Golf Tips Vol. 127

耳なし芳一

シニア・ゴルファーのJack Mears(ジャック・ミアーズ)と一緒のチームになりました。彼はハンケチを帽子の下にかませていて、何やら昔のアフリカ戦線の外人部隊のようです。「あんた、アフリカから来たの?」と聞くと、「エイジ、これは只の日除けじゃないんだ」と云います。そう云えば、彼はハンケチで左の耳だけを覆っています。アフリカの外人部隊は首筋全体を覆っていました。

Jack Mearsがハンケチを持ち上げて見せました。「先週、おれは皮膚癌の手術をしたんだ。一時間半かかった」と云います。彼の耳は、主に外側だけですが上部から耳たぶまでカサブタに覆われていて痛々しい感じです。「まだ日に当てると痛むので日除けをしているんだ」そうです。
「そんなとこも皮膚癌になるの?」私は驚きました。毎日、ラウンドの前に50 SPFのスポーツ用サンスクリーンをスプレイしていますが、腕・手・首筋だけであり、耳にスプレイしようなどとは思ってもいませんでした。
「耳にも塗るべきだ。露出している肌はどこも」とJack Mears。彼は「わしの子供の頃は、出来るだけ日光に当たれと教育された。それが健康のもとだと云われていた。今じゃそれは正しくないんだな」と云い、怨めしそうな顔をしました。

ラウンド終了後、他のチームを待つ間にJack Mearsに『耳なし芳一』の話を聞かせました。彼は「この日本人は何で急に日本の昔話など始めるんだ?」という面持ちでしたが、大人しく最後まで聞いてくれました。しかし、すぐ話題を変えようとしました。私は「Jack。何故耳を千切られた琵琶法師の話をしたか解る?」と聞きました。かれは「うんにゃ」と云います。私は「経文を琵琶法師の身体全体に書いた僧侶も、サンスクリーンをスプレイしているおれたちゴルファーも、どっちも耳のことなど考えていなかったんだよ」と説明しました。「なあるほど。いま、やっと解ったよ」と彼が云いました。

手・腕・顔・耳、そして半ズボンを穿くなら両脚にもサンスクリーンが必要です。SPF(Sun Protection Factor)は少なくとも15〜30。私のは50です。

(August 25, 2010)


エゴを捨ててスコアを減らす

インストラクターの世界No.1として長く君臨するButch Harmon(ブッチ・ハーモン)のコース戦略。

[Butch]

'The Four Cornerstones of Winning Golf'
by Claude "Butch" Harmon, Jr. and John Andrisani (Simon & Schuster, 1996, $15.00)

「あるホールで、ゴルファーのスコアを可能な限り減らす能力を妨げているものはエゴである。ゴルファーたちはパー4の二打目にウェッジを使うことを自慢したりする。大きな間違いだ。コース戦略に長けたプレイヤーは、常に長いクラブを使うものだ。

Davis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)のゲームが格段に飛躍したことがある。【編註:この本が出版された当時、Davis Love IIIはGreg Norman(グレッグ・ノーマン)やTiger Woods(タイガー・ウッズ)らと共にButch Harmonの生徒でした】彼は飛ばし屋で有名だったため、ずっとそれを売りにするゴルフをしていた。しかし、ある時、彼は《短いクラブでホールを攻めると、スコアを悪くする》ということに気づいたのだ。その意味について説明しよう。

短いパー4で、本当は8番アイアンが必要なのに、あなたがウェッジを選んだとしよう。この場合、あなたはバックスウィングを出来るだけ大きく、しかも急速なテンポで振らなければならない。こういうコントロール不能の醜く速いスウィングは、あなたのバランスを失わせ、ミス・ヒットする原因となる。多くの場合、あなたのスウィング弧次第だが、ダフるかトップするかどっちかと相場は決まっている。どちらの結果でも、あなたはパーをセーヴするため、とてつもなく素晴らしい三打目を打たねばならなくなる。

賢い戦略は、距離が必要とするよりも長く、ロフトの少ないクラブを選択することだ。上の例の場合なら、Davis Love IIIは7番アイアンでスムーズな3/4スウィングをすることだろう。長いクラブを選べば、短いスウィングをしなければならなくなる。彼は身体とクラブ双方を完全にコントロールする。万一彼がソリッドに打てなかった場合でも、ボールは少なくともグリーン手前まで到達出来るし、期待以上の完璧なショットをしてグリーン・オーヴァーしたとしても、通常その辺はトラブルが少ないところだから安心なのだ」

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(September 05, 2010)


パットする時の脳、アマとプロの比較

'How to train your brain'
by Guy Yocum ('Golf Digest,' October 2010)

[brain]

この'Golf Digest'十月号はパッティング特集で、「なぜ女性はパットが下手なのか?」など、なかなか興味深い記事が揃っています。ここで紹介するのは記事の中のある研究結果を図示した部分です。アリゾナ州大の提携リサーチャーであるスポーツ心理学者Debbie Crews, Ph.D.(デビィ・クルーズ博士)が、パットする際の脳の動きをモニターした研究結果。脳の中で特に活発に働いている部分が赤、次が黄色、やや平静な部分が緑で、完全に平静な部分は青色に表示されています。

1)アマチュアA
 このアマチュアはストロークの機械的動作の入念な遂行にこだわっているため、脳の70%が活発に働いており、特に左脳部は80%近くが真っ赤です。残りは黄色と緑で、青い部分は皆無。

2) アマチュアB
 このアマチュアはパットをミスすることを恐れています。彼の場合も脳の左側60%は真っ赤(特に左脳)。中央に少し黄色い帯がありますが、残り30%はほとんど緑色で、この人も青い部分は皆無です。

3) プロA
 このプロはターゲットに集中しています。脳は緑色45%、青色40%、赤色15%という感じ。赤色は左脳の下部だけに偏っています。

4) プロB
 このプロはパットのフィーリングだけを追求しています。脳の60%は青色に占領されており(=極めて平静)、30%ほどの薄緑と、10%の赤色が混じっています(この赤色も左脳の下部に偏っています)。

御存知のように、右脳は創造的な面で働き、左脳は分析的に働きます。Debbie Crews博士は以前にも「パットの下手な人ほど左脳を使い過ぎる。地形を分析したり、留意点を思い起こしたりするのは左脳の役目だが、大抵の人は左脳を活発にしたままパットしてしまう」と云っていました。自転車に乗ることと同じように、機械的動作は潜在意識に任せるべきなのです。そうすれば、われわれの脳も、プロBのように青一色に近い平静さが得られる筈です。

PGAツァーのパットの名手Brad Faxon(ブラッド・ファクソン)は、「パットを成功させることにこだわらない場合にベストのパッティングが出来る」と云っていました。これは私の発見:《チップインさせようとすると入らないが、出来るだけ寄せようとするとチップインしてしまうことがある》に近いと思います。「パットを捩じ込もう!」と決意すると、機械的動作を完璧に遂行しようと努力することになります。完璧さの追求は、裏返せばミスを許さない(=恐れる)心理でもあります。これらは左脳のフル回転を促すため、上の色分けで云えば、脳のほぼ全体が真っ赤になっている状態です。

左脳でラインを読み、ストロークの強さを決定したら、Brad Faxonのように《結果にこだわらない》という状態まで心を落ち着かせるべきでしょう。いずれにせよ、われわれの力では全てを1パットで済ませられるわけはないので、失敗はつきものだと悟るべきなのです。「入ればお慰み」という余裕のある心境が望ましいようです。

(September 08, 2010)


スウィングのパート別モデル

"In search of the perfect swing'
'Dr. T.J. Tomasi and David DeNunzio ('Golf Magazine,' October 2010)

「完全なるスウィングというものは存在しない。しかしながら、スウィングのパート毎の模範として『ゴルフ・マガジン』誌選定Top 100インストラクターたちが投票で選んだツァー・プロたちのテクニックは、あなたのスウィングの青写真として最適のものである。あなたのスウィングのどこかのパートに欠陥があるとしたら、以下の記事の中から該当するパートを選んで真似するとよい」

…という前置きで、ゴルフ・スウィングが七つのパートに分解され、それぞれにTop 100インストラクターたちの投票でベスト1に選ばれたプロのスウィング写真とインストラクターたちの賞賛・解説の言葉が掲載されています。

・セットアップ Adam Scott(アダム・スコット)
・バックスウィング Anthony Kim(アンソニィ・キム)
・トップでの切り返し Fred Couples(フレッド・カプルズ)
・ダウンスウィング Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)
・インパクト Tiger Woods(タイガー・ウッズ)
・テンポ Earnie Els(アーニィ・エルス)
・全体的スウィング Steve Stricker(スティーヴ・ストリッカー)

私が数年前にPDFフォーマットで無料配布した『ゴルフ名人たちの一口レッスン』は、元々は日本の『ゴルフダイジェスト』出版部からの依頼で2006年に書き始めたものでした。粗原稿を送ったところ、出版部から「一つのスウィングをパーツに分解し、色々なプレーヤーが述べるのは理論としてもおかしいし、読む方も混乱して参考にならないと思う」とイチャモンを付けて来ました。『ゴルフダイジェスト』出版部の面々は、英米の雑誌、Tips本や名言集などの出版物がスウィングをパートに分け、様々なプロやインストラクターの言葉を並べていることに無知だったのです。で、私は『ゴルフダイジェスト』には愛想が尽きて、こちらから出版を辞退しました。

 

上の'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』誌の記事が示すように、スウィングをパートに分け、そのパートの模範となるプロから学ぶのは当たり前のことです。'Golf Magazine'編集部と、その趣旨に賛同して投票を行なった100人の有名インストラクターたちは、スウィングをパートに分けて、そのパートにおける模範プロを選んで解説を加えることに何の疑問も抱いていません。こんなことが「理論的におかしく、参考にならない」と考える日本の出版社のレヴェルの低さには呆れてしまいます。

(September 25, 2010)


競技ゴルフのヒント集成

'The Best Golf Tips Ever'
edited by Nick Wright (Contemporary Books, 2003, $24.95)

「・Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)は断言する。『プレイしている相手がどんなショットをしようが、それに惑わされて自分が試したこともないショットをしてはいけない。どうすればよいか自分が熟知しているショットをすること。私は実を云うとあまり他のプレイヤーのショットやパットを見ないので、彼らのプレイによって私の集中心や落ち着きが阻害されることはない。私は自分自身のいいショットを記憶し、自分のゲームに集中したいのであって、他人のことはどうでもいいのだ』

・PGAツァー・プロのDick Mayer(ディック・メイヤー)によれば『プロとアマの違いは、プロは一回のラウンドで同じミスを二度冒さないということだ』

・インストラクターKeith Wood(キース・ウッド)の助言。『池ポチャで1ペナを課せられた後、ゴルファーの頭の中を様々な想念が駆け巡る。他の競技者を待たせてしまう苛立ち、恥ずかしさ、挫折感、怒り…など。それらの全てはプレイを急がせる要素となり、同じミスを冒すことに繋がり易い。ペナルティに伴うドロップをする際の留意点は、次のショットのためにゆっくり時間をかけ、沈着冷静な態度を取り戻し、同じミスを二度続けて冒さないようにすることだ』

・Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)は、初めてプロに混じって競技を始めた時に悟ったことがあると云う。『ゴルフはテニスのように互いに相手に干渉し合うスポーツではない。つまり、他のプレイヤーのアクションに影響を与えるようなことは出来ないのだ。われわれの本当の対戦相手は自分自身であり、ゴルフ・コースなのだ』

・Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)の至言。『一打、一打の結果次第で人生が左右されると考えてプレイすべきだ。一打毎に真剣に集中する習慣を失ってしまうと、ミスが忍び寄って来るのは絶対確実だからだ』」

(October 13, 2010)


ショート・ノッカー

'Tired of being short Hitter?'
by Max Adler ('Golf Digest,' November 2010)

これは最新の軽量ドライヴァーを紹介する記事なのですが、その中身よりもマクラの部分が面白いので紹介します。

先ず扉の写真が「あっ!」と云わせます。バイザーをかぶり、髭トリマーでイチロー風の浅剃り髭を蓄えた男性ゴルファーが口紅を塗っている写真なのです。彼はピンクのポロシャツ、ピンクの手袋、おまけに模造真珠のネックレスまで着けています(イアリングまではしていませんが)。

「ティーショットを打ち終わったあなたの組の全員が、常にあなたのボールに最初に到着するというのは面白くない現象だ。しかも、同伴者たちは自分のボールはあなたのよりずっと遠くに飛んでいると確信していて、誰もボールの持ち主を確認しようなどとしないのも屈辱的である。あなたがフェアウェイウッドのヘッドカヴァーを取り去る時、一応儀礼的静寂はあるものの、あなたは彼らの嘲笑を感じ取る筈だ。

ヘッドの体積の限界は460cc、フェースのスプリング効果は .830 COR以下と定められているので、"short-knocker"(ショート・ノッカー)にとっては夢もチボーもないと云える。だが、涙であなたのお化粧を台無しにするのはまだ早い。二つの飛距離テクノロジーの台頭(軽量クラブによるスウィング・スピード増、調節可能なホーゼルによるボール軌道のコントロール)には、まだUSGAが目くじらを立てていない段階だからだ」

折角なので本文の骨子を書き抜いておきます。インストラクターDean Reinmuth(ディーン・ラインマス)の結論は「スウィングがスムーズでなく一寸したブレのある人(例:Jim Furyk、Lee Trevino、Boo Weekleyなど)にとっては、スウィングの間中クラブヘッドを感じ取れる軽量クラブが向いている。しかし、クリーンにスムーズなスウィングをする人(例:Steve Strickerなど)は、重いクラブの方が一定のテンポで振れるのでベターだと考えるだろう」

私は十年以上も前から"short-knocker"という言葉を聞いていたのですが、その語源は野球のショート・ノックだろうと思い込んでいました。しかし、Google検索では"short-knocker"と野球の関連は全く見出せません。そもそも日本語の「(野球の)ショート」は英語では"shortstop"なので、コーチの遊撃手への低く短いノックを"short-knock"とは云わないようです。若い頃によく野球をやっていたJack(ジャック)も、野球選手だったMike Reekie(マイク・リーキィ)も"short-knocker"は純然たるゴルフ用語だと断言しました。

なお、何ヤード以下だと"short-knocker"であるという定義はないようです。Mike Reekieによれば、ある男が302ヤード飛ばし、その相棒が300ヤードだったとすると、302ヤード飛ばした方が相手の二打目に際し"Hit 'em up, short-knocker!"(さあ、打って見せろ、短小め!)と云ったりすることがあるが、それは「おれの方が飛んだぜ」という自賛の意味と、「あんた、随分飛ばしたじゃないか。上出来!」という相棒への賛辞である場合の二通りの意味があるそうです。

(October 23, 2010)


Ben Hogan(ベン・ホーガン)の残心

スポーツ心理学者Dr. Richard Coop(ディック・クープ博士)が紹介する、日本人さえ知らない日本流集中法。

[Hogan]

'Concentration'
by Dr. Richard Coop ('Golf Illustrated,' August 1990)

「ゴルフはショットとショットの間に間(ま)があるゲームなので、集中心を損なう危険性が常に存在する。ボールに歩み寄る際、ショットの準備段階、同伴プレイヤーのショットを見守っている時…など。ショット間のこの中断に対処する二つの考え方がある。一つはBen Hogan(ベン・ホーガン)が取っていた方法で、競技に要する四時間半を切れ目のない連続した集中心でプレイするというものだ。この切れ目のない集中心を日本人は"zanshin"と呼ぶ。"zanshin"を追求する者は、一定時間油断なく集中する気構えを錬磨する。

Ben Hoganのゴルフコースにおける"zanshin"を物語る逸話は、(真実のものと、怪しいものを取り混ぜて)数多く伝わっている。その一つは、彼の妻と彼の親しい友達が、あるホールで彼の数フィート以内に近寄って会話したが、Ben Hoganは彼らと会ったことさえ覚えていなかったというものだ。別のとき、Ben Hoganの組の一人が、あるパー3でホールインワンを達成した。次のティーでBen Hoganはそのプロに『いくつで上がった?』と聞いた」

[icon]

私は"zanshin"という言葉を知りませんでした。とりあえず"zanshin"をキーワードにググると英語版Wikipediaに"zanshin(残心)"というページがあり、その「残心」で日本語版Wikipediaを見ると、「(武道において)相手の反撃に瞬時に対応する準備と、更なる攻撃を加える準備を伴った、身構えと気構え。一つの技を行う前・行っている最中・終えた後も引き続き一貫して維持される精神状態」となっています。公式競技の場合、技を成功させても躍り上がって喜んだりガッツポーズをしたりすると、「残心の欠如」として得点を取り消されたりされることもあるそうです。武道とは一切関わりのない人生を送って来た私には想像もつかない意味でした。芸道や茶道では、一つの所作や手順の区切りでもパタッと休止符を打つのではなく、前の心持ちを引き摺るべきであるというのが「残心」だそうです。弓道の「残心」は、矢を射た後も心静かに的を見据える境地とのこと。

筆者のスポーツ心理学者Dr. Richard Coop(リチャード・クープ博士)は、この記事の前の方でアーチェリーの指導者(米国人)が語る日本の弓道の心構えについて触れています。多分、その人から"zanshinという言葉を聞き、どうしても使ってみたかったのでしょう。

しかし、Ben Hoganの妻と彼の友人が話しかけたのは、彼のショットとショットの間の邪魔にならない時だった筈です。そんな時まで油断なく集中しているBen Hoganの精神状態というのは、「残心」というより「没頭」だと思います。「何もかも忘れてある物事に熱中すること。そのことに精神を注ぎ込むこと。はまり込むこと。没入」というのが『広辞苑』の「没頭」の定義です。

茶道における残心は次の千利休の歌に代表されるそうです。

「何にても 置き付けかへる 手離れは 恋しき人に わかるると知れ」 (茶道具から手を離す時は、恋しい人と別れる時のような余韻を持たせよ)

「Ben Hoganの最後の“秘密”」(tips_84.html)に次のような一節があります。

「Ben Hoganはトップで左手首を"cupped"(甲側に折って凹の形に)させ、インパクト直前までその状態を持続させた。インパクトで彼は左手首を"supinate"(凸の形に)させ、これはターゲット・ラインにクラブフェースがスクウェアになる時間を引き延ばした」

フェースがスクウェアになる時間が長いということは、フェースとボールとのスクウェアな接触が長いということでもあると思います。ボールとの別れを惜しみ、出来るだけ長くスクウェアに添わせると考えると、Ben Hoganの残心は、武道のそれというより茶道のそれに近いと云えるかも知れません。

(November 16, 2010、改訂June 04, 2015)


グルーヴ
[groove_sharpener]

'Groove Sharpener'(グルーヴ・シャープナー、右図)を購入し、年代物の60°ウェッジの溝を彫り直しました。調べてみると、私のTitleist Vokeyウェッジは2001年に購入していますから、丸9年も使い込んでいることになります。プロは毎年新しいものに交換するそうですので、大きな違いです(貧富の差)。最近は溝の縁(角)の鋭さがなくなっていたので、スピンがかからなくて当然でした。溝を彫り直した後でチッピングの練習をしたら、以前と同じスウィングをしているつもりなのに、5ヤードも距離が短くなってしまいました。これまで1インチ(2.54センチ)短く持っていたシャフトを通常の位置に戻すと、やっと以前と同じ距離に戻りました。やはりグルーヴは大事です。送料込み$22.75という値段は安い投資だったと思います。

なお、2010年以降、ルール変更によりグルーヴの縁(フェース表面に近い方の角)と溝の底部の両側の角は、丸くカーヴしていないと公式競技では使えなくなりましたので御注意。

【参考】
「ウェッジの溝を再生させる」(tips_123.html#groove)

(November 19, 2010)


Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)の脚

驚きました。Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)の本の序章(少年・青年時代〜プロ入り迄の回想)を読んでいたら、彼も左脚が右脚より短いと書いてありました。私と同じ体型です。

彼はパッティング・スタンスで左に60%の体重をかけるメソッドなので、左脚が短いのなら自然にそうなるのではないか?と想像しました。

しかし、彼は1インチ(約2.54センチ)も短いのだそうで、私の場合(1センチ)よりかなり極端です。で、彼は靴で脚の長さを調整しているとのこと。2.54センチも中敷を入れたらきつくて履けませんから、底を高くした特注のゴルフ・シューズではないのでしょうか。

パッティングだけなら左脚が短くても問題ないでしょうが、やはり他のショットのためにはバランスが取れていないといけないのでしょう。なお、彼が両脚の長さの違いに気づいたのはプロ入りしてからだそうです。その前に、学生時代からアマチュアの大きな大会で何度も優勝していますが、当時は脚の長さは問題にならなかったようです。

(November 22, 2010)


ボール選択の基準

'Score low by choosing the right ball for you'
by Donald Crawley ('Golf Magazine,' January 2010)

「TaylorMadeのゴルフボール調査部門ディレクターのDean Snell(ディーン・スネル)は、次のように云う。『100ヤード以内のショットをして気に入ったボールを選ぶべきだ。ボールの性能は、この距離辺りで大きく異なって来る。大抵のゴルファーがドライヴァーを使うのは、1ラウンドでたった14回に過ぎない。だから距離よりも、グリーン周りでのスピンと感触の差でボールを選ぶことの方がずっと重要だ』」

'Finding a better ball the company way'
by Michael Johnson ('Golf Digest,' June 2010)

'Golf Digest'のこの号は八ページにわたって各社のゴルフ・ボール計30種の紹介・分析・評価が特集されています。上の《グリーン周りでのスピンと感触の差でボールを選べ》の参考になるものとして、"Wedge spin and launch"(ウェッジ・ショットのスピン率と発射角度)という図が掲載されています。

30種類のボールは以下のような価格帯に分けられています。【全て米国内で販売されている名称です】
a) 1ダース$35以上:例 Titleist ProV1x、Nike One Tour、Srixon Z-Star、Titleist ProV1、Callaway Tour I (s)、Bridgestone B330-S…など。
b) 1ダース$21〜$35以内:例 TaylorMade TP Black LDP、Bridgestone e5、Srixon TriSpeed Tour、Nike One VaporSpeed、Maxfli HT Tour…など。
c) 1ダース$20以下:例 Top-Flite Gamer V2、Callaway B.B. Diablo、Noodle+ Easy Distance、Srixon AD 333…など。

図で一目瞭然なのは《高いボールほど低い発射角度でスピン率が高い》ということです。ほとんど全ての(a)グループ($35以上)のボールが、そういう特徴を持っています。逆に《安いボールほど高い発射角度でスピン率が低い》とも云えます。

この図で目につく点が三つあります。

 

その一つは、価格帯(b)のTaylorMade TP Black LDPが価格帯(a)群に混じって健闘していること。1ダース$30でこの性能は、評価記事によれば"An absolute steal."(持ってけ、ドロボー!)だそうです。

逆に、価格帯(a)のBridgestone B330-RXは価格帯(a)群からぐーんと離れてどん尻に控えています。このボールの1ダース$43という価格はちと疑問ということになります。

三つ目は、価格帯(b)のBridgestone e5(1ダース$27)が、価格帯(a)群のBridgestone B330-RXとほぼ同じ位置に並んでいることです。

記事によれば、TaylorMade TP Black LDPは「その固めの感触が万人向けではないかも知れない」、Bridgestone e5は「ティーショットで高い軌道を望む一般ゴルファーのためにデザインされており、326個のディンプルが滞空時間を長くしてくれる。また、今回テストした2ピース・ボールとしては唯一高価な(そして、グリーンサイドで役立つ)ウレタン・カヴァーが使われている製品でもある」と書かれています。

(November 25, 2010)


女性ゴルファーのボール選び

'The difference is noticeable'
by Stina Sternberg ('Golf Digest,' June 2010)

「平均的女性ゴルファーのドライヴァーのスウィング・スピードは60〜65 mph(約27〜29m/s)であり、平均的男性ゴルファーより1/3遅い。女性ゴルファーの攻撃角度は浅く【=フラット】、典型的なボールの軌道は低くてスピンがかかっていない。どちらも男性と逆である。

女性ゴルファーがもっと高く長く飛ばすための女性専用ボールが作られている。それらは柔らかいコアで多少の力でも圧し潰すことが出来、ゆっくりスウィングする人でもボール・スピードを上げることが出来る。ディンプルのデザインによって滞空時間も延長され、飛距離も伸びるように設計されている」

(November 25, 2010)


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