インストラクターの世界No.1として長く君臨するButch Harmon(ブッチ・ハーモン)の寄せのtipシリーズ。今回はピッチ&ラン。
'5 shots to save your game'
by Butch Harmon with Peter Morrice ('Golf Digest,' December 2010)
「私が、世界一流のショートゲーム・プレイヤーであるPhil Mickelson(フィル・ミケルスン)、Tiger Woods(タイガー・ウッズ)、Jose Maria Olazabal(ホセ・マリア・オラサバル)などと働くことが出来たのは幸運だった。彼らから学んだことは数多い。
寄せに共通する必須事項が三つある。
1) インパクトで加速すること。
2) ターゲット方向の足に体重を乗せること。
3) アドレス時のクラブのロフトをインパクトまでキープすること。
…これらが実行出来れば、成功は約束されたも同然である。
ボールがフェアウェイにあり、グリーン上でボールを転がす余地があるならピッチ&ランがベストの選択肢だ。プロがやっているからと云って、全行程でボールを宙に浮かべる必要はない。
・9番アイアンかピッチング・ウェッジを使う。
・ボール位置はスタンス中央よりやや後方。
・体重と両手はターゲット方向。
・カップに転げ込むべき着地点にフォーカスを合わせる。
・バックスウィングの半分はストレートに引き、ボールの背後目掛けて加速するダウンスウィング。
・両腕とクラブがターゲットを指すフィニッシュ。
このショットは、両腕と身体が一貫して一体となって動くスウィングであると考えるように。両手がしゃしゃり出ようとする欲求に抵抗すること。
バックスウィングでは手首の動きを最少限にすること。コックすると、アンコックによるスウィング・スピードの増加が、距離感のコントロールを難しくするからだ。
警告:30とか40ヤードの距離なのに大きなバックスウィングをするゴルファーをよく見る。彼らは、途中で大き過ぎたバックスウィングに気づき、ダウンスウィングで勢いを緩めてしまい、大抵はミス・ショットしてしまう」
(December 01, 2010)
ネヴァダ州のラス・ヴェガス北方にMesquite(メスキート)という町があります。ここは、毎年ReMax世界ロング・ドライヴ選手権大会が開かれるので有名です。そして、Long Drivers of America (略称LDA)のPower Academy(パワー学院)も併設されています。ここに入学するには$2,295必要です。これは三泊のホテル代、四日間の授業料、ヴィデオ分析料、参加者のスウィング特性に合わせた高級シャフト装着のAdamsドライヴァー…などを含んでいます。【参考:longdrivers.com】
'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』誌が「Stockton親子塾」に続いて、今度はここへGary Van Sickle(ゲアリ・ヴァン・シックル)というライターを送り込みました。彼も前回のMichael Bambarger(マイケル・バンバーガー)同様'Sports Illustrated'(スポーツ・イラストレイテド)誌のライターです。なぜ、'Golf Magazine'誌は自社のライターではなく'Sports Illustrated'誌のライターを送り込むのか?自分のところの社員だとお手盛りだと非難されるからか?違うんです。'Sports Illustrated'という出版社は'Golf Magazine'誌の親会社なのです。'Golf Magazine'の表紙には"A Sports Illustrated Publication"(スポーツ・イラストレイテド社出版物の一つ)と印刷されています。では、親会社の社員が甘い汁を吸っているのか?'Golf Magazine'誌のスタッフ一覧を見ると、Michael BambargerもGary Van Sickleも、senior writer(上級ライター)として名を連ねています。二人は二足の草蛙を履いていることになり、自分のゴルフに役立つ体験入学をして原稿を書いて給料を貰っているわけで、お手盛りと甘い汁の双方ということになります。うまいことやりやがって、コノーっ!
'Driving School'
by Gary Van Sickle ('Golf Magazine,' November 2010)
【お断り】以下は、'Golf Magazine'のダイジェスト記事だけでなく、オリジナル原稿を完全に載録したgolf.com(http://www.golf.com/golf/instruction/article/0,28136,2024658,00.html)を参照して紹介しています。なお、この記事の原題は'Driving School'で、これは普通「自動車学校」を意味します。この筆者の冗談のセンスはなかなかのものです。
「膨れ上がったドライヴァー・ヘッドや外国産のシャフト、ハイテク・ボールなどの恩恵を受けて、昔のままのスウィングをしていても私の飛距離は伸びる一方だった。しかし、時が経ち、ハイテク技術も限界に達し、科学のお蔭で得たおまけの飛距離は減少し始めた。
・一日目
私は、飛ばしの秘訣を教わるため、ネヴァダ州Mesquiteに飛んだ。週末四日間の日程は、金曜日のホテルでのリセプションで16人の受講生との顔合わせで始まった。彼らは未来のロング・ドライヴ・チャンプ予備軍(若く、背が高く、筋肉質)と、私のような夢想家(飛距離増を望み、バッグにLDAのTシャツを飾りたいアマチュア)の混成部隊であった。
主宰者は二度の世界選手権保持者で、LDAの創設者Art Sellinger(アート・セリンジャー)である。彼は私が申込書に「20ヤード増希望」と書いたのを見て、『20ヤード?それだけ?それがあなたの希望なの?』と云った。私はその言葉をどう解釈していいか分らなかった。私がまるで金の延べ棒を20本要求したかのように見えたのかも知れない。
・二日目
ReMax世界ロング・ドライヴ選手権の舞台である470ヤードのティーに立つ。ここはフットボール競技場のように、10ヤード刻みで線が引かれている。受講生は五つのグループに分けられ、五つのセクションを経巡ることになる。午前8時だというのに、ハードなロックがラウドスピーカーから鳴り響く。受講生一人一人が、先ず7番アイアンとドライヴァーのスウィングのヴィデオを撮られた。過去のチャンピオンである講師たちがノートを取る。そのノートをもとにArt Sellingerらが指導に当たる。彼は私に『左に移るべき体重が、全然移動してない』と仮借なく云った。また、私がダウンブローでドローを打っていることについて『効果的ではあるが、パワフルではない』と云った。彼は私のズボンの左前のポケットを掴んで、右のポケットの方に引っ張り、私の上半身を無理矢理右に廻した。私はそのテイクアウェイの方法を練習した。しかし、慣れないことだし、臆病風もあって体重はなかなか移らない。
私にボールをティーアップさせた後、講師の一人Bobby Wilson(ボビィ・ウィルスン)がそれを10センチほどターゲット方向に移動させ、『ボールに触れもしないと思ってるだろうが、打てるって保証するよ』と云った。彼は正しかった。私は四発打ち、そのうち二つはいいショットだった。
Art Sellingerが私のセットアップを変えた。右肩を左肩より下げ、ボールをアッパーに打つようにしたのだ。私はいいショットと右へ出るショットを打った。Art Sellingerは、私が肩を水平でなく縦に廻していると指摘し、私の右肩をボールから遠ざかるように押した。その後、私のショットはパワフルに感じられ、軌道は明らかに高く長くなった。
次のセクションではレーダー式弾道・スウィング測定機Trackman(トラックマン)を用いてクラブヘッド・スピード、ボール・スピード、ボールの軌道などあらゆる項目を調べた。これによってレッスン前とレッスン後のデータを比較出来るわけだ。その後は、フィットネスのプロの講義、専門家によるクラブ・フィッティングがあって、昼食。
午後はクラブヘッド・スピードを上げる練習を行なった。ドリルが終る頃、私のために調整されたドライヴァーが届いた。Adams Speed Line Fast 10に、Fubukiのシャフトが組み合わされている。二、三発打ってみたが、とてもいい感じだった。
・三日目
朝食後、フィットネスのプロの指導でストレッチングを25分間。それはウォームアップというより鍛錬であった。
われわれはロング・ドライヴ選手権大会出場者のように競技を行なった。2分45秒以内に六発打つ。競争相手が隣りで同じように打つ。カッコいい!私の第一打は268ヤードだった。がっかり。次の四発はミスしてしまった。六発目は294ヤード飛んだ。いいじゃないか。
第二ラウンドは全部270ヤード付近であった。最終ラウンドは287、285と続き、300ヤードにはついに達しなかった。
・四日目
再びストレッチング。Trackmanでの計測。そしてArt Sellingerの分析を聞く。私のドライヴァーのヘッド・スピードは、以前の97〜98 mph(約43〜44 m/s)から101〜102 mph(約45〜46 m/s)に上がっていた。一方、ボール・スピードは140sの半ばから150sの半ばに変わっていた。『それを距離に換算すると?』と私が聞くと、Art Sellingerは『20〜23ヤードだ』と答えた。【編註:筆者の20ヤード増という目的は達成された!】
私はArt Sellingerに『《練習ボールはPro V1などに較べ、ボール・スピードが5 mph(約2.2 m/s)ほど遅い》というのは本当か?』と聞いた。彼は『あなたのヘッド・スピードだと、練習ボールは10〜12ヤード短くなるね』と云った。私は『私の最長飛距離は294ヤードだった。それに10ヤードを足した合計の、最初の数字は何になります?」と聞いた。Art Sellingerは一寸間を置き、笑みを浮かべながら『3だ。最初の数字は3だよ』と答えた」
(December 04, 2010)
趣旨は「ガニマタ(スクヮット)でダウンスウィングを始めよ」ということであり、類似品はすでにいくつか当サイトに採録してあるのですが、とても重要なポイントであるということと、どうそれを実現するかという視点がユニークなので、これも含めることにしました。
下半身主導のダウンスウィングという文句は、ゴルファーの念仏のようになっています。しかし、万人に実行されているかどうかは、甚だ疑問。高名なインストラクターHarvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)は「ダウンスウィングの開始で左膝を目標方向に移動させる。同時に右肘を身体に引きつける。これを一挙動でやるべし」と述べています。御説ごもっとも。しかし、これまた常人には簡単には出来ません。今回の記事の筆者であるレッスン・プロGlenn Deck(グレン・デック)は、念仏や説教を繰り返すのではなく、形を作ることによって下半身主導のダウンスウィングを具体的に修得する方法を教えてくれます。
'Drive it longer'
by Glenn Deck ('Golf Magazine,' August 2010)
「あなたが充分に身体を捻転させ、ドライヴァーを結構早く振っているのに、ショットがあまりパワフルではないと感じているとしたら、それはテコの原理を応用していないからだ。
パワーを生み出すには、加速を始める前に左足を地面に植え付ける必要がある。これがテコの作用を作り出す。どのツァー・プロでもいいから、トップからダウンスウィングに移る際の写真を見て欲しい。ズボンの膝から上の部分を見ると、左右に引っ張られた膝によって出来た深い横皺が見える筈だ。このズボンの両側に出来た皺が、彼らが左サイドで立ち、地面からパワーを生み出している証拠である。あなたも長い飛距離を望むなら、同じようにズボンに皺を作るべきだ。
【練習法】
・ドライヴァーを手にアドレスする。
・75%のバックスウィングをし、トップで動きを止め、二つ数える。
・左膝で踏ん張り、左足を完全に地面と密着させることによってダウンスウィングを開始する。
・まるで(ストゥールにでも)浅く腰掛けているかのように体重を両脚に落す。【スクヮット(しゃがみ込み)姿勢】
・右腰と肩はそのままで、両腕を若干落下させる。ズボンの両側に深い横皺が出来ていることを確認せよ。
・以上の動作を何度もゆっくり繰り返し、いつも同じ形になるまで続ける」
【参考】
「ダウンの開始はガニマタで」(tips_103.html#sit)
「ガニマタでダウンスウィング」(tips_112.html#squat)
「スクヮット姿勢でパワー・アップ」(tips_124.html#squat)
【おことわり】画像はhttp://doglegnews.comにリンクして表示させて頂いています。
(December 07, 2010)
'Shape shots with your grip'
by Dan Pasquariello ('Golf Magazine,' May 2009)
「以下は、左手のグリップの調整だけでボールの軌道を変えることが出来る方法である。
アドレスした時のクラブヘッドを時計の12時、グリッブの末端を6時と想定する。
・ストレートに打つ場合
1) 左手の親指は真っ直ぐ12時を指し、左手の手首を廻して(クラブを廻してはいけない)ナックル(指の付け根の指関節)が二つだけ見えるように握る。
2) 【これは以下でも共通】右手の親指は時計の11時を指すように握る。
・軽いフェード
1) 左手の親指をシャフトの右側、時計なら1時を指すようにし、左手の手首を廻して(クラブを廻してはいけない)左手のナックルが一つだけ見えるように握る。
2) 【共通】右手の親指は時計の11時を指すように握る。
・ドロー
1) 左手の親指をシャフトの右側、時計なら1時を指すようにし、左手の手首を廻して(クラブを廻してはいけない)左手のナックルが三つ見えるように握る。
2) 【共通】右手の親指は時計の11時を指すように握る」
【編者からの御注意!】いずれの場合もクラブフェースをスクウェアに保ったままグリップを作ること。手を廻した時、クラブフェースの向きまで変わってしまっては失敗です。クラブヘッドを地面につけ、グリップエンドを自分の左太股に立て掛けるようにして上のグリップをするのがお薦めです。
(December 11, 2010)
'Try the 8-iron flop'
by editors of 'Golf Magazine' ( 'Golf Magazine,' August 2010)
「あなたがローハンデのゴルファーなら、フロップ・ショット(ロブウェッジなどで高く上げるショット)はマスターしていることだろう。だが、他のクラブでも同じことが出来るのを御存知だろうか?
普通のフロップ・ショットは、オープン・スタンス、極度にオープンにしたクラブフェース、長くゆっくりのスウィングなどによって達成され、ボールは真上に飛び上がってソフトに着地する。これはグリーンサイドで障害物を越えるのに役立つ選択肢だが、高さに加えて距離も必要な場合の8番アイアンの木越えのショットにも有効なのだ。
このショットを試みる前に、ライが適切であるかどうかの確認が必要だ。湿ったライ、裸地、フェアウェイの固い部分…などでは諦めること。
ライに問題がなければ、オープン・スタンス、オープンにしたクラブフェースでリーディング・エッジをターゲットに合わせる。急角度のフルスウィングでハードに打ち、高いフィニッシュを取る。
何故、もっとロフトのあるクラブを使わないか?このショットの鍵は8番アイアンのシャフトの長さである。それが距離を生み出す。オープンにしたフェースが高さを生み出すのだ」
(December 14, 2010)
'Mastering the basic chips'
by editors of 'Golf Magazine' ( 'Golf Magazine,' November 2010)
「・低いチップ&ラン ボールがグリーン周辺にあり、フェアウェイのいいライで、しかもピンの位置がグリーンエッジから遠い場合、グリーンに乗せたらすぐ転がるショットを打ちたい筈だ。 1) グリーンの端まで飛ぶクラブをを選ぶ(多分、8番か9番アイアン)。 上のように遂行出来れば、クリーンなコンタクトで低い飛行と長いランが得られる。 ・短く上げるチップ ピンがグリーンエッジに近くて、ボールが草に沈んでいる場合、ボールを素早く空中に上げ、ソフトに着地させねばならない。云い替えれば、ボールが宙に浮いている時間を長く、転がる時間を短くするわけだ。 1) サンドウェッジかロブウェッジを使う。 |
オープンにしたクラブフェースがロフトを増し、クラブフェースのもっとも弱い部分であるトゥがソフトなショットを生む。トゥで打たれたボールはすぐ跳び上がってラフを脱出し、着地してもほとんど転がらない」
(December 17, 2010)
'Follow The King on short putts'
by editors of 'Golf Magazine' ( 'Golf Magazine,' January 2010)
「ゴルフ歴が何年であろうと、1〜1.2メートルのパットがゴルファーの膝を震えさせることに変わりはない。この長さのパットはあるホール、ある日のラウンドを台無しにしかねない危険性を孕んでいる。
身体と脚の動きを最少限にしないと、フェースがオープンになったりクローズになったりして、ボールをラインから外しがちになる。
脚の動きを制限するには、Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)がショート・パットの際にやっていたようなアドレスをすべきだ。通常のアドレスをした後、両膝を内側に曲げてほとんどくっつく位にする。これは地面の上に下半身をしっかり錨を下ろしたようにし、ストロークを安定させてくれる」
次はパット名人Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)のtip。
'4 things you should do, but don't'
by Dave Stockton with Ron Kaspriske ('Golf Digest,' October 2010)
「私はボールを見ない。ボールのターゲット側数センチのところに何か目標(小砂利、変色した芝など)を見つけ、そこを越えるようにボールを転がす。練習の時は、ボールの前の地面にティーを埋め込んで目標にするとよい。これはストロークについて考えるのではなく、ターゲットに集中させてくれる 」
(December 20, 2010、改訂June 04, 2015)
'Create room to turn'
by editors of 'Golf Magazine' )'Golf Magazine,' September 2010)
「バックスウィングで腰を廻せば廻すほどダウンスウィングでの逆回転のスピードが早まり、インパクトに向けての両腕の加速を助けてくれるため、飛距離も増す。しかし、年とともに腰を廻すのが大変になる。
あなたがバックスウィングでの捻転が困難であると感じるなら、クローズド・スタンスを試してみるべきだ。右足をターゲットラインから5〜8センチほど遠ざけ、同時に爪先を少し右に開くのだ。
これには二つの効果がある。
1) 腰と肩の回転が容易になるため、パワフルなヒッティングが期待出来る。
2) 体重を右足に移すため、ダウンスウィングでの正しい体重移動を準備する。
アドレスでのこの小さな調整が、若返ったスウィングをもたらしてくれるかも知れない」
(December 20, 2010)
インストラクターの世界No.1として長く君臨するButch Harmon(ブッチ・ハーモン)の寄せのtipシリーズ。今回はとても短いチップ・ショット。
'5 shots to save your game' 「寄せに共通する必須事項が三つある。 ピンに近いグリーンの外にボールがある場合、草の中にボールを残してしまうか、ホームランになったりし易い。秘訣はソリッドなボールとのコンタクトと、打つ強さのコントロールである。 ・最もロフトのあるクラブを選ぶ。 |
警告:アマチュアはボールをスタンス前方に置き、体重をターゲットと反対側に掛け、それでソフトなショットが出来ると考えるのだが、これだと大抵はダフるかトップになってしまう。
(December 23, 2010)
達人Tom Watson(トム・ワトスン)の、彼のオリジナルではない:-)寄せのtip。
'Charge up the hill'
by Tom Watson with Nick Seitz ('Golf Digest,' August 2010)
「私はピンの天辺を狙う。旗竿を狙うのではない。これはずっと以前に本誌に掲載されたGary Player(ゲアリ・プレイヤー)のtipで、グリーンにソフトに着地する高いショットを可能にしてくれる。
そのためには、フェースをややオープンにし、ハードにスウィングする。ソフトに打とうとしたりしない。
上りなので、ボールは通常より早期に着地するため、多くのゴルファーがショートしてしまう。彼らはボールを上げようとして足を平らにしているか、後方の足に体重をかけ過ぎる。
重要なのは、ボールを打つ際に左足の上に身体を乗せることだ。アドレスでボール位置をややターゲット寄りにし、体重が左にかかるように右膝を内側に押し込んでおく。バックスウィングで体重を右に移すのは構わないが、インパクトで左に移すことを忘れないように。加速し、高いフィニッシュを心掛けること。
私は56°のウェッジを使い、フル・スウィングよりも短く振る。一般のゴルファーは60°ウェッジでフル・スウィングするのがベターであろう。ボールを高く上げるにはハードに打つ必要があるが、バランスを崩すほどハードであってはいけない」
(December 27, 2010)
筆者Martin Laird(マーティン・レアード)は、2009年に一勝を挙げたPGAツァーの若手プロ。
'Slow your takeaway with a headcover'
by Martin Laird ('Golf Digest,' December 2010)
「私が貧弱なドライヴァー・ショットを打ち始めるのは、概ね急速なテイクアウェイをする場合である。
ヘッドカヴァーをつけたままにするか、タオルを巻き付けたりしてクラブヘッドに多少の重さを加えて素振りをすると、慎重なスウィング開始を自分に強制することが出来る。これは腕・肩が一体となったワンピース・テイクアウェイを促し、手の動きを制限してくれる。
上の方法で15〜20回素振りをする。ヘッドカヴァーを取ると、ドライヴァーはスムーズに正しい軌道で動くようになる。おまけに、クラブはダウンスウィングで早く、そして軽く感じられる筈だ。
私が最長のドライヴを放てるのは、クラブヘッドを猛スピードで振ろうとした時ではなく、伸び伸びリラックスしたフィーリングで、インパクトにかけてスムーズに捻転を解(ほど)いた時である」
(December 27, 2010、改訂June 04, 2015)
インストラクターの世界No.1として長く君臨するButch Harmon(ブッチ・ハーモン)の父Claude Harmon(クロード・ハーモン)は、1948年のthe Masters(マスターズ)の優勝者。レッスン・プロが、Mastersチャンピオンになったということで、当時話題になったそうです。以下は息子Butch Harmonが記憶している父のスウィングtips。現在主流のスウィング・メソッドに極めて酷似しています。Butch Harmonは父親を信奉していますから、彼もこれらの父親のメソッドを基本として教えている筈です。
'The Four Cornerstones of Winning Golf'
by Claude "Butch" Harmon, Jr. and John Andrisani (Simon & Schuster, 1996, $15.00)
「・バックスウィングは左肩がボールの右に動くことで始まる。クラブ・シャフトが腰の高さの時、シャフトはターゲット・ラインと平行でなくてはならない。クラブのトゥが天を指していれば、スクウェアである徴(しるし)である。この時、上腕部は胸についているべきだ。右脚のポスチャーを維持し、右足から右脚にかけてテンションを感じる必要がある。頭と背骨はバックスウィングでボールの背後に動くべきだ。体重はクラブが動く方向に移動する。
・トップでは、クラブフェースはスクウェアに近くなくてはならない。私にとってのスクウェアとは、クラブフェースが左腕に平行であるということだ。左肩は右膝の内側の真上にあるべきだ。約75%の体重は右膝の上に乗る。肩は約90度、腰は約40度回転すべきである。
・ダウンスウィングは左足への体重移動で開始する。身体の振り解きが腕と手を降下させる。右手で打とうとするダウンスウィングであってはならない。足・腰・そして腹部の筋肉が回転し、インパクトへとクラブを動かす。バックスウィングからダウンスウィングへの推移を急いではならない。スムーズでリズミックなテンポを維持すべきだ。
・ダウンスウィングの骨子は回転するように務めることと、ターゲットにフェースを向かせることである。どんなスウィング・スタイルであろうが、いいゴルファーはインパクトで左手首をフラットに、クラブフェースをターゲットにスクウェアにする点が共通項である」
【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。
(January 02, 2011)
'How to wedge it high and tight'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' October 2010)
「タイトなライから狭いグリーンへ、バンカー越えで高くソフトなピッチ・ショットをしなければならないという場合。
カップへ 3〜5メートルに寄せるには、ウェッジのバウンス(リーディングエッジとソール底部の間の角度。日本のゴルフ本では“バンス”)を効果的に用い、リーディングエッジで地面をほじくらないようにする必要がある。さもないと、ダフったりホームランを覚悟しなければならない。
サンドウェッジもロブウェッジもバウンスによってクラブがボールの下の地面に沿って滑るように設計されている。
このショットを成功させるには、ボール位置をスタンス中央とし、バウンスを活かすべくややクラブフェースを寝かせること(『かぶせる』の反対)。通常のピッチ・ショットのバックスウィングをし、手首をかなり固く保つ。
ダウンスウィングでは、インパクトで手がクラブヘッドに先行するように【編註:ロフトを保ち、活かすため】。 同時に、クラブのソールでディヴォットを取るように考えること(グリーンサイド・バンカーでヘッドを砂の中で滑らすのに似ている)。これによって、ヘッドが浅い角度でボールに向かい、ソフトなボールの軌道を作り出してくれる」
(January 06, 2011)
中堅インストラクターTodd Sones(トッド・ソーンズ)の読み方。 'Be a green-reading detective' 「ボールがどう転がるか、明白なヒントはそこここに散らばっており、ボールの後ろに到着する以前にグリーンの勾配について読むことが可能である。 1. 丘やマウンドの頂上から遠ざかる方向にブレイクする。 |
(January 06, 2011、改訂June 04, 2015)
ショートゲーム専門インストラクターDave Pelz(デイヴ・ペルツ)の加速のコツ。
'The Pelz Files'
by Dave Pelz ('Golf Magazine,' February 2007)
「クラブヘッドの加速はあらゆるショットで重要だが、短いピッチやチップで殊の外重要である。しかし、急いだスウィングによるインパクトや、加速を生み出すために両腕で“打つ”動きは、リズムを壊してミス・ショットに繋がってしまう。
加速の秘訣は《スウィングの中心をインパクトを過ぎた2フィート(約60センチ)のところに定める》ということに尽きる。別の言葉にするならば、《ボールを2フィート過ぎたところでクラブヘッド・スピード(と両手の伸張)が最大になる》ということだ。これを実現するとフォロースルーよりバックスウィングが短くなり、自動的にインパクト前後でスムーズな加速が得られるようになる。
ロフトの大きいクラブによるカット・ショットで、カップ目掛けてボールを放ち、すぐ停止するショットを考えてみよう。このためには、オープン・スタンスとオープンなクラブフェースが必要だが、同時に3/4(スリー・クォーター)のバックスウィングとフル・フィニッシュも必要である。このようにフェースをオープンにしたショットには、インパクトにかけての加速が不可欠だ。短いバックスウィングと長いフォロースルーが、こうしたショットの成功を約束してくれる」
(January 09, 2011、改訂June 04, 2015)
'First aid for a balky putter'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' February 2007)
「いくら不調でも、パッティング・ストロークをラウンド中に変えるのは惨憺たる結果を招く因である。ストロークはそのままで、ボール位置の変更だけで調整しよう。
・ほとんどのパットをプッシュしているように感じているなら、ボールを通常より1インチ(2.5センチ)ターゲット方向に寄せる。これはパターがフォワード・ストロークの際、インサイドからボールに接触するのでなく、ターゲット・ラインにストレートになって接触する助けとなる。
・プルしているように感じているのなら、通常より1インチ(2.5センチ)後方に下げる。これはパターがストローク後半にクローズ目になってボールと接触するのを防ぐ」
【参照】「パットの応急手当て」tips_62.html
(January 09, 2011)
私は2000年に「逆Kは古いのケエ?」(tips_33.html#reverse_k)という記事を書き、2009年に「Yの字アドレスは古いんだワイ」(tips_119.html#Y_address)という記事を書きました。
ここで"逆K"というのは、図左のJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のように、左腕とシャフトが身体の左サイドで一直線になっている構えです。よく見ると、"K"の字が裏返しになったように見えます。"Y"というのは、図右のAnnika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)のように、両手を身体の真ん中に位置させ、右腕とシャフトは一直線ではなく屈折させた構えです。両腕とシャフトの形が"Y"の字に見えます。
以下の記事の筆者Todd Anderson(トッド・アンダースン)は、上の「Yの字アドレス」を「Kの字アドレス」と云い替えています。写真では左肩から左脚が一直線で、折れた左腕とシャフトが「Kの字」になっているという理屈です。しかし、実際にはYの字と変わりません。
'Get into a reverse-K setup'
by Todd Anderson with Peter Morrice ('Golf Digest,' November 2010)
「パワーを生み出そうとするゴルファーは、えてしてKの字のセットアップ【Annikaの図】をする。これは体重がバックスウィングで左足に移動し、ダウンスウィングで右足に移る【正しいスウィングの反対】というリヴァース・ピヴォットに繋がる。その結果、スウィング弧の最低点がボールの遥か後方に移動してしまうため、ボールとの接触がお粗末になる。
逆Kのアドレス【Nicklausの図】をすべきだ。左サイドはかなり真っ直ぐで、右サイドは腰の高さで折れ曲がる。この体勢だと、バックスウィングで右側に蓄えたパワーをダウンスウィングで左側に放出出来る。これはスウィング弧の最低点をボールの背後にキープするので、上昇軌道で高い発射角度のショットを放つことが可能になる」
この記事中に掲載されている写真を仔細に点検すると、Todd Andersonの逆Kは、実はJack Nicklausのように完璧な逆Kではありません。両手がやや身体の内側にあり、Kの直線部分が少し中に折れています。それよりも彼のセットアップで目立つのは肩の高さです。Kの字では、右肩が左より高い構えで、左腕も突っ張っています。逆Kでは、右肩が左よりぐーんと下がっていて、右肘は内側の窪みが正面を向いており、柔らかく微かに折られている感じ。ドライヴァーを打つのなら、当然右肩はこのように下がっているべきだと思います。
'Fix your slice'
by Michael Breed ('Golf Magazine,' February 2011)
Michael Breed(マイケル・ブリード)はThe Golf Channel(ゴルフ・チャネル)の'Golf Fix'(ゴルフ・フィックス)という番組のホストを務めているインストラクターです。早口でまくしたてる説明とツァーの話題をいち早く取り入れるテーマ選択がユニーク。
「左足に体重をかけたアドレスだと背骨がターゲット方向に傾斜し、頭はボールの左に置かれる。こういうセットアップは、ほぼ間違いなくリヴァース・ピヴォットに繋がり、アウトサイド・インのスウィングをもたらす。
上体を右足の上に置き、背骨はターゲットと反対方向に僅かに傾斜させる。これだと頭はボールの左に位置し、右肩は自然に下がる。これは左半身を逆Kの形にする。【編註:この記事でMichael Breedはアイアンを手にしています。ドライヴァーではありません】このセットアップはインサイド・アウトのスウィングに繋がり、スライスが無くなるばかりかパワフルなドローさえ生み出す」
これを実行するいい方法があります。ボールの右側面を覗き込むようにしながらアドレスするのです。ボールの天辺を見るアドレスだとKの字になりますが、ボールの右側面を覗き込めば自然に逆Kのアドレスになります。この形から下半身主導のダウンスウィングをすれば、鬼に金棒です。
(January 17, 2011)
有名インストラクターDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)のtip。
'10 Rules'
by David Leadbetter ('Golf Digest,' December 2010)
「ラウンド前にすべき三つのタイプの練習がある。
1) パットに自信をつけるため、60センチ〜1メートルの距離で始める。
2) 次に、少なくとも5メートルまで後退する。1.5メートルから4.5メートルはしょっちゅうミスする距離である。だから、5〜6メートルだと結果を期待するすることなく、打つ強さに集中出来る。
3) 最後に、15メートルの距離で数回パットする。Ray Floyd(レイ・フロイド)が云っていたことだが、『高く構える長い寄せのパットは、腕の自由な動きを許す空間を作ってくれ、体全体でストローク出来るようになる』そうだ。
以上の練習を済ませておけば、安心してスタート出来る」
(January 17, 2011)
これはすっかり見逃していたtipで、最近発見して「目から鱗(うろこ)」でした。チッピングをする場合、オープンスタンスが常識で、特殊なショットでもない限りボール位置はスタンス中央です。私が「オープンスタンス、ボール位置は中央」を実行すると写真Aのようになります。【物差しは目安のために置いたもの】
'Lose the fat...now!'
by T.J. Tomasi and Kevin Walker ('Golf Magazine,' February 2007)
インストラクターT.J. Tomasi(T.J.トマシ)は、写真Aのボール位置はスタンス中央などというものではなく、あまりにもターゲット寄りであり、こういうボール位置でプレイするからダフるのだ…と指摘します。
T.J. Tomasiは「写真Aは爪先をオープンにしているから、ボール位置がスタンス中央であるかのように見える。しかし、【写真Bのように】爪先を元に戻してみれば、驚くべし、ボールは左足踵の前方でしかないことが露呈する。【編註:写真Bは写真Aのオープンにした左足爪先を戻しただけ。両方の写真どちらにおいても物差しは左足踵に接している】 この状態でフォワードプレスしたりすれば、スウィング弧は後方に移動するので、インパクトでボールの後ろの地面をほじくることになるのは当然の帰結である」と云っています。
T.J. Tomasiは「上のような過ちを避けるには、爪先でなく踵を基準にすること。ボールとの理想的コンタクトと距離のコントロールには、ボール位置はスタンス中央であるべきだが、両爪先の中央ではなく両踵の中央をボール位置とした後、左爪先をオープンにし、グリップエンドが左太股の真ん中に来るようにフォワードプレスする。これらの組み合わせを実行すれば、正しいスウィング弧でボールをカッチリと捉えることが出来る」と述べています。
(January 20, 2011)
筆者Dave Philips(デイヴ・フィリップス)はTitleist Performance Institute(タイトリスト・パフォーマンス研究所)の共同設立者。
'3 steps to 20 more yards'
by Dave Philips with Ron Kaspriske ('Golf Digest,' February 2011)
「あなたは飛ばし屋のプロを見ていて、彼らがやすやすとトップへと身体を廻し、ダウンスウィングでレイトヒットの角度を維持し、ティーからボールを薙ぎ払いつつ(バックスピン減らすために)高く打ち上げる姿に畏敬の念に打たれるのではないだろうか。それは彼らの強靭さと運動神経、柔軟性の組み合わせによって達成されている。
しかし、そういう要素に欠けるあなたであっても、以下の三つのポイントを付け加えれば、20ヤードの飛距離増が期待出来ると請け合う。練習場でこれらが快適に行なえるまで時間をかけ、その後でコースへ出掛けるように。
1) 多くのアマチュアが急角度に振り下ろすスウィングをしてポップアップを生じさせる。ロングヒッターたちのようにボールを薙ぎ払うように打つには、左足の外側をボール位置とし、ドライヴァーのヘッドを20〜25センチ後方にセットする。これがダウンスウィングの弧を浅くし、上昇気味のインパクトを視覚化する助けとなる。
2) あなたの身体の柔軟性の不足は、バックスウィングで左足を上げることによって補える。これによって、以前よりボールの後方まで身体を廻せるだけでなく、体重を正しく右腰に移すことも可能になる。
ダウンスウィングを開始する瞬間に(=肩の捻転をほどく前に)、上げていた左足を地面に落とす。これが下半身主導のダウンスウィングを作り出す。
3) レイトヒットを達成するには、インサイドからのスウィングで、しかもグリップエンドを左の太股目掛けて引っ張り下ろすことだ。これは左前腕部を回転させ、早期にコックを解くことを防止する。それはまた、ドライヴァーを身体の前に戻してくれるので、両手を返したりする必要がない。レイトヒットの角度は自然にインパクト直前に解かれ、パワフルな強打を生み出す」
ボール位置を左足の外側というのは随分極端に思えますが、ここ数ラウンドで試した結果、何ら問題ありません。問題ないどころか、ポップアップは回避出来るし、自分の平均以上飛ぶこともあるので、このtipには感謝しています。なお、私のティーアップの高さは低めです。私はまだ左足を上げるスウィングは試していません。
(January 24, 2011、改訂June 04, 2015)
'Perfect pressure'
by Craig Kaminski, PGA ('Golf Tips,' Aug./ Sep. 2005)
「パターを握る強さを一定にすることが、いいパッティングに繋がる。そのためには、両手それぞれの力が等しく内側に向かうようにしなければならない。
均等な力が内側に加わるように練習するには、次のようにする。パッティングのスタンスをとり、両掌を向かい合わせ、辞書を一冊挟む。辞書を落とさないようにバックストローク、フォワードストロークを繰り返す。
両手に内側への均等な圧力を感じるように。手首を動かさず、受け身の状態でなくてはならない。両肩は自然に後方、そして前方へと揺れるべきである」
辞書といっても『デイリーコンサイス英和』は駄目です(軽過ぎる)。『広辞苑』は重過ぎます:-)。
(January 24, 2011)
'Chunk it and let it run' 「以前の私のバンカーショットは、砂の僅か下を滑らせて沢山スピンを掛け、カップめがけて飛んだボールが急停止するというスタイルだった。しかし、ピンまでにボールを転がす余地が結構ある場合、最近の私は以前よりドスンと多くの砂を取って転がすという方針に変えた。これはより安全なショットなので、アマチュアにもお勧めだ。 “多くの砂”というのは長さではなく深さのことである。深く掘る場合、フォロースルーは短くなる。このショットの滞空時間は短いが、バックスピンがないので滑走距離は長くなる。ボールはパットされたボールのように転がるので、どこへ行くか予測をつけるのが容易である。 必ず加速させること。クラブヘッドを密な砂の中で通過させるわけだから、ヘッドを前方に動かし続けねばならない。 私は60°のウェッジを使い、オープン・スタンス、ボール位置はスタンス中央よりややターゲット寄り。着地させたい地点を見、そこに向けてドスンとクラブヘッドを打ち込む」 |
(January 28, 2011)
'Five Lessons'
by Ben Hogan with Herbert Warren Wind (Golf Digest/Tennis, Inc., 1957)
邦題『モダンゴルフ』というこの本の第四章で、Ben Hogan(ベン・ホーガン)は「問い:【ダウンスウィングの際】両手は何をするのか?答え:(両手は腰の高さになるまでは)積極的には何もしない。手・腕はそれ自身では動くことはしない。手・腕は腰の動きによって引っ張り下ろされるだけだ。これを理解するために、クラブを手にバックスウィングをしてみればいい。手と腕のことはきっぱり忘れて、比較的スローな動きで腰を左に廻し始める。両手がどこにあるか見なさい。腰の動きがトップにある両手を自動的に引っ張り下ろすのだ」と書いています。
その項のイラストは、両手首とベルトバックルが紐で結ばれているイメージです。お臍を左に廻すと両手が自動的に引っ張られるという意味です。しかし、これを実践するのは私には難しかった。腰は上半身に近い上に、手首のイメージを抱くとつい上半身主導のスウィング(=手打ち)になりがちなのです。
私の改良案は、写真のように左肩と左膝が紐で結ばれているというイメージです。《ダウンスウィングの開始で左膝をターゲット方向に送る》のです。自動的に腰も肩も左に廻り始め、Ben Hoganの云うように手・腕も自動的に引っ張り下ろされます。言葉を換えれば《左膝が腰と上体(肩・手・腕)を動かす》のです。手や手首について考えないこのイメージの方が私のスウィングに役立っています。
先々週のラウンドのあるパー4で、私の第二打は7番アイアンの距離でした。私は左膝の動きだけに集中してスウィングしました。そのショットは私自身も、同じ組で廻っていたメンバーたちも惚れ惚れするような軌道でピンに真っ直ぐ向かいました。このショットは私のゴルフ人生の中でも断トツにピュアなショットとなり、いまだにその弾道は脳裏にくっきりと焼き付いています。ピンまでに1クラブの長さが残っていましたが、難なく入れてバーディ。
私は今後の目標として、こういうピュアなショットを毎ラウンドで(少なくとも一回は)実現させようと思いました。
先週金曜日のラウンドのNo.10(パー4)、左足下がりの難しいライからの第二打。こういうライからだとボールは右へ出易いのですが、逆に私はいつもプルします。しかし、この日の21°ハイブリッドは同じ組のメンバーたちが驚きの声を挙げたほど真っ直ぐ、理想的な軌道で飛びました。2オンしていたものの、残念ながらカップまでは遠く、バーディ逃しのパー。
その日のNo.18(パー4)、私の第二打は残り150ヤードでしたが、急な上りなので経験上180ヤードとして打たないとガードバンカーに掴まることが分っています。情報によると、わがチームはここでバーディにしないと、敗れて2ドル払わなければならない状況でした。パーでは駄目なのですから絶対に乗せてバーディを射止める必要があります。私は21°ハイブリッドで180ヤードを打つべく短く持ちました。もちろん、《左膝をターゲットに送る》をダウンスウィングの切っ掛けにすることに集中しました。クラブを一閃、ボールはまっしぐらにピン目掛けて飛んでバウンドするのが見えました。「飛び過ぎたか?」あまりにもいい当たりでした。幸いボールは奥に乗っていましたが、バーディを期待するには遠過ぎました。パットは逸れ、わがチームは敗れました。
しかし、またもやピュアなショットが(1ラウンドで二回も)出来たことは、2ドルの損失など問題にならないほど嬉しい経験でした。
この練習法は簡単です。クラブもボールも要りません。バックスウィングしてトップの形を作ったら、(両手・両腕は動かさずに)左膝をターゲット方向に動かすのです。これを暇さえあれば繰り返します。
この下半身主導のスウィングは、
・自動的にインサイド・アウトのスウィング軌道になるので、スライス撲滅の特効薬となる。
・手首をこねないインパクトが実現するので、良い方向性が得られる。
・身体全体を使ったスウィングになるので、手打ちの場合よりも飛距離増が期待出来る。
…と、このようにいいことずくめです。
【参考】
・「魔法のダウンスウィング」(tips_143.html)
・「左膝の研究」(tips_49.html)
・「キッズ・ゴルフに学ぶ」(tips_155.html)
(February 02, 2011、増補April 19, 2015)
PGAツァーのPhoenix Open(フィーニックス・オープン)が終了した2月7日の夜、The Golf Channel(ゴルフ・チャネル)の番組'The Golf Fix'で、ホストのインストラクターMichael Breed(マイケル・ブリード)が、Sam Snead(サム・スニード)の下半身主導のスウィングを解説していました。
Michael Breedは、Sam Sneadのダウンスウィングの開始で左膝をターゲット方向に開く動きをスローモーションで見せ、それこそがSam Sneadのスウィングの重要なポイントであると指摘しました。
彼はその動きをマスターする方法も披露しました。サッカーボール大のボールを両太股の間に挟んでスウィングします。ダウンスウィングの開始で、そのボールが落下すればSam Sneadと同じ動きをしているので合格だそうです。
しかし、一回毎にサッカーボールを落して、又拾うというのも面倒です。私にはもっといいアイデアがあります。アドレスしたスタンスの状態で、両膝の真上をロープの輪で縛ります。ダウンスウィングの開始時に、左膝がターゲット方向に動けば右脚がテンションを感じます。この方が、一々ボールを拾って脚の間に挟んだりするよりずっと気が利いていると思います。
ところで、左膝の動きも重要なのですが、左膝が動くまで受け身のまま静止している肩・腕・手の状態も同じように重要です。これらが左膝にリードされて動くものだということ抜きで、左膝だけに注目しても意味がありません。
(February 09, 2011)
●理想的パッティング・ポスチャーは?'Find your best putting posture'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' October 2009)
「あなたは考えもしないかも知れないが、ポスチャーというものは腕と肩による振り子運動(と腰へのストレスの強弱)に激しく影響する。
あなたにとって最も快適なポスチャーを見つけるには、右手一本でパット練習してみることだ。クラブは重く、扱うのがぎごちない感じだろう。しかし、それが役に立つのだ。右手だけのパットという破天荒な変化によって、あなたの身体は本能的に最も快適な体勢を取ろうとする。ソリッドなコンタクトが得られ、ボールがよく転がるようになるまで、そのまま練習を続ける。
右手だけのパッティングに慣れた時、ボールに向かってどんな体勢になっていて、どんな感じを抱くか確認する。それがあなたにとっての適切なポスチャーなのだ」
(February 02, 2011)
メイジャー優勝者であり現TV解説者Nick Faldo(ニック・ファルド)が明かす、正確無比なアイアンの秘訣。
'For puring your irons'
by Nick Faldo with Guy Yocom ('Golf Digest,' February 2011)
「・私が15歳の時、父と全英オープンを見に行った。その年(1973)の優勝者Tom Weiskopf(トム・ワイスコフ)について歩いた。彼のロング・アイアンの『ビシッ!』というインパクトは他の誰にもない音だった。そういう音を出すためには、スウィングの間じゅう頭を揺らしてはいけない。Tom Weiskopfはアドレスの際に顎でボールに狙いを定め、それをスウィングの間じゅう保っているように見受けられた。頭の水平回転は微かに見受けられたが、上下には絶対に動かしていなかった。現役時代、私はずっとTom Weiskopfのように打つことを心掛けていた。
・私が1990年のthe Masters(マスターズ)に優勝した時、グリーンの右や左にミスしたことは一度もなかったと記憶している。ミスはオーヴァーかショートのどちらかで、これはMastersでプレイする場合のコツなのだ。私が十代の頃プレイしたコースの練習場は短く、グリーンも小さかったため、自然に距離よりも方向を大事にするアイアン・ショットを磨き上げた。最近のゲームは距離が重んじられているようだが、ピュアなスウィングをしたかどうかの証しは方向性である。方向性を極めれば、やがて距離はついて来るものだ。
・ボールとクラブフェースとの摩擦がスピンを生み、ボールを圧縮することがボールを推進させる。ショート・アイアン、ミドル・アイアンで成功するには、上の二つの要素をミックスさせなければならない。そのデリケートなバランスを達成するには、クラブフェースが紙ヤスリで出来ていると想像し、インパクト・エリアにおいて紙ヤスリのザラザラした表面で出来るだけ長くボールを圧し潰すように考えるとよい。科学的には、インパクト後の手の動きはボールに影響しないと思われるが、しかし、それでもなお二つの課題に努力すべきだと思う。一つはLee Trevino(リー・トレヴィノ)のように、出来るだけ長くクラブヘッドをターゲット方向に動かし続けること、もう一つは、手がクラブヘッドに先行するインパクトを迎えるようにすることだ。
・ボールの軌道の高低をボール位置で行なう場合、1インチ(2.5センチ)以上前後に動かしてはならない。それ以上動かすと、凄く複雑なスウィングの調整が必要になる」
上の「顎でボールに狙いを定め、それをスウィングの間じゅう保つ」というのは素晴らしいtipです。アイアン・ショットはコンパクトなスウィングですから、ドライヴァーのようにスウィング弧を大きくしたり、激しい体重移動をする必要はありません。「頭を動かすな」という命令を実行するのは難しいですが、顎でボールを狙ったままにするというのはやり易い。これと「下半身主導のスウィング」を併用するようになってから、私のアイアン・ショットはとても良くなりました。試してみて下さい。
(February 06, 2011)
'Avoid Impact-Zone Release for short game improvement'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' June 2009)
「湿ったライの場合、ボールをクリーンに摘まみ上げるように打とうなどと考えてはいけない。大抵はクラブが湿った地面に邪魔され、ダフる結果になるだけである。
バックスウィングで手首をコックしたら、それをダウンスウィングの間じゅう保持しようと努力するべきである。両手がボールに先行し、確実なディセンディング・ブローになる。
インパクトでクラブフェースをオープンにしているとボールはターゲット方向に飛ぶが、コックを解いてしまうとボールは低く左へ出るミスを招く」
(February 06, 2011)
'How to turn knee-knockers into tap-ins'
by Dr. Joseph Parent ('Golf Magazine,' February 2007)
1.2メートル(4フィート)ぐらいのパットは、短いので入れて当然(「入れ頃」)と考えられ、「入らなかったら恥ずかしい」と緊張の余り身体は強ばり、膝はガクガクし、結果「外し頃」だったということになりかねません。'Zen Golf'の著者Dr. Joseph Parent(ジョゼフ・ペアレント博士)は'Zen Putting'という近著で、次のようなドリルを推奨しています。
「私のところへ、大事な場面で1.2メートルのパットを入れられないというゴルフ部の学生が来た。彼は過度の緊張のため自由にスウィング出来ず、パターをカップに誘導していた。解決法はシンプルだ。タップインするように、気楽にストロークすればいいのだ。スムーズだし、フェースはスクウェアで、ミスなどあり得ない。
1) 練習グリーンに約10センチ離して二つのティーを立てる。これはイメージ上のカップの端を表す。それに約23センチ(9インチ)の距離からタップインのストロークをする。あなたはボールがティーを越えて1.2メートル近く転がることに驚く筈だ。
2) 今度は本当のカップを使う。カップの約1メートル手前に二つのティーを移動し、前と同じように23センチの距離から仮想のカップの端であるティーめがけてタップインのストロークを行なう。あなたの心と身体は単なる23センチのパットに過ぎないとリラックスしているので、成功率は100%に近いだろう。
3) 最後にティーを取り除き、1.2メートルのパットをする。引き続きカップの約10センチ手前に仮想のカップがあると考え、それに向かってタップインのストロークを行なう。
(February 09, 2011)
顎が極めて低い場合にはパターを使う方法もありますが、今回のはチップ・ショットです。
'Another option from the sand'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' February 2011)
「あなたはバンカーからショットしながら、『バンカーを出られればいい。寄らなくてもグリーンのどっか(どこでもいい)に乗ればいい。なまんだぶ』と祈る、その他大勢のゴルファーと同じタイプだろうか。しかし、どのグリーンサイド・バンカーもそう恐ろしく一か八かというものではなく、状況によっては別な方法もあり得るのだ。
その一つは、バンカーからチップする方法だ。顎が低く、ボールが砂の表面にちょこんと座っている(=全く埋まっていない)場合、エクスプロージョンよりずっと短く、結果が予測可能な動作でチップするのだ。顎を確実に越えられるロフトのクラブを使う。
1) 普通に芝の上からチップする際の、狭いスタンスのセットアップをする。
2) ボール位置はスタンス中央から1〜2インチ(2.5〜5センチ)後方。
3) 手と手首を固くし、インパクトで左手を真っ直ぐにする。
4) (普通のバンカーショットと異なり)砂よりも先にボールを捉える。【重要】手首を折ると、クラブッヘッドはボールでなく砂に先に接触し、バンカーからの脱出は成功しない。
サンドウェッジから6番アイアンまでの色んなクラブで上の手法を試されたい。クラブフェースを離れる時のボールの軌道と、グリーンに着地してからのランの長さを記憶する。
その後、同じピン目掛けて通常の砂を取るバンカーショットをしてみて、双方の結果を比較してみる。状況さえ許せば、バンカーからのチップショットはあなたのゲームを一変させる手法となり得るだろう」
試してみました。完全に意識を切り替える必要があります。チッピングですからエクスプロージョン・ショットのような大きなバックスウィングも、急速なダウンスウィングも必要ありません。砂の抵抗は全く無いわけですから、デリケートに払うようなストロークが望ましい。そして、重要なのはテンポです。ゆっくりでいいのです。われわれは難しい局面になると急いだスウィングをしがちですが、急ぐとホームランになります。
私の研究の結果では(ちと大袈裟)、バックスウィングでコックせず、手と手首を終始伸ばしたままボールを打つのがいいようです。素晴らしい方向性が得られます。バックスウィングの長さが距離を決めます。それは普通のチップショットと同じです。
(February 15, 2011)
●二段グリーン'Precision Putting'
by James A. Frank (Human Kinetics, 1999, $16.95)
「二段グリーンに対処するために記憶すべきことが二つある。
・上段から下段へ
ボールはグリーンの最も低い方へブレイクするので、カップのかなり上を狙わなくてはならない。最も重要なのは強さである。カップが、ターゲットライン上の坂の1インチ(約2.5センチ)手前に切ってあると想像するとよい。そこで息絶えるように打てば、下り坂でスピードが増す前にボールを止めることが出来る。
・下段から上段へ
ボールはグリーン・エッジに向おうとする。坂の上にパットする場合、想像するよりもずっと急角度にブレイクするものだ。カップよりも上を狙うこと。強めに打ち、ボールが坂を駆け上がって、確実に上段に届くようにすること」
(February 15, 2011)
Bubba Watson(ババ・ワトスン)はPGAツァーの飛ばし屋の一人。彼のアマチュアへの贈り物。
'10 Rules'
by Bubba Watson with Guy Yocum ('Golf Digest,' July 2010)
「・左足を開け
私は何度もTiger Woods(タイガー・ウッズ)と練習ラウンドをしたことがある。本気で飛ばしたい時、彼は左足を45度に開く。これは彼の腰と下半身を最速に動かすことを強制するので、フィニッシュで彼のお臍はターゲットの左を向いてしまう。これはもの凄いパワーを生む。私がこれを真似したらうまく行った。注意すべきは、左足を開き過ぎないことだ。開き過ぎると、バックスウィングの回転が不十分になってしまう。正しく開けば、その違いを聞き取ることが出来る。インパクトでの『ヒューッ!』という音が以前より大きい筈だ。
・腰も最大限廻せ
よく聞く説に『バックスウィングで肩は最大限に廻せ、だが腰の回転は控え目に』というのがある。私に云わせれば、これは嘘だ。腰を廻せば廻すほど肩も最大限廻すことが出来、ボールを遠くまで打つことが可能になる。どんな風であれバックスウィングを制限すべきではない。身体のあらゆる部分を出来る限り捲き上げるべきだ。おまけの捻転は長いバックスウィングに繋がり、クラブヘッドの速度増に繋がり、飛距離増に繋がるのだ。
・練習場でパワーをつけよ
小柄であったりシニアであったりしてもパワーをつけることは可能である。練習場でボールを引っ叩けばいいのだ。Ben Hogan(ベン・ホーガン)は数百個のボールを打つことが、彼のスウィングを強靭に、改良されたものに変えたと云っていた。ボールを打つことでパワフルになれるのだ。あなたの手・腕は強靭になり、身体も調子よくなる筈だ」
【おことわり】画像はhttps://i.pinimg.com/にリンクして表示させて頂いています。
(February 18, 2011)
●カップの向こうの壁を狙え'Bill Kroen's Golf Tip-A-Day 2003'
by Bill Kroen (Andrews McMeel Publishing, 2002)
古い「日めくりtips」から選んだ秀作の一つ。
「あなたが1メートルのパットに失敗することが多いのなら、カップめがけてボールを打ち抜く必要がある。こういう短いパットではブレイク(曲がり)を無視し、カップの向こう側の壁を狙うべきだ。
ボールが落下する前に、向こうの壁に当たるようにストロークすること。これは加速するパッティングを可能にしてくれる方法だ」
(February 23, 2011)
インストラクターの世界No.1として長く君臨するButch Harmon(ブッチ・ハーモン)の寄せのtipシリーズ。今回はラフからのチップ・ショット。
'5 shots to save your game'
by Butch Harmon with Peter Morrice ('Golf Digest,' December 2010)
「寄せに共通する必須事項が三つある。
1) インパクトで加速すること。
2) ターゲット方向の足に体重を乗せること。
3) アドレス時のクラブのロフトをインパクトまでキープすること。
…これらが実行出来れば、成功は約束されたも同然である。
ラフに埋まっているボールをうまく出して寄せるのは、一見不可能な組み合わせに思えるが、実際はそうでもない。コツは、いかにボールとクリーンにコンタクト出来るかどうかにかかっている。
・ボールの下を滑らすことが出来る重さを持つサンドウェッジが最良の選択だ。
・体重はターゲット方向の足。
・ボール位置はスタンス中央。
・テイクアウェイと同時にコックし、急角度なバックスウィングをする。
・ダウンスウィングではボールの背後の草にクラブヘッドを落す。フォロースルーは考えないこと。長い草の抵抗がクラブのスピードを低下させる。
Vの字の【急角度の】スウィングを心掛ける。バックスウィングとダウンスウィングの角度が急であればあるほど、ボールは高く飛び出す。
警告:テイクアウェイでコックしないと、浅い角度でボールに向かうことになり、クラブヘッドはインパクト前に草を一杯噛んでしまう。
(March 02, 2011)
●超高速グリーン対策・その一
'Choke down on fast greens'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' April 2011)
「とてつもなく速い下りのラインでボールに加わるエネルギーを減らすには、パターのトゥでボールを打つという方法がある。しかし、これはパターフェースを捩ってラインからボールを逸らしてしまうという副作用がつきまとう。
アイアンを短く持って打つように、パターのグリップの下方を持って打つようにすれば、短くゆっくり転がるパットになる。この方法の良い点は、打ち出されたライン上を真っ直ぐ転がることだ」
・その二
'Mastering fast greens'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' April 2009)
「どんなに短いストロークをしてもボールがカップを通り過ぎ、遥か彼方へと転がってしまう下りのラインというものが存在する。
そういう場合、バックストロークをほとんどしないでパットすべきだ。パターを引くのを2センチ以下に抑える。そしてボールを軽く叩く。この方法だとバックストロークでパターが勢いをつける暇(いとま)がない。また軽く叩くだけなのでパターフェースが捩じれる心配もない。パターをいつもより少し固く握ると、よい結果に繋がるものだ。
これは一見容易(たやす)い方法に思えるだろうが、パターを正しくコントロールするには何回か練習が必要であることが解るだろう」
(March 10, 2011)
●チップでシャンクこれは読者からの質問に有名インストラクターが答えるという趣向のコラム。
'Ask the top 100'
by Dr. T.J. Tomasi ('Golf Magazine,' July 2009)
「Q: チップショットで時折シャンクするんですけど。
A: チッピングに使うクラブは短い(短く持てばさらに短い)ので、自分で気づかないうちに体重が爪先に移ってしまい、ボールに向かってのしかかるような体勢になり易い。肩をオープンにすると、なおさら体重がボール方向に引寄せられる。このように体重がボール位置へと移ると、シャンクが出る可能性が高まって来る。
チッピングのシャンクを防止するには、両足の土踏まずか踵に体重をかけるようにアドレスする。バックスウィングでは、右膝を固定する。インパクトにかけては右膝をターゲット方向に送る(身体の正面方向へではないので注意)。
練習する時は両爪先を結ぶ線に一本のクラブを置き、そのシャフトに沿って膝を動かす。後方の脚の膝は、絶対に寝せたシャフトを越えてはならず、ターゲット方向に傾かなくてはならない」
(March 13, 2011)
●ベースボール・グリップの勧めこの記事の筆者は、この『日記』で「赤ひげコーチ」として紹介したJackie Burke, Jr.(ジャッキー・バーク二世)。彼の手は生まれつきあまり強靭ではなく、MastersとPGA選手権の二つのメイジャーに優勝した後のプロ生活後半では、腱炎のためかなりの数の中途棄権を余儀なくされたそうです。
'It's Only a Game'
by Jackie Burke, Jr. with Guy Yocom (Gotham Books, 2006, $22.50)
「もし全てをやり直せるものなら、私個人はベースボール・グリップを採用したい。私はゴルファーやインストラクターがベースボール・グリップの良さに気づき、それを普及させるだろうという予感を抱いている。あなたの手が(女性や子供、シニアなどのように)小さかったり弱かったりするのであれば、ベースボール・グリップがベストの選択であることは疑う余地がない。それはまた、太い手、短くずんぐりした指を持つ男性にも適している。
十本指で握ることによって、手と手首はよりしなやかに、そして楽に折ることが可能になる。右手はクラブのグリップのやや下方を握ることになるが、それはスコップや熊手を持つ時と同じく梃子の作用を得るのに役立つ。
ベースボール・グリップは、最近の歴史においてそれを用いた偉大なプレイヤーが存在しないという事実によって売り込み難いという面がある。しかし、誰にでも同じグリップを教えていいわけではない。子供は手が弱く指が短いので、大人のようにはクラブを握れない。子供、女性、体力のない男性は、本能的に野球のバットを握るように十本指でクラブを握るものだ。彼らのグリップは、梃子の作用を強める(Vの字が右を向く)ストロング・グリップが普通である。彼らのグリップを変えてはいけない。そのままプレイさせ、成長したり強くなった時にウィーク・グリップを教えればよい。
【おことわり】画像はhttp://www.ritson-sole.com/にリンクして表示させて頂いています。
(March 28, 2011)
'How to chase the ball down the fairway'
by Shelby Futch ('How to break 100-90-80,' Golf Digest)
「・深いラフやひどいライから、フェアウェイを低くどんどこ転がるショット。
十本指で握ることによって、手と手首はよりしなやかに、そして楽に折ることが可能になる。右手はクラブのグリップのやや下方を握ることになるが、それはスコップや熊手を持つ時と同じく梃子の作用を得るのに役立つ。
ボール位置は後方。これだと通常より急激な角度で打ち下ろすことになるので、低いボール軌道を生む。これは普通のショットに較べればいささか乱暴なものだ。身体全体を使って打ち込むことが肝要で、フォローではボールを追いかけて歩き始めるようなアクションになるべきである。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)の2番アイアンによるStinger(スティンガー)がこれだ。
・深いラフやひどいライから、バックスピンがかかって高く上がり、ソフトに着地するショット。
ボール位置はターゲット寄りで、クラブフェースをオープンにする。アップライトな急角度のスウィングをし、ダウンスウィングではターゲットラインの外側からターゲットラインの内側へと振り抜く。これはバンカー・ショットに似ているが、どのクラブを使ってもよい点が異なる。フェースをオープンにすることで距離が減るため、通常の5番アイアンの距離ならば4番アイアンか3番アイアンを使うべきだ。オープンなフェースはフェードに繋がる。やや左を狙うこと」
(March 28, 2011)
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