Golf Tips Vol. 13

ウォーミングアップ

'How to Warm Up Properly'
by Joe Gerlak ('Golf Magazine's Pro Pointers and Stroke Savers' Edited by Charles Price, Harper & Brothers, 1960)

「スタート45分前に練習場に到着すること。友人や関係者抜きで練習すること。どんなにいい助言でも心を動揺させる因になるだけ。

復習をするだけと割りきること。新しい実験や難しい技巧の習得に精出すのは別の機会にする」

普通は小さいクラブから大きいものへという順序が奨励されていますが、この筆者のは一寸異色。「ドライヴァーから順次小さいクラブへと移行する。ボールは数ダースずつ。決して目一杯振ってはいけない。再度、ドライヴァーに戻り、今度は普通あなたがスウィングするように振る。ボールは数個ずつ。

練習グリーンへ移動する。最重要なのはショートパットだということを忘れないように。ごく短いパットが入るようになったら少しずつ後退する。

練習の最後に、最も信頼出来るクラブ(多分、7番アイアンか4番ウッド)を取り、元気一杯のショットを数回行なう。これは自信につながり心理的に明るい見通しをもたらしてくれる。

以上は30分で終了出来る。残り15分をリラックスした談笑に使う」

(January 07, 1999)


バーディ・ゴルフ

'Aggressive PlayWhy Going for the Pin Pays Off'
by Tom Dorsel, Ph.D. ('Golf Illustrated' October 1998)

筆者のTom Dorsel(トム・ドーセル)はスポーツ心理学のセンセーですが、ゴルフも上手でハンデ4.1だそうです。

Tom Dorselは穏やかなゴルフではスコアは縮まらないと、数多の例を引きながら“攻撃的ゴルフの勧め”を説きます。「バーディをいくつかなどとという根性では駄目、全てのホールでバーディを狙うべし。あなたの目標は18アンダーか、それ以下である。連続2バーディなどは無に等しい。まだ16も残りがある。もしバーディ・チャンスを逃したら、相当恥ずべきことと思わなくてはならない。ボギーが出たとしても、残り全部でバーディをとるのが目標なので、ボギー自体は問題では無い。全てのティー・グラウンドで自分に問いかけるのは、『どうすればバーディがとれるか?』という命題である」

説得力があるのは、彼自身の例が出て来ること。「ある日のフォーサムのラウンドで、日没までの6ホールを“バーディを出したら勝ち”という取り決めでプレイした。言葉を変えれば、唯一攻撃的ゴルフだけが報われるというゲームである。一時間後、6ホールで4人合わせて24のバーディ・チャンスがあった。スコア・カード的にはバーディは全体でたった二個。しかし、スコア・カードから伺い知れない事実として、21のパー・オンがあり、9つ以上のバーディ・パットがグリーン上を燃えるように走り、4人総合して24のホールがパーで上がれたということである。これは、ハンデ通りなら24ホールを14オーヴァー・パーで許される我々の総合力からすれば、相当な快挙と云わねばならない。

この話をある人に話したら、数日後に電話がかかって来て『あなたの“バーディ取れなきゃ死ぬ方式”でやってみたら、生まれて初めて70台前半のスコアが出た』とのこと。何にも増して彼が驚いたのは、このような大きな飛躍の鍵が、夢にも思わなかったような簡単なものであったことだ」

(January 28, 1999)


ひどいラウンドとのつきあい方

'Staying with a Bad Round'
by Tom Dorsel, Ph.D. ('Golf Illustrated' December 1998)

筆者Tom Dorsel(トム・ドーセル)はスポーツ心理学のドクターです。

「ハンデ15の人間のラウンドがパー、パー、パーというスタートだと、『今日こそ80が切れる!』と興奮してしまい、残りは無茶苦茶になってしまう。

逆にボギー、ボギー、ボギーという出だしだと(残念ながら、このケースが多い)、まるで出港前に沈没しかけている船のようなものとなる。こうなると、一日の楽しかるべきゴルフは単なる苦痛と化してしまい、早く切り上げて帰宅する口実を求める人も出て来る。こういう場合、次のような方法で残りのラウンドを有意義にすることが可能。

(1) あなたのスウィング・キイに集中し、ピュアな一打、いくつかのいいショットだけを目指す。次のラウンドのための建設的な練習をするという方法もある。

(2) 残りのホールのための目標を作る。一個のパー、あるいは一個のバーディ?たとえひどいラウンドでもホール・イン・ワンだってあり得る。そのチャンスを逃すテはない。次のホールが明日のラウンドのNo.1だと自分に云い聞かせるという方法もある。次の6ホールは、次回のラウンドのNo.1〜No.6だと思うわけだ。

(3) ちゃんとスコアをつける。通常パー、パー、パーのところがボギー、ボギー、ボギーとなったとしても、85が88になるだけではないか。80台は立派なスコアである。

(4) 貧弱なプレイからカムバックして、勝利への道が歩めるかどうかやってみる。Ben Hogan(ベン・ホーガン)、Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)、Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)なども、数々の貧弱なスタートで諦めず、勝利へと這い上がっていったからこそ伝説的人物になり得たのである。Lee Trevino(リー・トレヴィノ)は肩の手術後、4番アイアンが8番アイアンの飛距離に落ちてしまった。しかし、彼はショート・ゲームで他のプロを打ち負かすのを楽しみにすることにした。このポジティヴな態度は、1995年のツァーにおける二度の優勝をもたらしたのである」

 

(February 02, 1999)


悪影響

'How You Can Play Better Golf Using Self-Hypnosis'
by Jack G. Heise (Wilshire Book Company, 1961, $3.00)

Dick Mayer(ディック・メイヤー)という人の'How To Think and Swing Like a Golf Champion'なる本からの引用が面白い。「Sam Snead(サム・スニード)のようなリズムとタイミングの模範になるようなプレイヤーでない限り、同伴者のティー・ショットを見守るのは止めた方がよい。彼がロング・ヒッターなら意識的に自分をそれに近づけようとしてしまうだろうし、それがひどいショットなら彼の貧弱なプレイがこちらの潜在意識に植えつけられてしまうからだ」こうした影響の良い面についての話が次の本に載っている。

'The New Golf Mind'
by Dr. Gary Wiren and Dr. Richard Coop with Larry Sheehan (Simon & Schuster, Inc., 1978, $9.00)

「あるレッスン・プロがゴルフ・クラブ工場見学に行った。それを終えて戻って来た直後あるローカル・トーナメントに参加しなければならなかった。スパイク・シューズにはきかえるのがやっとというタイミングで立ったNo.1ティー。何と、彼のゴルフ人生で最長とも云えるストレートな300ヤードを超えるロング・ドライヴを放ったのであった。これは一体どういうことか?

後にそのレッスン・プロが解明した事実。彼のゴルフ・クラブ工場見学の最後に見たものは、クラブ・テストのロボットが100発のボールを連続して打っている様子だった。この画像が脳裏に焼きついていたので、No.1ティーに立った彼は一時的にロボットと化したのであった」

(February 03, 1999)


独習病

Dr. T.J. Tomasi(T.J.トマシ博士)はPGA of Amaricaのインストラクターであり、Keiser(カイザー)大学の教授兼ディレクターでもあります。10冊以上のゴルフ・インストラクション本を執筆し、新聞連載のコラムも持つ人気インストラクター。

'When Your Magic Move Becomes Your Tragic Flaw'
by T. J. Tomasi (Golf TIPS, April 1997)

この記事の原題は『劇的改良が悲劇的欠陥となる時』というものです。

例:スライスに悩むゴルファーがスクウェアなテイクアウェイを練習し、ストレートなボールが打てるようになる。彼にはクラブヘッドがターゲットラインよりアウトサイドに出て行くように感じられて落ち着かない思いをするが(実際にはスクウェア)、ボールが真っ直ぐ飛んで行くので納得し、練習場で磨きをかけ、このスウィングがしばらくは定着する。しかし、ある日突然スライス復活。ゴルファーは焦る。アウトサイドのテイクアウェイという記憶があるので、アウトサイドの度合いを増幅して行く。こうして、テイクアウェイのアウトサイド加減が過度になるという泥沼にはまり込み、スライスより数段ひどい障害に悩むことになる。

このようなトラブルはレッスン・プロが立ち会っていれば一目で分ることなので、独学自習している人にしか起らないものと考えられます。筆者のT. J. Tomasiによれば、新しい試みは新鮮なうちは“スポットライト”を浴びているようなものなので、十分に意識を集中出来る。この段階の練習を'Spotlight Drill'(スポットライト・ドリル)と呼ぶ。この時期に何を、どのように追求しているのか、細かく書き留めておくべきだそうです。上の例だと、両手がつま先のどの辺りを通過して行くように見えるか等。

新しい試みが習慣的スウィングのワン・パートになり切れればいいが、その前に他のスウィング要素に紛れて忘れられた存在になりかねない危険な状態が訪れる。ここで既に新鮮味を失った「スポットライト・ドリル」を再練習しても無駄で、'Re-Capture Drill'(再捕捉ドリル)が必要になる。「再捕捉ドリル」は、同じ結果をもたらす分析的なドリルで、興味深い趣向を伴ったものが良い。これによって新しい試みが定着すれば、危険な状態を脱し、今度こそ自分のものになったと云える…として、T. J. Tomasiは三つほどの例を挙げていますが省略。

'One Move'にこだわっていても、その後「早めのコック」だの何だの他の要素を加えようとすると、その新しい要素が“スポットライト”を浴び、'One Move'は色褪せてしまいます。Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)に云わせると、ある動き(パッティングやスウィング)が自分の身体に取り込まれ、完全に定着するには20,000回の練習が必要だそうです。'One Move'で20,000回もボールを打っていませんから、本当は他の要素を加えるには時期尚早です。そうは分っていても、新規に仕入れた知識は試したくなるのが人情。困ったものです。

(February 05, 1999)


飛距離を伸ばすトレーニング

元LPGAツァー・プレイヤーで、後にLPGAのマスター・インストラクターとなったDr. Dede Owens(デディ・オーエンス博士、1946〜1999)による飛距離増のための手・腕のトレーニング法。

'Sit Down for Greater Flexibility'
by Dr. Dede Owens with Guy Yocum ('Golf digest' October 1990)

[Arm Training]

腕全体を強化するトレーニングです。5〜15ポンドの範囲で一番快適に持ち上げられるウェイトを用い、週に三回行ないます。図の1〜5は膝の上で行ないます。

1)膝の上に腕を置き、下がっているウェイトを手首だけで上げる【二頭筋の鍛錬】
2)上と似ているが、掌の向きを変える【同上】
3)膝の上で肱をもう一方の手で支え、ゆっくり持ち上げる【手首の鍛錬】
4)ウェイトを上下一杯にゆっくり振る【同上】
5)ウェイトを左右一杯にゆっくり振る【同上】
6)ウェイトを肩に下ろし、もう一方の腕で手で支えながら持ち上げる【三頭筋の鍛錬】

10回繰り返すことを1セットとし、3セットずつ行なう。毎週セットの繰り返しを2〜4回ほど増やす。繰り返し回数が30に達したら、ウェイトを2〜4ポンド増やし、繰り返しを10回に戻す。ウェイトが限界に達したら、重量を落し繰り返し回数を増やす。(…と書いてありますが、これはかなりハードです。私は5ポンドのウェイトしか持っていないし、TVを観ながら各20回やるだけ)

手と指の鍛錬として、古新聞紙をテープルに置き、掌を下に向けて新聞紙をゴルフ・ボールの大きさまで丸める…という方法も紹介されています。

トレーニングは毎日やるよりも、一日おきに鍛えるのが効果的です(下記リンク参照)。


【参考】
・「最新科学研究成果応用の練習法」(tips_132.html)
・「生体力学的鍛錬ヴィデオ」(tips_50.html)

(February 07, 1999、追補August 05, 2015, 改訂August 14, 2016、再訂February 09, 2017)


呼吸法・完結篇

'The Complete Golfer'
by Tom Dorsel, Ph,D. (Allyn and Bacon, 1996, $19.00)

「ベスト・スウィングの秘訣」、「呼吸法・上級篇」、「呼吸法・上級篇 Part 2」…と続いて来たシリーズですが、やっと決定版を発見しました。著者Tom Dorsel(トム・ドーセル)はスポーツ心理学者ですがシングル級の腕前なので、この本ではフィジカル、メンタル双方について書いています。

先ず若いテニス・プレーヤー達のボールを打つ時の声(実際には息を吐く音)に注目し、ボクサーのパンチ、フットボールのブロックやタックル、スキーヤーのターン、フィットネスのスィットアップなど、多くのスポーツの重要な局面で息を吐いている例が挙げられます。

「1988年のPGAツァーにおけるロング・ドライヴ年間一位だったSteve Thomas(スティーヴ・トーマス)は、息を吐くことが彼のパワフルなスウィングの一つの要素だったと話してくれた」

息を吐くことが正しいとする理論的根拠三つ。

1)最重要な時点=インパクトに向けて焦点の合ったパワーを創り出す。インパクまでリラックスしたスウィングで省エネし、息を吐くことで決定的瞬間の筋肉の収縮を際立たせる。ボクサーや空手の達人のインパクトの瞬間の物凄いパワーを生み出す源でもある。

2)インパクトの瞬間に息を吐くことに集中することで、雑念を追い払いボールとの接触に焦点を合わせ易くなる。

3)息を吐くことが、インパクトの瞬間に心身から全てを解き放つ役割を果たす。一瞬意識を失い、次の瞬間復帰して何がどうなったのかを確認するという感じ。これが攻撃的で、迷いのないプレイを作り出す。

「勿論、息を吐くことでゴルフの病気を全て治せるわけではない。既によいスウィングを身につけた人が、最大の力を発揮する最後の仕上げに他ならない。

私のやり方を記せば、バックスウィングの前に肺を90%空っぽにする。そして、ボールと接触する瞬間に後の10%を吐き切る。これは力はこもっているものの、わずかに『ン!』という音をインパクトで生ずるだけ。多分、誰も気づかない程度の音である」

(February 09, 1999)


短小でお悩みの方へ

'Conquering the Shorts'
by Editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine' August 1995)

「グリーンをショートするのはパワーの問題ではない。ちゃんと届くクラブを選択しなかっただけのことである。

この病気が恐いのは、ショートした後、次のホールでは目一杯ひっぱたこうとする、それが筋肉の緊張を招いてスウィングが小さくなり、結果として又もやショートする…この繰り返しになることだ。

特効薬:全てのグリーンのピンを、メンタルにグリーン奥に移す。あなたの目標は奥の仮想ピンに向かってピン・ハイに付けることである。

余裕のあるクラブを選べば、スウィングも容易になる。これまでもがき苦しんでいたのに、いとも簡単にグリーンに到達することに驚くだろう。

【ドリル】
クラブ選択を2クラブ上げる。6番アイアンが150ヤード飛ぶ人なら、2クラブ上げて4番アイアンで攻めてみる。目一杯ひっぱたく必要はなく、リラックスしたスウィングがさらに多くのグリーンを捉える筈だ」

(February 10, 1999)

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