Golf Tips Vol. 143

切れ味のいいショットを打つ練習

インストラクターDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)による、アイアンをシャープにヒットするコツ。

'Hit down and through'
by David Leadbetter ('Golf Digest,' June 2005)

「切れ味のいいボールを打つにはヒットダウンすることを覚えねばならない。

1) 練習場でミドル・アイアンを手に、左足がやや低くなるライを探す。ボールは足と同じ高さ(爪先上がりや爪先下がりは避けること)。

2) 両肩を地面の傾斜と平行にし(背骨はターゲット方向に傾く)、ボール位置はスタンスのやや後方。

3) アドレス時の背骨の角度を維持しながらスウィングし、ダウンスウィングで体重を左足に移すことに集中する。

4) インパクト・ゾーンで右脚の太腿がボールの真上に来る感覚を得ること。これが両手を前進させ、レイト・ヒットとディセンディング・ブローを作り出す。

このドリルは、実はドライヴァーにも効果的である。ティー・ショットではヒットダウンはしないものの、インパクトで水平か上昇軌道のスウィングが望ましいので、ドライヴァーでも両手がクラブヘッドをリードするべきなのだ。

この練習で得られるレイト・ヒットは、クラブヘッドが『ヒューッ!』と唸るようなヘッドスピードを生み出す」

(September 04, 2012)


左手先行のヒットダウン習得法

David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)考案の風変わりなドリル。これも伏せ目のインパクト構築に役立つ。

'Get a feel for solid strikes'
by David Leadbetter ('Golf Digest,' March 2012)

「スウィング・ダウンする際、左手に焦点を当ててほしい。左手がリードし、左手首が甲側に弓なりに反るのが理想である。これがアイアン・ショットを前傾したシャフトで打ち、ボールのターゲット側でディヴォットを取ることを助けてくれる。

左手は普通にグリップするが、右手は遥か下の金属シャフト部分を親指と人差し指の二本だけで持つ。この方法だと右手が押すのではなく、左手がクラブを引っぱるインパクトとなり、左手首は甲側で弓なりに反り、シャフトはターゲット側に前傾する。これを身体に覚え込ませる。

いったんボールに到達したら、右手がヒッティング・パワーと共にスウィングに参加する」

(September 04, 2012)


顎の高いバンカーからの脱出

PGAツァーのサンド・セイヴ率6位のAaron Baddeley(アーロン・バドリィ、豪)のバンカーtip。

 

'Get low to clear a high lip'
by Aaron Baddeley ('Golf Digest,' September 2012)

「時として、ボールがバンカー内の急な顎の近くに行ってしまうことがある。こういう場合、普通のバンカー・ショットを変更する必要がある。

高い軌道でボールを打ち出すため、私は通常より地面に身体が近いように感じるアドレスをする。スタンスは広く、膝を緩める。真の鍵は、私が《ボールから遠く立ち、クラブを握った手を下げる》ということだ。

こういう風に低く構えるということは、劇的にフェースをオープンにしなくても本質的にロフトが増えることを意味する。私はターゲットの右を狙うようにロフトを増すが、実際にはクラブのグリップ部分を下げることがバンカーの顎を越える軌道を生む。いったんこのセットアップをしたら、私はボールの後ろの砂の中を、上澄みを掬うような普通のバンカー・ショットをする。砂を早くカットすればするほど、ボールは高く上がる。だから、かなりのクラブヘッド・スピードを生むスウィングでフィニッシュすることを忘れないように」

 

(September 07, 2012)


ショート・アイアンで高いボールを打つ

インストラクターの世界No.1として長く君臨するButch Harmon(ブッチ・ハーモン)の寄せのtip。

'Butch's basics'
by Butch Harmon ('Golf Digest,' August 2003)

「多くのゴルファーが距離のコントロールを良くするため、ショート・アイアンでボールをやや低めに打つ。しかし、ピンがフロント・バンカーの背後にある場合など、折りにふれ高い軌道で打ちたくなることもある筈だ。

1) ボール位置はスタンス前方(シャツの胸にあるロゴよりも前)。

2) 背骨をターゲットと反対方向に傾げ、右肩を通常よりも下げる。

3) スウィングする際、胸をボールの背後に留める。

4) 右腕を伸ばし、通常より早期に両手をリリースし、フルにフォロースルーをとる。

これらの調整によって、ボールを高く、しかしややショートに、スピンが多いショットが生まれる。クラブ選択に注意すること」

(September 10, 2012)


フリンジからのチップショット

インストラクターButch Harmon(ブッチ・ハーモン)が紹介する、Raymond Floyd(レイモンド・フロイド)お得意のショット。

'Butch's basics'
by Butch Harmon ('Golf Digest,' May 2004)

「グリーンを外した場合、三つの選択肢がある。1) パターを使う、2) 3番ウッドでチップする、3) アイアンでチップする…の三つだ。私のお勧めは3番ウッドで、容易にフリンジを越えることが出来るからだが、バックスピンがかからないので距離コントロールが難しい。

あなたがアイアンでチップしたいなら、チッピング名人であるRaymond Floydのテクニックを真似るべきだ。

1) ボールに近く立つ。シャフトはフル・ショットよりずっと立ち、クラブヘッドはヒールが浮いて、トゥで接地する。これはストレート・バック、ストレート・フォワードのスウィング軌道を推進する。

2) ボール位置はスタンス後方にして、ボールを間違いなくヒットダウンする(掬い打ちは地獄行きである)。クラブを緩めに握り、パッティング・グリップか、あるいはフル・スウィング用グリップの改訂版を用いる。

3) ボールの後部にクラブヘッドを落っことすようにスウィングする。重力にほとんどを任せること。

以上が、Raymond Floydが簡単そうにやっているチッピング・メソッドだ。あなたにも役立つ筈だ」

(September 10, 2012)


Hank Haney(ハンク・ヘイニィ)のパッティング

自分がコーチしたMark O'Meara(マーク・オメラ)の二つのメイジャー優勝に勇気づけられたのでしょうが、このHank Haney(ハンク・ヘイニィ)のパッティング理論はいささか型破りです。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のコーチに雇われる以前の記事ですので、その後考えが変わったかどうか興味のあるところです。

'Roll it like a pro'
by Hank Haney with John Huggan ('Golf Digest,' March 2003)

「“リリースせよ”(振りほどけ)という言葉は、フル・スウィングでよく聞かれるものだが、リリースした場合、あなたはクラブのハンドル(グリップ部分)ではなく、クラブヘッドをスウィングしている感覚を抱く筈だ。リリースはパッティングの分野ではあまり聞かれないものの、私は偉大なパット名人(たとえばMark O'MearaやTiger Woods)などが間違いなくリリースしているのを知っている。

パターヘッドがボールを打つ際、彼らの左手首に強ばりは見られない。むろん、彼らの左手首が折れ曲がるというわけではないが、フォロースルーでは左手首の甲側に紛れもない角度が見られるのだ。Tiger WoodsとMark O'Mearaは、インパクトにかけてパターヘッドをリリースしている。それが、彼らのボールの転がりがよく、多くのパットを成功させている理由である。

【編註】2001年発行の'How I Play Golf'において、Tiger Woodsは次のように述べています。「手主体のパッティングは最悪だ。私はストロークの間、手と手首の動きを抑え続ける。だが、私は手と手首を完全に動かないようにしようとは思わない。もしグリップ圧があるべき程度に緩いものであれば、手首にごく僅かな折れを生じる範囲は存在する。それは特に長く強めに打つラグ・パット(OKの範囲に寄せるパット)をする場合に顕著である」

ボールが打たれる時、パターヘッドは両手を追い越し、自由に上方にスウィングされるべきである。手首で弾くパット名人にBilly Casper(ビリィ・キャスパー)とBobby Locke(ボビィ・ロック)がいるが、彼らにはインパクトでパターをリリースするという共通点もあった。

ストローク弧の最低点でパターヘッドを水平に動かしてボールを打ち、その後上に向かわせることに集中せよ。それがよい転がりを生む。

長い間、私は『左手をカップに向かわせよ』と説かれるのを聞いて来た。私の意見は反対である。左手主導のストロークはぎごちなく、ぎくしゃくして見える。自由に流れるような動きとはほど遠い。

正しいセットアップは、自然に垂れた腕、身体の脇に近い左腕である。これらがストレートなバックストロークと、インパクトでの自由なリリースをもたらす。パターのソールは地面にフラットか、トゥがやや上がっているのが望ましい。

お粗末なセットアップは、パターのヒールが地面から浮いており、左手首が弓なりに持ち上がっていて、左肘は身体からかなり離れているというものだ。これら全ての要素は、インパクト時にパターフェースをオープンにし、右にミスする結果となる。

左手を固くストレートにしようとすると、パターがインパクトで両手を追い越すことは出来ない。それがレフトハンド・ロー(=クロスハンデド)によるストロークが、パターヘッドを正しくリリースすることを妨げる理由である。

パターを正しくリリースするのに相応しいのは、伝統的なリヴァース・オーヴァラップ・グリップ(右手が左手の下になる)である。きつくグリップしてはならない。アドレス時の緊張は、インパクトでの強ばりに繋がる。パターヘッドをリリースし、左手首の甲側に角度を作ってクラブに両手を追い越させよ。自由で自然なフォロースルーへとパターを送り込め」

(September 13, 2012)


Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のピンチ・ショット

パンチ・ショットではありません。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)はこのショットに名前をつけていないのですが、「いつものいい調子が出ない時に打つショット」と云っていますので“救援ショット”という意味で”ピンチ”、また「クラブと地面でボールを"pinch"する(挟む、摘む、締め付ける)打ち方だ」とも解説していますので、どちらの意味でも「ピンチ・ショット」で悪くないと思います。スティンガーに似ていますが、現在のTiger Woodsの進化したスティンガーとは多くの点で異なります。多分、スティンガーのプロトタイプでしょう。

'Tiger tips'
by Tiger Woods with Pete McDaniel ('Golf Digest,' July 2003)

「バイオリズムのバランスが悪いのか、マスル・メモリが枯渇したのか、脳がクラッシュしたのか定かでないが、誰しもスウィングが不調に陥ることがある。それはラウンド前の練習で明らかになる。私の持ち球は高い軌道のドロー気味のショットであるが、それが打てない場合、正確さと飛距離の双方が要求されるタフなコースでは、いつものショットが現れるまで守りの姿勢で次のようなショットをする。

このショットは平坦な軌道を生むので、風の強い日に効果的である。

1) 通常必要とされるより距離の出るクラブを選ぶ。これは、コントロールし易いイーズィなスウィングを可能にする。

2) 通常より広めのスタンスで、ボール位置はスタンス後方。

3) 通常より膝を柔軟にする。

4) バックスウィングは通常の3/4を越えない。(長めのクラブを選んであるから、フル・スウィングは必要ない)

5) 3/4スウィングではあるが、スウィング弧は大きくし、切れ味のいいコンタクトを得るため、浅い攻撃角度を維持する。

6) ボールをクラブと地面で”ピンチ”するようなインパクト。

7) 身体をボールの手前に留めることで、浅いディヴォットをとる。もし急角度のダウンスウィングをすると、ボールは高く膨らんだ軌道になってしまう。

8) 短く、低いフォロースルーをする。

 

結果は、低く、切れ味の鈍いショットで、終始ターゲット方向から逸れない。

私はインパクトまで、身体がボールの真上に留まるように心掛けている」

(September 17, 2012)


Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のNewスティンガー

'My new stinger'
by Tiger Woods with Pete McDaniel ('Golf Digest,' June 2008)

「私のスティンガーは、ゴルフ・スウィングの知識の深化に伴って、ここ数年で進化を遂げた。先ず、オン・プレーンで打つようにしたのが第一。また、インパクトで左手甲が地面を向くことに主眼を置いた。私は、ダウンスウィングでシャフトが地面と平行になった時点からリリースを始め、左手甲を下に向け、その動作がロフトを減らす。私は、身体を前にシフトしたり寄りかかったりするのでなく、リリースによってボールを地面に叩き込む。

私はまた、インパクトにかけて腕をリラックスさせ続ける。力任せにボールを打つのは、貧弱なリリースと、バックスピンによる高めの軌道を生む。それは私の狙いと反対のものだ。

ハイハンデのゴルファーは、ボールをクラブフェースと地面の間で"trap"する(捉える、閉じ込める、挟む)ことの概念を理解しない。彼らは、急角度にスウィングするか、地面にクラブをドカーンとぶつけるかどっちかで、ダフるか、インパクトで下半身の動きを止めてしまい、ムラのあるコンタクトの原因となってしまう。

シャフトはインパクト・ゾーンでターゲット方向に傾いでいなくてはならない。それによってクラブフェースがボールを"pinch"(挟む、摘む、締め付ける)し、ボールのターゲット側でディヴォットをとることになる。

これを実現するには、下半身がダウンスウィングをリードし、両手が返るのを阻止し続け、スウィングの正しいタイミングを維持する。また、左手首はインパクトにかけてクラブフェースが急速にクローズになろうとするのを防がねばならない。両脚は、下半身によるリードと体重移動を示してターゲット方向に少し傾くべきである。下半身が"trap"の引き金となる」

(September 17, 2012)


どれだけ砂を取るべきか

'Golf Digest'『ゴルフダイジェスト』誌付属研究所のリポート。

'How much sand to take?'
by Scott Smith ('Golf Digest,' October 2000)

「本誌は、インストラクターTim Mahoney(ティム・マホニィ)に何度かバンカー・ショットをして貰い、その都度抉られた砂の分量を計量した。

カップまでの距離は12ヤード(約11メートル)、クラブは56°のCleveland 588ウェッジ。

Tim Mahoneyは平均6オンス(170グラム)の砂を取った。ちなみにクラブフェースをクローズした場合は、平均25オンス(約708グラム)の砂が掬い出された。『あなたがバンカーから脱出出来ない理由はこれだ』とTim Mahoney。『フェースがクローズになって、砂を取り過ぎるのだ』

Tim Mahoneyは生徒達に、『草の上から打つ三倍ハードにスウィングせよ。ボール三個分のディヴォットを取れ』と説くそうだ。適正なボールの重さは1.62オンス(約46グラム)以内と定められている。Tim Mahoneyの三個のボールは、テストで彼が取った砂の重さに達しない。彼は『テストは午前8時に行われ、砂は朝露で重かった。それで少なかったのだと思う』と語った」

本日のラウンドで、《草の上から打つ三倍ハードにスウィングせよ》を実行して、グリーンサイド・バンカーから二回ピン傍に寄せることが出来ました。そのうちの一つはボール一個分カップの横で止まりました。もちろん、ボール後方3センチぐらいのところにサンドウェッジのクラブヘッドを打ち込むことに集中しましたが、「三倍」の高さのフィニッシュを心掛けたのが功を奏しました。

「ボール三個分のディヴォット」については、インストラクターによっては「ドル紙幣の長さのディヴォット」と説く人もいます。ドル紙幣の横の長さは15.7センチです。ボールのスリーヴ(三個入りの箱)の長さは約13センチですから、それよりも大きいわけです。どれかお気に入りの尺度を選んで、バンカー・ショットを成功させましょう。

(September 20, 2012)


急速に止める短いチップ

'Drop-and-stop chip'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' July 2012)

「あなたのアプローチ・ショットが、グリーン後ろの短いラフにこぼれてしまった。グリーン・エッジからカップまでには転がせる面積はほとんどない。短いフロップ・ショットをするかロブウェッジによるチッピングに賭けるか、あるいはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)式"dead-ball"(デッド・ボール)アプローチか、どれかしかない。

・デッド・ボールの打ち方

1) 極端に狭いスタンスで、体重は左側。

2) ボール位置は左足踵の前方。

3) 短いバックスウィングで、テイクアウェイしつつクラブフェースをややクローズにする。

4) ダウンスウィングでは、右手が左手の下をすり抜けるようなイメージを持つ(これがロフトを増す)。

ボールはソフトに飛び上がり、ほとんど転がらずに急停止する」

(September 20, 2012)


ラインが不確かな時

インストラクターDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)によるパッティングtip。

'Course management'
by David Leadbetter ('Golf Digest,' October 2012)

「カップ近くでどうブレイクするか判らない場合は、低く屈んでカップの一方が他方より高く見えないかどうかチェックする。ボールはほとんど常に低い方に切れるものだ。

もし、高い側がカップの後方なら、しっかり打たねばならない。もし、カップの後方の縁が見えないようなら、そのパットは【下りであり】速く転がる」

(September 27, 2012)


手打ち防止法

'Cast away for more power'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' December 2002)

「よいスウィングとは、インパクトの直前までエネルギーを蓄えたままコックされた手首によって特徴づけられる。ダウンスウィングの早期にコックを解(ほど)いてしまう手打ちは、高く弱々しいドライヴと、アイアンでのダフりの原因となる。

【防止法その1】

手打ちの多くは、テイクアウェイでクラブをすぐさま内側に引っ張ることによって生じる。これは、左前腕部の過度の回転を招き、手打ちでしかボールを打つ手段がないほど身体の背後にクラブを引き込むことになる。

バックスウィングをチェックするには、一本のクラブ(クラブA)のグリップ・エンドを右爪先に当て、シャフトをターゲットラインに沿わせて地面に寝せる。別のクラブ(クラブB)をスウィングし、シャフトがクラブAと平行になるところで停止する。あなたの両手は、地面に置かれたクラブAのハンドル(=グリップ部分)の真上にあるべきである。そして、クラブのリーディング・エッジの角度は、あなたの背骨の前傾角度に一致していなくてはならない。

【防止法その2】

トップまでスウィングし、そこで停止したまま両手を見てほしい。左手首と前腕部の間に目立つような角度が形成されていないだろうか?トップで手の甲の方に凹型に折れた手首は、往々にして手打ちに繋がるものである。

真っ直ぐな手首の感覚を得るには、腕時計のバンドにプラスティックの物差しか割り箸の一端を挟み、他の端を輪ゴムで手の甲に止める。スウィングの間、物差し(あるいは割り箸)はフラットになっているべきで、もし曲がるようであれば、あなたは手首を折っていることになる。

【編註】「コック」とは、クラブを持った手を真っ直ぐ身体の前に伸ばし、その状態から(肘を折らずに)おもむろにクラブを垂直に立てた状態です。左手の親指の腹に最大の圧力が掛かり、その親指が背の方に押し曲げられます。スウィングする際も、同じように左手親指の腹の方向にクラブを曲げれば、手首は折れません。

【防止法その3】

クラブをあまりにも緩く握っていることも手打ちになる可能性の一つである。左手がクラブをしっかり握っていないと、トップでゆるゆるになるため、今度は過度にきつく握り直さねばならないことになり、その緊張が手打ちを導く。

アドレスでは、左手の最後の三本の指によって、しっかりグリップされなければならない。左手の小指の下に一本のティーを差し込み、それが抜け落ちないように素振りしてみる。小指がしっかりしていれば、隣接する薬指と中指もしっかりし、手打ちは起らなくなる」

(October 01, 2012)


石川 遼の フェアウェイ・ヒットのコツ

'My checklist'
by Ryo Ishikawa ('Golf Digest,' October 2012)

「・低くティーアップせよ

低いティーアップは、ボールの低い軌道を生み出す。それは早めに着地するため、コントロールするのが容易である。ドローもフェードも、低く飛ぶ時、次のショットをプレイし易い位置にボールを運んでくれるものだ。

高いティーアップは、キャリーを増やすためのアップスウィングでボールを捉える助けとはなるが、飛距離は最高でもフェアウェイ・ヒットのために最高とは云えない。

・1インチ(1.25cm)ほどグリップ・ダウンせよ

ドライヴァーを短く持つのは、ティーショットのコントロールを増すためにいい方法である。グリップ・ダウンするとシャフトの長さが減り、スウィング・スピードがやや遅くなるため、ヤーデージが多少犠牲になる。しかし、スピードこそ失うものの、ボールとのいいコンタクトと突き刺すような飛行によって埋め合わせは充分出来る。より真っ直ぐ遠くに飛ばす結果となるチャンスが得られるわけだ。

・コンパクトに徹せよ

バックスウィングを長くすると、インパクトでスクウェアにクラブフェースを戻すのが難しくなる。スウィングの長さをコントロールすることによって、ティー・グラウンドから右や左にボールをばらまくパーセンテージを下げることが可能になる。

私は、クラブシャフトが地面と平行になる以前でバックスウィングを完了させることを好む。これは長くぐらついたトップを防ぎ、ダウンスウィングへのスムーズな切り返しをお膳立てしてくれる。

・木のこずえの下に留めよ

 

ティーショットを打つのが難しいホールで、私は両側の木の頂きを結んだ“天井”をイメージする。ティーショットが、その天井をぶち破らないように打つことを心掛ける。このイメージは、多くのアマチュアがボールを高く上げようとするのと反対に、低い軌道でフェアウェイをキープすることを助けてくれる。

フラットな軌道でボールを発射すれば、狙った通りのラインで飛ぶ可能性を増し、グリーンを攻め易い次打の位置が得られるのは間違いない」

【参考】「低いボールは曲がらない」(tips_80.html)

(October 04, 2012)


グリーンでは足からの情報も使え

スポーツ心理学者Dr. Joseph Parent(ジョゼフ・ペアレント博士)によるグリーンの読み方。

'Golf: The Art of the Mental Game —100 Classic Golf Tips'
by Dr. Joseph Parent (Universe Publishing, 2009, $24.95)

[Ravielli]

「目でグリーンを読むだけでなく、足でグリーンを読むというのは、多くのゴルファーにとって目新しい方法かも知れない。

ボールとカップ間のパッティング・ラインに沿って歩いてみよ。そして、両足のバランス感覚に集中する。地面がどちらの方向に傾斜しているか、アップヒルか、ダウンヒルか、水平かなどが歩くにつれ感じ取れる。

その足の情報と目の情報をつきあわせる。たまに目は錯覚することがある。疑問に思ったら、目の代わりに足の感覚を信じるべきだ」

この方法は「足でグリーンを読む」(tips_1.html)で知らないわけではなかったのですが、ほとんど使ったことがありませんでした。通い慣れたコースのグリーンでは、大体ブレイクの傾向が分っていますし、チーム・プレイだとチーム・メンバーの中の上級者に聞くことも出来るからです。

しかし、最近になってこのtipの重要性を痛感します。見た目には右へのブレイクがありそうなのに、実際には左に切れるというカップも存在したり、明らかに左へのブレイクに見えるのにカップの縁の右側が崩れているホールもあったりします。後者の場合、大勢のパットによって縁が崩れたのなら右へのブレイクということになりますが、無精なゴルファーたちがパターでボールをこじり上げて右の縁が崩れたのなら、それはブレイクとは無縁だということになります。こういう時、上級者(あるいは毎日ラウンドしている人間)に聞くと、「真っ直ぐ打て」などという答えが返って来ることが多いのです。確かに、《迷ったらカップ目掛けて真っ直ぐストロークせよ》という格言はあるのですが、私が欲しいのは情報です。誰かに聞くより、自分でカップの傍に歩み寄って足のバランスを感じ取る方がずっと役に立ちそうです。

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(October 07, 2012)


アイアン・ショット、若手プロ三人の助言

'The pros know'
edited by Peter Morrice ('Golf Digest,' October 2012)

「・Bill Haas(ビル・ハース)

練習場へ行き、7番アイアンで100ヤード打ちなさい。スムーズなスウィングが出来、ボールはクラブフェースから跳ね飛ぶことだろう。

・Brandt Snedeker(ブラント・スネデカー)

練習場へ行き、ウェッジでボールをカッチリ捉えられるようになるまで打つ。その時のリズムが、全てのアイアンに必要なリズムである。

・Hunter Mahan(ハンター・メイハン)

トップまでスウィングし、一瞬の間(ま)を置く。その後でダウンスウィングをする。これが快打するコツである」

(October 10, 2012)


下半身でリードせよ

「下半身主導のダウンスウィング」をすることの重要性についてはいやという程繰り返していますが、かく申す私自身の自戒のためにもリピートすべきだと考えます。今回のはヴェテランTom Watson(トム・ワトスン)の言葉です。

'Lead with your lower body'
by Tom Watson with Nick Seitz ('Golf Digest,' November 2012)

「バックスウィングからダウンスウィングへの推移は、パワーと正確さを生むために極めて重要である。その鍵は、ダウンスウィングを下半身でスタートすることだ。ベストのスウィングにおいては、まだ上半身が後方へ回転している間に下半身がターゲット方向に動き出す。肩が捻転を続けている最中に、左腰がターゲット方向に逆回転するのだ。これには厳しいタイミングと多くの練習が必要だ。

一般のゴルファーは、左腰の回転と、同時に左踵を動かすこと(あなたが左踵を地面から挙げるバックスウィングをしている場合)によってダウンスウィングを開始すると考えるべきだ。アドレスにおいて左足をやや開いておくと、腰の回転がし易くなる。

上半身が動く前に下半身を動かす素晴らしい例はFred Couples(フレッド・カプルズ)である。彼のスウィングは一見して彼だと分かるほど、とてもスムーズである。

あなたがダウンスウィングを始める際、あなたの左肩はアドレス時に確立したプレーンを維持すべきである。多くのアマチュアが、あまりにも早期に肩をターゲット方向に廻すことによってダウンスウィングを始めてしまい、恐るべき手打ちによってプルやスライスを生み出すことになる。

スローモーションでダウンスウィングし、下半身がリードすることと、肩が後方に留まっている感覚とを得る練習をしなさい。私がプロ=アマのラウンドでアマチュアたちに云う決まり文句をあなたにも進呈したい、『トップではのろのろ動く感覚を得なさい』」

「のろのろダウン・スウィングの原典」(tips_1.html)にあるように、最後の『トップではのろのろ動く感覚を得なさい』はBobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の言葉の受け売りです。

近頃、私の飛距離が落ちてしまい、「生体力学的鍛錬ヴィデオ」の運動を再開しても伸びませんでした。そして、上のTom Watsonの記事にぶつかって、最近の私は「下半身主導のダウンスウィング」をちゃんと実行していないことに気づかされました。腕の力で飛ばそうとしていたのです。私は細身で非力な方ですから、腕力では飛びません。腕の筋肉が発達していない10〜14歳ぐらいのジュニア・ゴルファーたちと同じように、全身のバネを使わなければいけないのです。それに気づいた私は、「下半身主導のダウンスウィング」によって、長く、しかも真っ直ぐ飛ばせる能力を復活させることが出来ました。

Tom Watsonは性格もせっかちで、スウィングのテンポもかなり早い方です。彼には「上半身が後方へ回転している間に下半身がターゲット方向に動き出す」というメソッドが向いているでしょうが、私にはそういうことは出来ないし、向いてもいません。御存知のように、私は「トップの間(ま)」を置くタイプです。そのトップの間で、「後退」から「前進」にギア・チェンジします。(車の場合、後退しながら前進は出来ませんよね) そのギア・テェンジの際にトップにクラブと手・腕を”置き去り”にし、腰を逆回転させます。頭で考えるとクラブがオープンになってプッシュを招きそうですが、実際にはそうはなりません(よほどゆっくりダウンスウィングすればプッシュするでしょうが)。

私が上に述べたメソッドでちゃんとスウィングすると、これまでより大きく長いフォロースルーが実現出来ます(=飛距離)。腕・手によるスウィングをトンカチを振ることに喩えれば、下半身主導のスウィングは鞭のようなもので、鞭を振るう原動力が下半身、鞭の先端が下半身に引っ張られる腕・手・クラブヘッドになるので、最大限の遠心力が得られるからだと思います。

【参照】「下半身でクラブを引き下ろす練習法」(tips_144.html)

(October 13, 2012)


Andy North(アンディ・ノース)のパッティング

Andy North(アンディ・ノース)は1978年と1985年のU.S. Open優勝者で、現在CATVのスポーツ・チャネルであるESPNのゴルフ中継解説者。

[North]

'The long and the short of it'
by Andy North with Burton Rocks (Thomas Dunne Books, 2002, $24.95)

「パッティングはゴルフ・ゲームの中でも、とても個人的な部分である。ベストのプレイヤーたちのパッティング・スタイルも様々に異なっているのだが、彼らに共通する二つの点がある。1) 彼らはパットの名人であることと、2) パターをラインに沿ってバックさせ、前方に加速させることによって、クラブフェースがボールとスクウェアに接触するようにラインを常にキープする能力を持っていることだ。パット名人たちの多くはストロークする際に、主に腕と肩を使う。ボールに向かって加速させることを忘れてはいけない。

私は子供の頃からボールを打つのは上手かったが、パット名人ではなかった。私は色んなパターやグリップを試した。クロスハンデド・グリップも試したが駄目だったし、速度の判断もお粗末だった。しかし、大学二年の時に劇的な変化が訪れた。私は古道具屋で、あるパターを見掛けて2ドルで買った。それはSpalding Cash-Inだった。そのパターを使うため、私はパターを短く持ち、それによってストロークの強さがもの凄く改善された。大学三年は私のゴルフの最良の年で、目を見張らせるようなパットを沈めて、アメリカのあちこちで優勝した。二回のU.S. Open優勝に貢献してくれたのも、このパターだ。グリーンが早ければ早いほど、私は成功した。この2ドルは、私が行ったベストの投資である。

古道具屋のパターは、私に異端とも云えるクラウチング(屈み込む)スタイルを開発させるほど快適だった。私がグリーンでセットアップすると、私は身体を二つに折っているように見えるほどだった。【編註:彼の身長は1.93メートル】 突如、私はボールが正しい方向に進み、カップに対して正しい距離で止まるようになったことに気づいた。私はこのテクニックに執着し、チャンピオンズ・ツァーでプレイしている今日までも変えていない。何故ならこのメソッドは、ストロークから私の手を排除し、肩と腕を主体に使うことで、突如としてパットをコントロール出来るようにしてくれたからだ。

アマチュアの多くが、パッティング技術の奥義はラインにあると思っているが、それは大きな間違いだ。グリーンを読むのは科学である。グリーンの早さを正しく判断出来る者が、その日の終わりに少ない数字をカードに書き込むことが出来る。グリーンを読み、どの程度ブレイクがあるか判断するには、ボールを打つ強さを理解せねばならない。パッティングの最も重要な側面は強さである。【編註:彼は"speed"(速度)という言葉を使っているのですが、私は「強さ」と言い換えています】 あなたは、アマチュアがカップの上を通過して3メートルもオーヴァーさせるのを見たことがある筈だ。彼らはそれがカップに入りかけたことによって、いいパットだったと考える。とんでもない。彼らが真にいい強さでパットをしたのなら、ボールはカップの傍1メートルで止まり、楽な次打を残すものだ。アマチュアは1メートル横で止まったパットを上出来と考えないが、正しい強さで打たれた点で、それはいいパットなのだ。どれだけの強さでパットすれば良いかを知らなければ、どれだけのブレイクがあるかも知ることは出来ない。【編註:強く打てばブレイク量は減り、弱く打てば大きくブレイクするから、両者は相関関係にある】

パッティングの他の側面は練習である。ゴルファーは1メートル、1.2メートル、1.5メートルなどのパットを練習する必要がある。これらを難なく沈めるようにならねばならない。これらの距離に習熟すれば、3パットは根絶出来る。これらの距離をマスターしたら、ラグ・パットを練習することだ。ラグ・パットによって1メートル以内に寄せることが出来れば、(上の練習の成果で)楽勝ということになる。私はPGAツァーのラウンドにおける最少パット数を達成した五人のうちの一人で、そのパット数というのは18である。18ホールの全てを1パットで上がったわけだ、誰もがそんな風にラウンド出来るとは思えないが、1.5メートルの距離の練習に励んだら、ラウンド終了後にスコアカードを書く際、このゲームはとても友好的だと感じられる筈である。

あなたは練習グリーンに赴き、どういう体勢が快適か試すべきだ。多くのプレイヤーが、ラウンドの途中でもスタンスやグリップを変えるのを御存知だろうか。彼らは特定の日に従来のやり方がうまく行かないと、身体が快適だと感じるまで位置を調整する。

コーチたちはパッティング・スタイルを教えてくれるが、どれがあなたにとってベストかは、自分で見出す必要がある。私は異なるグリップ、異なるスタンス(広め、狭めなど)を変えたが、常にラインにスクウェアである点は変えなかった。あなたが初心者であれ上級者であれ、実験し、どのスタイルがベストかを知る必要がある。ツァー・プレイヤーたちは全てを試している。ツァーにおいてパット巧者と、並のプロを別けるのは、どちらが1ストローク少なかったかに過ぎない」

【おことわり】写真はbarnesandnoble.comにリンクして表示させて頂いています。

(October 17, 2012)


Natarie Gulbis(ナタリィ・ガルビス)のバンカー・ショット

LPGAツァーのカヴァー・ガールNatarie Gulbis(ナタリィ・ガルビス)のインストラクション。

'Get out of any bunker on your first swing'
by Natarie Gulbis ('Golf Magazine,' November 2012)

「1) ボール位置は左踵の前方。

2) 最小限の肩のターンで短いコンパクトなバックスウィングをする。手は腰の高さを越えないこと。クラブと左腕で90°の角度を作る。

3) 手と腕を身体に引きつけたまま、腰を回転させてダウンスウィングする。インパクトで手首の蝶番が完全に緩むことを許し、インパクト後再びクラブと左腕で90°の角度を作る。手首のこの一連の動きは、クラブヘッドが砂を容易にくぐり抜け、ロフトを増す助けとなってくれる」

やってみました。「インパクトで手首の蝶番が完全に緩むことを許し」という部分は自然にそうなるので、意識する必要はありません。実験した日は雨の後で砂が湿っていましたが、それでも軽いスウィングで難なく脱出出来ました。

(October 17, 2012)


魔法のダウンスウィング

私は「下半身主導のダウンスウィング」とお経のように書いて来ましたが、細部にわたって説得力ある文献を紹介したか?というと、否だったと思います。最近、自分が一度見失った「下半身主導のダウンスウィング」を再発見するに及んで、読者にも納得して貰える引用をすべく蔵書を引っくり返して調べました。ありました。ちゃんとアンダーラインまで引いてありました!1999年に初めて紹介した本なので、何と13年間も目の前にありながら、埃を被らせていたわけです。

その本は'The Four Magic Moves to Winning Golf'(英語版1995年刊、日本語版『マジック・ゴルフ 必勝ゴルフの四つの秘法』)というもので、長年'Golf Digest'の編集長を務めたGeorge Peper(ジョージ・ペパー)が古今の47冊の“名著”のエッセンスをまとめた'The Secret of Golf'(『ゴルフの秘密大全集』)にも選ばれて、要旨が10ページも紹介されています。

私はこの本の著者Joe Dante(ジョー・ダンテ)が説く「四つの魔術的動作」をさらっと紹介し、その後もどちらかと云えば、その中の一部の「アーリィ(早期)コック」に焦点を当てた感じの紹介ばかりしていました。「下半身主導のダウンスウィング」の部分については、以下のようにまとめただけでした。

Magic Move #3: 腰を左に水平移動し、頭を後ろに残し、クラブを動かす努力をしない

 腰は回転するのではなく、水平移動するのである。腰、肩、手の動きが正しければ、手首のコックとその角度は保たれると云ってよい。左腕は腰に引っ張られる。腕はクラブと腰の間にある棒に過ぎない。もし、ゴルフ・スウィングにおけるたった一つの秘密があるとすれば、これである。


「ゴルフ・スウィングにおけるたった一つの秘密があるとすれば、これである」と著者が強調しているのに、私のまとめ方は極端に圧縮し過ぎで、これでは読者も身構えて読む気にはなれなかったことでありましょう。

で、その部分を「なるほど!」と云って頂ける程度に詳しく紹介したいと思います。

[4 Magic moves]

'The Four Magic Moves to Winning Golf'
by Joe Dante with Len Elliott (Doubleday, 1995, $12.95)

「ダウンスウィングの魔術的動作は、要約すると次のようになる:
a) 腰を横に動かす。その間、b) 頭を後方に保ち続け、c) クラブを動かそうという努力は一切しない。

a) 腰を左へ廻すのではなく、《ダウンスウィングの開始で腰を水平移動させる》ということは、いくら強調してもし足りないほどだ。スウィングのトップで腰が左に水平移動すれば、腰は右足に掛かっていた体重を左へ移動させることになる。これが腰の水平移動をすべき第一の理由である。

第二の理由。われわれの身体はトップで捻転し、固く巻かれているわけだから、腰のどんな回転運動も肩を道連れに回転させてしまう。その結果、右肩をボールに向かって高い位置からターゲット方向へと回転させるので、クラブを振り下ろすとアウトサイド・インの軌道になってしまう。

腰は水平移動しても回転するが、単に回転だけさせようとすると水平に動くことはしない。これはあなた自身が証明出来ることだ。立って、出来るだけ遠くまで腰を動かしてみられよ。限界に近づくと腰は勝手に回転を始め、誰にもそれを止めることは出来ない。スウィングのトップで腰は右へ(多分45°ぐらいの角度で)捩じれている筈だが、あなたが腰を水平移動すれば腰は左へ逆回転を始める。ここでの秘策は、腰が回転を始める前に腰を左へ水平に向かわせてしまおうということである。腰を意識的に回転させようとしてはいけない。

腰の水平移動をすべき第三の理由は、これが肩が廻る際に僅かに肩を揺らすことによって、クラブのボールへの引き下ろしを開始させる動作であるということだ。この腰の動きは(他の何物でもなく)ダウンスウィングの起動力を生み出すのだ。

b) 『頭はスウィングの錨だ』という表現は、ダウンスウィング開始のこの段階で、きわめて重大な意味を持つ。腰を水平移動させる時、われわれが頭を後方に留めれば、上体が腰とともにターゲット方向に移動するのを防止出来る。われわれはバックスウィングで苦しい思いをしながら身体を捻ったわけだから、その緊張を早期に解(ほど)いて楽にしてはいけないのだ。トップで作り出した身体の捻転による緊張は、スウィングがボールに到達するまで可能な限り長く保持しなければならない。それが、スウィングとクラブの動く速度にパワーを与える主な要素の一つなのだから。もし、頭がターゲット方向に動くと、われわれは身体の緊張を失ってしまう。頭を後方に保持すれば『ボールの後ろに留まれ』という定説も実行出来ることになる。

古い通説では『何が何でも頭を静止させよ』とされたものだが、現代のゴルファーの頭は後方に留まるだけでなく、実際には少し下降し、数センチ後方に動きさえする。その理由の一つは、身体がターゲット方向に弓なりに反る(=頭から足元までの長さが減る)ためであり、もう一つの理由は、上級者の柔軟な膝はヒッティング・エリアでさらに僅かに曲がるせいだ。

c) トップからの最初の動きに際し、《クラブを動かそうという努力は一切しない》ことも重要なポイント。もちろん、クラブは動くのだが、それは肩の動きに引き摺られて否応なく動かされるのであって、手首、手、腕などがクラブを動かそうと努力すべきではないのだ。もしわれわれが、ダウンスウィングの開始にあたって、腕、手、手首を一瞬でも一本の材木に変貌させられれば完璧である。そうなれば、その材木とクラブは堅固な一つの単位となって凍結され、揺れて回転する肩に刺激されて、一体となって全てが下降を始める。両手が腰の高さまで下りた時、電気ショックを受けたようにそれらが凍結から覚めて息を吹き返す。こうして、われわれは完璧な動作を達成出来ることになる。《下降のための全てのアクションは、左サイドに向かっての腰の水平の動きによって始められる》のだ。

スウィングが正しければ、手首とクラブによって形成されるコックは自動的にダウンスウィングの後半まで保たれる。上に述べた三つの魔術的動作を実行すれば、コックが解(ほど)けることはない。コックを解かぬためには《クラブを動かそうという努力は一切しない》ことだ。

基本は腰の動きである。左腰がダウンスウィングをリードする。その左腰はトップから左に水平に突き出され、最後に自動的な腰の回転へと続く。しかも、実際にはそれ以上のことが起る。

腰は左サイドに向かい、そしてターンするだけではないのだ。腰の動きは左腕と密接に連結されているので、腰が腕とクラブを引き下ろしてボールを鞭打つことになる。これはいいゴルファーが達成する唯一の最も重要な動作である。

これを『左腕を引き下ろすことでダウンスウィングを始めよ』という説と混同してはならない。左腕は腰によって引き下ろされるというのが真実だ。腕は腰とクラブの間を繋ぐ単なる棒に過ぎない。

もしゴルフ・スウィングにたった一つの秘訣があるとすれば、これである。これは唯一の偉大なパワーの源でもある上肢と上体の大きな筋肉が、手が何かする以前にクラブに助走を与えるのだから。

この方法で腰を動かすことは、しごく単純に思えることだろう。云うは易く、理解するのも容易い。だが、ほぼ全てのゴルファーの大軍団が、これを実行出来ないでいる。数百万の人々が、こういうインストラクションを読み、聞き、写真を見ているが、その数百万の人々は彼らのダウンスウィングを手で始めたり、腕で引っ張ったり、腰を動かし始めるのはいいが最後まで動かすのを忘れて、腰の動きを止めてしまったりする。

彼らが失敗するのは二つの理由からである。a) これは大きな動きなので、実行するのを躊躇ってしまう。b) クラブヘッドをコントロールすることに没頭するあまり、腰の基本的アクションを忘れ、腰を殺してしまう…という二点からだ」

いかがですか?まだ納得出来ないのであれば、打ちっ放し練習場に行き、a) 腰を回転させるダウンスウィング開始と、b) 上に述べられているように腰を左に水平移動するダウンスウィング開始…の両方を較べてみるべきです。飛距離ばかりでなく、これまでのスウィングと正確さがまるで違うのにも気づかれることでしょう。

私が時折書く「トップでクラブを置き去りにする」という表現は、上の《クラブを動かそうという努力は一切しない》というセオリーに基づくものです。

【参考】
・「下半身主導のダウンスウィング」(tips_129.html)
・「Joe Danteの4 Magic Moves」(tips_25.html)
・「Joe Danteの続・4 Magic Moves」(tips_25.html)
・「Joe Danteのマジック・コック」(tips_35.html)
・「Joe Danteのマジック・コックの効用」(tips_35.html)
・「Joe Danteの25の馬鹿げた理論」(tips_25.html)

(October 19, 2012、改訂June 04, 2015)


続・魔法のダウンスウィング

'The Four Magic Moves to Winning Golf'(1962年初版)を著したJoe Dante(ジョー・ダンテ)だけが「ダウンスウィングの開始で腰を左へ水平移動せよ」と云っているわけではありません。1974年に出版された'Golf My Way'でJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)も同じことを云っています。

「ダウンスウィングのかなり後半(手が腰の高さになる辺り)まで、(腰を廻すのではなく)腰が水平にターゲット方向に動くように感じたい」 (1998年の英語版ペーパーバック151頁)

この本のダウンスウィングに関する章に、"laterally"(水平に)という言葉は八回出て来ますが、Jack Nicklausはそれらを全部イタリックにして強調しています。彼もまた、「ダウンスウィングでは腰を回転させるのではなく、腰を水平にターゲット方向に突き出す」のだと考えていることが分かります。

(October 23, 2012)


手打ちの解剖学的考察

「魔法のダウンスウィング」のJoe Dante(ジョー・ダンテ)が解明した手打ちの原因。

[4 Magic moves]

'The Four Magic Moves to Winning Golf'
by Joe Dante with Len Elliott (Doubleday, 1995, $12.95)

「大方のゴルファーにとって、クラブを早く動かそうというのは本能的な衝動である。一般のゴルファーは、思い切り遠くにボールを飛ばすにはクラブヘッド・スピードを増さねばならないという知識から、クラブヘッドを動かすことに囚われてしまう。そう考えるのは普通なのだが、これは実際にはいくつかあるゴルフの矛盾の一側面なのだ。

ゴルファーがクラブヘッドを動かそうと試みる瞬間、彼は三つの破滅的行動を起こす。彼は少し肩を廻してしまうのでクラブはアウトサイドに投げ出される。彼はシャフトと左腕の角度を開き始め、コックを解(ほど)き、腰の動きを止めてしまう。

ほかにも一般ゴルファーがよくやることがある(こっちの方が実は最も潜伏的で油断ならないのだが)。それは急速に手を落下させることが出来ずに、コックを早期に解いてしまうというものだ。いったんダウンスウィングを始めたら、手とクラブは同じ速度で動くか、どっちかが早くなる。これらのスピードを変える簡単な方法は、落下する際に手を少し遅らすことだが、そんなことをすると、クラブヘッドは着実に勢いを増しつつ動いているのだから、シャフトと左腕の角度は開き始め、コックは早期に解かれてしまうことになる。スウィングが有していたパワーはその時点で失われる。

かなり多くの人々がこの過ちを犯すのは(それは生涯続くことになるのだが)、彼らが、ボールを真っ直ぐ打ちたいのに、クラブヘッドはちゃんと手の動きに追いつかずスクウェアにならないだろうという恐怖を潜在意識的に抱くからだ。彼らはオープンなフェースによってとんでもなく右方向へ打つのを恐れる。だから、無意識に手の動きを送らせて確実にクラブヘッドに追いつかせようとし、お約束通りそれに成功するのである【編註:パワーの喪失】。

以上は、疑う余地なく、素振りが常に見栄えが良く、ボールがあるとひどいスウィングになってしまう主な理由である。素振りでは、クラブヘッドが手に追いついて来ないだろうという恐怖を感じないので、吸い殻やタンポポなどをプロ並に弾き飛ばすことが出来る。彼らは、フェースがスクウェアな場合、インパクトでどれだけ手がクラブに先行しているかを覚えているべきなのだが。

クラブヘッドの動きを早めようという企てもまた手の動きを遅らせる。ゴルファーの意識がクラブヘッドの動きに集中していると、その努力は手の動きを遅らせてしまう。手が遅れると、もう絶対にクラブヘッドに追いつくことはなく、コックがいったん解かれると、それが元に戻ることもない」

イギリスのインストラクターErnest Jones(アーネスト・ジョーンズ、1887〜1965)が「クラブヘッドをスウィングすることに専念し、他の全てを忘れよ」と云い、Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ、1902〜1971)も「ゴルファーがショットする際に心に刻んでおくべき一つの想念は、クラブヘッドをスウィングすることが己の唯一の仕事だということだ」と云い、インストラクターEddie Merrins(エディ・メリンズ)は「ハンドル[=シャフトのグリップ部分]をスウィングせよ」と云いました。しかし、Joe Dante(ジョー・ダンテ)に云わせれば、われわれはクラブヘッドやハンドルはおろか、シャフトのことも手や腕のことも忘れ去るべきなのです。単に左腰をターゲット側に突き出すことに専念すればいいのです。後は自動的にコトが運び、めでたしめでたしという結果になります。

(October 23, 2012)


Andy North(アンディ・ノース)のチッピング

Andy North(アンディ・ノース)は1978年と1985年のU.S. Open優勝者で、現在CATVのスポーツ・チャネルであるESPNのゴルフ中継解説者。

[North]

'The Long and the short of it'
by Andy North with Burton Rocks (Thomas Dunne Books, 2002, $24.95)

「チッピングにおいては、スタンスとセットアップが快適であるかづかが重要だ。ツァー・プレイヤーの多くはオープン・スタンスでチップする。他のショットよりも体重を左足に掛けるべきだが、なおかつ堅固なセットアップでなくてはならない。手ではなく、腕を使う土台が必要だ。私はパットする時の振り子運動で、余分な動き抜きでチップする。

チッピングの鍵は練習することだ。チッピングは、急速な上達が望めるゴルフの一部門だが、しょっちゅう練習しなければならない。練習グリーンに行き、ゴルフコースで出会うであろうショットの練習にかなりの時間を費やすべきだ。グリーンから1.5〜4.5メートル離れて、同じカップをターゲットとして練習する。異なるストローク、異なるショットが学べる。同じショットを異なるクラブで実行することも学べる。

チッピングの動きは、左右の肩と両手で作られるVの字を廻すことによって行われる。次のようなことは厳禁である。
1) 手と手首に過剰に頼ること。
2) 大き過ぎるバックスウィング(インパクトで減速し易い)。
3) クラブを持ち上げてボールを宙に浮かべようとすること(掬い上げてはならない)。

チッピング巧者はストロークから手の関与を除外する。左右の肩と両手で作られる三角形を後方に廻し、手の動きを封じるために三角形を加速させつつ打ち抜く。これを達成するには、バックスウィングを少し短くし、ターゲット方向に加速することだ。こうすれば、突如、ボールを常にソリッドに打てるようになる。ボールは自然に上がるので、あなたが掬い打ちで助ける必要はない。

一般ゴルファーが(肩と腕ではなく)手を多用したチッピングをしたいと考えるなら、それも結構。一日500回のチッピング練習を30年続ければ、それも達成されるであろう。あなたがチッピングに上達したいとは思っているが、週二、週一、あるいは二週に一度ぐらいしかラウンド出来ないのであれば、あなたは手の動きを使わないチッピングをすべきである。

私の大学時代のコーチが、われわれに教え込んだチッピング・メソッドは次のようなものだ。彼は5番アイアン、6番アイアン、7番アイアンを使うように命じた。

・5番アイアンを使う場合、チッピング全体の距離の1/4が空中にあり、3/4がグリーン上を転がる。

・6番アイアンでは、1/3が空中にあり、2/3がグリーンを転がる。

・7番アイアンは最も重要で、バーディを生んだりパー・セーヴに役立つ。フリンジからの7番アイアンは、チッピング全体の距離の50%が空中にあり、50%がグリーン上を転がる。

われわれはこのドリルを【6番アイアンの割合から】"One-third, two-thirds!"と呼んでいた」

【おことわり】写真はbarnesandnoble.comにリンクして表示させて頂いています。

(October 26, 2012)


パッティングの三悪

'The flip+other no-nos'
edited by Stina Steinberg ('Golf Digest,' November 2012)

「以下はインストラクターDana Rader(デイナ・レイダー)が話してくれた、絶対やっちゃいけない悪業三種。

1) 右手首を返すこと

パッティングは精密作業である。だから手と手首はストロークの間中ぐらついてはいけない。Raderによれば、簡単な改善法はグリップを調節することだ。『インパクト・エリアで手首を返してしまうのは、パターをフィンガーで握っているからだ。パームで握るべきである』

2) 合わないパターを使うこと

パターは最も頻繁に使うものなのに、一般ゴルファーたちはクラブフィッティングの最後の候補としてしか考えていない。『いいパットをするチャンスを得るには、正しい長さでなければならない』とRaderは云う。『でないと、ボールを正しいラインに乗せ、正しい強さを得るのは難しい』 パターヘッドの形状、スウィング・ウェイト、グリップなどもパター・フィッティングの際に考慮すべき重要な要素だ。

3) 頭を動かすこと

特にインパクト前後で頭を動かすことは惨事に繋がり易い。『パッティングがお粗末なゴルファーは、頭をひょこひょこ上下に動かし、さらに横にスライドさせたりして、パターを軌道から逸らし、テンポも変えてしまう。太陽を背にして練習し、影で頭の動きをチェックするとよい』とRader」。

(October 26, 2012)


右手のお盆は滑り落ちるべきである

インストラクターJim Flick(ジム・フリック)は、Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)二人目のコーチであり、Jack Nicklausとゴルフ・スクールを設立し共同経営しています。Tom Lehman(トム・レーマン)の師匠でもあります。

'On golf'
by Jim Flick with Gen Waggoner (Villard Books, 1997, $24.00)

「『スウィングのトップでは、右手首をウェイターがお盆に料理を乗せて運ぶ時のように曲げろ』と主張する人々がいる。私はこれは間違いだと考える。何故なら、そうするとクラブフェースをあまりにもクローズにしてしまうからだ。

トップでの右手首は、後方に曲げられるというより、クラブシャフトの下にあるべきである。この位置からなら、クラブを正しい道筋でインサイドから下方に届けることが出来る」

(October 29, 2012)


女たちよ、ディヴォットを取れ

Gardner Dickinson(ガードナー・ディッキンスン、1927〜1998)はBen Hogan(ベン・ホーガン)に可愛がられた存在で、PGAツァーその他で11勝を挙げたプロ。Ryder CupではArnold Palmer(アーノルド・パーマー)と組んで負け知らずの成績を残しています。Senior Tour(シニア・ツァー、現Champions Tour)創設者の一人。彼は、若い時から、いくつかのゴルフ場所属のインストラクターも勤めていました。

以下の本は、英語版Wikipediaによれば「ゴルフに関してUSGAから、同業者(プロ)たち、プロが着るウェアに至るまで何でもかんでも噛み付いた分厚い本」だそうですが、その通り、歯に衣着せぬ率直な意見ばかり述べています。

この記事はLPGAツァー・プレイヤーを対象にした内容ですが、当然アマチュア男性ゴルファーにも参考になるものです。

'Let 'er Rip'
by Gardner Dickinson (Longstreet Press, 1994)

「アメリカで女性たちが受けているゴルフ・レッスンの究極的成果は、LPGAツァーに登場する女性たちに明確に現れていると云えるだろう。彼女たちはこの国のベストである筈だからだ。不幸にも、彼女たちはどうプレイすべきか教わらないでやって来る。彼女たちは闘争心もあり、ショートゲームにも長けており、スコアをまとめる能力も持っている。

なぜ、彼女たちはもっとムラのないゴルフが出来ないのか?スウィングのどこがいけないのか?ディヴォットから話を始めよう。あるいはディヴォットの欠如と云うか。LPGAトーナメントで一週間に取られた全てのディヴォットを集めても、帽子一杯にはなるまい。私が感嘆するゴルファーがアイアン・ショットを放つ時、クラブで地面を打たない人というのは存在しない。アイアンでスウィングすれば、スウィングの最低点はボールを過ぎた地点になるべきだ。それがバックスピンを生んでボールを上げ、プレイヤーに飛行するボールのコントロールを許してくれるのだ。これが安定して出来れば風の影響も少なくなり、どこでボールを停止させるか決定することも容易になる。これがあるべきショットの姿である。

確かに、ディヴォットを取らないでも容認出来るショットが生ずることもあり、過去にはそういうPGAツァー・プロも存在した。しかし、現代ではディヴォットを取らないで偉大なアイアン・プレイヤーになろうなどと夢想する者はいない。だが、LPGAツァーの女性たちの90%はプロのインストラクターについていながら、ディヴォットを取らない。そういうインストラクターたちは、宝石のような生徒を育てながら、ディヴォットを取ることを重要だと考えていないのだ。これはゴルフ・スウィングを変えなければならないほど、重要な問題なのに…。男性ゴルファーにとってヒット・ダウンすることが正しいのなら、そのメソッドは女性にとっても正しいはずではないか。

 

私がLynn Connelly(リン・コネリィ)という、愛らしく、能力もある生徒をコーチしていた経験を話そう。彼女はプレイする際、ほとんどディヴォットを取らなかった。私はどうすれば彼女にディヴォットを取らせることが出来るか、その方法を模索して頭を搾った。練習場では彼女にそうさせることが出来るようになったが、しかしわれわれがいざコースに出ると、彼女はたった一つのディヴォットすらも取らなかった。私はこれを個人的に受け止めざるを得なかった。論理的に云って、ディヴォットを取ることを教えられないインストラクターは落第であると。

私は次のようなことを知っている。
1) ヒッティング・エリアに、クラブが手よりも先に到着するとディヴォットが取られることはない。
2) ディヴォットを取るゴルファーのほとんどは、彼らの体重を主に左に傾ける。
3) もしゴルファーの頭が右足の方に過度に傾いていると、ディヴォットが取られることはない。

私はまた、ディヴォットを取ったり取らなかったりする動きについてほかにも沢山知っており、それらを全てLynn Connellyに試したのだが、無駄であった。勝手にせい。どうせ私は駄目なインストラクターですよ〜だ(;_;) 」

(November 02, 2012、改訂June 04, 2015)


Jim McLean(ジム・マクレイン)のダウンスウィング

インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)が説くダウンスウィングの手順。彼も腰の水平移動を推奨しています。

[3 clubs]

'The 3 Scoring Clubs'
by Jim McLean (Gotham Books, 2005, $30.00)

「インパクト・ゾーンへ向かい始めるフォワード・スウィングの重大な手順を練習し習得する際に、私は簡単な三つの文句、"Shift, Rotate, Throw"(移動、回転、投擲)を考えることを提唱したい。これら三つの言葉は、運動競技的アクションを明確にするものであり、非常に重要である。あなた方の中には、クラブをインパクトでスクウェアにパワフルにボールに送り届けるには、これらの三つのスウィングの鍵のうちどれか一つを強調する必要性を感じる人がいるかも知れない。

『移動』は、体重を移すことによってフォワード・スウィングを開始するという意味である。これは、左腰をターゲット方向に水平に突き出すか、ターゲット方向に膝を移動させることである。

ほぼ同時に腰を『回転』させる。

上の動作の次に手と腕を『投げ出す』。

ただ、これらダウンスウィングのアクションは瞬時に起るのだということを理解すべきである。

ダウンスウィングの最も重要な部分は、切り返しの(方向転換して、ボールに向かって下降する際の)動きである。もし、いいスウィングでいいショットにかかわる秘訣があるとすれば、スウィングのこの局面で起ることは間違いない。

ダウンスウィングはターゲット方向への腰/下半身のコアによってスタートする。肩の動きは(良かろうが悪かろうが)腰あるいは下半身に繋がっているがゆえのリアクションとしての動くだけである。水平の腰のスライド(あるいは突出)は、ゴルファーにとって必ずしも自然な動きとは云えないのだが、ゴルファーにはトップから打ちに行く【=手打ち】とか肩を過剰に使おうとする傾向があるので、私はあなたにその反対のことをして貰いたい。足、膝、腰を使う練習をすれば、肩は後方に留まってリラックスしたまま、ダウンスウィングへの準備を整えられるのだ」

【おことわり】写真はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(November 06, 2012)


Sean Foley(ショーン・フォリィ)のダウンスウィング

Justin Rose(ジャスティン・ローズ)、Hunter Mahan(ハンター・メイハン)やTiger Woods(タイガーウッズ)などのスウィング・コーチSean Foley(ショーン・フォリィ)による、「魔法のダウンスウィング」類似品。オリジナルは『ドローの新技法』という、「ドローを打つには、フェースをオープンにせよ」という趣旨の記事なのですが、以下はそのダウンスウィングの部分だけ抽出したものです。

'The law of draw'
by Sean Foley ('Golf Digest,' December 2012)

「あなたはアドレスとインパクトの身体の位置が同じであるべきだと思っているかも知れないが、ドローを打つにはそれを変えることが不可欠である。インパクトでは、クラブシャフトはアドレス時よりターゲット方向に傾き、クラブフェースは(ターゲットに対して)ややオープンでなければならない。これはダウンスウィングで腰がターゲット方向に水平移動した結果として生じるものだ。この前方への体重移動は、インサイドアウトの軌道と、ドローに必要なオープンなクラブフェースを生む元となる。

その際、肩を可能な限り後方に留めること。でないと、上体を廻してしまって一般的ミスであるアウトサイドインの手打ちとなり、クラブフェースもクローズになってしまう。その結果、ボールは左に向かい、スライスとなりがちである。

インパクトで身体がどこにあるべきかを感じ取るために、この腰の水平移動を練習しなさい。実際にボールを打つ際に、その位置を再現する。正しい軌道とフェース角度を身につけることが出来る」

『ドローの新技法』は後日紹介する予定です。

(November 06, 2012)


Ernie Els(アーニィ・エルス)のチップイン技法

チップ・インは爽快な上にバーディまでもたらしてくれ、神様の贈り物みたいなハプニングです。1ラウンドで18バーディを目指す"Vision 54"は有名ですが、私は(Par 3を除く)全てのホールでチップインさせる"Vision 42"を提唱したい。以下のErnie Els(アーニィ・エルス)のテクニックを使えば、それも夢ではないかも知れません。

'Chip it in!'
by Ernie Els with Scott Smith ('Golf Digest,' June 1998)

「スピンを少しかけたいので、私はサンドウェッジを使う。三度目のバウンスでブレーキがかかり、いい転がりでカップへと向かう。鍵はいいリズムにある。

チッピングのアドレスは、アイアンのフルスウィングのインパクトの形にそっくりになる。何故か?チッピングのストロークはとても短いので、スウィングの間にインパクトの体勢を形成する時間の余裕はないからだ。

1) インパクトの形を作る。両足、腰、肩はターゲットに対しややオープン。
2) 狭いスタンスで、ボール位置はスタンス後方。
3) 左足体重で、両手も左サイドに傾ける。左腕とクラブシャフトは一直線になる。
4) コントロールをよくするため、多少グリップダウンせよ。
5) 比較的背を伸ばすようにして立ち、スウィングの間両脚を静粛にさせること。多くのアマチュアは、チッピングで膝を折り過ぎる。
6) 肩からスウィングを開始。テイクアウェイの最初の60センチを低く、ターゲットラインに沿ってクラブを引く。過度にインサイドに引くと、クラブフェースがクローズになり、ハードに転がり過ぎる。自然の勢いによる多少のコックが必要である。
7) アドレス時よりもハンドファーストのインパクトをする。ボールの真下がスウィング弧の最低点となり、クラブのリーディングエッジが地面を掘るようにヒット・ダウンする。手首のアンコックがバックスピンを生む。体重を左サイドにかけ続ける。
7) インパクト後もクラブヘッドがターゲットを指すようなフォロースルー。ボールに当てるのではなく、振り抜くこと。低いフィニッシュで停止せよ」

(November 09, 2012)


いま解き明かされるシャンクの謎

Gardner Dickinson(ガードナー・ディッキンスン、1927〜1998)はBen Hogan(ベン・ホーガン)に可愛がられた存在で、PGAツァーその他で11勝を挙げたプロ。Ryder CupではArnold Palmer(アーノルド・パーマー)と組んで負け知らずの成績を残しています。Senior Tour(シニア・ツァー、現Champions Tour)創立者の一人。彼は、若い時から、いくつかのゴルフ場所属のインストラクターも勤めていました。

'Let 'er Rip'
by Gardner Dickinson (Longstreet Press, 1994)

「ゴルファーで一杯の部屋を空っぽにしたければ、一言『シャンク』と口にすればいい。シャンクは、ゴルフの中で最も恐ろしく、きまり悪く苦い思いを生み出す種である。多くのゴルファーが、シャンクには伝染性があると確信している。

シャンクは治るだろうか?もちろん!かく申す私は、世界に名だたるシャンカーだったので、必要に迫られてシャンクのメカニズムについて研究をした。そして、ついに全てのシャンカーによって犯される唯一のミスと確信するものを発見した。

私がプロになった1952年、私の最初の仕事はニュージャージー州の某ゴルフ場におけるセカンド・アシスタントだった。ある日、全ての有名インストラクターが匙を投げたという生徒がやって来た。彼に練習場で打たせると、彼のショットは全部正真正銘のシャンクだった。私は彼に、私の発見であるシャンカーの唯一のミスについて物語った。

シャンカーはインパクト・ゾーンに近づくにつれ頭と肩を落下させる。言葉を替えれば、アドレス時よりも肩の高さが地面に近づいてしまうわけだ。もし、ゴルファーが左腕を伸ばし続けたら、クラブはボールの遥か手前の地面に突き刺さることになる。だから、身体は本能的に左肘を折ることによってボールとの距離を調節する。その結果、クラブのヒールあるいはホーゼルが先行し、そこに当たったボールはヒューン!と右へ飛び出すのだ。

私が発見した対処法は、あたかもボールのてっぺんを打つかのように(意図的にトップ・ボールを打つかのように)、ダウンスウィングで両肩の高さを保てばいいということだ。こうすればシャンクを打つのは不可能になる。

私は件の生徒に上の説明を理解させ、ボールを打たせ始めた。彼の最初のショットはプル・フックだった。これはシャンクから解放された証拠である。その後一時間、彼は一発もシャンクを打たず、意気揚々と帰って行った。国際的シャンカー秘密組織があるらしく、その後プロショップに『シャンクを治してくれる先生います?』という電話が舞い込むようになった。明らかに、例の生徒が福音を伝道しているのだ。それ以来、私は仲間たちから"The Shankmaster"(シャンクの親分)と呼ばれるようになった」

(November 12, 2012)


最新型ノックダウン・ショット

'The modern way to hit a knockdown'
by Lou Guzzi ('Golf Magazine,' November 2012)

「あなたの旧式なノックダウン・ショットは次のようなものだろう。

かなり急角度の攻撃的スウィングをしながら、インパクトでボールを強打し、短いフィニッシュに向かう。その結果は、ハードなぶった切るようなスウィングがかなりのバックスピンを生み出すため、空中に舞い上がるようなショットになるか、芝にクラブがめり込んでしまう。これは、あなたが望んだ結果の反対だと思う。

信じないかも知れないが、ソリッドなノックダウン・ショットをするには、ハードではなくイーズィなスウィングする必要がある。鍵はバックスピンを少なくすることで、これはハードに打ったのでは達成出来ない。以下は舞い上がるようなショットを阻止し、突き刺すような軌道を生むための手順である。

1) ボールは通常の位置に置く。低いボールを打つためにスタンス後方に置く必要はない。直面している距離に必要とするよりも1クラブ長いものを選ぶ(例えば8番の代わりに7番アイアン)。

2) 肩の下までの短いバックスウィングをする。これは旧式ノックダウン・ショットの3/4スウィングと同じだから、この段階で大きな変更はない。

3) パンチ的な動きをせず、スムーズなスウィングをする。インパクトはパワフルでなくスムーズという感覚を抱きつつ、フル・フィニッシュへと向かう。現在やっているように、地面に近い低い位置でクラブヘッドを止めないこと。『短いバック、長いフォロー』と覚えれば完璧である」

(November 12, 2012)


Sean Foley(ショーン・フォリィ)のドローの新技法

インストラクターSean Foley(ショーン・フォリィ)は、Justin Rose(ジャスティン・ローズ)、Hunter Mahan(ハンター・メイハン)やTiger Woods(タイガーウッズ)などのスウィング・コーチです。彼は「ドローを打つには、フェースをオープンにせよ」と提唱します。

'The law of draw'
by Sean Foley with Ron Kaspriske ('Golf Digest,' December 2012)

「Trackman(トラックマン)というゴルフ・レーダーの助けによって、われわれは何がドローを生むのかの明白な科学的事実を得た。この新発見をあなたにお伝えし、ドローによる利点を得るための助言を差し上げよう。

・第一の新事実

ボールの発進方向は、スウィング軌道ではなくインパクトの位置によって決定される。もちろん、スウィング軌道も、スピン量やライの状態など他の要素と同じように関係するが、クラブフェースが最も大きな要素である。ドローを打つためには、ボールを右に発進させるため、フェースはターゲットの右を指していなければならない。

・第二の新事実

ショットをターゲット方向にカーヴさせるのは、ボールを通過する際のクラブの軌道である。フェースが右を向いている度合いよりも、もっと右への軌道でなくてはならない。どれだけ右かは、あなたが選んだクラブ次第だ。簡単に云えば、6番アイアンを用いる場合なら2:1の割合を考えよ。詳しく云うと、インパクトでフェースがターゲットの2°右を指しているなら、軌道はターゲットの4°右を向くべきだということだ。もし、比率が1:1だと、ボールはカーヴしない。もし、それが4:1だとボールは過度に左にカーヴしてしまう。

クラブのロフトが増すとドローを打つのが困難にする。だから、ウェッジを使う場合には比率を3:1にする必要がある。だが、ロフトが最も少ないドライヴァーでは、大雑把に云って3:2になるべきだ。いずれの場合も、クラブフェースはスウィング軌道に対して(ターゲットに対してではない)クローズであるべきである。

ドローを打つには、インパクトではクラブシャフトはアドレス時よりターゲット方向に傾いていて、クラブフェースは(ターゲットに対して)ややオープンでなければならない。これはダウンスウィングで腰がターゲット方向に水平移動した結果として生じる。この前方への体重移動は、インサイドアウトの軌道と、ドローに必要なオープンなクラブフェースを生む元となる。

・ドローを打つための四つの手順

1) アドレスで、右足を数センチターゲットラインから下げる。これがドローに不可欠なインサイドアウトのスウィング軌道をお膳立てする。

2) バックスウィングの間、手が身体の周りを(上方にではない)動いて右肩の後方に向かうように感じること。これもインサイドアウトのスウィング軌道の基盤となり、インパクトでクラブフェースをオープンにする助けとなる。

3) ダウンスウィングでは、腰をターゲット方向に水平移動し、肩は可能な限り後方に留めること。この前方への体重移動は、インサイドアウトの軌道と、ドローに必要なオープンなクラブフェースを生む元となる。上体を廻してしまうと、一般的ミスであるアウトサイドインの手打ちとなり、クラブフェースもクローズになってしまう。その結果、ボールは左に向かい、スライスとなりがちである。

4) インパクトでは前腕部を返すことを最小限に留めること。過度な前腕部の回転は早期にフェースをシャットにしがちである。インパクトで、フェースはターゲットの右を向いていなければならないということを忘れてはならない。それがボールのスタート方向であり、ドローの第一歩なのだ」

(November 15, 2012)


手首封じのRunyan(ラニャン)グリップ

Paul Runyan(ポール・ラニャン、1908〜2002)は小兵ながら、そのショート・ゲームの名人芸でメイジャーであるPGA選手権に二回優勝し、PGAツァーで29勝、その他で六勝という素晴らしい成績を残し、後にはショート・ゲームのインストラクターとしても活躍しました。

元検眼医で、現パッティング・コーチのDr. Craig L. Farnsworth(クレイグ・L・ファーンズワース博士)は、Paul Runyanが正確無比なパットをデモしながら見せてくれた両掌上向きグリップについて、下記の彼の本で紹介しています。パッティングの方向性に悩める方にお勧めのグリップ…と書かれています。Paul Runyan自身は円弧型ストローク派でしたが、彼のこのグリップはストレート・ストローク派の私にもとても効果があります。

'The Putting Prescription'
by Dr. Craig L. Farnsworth (John Wiley & Sons, Inc., 2009, $24.95)

「Paul Runyanはこれを、"hands-opposed"(手が反対を向く)グリップと呼んでいた。伝統的なグリップは両方の掌が向かい合うのだが、彼のは両方の掌がどちらも上を向いていて、身体に背を向けている。

彼はこのグリップによって、ストロークの間中手首と手の自由を封じることが出来ると考えた。やってみれば分かるが、このグリップが普通パワー源となる手首と手の動きを減じるのは明白である。あなたが手首や手を多用し、ポン!と弾くようなストロークをしているなら、このRunyan grip(ラニャン式グリップ)によって手の動きを大人しくさせて即席の上達が得られる筈だ」

しかし、上の本の写真でファーンズワース博士が見せているRunyan gripは、もともとのPaul Runyanのグリップと一寸違います。一見、ごく僅かな違いに思えるのですが、結果は大違い。

[Runyan]

'The Short Way to Lower Scoring''
by Paul Runyan with Dick Aultman (Golf Digest/Tennis, Inc., 1979, $9.95)

Paul Runyanの自著のイラストを元に再現すると、右の写真Aのようになります【Paul Runyanは普通のグリップですが、写真は私愛用のレフトハンド・ローに変えています】。彼は次のように説明しています。

「・グリップした手を開いた時、写真Bのように掌はどちらも45°の角度で斜めに交差する。この角度は 、両腕をシャフトと45°にするために極めて重要である(両方の前腕部が形成する角度は計90°)。このようにグリップすれば、ストロークの際に両方の手が過度にクローズになったり、オープンになったりすることを防げる。

・右手だけ上の説明のように45°の角度で握り、左手は親指をシャフトに垂直に沿わせてグリップしたらどうなるか?この場合、インパクトでパターフェースは自然に左へ回転するので、ボールは左へ出て行ってしまう。逆に、左手だけ上のように45°の角度で握り、右手は親指をシャフトに垂直に沿わせてグリップした場合は、インパクトでパターフェースは自然に右へ回転し、ボールは右へ向かって行く。左右両方とも45°の角度で握った場合だけが、ラインに真っ直ぐに打てるニュートラル・グリップである。

・グリップ・プレッシャーはどちらの手もしっかり握り、ストロークの間中ずっと同じ圧力で保つこと」

ファーンズワース博士の本で"Runyan grip"として紹介している写真は、左右の親指がパター・ハンドルの真横を押さえています。ハンドルの角を押さえているPaul Runyanとの違いはここです。両方試してみた結果、私は本家Paul Runyanのグリップに軍配を上げました。真横を押さえると、両方の前腕部が上向きになり、手・腕が横に突っ張って過度に緊張し、ストロークがぎごちなくなります。

"Runyan grip"の核心は、写真Bの45°に交差する両手の角度です。これはフィンガーでもなくパームでもなく、その両方を折衷したような感じ。ただし、Paul Runyanは腕に関する説明で「左手前腕部はパターシャフトと一直線になるべきだ」と云っていますから、生命線(=パーム)でグリップしたのと同じ結果になります。とはいえ、Paul Runyanは生命線ではグリップしていません。写真Aの左右の掌の生命線の一部が見えていることで、それが解ります。

「クロー・グリップ」その他、様々に手首を殺すグリップが考案されていますが、このRunyan gripは出色だと思います。特に方向性は、私がこれまで試したどれよりも素晴らしい。目がボールの真上に来るように位置し、パターのソールをフラットにし、両手の前腕部が90°の角度になるように構えてスウィートスポットでボールの中心を打てば、ボールは真っ直ぐ狙った方向に転がって行きます。

Paul Runyanの教えの、グリップ以外の部分は以下の記事をお読み下さい。

【参照】
「Paul Runyanのパッティング」(tips_96.html)
「Paul Runyanのパッティングと肘の角度」(tips-110.html)
「Paul Runyanの目の位置とパットの球筋」(tips_70.html)
「Paul Runyanのパッティング戦略」(tips_72.html)

(November 21, 2012)


グリーンサイド・バンカー外の地獄

アプローチ・ショットがグリーンサイド・バンカー方向へ。「しまった!」と思ったら、ボールはぴょんと飛び上がってバンカーの外へ。「よかったあ!」行ってみると、ボールはグリーンまでは届きませんでしたが、バンカーの縁にちょこんと乗っています。ボールの周りにはちょろちょろと草も生えています。「これなら普通にチップ・ショット出来る!」

私はこういう状況を三回経験して三回失敗しました。「馬鹿は死ななきゃ治らない」 グリーンサイド・バンカーからグリーン方向の縁には、大勢のゴルファーが撒き上げた砂が堆積しています。草は生えているし、ルール上バンカー外であるとはいえ、実際のところ砂地であることに変わりはないのです。クラブヘッドが滑らないどころか、クラブが砂にめり込んで突っかかり、結果は目も当てられないチョロです。三回の経験でやっと目が覚めました。グリーンサイド・バンカーのグリーン側の縁はバンカー内と同じです。違いは顎がないだけ。

この状況で取るべき最善の方法は、チップではなく転がすことです。使うのはパターが最適でしょう。三度目に失敗したのは一人で廻っていた練習ラウンドだったので、別のボールをパターで転がしてみたら難なくピン傍に寄りました。間違っても、グリーンサイド・バンカーのグリーン側の縁でチップしようとしてはいけません。

(November 21, 2012、改訂June 04, 2015)


スタンコのバンカー・ショット

Paul Stankowski(ポール・スタンコウスキ、愛称スタンコ)は1996年に27歳でNationwideツァーで優勝してPGAツァーのカードを手にすると、その直後のPGAトーナメントでも優勝し、翌年のThe Mastersで五位タイに入るなどして、傑出した新人として注目されました。国内・外を含めて計七勝を挙げ、前途洋々に見えましたが、肩の故障で現在頓挫させられています。

'The Way of an Eagle'
edited by Robert Darden and P.J. Richardson (Thomas Nelson, 1996, $19.99)

「高校、大学と、私のバンカー・ショットは哀れなものだった。プロ入りして数年間、私は四歳上の兄と懸命に練習した。兄はカップから遥か離れて立ち、もの凄く高くソフトなバンカー・ショットをした。私のは常に低く駆け出すようなショットだった。兄がやり方を見せてくれた。

私はFred Couples(フレッド・カプルズ)のプレイをTVやこの目で見ることが出来た。彼は十中八九クラブから手を離し、一本の手だけで偉大なバンカー・ショットをした。

私は兄のようにボールから離れて立ち、Fred Couplesのやり方を真似てみた。ある日、私は魔法を見つけた。驚くべき成果だった。こうして、バンカー・ショットは私のベストの技能となり、どんなバンカー・ショットもこなせるという自信をつけさせてくれた。

私のやり方は、身体とスタンスをオープンにし、クラブフェースもオープンにする。ターゲット(カップ、あるいは着地点)に向かってクラブフェースを揃えたら、それに対して身体をオープンにする。両足を結ぶラインを見下ろし、クラブを落としてそれに揃えたのがターゲット・ラインで、それから身体を開く。私は基本的にクラブをアウトサイドに上げ、加速しながらボールの背後に落っことし、バンカーから砂を叩き出す。

バンカー・ショットが不得手なアマチュアは、ボールの背後5センチのところを狙い、ディセンディング・ブローで(上げようとしてはいけない)砂をバンカーから叩き出せばよい。打ち上げるのではなく、打ち下ろすのである。こうすればボールはバンカーから出る。これが私が学んだ基本である。

砂をバンカーから叩き出せば、ボールのことを心配する必要はない。ボールの背後5センチに振り下ろせば、ボールはぴょーんと飛び上がる。それはクラブのロフトの仕事である。

私はカップを真っ直ぐ狙い、砂を掘るように育ったので、バンカー・ショットがうまく出来なかった。今の私は、身体をオープンにし(多分ピンの9メートル左を狙い)、ターゲットにクラブフェースを揃え、クラブを真っ直ぐ上げ、落っことす。まるでボールをカットするように、刈り取るように打つ。ボールを弾き出すためには、加速が必要だ。でないとボールを遠くに飛ばしたいのに、ボールは遠くへ飛んでくれず失敗する。

単純なプロセスだが、そう簡単でもない。難しいのはゴルフの他の分野と共通である」

(November 25, 2012)


魔法のダウンスウィング・類似品

たまたま新聞の切り抜きを点検していたら、次のようなものがありました。これは新聞の編集者が穴埋めとして便利に使うコラムで、アメリカ各地の新聞に利用されているシリーズの一つです。10センチ四方の記事で半分以上はイラスト。黄ばんでいる点と、当地のローカル紙がこのコラムを使わなくなって久しいので、多分十数年前のものでしょう。このシリーズは、400のtipsを集めた一巻本となって出版されているのですが、下記のtipはなぜか採録されていません。私は確かにこれを読んでいた筈ですが、全く気に留めなかったのが悔やまれます。

'Master Strokes'
by Barry Goldstein
edited by Phil Franke with America's top instructors

「ダウンスウィングの過程で最も誤解されていることの一つは、パワーと正確度のために正しく腰を使うことである。

野球のバッターの動作を考えてみよう。ピッチャーのマウンド越しにセンターに腰を向かわせる筈だ。腰を三塁や左翼に向かって回転させるのは避けなくてはならない。パワフルでストレートなショットを望むなら、腰をターゲットに向かって動かすべきである」

この記事の筆者Barry Goldstein(バリィ・ゴールドスタイン)は、現在も活躍中のインストラクターです。彼が「魔法のダウンスウィング」のJoe Dante(ジョー・ダンテ)の影響を受けているのかどうか定かではありませんが、Joe Danteの《ダウンスウィングの開始で腰を水平移動させる》というメソッドが弧立したものでないことが証明されていると思います。私自身、腰をターゲットに突き出すことによって、飛距離と正確さの恩恵を受けています。一度、試してみれば納得されることでしょう。やってみて下さい。

(November 25, 2012)


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