である。

1) 読み

グリーンに近づいて行く時に周囲の地形のうねりに注目。丘陵コースだと、周囲の地形と同じ勾配でグリーンが作られているかも知れないが、いったんグリーンに乗ってしまうと、周囲の地形との関係でグリーンが平坦に見えたりする。グリーンに近づいて行く際によく観察しておくこと。

グリーンに上がったら、パットの順番を待つ間友達とふざけてないで、自分のラインに集中すること。読み方の鍵は打つ強さを判断することだ。多くの人がこれを理解しないのだが、ストロークの強さの決定はブレイクを読むのと同じように重要なのだ。グリーンが猛烈に早ければ、同じような勾配の遅いグリーンよりも大きく曲がるからだ。

芝目もブレイクに影響する。芝目の方向を知るベストの方法はカップの縁をチェックすることだ。不規則で乱れた縁の方向に芝が伸びている。もし,カップの右に不規則な芝があるなら、パットはやや右に切れる。

2) アライメント

 

実に多くの人々がラインにパターを揃えるのに問題を抱えている。ゴルファー個々に、無意識の癖があるのかも知れない。私のお薦めは、練習グリーンで背後に位置した友人にパターフェースがターゲットを向いているかどうか、チェックして貰うことだ。これを少なくとも、月に一度は行う。私の場合、毎日キャディにアライメント・チェックを頼む。

【編註】読んだラインに、ボールに描かれた直線を揃え、その線にパターフェースを直角に合わせれば済むことです。

3) ストローク軌道

他に較べ重要性はやや劣るが、それでも無視出来ないのはストロークの間のパターヘッドの軌道である。『他に較べ重要性はやや劣る』という理由は、リサーチによれば、ボールの方向は主にインパクト時のクラブフェースの角度に影響されることを示しているからだ。パターが動く軌道もパットのラインに影響を与えるものの、パターフェースの角度ほど多大な影響は与えないのだ。

安定したパットに一番望ましいのは、決定したラインに沿って全てがスクウェアに動くことだ。ストローク軌道が逸れるとしたら、パターヘッドの向きがターゲット(カップあるいはブレイクの頂点)から逸れてしまうことを意味する。しかし、ストローク軌道よりフェース角度の方が影響大なのであるから、パターヘッドの向きは絶対に逸れるべきではない。混乱しないでほしい。私が云いたい要点は、ストローク軌道のミスをパターヘッドの角度の調整によって埋め合わせしようとするのは(その反対も同様)、とてもややこしいということだ。軌道も角度も、どちらも常にラインに沿っているべきである。

4) ターゲットを向いたパターフェース

ボールが転がる方向を決定する最も重要な要因は、ボールに接触する時のクラブフェースの角度である。アドレスでクラブフェースをスクウェアにすれば、インパクトでもスクウェアになる可能性は高い。手と手首によるストロークより、腕と肩が支配するストロークの方が、パターフェースをターゲットラインにスクウェアにし易い。安定したパッティングがしたいなら、腕と肩によるストロークをすべきだ。

【セットアップ】

教科書的なラインと平行なスタンスではなく、私は両足、腰、肩を少しオープンに構える。その理由を説明しよう。

第一に、ラインと平行なセットアップやターゲットにスクウェアなアライメントが悪いわけではない。Tom Watson(トム・ワトスン)のように完璧にスクウェアなセットアップがお望みなら、それはそれで申し分ない。何故私がオープンなセットアップを好むかというと、インパクト前後で左手首をパターヘッドに先行させ続け、ラインに沿ってソリッドにストロークしたいからだ。言葉を替えれば、ボールに向かう手と手首の折れを絶対に避けたいからだ。ストロークそのものは、カップに向かってボールを押す感じの延長であって、身体の周りを両手が回転するものではない。

少しオープンな体勢は、カップに直接スクウェアでピストンのような押すストロークを保証してくれる。これはスクウェアなポジションからでも達成出来るが、クローズな体勢からでは左手首がリードし手首が折れないストロークは不可能だ。クローズな体勢だと、パターヘッドをターゲットに向けるにはクローズになるように左手首を折らねばならない。でないと、ボールを右へ打ってしまう。

私はかなり狭めのスタンスで、リラックスした快適な姿勢で、体重は左右平均にして立つ。ボール位置はスタンス中央のやや後方(ターゲット側)。アドレスはハンドファーストにパターを構え、この位置関係をフォロースルーまで維持し続けようとする。

私のボール位置はストローク弧の最低点で、ボールとソリッドにコンタクトする。インストラクターの中には、ボール位置をもっとスタンス前方(左足内側前方)にし、ボールをアッパーに打ってトップスピンをかけるべきだと主張する者がいる。私はそれには同意出来ない。ボール位置を前方にすると左手首でクラブヘッドをリードするストロークが崩壊し、パターヘッドを安定してターゲットに送ろうとするアライメントを損なってしまう。だから、あなたのストロークが最も低くなるポイントを探すべきだ。

私は手、手首、腕など全部を単一ユニットとして動かしながらバックストロークする。それは肩・両腕・両手が形成する三角形がその形を変えずに留まるということだ。これは短・中距離のパットの原則である。遅くも早くもないグリーンの9メートルを越える距離では、ほんの少し手首が折れるのも問題無い。

 

トップからは右手がピストンとなり、右掌でラインに沿ってボールを押す。この時、右手首の僅かに折れた角度をフォロースルーまで維持すること。これは右手の暴走を防ぎ、左手首がインパクトからその先までリードすることを助ける」

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John Daly曰く「ストローク軌道は、他の要素に較べて重要性がやや劣る」。これにはショックを受けました。私がパッティングで腐心して来たことは、ストレートなストローク軌道の追求でした。云われてみると、軌道がアウトサイド・インでもインサイド・アウトでも、インパクトでフェースがスクウェアでさえあればボールは真っ直ぐターゲット(カップあるいはブレイクの頂点)に向かう筈です。円弧型のストロークがその好例です。私は、終始ターゲットにスクウェアであろうとするストレート・ストロークを採用しているのですが、それでもパットに成功しない時が多いのは、最も重要なインパクト時点でフェースがスクウェアでないからでしょう。

ボールの真ん中にパターフェースのスウィートスポットを当てる努力だけでは充分でないわけです。フェースの角度がターゲットにスクウェアでなければ、いくらスウィートスポットで打ったとしてもターゲットには向かわない。ボールに描いた線は完璧に一直線となって転がるものの、ターゲットへではなくその右や左に向かって行ってしまう。

ではインパクトでフェース角度をスクウェアにするには、どうしたらいいのか?John Daly推奨の「腕と肩が支配するストローク」は十数年前からやっていますし、手、手首、腕など単一ユニットとして動かす方法も3(スリー)ジョイント・ストロークの根幹です。

インパクトでフェース角度をスクウェアにする方法は、私には「パッティングのグリップ圧とFLW」(01/15)に記したように、フォワードストロークでFLW(fixed Left Wrist、固定した左手首)をがっちりさせることのように思えます。少なくとも今の私にはそれが役立っています。

(January 22, 2017)

童心でパットせよ

 

Ray Floyd(レイ・フロイド)はThe MastersとU.S.オープンに各一回、PGA選手権に二回優勝し、世界中で66回の優勝を遂げたプロ。

'The Elements of Scoring'
by Raymond Floyd with Jamie Diaz (Simon & Schuster, 1998, $20.00)

「私の父はノース・キャロライナ州の米軍基地付属ゴルフ・コースのインストラクターだった。子供のころの私は練習グリーンで何時間も遊び回った。友達と小銭を賭けたこともあったし、相手がいなければthe Masters(マスターズ)の首位争いをしている振りをして遊んだ。

郷愁によって私の記憶は多少改変されているだろうが、私は若い頃凄いパット名人だった。少なくともラウンドにつき一回はロング・パットを成功させ、5フィート(約1.5メートル)をタップインのように処理出来た。私の息子たちやその友達たちがゴルフを始めた時に気づいたのだが、子供たちは実にパットが上手い。彼らはラインを見るのに時間をかけない。彼らはボールに近寄りカップに転がすだけだ。実に興味深い。Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)は過去25年もの長期にわたり最高のパット名人の座についているが、彼もラインをちらと見て立ち上がり、それを沈めてしまう時がある。

われわれがパットする時、童心に返ってパットするといいように思われる」

 

(January 22, 2017)

ターゲットを一瞥したら即パットする

 

ツァー・プロPer-Ulrik Johansson(ペル・ウルリック・ヨハンソン、スウェーデン)が語る実話。

'The Best Golf Tips Ever'
edited by Nick Wright (Contemporary Books, 2003, $24.95)

「2001年後半に私がパッティング・ルーティーンに加えた最も重要な変更は、ストロークにいいセンスを復活させてくれた。

ボールに向かって立ってテクニックとストロークの長さについて考え込むのでなく、プロセスをスピードアップする決意をしたのだ。一旦アドレスを完了したら、カップを一瞥し、心にラインと距離のイメージを焼き付け、目が脳に伝えて来た強さの感覚を信頼し、本能的にストロークを開始するのだ」

(January 22, 2017)

心を無にしてストローク

 

年末年始、当サイトの改修工事を行いました。ホスト(ISP)におけるデータ専有面積の膨張を防ぐため、下らない記事や画像を整理しました。読者から寄稿して頂いた記事はそのままです。私が書いた記事しか削除しておりません。「世界のゴルフ」(アメリカ合衆国を含む)には、それぞれゴルフ・コースの写真を配置しました。

その作業の中で、ふと「スムーズなストロークを生む前戯」(tips_139.html)なる記事が目に止まりました。以下のようなものです。

ラインを見定め、スタンスをとったら、次のように三つ数えながらパットしてほしい。

1.(ワン)浮かしていたパターヘッドでボールの後ろの芝を軽くポンと叩く。
2.(トゥー)芝からパターをほんの僅か上げる。
3.(スリー)もう一度ボールの後ろの芝をポンと叩き、すぐさまバックストロークに移る。

この一連の動作は正しい心の状態と、スムーズで対称的なストロークを遂行する正しいリズム感覚とを作り出す」

 

私は「これは素晴らしいtipです。このtipを実行したある日のハーフのパット数は12でした」などと書いた癖に、こんなtipがあったことすらすっかり忘れていました。試してみると、これはほんとに素晴らしい。これは「編者お薦めの厳選tips」に含めるべきものだと思いました。

これを実行する際の注意点は、1) 慌てない、2) パターを見てはいけない…の二点です。上げ下げするパターを見ていると、バックストローク開始の瞬間、後退するパターではなくボールを見るべきだった…と目が右往左往してパニックに陥ります。あくまでもボールを見続けていないといけません。

寒気と雨でプレイ出来ない日々が続き、この“前戯”を連日室内で試していました。そのうち、何も三つ数えながらパターを上げ下げする必要はないと思い始めました。

要は、心を無にすばいいのです。普通だと「パターヘッドをラインに沿って真っ直ぐ後方に引き、急がずに切り返し、左手首の角度を変えないようにしながら、ターゲットにパターを押し出すんだぞ」などと、頭の中で身体をコントロールする指令が、火花でも散らすように飛び交います。三つ数えながらパターを上げ下げすると、脳はそのパター上げ下げ手順の遂行に集中しなければならないので、潜在意識に業務遂行を委ねるしかなくなる…というのがこのtipの眼目です。その手順に取って代われるものなら何だっていいわけです。

 

私は現在「3(スリー)ジョイント・ストローク」(tips_169.html)を実行していますので、次のようにアレンジしてみました。
1) ボールに描いた直線に合わせてスタンスを取る。
2) (左右の脚の長さの違いによってオープンになる肩の角度をスクウェアに戻すため)左膝を内側に入れる。
3) 楽に下げていた両手を、右手首と左肘に僅かなテンションを感じるまで持ち上げる。
4) すぐさまバックストロークに移る。

つまり、パターヘッドの上げ下げの代わりに、二つの関節のテンションを感じる動作をトリガー(引き金)とし、すぐさまストロークを始めることにしたのです。それ以前に全てのお膳立ては完了しており、後は潜在意識に全てを任せるわけです。トリガー動作とバックストローク動作の間に間(ま)を空けなければ、様々な自分へのインストラクション(ああせいこうせい)が入り込む隙間はありません。

試しに、オリジナル版(前戯)とアレンジ版を交互にやってみましたが、効果は全く変わりませんでした。

(January 22, 2017)

パワーを生む裏技

“ツァー・プレイヤーたちのパワーの秘密”と題されたパワー生成法。一般的なコツとやや異なる部分が、ひょっとすると役に立つかも知れません。

'Tour secrets for maximum power'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' August 2014)

「ツァー・プロの多くは次の三つの鍵の助けを借りて、ボールとのよいコンタクト、ボール・スピードと飛距離の増加を図っている。

・イーズィに打つ

うまくボールを打つにはバックスウィングのトップからダウンスウィングへの切り返しがスムーズでなくてはならない。それはクラブをダウンスウィングでインサイドからオン・プレーンに動かし、ボールに向かってクラブヘッドスピードを最高にする。

スムーズな切り返しを確実にする方法の一つは、単純にバックスウィングをゆっくり行うことだ。あなたがクラブをスムーズにかつ着実に後方に引けば、十中八九あなたはバックスウィングをフルに完了し、トップで持てるもの全てを結集することが出来る。これはパワフルなドライヴに必要なエネルギーを蓄え、急速にスウィングしてトップする危険を回避出来る。

・パワー・フェードを打つ

プレッシャー下ではドローを打つよりフェードの方が容易である。Bubba Watson(ババ・ワトスン)は、大きなカット・ショットを価値あるバーディ製造機としている。

パワ・フェードを打つには、フェアウェイの左サイドを狙い、インパクトにかけてクラブをスウィングしながら、手袋のロゴ【編註:手袋をしない右利きの人は左手甲】を通常よりも長くターゲットに向け続ける。これはボールがターゲットのやや左へ向かってスタートし、右方向の着地点へと穏やかにカーヴするのを確実にするに充分なほど右手のリリースを遅らせる。

・適切なティーアップで打つ

 

ドライヴァーを打つ時、ほとんどのプロはクラブフェースの上にほんの少しボールが見える程度に低くティーアップする。これはやや下降気味か水平の攻撃角度を推進し、よりよくボール飛行をコントロール出来るフィーリングを与えてくれる。あなたにとって快適なだけでなく、高いローンチ角度と低いスピン率の組み合わせを見つけるまで、様々なティーアップの高さを試してみることが大切である」

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ひと頃、「ドライヴァーで飛ばすには長いティー(約8.5センチ)を使い、ボール底部がクラウンとほぼ同じ位置になるようにティーアップし、クラブフェースのホット・スポット(スウィート・スポットより上の部分)で打て」と云われました。それが高いローンチ角度と低いスピン率によって最大飛距離を得る最良の方法であると喧伝されたのです。しかし、その後、その方法はクラブヘッド・スピードの速いプロにはいいが、クラブヘッド・スピードの遅いアマチュアには向いていないという説も出始めました。上の記事が「クラブフェースの上にほんの少しボールが見える程度」のティーアップに言及しているのは、高いティーアップというトレンドからの逆戻りの一例です。

2013年〜2015年にかけて毎年Bridgestone(ブリジストン)の「ボール・フィッティング」チームが市営ゴルフ場にやって来て、彼らのボールの宣伝を兼ねて、われわれのスウィングの分析をしてくれました。私のスウィングについての彼らの助言は、もっとボール速度を上げ、発射角度は1°ほど低目にし、2,400〜2,500のバックスピンを3,000近くに増やせば20ヤード増が見込める…というものでした。ボール速度を上げるにはスウィングを早めねばなりませんが、私の取り柄はスローなスウィングでフェアウェイをキープすることにあるので、早いスウィングに変えるのは躊躇します。

バックスピンを増やすにはティーアップを低くし、スウィングも打ち上げるのでなく水平のインパクトにすべきだという説があります。ある時、たまたまですがティーを深く地面に埋め、ボールの天辺とフェースの天辺がほぼ同じになる高さで打ったことがあります。快打でした。「ひょっとすると、自分のスウィングには低めのティーアップの方が合っているのかも知れない…と思いました。練習場で、5.5センチの短いティーに乗せたボールの15センチほどターゲット方向にもう一本同じ長さのティーを刺し、両方のティーを薙ぎ払うようにスウィング。これなら水平のインパクトになり、バックスピンが増える筈です。しかし、見た目の飛距離はさほど伸びませんでした。私が私設練習場にしているNo.14(440ヤード)パー4で、5.5センチのティーと7センチのティーそれぞれで数発ずつ打ってみました。短いティーの方が10ヤード遠くへ飛びました。しかし、本番のラウンドで短いティーで打ってもさしたる成果は無し。現在は元通り7センチのティーに戻しています。

【参考】
・「プロ的コックのススメ」(tips_161.html)
・「簡単にパワーを生む三つの鍵」(tips_167.html)
・「パワーの正体」(tips_175.html)

(January 29, 2017)

スウィング速度を増す方法

 

'Rev up your swing speed'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' January 2017)

「飛ばし屋に拮抗し、あなたもパー5で2オンを達成する一つの方法は、バックスウィングでスウィング弧を広くし、それをダウンスウィングで可能な限り維持することである。大きな弧でクラブを動かせばインパクトでスピードが増し、飛距離も増える。1 mph(秒速0.45メートル)早く振ると3ヤード遠くに飛ばせる。5 mph(秒速2.25メートル)早く振れば15ヤード遠くに飛ばせる勘定である。

《両手と右耳の間を隔てる》

・バックスウィング

出来るだけ地面近く低いテイクアウェイをする。これはワイドな弧を確立するだけでなく、クラブを手と腕で持ち上げて肩を急傾斜させる一般的なミスを防いでくれる。

 

[Hogan]

バックスウィングでの弧を最大にするには、トップへと肩を廻しながら可能な限り両手を右耳から遠ざけるように努める。これを正しく行えば、左の上腕三頭筋【註】と左肩によいストレッチングの感覚が得られる筈だ。

【編註】力瘤(こぶ)の出る方が上腕二頭筋(肘を曲げる時に使う筋肉)で、その裏側にあるのが肘を伸ばす時に使う上腕三頭筋。

・ダウンスウィング

バックスウィングで新開発した弧を維持するには、あたかもその両手と右耳の間隔を増大させるかのように感じる。そうするには、背中をターゲットに向け続けながら右腕を下ろす。右肩を廻してはいけない。それは手打ちとなりクラブヘッド・スピードを失ってしまう。あなたがバックスウィングとダウンスウィング双方で両手と右耳との間隔を増すことが出来れば、あなたのドライヴに広さと速度、そして長さをプラスすることが出来る」


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Ben Hogan(ベン・ホーガン)も、ダウンスウィングで両手を身体から遠ざけるような動きをします(左の写真)。コックは固く保持されており、左腕は真っ直ぐで、これ以上身体から離すことは出来ないように見えます。完璧なダウンスウィング、完璧なレイト・ヒット。惚れ惚れします。

(January 29, 2017)

ロング・サム(long thumb=伸ばした親指)で飛ばす

インストラクターBrian Mogg(ブライアン・モグ)が明かす飛距離増の秘訣。

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'A long thumb equals long hits'
by Brian Mogg {'Golf Magazine,' January 2013)

「あなたが自分の飛距離に不満を抱いているとしたら、難はグリップにあるかも知れない。クラブ・コントロールを良くすべく左親指を縮め、その先端が、左人差し指の先端から二番目の関節に揃っているショート・サムのグリップ(図の右)をしてはいないだろうか?このグリップは手首の柔軟性を抑制するので、窮屈なバックスウィングのトップを作り出す。これはコントロールには役立つが、スピードを生み出すものではない。あなたのパワー生成能力を最大限に発揮するには、トップでもっとコックする必要がある。

スウィング・スピードを増し、トップでの窮屈さを減らすにはロング・サムのグリップ(図の左)にすべきだ。それには、通常のグリップをした後、左親指を目一杯伸ばし、左人差し指の先端から二番目の関節よりも先に出す。

このグリップは、最初は疑いも無く違和感があるだろうし、あなたのスウィングは緩めになり、トップで以前より柔軟になるだろう。しばらくこの変更を継続すれば、あなたがコックの度合いとスピードを増し、以前よりパワフルなティー・ショットを放つようになることを保証する」

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実は私はずっとショート・サムでした。上の記事では「縮めた左親指の先端が左人差し指の先端から二番目の関節に揃っているショート・サム」とありますが、私はもっと親指を短くしていました。それが私にとっては、安定してフェアウェイをキープ出来るコツだったわけです。

ロング・サムにトライしてみた日、私のティー・ショットは乱れに乱れました。「やっぱりロング・サムは向いてない」と思いかけた時、ふと自分のグリップを点検して愕然。私はハンドルの真上に左親指を伸ばしていたのです。これは正しいグリップではありません。親指は真上ではなくハンドルの右に少し外れ、親指左半分だけがハンドルに接していなければならない。それを思い出してからはドライヴァー・ショットは安定しました。しかし、コックの度は増しているものの、これまでと較べて飛ぶようになったか?というと、私の場合は変化無しでした。理論的には飛んで当然に思えますが。

【おことわり】画像はgolftipsmag.com/にリンクして表示させて頂いています。

(January 29, 2017)

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