Golf Tips Vol. 161

スウィートスポットを外す損失の実態

'How much distance do you really lose on off-center hits?'
by editors of 'Golf Digest' ('Golf Digest,' December 1998)

「本誌('Golf Digest')は、典型的なグラファイト・シャフト+チタン・ヘッドのドライヴァーを用いたロボット・テストを実施した。

・1/2インチ(約1.3センチ)ほどクラブフェースの中央を外した場合、平均してセンター・ヒットの飛距離の3%(250ヤードのショットの7〜8ヤード)を失う。

・3/4インチ(約1.9センチ)ほどクラブフェースの中央を外した場合、平均してセンター・ヒットの飛距離の5%(250ヤードのショットの12〜13ヤード)を失う。

・1インチ(約2.5センチ)ほどクラブフェースの中央を外した場合、平均してセンター・ヒットの飛距離の9%(250ヤードのショットの22〜23ヤード)を失う。

飛距離の損失は主にクラブヘッドの捩(ねじ)れによるものだ。センターを外れるに従い、インパクトでの捩れが増大する。クラブヘッドが捩じれると、ボールを推進すべきエネルギーがヘッドを捻るために使われてしまう

これは短いドライヴァーを使うゴルファーが、より遠くに飛ばす事実を説明するものだ。長いクラブはクラブヘッド・スピードを増すが、その利益はミスヒットに由来する飛距離の損失で帳消しになってしまう」

【参考】「センター・ヒットのご利益」(tips_139.html)

(May 03, 2015)


スウィートスポットの意外な位置

''Hitting the sweetspot'
edited by Scott Smith ('Golf Digest,' August 2000)

「ティーショットをぶっ飛ばしたい?ハードにスウィングしなさい。ただし確実にドライヴァーのスウィートスポットで打つこと。ソリッド・コンタクトを数値で表すために、本誌はDrexel(ドレクセル)大学・弾道調査センターのDr. P.C. Chou(P.C.チョウ博士)に、典型的な10°ロフトのオーヴァーサイズ・ドライヴァーおよび2ピース・ボールを用いた様々なインパクトのコンピュータ・シミュレーションを依頼した。

博士のテストで明らかになったのは、実質的にどんなスウィング・スピードであっても、フェースのどこであれ1インチの2/10(約5ミリ)ほどセンターを外すと6ヤード飛距離が減るという事実だ。

われわれはハンデ18のテスターに五個のボールを打って貰った。彼はクラブの真のスウィートスポットでは全くコンタクト出来ず、毎回ヤーデージを犠牲にした。このテストの教訓?ドライヴァーによる平均飛距離を増やしたいなら、スウィートスポット以外の部分で打つミスを撲滅することだ。

クラブフェースの中央が真のスウィートスポットであることは稀である。クラブヘッドの重心として言及されるこのスポットはドライヴァー個々によって異なるのだが、多くの場合ややヒール寄りに位置する。ボールが重心の近くと接触すればするほど、クラブヘッドの捩れが少なくなる。捩れはインパクトの効果を弱めてしまう
【編註:「スウィートスポット=重心位置」ではないという説もありますが、原文のままにしてあります】

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私の手元のドライヴァー数本で試してみました。ドライヴァーを軽くぶら下げ、ティーの先端でフェースを突つくと、確かにフェース中央からトゥ寄りにかけてはヘッドが捩じれてぐらつき、フェース中央からヒール方向の部分ではぐらつきません。

(May 03, 2015)


アドレスによる飛距離の損失

「どのクラブを振るにせよ、腕は肩からだらんと下がっていなくてはならない。そのだらんと下がった両手を合わせたところがグリップの位置である」

上はTom Watson(トム・ワトスン)の言葉です。【参照】「アドレスで腕・手を前に突き出すな」(tips_135.html)

私はTom Watsonの言葉を信じ、ずっと両腕を肩から自然に垂らすアドレスをして来ました。インパクトで、両腕は重力の作用で自然にその垂直の位置に戻ろうとする筈ですから、物理の法則にも適っています。しかしドライヴァーの場合、両手を前に突き出してスウィング弧を大きくし、飛距離を増やそうとするゴルファーが多い。素人ばかりでなく、PGAツァーやLPGAツァーでさえそういうアドレスをするプロがいます。私はそういう人々を見ていつも呆れていました。アドレスで突き出したのと同じ角度にインパクトで戻そうとするなんて物理の法則無視であり、スウィートスポットで打てるわけがないではないか、好んでそんな困難なことに挑戦するとは…と。ま、プロは練習量が多いので手と腕を前に突き出してもちゃんと打てるのかも知れません。しかし、ろくに練習しないわれわれ素人の場合は…。

[impact]

最近私は中古のR11を購入したのですが、手元にある可動式錘(1g、2g、10g)の組み合わせによってプッシュやスライスを絶滅出来なかったので、4g〜20gの可動式錘八個セットを購入しました。どの錘の組み合わせが自分に向いているか練習で確かめている最中ですが、その際インパクト・シールを装着しています。スウィートスポットで打てていない状態で可動式錘の組み合わせを比較しても意味がないからです。

ショック!インパクト・シールは現在私がドライヴァーをスウィートスポットで打っていないことを証明しました。インパクトの痕跡はシールの右半分だけに集中していたのです。【写真】「ヒール寄り」どころかネック寄りと云ってもいいほどです。ある程度そうした自分の傾向を知っていた私は、バンドエイド的にドライヴァーのトゥをボールの1/2のところに当てて構えていたのですが、それでも足りないようです。さらに、トゥをボールから完全に手前に外して構えてみても結果は変わりませんでした。どうやら、私は両腕を肩から自然に垂らすアドレスをしていながら、腕・手を前に突き出すインパクト体勢をとっており、その矛盾がスウィートスポットで打てない要因となっていたようです。

自棄のやん八で、これまで非難していたアドレスを真似てみました。姑息なバンドエイド作戦をやめ、腕・手をかなり前に突き出してのアドレスをしたのです。これだと、もうドライヴァーのネック寄りで打つことは絶対に出来ない相談です。打ってみました。そしたら何と、スウィートスポットで打てるようになっちゃいました。自棄の開き直りが機縁となったコペルニクス的転回。

ラウンドでも両腕を前に突き出したアドレスでドライヴァーを打ってみました。以前より平均10〜15ヤードは飛距離が増えました。私のパワーが増したわけではなく、単純にスウィートスポットで打てるようになったことによるものです。

というわけで宗旨替えし、私も物理の法則を無視したアドレスをすることにしました。物理の法則がなんでえ。


なお、アイアンでは両腕を自然に垂らしたアドレスでもちゃんとスウィートスポットで打てていることを確認しましたので、宗旨替えはドライヴァーに限定しています。

【参考】「検証・《アドレスで腕・手を前に突き出すな》」(tips_135.html)

(May 03, 2015)


強打するのでなく完璧にスウィングすべし

'The Best Golf Tips Ever'
edited by Nick Wright (Contemporary Books, 2003, $24.95)

「どうすればボールを遠くに飛ばせるかという質問に、Davis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)は次のように答えるのが常である。『強打するというより、スウィートスポットのド真ん中をボールに送り届けるべく完璧なスウィングをしようとする』と」

(May 03, 2015)


プロ的コックのススメ

インストラクターLaird Small(レアード・スモール)によるレイト・ヒットのコツ。

'"Power hinge" like a pro'
by Laird Small ('Golf Magazine,' January 2015)

「優れたゴルファーと他を隔てる一つの要素は、右手首のコックをダウンスウィングまで維持する能力である。

最高のプレイヤーは、実際にはダウンスウィングの途中でコックを増すため、それによってクラブヘッドが両手に遅れて来るように("lagging")見せる。"lag"(ラグ、遅滞、ずれ)は重要である。それは、哀れにもインパクト前にエネルギーを使い果たし貴重な飛距離を失う代わりに、インパクトまでエネルギーを蓄えておくことを意味する。

あなたの名がTiger(タイガー)とか、Rory(ロリィ)、Sergio(セルジオ)とかでなければ、あなたは当然すべき程度に"lagging"をしていない筈だ。グリップがいけないのだ。多くの週末ゴルファーは、手首の柔軟性を最少限にしてしまうクラブの持ち方をしている。柔らかい手首でなければ"lag"は不可能だ。以下は問題解決法と、あなたに欠けている破壊的なまでの威力の"lag"の獲得法である。

・ステップ1
身体の前でクラブを垂直に持つ。

・ステップ2
クラブのハンドルを右手の人差し指、中指、薬指の三本だけで握る。

・ステップ3
クラブを静かに身体の方に倒す。クラブヘッドの重さによって右手首が折れる限度まで動かす。【註】そして、ハンドルと右掌の間に空間を作り出す。

【編註】親指の根元の方に折ること。掌の方や甲の方へ折るのは間違い。

・ステップ4
その空間に左の親指を滑り込ませ、他の指をハンドルに巻き付ける。

あなたのグリップは、強固ではないとしても以前と同じように落ち着いた感じでなければならない。だが、あなたは右手の方を先に握っているので、右手首をコックするのは簡単になる。それこそが"lag"のパワーである!」

(May 10, 2015)


万病に効く「トップの間(ま)」

その日、スタート直後から何度もドライヴァーでのプッシュが続きました。多分、ダウンスウィングの開始で必要とされる右下半身の左サイドへの火を吹くような突撃が不足していたのでしょう(気分がちょっと鬱だったせいもあります)。原因は何であれ、ドライヴァーのフェースがオープン気味のインパクトになっていたのは間違いありません。暗中模索しながらやって来たNo.8(280ヤード)パー4のティーショット、私は(多分、ボールが固い地面に着地し、ランが増えたせいもあるでしょうが)このホールにおける私の最長不倒距離を達成し、ピンまでサンドウェッジを1/2インチ(1.27センチ)短く持って打てる距離を残すだけとしました。

私は「何が快打の要因だったのか?」考えました。覚えているのは、それまでのプッシュ続きで自棄気味になっていたため、破れかぶれで「ワン・ツー」のリズムとそれまでより早めのテンポで、(しかし、暴力的ではなく)身体をしなやかに使って打ったことです。それらが身体各部のタイミングをうまく合わせてくれ、正確かつパワフルなスウィングを実現させてくれたのではないか。

次のNo.9のティー・グラウンドで、私は最前の快打を再現しようと集中しました。「ワン・ツー」のリズムで早めのスウィング。ところが、又もやプッシュの復活。がっくり。

私は悟りました。スウィングを早めればいいというものではなかった。フェースをスクウェアに戻す工夫が必要なのだ。そしてそれを私は知っていた…。車を運転する方にしか通じない比喩でしょうが、走行中MT車のクラッチを完全に踏み込まずにギア・チェンジしたら大事(おおごと)です。そんなことをしたら「ガガガッ!」てな音がし、トランスミッションを壊してしまいます。ゴルフ・スウィングでもトップまで「後退」したらクラッチを踏み、そこで「前進」ギアに切り替えなければいけない。そう、それは「トップの間(ま)」を置くことなのです。ギア・チェンジの一瞬の間(ま)です。その間(ま)が下半身にダウンスウィング開始のキュー(合図)を与え、身体各部が完璧に連動したタイミングによってエネルギーの放出を実現させてくれるのです。

車を運転されない人のために、別な喩えを。トンカチを使う場合、われわれは切り返しを急いだりしません。方向転換のために慌てたって仕方がないからです。誰しも、トンカチを振り上げたトップで一瞬の間を置く筈です。その時点で重力の作用によってエネルギーが充填される気配があり、トンカチの重さにパワーが加わります。ゴルフ・スウィングも同じことなのです。

No.10から私はスウィングのトップで一瞬の間を置くことに努力しました。毎回必ず成功したわけではありませんが、No.10(快打)【No.12とNo.13はパー3】、No.14(パー5、快打)、No.15(≒最長不倒距離)、No.16(≒最長不倒距離)、No.17(快打)、No.18(最長不倒距離)という結果でした。ワン・ラウンドでこんなにも最長不倒距離を連発出来るとは!

ターゲットに背中を向けるバックスウィングが恐いと感じる人は、トップで間を置くのも恐い感じがするかも知れません。間を置いたりするとボールに確実にクラブヘッドを戻せないのではないか?という不安も生じるかも知れない。ターゲットに背中を向けるだけでも落ち着かないのに、悠長に間(ま)を置くなんてとんでもないと思われるかも…。しかし、野球のバッターは静止状態のトップで投手の投球を待ち、飛んで来るボールを打てるのですから、われわれが動かないゴルフボールを打てない筈はありません。

私にとってトップで間を置くことは、実はこの『日記』を始めた頃に慣れ親しんだメソッドなので、全く抵抗はありませんでした。「Tommy Armour(トミィ・アーマー)のトップの間(ま)」(tips_4.html)という記事は、今を去る17年前(1998年五月)に紹介したものです。私は17年前のtipに助けられていくつかのホールで最長不倒距離を達成出来たことになります。急にお腹が痛くなったが、薬を切らしている、あるのは祖母が送ってくれた「越中富山の反魂丹(はんごんたん)」だけ、普段馬鹿にして押し入れの奥に突っ込んでおいたのだが、仕方なく取り出して服んでみた、意外や意外、効くじゃないのっ!…とまあ、こういう感じでしたね(^-^)。(ゴルフ名人Tommy Armourを富山の薬売りにしてしまった…)

その数日後のこと。No. 14(440ヤード)パー5での私のティー・ショットは、残り200ヤードの目印の木に到達しました(これまた最長不倒距離)。実はこの木まで打つのはこれまでの悲願でした。ここからなら3番ウッドでグリーンを狙えます。ガードバンカーの砂が固い日なら転げ上がってくれる幸運があるかも知れないし、グリーンの右か左に外してもチップインのイーグル、悪くてバーディというウシシなチャンスに恵まれます。

つまり、最長不倒距離はある日のまぐれではなかった。トップの間(ま)様々というわけです。

【参考】
・「トップの間(ま)賛否両論」(tips_2.html)
・「積極的躊躇」(tips_2.html)
・「Leadbetterのトップの間」(tips_40.html)
・「Johnny Millerのトップの間(ま)」(tips_133.html)

(May 10, 2015)


チッピングでのダフりの根絶

ヨーロピアン・ツァーのPaul Eales(ポール・イールズ、英国)によるチッピングの遵守事項。

'Golf Tips from the Pros'
edited by Tim Baker (David and Charles Limited, 2006, $14.99)

「クラブヘッドがボールと接触する前に地面を打つのがダフりだが、これはいつどんな場面でも起り得るものだ。しかし、これがチップショットで起ると、ボールは自分の影からすらも出て行かない感じなので、非常に恥ずかしい思いをする。そういうわけで、これはスコアと共にあなたの自尊心にもダメージを与えるミスとなる。

この不快なショットは、ゴルファーがもっぱらボールを空中に上げるのを手伝おうとする結果として発生する。その全ての徴候はアドレスで明瞭に分る。体重は右足にかかっているし、ボールはあまりにもスタンス前方で、両手はボールの後ろにあるというのがダフりを招く定番の構えである。正しいアドレス、以下の通り。

・スタンスはややオープンで、ターゲットの左を狙う。これだと正しい軌道で、楽なスウィングが可能になる。

・体重は左足寄りで、両手はハンド・ファースト(両手がボールよりターゲット方向に先行している構え)。

・グリップはソフトに」

【参考】
・「チップ・ショットのドジを防ぐ」(tips_66.html)
・「オープン・スタンスの誤謬」(tips_129.html)
・「チップする時、左右どちらの目でボールを見るべきか?」(tips_141.html)

(May 13, 2015)


ピッチングの距離調節・補完篇

私の60°ウェッジのハンドルには下図のような五つのマーク(手元から順に紫、白、緑、赤、青)がつけてあり、そこに左手親指の先端を当ててバックスウィングの手の高さを変えることによって、飛ばす距離の調節をしています。詳しくは「ピッチングとチッピングの距離調節」(tips_155.html)を御覧下さい。

30ヤード以上の場合、ハンドルを握る位置とバックスウィングの高さの組み合わせによって現在得られている距離を一覧にすると、下の表のようになります。【数字は飛距離(ヤード)】

[chipping]       
バックスウィングの高さ
右肩 フル
30 40 60
50

ふと、「空欄を埋めてみたらどうなるのだろう?」と思いました。五つのマークは《クラブは1インチ(約2.5センチ)短く握ると飛距離が10ヤード減る》という法則を応用して1.25センチずつ離してあり、5ヤード刻みに打てるようになっています。これまでのところ、私が正確なバックスウィングをした場合、上の表通りの結果で打てています。ということは、計算上は次のように空欄が埋められる筈です。

      
バックスウィングの高さ
右肩 フル
30 40 60
25 35 55
20 30 50
15 25 45
10 15 35

これまで、(チッピングでなく)ピッチングの範疇に入る5ヤード刻みの距離(表の赤色の数字)は、クラブの長さ(ハンドルのマーク)を変えるのではなくバックスウィングの高さを見当で塩梅することによって処理していました。これらの距離も同じようにマークとバックスウィングの高さの組み合わせで打てるのなら、便利この上なく鬼に金棒です。

表の灰色の数字は、他とダブっている距離なので、とりあえずは重要でないのですが、ボールの軌道(高さ)が変わる筈なので、地形によるオプションとして役立ちそうです。

しかし、以上はあくまでも計算に基づく類推であり、実地に試してみないと落ち着きませんし、自信もつきません。コースでのテストが必要でした。

テストの結果、上の表の赤い数字は計算通りそのまま使えることが判りました。これはありがたい。これで私のショートゲームの10〜60ヤード間はかなり正確に打てることになります。灰色の数字に関してですが、重力に任せたスウィングをすればほぼ期待通りの距離になるものの、僅かでも力を篭めると数ヤードオーヴァーします。こうした短い距離は、大きなバックスウィングをするよりも、出来るだけ小さな動作で処理する方が賢明なようです。

(May 13, 2015)


パターを照準器として精密にラインを狙う方法

これは「逆プラムボビング」(tips_157.html)のアイデアを発展させたものです。逆プラムボビングでは、ターゲットにボールの狙いをつけてから、狙いが正しいかどうか確認するためにパターを使いましたが、こちらはしゃがんでボールをラインに揃える時にパター・シャフトを照準として使います。この方がより正確なだけでなく、時間も短縮出来ます。

*以下で「ターゲット」とは、カップあるいはブレイクの頂点のいずれかを指します。

1) ボールをマークし、ボールに描いた直線を(先ずは大まかに)ターゲットに向ける。
2) 左手で持ったパターをラインの上で浮かせ、ターゲットとシャフトとボールの線が一線となるように揃える。【写真】
3) (利き目を使い)シャフトにボールの直線が完全に揃うよう右手で微調整する。

遠く離れたターゲットに、何の物差しもなくボールの直線を合わせようとすると誤差が生じる恐れがあります。しかし、ラインに揃えたシャフトを照準としてボールの直線を揃えるのは簡単至極であり、正確そのものです。

写真はイメージの単純化のため、ごく近距離のパットにしてありますが、シャフトを立てたり斜めにしたりすることによってどんな距離にも対応出来ます。

パターを浮かすのではなく、ボールのターゲット方向の地面にパターヘッドを置ければパターがグラグラせず好都合なのですが、それだと《パットの線に触れてはならない》という規則(16-1)に違反し、二打の罰となってしまいます。残念ながら浮かすしかありません。安定させたければ、左右二本の手でシャフトを保持してもいいし、しゃがんだ時の膝に左肘を乗せることも出来ます。

ターゲットラインにボールを揃えた後、立ち上がってアドレスすると、ボールの線がターゲットから大きくズレているように感じられることがありますが(私はしょっちゅう)、既に完了した手順を信じてボールの線に合わせてストロークします。結果から見て、ズレてるようだと感じたのは完全な錯覚だったことが判ります。つまり、パター・シャフトを照準器として用いなかったら、錯覚に基づいてあさっての方にボールを転がしてしまったところです。

試しに上の手順(1)の段階で、「大まか」ではなくちゃんと狙ってボールの線を揃えてみて下さい(照準A)。普通はこの段階で立ち上がってアドレスし、パットするわけです。しかし、パター・シャフトを照準器としてきちんと狙いを定めると(照準B)、照準Aがかなり狂っていたことに気づきませんか?私は照準Aの不正確さにしばしば愕然とさせられます。よくもまあこれまでこんな狙い方でパットしていたもんだ…と呆れています。逆に云えば、これまでラインの読み方のミス、あるいはストロークのミスだと思っていたものは、単に狙い方がお粗末だったに過ぎなかったことが判明する可能性大です。それを確認する意味でも、この手法を試してみる価値はあるでしょう。

この手順で成功するには、最初にボールをマークするところから、最後にボールの直線をフェースに揃えるところまで、淀みなく手早く遂行出来るように慣れておく必要があります。人目を気にしたり、焦ったり、上の空だったりしてはいけません。手順を常に最後まで厳密に実行すること。

この方法を採用してから、私のパッティングの精度は格段に飛躍し、中距離のパットが以前より入るようになりました。以前、私の寄せワンはチッピングをギミー(OK)の距離に寄せられるかどうかにかかっていましたが、最近は2メートルの距離が残っても寄せワンが可能になっています。もっと短いパットの場合、距離を甘く見て、この手順を省略してミスを犯したことが何度かあり、どの距離のパットでも儀式としてこの方法を使うべきだと痛感しました。短い距離にまでこんなことをするのは神経質過ぎると思われるかも知れませんが、短い距離ほどミスした時の痛みと失望が大きいのは御承知の通り。短いパットほど重要であると思わなくては…。

この方法と「固定した左手首によるストローク」を併用しても失敗したとしたら、もともとラインの読みが間違っていたか、ストロークが乱れていてスウィートスポットで打てなかったかいずれかということになります。それほど精密に狙える方法です。

【参考】「精密にストロークするイメージ」(tips_153.html)

(May 17, 2015)


背景に惑わされずに読め

 

パッティング専門インストラクターMarius Filmalter(マリウス・フィルマルター)による、「グリーンでライン以外の部分は見るな」というユニークな説。

'Block out "noise" pollution'
by Marius Filmalter ('Golf Magazine,' May 2015)

「名人たちは水平線を基準にグリーンを読む。彼らは背景に水平のラインを探し、それとの比較でグリーンの傾斜を見定めるのだ。たとえ起伏の激しいグリーンであろうと、水平のラインは容易に見つかるはずだ。建物のひさし、軒、窓、ベンチ、池の水面などを探せばよい。

もし水平の基準が見つからなければ、帽子やヴァイザーのツバを使えばよい。もっといいのは、90°に折った両掌で目の上と目の左右を覆い、掌で周辺視野を遮ることだ。これは目の上に純粋な水平のラインを作り出し、さらに読みを邪魔する『背景の視覚的雑音』を除去してくれる。

多くのツァー・プロが真の傾斜を見るために両手と帽子を用いる。最高の結果を得るには、帽子のツバや指がカップの向こうの縁にかかるようにし、そこから先の視界を遮ってしまうことだ。カップから先の全ての地形を無視すること。しばしば、グリーンのエプロンや近くのバンカーの顎の傾斜が、あなたが立っている地面と異なる傾斜を持っている場合がある。そういう“雑音”に読みを邪魔されないようにすべきである」

「Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)の読み方の手順」(tips_159.html)という記事の中で、私は次のように自分の体験について触れました、

 

 「私に苦い経験があります。私はパートナーたちが寄せるのに手間取っていて時間の余裕があれば『カップの背後からボール方向を見る』を実行します。ある時、ボール側から見たのと反対のブレイクに気づきました。私と同じラインのパットになるチーム仲間の一人に「右にブレイクするぜ」と云うと、彼は「へー?」と云い、後は無言でした。私が3メートルほどのバーディ・パットをすると、ボールは予想と逆に左にブレイク。パートナーは「左へ切れるんだよ」と云い、フックラインとしてパット。しかし、彼もバーディ・パットをミス。

よくよくボール後方からラインを見ると、絶対に右へ切れる傾斜ではありませんでした。私はカップの背後に廻った時、奥のグリーンエッジの傾斜か何かに影響されて錯覚したようです。それを“発見”と思い込んだまま、ボールの後ろに戻って再確認するのを怠ったのです。Jordan Spiethの云うようにブレイクが逆転するような発見があったとしても、やはりボールの背後から見た傾斜の測定を優先すべきだと思いました。バーディを逃したことで学んだ苦い教訓です。


この時は、背後に見えたグリーンエッジの傾斜に完全に騙されたのです。その“雑音”に耳を貸したのが間違いのもとでした。目から上を手指で覆い、カップの向こうのグリーンエッジが見えないようにしていれば、見事バーディが得られたかも知れないチャンスだったのに。

今回のtipを知った直後、傾斜が不明のあるグリーンで、目の上と両脇を90°に折った両掌で囲ってみました。これは凄い。目がカップにズームインする感じで、カップ周辺の左右の傾斜がくっきり見えます。ゴルファーを騙そうとする周囲の雑音(逆の傾斜や、実際の傾斜を誇張して見せるような傾斜)を遮断出来ます。この技、お薦めです。

【参考】「ラインを読む場所と順番」(tips_100.html)

【おことわり】写真はhttps://enhancehk.files.wordpress.com/にリンクして表示させて頂いています。

(May 17, 2015、増補July 18, 2015)


Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)の 急停止するウェッジ・ショット

The Masters(マスターズ)2015の優勝者Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)が解き明かす、ポンと一弾みしてすぐ停止するウェッジ・ショットの秘訣。

'Putt cross-handed'
by Jordan Spieth ('Golf Magazine,' January 2015)

「週一ゴルファーたちは、40〜60ヤードの扱いにくいハーフ・ショットを怖がる。だが、このtipを練習した後なら、こういう短いショットはダーツを投げるように無意識に出来るようになり、ボールをタップインの距離に送り届けられるようになる筈だ。

このショットはグリーンに着地して小さくポンと一跳びし、急停止する。これはフル・スウィングのミニチュア版に近いことを忘れないように。弾んだ後すぐ停止させるには、技巧的ショットよりもさらに早い速度で打つ必要がある。とはいえ、ボールが地面を噛み、ピンから下まで後戻りするほど早く打つわけではない。このショットを異なるクラブで試し、それぞれでどの程度のキャリーがあるか知っておくこと。

・アドレス

ターゲット方向の足に約60%の体重をかけ、クラブフェースをややオープンにし、スタンスを数センチ狭くする。

・バックスウィング

胸の高さが限度のバックスウィングをするが、最大限コックすること。このエクストラのコックがボールを大きく弾ませる。肩はいつものように回転させるが、腰は動かさない。体重をターゲット方向の足にかけたままにすることで、ディセンディング・ブローをお膳立てする。

・ダウンスウィング

バックスウィングを短くしたからといって、これはゆっくり振るショットではない。コックを解きながら攻撃的にダウンスウィングする。インパクトで右手とクラブシャフトが一直線になるように感じること。

・フォロースルー

インパクト・ゾーンで左手の甲がターゲットを向くように、左手首の角度を保持しつつ、短いフィニッシュをする。これがカット・スピンを生み、最初のバウンドの後ボールを停止させるだけでなく、通常より低い軌道で正確度を高めてくれる」

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涎の垂れるような話なので、早速練習してみました。先ず、クラブ選択の難しさを痛感しました。60ヤードなら、私はこれまで60°ウェッジで打つところですが、上の手法を用いて60°ウェッジだと30ヤードしか飛びません。普通80ヤード打つサンドウェッジを使っても40ヤード。この計算で60ヤード飛ばすには9番アイアンということになるのですが、9番アイアンではグリーンを遥かにオーヴァーしました。

Jordan Spiethは言及していませんが、ワンバウンドで急停止するショットには多層構造でウレタン・カヴァーのボールが必要だと思われます。私がこのショットを試してもバウンド数は三つになります。それはまた、私がプレイしているゴルフ場のグリーンが固いということも原因でしょう。つまり、この「ワンバウンドで急停止ショット」は、PGAツァーのトーナメントが開催されるような良質のゴルフ場で、高級なボールを使ってプレイ出来るゴルファーにだけ可能と云えるような気がしますが、僻(ひがみ)でしょうか?

【参考】
・「バックスピンは簡単」(tips_155.html)
・「スピンの完全理解」(tips_156.html)
・「バックスピンをかける」(tips_52.html)

(May 24, 2015)


先行捻転で飛ばす

先頃、「テクニック別索引」に「パワー」という項目を追加し、パワー(飛距離増)に関するtipsをまとめました。その作業の際、「ゴルフの最大の秘密」(tips_66.html)というtipが目にとまりました。2002年6月のこのtipの体験リポートに、私は「まだスウィート・スポットで打てず、どれもガツン!という当たりで並みの飛距離という感触でしたが、ボールの終点へ行ってみて驚きました。今日だけで三ホールぐらい自己新記録の飛距離が出たのです」と書いています。

このtipの「秘密」を簡単に云うと、インストラクターShawn Clement(ショーン・クレメント)が"pre-turn"(プレ・ターン)と呼ぶ“先行捻転”によって、レイト・アンコックに繋がる最大限のテコの作用を実現しようというアイデアです。クラブヘッドをスタンス中央にし、ボールはその少し前。胸骨・お臍・頭をクラブヘッドの後ろに位置させ、左膝は若干ボールと右膝の方向に寄せ、右腰も少し右へ廻しておく。この状態でアドレスを完了し、そこから本格的にスウィングを始めます。バックスウィング開始前にとっくに捻転が始まっているという寸法で、さしずめ合法的なフライングスタート。

[Moe]

Shawn Clementはカナダのインストラクターですから、超ストレート・ヒッターを意味する“パイプライン”と綽名されたカナダの伝説的異才Moe Norman(モー・ノーマン、1929〜2004)のスウィングからヒントを得たのでしょう。Moe Normanもクラブヘッドをスタンス後方で構えています(左の写真)。しかし、Moe Normanは膝・腰を先行捻転していませんし、ボール位置はスタンス前方であって、スタンス中央のクラブヘッドの前ではありません。Moe Normanのスウィングをメソッド化した'Natural Golf'(ナチュラル・ゴルフ)の教本にも「ドライヴァーの場合、クラブヘッドはボールの30センチ後方」とあります。ですから、Shawn ClementのアイデアとMoe Normanの共通点はスタンス後方に置かれたクラブヘッドの位置のみです。

2002年の上の私の記事は「まだ慣れない状態なので本格的なリポートは後日にします」と、尻切れトンボでした。13年経った今、やっと本格的リポートをお届け出来ることになりました(^-^)。

私は、以前に試したようにボール位置は通常通りスタンス前方とし、クラブヘッドだけスタンス中央にするのがいいと考えます。名人Moe Normanがそうしていたからというだけでなく、理論的根拠もあるのです。英国のインストラクターPercy Boomer(パーシィ・ブーマー、1885〜1949)は、その名著'On Learning Golf'(ゴルフの習得について、1946)で次のように述べています。「ボール位置がスウィング軌道の中心と考えてはいけない。ボールを通過した直後で最大のヘッド・スピードを達成しなくてはならない」…と。その場合の目標はインパクト後なのですが、先行捻転で合法的フライングスタートをすると、ヘッド・スピードを最大にすべき目標はボール位置そのものへと前倒しされるため、私にもインパクトゾーンでのスピード増が達成可能なのではないか。

クラブヘッドはスタンス中央でいいとして、問題はフェース角度です。Shawn Clementも'Natural Golf'も、クラブフェースは当然のごとくスクウェアに構えることとしています。'Natural Golf'のメソッドは下半身をほとんど捻転せず、終始ターゲットライン上でスウィングする方式なのでスクウェアでいいのかも知れませんが、オーソドックスに身体全体を捻転するスウィングではそうはいきません。スタンス中央でスクウェアなフェースは、スタンス前方では当然クローズになってしまいます。で、私は独自の変更を加えました。私のアドレスの手順は以下のようになります。

1) 普通にアドレスする。右肩を下げる。
2) 左膝・左腰・左肩を右に先行捻転。【腕に独立した動きはさせない】
3) 肩の動きにつれて動いたクラブヘッドをスタンス中央で止める。【アドレス完了】

スタンス中央でクラブフェースは、ターゲットラインに対しては僅かにオープンに見えるものの、スウィング弧に対してはスクウェアです。【←重要な考え方】バックスウィングでそのままトップまで捻転を継続し、ダウンスウィングで自然に逆転させれば、ボール位置でフェースはスクウェアに戻る筈です。そしてヘッド・スピードはそのボール位置で最大になることが期待されます。

ある日のラウンドで、私のこの方式を試してみました。No.1ではプッシュしてショート。No.2では真っ直ぐでしたが、芯を外していつもより短い距離。No.3(270ヤード)パー4は短いので強打者ならグリーンサイド・バンカー近くまで飛ばせるホール。ほんの少数ですが、バンカーに入れる人もいないではありません。私のいつもの残りヤーデージはギャップ・ウェッジの距離で、よく飛んだ場合でサンドウェッジの距離になります。

この日のこのホールのティー・ショット、いい当りでしたが右の松林すれすれに飛んだので、ラフに掴まって大幅ショートもあり得ました。行ってみると、私のボールは影も形もありません。チーム仲間も一緒に探してくれましたが、右サイドの草の中にも地面の凹みにもボールは見当たりません。ついに諦めかけた時、グリーンに他の三人のボールが乗っているのに、左のバンカーにボールが一個あるのを見つけました。私がティー・ショットをバンカーに入れるなんて考えられないので、誰一人バンカーを探そうなどと思わなかったのです(私自身さえも)。そして、それは私のボールでした。仲間たちは何も云いませんでしたが、多分私同様信じられない思いだったでしょう。バンカーからグリーン中央までは20ヤードほどなので、私のティー・ショットは250ヤード飛んだ計算になります。

味をしめた私は、それ以後ずっと先行捻転を実行しましたが、そのほとんどはプッシュでした。不思議でした。私の方式だとプルにはなってもプッシュにはならない筈なのに。

Shawn ClementのYouTubeヴィデオを探して見てみました。【https://www.youtube.com/watch?v=b6StntbwKSQ】2010年にアップロードされたこのヴィデオで彼は、ボール位置を左足の前方として単にクラブヘッドをスタンス中央にするアドレスを推奨しているだけで、先行捻転については触れておりません。私がそのままこのヴィデオの真似をすると、ボールは左へ向かって一直線。スタンス中央でスクウェアにセットしたクラブフェースは、ボールのある左足踵前方ではクローズになる筈ですから、これは当然の帰結です。

インパクト・シールを用いて確認したところ、私はトゥ寄りのインパクトをしていることが判りました。以前の私はヒール寄りで打つミスが多かったので、最近両腕を伸ばすアドレスによってヒール打ち回避を図っていました。インパクト・シールを用いて、その痕跡を頼りにボールに対しクラブフェースのどこを合わせてアドレスすればよいか調節しました。

その次のラウンドでも、私流の先行捻転を継続。練習不足もあって、必ずいいショットになるわけではなかったのですが、いい場合(パー3を除く14ホールでの成功率は約50%)はこれまでの私の平均飛距離より10〜20ヤード伸びました。「この手法を薦めるか?」と問われれば、「断固、お薦めする」と云い切ります。ただし、真っ直ぐ打てるようになるまで、練習が必要です。

練習する際、a) 2010年のShawn ClementのYouTubeヴィデオのように、ドライヴァーをスタンス中央でターゲットラインに対してスクウェアに構えるか、b) 私の方法のようにボール位置は左足踵の前方として、そこから身体を少し捻転してスタンス中央でターゲットラインに対してオープンフェースで構えるか、どちらを選択するか決断を迫られるでしょう。スウィートスポットで打てているかどうかを知るために、インパクト・シールによるチェックも必要でしょう。でないと、プッシュが出たりした場合、トゥで打っているのが原因なのか、他に原因があるのか解らないからです。

私は先行捻転で左膝・左腰・左肩を右に捩り、それにつれて後方に動いて(ターゲットラインに対し)自然にオープンになるクラブフェースが妥当だと思います。引き続き身体を捩ることによって後方に引かれたドライヴァーのフェースは、ボールにスクウェアに戻る筈です。うまく戻らないとすれば、それはタイミング(身体各部の動作の歩調)の問題だと思われます。飛距離を欲張ろうとするのでなく、身体の水平を保ったまま捻転・逆転することだけを考え、なおかつ“トップの間(ま)”を考慮するなどしてスウィングするといい結果が出るようです。

追記:そのまた次のラウンドで、パー3を除く14ホールでのティーショットの成功率(満足出来る距離と方向)は約71%となりました。なお、計測してみましたが、普通のスウィングでも先行捻転でも、私のスウィング・スピードに変化はありません。飛距離が伸びているのは、先行捻転によってインパクトでヘッド・スピードが最大になっているからに他ならないでしょう。だとすれば目論見通りにコトが運んだと云えそうです。

【参考】
・Moe Norman(モー・ノーマン)スウィングの分析 (https://www.youtube.com/watch?v=dzc2QLmd_MY)【10:41】
・「Natural Golf(ナチュラル・ゴルフ)」(tips_10.html)
・「Moe Norman(モー・ノーマン)の半生」(tips_85.html)

(May 27, 2015、補訂November 21, 2015)


Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)のFLWストローク

The Masters(マスターズ)2015の優勝者Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)は、レフトハンド・ローの構えでFLW(フラットな左手首)のストロークをします。

'Putt cross-handed'
by Jordan Spieth ('Golf Magazine,' January 2015)

「私は六年前にレフトハンド・ローのグリップを採用した。それは大きな変化をもたらした。ツァーにおける重要なパッティングのスタッツ七部門のうち四つのトップあるいは二位に食い込んだのだ。年配のツァー・プレイヤーたちは『過去に戻れるものなら、変えたいことが一つある、それは最初からレフトハンド・ローのパッティングを学ぶことだ』と云う。レフトハンド・ローの構えはアドレスからストロークまで、パター・フェースを容易にスクウェアに保たせてくれる。私のレフトハンド・ローによるパッティングには三つのステップがある。

・ステップ1

先ず右手だけで、掌がターゲットを向くようにパターを持つ。パターヘッドをボールの背後に置き、ターゲットラインに真っ直ぐ揃える。両足を体重が均等になるようにセットし、左手が低くなるようにグリップする。この時、左右の肩が水平になるように注意。見てくれる人がいなければ、鏡で確認すること。

・ステップ2

週一ゴルファーは、アドレス時とストロークの間に手・腕を緊張させ過ぎる。緊張は技術的に完璧な動作を(特に入れ頃・外し頃のパットで)ぎくしゃくした醜悪なものに変貌させてしまう。私はアドレスの静止状態からスムーズなストロークという動的状態へ移行するための、小さな動作を鍵として開発した。グリップ先端を僅かにターゲット方向に押し(=プレス)、そのすぐ後にバックストロークを開始する。こうすると、リラックスした感覚が得られ、スムーズに狙ったラインにボールを転がすことが出来る。

・ステップ3

私が唯一集中することは、私の左手首の甲を出来る限り最初から最後までフラットにし続けることだ。これはインパクト後もパターヘッドとボールをターゲットに真っ直ぐ動かし続けるために重要なことだ」

(June 93, 2015)


パターと左腕を一本にしてストロークする

「パットでもFLW」を実践していましたが、これは正直難しい。そもそもパットというのは① 方向(肩・手・腕の動き)と② 距離(打つ強さ)の二つをコントロールするという複雑な作業なのに、さらに③ 「左手首を固定する」という要素を加えるのは負担が大き過ぎるようです。三つの課題のうちどれかがおろそかになり易い。そして、手首が最も忘れられ易い。

[union]

Bernhard Langer(ベルンハード・ランガー)のthe Masters(マスターズ)優勝に貢献した、パター・ハンドルを左前腕部に押しつけて右手で一緒に握るグリップ(当サイトでの綽名は「脈拍チェック型グリップ」)は、左手首を完全に殺してしまうため、前述の課題の一つを減らすことが出来ます。私は過去に長期にわたって「脈拍チェック型グリップ」を実践し、その良さを熟知しています。「パットでもFLW」などと騒ぐよりも、「脈拍チェック型グリップ」に戻るべきではないかと考え直しました。

現在使用中の2Thumbハンドルは超幅広なので、これでハンドルと左前腕を一緒に握って「脈拍チェック型グリップ」をするなんてのは不可能です。しかし、折角40ドル近くも出して購入した2Thumbハンドルを捨て去るのは勿体ない。何とか、このままで「脈拍チェック型グリップ」もどきは出来ないものか?

やってみました。ハンドルを左前腕に密着させ続けられれば、左手首を殺せます。しかし、密着させ続けるのには大変な努力が必要で、ややもするとハンドルが浮いてしまい、そうなるとストロークの方向性は保証されなくなります。実際にワン・ラウンド試してみましたが、いい時もあるものの、ハンドルが浮いて左右にブレることも多い。「ハンドルを左前腕に密着させ続けよう!」と懸命になるのは、「パットでもFLW」を実行しようとする努力と同じで、やはり大きな負担です。

では、これは只の失敗談なのか?いえいえ、そうだったらこんな記事を読んで頂く意味はありません。ちゃんと解決策を見つけました。試行錯誤しているうちに、写真のように両方の人差し指の腹でシャフトを両脇からしっかり押さえると、自然に左前腕部がパター・ハンドルに密着することを発見したのです。「密着させ続けよう」などと努力する必要はなく、自然にそうなります。それでも不足なら右掌でハンドルを左前腕に押し付ければOK。

これを2Thumbハンドルを装着したパターだけに通用すると思わないで下さい。普通のハンドルが付いた他のパターで試しても同じようにいい効果が得られました。パッティングが不調の方は試してみる価値があると思います。

現在の私のストローク法を記しておきます。
1) 左前腕部の大部分をハンドルに接触させるため、レフトハンド・ローのスタイルをとる。
2) 左右の最後の二本指を(左手が下になるようにして)インターロックする。左右の人差し指は金属シャフトにかかる。
3) ボール位置はスタンスの前方にし、左腕・手とパターを真っ直ぐ伸ばす。【スタンス中央だと、ハンドルは左前腕から離れ易い】
4) 両方の人差し指の腹(指紋があるところ)で左右からしっかりシャフトを押さえ、グリップ全体を固める。【自然にパター・ハンドルが左前腕にぴったり密着する】
5) 右腕と右肘は硬直させず、フリーの状態にする。【右肘を身体にくっつけようとすると、ハンドルは左前腕から離れてしまう】
5) 「はみ出し禁止」(両肩を身体の前に出さない方式)のストロークをする。

左右の人差し指でシャフトを押さえるのにさしたる努力は要らず、左前腕をハンドルに密着させ続けようとする努力に較べればゼロに等しい。それなのに、左手首が折れないので完璧な方向性が得られます。ボールをしっかり打てるスウィートスポットの打感も感動ものです。

【参考】「ランガー・グリップ(必殺・手首封じ)」(tips_157.html)

(June 03, 2015)


Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)の万能tip [Johnny]

メイジャー二つを含め生涯35勝を挙げたJohnny Miller(ジョニイ・ミラー)は、現在NBCのゴルフ中継の解説者をつとめています。

'My very best swing tip—ever'
by Johnny Miller ('Golf Magazine,' July 2014)

「うまく打てなくてもゴルフは楽しいが、ミスを恐れることなく毎回完璧な場所にボールを打てるようになるスリルを想像してほしい。あなたのスウィングに少なからず欠点があるとしても、私はたった一つの簡単なtipでそれら全てを解決して御覧に入れよう。私はいくつものtipを蓄えているが、これから紹介するのはそのリストのトップ近くに位置するものだ。私自身、自分のスウィングに問題が出て来たら、このtipで修復することにしている。

要はアイアンによるショットで、左肩の位置によってボールを第一に、第二に地面を捉えるということに尽きる。手順、以下の通り。

1) 通常のアドレスをする。左肩の位置を記憶し、それを心の目に焼き付ける。

2) バックスウィングをする。あなたのターンの大きい小さい、腕のスウィングの広い狭いに関係なく、左肩はセットアップ・ポジションから動く筈で、これは全く問題ない。理想的には左肩は顎の下へと向うべきだが、これも重要というわけではない。

3) ここが最も重要なポイント。ダウンスウィングしながら、左肩をアドレス時の位置に戻すことに集中する。どういう方法でも構わない。ただ実行せよ。

インパクトで左肩をアドレス時の位置に戻せば、二つのことを達成出来る。第一に、それはボールとのクリーンなコンタクトを実現し、ボールを地面とクラブフェースとの間で押しつぶすことが出来る。第二に、それはスライスやフックの元凶となる身体を後方に留めたインパクトを防止出来る」

[icon]

'One Move'(ワン・ムーヴ)は、テイクウェイとバックスウィングを左肩で始動すれば手打ちを防げるという妙薬です。それによってスウィングの最初に左肩に意識を集中していれば、ダウンスウィングで左肩を元の場所に戻すのは難しくはありません。こうなると、スウィングの間に意識すべきは左肩だけということになりそうです。

【参照】「'One Move'(ワン・ムーヴ)」(tips_4.html)

(June 07, 2015)


クラブを手と腕で上げるな!

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)によるテイクアウェイ(バックスウィングの最初の段階)についての講義。

[Lesson Tee]

'Jack Nicklaus' Lesson Tee'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (Golf Digest/Tennis Inc., 1977)

「私の飛距離はテコの作用によるものだ。私のテコはバックスウィング時の身体の大きな回転によって作られる。多くの一般ゴルファーの飛距離不足の原因は、身体の回転ではなく手と腕でクラブを持ち上げることにある。それは怠惰なバックスウィングであり、容認出来ないショットに繋がる。他の一般ゴルファーは、身体の数ヶ所は廻すものの、必要とされる捩れを生む方向と順序を間違える。彼らはバネの先端がパチン!という反発力を生み出せない。

バックスウィングの第一段階は、常にスウィングの後半をプログラミングする。以下は私のテイクアウェイの重要な要素のリストである。

1) 私は手首を折ることなく、ボールからストレートにクラブを引く。肩と腰の限界まで廻すことによって可能な限り広いスウィング弧を得ることが出来る。

2) 私は可能な限りクラブフェースをターゲットラインにスクウェアに保とうとする。絶対に手と手首を意図的にライン上で廻そうなどとはしない。

3) 私は左腕とクラブを、スウィングの勢いが自然にコックを生むまで、真っ直ぐに保とうとする。

不幸にも、多くのゴルファーがフルスウィングのトップで手を緩めるような最悪の道を歩む。これは大体において、バックスウィングで肩を廻す代わりに手と腕でクラブを満ち上げるような怠惰な身体の動きが原因である。別の原因は、あまりにも速過ぎるバックスウィングで、ぐいっと急速にクラブを引っ張るために、トップで指がコントロール不能に陥ることだ」

[icon]

私にも苦い経験があります。泥沼に陥ってふと気がつくと、身体を捻転せず、手と腕でクラブを上げて捻転したフリをしていました。左肩が顎に到達しないのがその証拠でした。これでは距離も出ず、方向も「球に聞いてくれ!」という状態になります。ゴルフをするのなら、捻転は必須で、ターゲットに背中を向けなくてはなりません。「身体が固くて…」という場合は、右爪先を右に開けば身体の回転を助けることが出来ます。怠け者はゴルフする資格がないと思わなくては。

(June 14, 2015)


真っ直ぐな左腕の効用

筆者Stewart Maiden(スチュアート・メイデン、英国生まれ)はBobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の師匠。

'The Most Common Faults'
by Stewart Maiden ('The American Golfer Magazine,' 1922)

「左腕を真っ直ぐにし続ければオーヴァー・スウィングを防止出来る、特にアイアン、さらに特にロフトの多いアイアンにおいて。

真っ直ぐな左腕だと、プレイヤーはクラブを遠くまで届かせられない。手を頭より高く上げれば別だが、そんなことをする人はいないだろう。真っ直ぐな左腕は正しい手首のコックを促す(積極的にではなく、少なくとも消極的に)。

多分それが正しい手首の動作を助けてくれると云ってよいだろう。救い難く全く無益な曲がった左腕に由来するバラツキのある手首の動作に較べれば…」

(June 14, 2015)


'One Move'(ワン・ムーヴ)は地球を救う

ボール無しで、芝の中に生えている小さな雑草をボール代わりに抉り取りながら「FLW(フラット・レフト・リスト)」の練習(tips_155.html)をしていました。しかし、FLWどころか雑草の手前を抉ることが多く、ターゲットである雑草をちゃんと抉り取れませんでした。背骨を中心に捻転している筈なので、スウェイが原因ではありません。「おれってこんなに下手くそだったのか?」と唖然としました。

試みにゆっくりスローモーションでスウィングしてみました。自分が手・腕のリードでバックスウィングしていることを自覚しました。そこで'One Move'(ワン・ムーヴ)という本の骨子である「左肩でテイクアウェイを開始する」を思い出し、腕・手のことは一切忘れて左肩だけでバックスウィングを開始してみました。ピンポーン!正確に雑草を抉り取ることが出来るようになりました。

[One Move]

'One Move'というのはインストラクターCarl Lohren(カール・ローレン)が1975年に出版した本のタイトルです。私はこの本を町の図書館で見つけて1998年に初めて読み、直後に当サイトでも紹介しました。詳しくは「'One Move'(ワン・ムーヴ)」という記事を読んで頂きたいと思いますが、書名の'One Move'というのは、著者が優れたゴルファーの共通項として発見したという《左肩からテイクアウェイをスタートする》という「たった一つの動き」を指し、全123ページの本はその「一つの動き」だけについて書かれているという珍しい本です。

'One Move'で開始するバックスウィングは正確そのもののスウィングを生みます。左肩主体の動きですから、左腕は曲がらず伸びたままのスウィングが出来、手を持ち上げるだけの誤摩化しのトップではなく、左肩が行ける限度までの捻転になります。背骨を回転軸として捻転すれば、スウェイも起りません。腕・手の動きを封じるため、コックも控え目になります。「じゃ、飛距離が減るじゃないか!」と拒否反応が当然出ると思われますが、然に非ず。スウィートスポットで打てるようになるので以前に増して飛ぶことはあっても、減ることはありません。

捻転するのではなく、腕・手でクラブを引っ張り上げるのは手打ちの土台を作るようなものです。その動きの最中に、手首は我が物顔で自由に振る舞って方向性を台無しにします。正しい方法は、左肩の'One Move'で捻転を開始し、捻転の限界に達したらダウンスウィングに移ることです。この単純なコンセプトで、私のスウィングはより正確度を増し始めました。

【参考】
・「'One Move'(ワン・ムーヴ)」(tips_4.html)
・「'One Move'(ワン・ムーヴ)修士課程」(tips_65.html)

(June 14, 2015)


70センチのパットを絶対入れる!

あなた、いま「なにい?70センチのパットだって?フン!」と鼻で笑いましたね?しかし、あなたが生まれてこの方一度も70センチのパットを外したことがないとは云わせませんよ。一度や二度はある筈です。思い出したくもない恥ずべき体験なので記憶から消し去っているだけで、あなたの脳にノートン・ディスクドクターをかければ、実はもっとぞろぞろ出て来るかも知れない。

なぜ70センチか?私の手持ちのパター・ハンドルの平均の長さは60センチです。つまり、60センチ以内なら"inside the leather" (インサイド・ザ・レザー=ギミー=OK)なのですが、カップまで70センチだと嫌でもパットしなくてはならない。過去にあなたがこの距離をへろへろ球で外した時、あなたは笑って恥辱を誤摩化した。あなたの仲間も、心の内では「バーカ!」とあなたを罵りつつも、よく考えれば自分にも苦い経験があるので黙ってあなたを許した。それほど、このOKのちょっと外の距離は、一見簡単にモノに出来そうで実はしたたかな悪女のように扱いにくく、ゴルファーの心に深い傷を負わせるものなのです。

で、その70センチを絶対成功させる法。これは、Theodore P. Jorgensen(セオドー・P・ジョーゲンセン)なる物理学の博士の本からヒントを頂いた方法です。

[nail]

1) 70センチといえど絶対に入れたいのであるからして、短いと馬鹿にせず当サイトの「パターを照準器として精密にラインを狙う方法」をちゃんと用いて、精密に狙う。その際、短い距離なのでボール後方にパター・ヘッドを置き、シャフトを立てて狙うことが出来る(楽ちん)。この距離の場合、ブレイクがあったとしてもカップの外ではなく、「左縁の内側」とか「右縁の内側」を狙う。

2) いったんいつものアドレスをするが、その後パター・ヘッドをボールから真っ直ぐ後ろに約10センチ遠ざける。これが本格的アドレス。

3) バック・ストロークは無しで、その10センチ後方からターゲットに向かってストロークする。ボールの真ん中をしっかり打つこと(左図の釘を打つように)。しっかり打たないと、地面の凸凹によって軌道を曲げられてしまう。へろへろは不可。

【解説】人間の手や手首は小器用に動けることがメリットですが、ロボットのような正確な動作をさせようとするとそれは逆にデメリットになります。手や手首の自由度が高過ぎるのです。ですから、われわれが正確さを求める場合、動作は少なければ少ないほどよい。バックストロークなどしない方がいいのです。

しかし、ゴルフ規則14-1に「ボールはクラブヘッドで正しく打たなければならず、押し出したり、掻き寄せたり、すくい上げてはならない」となっているため、バックストロークを省略することは出来ません。されど、ルールブックにどんな風にバックストロークすべきかという規定はないので、最低限のバックストロークとして上のように10センチでもボールから遠ざけさえすれば、「掻き寄せた」という誹りは免れ、ルール違反とはなりません。最少限の動作によるストロークが可能になるわけです。

これは「沈めればイーグル」、「入れば80切り」、「入れればパー・プレイ」など、心臓がどっきんどっきんする重要な場面での助け舟となってくれることでしょう。

【参考】「物理学者によるショート・パットの秘訣」(tips_76.html)

(June 17, 2015)


グリップでチップの軌道を制御する

名手Tom Watson(トム・ワトスン)の、ボールの高さを簡単にコントロールする方法。

'How to handle your chips'
by Tom Watson with Nick Seitz ('Golf Digest,' June 2015)

「チップ・ショットの軌道を簡単にコントロールするには、アドレスで左手のグリップを調節することだ。

・高い軌道

 ボールを高く上げたい場合、私は左手の親指をハンドルの上に真っ直ぐ伸ばしてウィークにする。ボール位置をスタンス中央のやや左にし、それがロフトを増やすことを助けてくれる。

・低い軌道

 低く転がるチップをする場合、私は左手親指を右に廻し(見下ろすと三つのナックルが見えるくらい)ストロングにする。ボール位置はスタンス中央。これらがロフトを減らす役目を果たす。

この手法のいいところは、どの軌道を望むにせよ、スウィングを変えなくて済むことだ。少しの練習で、これらの調節が簡単至極であることを実感するだろう」

[icon]

やってみました。確かにボールの軌道が変わります。私の20ヤード以下のチッピングは低い軌道を使うので、常時ストロング・グリップを採用するのがいいのかも知れません。

(June 21, 2015)


目線でチップの軌道を制御する

私は「ピッチングとチッピングの距離調節」(tips_155.html)で紹介したように、60°ウェッジのシャフトの長さとバックスウィングの高さで距離を調節しています。10ヤード〜20ヤードまでは低い転がし、それ以上は高く上げるのが原則です。ところが、同じように打っているつもりでも、時たま、本来低めに出るべきボールが少し高く上がることがあり、その結果ショートして愕然とさせられます。で、10ヤード〜20ヤードでは絶対に低いフォロースルーをするべく意識的に努力しています。

The Golf Channel(ザ・ゴルフ・チャネル)の'School of Golf'(ゴルフの学校)の校長Martin Hall(マーティン・ホール)による「チップする時、左右どちらの目でボールを見るべきか?」(tips_141.html)というtipをたまたま再読しました。

彼は「チッピングの際に頭を傾げ、右目を左目より地面に近づけていると、体重は自然に右足にかかり、右肩を格段に低くする。これはドライヴァーではいい姿勢だが、グリーン周りのチップ・ショットで地面より先にボールを打つという繊細な動作をするには相応しくない」と云っています。

彼の趣旨はトップやダフりへの警告なのですが、私はこれを自分の短いチップ・ショットで生じる予期せぬ軌道の原因の説明として読みました。アイアンの多くのショットは左足に多めの体重をかけて打つものですが、高い木を飛び越えるショットを放つ時にはアドレスからフィニッシュまで右足体重のままにします。私の予期せず高く上がってしまうチップは、右目を地面に近く傾斜させ右肩を下げたアドレスによって生じたに違いありません。こんなカラクリがあったんですね。

この目線による軌道の変化は、次のように応用出来ます。10〜20ヤードを私の「ピッチングとチッピングの距離調節」方式で寄せると、多少転がり過ぎが心配される場合があります。こういう時には右目を下げ、フォローをや高めにすることでボールの軌道を少し上げるのです。ランが減ります。

(June 21, 2015)


フィニッシュの研究(加速を続けよ、どこまでも)

女性インストラクターJane Horn(ジェイン・ホーン)は、「よいスウィングをすれば、結果としてよいフィニッシュが迎えられる。フィニッシュだけいい格好しようと取り繕うのは駄目」と主張します。

'Power Golf for Women'
by Jane Horn (Citadel Press, 1999, $16.95)

[Wie]

「よいフィニッシュ(フォロースルー)は良いスウィングの結果である。正しいフィニッシュを真似ようとしても常に失敗する。フィニッシュは自然に生じるものだからだ。

フィニッシュは、ダウンスウィングで何が起ったかをわれわれに教えてくれる。例えば、手首と手の位置はクラブのダウンスウィングの軌道と、手打ちをしなかったかどうかを示す。体重の配分によって、バックスウィングあるいはダウンスウィングで何か問題がなかったかどうかも確認出来る。もう一つの尺度はパワー・センター【註】である。パワー・センターの終了位置によって、ボールが向かった方向とクラブのダウンスウィング軌道を読み取れる。かように、フィニッシュはスウィングの間に何が起ったかのよい指標なのである。

【編註】著者Jane Hornは「鎖骨から下の胸の部分がゴルフ・スウィングの原動力であり、この部分をパワー・センターと呼ぶ」と云っています。

よいダウンスウィングではクラブが加速されねばならない。ゴルフ・スウィングで加速が失われるとしたら、それはほぼ常に手打ち(トップから急いでコックを解いて振り下ろすミス)の結果である。ゆえに、フィニッシュはスウィングの間中加速し続けた結果でなくてはならない。よいフィニッシュの見本(あるいは、あなた好みのプロのフィニッシュ)を真似ようとする試みは、スウィング動作の結果ではなく目論まれた動作となるため、必ず減速してしまう(=パワー・ロス)。目的は、誰かのフィニッシュの模倣ではなく、ダウンスウィング動作を助けるものでなくてはならない。

スウィングの間、アドレスで作った背骨の角度を維持することはとても重要だ。あなたがポスチャーを崩してもよい時点は、唯一ボールを放ち終え、フィニッシュ体勢でボールの行方を見守る時である。このポスチャーの考え方は、特にフォロースルーで大切だ。フォロースルーとインパクト・エリアはナノ秒(10億分の1秒)で隔てられているだけなので、フォロースルーでポスチャーを崩せば、その動きはインパクト・エリアで始まっている可能性が高いからだ。

両腕が身体からフルに伸ばされた後、手首が先ず折られねばならない。これはポスチャーを維持するために不可欠なことである。いったん、両腕が一杯に伸ばされ、体重が左サイドに完全に引かれたら、クラブは(バックスウィングがそうであったように)上方へと動くべきである。両方の手首は先ず、身体に戻るクラブの最初のショックを取り去る。手首が折れた後、両腕は肘から折れ始める。

初心者のフォロースルーにおける一般的なミスは、腕と手首を折るのが遅いというものだ。その場合、身体はポスチャーを崩し、両手は高く宙に上げられる。その結果はコントロール失敗であり、この失敗に付随してクラブがゴルファーの肩を引っぱたくフィニッシュとなる。これは一見パワフルな感じだろうが、実はそうではない。

次の実験を試してほしい。右手だけでクラブを持ち、バックスウィング、そしてフォロースルーへと進み、バックスウィングでしたように手首をコックする。ポスチャーを維持するのがいかに容易であるか感じ取って欲しい。次に、同じことをするのだが、今度は手首にコックを許さず、肘から折るだけにする。腕が宙に引っ張られ、右肩が顎に触れるくらい上がるのに気づくだろう。この動きがフォロースルーであなたのポスチャーを壊す犯人である。

あなたは『ボールを打った後のことなんか、どうだっていいんじゃないの?』と云うかも知れない。それは一面では間違いではない。しかしながら、あなたの身体がある種のフィニッシュを予期していれば、身体はそのフィニッシュを完遂すべくダウンスウィングを調整する。適切でないフィニッシュ(ダウンスウィングの加速を妨害するようなフィニッシュ)は、加速どころか、スウィングを減速させてしまう。一つの例を挙げれば、フォロースルーで手首と腕を折るのが遅れる場合だ。腕が折られるのでなく真っ直ぐ伸ばされたままのフィニッシュを潜在意識が予期しているとすれば、潜在意識はクラブを身体に向かって戻す動きのためスウィングの減速を強制する。だが、もし潜在意識が手首は折られるものだと知っていれば、フォロースルーでも加速を継続することが出来る。インパクトで身体にポスチャーを崩すことを強制するダウンスウィングの動きは、全て減速の原因となる。ボールを打った後、腕は精一杯伸ばされ、体重は完全に左足に移らねばならない。その時、あなたの背骨は真っ直ぐになるが、肩はある程度同じ傾斜のまま留まるべきである。

フィニッシュの高さはバックスウィングの高さと同じになる。アップライトなバックスウィングならフィニッシュもアップライト、バックスウィングがフラットならフィニッシュもフラット。バックスウィングを変えずにフィニッシュの高さを変えようとすべきではない。

フィニッシュでパワー・センターがターゲットのかなり左を向いているとすれば、バックスウィングで肩が回転不足だったか、過度にアウトサイド・インの軌道によってプルを生じたか…等、様々な問題が考えられる。パワー・センターがターゲットの右を向いたフィニッシュは、過度にインサイド・アウトのスウィング軌道によるプッシュが相場である。目をボールに釘付けにしようとすると、パワー・センターが回転を止めてしまい、インパクトで腕と手が鞭のように動き、それはクラブフェースをシャットにし、多くの場合スナップ・フック【註】を生ずる。

【編註】「スナップ・フック」は予期せぬほど急角度に左へ曲がるフックで、林やOBに飛び込んでしまって大惨事となる醜悪なもの。

フィニッシュは体重移動のミスも示す。特にドライヴァーを使った後、あなたが後方に反っくり返ったら、それはリヴァース・ピヴォットと呼ばれるミスである。バックスウィングのトップで体重が左に残っていると、フォロースルーにかけて右以外に動く方向がないので、否応なく反っくり返る結果となってしまう。こうなる原因は、バックスウィングで肩の回転が正しくなかった(あまりにも急角度だった)というようなことが考えられる。

われわれは身体に正しいフォロースルー(フィニッシュ)の動きを教えねばならない。それがクラブヘッドの加速を確かなものとする」

【参考】
・「Harvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)の フィニッシュから始めよ」(tips_33.html)
・「終わりよければ全てよし」(tips_82.html)
・「完璧なフィニッシュを作れ」(tips_109.html)

(June 24, 2015)


スライス病棟の人へ

インストラクターMike McGetrick(マイク・マゲトリック) が処方する、どうあがいてもスライスが治らない人への対症療法。

'The Scrambler's Dozen'
by Mike McGetrick with Tom Ferrell (HarperResource, 2000, $25.00)

「あなたが上級ゴルファーでなければ、スライスをコントロール出来ない日々もあることだろう。もっと穏やかでコントロール可能なフェードを生む基本について研究を続けて貰いたいが、不完全なラウンドの最中でもボールの動きをあなたのゲームに取り入れる方法がないではない。

1. ボールの左から右への飛行を許容出来るように、ターゲットの左に身体を揃える。長く、ロフトの少ないクラブほど左から右へのサイドスピンを生むということを覚えておくこと。それを勘案してアライメントを調整する。

2. ティー・グラウンド全体を使う。ティー・グラウンドの右サイドぎりぎりにティーアップすれば、フェアウェイ左側を目一杯使えることになり、あなたの自然なボール軌道を許してくれる。

3. オフセット・クラブを考慮せよ。クラブヘッドが僅かにシャフトの後方に配置されたオフセット・クラブは、両手をボールに先行させてくれ、クラブフェースがスクウェアになる間(ま)を与えてくれる。

4. 2ピース・ボールを使う。これはバックスピンが少ないだけでなく、サイドスピンも少ない」

【参考】
・「スライス撲滅の超簡単Tip」(tips_49.html)
・「Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の フェードとドローを学べ」(tips_157.html)

(June 24, 2015)


コック再履修

私のゴルフ仲間であり私のグールーでもあるJack Rushing(ジャック・ラッシング)が、「もっとコックせよ。シニアにはコックが不可欠だ。あんたは(ヒッターではなく)スウィンガーだから、特にコックが必要だ」と云いました。それは、控え目なスウィングをするSteve Stricker(スティーヴ・ストリッカー)に倣って、ほぼノーコックに近かった私のスウィングに関する腹蔵のない指摘でした。

私がコックを恐れていたのは、意識的にコックしようとすると、ともすれば手首を凸型に折ってしまい、クローズ・フェースによってプルを発生させるからでした。もちろん、それはコックというものではありません。コックはクラブを左手の親指側に縦に折るものであって、左右に折るものではないからです。多発するプルを避けるため、テイクアウェイの段階でコックを早期に済ませてしまう「Joe Danteのマジック・コック」(tips_35.html)を長い間採用していました。これだとプルは出ず正確無比なのですが、欠点は飛距離が期待出来ないこと。「(飛ばなくなった)シニアにコックは不可欠」と云われれば恐れてばかりもいられません。私はコックの研究を開始しました。

鏡の前で練習してみましたが、私のコックの度合いはちっとも増えません。私はオーヴァースウィングを防止するため、左親指を縮めるショートサムでグリップしていました。「ショートサムでなくて、ロングサムにするのか!」と気づきました。左親指を伸ばせば、当然コックの度合いは増します。「しかし、安易にロングサムにしていいものだろうか?」

「体型別スウィング」(tips_54.html)で紹介した本'The LAWs of the Golf Swing'を再読してみました。私はこの本の分類では「テコ型」の体型に入るのですが、このタイプのゴルファーがすべきグリップは次のように説明されています。

 「ハンドルの真上に"heel pad"(ヒールパッド、生命線の下の膨らみ)が来るように握りなさい。その"heel pad"がクラブを包み込むことを助け、意識的にきつく握る努力から解放してくれる。初級・中級のゴルファーが地面に置いたクラブを握ると、掌の上方【編註:生命線の上】で過度に斜めに握るミスを犯し易い。

 "heel pad"の下で握れば、手首にスウィングの間じゅう正しくコック出来る自由度を与えることが出来る。手首のセットを推進するため、左親指を中程度のロングサムにするように。正しい親指の長さにするため、胸の前で腕を突き出してグリップし、ハンドルの周りで左手を締めてみる。その時、左親指がハンドルの真上からほんの少し右へ傾ぐのに気づく筈で、その状態の手首がクラブフェースをスクウェアにする(ハンドルに刻まれている親指のマークは無視しなさい)。この位置は重要なポイントだ。なぜなら、インパクトで遠心力が両腕を真っ直ぐにする時、手首の関節、肘の関節、肩の関節なども一線に揃えるからである」


最大限コックしたい人はロングサム、オーヴァー・スウィングを防止したい人はショートサム、テコ型体型の私は“中程度”のロングサムにすべきなのでした。それが適切な量のコックを促す引き金のようです。

David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)も、下の写真のように"heel pad"でハンドルを押さえるグリップを推奨しています。よく調べると、Jimmy Ballard(ジミィ・バラード)も「クラブは人差し指の第一関節から生命線の下方の膨らみでクラブを押さえる」と云っていますし、Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)も著書'Golf My Way'の中で"heel pad"でハンドルを押さえているグリップの図を示し、インストラクターHank Haney(ハンク・ヘイニィ)も同様でした。左手の"heel pad"でハンドルを押さえるのが、正しくコックする大前提のようです。

[heel pad]

インストラクターで多数の本の著者Dr. T.J. Tomasi(T.J.トマシ博士)は'It's Good for Your Game'(2003)という本の中で、「3インチ(約8センチ)のコックは、3フィート(約91センチ)のクラブヘッドの弧を生み出す」と述べています。たかがコック、されどコック!コック一つで1メートル近く弧が延長出来るとは。これはスウィング・スピード(=飛距離)に大きく影響します。私は長年、多大の損失を続けて来たことになります。

Steve StrickerのYouTubeヴィデオを点検してみました。アイアンと違い、ドライヴァーでは充分にコックしているのが解ります。彼のドライヴァーのトップの角度は、地面と平行になる一歩手前(10〜15°上)です。スローモーションの映像を見ると、バックスウィングで両手が胸部に達する辺りからコックを始め、両手が肩を過ぎるまでには90°のコックが完成しています。【下の記事「コックするタイミング」参照】

インストラクターMichael Breed(マイケル・ブリード)がThe Golf Channel(ゴルフ・チャネル)の番組で、「Steve Strickerは両手が地面と平行になる時点まで右手を伸ばしている」と指摘していました。当サイトの過去の記事「右手を伸ばしてスウィングせよ」に書いたように、それを真似てみたら意外にも飛距離が増しました(2014年10月)。ですから、どうせやるなら、右手を伸ばすバックスウィングから、コック完了まで全てSteve Stricker流でやってみようと思いました。

しばらく練習すると、Steve Stricker流がなんとか真似出来るようになって来ました。コックによる過去の弊害の恐怖のせいで、ついスウィングを急ぎたくなりますが、その衝動をぐっと堪えて、ゆっくり振るといいようです。何せ、私はスウィンガーなのですし。

刻苦(コック)勉励の成果をラウンドで試しました。私が最長不倒距離を測っているあるパー5で、私のこれまでの記録より20ヤード遠くへ飛びました。もちろん、これは瞬間風速に過ぎませんが、これを平均飛距離に出来れば…と願っています。《ゴルフはパワーゲームではない》のですが、コックは基本の一つなので飛距離を欲張っているとは云えません。欠けていたものを補うに過ぎないのです。「ある時払いの催促無し」だった貸付金をやっと回収し始めた感じと云えばいいでしょうか。

【参考】
・「Steve Strickerのドライヴァー・ショット」 https://www.youtube.com/watch?v=gOBVh7fzyZo【YouTubeヴィデオ】
・「右手を伸ばしてスウィングせよ」(tips_155.html)

(June 28, 2015)


コックするタイミング

女性インストラクターSandy LaBauve(サンディ・ラボウヴ)の本のコックに関する部分を読んでみました。彼女は祖父・父親(Jack Lumpkin)・兄・姉・叔母など皆がレッスン・プロという一家に育ち、夫のMichael LaBauve(マイケル・ラボウヴ)もインストラクターです。

'Shave 10 Strokes in 12 Days'
by Sandy LaBauve and George Kehoe (Berkley Publishing, 1994, $9.95)

「スウィングの成功の可否は、腕・手・クラブが身体の周りを円運動する動きと、上下する動きの二つを正しくブレンド出来るかどうかにかかっている。

鍵は、スウィング動作における腕の動きの伸張である。腕を伸ばすことによって、円運動の巾を作り出す。あなたは、腕を伸ばしながら"up and around"(上方へ、そして周回する)スウィングを行う。"turn and extend"(回転し伸張する)、"turn and extend"と考える。

もし、スィングの間中腕が折られっ放しだと、スウィング弧を非常に小さくし、スウィング弧が小さいと飛距離が短くなる。広いスウィング弧が飛距離を生む。だが、腕を伸ばそうと強ばらせてはいけない。緊張した腕は早く動けない。腕が多少折れても構わないから、出来る範囲内で精一杯スウィング弧を伸ばすように。

スウィングのどの時点でコックすべきか?その決まりはないのだが、私のお勧めはバックスウィング突入後約90センチで始め、バックスウィングの3/4が完了するまでにコックを終える…というものだ。【註】その際、肩を廻し、腕を伸ばすことを忘れないように。あまりにも早期にコックすると、クラブの持ち上げも早くなり、スライスと飛距離減に繋がる急角度の上下運動を生むことなる。また、コックのタイミングが遅いと、ダウンスウィングの早期にアンコックしてしまう(=手打ちになる)恐れがある。

【編註】インストラクターDr. T.J. Tomasi(T.J.トマシ博士)は'It's Good for Your Game'(2003)という本で、「コックは、意図しなくてもスウィングの勢いによって形成されるものだが、自然にコックが生じない人は、クラブ・シャフトが地面と平行になった時点から、左腕とクラブ・シャフトの角度(通例90°)を作るトレーニングをすべきである」と述べています。

ここで大事なのは、バックスウィングで肩を廻し両腕を伸ばしながら手首をコックすることだ。その後、コックを保ち続けながらフォワード・スウィングを始めると、あなたはクラブを投げるのではなく引っ張る感覚を得る筈だ。『引っ張る』という言葉の意味は、ボールに向かって先ずクラブのグリップ・エンドを引っ張り下ろすことであり、『投げる』というのは最初にクラブヘッドをうっちゃる(=コックを解いてトップから打ちに行く)ことである」

【参考】
・「コックの全て」(tips_109.html)
・「開眼・自然にコックする」(tips_175.html)

(June 28, 2015、追補April 21, 2016、再増補December 18, 2016)


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