Golf Tips Vol. 149

コイルとは何ぞや?

インストラクターDr. T.J. Tomasi(T.J.トマシ博士)の下記の著書に、ゴルフの基本ではありながら見逃されている、あるいは一般によく理解されていない部分にスポットライトを当てた明解な説明があります。今回は「コイル(捻転)」について。

'It's Good for Your Game'
by Dr. T.J. Tomasi (Andrew McMeel Publishing, 2003, $12.95)

「腰があなたのスウィングにパワーを与えるものであることに疑問の余地はなく、腰の回転の正しい量を得ることは重要である。だが私は、パワーの生成は単に腰の回転の問題だけでなく、どちらかと云えば胸と肩をどれだけ回転させるかと関連させて腰を回転させるべきだと主張したい。異なるのは『コイル』と呼ばれるもので、単なる回転よりも遥かに重要なものだ。

正しくコイルするには、あなたの身体の一部を、トルク(ねじりモーメント)を生むため身体の他の部分に抵抗してセットしなくてはならない。バックスウィングで背中の大きな集合体である筋肉・骨盤・太腿をストレッチしながら、肩を腰よりももっと廻すと、それがインパクト・ゾーンでのクラブヘッド・スピードに繋がる。

腰と肩を同じ量回転させたのでは、絶対に抵抗が得られない。《どんなコイルにも回転はあるが、どの回転にもコイルがあるわけではない》。多分あなたは『肩は90°、腰は45°廻すのが正しい』という理論を聞いたことがあるだろうが、その数値はあなたの体つきによって異なるべきものだ。あなたの身体があまり柔軟でなく、肩を80°しか廻せなければ、腰は40°廻すようにすべきだ。あなたが肩を100°廻せるなら、腰を50°か、それが負担ならやや少なめに廻す。

実のところ、純粋な90°の肩のターンなどというものは存在しない。なぜなら、大方の人間は背骨(=肩)をたった35〜40°しか廻せないのだから。残りの回転は(この場合、45°)は腰の回転におんぶしているのだ」

(May 06, 2013)


タイミングとは何ぞや?

女性インストラクター兼ゴルフ・スクールの経営者であり、何冊かのゴルフ・インストラクション本も著しているJane Hone(ジェイン・ホーン)は、スウィングの基本原理を快刀乱麻を断つように解剖し、明解に解説してくれます。並みの男性インストラクターよりもずっと理論的で、しかも説得力があります。

[Horn]

'Power Golf for Women'
by Jane Horn (Citadel Press, 1999, $16.95)

「ゴルフ・スウィングにおけるタイミングは、内燃機関(エンジン)を作動するピストンにどこか類似している。それは別々の連鎖的動きなのだが、一緒に合わさるとスムーズで まとまったアクションを構成する。ゴルフ・スウィングのタイミングは、クラブを振ることに関連した身体の動きとして言及される。

ゴルファーのタイミングが機能していると、身体はクラブを最も効率よく、そして可能な限り生産的な方法でスウィングを遂行する。タイミングがズレると、身体はどこかが故障しているように感じ、エネルギーの産出量が減る。ゴルフ・スウィングのタイミングは簡単に損なわれてしまうものだ。ダウンスウィング時のごく僅かに早過ぎるような腰の動きのように簡単な何かが、連続して起る出来事を崩壊させることが可能であり、その結果はミス・ヒットとなる。反対に、タイミングが良ければ、欠点だらけのスウィングをいいショットに変えることが出来る。

【編註】Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)は「タイミングは個々の動きが一緒に流れる状態である」と云っています。ゴルフ・スウィングには肩・手・手首・腰・膝・足など、様々な部分が関与するわけですが、それぞれが個々に完璧に業務を遂行したとしても、一連のスウィング動作の中で全部が流れるように連鎖反応を起こさなければいけないということです。私は、身体各部はオーケストラの楽器の各部門であり、タイミングは指揮者の指揮棒だと考えます。演奏家たち個々はウィーン・フィル級の名人揃いであっても、指揮者なしでテンデンバラバラの合奏では名演奏たり得ません。また地方の無名に等しい交響楽団であっても、バーンスタインや小沢征爾が指揮すれば目を見張るような演奏を展開出来ます。《タイミング良ければ七難隠す》と云っても過言ではないでしょう。

エンジンの比喩を続ければ、ピストン群が一致して働き続けるためにきわめて重要な瞬間は、バックスウィングのトップである。もし、ピストン群の一つが点火不良を起こしたらどうであろうか?その点火不良が、ダウンスウィングを開始する腰の動きであったと仮定しよう。普段は身体の他の部分でダウンスウィングを始動しているゴルファーにとって、腰での開始はピストンの点火不良に相当する。【参照:編註】この腰によるダウンスウィングの急発進は、上体よりかなり早い下半身の動きを生じ、これはゴルフ・スウィングのドミノ効果を作り出す。即ち、一つの動きが次の動きに影響し、それがまた次へ…と連鎖するのだ。腰の動きがあまりにも早ければ、腕はクラブフェースをボールにスクウェアに戻すほど早く動かせない。その結果は潜在意識の努力で、急いでクラブヘッドをボールに投げ出すようにして送り届けようという動きとなる。クラブを投げ出すような動きをする場合、ゴルファーは通常の体勢から伸び上がってしまう。そうでないと、クラブヘッドは地面でつっかえるからだ。こうなると、頭が上昇する。クラブヘッドは未だにスウィング軌道にスクウェアになり切れずにクラブフェースはオープンのままなので、ボールは右への針路を取ることになる。かように、腰の急発進はドミノ効果の最初の一撃になぞらえることが出来、他のドミノの運命が確定される。だから、ピストンの一つの点火不良が、スウィング全体を狂わせることになる顛末を理解出来ると思う。

【編註】ここで筆者は腰によるダウンスウィングの開始を点火不良の例にとっていますが、あくまでも「普段は身体の他の部分でダウンスウィングを始動しているゴルファーにとって」という前提であり、腰によるダウンスウィングの開始そのものがいけないわけではありません。Ben Hogan(ベン・ホーガン)は「腰がダウンスウィングを開始する。腰は連鎖反応のきわめて重要な要素である。先ず腰を正しく動かす…このワン・アクションが実質的にダウンスウィングを支配する」と云っているほどですから、本当は下半身主導でダウンスウィングを開始するべきなのです。

いい機械的動作がいいタイミングを生み出すのか、タイミングがいいスウィングの機械的動作を生み出すのであろうか?その答えは、両方である。しかしながら、理想的には機械的動作はタイミングの感覚を作り出すべきである。もしあなたがバックスウィングで正しい機械的動作を遂行し、ダウンスウィングも完璧に実行したなら、あなたのタイミングは完璧であると断言出来る。しかし、ゴルファーも人の子なので、完璧などというゴルフにはそうお目にかかれるものではない。だから、タイミングがほぼ霊的な、潜在意識のレヴェルである所以である。

偉大なゴルファーたちは申し分のないタイミングのセンスを生まれながらに持っている。ほんの一瞬で、彼らの身体は一連の動きの多少の変動に合わせることが出来、流れるようなスウィングの動きを確保する。それこそが、練習場における何時間もの練習の賜物であり、内的リズム感の開発が機能している証左である。それはまた集中力、ゴルフ・スウィングを作り出す際に身体が遂行する意識的アクションを殺す能力でもある。それをどう呼ぼうが、タイミングは基本的にあなたのスウィングがいいか悪いかを決定する。前に述べたように、いい機械的動作はいいタイミングを生む。ゴルファーの中には、このタイミングを(たとえスウィングの機械的動作がまずくても、繰り返し無難に遂行出来るほど)内在化する者もいるが、そう出来ない者もいる。この内在化のプロセスが、同じように機械的動作に秀でていても、いいゴルファーとお粗末なゴルファーとを隔てるものだ。

心は秩序ある状態を好む。あなたが理解しているかどうかに関わらず、あなたの身体は隠れたリズムを確立している。ゴルフ・スウィングには、そうした隠れたリズムが存在している。あなたがゴルフ・クラブを振る際、そのアクションが単純か複雑かに関わらず、あなたの身体はリズムを刻む。ボールを上手く打っている時、身体はそのリズムを繰り返そうとする。そのリズムは異なるテンポかも知れない。しかし、身体は常に調和した動作を追求するため、基本的拍子は同じままである。

スウィングの中には遂行時にテンポに依存するものがある。これが、けったいなスウィングでも妥当な結果を生む理由である。このテのスウィングの唯一の問題点は、テンポが乱れると援護すべき機械的動作が存在しないことだ。前述のように、健全な機械的動作がいいタイミングを生むのである。たとえ身体のタイミングが多少ズレていても、ゴルファーは相応なスコアを記録可能である。これがツァー・プロたちがある日72で廻り、翌日95で廻ったりしない理由である。機械的動作が健全で一定のテンポを生んでいれば、ボールに向かって安定してクラブを戻せるのである」

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(May 09, 2013)


ゴルフ場でスケートをする

あるいは「ゴルフ場でワルツを踊る」と云ってもいいのかも知れません。どちらも事実なのです。なぜなら、最近の私は『スケーターズ・ワルツ』のメロディを頭の中で繰り返しながらスウィングしているからです。

『スケーターズ・ワルツ』はÉmile Waldteufel(エミール・ワルトトイフェル、ドイツ系フランス人、1837〜1915)作曲のポピュラーな曲です。

[waltz]

管弦楽:https://www.youtube.com/watch?v=4d82DInPStA
浅田真央のスケーティング:http://www.youtube.com/watch?v=Si2WjXAXPDs

これはティー・ショットばかりでなく、二打目やチップ・ショット、パッティングに至るまで利用可能なのですが、ドライヴァーを打つ場合以外はつい忘れがちです。しかし、絶対ドジりたくないドライヴァー・ショットでは『スケーターズ・ワルツ』は不可欠になっています。

音楽の効用は以前から知っていて、一時MJQの『朝日のようにさわやかに』でスウィングしていた頃もあったのですが、ずっと御無沙汰で音楽無しのスウィングをして来ました。今回、ジャズからクラシックに模様替えしてリヴァイヴァルさせたわけです。

音楽の効用と云っても、常に素晴らしい効き目があるわけではありませんが、頭の中のワルツ演奏によっていいタイミングが得られるのは確かです。'The Inner Game of Golf'(邦題『新インナーゴルフ』、1979)という本で、著者のTimothy Gallwey(ティモシー・ゴルウェイ)は無念無想でスウィングするための方法を三つ挙げていて、その一つは「スウィングの全過程で歌をハミングする」なのです(私は気恥ずかしいので声は出しません)。われわれの脳はスウィングの部分・部分をチェックしながら「アップライトに」とか、「インサイドへ」、「もっとゆっくり」、「手首を折るな」などと筋肉に命令を発しますが、それは多くの場合タイミングを破壊し、スウィングをギクシャクしたものにしかねません。そういう“コーチ”の指示をブロックすれば、エフォートレスで流れるようなスウィングが達成出来るようになります。『スケーターズ・ワルツ』はその一法です。

ここのところ、1ラウンドに一回ほど自己最高記録に匹敵する飛距離が得られています。ゴルフ仲間たちは「まぐれに違いない」と無視するように努めているようですが、私自身はそれが今後も度々出現する“まぐれ”であると期待しています。もちろんこれは、私がスウィート・スポットで打てる頻度が高くなったことと関連があるのですが、ワルツのリズムがいいタイミングを生んでくれることも大きいと思っています。いいリズムで(=力まずに)スウィート・スポットで打てば真っ直ぐ、ストレートに遠くへ飛ぶのです。ProV1もR15も要りません(←酸っぱい葡萄)。

(May 09, 2013、改訂June 04, 2015、再訂December 18, 2016)


リリースとは何ぞや?

インストラクターDr. T.J. Tomasi(T.J.トマシ博士)の下記の著書に、ゴルフの基本ではありながら見逃されている、あるいはよく理解されていない部分にスポットライトを当てた明解な説明があります。今回は「リリース」についての講義。

[release]

'It's Good for Your Game'
by Dr. T.J. Tomasi (Andrew McMeel Publishing, 2003, $12.95)

「私のゴルフ・スクールの生徒たちにインパクトにかけてのクラブヘッドのリリースについて教える際、私は次のようなイメージを用いる。馬とその騎手が約2メートルの壁にフルスピードで近づく。突如馬が停止し、騎手は急激に抛り出されて壁を飛び越えてしまう。ゴルフ・スウィングでは胴体が馬、壁は左足、騎手はクラブヘッド、騎手の突然の馬からの分離は、ボールに向かってのクラブヘッドのリリースに相当する。ここで注意してほしいのは、『リリース』は“受動的”なものであり、積極的に努力することなくパワーと正確さを生み出す鍵となるものだということだ。理想的なリリースの概念を簡潔に表現すれば《あなたが起こすものではなく、自然に起こさせるもの》なのである。

あなたがショートしがちでボールをソリッドに打っていないのなら、あなたは打ち越えるべき壁を作っていないと思われる。大抵のゴルファーは、腰をターゲット方向にスライドするだけで充分回転させないので、打ち抜くべきものが存在しないのだ。回転させないで腰をスライドさせると、そういうリリースは不自然でぎくしゃくしたものになり、単にボールを手首で弾くだけの動きでしかなくなってしまう。ツァー・プロたちのスウィングがとてもスムーズに見える理由の一つは、左足の壁に向かって打たれているのであって、身体のどの部分かによって意識的に操作されているものではないからだ。

いいリリースのためには、インパクトにかけて左足を堅固にし、ボールに向かって撓(たわ)めたり曲げたりしてはいけない。あなたの左膝は、腰の回転とともに真っ直ぐになり始める。それはびんと伸ばすのではないが、抵抗を作り出すに充分な堅さを持たなくてはならない」

【参考】「左脇を締め挙げろ」(tips_94.html)

(May 12, 2013)


インパクトをテストする

インストラクターHank Haney(ハンク・ヘイニィ)が紹介する、スウィート・スポットで打っているかどうか、インパクト・シール無しで自己診断出来る方法。

'Test your impact'
by Hank Haney ('Golf Digest,' June 2013)

「これは私のお気に入りのドリルの一つで、二個のティーを門のようにセットして、あなたがスクウェアに打っているかどうか知ることが出来るものだ。

アドレス時のクラブのヒールのこちら側(身体の方)にティーを一個刺し、トゥの向こうにもう一個のティーを刺す。二つのティーは、クラブヘッドが充分通過出来る幅にセットされなくてはならない。ここではアイアンの場合を紹介するが、これはどのクラブにも(パターにさえ)適用出来る練習法である。

アイアンが二本のティーの門を通過した後、着実にディヴォットを取れるなら、あなたはクラブフェースの中心でボールを打っていることが証明されたことになる。しかし、トゥ方向に打てば手前のティーを薙ぎ倒すだろうし、ヒール近くでボールと接触すると、向こうのティーを倒すことになる。これは言い訳出来ないフィードバックである。

ボール無しでゆっくりしたスウィングで練習を始め、その後ボールを1/2スウィングで打つ。最後にフル・スピードで打てば、あっという間にあなたのショットは見違えるようなものになる筈だ」

(May 12, 2013)


Butch Harmon(ブッチ・ハーモン)のダウンスウィングの最初の動き

インストラクターButch Harmon(ブッチ・ハーモン)によるダウンスウィングの秘訣。

'How to start the downswing'
by Butch Harmon ('Golf Digest,' June 2013)

「トップからダウンスウィングへの最初の動きは、左足への体重移動である。この小さな前方への突出が手と腕をインサイドに落とし、ボールに向かうパワフルな動きをセットする。身体を望むだけハードに回転させるのはよいが、その身体の回転を始めるのは体重をターゲット方向に移した後で行うことなのに注意。

トップの段階から身体を回転させてはならない。多くのゴルファーの頭には、もっとターンすべきであり、そのためにはダウンスウィングの開始で腰を廻すべきだと刷り込まれている。これは殺人的な考え違いだ。なぜなら、左サイドが回転してオープンになると、腕とクラブが身体から抛り出される。この結果はアウトサイド・インのスウィング軌道を生み出し、ひどいプルかプル・スライスになると太鼓判を押せる」

(May 15, 2013)


Butch Harmon(ブッチ・ハーモン)のアイアン・ショット

'Fix the No.1 iron fault'
by Butch Harmon ('Golf Digest,' April 2013)

「アイアン・ショットはヒット・ダウンせよ。バックスウィングで体重を右足の内側に掛けたいい形を作ったら、ダウンスウィングの最初の動きはターゲット方向へと体重を移す腰のどーん!という突出である。そして、ポスチャーを維持し、回転しながら振り抜く。下方に回転し続ける感じを持つこと。インパクトで、膝をリラックスさせ続ける。特に右膝を。これがヒット・ダウンを助けてくれる。

ボールを宙に浮かべようとしないこと。そんな考えだと脚を真っ直ぐ伸ばし、ボールを地面から浮き上がらせようとして立ち上がってしまう。それはクラブヘッドを引き上げ、トップに類するミスに繋がる。皮肉なことに、あなたがボールを上げようとすればするほど、ボールは低く飛ぶのだ。

回転し振り抜きながら、アドレス時の膝の柔軟性と背骨の傾斜を維持すべし。ロフトがちゃんと仕事出来るので、活きのいいボールを打つことが可能になる。

あなたがアプローチ・ショットを打つ時、ディヴォットを取らないのなら、多分上に述べたようなクラブヘッドの引っ張り上げをしているか、ダウンスウィングの間に右足に寄っかかっているに違いない。私の愛好するディヴォットを取るドリルをお教えしよう。

通常のセットアップをし、地面から5〜6センチクラブヘッドを浮かす。クラブヘッドを浮かしながら、あなたのいつものスウィングで打ち抜く。あなたはヒットダウンしなければ完全に空振りすることを本能的に自覚しただろう。これはとても強力な動機となり、ボールを打ってからターフを取ることを即座に教えてくれる」

Ben Hogan(ベン・ホーガン)も《腰がダウンスウィングを開始する》と云っていますが、Butch Harmon(ブッチ・ハーモン)の《ダウンスウィングの開始はターゲット方向への腰の突出である》も同趣旨と云っていいでしょう。さらに重要なのは、Butch Harmonが《ポスチャーを維持し…下方に回転し続ける感じを持つこと》と云い、《背骨の傾斜を維持すべし》と云っていることです。TVでPGAツァー・プロのインパクトを見ていても、彼らはアドレスでの背骨の前傾角度をインパクトでも保っており、背筋を伸ばして立ち上がるのはボールが行程の2/3を過ぎてからのことです。私もそうしようと思うのですが、つい忘れてしまいます。背骨を前傾したままのインパクトだと、いいボールが出るのは分っているのですが…。

(May 15, 2013)


Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)のピストン・ストローク

ゴルフ雑誌の六月号はどれもU.S.オープン特集ですが、'Golf Magazine'誌は、1973年にペンシルヴェイニア州Oakmont C.C.(オークモントC.C.)で開催されたU.S.オープン最終日に、63をマークして優勝したJohnny Miller(ジョニィ・ミラー)の回顧談と、当時抜群だった彼のテクニックが解説されています。63という数字そのものは珍しくないのですが、タフなコース・セッティングのU.S.オープンの最終日の63は快挙だそうです。ここでは、彼のテクニックの中からパッティングに関する部分を紹介します。

'To banish 3-putts'
by Johnny Miller interviewed by Connell Barrett ('Golf Magazine,' June 2013)

「パッティングは常に私の強力な武器とは云えなかった。そしてオークモントのグリーンは、オーガスタ・ナショナルとオークランド・ヒルズと共に、私がこれまで直面した最もタフなグリーンである。1973年のオークモントでは、アプローチ・ショットの正確さに助けられたものの、私のパッティング・ストロークは火がついて燃え盛る感じだった。

当時の私はフル・ショットするようにパットしていた。スローなバックストローク、トップで一時停止、そしてインパクトへと加速させた。『ワン・ツー』のリズムでパットするプロもいるが、私は『ワン・ツー・ポーズ(一時停止)・スリー』という感じに近かった。

私のリズムを真似しなさいとは云わないが、当時の私のストローク法は真似する価値はあると思う。セットアップはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のように屈み込んだ姿勢で、右前腕はシャフトに対し直角だった。私は右手首に皺が出来れば、それが正しいセットアップだと感じられた。

私は右肘を破城槌(はじょう つち、【編註】釣り鐘を撞く釣り撞木[しゅもく]のようなもの)みたいに用いた。パターをターゲットに向かってピストンのように真っ直ぐに押すのだ。私にとって、これはボールをラインに沿って転がす最も頼りになる手段だった。特に、深刻なプレッシャーの下でプレイする時には…」

(May 18, 2013)


ハンドルでパットする

これは、インストラクターEddie Merrins(エディ・メリンズ)の「ハンドルを振れ!」(tips_145.html)がヒントになったアイデアです。クラブを握る部分(昔は皮、今はゴムや樹脂系コンパウンド素材で覆われている部分)を、英米人も日本人も「グリップ」と呼んでいますが、両手でどう握るかの形状の「グリップ」と区別し難いので、厳格な表現を好む英米人は手の形に関しては「グリップ」、クラブの部分に関しては「ハンドル」と使い分けています。Eddie Merrinsの「ハンドルを振れ」はグリップ部分のことです。彼の「ハンドルを振れ!」なるメソッドは、手元から遠いクラブヘッドをコントロールするのでなく、ごく手元のハンドルを動かすことに専念すれば、手や手首の悪さを防げるという考え方でした。

[handle]

パッティングでもハンドルを動かすことに集中すれば、パターヘッドをどれだけインサイドに後方に引くか、前方に押すかについて悩むことはなくなります。ハンドルを扱う場合、左肩を右に僅かに廻すだけで事足ります。云ってみれば、ジョイスティックでパターを扱う感じ。肩の右方・左方への微かな動きでも、パターヘッドは手に追随します。ハンドルから先には何もないと考えると、パターヘッドのことなど忘れ、肩と胴の動きだけに専念出来ます。この方法は完璧な方向性を得る土台を作ってくれます。この考えを図にすると、右の図のようなイメージになるでしょう。

ハンドルでパットするストロークは自然に短いものになります。短いストロークについては、当サイトの「当世風パッティング」と「パッティングのテンポ」をお読み下さい。

次に紹介する「Ray Floydのパターでなく両手を振れ」は「ハンドル」と「両手」と表現こそ異なれ、趣旨は全く同じことと云えます。

(May 30, 2013)


Ray Floyd(レイ・フロイド)のパターでなく両手を振れ

プロ・プレイヤーでもあった英国の高名なインストラクターJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ)が、50人の偉大なプロの特色あるメソッドを抜き出して解説した本に、メイジャーに四回優勝しているRaymond Floyd(レイモンド・フロイド、愛称レイ)のパッティングについて書かれた興味深い部分があります。

'50 Greatest Golf Lessons of the Century'
by John Jacobs with Steve Newell (HarperCollins, 2000, $25.00)

「Raymond Floydはショートゲームの達人で、独特のスタイルによるパッティングは特に素晴らしい。彼は標準より長いパターを用い、身体はアップライト(高め)に構えて手の位置も高い。ボールの上に屈み込むJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)とは完全に逆のポスチャーである。

Raymond Floydのパッティング・ストロークを要約すると、《パターを両手でスウィングするのではなく、パターを持った両手をスウィングする》と云えよう。云い方を変えれば、彼の両手は安定した弧を描いて前後にスウィングし、パターはその動きに単純に反応するだけなのだ。これはいいパット法である。パッティングの最中にパターをコントロールする必要もなく、両手の勝手な動きも生じない。明確に全てが一体になった動きなのである。私のこの本ではいくつもの異なるパッティング・スタイルを取り上げているが、Raymond Floydの手法は唯一の最大公約数と云える。

アップライトに構えるとラインが見やすい利点があるが、同時に両手を肩からだらんと垂らすことによって緊張を取り除くことが可能になる。両腕をぴんと伸ばすのではなく、柔らかく折れた両肘が身体の両脇を指す。この自然で快適な位置関係が、両手、両腕、パターを一つのチームとして動作させる。

高く構える効果として、パターを正しい軌道でスムーズに前後させられることも見逃せない。全てが流れるように動く。パターの軌道を乱すぎくしゃくした発作的な動きが侵入する恐れはない。

では、これはあなたにも役立つメソッドだろうか?私の生徒たちにいつも云うのは、パットを成功させるのに何ら問題ないなら、何も変えない方がよい。しかし、中・短距離のパットの成功率に不満を覚えているなら、Raymond Floydのメソッドを試してみるべきだ」

(May 30, 2013)


Billy Casper(ビリィ・キャスパー)のパッティング

Billy Casper(ビリィ・キャスパー、1931〜2015)は、Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)のようなカリスマ性と派手さに欠けるため過小評価されていますが、The Masters(マスターズ)一回、U.S. Open二回を含めて各種プロ・ツァーで68回も優勝し、ゴルフ名誉の殿堂入りもしている名人で、特にそのパッティングは有名です。彼のパッティング・メソッドは教科書的とは云えませんが、参考になる点も多々あると思います。

'The Methods of Golf Masters'
by Dick Aultman & Ken Bowden (The Lyons Press, 1975, $19.95)

「・Billy Casperのパッティング・グリップは、最も人気のあるリヴァース・オーヴァラップ・グリップ(右手の指の上に左手の人差し指がかぶさるスタイル)である。両方の掌は若干上向きで、どちらの親指もシャフトの真上に置かれる。

・両足と身体をターゲットラインに平行に揃え、両足は約30センチ広げ、しっかりした土台を作るために両膝はやや内側に引かれる。股関節から折られた腰の上に快適に体重を乗せ、両膝は少しだけ緩める。目はダイレクトにボールの上に置かれ、首は緊張を感じさせないほどリラックスしている。

・次が他と異なる点だが、彼は左手の裏側を左膝の内側に置く。これは、彼がボールに非常に近く立っていることを意味している。

・Billy Casperは「ストローク」するタイプではなく、"hit"(打つ)あるいは"tap"(叩く)タイプである。彼にとって、スウィートスポットでボールを打つことは最も重要なことであった。

・彼は、必要な距離を転がす身体とパターの動きを最小限にしようと努力した。(ロング・パットを除いて)腕を使わないでストロークするため、単純に手首を折り、右手のしっかり握られた親指と人差し指でこつんとボールを叩くのである。

・Billy Casperのコンパクトなストロークは、それ自体独特である。大概のゴルファーはストロークの幅と勢いを作り出すため、流れるような動きを必要とするものだ。さらに独特なのは、Billy Casperのクラブフェースの向きである。

多くのゴルファーは、次のような場合にパットに成功すると云い聞かされている筈だ。1) ストロークの間中パターヘッドを低く保つこと、2) ターゲットラインのインサイドから打たれたボールがラインに沿って転がること、3) ストロークの間中パターフェースがストローク軌道に対してスクウェアであること。Billy Casperは上の三つの中の一つしか行わなかった。

 

彼は、(腕を使わないで)手首を折ってピュアにパターを引くには、振り子のようにパターヘッドを地面から持ち上げるべきだと考え、その通り実行したのだ。おまけに、彼はターゲットラインのインサイドからボールを打つのでなく、どちらかというとターゲットラインの後方に延長されたラインに沿ってパターを動かした。その際、クラブヘッドはラインのアウトサイドに動いている印象を与えた。

最後に、彼はストロークの間にパターフェースをラインにスクウェアに保つため、左手首をほんの少し下方に廻してフェースを寝せ、その後フォワードストロークでは逆の動きをした。ボールが打たれた後、パターフェースをターゲットラインに対してオープンにしたのである。

『変わってる|』って?その通り。『真似する価値があるか?』って?あなたが常にパットに成功しているなら、それを変える必要はない。そうでないなら、Billy Casperのメソッドが助けになるかも知れない」

(June 06, 2013)


Billy Casper(ビリィ・キャスパー)のパッティングの秘訣

筆者Billy Casper(ビリィ・キャスパー)は、“過小評価されている大物”と云われています。The Masters(マスターズ)とU.S.オープンに優勝(二回)、PGAツァーその他で68回も優勝し、五回も年間賞金王になったことがあるのに、Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)らの蔭に隠れて“名人”として言及されることが少ないからです。彼のパッティングは弾くような打ち方で、現在のゴルフ界ではお手本とはされない類いのものですが、彼のパッティングは絶妙でした。これは彼自身による回想。

'Be the Ball'
edited by Charlie Jones and Kim Doren (Andrews McMeal Publishing, 2000, $14.95)

「私は懸命にパッティングの練習をした。私は練習場でボールを打つのが億劫だったので、練習グリーンとバンカーで時間を費やし、その結果非常に安定したショートゲームを確立出来た。

私がキャディをしていた頃、ゴルファーたちが家路についた後、キャディ仲間たち数人と暗い中でパットをした。思うに、その暗がりの中でのパッティングが私のフィーリングを発達させてくれたのだ。それは心理的なものだ。私とキャディ仲間たちはカップが見えるところまで歩き、そこを潜在意識に植えつけ、そこから遠ざかってからパットした。かなり頻繁に、われわれはOKの距離にパット出来た。われわれにはグリーンの凸凹など見えなかったから、いいストロークをすることだけに集中した。

私は昔も今も、全てのパットを成功させようなどと考えたことはない。どんなロング・パットでも、私は常にカップの周り60センチの円内にパットしたものだ。距離が短かかろうと長かろうと、変わらなかった。私は勇敢にパットするタイプではなかった。どちらかと云えば、ボールをラインに乗せ、カップの傍で停止させるのを好んだ。そういうパットを沈めることが出来たのは、私のタッチとフィーリングのせいばかりでなく、グリーンを読む能力があったせいだ」

(June 06, 2013)


距離が増すという即効薬を警戒せよ!

女性インストラクター兼ゴルフ・スクールの経営者であり、何冊かのゴルフ・インストラクション本も著しているJane Hone(ジェイン・ホーン)は、スウィングの基本原理を快刀乱麻を断つように解剖し、明解に解説してくれます。そこら辺の男性インストラクターよりもずっと理論的で、しかも説得力があります。

[Horn]

'Power Golf for Women'
by Jane Horn (Citadel Press, 1999, $16.95)

「ゴルファーなら誰しもが即効薬というものの存在を望んでおり、友達やインストラクターが20ヤード増を保証したりしたら、とても抵抗出来るものではない。多くのインストラクターや上級者は、生徒に即効で飛距離が得られるtipを授けようとする。だが即効薬というものは複雑なスウィングの難問への一時しのぎの解決法に過ぎない。たった一度のレッスンでボールを遠くへ飛ばせるようになると保証する人は、十中八九、間違った情報をあなたに与えるだけだ。

飛距離を増す即効薬は、最初は楽しいかも知れない。しかし、この新発見の飛距離は恐るべき不安定さを伴っている。一般的に云って、このテの即効薬はテンポとタイミングに基づいたものだ。あなたのテンポとタイミングが正しければ万事オーケーである。だが、ある日のテンポがやや乱れたら、トラブル突入は必至なので要注意だ。ゴルフ・スウィングに新たな要素を招じ入れることは、さらに多くの部品を一緒に機能させなければいけないことを意味する。

即効薬の例の一つは、パワーは身体の一つの部品から生み出されるものだと主張するようなケースである。その部品を『腰』だと仮定しよう。『ショットに腰をぶち込め』と教えることは、当初は距離を増すかも知れないが、飛距離の向上は生徒がスウィングに身体の勢いを追加したからに他ならない。この勢いは完全にコントロールすることが不可欠で、でないとトップや真っ直ぐ右へ向かうショットが関の山となる。われわれの目標は、『確実さを伴った飛距離』である。安定したスウィングに、早い腰のターンが必要なこともあるが、それは身体の一部(例えば、腰)による動きがパワー源(手首、左腕、右腕、肩)のどれかに影響を及ぼす場合のみである。例えば、腰の急速な回転は、両手を強制的に落下させることによって、ダウンスウィングのプレーンを変えてしまう。これはある種のスウィングにとっては、ムラのないパワーを生むための有効な方法かも知れない。だが、身体の一部を使うこと、そしてその動きをパワー源として用いることは、正しい解決法ではない。

生徒たちに基本的スウィングの教義を教えるのはとても難しいことだ。その一例は、バックスウィングとは適所にセットすることであってパワーのためではないというセオリーである。あなたの自然な傾向が身体を『捩(ねじ)り飴』のように巻き上げることであり、それがパワーを与えてくれると感じられるなら、無理に正しいテクニックを実行する必要はない。正しく遂行される時、ゴルフ・スウィングはまさにエフォートレスな動作である。あなたが小さな篭のボールを打ち終えた後、ぜいぜい云ったりするなら、何かがおかしいと思うべきだ」

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(June 09, 2013)


ウェッジの打ち方・あっと驚く最新版(1)

'Golf Digest'誌がツァー・プロやインストラクターの大物(Tiger Woods、Sean Foley、Butch Harmon、Hank Haney、Jim McLeanなど)を独占契約で買い占めてしまったため、対抗馬'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』誌は編集に苦慮しています。'Golf Magazine'誌は競争相手が取り上げないインストラクター(Dave Pelz、Malius Filmalterなど)や大関・関脇クラスのツァー・プロなどでピンチを切り抜けていますが、今号はカヴァー・ストーリィ"Wedge It Close"(ウェッジで寄せる)で、オーソドックスなインストラクションと全く異なるメソッドを提唱しているJames Sieckmann(ジェイムズ・スィークマン)を鳴り物入りで紹介しています。

'The new way to hit your wedges'
by David DeNunzio ('Golf Magazine,' July 2013)

「James SieckmannはPGAツァー、Asianツァーなどに参加したものの成功せず、インストラクターに転向、Dave Pelzの下で働くようになった。彼はあるPGAツァー開催地の練習場で、何人かのスター・プロのショートゲームを観察し、ヴィデオにも録画した。その素材はGreg Norman(グレッグ・ノーマン)のバンカー・ショット、Ray Floyd(レイ・フロイド)のチッピング、Corey Pavin(コリィ・ペイヴン)の高く上げるショット、Tom Pernice(トム・パーニス)のショートゲーム、そしてSeve Ballesteros(セヴェ・バレステロス)などであった。

James Sieckmannが帰宅してヴィデオを何度も何度も再生・巻き戻しで研究したところ、全てのプロが“基本”と呼ばれて教えられていることに反していることに気づいた。われわれ同様James Sieckmannも、ショートゲームはフルスウィングのミニチュア版であり、両手がクラブヘッドに先行すべきだと教わって来た。ところがSeve Ballesterosはクラブを身体に先行させていた。また、James Sieckmannはショート・ショットではクラブフェースをスクウェアにせよと教えられていたが、Tom Perniceは短・小のピッチ・ショットでフェースをオープンに回転させていた。James Sieckmannはまた頭を静止させ続けよと教えられて来たが、Ray Floydは開いた左足でオープンに構え、頭をターゲット方向に動かしていた。

【編註:この辺は'Tour Tempo'の誕生にそっくりです。'Tour Tempo'は有名プロたちのスウィング・ヴィデオの駒数を数えながら発見した最大公約数でした】

James Sieckmannは落雷に遭った思いだった。彼がジュニア・ゴルファー、カレッジ・ゴルファー、PGAツァー時代に福音のように教えられて来たショートゲームの基本と呼ばれるものは、全て間違いだったのだ。彼は『嘘を教えられて来たと云うつもりはない。人々は(私も含め)単に知らなかっただけなのだ』と云う。

1990年代以来、James Sieckmannhsは古くから説かれて来たメソッドとベストのプロたちが実際にやっていることの微妙な違いを、PGAツァーとLPGAツァーのプロたちを対象にリサーチし分析を行って来た。『私が教えているメソッドは鉄壁だ』とJames Sieckmannは自慢する。『それは歴史上の偉大なショートゲーム・プレイヤーから生まれ、実際に用いられたテクニックであり、彼らがやっていると(本や記事で)説明したものではないからだ。アマチュアがツァー・プロのパワフルなフルショットを真似するのは不可能に近いことだが、40ヤード以内のショットをコピーするのは容易である』。

James Sieckmannは、当初Bob Tway(ボブ・トウェイ)やDuffy Waldorf(ダフィ・ウォルドーフ)など数名を指導していただけだったが、2010年に彼が指導を始めたBen Crane(ベン・クレイン)があるツァーで優勝し、このシーズンに生涯獲得賞金額の自己記録を大幅に更新してから事情は変わった。『(Ben Crane以後)堤防が決壊したように、生徒が殺到して来た』とJames Sieckmannは云う。Titleist Performance Institute(タイトリスト・パフォーマンス研究所)は、James Sieckmannのメソッドは科学的に正しいと裏付けている。

James Sieckmannの生徒の一人Nick Watney(ニック・ワトニィ、PGAツァーの若手スター)は『私が学んだ最も重要なことは、ショートゲームのスウィングはロングゲームの正反対であるということだ』と云う。彼のスクランブリング【編註:パーオン出来なかったホールでパーやバーディを得る確率】のスタッツは、2010年は146位だったが、2012年には12位に上がっている。『フルスウィングでは長いスウィング半径とパワーが望ましいが、ウェッジでは短いスウィング半径と繊細な手際が必要なので、連続動作は変わらざるを得ない』とNick Watney。

James SieckmannはAsian Tourにおける彼自身の不成功は幸運だったと云う。『なぜなら、私は全ての間違いを犯し、いま何が正しいかを知ったからだ』」

・James Sieckmann校の在校生名簿

Nick Watney
Bo Van Pelt(ボー・ヴァン・ペルト)
Ben Crane
Tom Pernice
Charlie Wi(チャーリィ・ウィ)
Jeff Overton(ジェフ・オーヴァートン)
Kevin Chapell(ケヴィン・チャペル)
I.K. Kim(I.K.キム)
その他多数。

次回は彼のメソッドの詳細を紹介します。

(June 12, 2013)


ウェッジの打ち方・あっと驚く最新版(2)

インストラクターJames Sieckmann(ジェイムズ・スィークマン)が発見し、多くのツァー・プロに教えているメソッドの骨子は以下の六項目に集約されます。これは40ヤード以下のピッチング、チッピング、バンカーショットに共通だそうです。

'The new way to hit your wedges'
by David DeNunzio ('Golf Magazine,' July 2013)

「1)
・旧:身体がクラブを動かす
・新:クラブが身体を動かす

あなたのショートゲームのダウンスウィングは、身体によって推進される積極的なヒッティングであってはならない。重力の効果でクラブヘッドが円を描いて落下し、その後でクラブの動きを助けるために胸を回転させる…という感じのものだ。あなたの腰の動きはほぼ付け足しに過ぎない。要するに、クラブがトップからあなたの身体の前に戻るまで、胸や腰を回転させるべきではない。もし(フルスウィングのように)腰を先に回転させると、クラブはプレーンの下に落下しクラブフェースはオープンのままになってしまう(それが右方向に向かう弱いショットの原因である)。言葉を替えれば、パワーでなく繊細な手際でスウィングせよということだ。

2)
・旧:スクウェアなスタンスでアドレス
・新:オープンなスタンスでアドレス

後方の足をターゲット・ラインにスクウェアにし、両足の踵がほぼくっつくぐらいにして前方の足の爪先を開く。このようにオープンにし胸がターゲットを指す体勢は、スウィング軌道の最低点をボールの手前に移すことになる。それはクラブヘッドを自由にし、ボールとの歯切れのよい接触を生み出す。

3)
・旧:左サイドに寄りかかり、頭を静止させよ
・新:ターゲットに向かってエネルギーを向かわせよ

ウェッジ巧者は頭を静止させない。ヴィデオが証明しているのだが、彼らはバックスウィングの間に数センチほどターゲット方向に動かす。これは逆の体重移動である。ダウンスウィングで彼らは頭を静止させるか、さらにターゲット方向に動かす。これはエネルギーをターゲットに向かわせ、ソリッドなコンタクトを得るのに必須なものである。

4)
・旧:ボールを横切るようにカットせよ
・新:オン・プレーンの軌道を辿れ

短いショットで、最も効率よくクラブをボールに向かわせる方法は、アドレスでセットされたライアングルによるプレーン・ライン上でクラブシャフトとクラブヘッドを振ることだ。これは鏡の前でスウィングしながら、クラブヘッドの軌道を鏡面に描いてチェックしてみることが出来る。もしクラブがオン・プレーンでボールに向かえば、ニュートラルなスウィングでは小手先の操作を必要としない。

5)
・旧:スクウェアなバックスウィング、スクウェアなダウンスウィング
・新:クラブフェースを回転させよ

オン・プレーンでクラブをボールに戻しながら、クラブフェースをオープンに回転させる。オープンなクラブフェースは、ボールを左に向かわせる恐れ無しに正しくクラブをリリースさせる。リリースされたクラブは高めのショットを生み、ロフトとクラブのバウンス【編註:日本方言では「バンス」】の両方を効果的に使うことを許してくれ、ボールと地面とのコンタクトを確実なものにする。

6)
・旧:フォロースルーで動きを止めよ
・新:クラブヘッドをリリースせよ

通説がどうであれ、両手をインパクトを過ぎたクラブヘッドの前方に保ちながらストップ・モーションになるべきではない。それは緊張を招き、緊張はリズムとフィーリングを破壊する。加えて、それは"effective loft"(実効ロフト)とクラブのバウンス【編註:同上】を減少させ、リーディング・エッジを尖らせるので、芝生に突き刺さる率が高くなる(ザックリよ、今日は)」

上の記事そのままではありませんが、James Sieckmannによる実演が見られます。
http://www.golf.com/instruction/golf-tips-improve-your-short-game-new-way-hit-pitches-chips

後日、「練習篇」も紹介する予定です。

(June 15, 2013)


Ray Floyd(レイ・フロイド)の舵をとるべからず

Raymond Floyd(レイモンド・フロイド、愛称レイ)は四つのメイジャーを含む35勝を挙げ、世界名誉の殿堂入りしているプロ。

'The Elements of Scoring'
by Raymond Floyd with Jaime Diaz (Simon & Schuster, 1998, $20.00)

「ティーグラウンドからの正確さは至上のものであるとはいえ、それをターゲットに向かって意図的に舵をとって達成しようとするのは最悪の方法である。

最も正確なスウィングは、リラックスした筋肉と軽いグリップ圧を土台にした自由な動きを持っているものだ。過度にクラブをコントロールしようとする者は、きつ過ぎるグリップと、がちがちでぎくしゃくした身体の動きをするものだ。

ドライヴァーを打つのが巧い者は、自分のスウィングを信じて打つ。いったん自分の基本的スウィングが比較的真っ直ぐ飛ぶと分ったら、フリーに振られるクラブヘッドの遠心力を信じてスウィングせよ」

(June 15, 2013)


恐ろしい下りのライン

'Better by Saturday'(土曜日までにうまくなる)シリーズは、多くの有名インストラクターたちのtipを集めた小型本で、「ドライヴィング」、「アイアン/ロング・ゲーム」、「パッティング」、「ショート・ゲーム」の四冊が出ています。この項は「パッティング」篇のRick Grayson(リック・グレイスン)によるtip。

'Better by Saturday...Putting'
by Golf Magazine's Top 100 Teachers with Dave Allen (Warner Books, 2004, $15.00)

「急な下りのラインでは、パターのトゥで打つとスピードが和らげられるというのは間違いない。しかし、トゥで打てばフェースが僅かでも捩じれてラインに乗せられなくなる恐れがあるのも事実である。

力を弱めたいのであれば、パターを短く持つ方法がある。下になる方の手でほぼシャフトの金属部分を握る。距離の長短に関わらず、この方法ならボールに伝えるエネルギーを弱めることが出来る。パターフェースのスウィートスポットで打ち、ボールの暴走を防ぎながら正しいラインに転がすことが可能になる」

(June 23, 2013)


3番ウッドの正しいアドレス

インストラクターSean Foley(ショーン・フォリイ)による、アイアンとウッドのアドレスの違い。

'How to launch a 3-wood'
by Sean Foley ('Golf Digest,' July 2013)

「《芝の上からボールを払うように打て》というtipは、フェアウェイで3番ウッドを打つ際のよいスウィングの鍵だが、メンタルとフィジカル両面でちょっとした調節をしないと、実行が難しいものだ。

メンタル面:アマチュアは上のtipの解釈を間違え、ダウンスウィングの早期に手首のコックをほどいてしまう。彼らはボールに対して文字通り手を返してしまう。こんなやり方ではソリッドにボールを打つのは難しい。

フィジカル面:多くのアマチュアがアイアンもウッドも同じ体勢でアドレスする。アイアンのセットアップは、ウッドよりもボールへの急激な攻撃角度を促進する。

ではどうすべきか?ボール位置をスタンス前方(左足内側の前方)にする。右肩が左肩より著しく下がるくらい広めのスタンスをとる。シャフトは少しターゲット方向に傾げる(アイアンの場合ほどではなく)。

このセットアップなら、クラブヘッドはより水平の攻撃角度になり、問題なくボールを高く遠くへ飛ばすことが出来る」

(June 30, 2013)


Butch Harmon(ブッチ・ハーモン)のバンカー・ショットのアドレス

インストラクターButch Harmon(ブッチ・ハーモン)によるバンカー・ショットのアドレスの基本。

'Sand saves start with a sound setup'
by Butch Harmon ('Golf Digest,' July 2013)

「グリーンサイド・バンカーではボールをかなり高く上げる。クラブをボールの手前5〜7センチに入れるのだが、簡単な方法はボールをスタンスのターゲット方向に移すことだ。私は左足内側前方を好む。それは両手を丁度ボールの手前に位置させ、シャフトを少しターゲットの反対方向に傾ける。【編註:ハンドファーストの構えでなく、ヘッドファースト】そして体重の75%を左足にかけ、通常のピッチ・スウィングをする。あたかも、フェアウェイで40〜50ヤードのピッチショットをするように。

芝の上でウェッジを打つセットアップをしてはいけない。かなり多くのゴルファーがボール位置をスタンス中央にし、シャフトをターゲット方向に傾けてバンカー・ショットをする。この構えでボール手前の砂を打とうとすると、多くの場合、あまりにも手前を打つことになり、チョロするかクラブヘッドが砂で跳ね返ってホームランになる。

バンカーではボール位置が全てを決める」

(June 30, 2013、改訂June 04, 2015)


不動の下半身でパットする練習

これはPGAツァー・プロStuart Appleby(スチュアート・アップルビィ)が用いている方法です。簡単至極ですが霊験あらたかなtip。

'5 drills to sharpen your game'
by Stuart Appleby with David DeNunzio ('Golf Magazine,' August 2008)

「「1) パター、ボールと一本のウェッジを用意してパッティング・グリーンへ。

2) アドレス体勢をとり、ウェッジのグリップエンドが右の太腿の右側に当たるように斜めに立てかける。

3) パットする。

このドリルは、あなたが身体を廻しているかどうかを即座に示してくれる。あなたが脚を動かしたら、ウェッジは滑って転げ落ちてしまうだろう。そういう風に身体を廻すとカットするストロークになり、フェースの角度によって、左にプルしたり右にカットすることになる。

ウェッジを右脚に当てたまま倒すことなく、肩の動作でストロークすべきである」

(July 04, 2013)


スムーズなストロークの尺度

'Elbow trick for smoother putts'
by Tom F. Stickney II ('Golf Magazine,' May 2008)

「パッティングのアドレスをし、左右の肘を見下ろしてほしい。それは30センチ以上離れていないだろうか?両肘の間隔は、パッティングのセットアップとボールをラインに沿って転がす能力について、様々なことを教えてくれる。

SAM PuttLab(http://lab.scorenet.jp/modules/about/index.php?content_id=19)と、AMM3D(Advanced Motion Measurement's 3D Motion Analysis system)を用いた最新の研究は、両肘が窪みを真上に向けた状態で30センチ離れていると適切な手の折り方をしており、バックおよびフォロースルーまでスムーズなストロークが出来る位置であること発見した。

30センチ以下だと流れるようなストロークをするには窮屈で、伸び上がった体勢にならざるを得ない。

30センチ以上だと、あまりにも屈み込み過ぎ、ストロークの間に伸び上がって右へプッシュしがちになる。

30センチだとリラックス出来、肩を結ぶ線がターゲットに対しスクウェアになる」

(July 04, 2013)


Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)の低めのチップ

パット名人Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)はショートゲームの達人でもあります。彼のtipには「ロブ・ウェッジを酷使する」(tips_118.html)という詳細なものがあるのですが、トゥを接地させヒールを浮かせて構えるという点が珍しいのでこちらも採録することにします。

[Stockton]

'Dave Stockton's Putt to Win'
by Dave Stockton (Simon & Schuster, Inc., 1996)

「・低めのチップ

低いチップは、フリンジの草をクリアしてグリーンに届かせるショットである。これにはサンドウェッジから6番アイアンまでのクラブが用いられる。どのクラブを選ぶかは、グリーンに達するまで必要なキャリーの距離と、ショットを遂行する地形の起伏による。このショットとクラブの決定には多くの選択肢があり、どれがいいと云うことは出来ない。しかし、私のお勧めはある。

私はボールをかなり爪先の近くに置く(ほぼ20〜25センチ)。これはクラブをトゥで接地させヒールを浮かすため、両手を垂直にしたいからである。多くの人々はチッピングのボールと身体の間隔をフル・スウィングと同じして立つ。その結果、アドレスで両手はかなり低く(クラブのソールは地面に接している)、フォワード・スウィングでクラブのヒールが真っ先に地面を打つ。これはインパクトでクラブフェースの角度を変えてしまう。これはやや長めの草から打つ場合に最悪となる。クラブのヒールは草に絡まり、フェースを捩ってターゲット・ラインから逸らしてしまう。そして、スムーズなフォロースルーなどほぼ不可能になってしまう。

私は常にヒールを地面から浮かしてチップする。これは私が多くの場合スウィート・スポットで打たず、常にトゥに近いところでボールと接触することを意味する。だが、これはあなたが想像するような弱々しいショットを生み出すわけではなく、インパクトでクラブフェースの角度を歪めるわけでもない。なぜなら、スウィングはどちらかと云えばソフトなものであり、インパクトもソフトだからだ。ここで私が説明しているのは、短いチップであるのをお忘れなく。

この低いチップではクラブを短く持たないこと。普通に長く持って、背を伸ばして立つこと。こうすればラインがよく見え、インパクトで立ち上がるミスを防げる。

少なくとも65%の体重をターゲット側にかける。クラブフェースはターゲットにスクウェアに揃えるが。両足と身体はターゲットの左を向く。多くの人々は実際のところ、ターゲットの右を向いている時にラインに沿って狙っていると感じ、右にボールを放つ。さらに、テイクアウェイで右手が過剰にアクティヴになり、インパクトにかけてスウィングに過度の力を加えてしまう。オープン・スタンスだと左手が仕事をすることになる。左手一本で練習することをお勧めする。

オープン・スタンスはまた身体が動くことにブレーキをかけてくれる。スウィング開始に当たって身体が右へ動くことを防止するには、右足の角度が特に重要である。テイクアウェイもフォワード・スウィングも低く、手と腕だけで動かす。グリップエンドと両手をアドレス時の状態のまま垂直に保つ。グリップエンドがあなたの身体を指してはならない」

最後の「グリップエンドがあなたの身体を指してはならない」ですが、イラストでは垂直な手首、垂直に近いシャフトがターゲット方向に突き出されており、身体から遥かに離れています。

「Dave Stocktonの高めのチップ」に続きます。

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(July 10, 2013)


Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)の高めのチップ

「Dave Stocktonの低めのチップ」の続きです。「トゥを接地させヒールを浮かせて構える」というメソッドはこちらにも共通です。

パット名人Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)はショートゲームの達人でもあります。この本が出版された当時(1996年)は、Tom Kite(トム・カイト)の活躍によってもうロブ・ウェッジは珍しいものではなかった筈ですが、Dave Stocktonは高めのチップにはサンドウェッジを使えと云っています。これはロブ・ウェッジがまだアマチュアにまでは浸透していなかったせいでしょうか?

'Dave Stockton's Putt to Win'
by Dave Stockton (Simon & Schuster, Inc., 1996)

「・高めのチップ

このショットは、グリーンの近くでバンカーの隅や長い草を越えるに充分な高さを生むショットである。これはバンカー・ショットに近いものだ。

ボール位置はスタンスの前方(ターゲット寄り)。どれだけ前方かは、どれだけの高さが必要かによって異なる。体重は左側にかけるが、『低目のチップ』ほどではない。

『低目のチップ』よりもボールから少し離れて立つが、クラブのトゥで地面と接地させること。あなたの手は垂直ではないだろうし、実際のところ左手首は内側に折れる。その理由は、このショットをする時左手はインパクト直後に基本的に停止すべきだからだ。『高めのチップ』は高いボール軌道と多少のバックスピン(少なくともソフトな着地)を期待するもので、どちらかと云えば右手主導のショットなのだ。その右手の動きは、あたかもアンダーハンドでボールを抛る感じ。

『高めのチップ』には常にサンドウェッジを使え。長い草でクラブのヒールが絡まるとか、固い地面で跳ね返るなどの心配はしないこと。トゥで接地したアドレスがその問題を解決する。繰り返すが、クラブフェースのトゥ方向でボールを打つことを恐れてはいけない。実際には、そのような接触はボールの勢いを弱め、ソフトな着地をもたらしてくれる」

(July 14, 2013)


猛練習すべきパットの距離

ショート・ゲームに関する読者からの質問に、インストラクターDave Pelz(デイヴ・ペルツ)が答えるコラム。

'Ask Pelz'
by Dave Pelz ('Golf Magazine,' July 2009)

「Q: パットの練習で一番重要な距離は?

A: われわれのパットの半分はショートパット(2メートル以内)である。だから、1メートル以内のパットを成功させることが非常に重要だ。次に重要なのは1.2〜2メートルということになる。

しかし、Pelz Golf Institute(ペルツ・ゴルフ研究所)の調査によれば、初級〜中級ゴルファーにとっては、ショートパットに上達するよりも3パットをなくすことがスコアを良くする鍵だと解明されている。3パットは“入れて当然”のショートパットに失敗した結果である場合が多い。だから、ショートパットの練習と3パットを減らすことの両方に専念するのが良策であろう」

(July 17, 2013)


高い顎(あご)では、手を低く構えてボールを高く上げよ

若手PGAツァー・プロChris Kirk(クリス・カーク)のバンカーtip。

'Steal my feel'
by Chris Kirk ('Golf Digest,' May 2013)

「グリーンサイド・バンカーの顎がどんなに高く急であろうと、ライがまあまあでさえあれば私はそれを軽々越えられる自信がある。ボールを高く上げる仕掛けは至極簡単。《アドレスで両手を低く構える》だけである。

そのセットアップの意味は、両手をほとんど膝の高さまで落とすことだ。グリップ・エンドは、(ベルト・バックルではなく)太腿の中程を指すことになる。これは腕を著しく低くするので、快適な姿勢にするため、ワイドなスタンスで膝をゆったりさせる。

シャフトがフラットになるため、クラブフェースは自然にオープンになる。これがロフトを増し、砂に対してウェッジのフランジを曝け出すことになり、ボールと接触する時、クラブフェースが返るのを防いでくれる。

通常のバンカー・ショットのように、私は体重を左足にかけ続け、クラブを砂の中で【灰汁(あく)を取るように】滑らせつつ、左手首をリリースすることに集中する。私はクラブフェースが空を向いているようなフィニッシュをするが、それはボールの向かう軌道でもある」

(July 25, 2013、改訂July 13, 2016)


向かい風のゴルフ

著者Cary Middlecoff(ケアリ・ミドルコフ、1928〜1998)は、U.S.オープン二回、the Masters(マスターズ)に一回、生涯に計41回のPGAツァー優勝を達成したプロ。

[Cary]

'Advanced Golf'
by Cary Middlecoff (Burford Books, 1957, $16.95)

「風の中のゴルフは容易ではない。多くのゴルファーには、風がボールの飛行にどう影響を与えるかについての一般的理解が必要だ。『向かい風には低いショット、追い風には高いショット』という格言は、極端な単純化である。それは論理的にはある種の原理を含んでいるが、私が経験から学んだ《風の中のプレイで最も重要なのは、ボールの角度と下降である》という原則が欠けている。

向かい風の場合の問題の一つは、(短いショットを除いて)ボールを急速に止めるのが難しいという点である。だが向かい風は、この問題の助けとなってくれる。

秒速9メートルの風を想定しよう。これはゴルファーが時々直面する風速であり、どのショットにも影響を与える力を持っている段階である。

・ドライヴァー

無風の状態で230ヤードのドライヴを放つゴルファーは、秒速9メートルではおよそ30ヤード減となる(この230:30という比率は他のヤーデージでも同じである)。だから、このゴルファーはティー・ショットを200ヤードとして作戦を立てるべきだ。オーヴァースウィングや、突くようなショット、ソリッドに打たれなかったボール等は、すべてお粗末なドライヴとなる。

強い風を顔に受けている際の自然な心理的傾向は、何か余分の努力をしよう、通常より強くボールを打って逆風に打ち克とうとすることだ。私は、ゴルファーはその傾向を克服し、道理を弁えるべきだと考える。

風の中のショットでは、ボールのコントロールをよくし、(特に向かい風の場合に)飛距離を得るためにはスピンは少ない方がよい(ボールを宙に浮かべるにはバックスピンが必要なのは御存知だと思うが)。さて、ドライヴァーで余計なスピンを取り除く確実な方法は、可能な限りクラブフェースのド真ん中でボールと接触させることだ。言葉を替えれば、ボールをソリッドに打てということである。そのためには、身体のバランスとリズム(タイミング)を維持しつつ、あなたの限界内の最大のパワーで打つべきだ。

いかなるサイドスピンも、秒速9メートルの風によって強調される。無風で微かなスライスやフックだったものが、風が右や左へのサイドスピンを捉えて増大させることによって、かなり大きなスライスやフックとなる。不幸にしてスライサーが生じるバックスピンは向かい風で増幅されてしまう。

上級者への助言:体重を左踵に保つことによってスウィングを短くすること。これによって、ボールを急速に上昇させる円弧のスウィングを防ぐことが出来る。ボールを上げるのではなく、ストレートに打ち抜けるようになる。

向かい風に向かってドライヴを放つ際の注意:異常に低くティーアップしてはならない。クラブフェースの面積の大部分でボールを打てるだけ高いティーアップをすべきだし、低いティーアップは水平に掃くようなスウィングよりもダウンブローを軌道になり易い。ダウンブローは極端な量のスピンを生じてしまう。

・フェアウェイウッド

フェアウェイウッドもドライヴァーと同じ原則が当てはまるが、異なる点はフェアウェイウッドではボールを地面から上げるためダウンブローに打たねばならず、バックスピンが掛かるのは避けられない。ソリッドに、そしてライが許す限りほぼ水平にボールを捉えるよう努力すべし。逆に考えれば、向かい風の場合、フェアウェイウッドを打つのは、風がバックスピンを増幅してくれるのでボールを宙に浮かべるのが容易になるということだ。向かい風では、フェアウェイウッドのショットもドライヴァーの比率と同じように飛距離が減る。秒速9メートルの向かい風で打つ3番ウッドは、実際上4番ウッドの距離しか出ない。

もしライが良ければ(掃くような軌道でクラブフェースの面積の大部分でボールを打てるなら)、フェアウェイウッドではなくドライヴァーを打つとよい。ドライヴァーの少ないロフトはスピンを減らし、水平に近い軌道とかなりの飛距離をもたらしてくれる。

【参照】「フェアウェイ・ドライヴ」(tips_57.html)

・ショート・アイアン

ショート・アイアンは、あなたのもてる最大のパワーでスウィングせよ。あなたのボールがピンから90ヤードのフェアウェイにあり、われわれが想定している秒速9メートルの風があなたの顔に吹きつけているとする。距離に対して、あなたは9番アイアンが適切だと判断し、バッグからそれを抜こうとする。ストップ!9番アイアンの軌道を視覚化してほしい。普通に打たれたボールは高く舞い上がり、前進する勢いがないため突風の虜となってしまう。風の中では右や左への傾向が強調され、グリーンをミスし、バンカーで目玉となってしまう。この状況で7番アイアンの3/4スウィングをすれば、どんなにいいことか。低い軌道で、前進パワーもあり、向かい風の助けでボールを止めるのに何ら問題はないのだ。この方があらゆる観点から見て優れている。

秒速9メートルの風は、通常の飛距離のほぼ2クラブ減と考えてよい。秒速4.5メートルの風は1クラブ減である。もちろん、その日の湿度にもよるのだが」

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(August 03, 2013)


追い風のゴルフ

著者Cary Middlecoff(ケアリ・ミドルコフ、1928〜1998)は、U.S.オープン二回、the Masters(マスターズ)に一回、生涯に計41回のPGAツァー優勝を達成したプロ。

[Cary]

'Advanced Golf'
by Cary Middlecoff (Burford Books, 1957, $16.95)

「勢いのある追い風は、ボールをカップの方向に運んでくれ、スライスやフックを軽度なものにしてくれる。

私の観察によると大抵のゴルファーは、風が強ければ強いほどボールを遠くへ運んでくれると信じているようだ。それは真実ではない。理解を深めるために、『向かい風のゴルフ』(上の記事)はボールを宙に浮かべるのを助けてくれるものだということを思い出してほしい。反対に、追い風はボールを落下させようとするものなのだ。なぜなら、風自体の動きに適合するように、風はボールの飛行を絶えず水平にしようとし続けるからだ。

風速が秒速6.7メートル〜9メートルだと最大のキャリーを生んでくれる。だが、それ以上強い風はボールが届いた高さから水平にしようとするため、その結果、ボールは急速に下降し、キャリーを減らしてしまう。ボールの予想される飛行を考える際、この風による水平化のアクションに配慮すること。

よくある質問に、『追い風ではドライヴァーより3番ウッドで打つ方が距離が得られるだろうか?』というものがある。私の一般的な返事は『もし風速が秒速9メートルまでだったらノー、それ以上だったらイエス』だ。ボールがどう打たれるか次第でもある。低いボールを習慣的に打つゴルファーなら、秒速6.7メートルならもっとロフトのあるウッドが必要だろうし、高いボールを打つ人なら、その二倍の風速の下ではドライヴァーにすべきだ。

追い風は飛距離の助けとはなってくれるが、グリーンまでフル・ショット以下という段階になるとハンディキャップとなる。そのハンデはグリーンがバンカーなどでガードされていたり、砲台になっていたりすると最も顕著になる。オンさせる方法が唯一空の旅しかなければ、ボールの下降角度が重要になって来る。追い風だと下降角度は緩やかでランが多い。この問題に対するには、それ以前のショットでピンまでに最大限の余裕がある角度にボールを運ぶことだ。

上のような状況で最も急速にボールを停止させられるのはウェッジのフルショットだ。それは急角度の下降のための最高の高さと多量のバックスピンを与えてくれる。フル以下で打たれたショットは、低い軌道と少ないバックスピンしか得られない。なぜなら、クラブフェースのグルーヴとボールによる相互作用は、唯一フルショットの時だけ得られるものだからだ。これを念頭において、ティー・ショットをわざと短く打つのが賢明であることがしばしばである。二打目がグリーンに着地した後、ボールを急停止させることが可能になる」

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(August 09, 2013)


ハイブリッドを完璧に使いこなす

面白いことが起りました。'Golf Digest'『ゴルフダイジェスト』誌の本年九月号でButch Harmon(ブッチ・ハーモン)が「ハイブリッドは掃くように打つのではなく、5番アイアンのように打ち下ろしてディヴォットを取れ」と主張し、'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』誌の同年同月の名物連載記事'Private Lessons'では「ハイブリッドは、フェアウェイウッドのように掃くように打て」と云っているのです。いつもならButch Harmonの教えは信用出来るのですが、「ハイブリッド打法の大嘘」(tips_147.html)で書いたように、私は経験からいってハイブリッドは掃くように打つべきだと考えています。広めのソールは低重心という機能だけでなく、地面(あるいは草)を滑らすように設計されていると思うからです。

'Launch your hybrids with perfection'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' September 2013)

「あなたが、4番アイアンや5番アイアンを投げ捨ててハイブリッドに入れ替えてから十年は経つであろう。許容度が高く、ボールを高く上げてくれるハイブリッドは、ラフからの脱出を容易にしてくれるだけでなく、フェアウェイで、特にグリーンまでの長いアプローチ・ショットを打つ際にも効果的である。ハイブリッドによって最大の飛距離と正確さを得るには、次のようにすべきである。

・バックスウィング

バックスウィングでは、あなたのズボンの右ポケットがあなたの後方を向くぐらい身体の左サイドを回転させる。アドレス時のポスチャーを保つのが難しければ、左踵を地面から少し浮かしてもよい。また、身体の捻転を助けるため、右爪先を僅かに開いてもよい。

アドレス時のポスチャーを維持しているならば、右太腿に捻転の影響による緊張を感じる筈だ。ボールの後ろで回転すればするほど、クラブヘッドをインサイドから振るのが簡単になり、インパクトでリリースするエネルギーの量も増加する。

・ダウンスウィング

ハイブリッドはロングアイアンなどとは異なり、フェアウェイウッド同様掃くように打つべきものだ。ボールに向かって打下ろす必要はない。なぜなら、ハイブリッドのクラブヘッドは、地面の抵抗を受けることなくボールを高く急速に宙に浮かべるように設計されているからだ。

トップからは、膝と足首でダウンスウィングを開始する。右膝をターゲット方向にキックすると、それが右肩を下げ、右サイドをボールの背後にセットし、ボールをターゲットに向かって高く発射する完璧な体勢を作り出す。クラブのソールが、インパクト・ゾーンで地面を掃くような感覚を抱くこと。その後は、ハイブリッドの低重心が仕事をしてくれる」

【参考】「ハイブリッドはフックするように出来ている」(tips_177.html)

(August 14, 2013、増補January 05, 2017)


合法的に40本のクラブを携行せよ

これは、私のアイデアである「中間クラブ対策」にそっくりのtipです。

'Got 14 clubs? Try 40'
by Ron Kaspriske 'Golf Digest,' September 2013)

「あなたが本気でゲームをコントロールしたいなら、どのアプローチ・ショットもピンハイにつけるべきである。たとえ方向がズレたにせよ、距離さえぴたりと合っていればスコアメーキングにかなり貢献する筈だ。グリーンというのは、両サイドよりも前後にトラブルが多いものだからだ。では、ピンの距離がどこにあろうと距離を合わせるにはどうすべきか?

'Golf Digest'誌選定ベスト50のインストラクターBrian Mogg(ブライアン・モウグ)は、次のように云う。『あなたのバッグの14本のクラブを40本にせよ。算術は以下の通り。パターを除く13本のクラブのそれぞれのハンドル(=グリップ部分)を三つの異なる位置で握って打てば、三種類の距離を打ち分けられる。

7番アイアンを例にとろう。あなたが7番アイアンで150ヤード打てるとすると、1/2インチ(1.27センチ)短く持てば、同じスウィングで145ヤードの距離になり、そこからさらに1/2インチ(1.27センチ)短く持てば140ヤードになる。

一本のクラブを同じスウィングで三つの距離に打ち分けられる。それを13本のクラブで遂行すれば、あなたのアプローチ・ショットは恐るべき威力を発揮するものとなろう』」

この記事は目見当で1/2インチずつ短く持つのですが、2005年に書いた私のアイデアは、ハンドルに1/2インチ毎の印をつけるというものでした。ただし、手で触って感じとれるような印だとルール違反になるそうなので御注意。

【参考】
・「中間クラブ対策」(tips_87.html)
・「続・中間クラブ対策」(tips_91.html)
・「グリップのマーク」(tips_99.html)

(August 14, 2013)


グリップ圧を変えずにパットせよ

メイジャーに六勝、プロとして世界中で89勝を挙げたLee Trevino(リー・トレヴィノ)のtip。

'The Senior Tour and the Men Who Play It'
by Steve Hershey (Doubleday, 1992, $30.00)

「シニア・ツァーに参加した最初の年、私(Lee Trevino)はあるトーナメントの序盤・中盤でパッティングに問題を抱えていた。最終ラウンドのNo.4で、私は自分がパターをフォワードプレスしていることに気づいた。パターをラインにスクウェアに後退させていたのに、フォワードプレスによってパターフェースをオープンにしていたのだ。私が全てのパットをカップの右にミスしていたのは、それが原因だったのだ。

そのラウンドの後半、私はフォワードプレスせずに両手でパターヘッドを後退させることに専念した。最後の七ホールで五つのバーディをものにし、そのトーナメントに優勝出来た。

ゴルファー誰しもパターを想定したライン上で引き始めるが、それは多くの場合正しく読まれたラインと云ってよい。しかし、リグリップ(途中で握り直すこと)したり、フォワードプレスするとパターをラインから逸らしてしまう。そうなると、ストロークの間にラインにスクウェアに戻すべく埋め合わせをしなければならない。私にとって最も簡単な方法は、両手とパターヘッドを同時に動かすことだった」

練習グリーンで試してみましたが、確かにストロークの途中でグリップ圧を変えると方向性が乱れます。緩いグリップでもきついグリップでも、アドレス時のグリップ圧を最後まで維持し続ければ、狙った場所に真っ直ぐ転がります。私の場合、きつ目のグリップだとショートすることが多いので、緩いグリップにしています。

(August 18, 2013)


ドライヴァーのための完璧ポスチャー

LPGAツァーの現役プロBelén Mozo(ベレン・モソ)による、《スウィングの鍵はお尻》というユニークな理論。

'A Posture tip for perfect drives'
by Belén Mozo ('Golf Magazine,' September 2013)

「あなたがドライヴァーでフェアウェイをキープするのに苦労しているとしたら、その不正確さはスウィングが原因だろうと疑うのが自然な成り行きだが、ポスチャーが真犯人であることも多いものだ。間違ったポスチャーでボールにアドレスすると、クラブを早く、しかもオン・プレーンでスウィングする筋肉の始動に失敗する。

多くのアマチュアは、どのクラブでもボールと身体の間の距離を変えなかったりする。ドライヴァーは6番アイアンよりも長いのだから、ボールから離れて立つべきである。最も簡単な正しい方法は、両肩、両手、両爪先を真っ直ぐな線に揃えてスタンスをとることだ。その線をガイドにすれば、正しい膝の角度(曲げ方)、身体の正しい前傾角度、そしてボールとの正しい距離も見つけられる。

あなたの胸がボールを直視していて、なおかつバーのストゥールの端にお尻を掛けている(お尻を突き出す)感じがするなら、あなたのセットアップは正しい。同時に、あなたは臀部に緊張を感じるべきだ。臀部の筋肉はスピードコントロールを与えてくれる筋肉群だからだ。間違ったセットアップだと大腿四頭筋(大腿の前面にある最も大きい伸筋)に緊張を感じるが、この筋肉は臀部の筋肉ほど強くない。強力な基盤抜きだとスウィング・スピードを増そうとするや否やスウィング・プレーンから外れてしまう」

お尻を突き出すと背筋がピンと伸び、いい姿勢が構築出来ます。記事の写真では背骨の前傾角度は40°が理想的だそうです。膝は柔軟性を保つために軽く曲げているだけ。この姿勢は、すぐ素早い行動に移れる"athletic posture"(アスレティック・ポスチャー)と呼ばれるものです。次のYouTubeムーヴィは、この記事とは無関係ですが同じ趣旨のことを云っており、初心者とPaura Creamer(ポーラ・クリーマー)のポスチャーの比較が見られるいいヴィデオです。
【参考】http://www.youtube.com/watch?v=25_MwDYQgxo

 

記事に付属の悪いポスチャーの写真では、背が25°と突っ立ち気味で、胸はボールに面しておらず遥か前方を向いています。また、膝を曲げ過ぎているため、これから重量挙げでもするみたいな格好。安定してはいますが、良いポスチャーのような素早い動きは期待出来ない感じです。

(August 21, 2013、増補January 05, 2017)


ティーアップの秘訣

若手有名プロを指導しているインストラクターSean Foley(ショーン・フォリィ)による、ドライヴァーのフェース各部とスピンとの関係を教えてくれるtip。

'How high to tee it up'
by Sean Foley ('Golf Digest,' September 2013)

「ティーアップの正しい高さはどういうショットをするか、およびその時のコンディションによって変わるべきものである。

私は穏やかな天候の日と、フェアウェイがソフトな日には常に高いティーアップをする。これは高めのボール軌道を生む助けとなり、バックスピンを減らしてくれる。私のドライヴァーのロフトは10°だが、それはスウィートスポットの周囲だけのロフトに過ぎない。フェース中央から1/2インチ(1.27センチ)上はロフトが12.6°になり、フェース中央から1/2インチ(1.27センチ)下だとロフトは7.4°に変化する。

ティーアップを高くすると打ち上げるスウィングになる確率が増え、クラブフェースの上部でボールを打つことになるが、それはボールの発射角度を高くして飛距離を損なう因であるスピンを減らす。スピンが少ないということはランが増える可能性を生む。

反対に、風の強い日にはティーアップを低くすることがボールを木々の高さよりも低く保つのに役立つ。低いティーアップだと、若干ヒットダウンする傾向になり、クラブフェースの下部でボールと接触する。こうするとボールは多めのスピンで低く飛ぶ。低いボールの飛行は風の影響を減らし、多めのバックスピンによってランが減るので着地後のコントロールがし易くなる。

ただし、過度にティーアップを高くしたり低くしたりしないように注意。最高の高さはドライヴァーの上にボールが半分出るくらい、最低の低さはボールの天辺が少しドライヴァーより高い程度である。ボールを水平に打つことが、ボールの軌道とスピンをコントロールするのに最も役立つものであることを忘れないように」

一時、《高いティーアップはバックスピンを減らし、飛距離が増える》という説がゴルフ界を席巻しましたが、それはプロのようにスウィングスピードが早いゴルファーだけに通用するものだそうです。インストラクターHank Haney(ハンク・ヘイニィ)は、「なぜ高いティーアップは駄目か」(tips_131.html)において、「ボールの天辺とクラブヘッドのトップを同じ高さにすべきで、それより高くするとトラブルが増える」と云っています。

【参考】「低くティーアップすべき理由」(tips_128.html)

(August 21, 2013、改訂June 04, 2015)


Brandt Snedeker(ブラント・スネデカー)のパッティング

 

若手スターBrandt Snedeker(ブラント・スネデカー)のパッティングは最近の基本となっているアーム・ストロークではなく、その昔Billy Casper(ビリィ・キャスパー)などがやっていた「ポップ・ストローク」と呼ばれるものです。"pop"には「ポンと弾く」という意味があります。スピーディなプレイを好むBrandt Snedekerには、性格的にこの急速なストロークが合っているのでしょう。現在のインストラクターたちはポップ・ストロークを推奨しませんが、Brandt Snedekerがポンポン入れちゃうので、このスタイルがPGAツァーでも大々的に復活するかも知れません。

'The scoring shots'
by Brandt Snedeker ('Golf Digest,' August 2013)

「・4.5メートル

私は中距離のパットは常に一発で入れようとする。あなたが2パットで上がることを考えているなら、攻撃的姿勢の欠如によって滅多に成功することはないだろう。

あなたのストローク法に大きな問題がないなら、この距離はストローク動作よりもフィーリングが重要だ。ラインを読む時、私は10〜12センチの道幅のラインを視覚化する。ストロークの強さにもよるが、この道幅ならボールが入るチャンスがある。必ずプロサイド(カップの上)から入るように狙うことと、絶対にショートしないように注意すること。

あまりにもラインにこだわると、緊張を生じる。多少の余裕とエラーの余地を見込んでおけば、リラックスしたストロークが可能になる。

・1.5メートル

こういう短い距離では成功か失敗しか考えられないので、常に成功させることだけ考えること。カップは様々なターゲットの中で最小のものなのだから、アドレスでパターフェースをスクウェアにし、それを絶対に変えてはいけない。

人々は私のショート・パットにおけるポップ・ストロークについて聞きたがる。私がポップ・ストロークをするのは事実で、パターヘッドはボールを打った後停止する。なぜか?インパクトでボールがエネルギーを吸収するからだ。インパクト後もパターが前進し続けるとしたら、動きを故意に操作しているせいだろう。

 

私は左手をストロングで握る(ターゲットと反対側に捩って伏せ目にパターを握る)。これによってパターフェースが回転するのを抑制する。フェースが回転しないということは、私のパットが成功することを意味している」

【参考】「Billy Casperのパッティング」(このページ上)

(August 30, 2013、増補January 05, 2017)


ポップ・ストロークの全て

ショート・ゲーム専門インストラクターTodd Sones(トッド・ソーンズ)が、昔の主流だったポップ・ストロークについて解説してくれます。

'Lights-Out Putting'
by Todd Sones with David DeNunzio (Contemporary Books, 2000, $22.95)

「40年代、50年代、そして60年代でさえ、手首を使うパッティング動作が主流だった。Sam Snead(サム・スニード)、Bobby Locke(ボビィ・ロック、南ア)、Roberto De Vicenzo(ロベルト・デ・ヴィセンゾ、アルゼンチン)ほかの名誉の殿堂入りしている人々もこの流儀だった。ポップ・ストロークをする場合、プレイヤーはバックストロークで右手首を折ってパターヘッドをコックする。コックの度合いはパットの距離次第でまちまちである。フォワードストロークでは、パターヘッドは逆方向にコックされた手首によってヒッティング・ゾーンに戻され、左手首は凹型に折れ、右手首は平らか、あるいは若干凸型に折れる。この動きを助けるため、パターをフィンガーで握るプレイヤーが多い。フィンガーグリップは手首の自由な曲げ伸ばしを許してくれるからだ。

手首を使うストロークは流麗な動きとは云えない。突くような動きというわけでもないが、ボールに興味深い一撃を与える。インパクトでアンコックされた手首がちょっとした"pop"(ポンと弾く動き)を生むのだ。それがポップ・ストロークと呼ばれる所以である。ボールはターゲットに向かってどんどこ転がり出す前に文字通りパターフェースからジャンプする。なんだか不安定そうなパットに聞こえるでしょう。事実そうなのだ。だが、プロ・ゴルフ創成期の大多数のグリーンも不安定だった。そういう古い時代の凸凹が多く、きめの荒いグリーンを克服するにはポップ・ストロークが必要だったのだ。現代のよく手入れされた早いグリーンと異なり、当時のグリーンはかなり遅かった。それにもポップ・ストロークが最適だった。

グリーンが改良されると問題が生じた。手首を使うストロークはコントロールが難しい。ポップ・ストロークでは小さな筋肉が大部分の仕事をする。小さい筋肉は大きい筋肉よりもコントロールが難しいのだ。グリーンが早くなるにつれポップ・ストロークは影を潜めた。だが、その遺産はまだ生きている。あなたがコンディションのいまいちな市営ゴルフ場や遅いグリーンのコースのメンバーなら、ポップ・ストロークを試してみる価値があるかも知れない。

私自身は手首を多用するストロークを好まないが、ある状況下ではパットを成功させる妥当な方法であることは理解する。だが、よく手入れされた今日のグリーンではポップ・ストロークは必要ないものだ」

(August 30, 2013)


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