数年前に参加費用2ドルのベストボール・ゲーム参加者の一人がホールインワンを出したそうです。「そうです」というのは、ホールインワンに相応しいような騒ぎは一切なかったからです。私もその日のトーナメントに参加していたのですが、ビール一缶にすらありつけませんでした。聞くと、彼は最初の組で廻っていたので、後続のフィニッシュを待つ間に一緒の組の連中には缶ビールを奢ったようですが、後に続く二組(私を含む)には何も振る舞わなかったからです。後日、記念のタオルが配られるなどということもありませんでした。
数日前の金曜日のことです。七人しか集まらなかったため、三人組vs四人組(私はこちら)の対抗戦となりました。スリーサムの一人Mr. Kidd(キッド、89歳)がNo. 13でホールインワンを出したそうです。「そうです」というのは、ホールインワンに相応しいような騒ぎは一切起らなかったからです。御当人は、われわれ後続のフォーサムがNo.18ティーに到着した頃タイ・スコアで勝負無しであることを察知するとさっさと帰宅してしまいました。誰かが「クラブハウスで『Mr. Kiddの奢りのビールにあやかりたい』と云えば呑める」と云いましたが、私は冗談だと思い聞き流しました。
しかし、週が明けてそれは冗談ではなかったことが分りました。私の組のキャプテンのLeon(リオン、80歳)があるパー3で僅か数センチでホールインワンを逃した時、私が「Leon、あれがもしホールインワンだったら、私はビールにありつけたかい?」と聞くと、「入ってたら当然奢るよ。先日、Mr. Kiddもそうしたし」と云いました。聞くと、Mr. Kiddはクラブハウスの受付に「希望する者には、私持ちで誰にでも呑ましてくれ」と云い置いて去ったのだそうです。
私がMr. Kiddに会った時、「先週はお祝いを云う機会がなくて残念でした。ホールインワンおめでとう。知らなくて、お祝いのビールにはありつけなかったけど…」と云うと、「そりゃいかん。これで呑んでくれ」と1ドルくれようとしました。私は固辞したのですが、胸のポケットに1ドル札を捩じ込まれてしまいました:-)。【実際には、クラブハウスの缶ビール価格は1ドル50セントなんですけど…】
私のゴル友Mike Reekie(マイク・リーキィ)は何度もホールインワンを達成しているそうですが、一番最近の例を話してくれました。彼が住んでいるアラバマ州西端の町は私が住んでいる町よりもずっと小さく、唯一のゴルフ場は9ホールですがメンバー制でゴルファーの数もそう多くありません。彼はホールインワンのお祝いとして50ドルをクラブハウスの係に預け、「この限度内で希望するメンバーに飲み物を振る舞ってくれ」と云ったのだそうです。普通はこれで終りの筈ですが、彼が驚いたことに、翌日ゴルフ場に行くと例の係が「あと50ドル払ってくれ」と云ったのだそうです。翌日になってMike Reekieのホールインワンを知った連中が、彼のツケでビールを呑んだからだそうです。彼は仕方なく50ドル払いましたが、「次からは『その日限り』だ。翌日は奢らない」と言明したそうです。
私がプレイしている市営ゴルフ場のマネージャー(責任者)に聞くと、「このコースに来るゴルファーは比較的貧しい人々なので、ホールインワンを出しても皆にビールを振る舞う余裕はない。普通は何もしない」とのことでした。「裕福な人々が行くメンバーコース(この町に二つあります)では、多分何かするだろうけど」という話。
アメリカ南部の田舎のホールインワンはこんな感じです。これに引き換え、日本のホールインワンは馬鹿騒ぎに近いですね。記念植樹だの祝賀パーティ、友人・知人への記念品贈呈だの。そりゃ景気がいい時には何をしても結構でしょうけど、この御時世で無理する必要はさらさらないと思われます。もし、これを読んでいるあなたがホールインワンを出して記念品を配る予算がない時は、私に連絡して下さい。御友人たちにアメリカ南部の実態を証言して差し上げます:-)。
【追記】「入ってたら当然奢るよ。先日、Mr. Kiddもそうしたし」と云ったLeon(リオン)は、その後立て続けに二回もホールインワンを達成しましたが、結局何のお祝いもしませんでした。聞くところによると、彼は「ホールインワンって云うけど、ただのイーグルじゃん」と云ったそうです。そのせいかどうか、その一年も経たないうちに亡くなりました。やはり、50ドル程度だったらお祝いしといた方がよかったんじゃないでしょうかねえ。命あっての物種ですから。
(September 03, 2009、追記June 03, 2015)
以下は、人気プロの7番アイアンによるキャリーの飛距離だそうです。
'Love your 7-iron'
by Ron Kaspriske ('Golf Digest,' November 2009)
プロ | 年齢 | 所属 | キャリー |
---|---|---|---|
Morgan Pressel(モーガン・プレッセル) | 21歳 | LPGA | 135ヤード |
Lorena Ochoa (ロレナ・オチョア) | 28歳 | LPGA | 150ヤード |
Cristie Kerr(クリスティ・カー) | 32歳 | LPGA | 155ヤード |
Michelle Wie(ミシェル・ウィ) | 20歳 | LPGA | 160ヤード |
Corey Pavin(コリィ・ペイヴン) | 50歳 | PGA | 160ヤード |
Luke Donald(ルーク・ドナルド) | 32歳 | PGA & ヨーロピアン・ツァー | 168ヤード |
Justin Rose(ジャスティン・ローズ) | 29歳 | PGA & ヨーロピアン・ツァー | 170ヤード |
Stewart Cink(スチュアート・スィンク) | 36歳 | PGA | 174ヤード |
Camilo Villegas(カミロ・ヴィジェイガス) | 27歳 | PGA | 177ヤード |
Tiger Woods(タイガー・ウッズ) | 34歳 | PGA | 180ヤード |
Phil Mickelson(フィル・ミケルスン) | 39歳 | PGA | 183ヤード |
Angel Cabrera(アンヘル・カブレラ) | 40歳 | PGA | 185ヤード |
私なんか、ラン込みで130ヤードですもんね(号泣)。宮里 藍の7番アイアンのキャリーを探してみましたが、見つかりませんでした。
(October 14, 2009)
'Switch balls'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' November 2009)
「最近のゴルフ・ボールは性能が良くなったので、最大の飛距離を得なければならないという強迫観念を捨ててもよくなっている。もしあなたが現在"Super Distance"という文句が売りのボールを使っているなら、チッピングやパッティングに良いフィードバックが得られるもっと柔らかいボールに変更するといい。
新しいボールなら、ティーショットで失うのはたった7〜10ヤードに過ぎず、グリーン周辺で得られる恩恵に較べれば、その程度の損失は無に等しい」
この記事のイラストは、二種類のボールによるティーショットの飛距離に10〜15ヤード差があるものの、距離の出るボールの二打目はピンを遥かにオーヴァーし、柔らかいボールの二打目はピン傍についているという内容が描かれています。
私のゴル友Mike Reekie(マイク・リーキィ)は、私がプレイしている市営ゴルフ場のグリーンが嫌いです。小さくて、オンしてもすぐこぼれてしまうからです。彼は年齢の割りには飛ばす方ですから、彼こそ上のtipを拝聴して実践すべきでしょう。
(October 17, 2009)
'Practice for Transfer'
by Dr. Robert Christina and Eric Alpenfels ('Golf Magazine,' September 2009)
「練習場では素晴らしいショットの連続なのに、コースに出るやいなや幻滅感を味わう。よくある話である。
練習はコースで力を発揮するために行なわなくてはならない。練習場でボールを打つ場合でも、特定のホール、コース・コンディション、プレッシャーなどを思い描きながら打つべきである。 二人のインストラクターDr. Robert Christina(ロバート・クリスチーナ博士)とEric Alpenfels(エリック・アルペンフェルス)が、30人のゴルファーを対象に実験を行なった。全員に「足を閉じて13ヤード増」(9/20掲載)のドリルをさせたが、そのうち半数には次のような指示を与えた。あたかもコースでプレイしているかのように、プレショット・ルーティーンとポストショット・ルーティーンを行なう。そして、ターゲットに向けて打ったら、それぞれのショットの質について評価を下す。残りの半分のゴルファーには単純にボールを打つ練習だけをさせた。 二人のインストラクターは、練習の最初と最後に被験者たちのドライヴァーの飛距離と正確度を調べた。そして、最終段階として本物のティーからのショットの結果を調査した。 コースでプレイしていると想定して練習したグループは、そうでないグループより33%もフェアウェイ・キープ率がよかった。以下は望ましい練習法である。 ・アイアンやウェッジの練習は草の上で行なうこと。練習場のマットのような理想的なライはコースにはほとんど無いからだ。 |
・全てのクラブを使うこと。ドライヴァーで打った後は7番アイアンを打ち、それからウェッジを打つ。このように、コースでのプレイを模倣する。たとえスウィングの改造中であったとしても、同じクラブを続けて二度打ってはいけない。
・潮時を考えること。集中出来なくなったら練習を止める。それ以上やっても、惰性で動きを繰り返すに過ぎなくなるからである。絶好調であると感じた場合も、そこで止めるべきだ。これらの段階を越えて練習を続けた場合、スウィングがだらけて来るか、見当違いの実験に足を踏み入れてしまう危険性がある」
(October 29, 2009)
60°ロブ・ウェッジのグルーヴ(フェースの溝)が浅くなって来たので'Groove Sharpener'(グルーヴ・シャープナー)を購入しました。eBayの'Buy Now'で$22.75。他のアイテムと異なる点は、送料無料(というか、込み)であること、'Wahl clipper oil'というバリカン用オイルが付いていること。
写真の"〈 "のサインがある左の突端はV型グルーヴ【Cleveland 588など】を刻むためのもので、" 〕"のサインがある右側の突端はU型グルーヴ【Titleist Vokey Design、PINGなど】を刻むために用います。どちらか一方だけのものも売られていますので、自分の所有するウェッジによって選択します。私は両用を購入しました。使用頻度からウェッジの溝が一番減りやすいので、こういう製品は「ウェッジの溝を再生させるツール」として宣伝されているのですが、実はどんなアイアンにも使えます。
私のVokeyウェッジの作業手順です。
・先ずウェッジを石鹸で洗い、乾燥させておく。
・誤ってフェースを傷つけるのを防ぐため、ヒールとソケット(シャフトの付け根)部分に塗装用マスキング・テープなどを貼る。
・万力があればクラブを固定出来て便利ですが、以下は万力が無い場合。軍手などを着用した左手(利き手ではない方の手)でクラブヘッドを持ち、シャフトを右肩に乗せる体勢を取る。
・グルーヴにオイルを垂らす(滑りが良くなる)。
・右手(利き手)で'Groove Sharpener'を持ち、U型かV型か、ツールの先端が正しいことを確認して溝に当てる。
・'Groove Sharpener'を80〜90°の角度に立て、「ソケット方向に」力を篭めて引く。
・【留意点】'Groove Sharpener'がグルーヴの底辺に揃うように注意深く作業すると、溝の壁は鋭く、底辺はスムーズな仕上げになる。
自分のウェッジのグルーヴがV型かU型か、先ず調べなければなりません。私は手元のCleveland 588とVokey Designを虫眼鏡で見てみましたが、どちらがどっちか判別出来ませんでした。古いクラブのスペックは製造・販売元のウェブサイトにも書かれていないので厄介です。Googleで検索してデータは得たものの、最終的には'Groove Sharpener'の販売者にメールで確認しました。
自分で作業すると、どの程度に深く刻むべきなのかが曖昧です。USGAルールでは「深さは0.022 inches(0.559mm)を越えてはならない」とされており、これ以上深くすると(スピンはよりかかるでしょうが)違法クラブとなってしまいます。溝の深さを計る計測器が売られていますが、何と$60.00もするので、とても買う気にはなれません。3番アイアンなど、ほとんど新品同様のクラブのグルーヴの深さを参考にするしかありません。
なお、USGAは現在のU型グルーヴを禁止することに決定しましたので、アマチュアも2010年以降の公式トーナメントでは現在のU型グルーヴのクラブを使用出来なくなります。「公式トーナメントに出るほど上手くない」というU型グルーヴのクラブ使用者にとっても、五、六年後にはU型対応の'Groove Sharpener'が市場から消えてしまう恐れがあります。品切れになる前に'Groove Sharpener'購入を考えた方がよろしいかも知れません。
(November 02, 2009、改訂June 03, 2015)
'Find a role model'
by David DeNunzio and Dr. Robert Christina ('Golf Magazine,' September 2009)
「スポーツ・訓練心理学の教授Dr. Penny McCullagh(ペニィ・マッカラ博士)は『運動をマスターする場合、耳からの情報や想像で学習するよりも、目でヴィデオや写真を見る方がずっと早く学ぶことができる』と云う。『あなたが獲得しようとしている技能をその道の達人が実行している姿を見守ると、動作の型についてのヒントが得られ、あなたの動きの青写真となってくれる』
Dr. Penny McCullaghと同僚たちは60人の女子大生を集めて、stabilometer(バランス計測器)を用いた実験をした。生徒たちは四つのグループに分けられた。
・第1のグループ:『両足を肩幅に開いて立つ』という口頭説明が与えられ、動作を想像させられた。
・第2のグループ:完璧なバランスで計測器に立つ女性のサイレント(無声)ヴィデオを見せられた。
・第3のグループ:上と同じヴィデオと口頭説明が同時に与えられた。
・第4のグループ:何も説明は与えられなかった。
説明抜きの第4のグループと、口頭説明だけで想像に頼った第1のグループの結果は似たようなもので、達成度は四つのグループの中で最低であった。ヴィデオ映像を見せられた第2のグループは他のグループより35%も学習成果が上がっていた。ヴィデオを見せられ口頭説明によって想像をした第3のグループは四つのグループの中間であった。
以上から、達人のヴィデオ(あるいは写真)を動作のモデルとして使うことが学習の早道であると結論づけられる」
(November 16, 2009)
パット名人Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)にも不調の時があるそうで、そういう際に彼がどう対処したか?という例二題。
'Dave Stockton's Putt to Win'
by Dave Stockton with Al Barkow (Simon & Schuster, Inc., 1996, $22.00)
「1992年頃のこと、あるトーナメントの初日に73で廻り、パット総数36だったことがある。これは屈辱的だった。トーナメント開催中はコース近くの旧友の家に泊めて貰っていたのだが、その友人と私の妻は私がパッティング用に制作した'SyberVision'を観るべきだと私を説得した。
'SyberVision'はナレーションも会話も一切無く、アングルや被写体との距離は変わるものの、ひたすらパッティング・ストロークだけを見せるというものだ。ストロークを繰り返し観ることによって、サブリミナル効果でストローク動作や体勢、テンポなどを会得出来るというアイデアである。
私はそんなものを観る気分ではなかったので渋ったのだが、結局ヴィデオを流すことになった。私は自分の好きな音楽をかけ、雑誌をめくったり、部屋にいた人々と話したりしながら、一定の間をおいてヴィデオの中の自分のパッティングをちらちら観ていた。
翌日、私は67で廻り、パット総数は24だった。これはパッティングというものは意識的に努力してよくなるものではないということを物語っている。意識的努力はテンションを作り出す。一見無関係で、無造作なアプローチによる試みの方が有効な場合が多いということだ。
1995年のU.S.シニア・オープンでも似たようなことが起った。初日、私のスコアは73、三つのバーディ、イーグルが一つ、そして3パットが四回だった。私は腹を立てた。その夜、私が数年前から相談に乗って貰っていたスポーツ心理学者Dr. Deborah Graham(デボラ・グレアム博士)に電話した。彼女は一言こう云った、『どんなパットも入れようと考えないこと。単にいい転がりを与えるだけにしなさい』と。基本的にはそれだけだった。
土曜日と日曜日、私は計15のバーディを達成し、3パットは皆無だった。入れようと思わなかったのに…である。正直云うと、この方法は実行するのが難しい。また、入れようと必死にならないことと無頓着になることの間には明確な一線がある。しかし、入れようと必死になることと全く努力しないことのどちらを取るか?という場合、努力しない方がより効果的であると私は考える」
上の'SyberVision'は、前回紹介した「モデル映像を探せ」という学者たちの研究結果と同じです。順番としてはDave Stocktonの方が先で、学者たちがその有効性を立証した形になっているようです。
数年前、実は私も'SyberVision'に似た趣旨のDVDを自作しことがあります。Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)がMasters 1989で優勝した時の長いパットをぼんぼん入れているシーンの数々と、Solheim Cup 2005で快進撃を見せた時のPaula Creamer(ポーラ・クリーマー)のピタピタと寄せるアイアン・ショットの映像の数々を組み合わせたものです。この場合はスウィングやストロークのサブリミナル効果を狙ったものではなく、「やれば出来る」というポジティヴな精神を構築するメンタル効果を狙ったものでした。かつてはコースに出掛ける前に必ず観ていたのですが(全体で五分に満たない短編)、このDVDの存在をすっかり忘れていました。
'SyberVision'の類似品も作ろうと思えば簡単に作れます。誰かモデルになるプロのパッティング(あるいはスウィング)をTV中継録画から探し出します。そのプロがトーナメントに優勝した時であれば、番組の最後にハイライトが放送されることがあり、それを頂けば楽チン。それをDVDに焼きます。最近のDVDプレイヤーには「リピート機能」が備わっていますから、延々と連続再生してくれます。
【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。
(November 19, 2009)
しばらく前、「デジタル温度・湿度計」を購入しました。送料込みで$7.64という安い値段でした。何度もこれを持って、ゴルフ・コースへ出掛けました。私は湿度と飛距離の関係を調べたかったのです。
雨の後に飛距離が落ちるのは常識です。私は湿度もボールの飛行を妨げるに違いないと確信していました。空気が水蒸気を多く含んでいれば、程度の差こそあれボールが雨の中を飛んで行くのと同様抵抗が大きく、飛距離はかなり減少する筈です。パーオンさせるには、「どの程度減少するか?」を突き止めなくてはなりません。湿度90%なら何ヤード減、湿度80%なら何ヤード減…という公式が欲しかったのです。前夜に雨が降ったり、早朝に軽いにわか雨があったりすると、好天であっても湿度計は100〜95%という数値を示します。私は市営ゴルフ場のNo.16(パー4)を実験場にしました。このホールの二打目の地点では、10ヤード刻みで私が使用すべきクラブ(ピッチング・ウェッジとかギャップ・ウェッジ、サンド・ウェッジなど)のデータが揃っているのです。そのデータは快晴で乾燥した日に作られたものなので、湿度100%だと何ヤードほどショートするかがハッキリ分るわけです。
何度も試しました。湿度100%の日も、湿度90%の日も…。私は好天・乾燥した日と全く同じクラブでグリーンを捉えることが出来ました。つまり、湿度と飛距離は関係なかったのです。
これがドライヴァーとなると話は違います。濡れた草がランを妨げますから、当然トータルの飛距離は減少します。しかし、それは着地してからの要因によってであって、キャリーには関係ないのです。湿度計購入は無駄な投資になりました。まあ、たった$7.64だったのが救いですが:-)。
ところで、ウェブ・サーフィンしていて次のような記事にぶつかりました。The Golf ChannelのPadraig Harrington(パドレイグ・ハリントン)が主役の'Playing Lesson with the Pros'『ツァー・プロのプレイング・レッスン』という番組を観たアメリカ人の感想です。
「Padraig Harringtonは云った、『寒く、湿度が高くて空気が濃い時、多くの場合私は通常より2〜3クラブ長いものを選ぶ。寒気と濃密な空気のせいで飛距離が落ちるからだ』」(http://www.peakperformancegolfswing.com/playing-lesson-harrington/)
私の実験結果からすると、Padraig Harringtonの言葉の半分(湿度関連)は間違いです。
(November 26, 2009)
この記事の筆者Peter Kostis(ピーター・コスティス)はCBS-TVのゴルフ中継における解説+スウィング分析家であり、ゴルフ・スクールの共同経営者でもあります。彼が率直に自分の分析を伝えるせいで、数年前Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のスウィングの欠点を指摘し、Tigerに口を聞いて貰えなくなった時期がありました(今でもそうかも知れません)。
'Tour players shouldn't copy swings (and neither should you)'
by Peter Kostis ('Golf Magazine,' January 2010)
「1931年頃の伝説的インストラクターJohn Duncan Dunn(ジョン・ダンカン・ダン)は『インストラクターは、どれだけ生徒のスウィングを直せるかではなく、どれだけ生徒自身の生来のスウィングを残せるかを考慮すべきだ。95%が生徒の自然のもの、5%がインストラクターの教えによるものであるべきなのだが、その95%は5%無くしては機能しないのが普通だ』と云った。この言葉は現在のツァー・プロにもアマチュアにも当てはまる。
一人のスーパースターが連戦連勝すると、残りのプロはそのスウィングを真似ようとする。そして、『彼のようにスウィング出来たらおれだって…』と云う。これはメイジャーに優勝した経験を持つプロすらも陥る罠である。
われわれは(プロもアマも)完全なるスウィングの“秘密”という魔女セイレンの歌声に惹かれ易い。ゴルフ・スウィングにとって唯一本当の秘密とは、秘密なんか存在しないということだ。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)を見よ。彼は三つの異なるスウィングと二人の異なるインストラクターによって(スウィングの基本すら変えて)メイジャーにいくつも優勝している。【編註:たった一つの完璧なスウィングなど無いという意味】
この冬の年末年始、来季の上達について考えるなら、上のJohn Duncan Dunnの言葉を思い起こすべきだ。95%は自分自身の自然なもの、5%がインストラクターの教え。逆ではない。完璧なスウィングを発見出来なくても、自分にとって頼りになるスウィングは見つかるだろう。それこそ、手に届く範囲のゴルフ・スウィングの秘密に近いものだ」
(December 23, 2009)
英国のイインストラクターJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ)によるわれわれへの助言。
'Practical Golf'
by John Jacobs with Ken Bowden (The Lyons Press, 1972, $16.95)
「・中級ゴルファーでバンカーを一打で脱出出来る人は希で、多くは二打必要である。バンカー・ショットの問題の半分は、ゴルファーに脱出するにはどうすべきかの技術的な知識がなく、恐怖が先に立ってしまうことにある。こういう人はバンカー・ショットのレッスンを受けるべきである。【編註:当サイトにはいいtipが沢山揃っています】また、ラフから脱出する練習もしておくべきだ。
・アドレスする際、真っ先にすることは何か?中級ゴルファーでこの問いに正しく答えられる人は少ない。答えはクラブのリーディング・エッジをターゲット・ラインに直角に合わせることだ。そして、身体の各部分をターゲット・ラインに合わせる。ハンデ12〜24のゴルファーが、ターゲットにボールを運べない主な原因はこれである。
・一回のスウィングの際に考えることは、たった一つの留意点でなければならない。スウィングの最中にいくつもの技術的ポイントについて考えるのは、心の混乱を招くだけである。 ・ドライヴァーも中級者の災いの因だ。ドライヴァーのフェースは平ら過ぎる。ゴルフクラブのデザインが、完璧なスウィングで打たれるのを前提に作られていることはあまり知られていないようだ。ティー・ショットに中級者が必要なのはもっとロフトの多いクラブである。【編註:最近はロフトの多いドライヴァーが選択出来ます】 ・グリーンを狙うショットも中級者の悩みの種である。難しいロングアイアンはやめ、フェアウェイウッドを使うこと。【編註:最近のハイブリッドは楽です】 ・打つ前に頭を使うこと。スライサーなら、ティーグラウンドの左からフェアウェイの真ん中を狙ったりせず、右端からフェアウェイ左側を狙う。こうすればフェアウェイの広さを目一杯に使える。アイアンが苦手ならピンを狙わず、グリーン中央を狙う。緊張する大事な一打であれば、自分の持ち球(スライスであれフックであれ)でA地点からB地点にボールを運ぶ。プロのようなショットをしようと思わぬこと。 ・ピンハイ(グリーン内外のピンの左右)を狙う。ショートしたりオーヴァーすると、次のショットの距離が長くなる。ピンハイならバーディも可能である。 |
・中級者の多くが3パットに縁がある。その理由は何か?彼らは『ショート・パットをミスしたからだ』と答えるだろうが、お察しの通り、それは真実ではない。彼らはカップに充分近く寄せられなかったのだ。中・長距離のパットで重要なのはカップに寄せることであって、入れることではない。重要なのは距離の判断であり、方向ではないということだ。カップの30〜60センチ近くに転がすことを心掛けよ。そうすれば3パットの悩みは消滅する。
・グリップと身体のバランスに集中せよ。グリップは操縦桿である。グリップが変われば、良くも悪くもインパクトでクラブフェースの向きが変わる。スウィングする間、バランスを保つこともスコアを良くする鍵である」
(December 29, 2009、増補June 03, 2015)
'Putting My Way'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (John Wiley & Sons, Inc., 2009, $25.95)
Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の証言。「私は常に大事なパットを成功させるぞと自分に確信させることが可能だったが、その主たる要素は意思の力と本当の負けず嫌いの精神である。それは、私の妻Barbara(バーバラ)にも見られるものだ。私たちは滅多に一緒にゴルフをしたことがないのだが、ある九ホールのラウンドだけは死ぬまで忘れないだろう。
Barbaraの得意なテニスにおける強みは負けず嫌いの点であり、それがゴルフにも現れたのだ!ほぼ毎回彼女のボールはカップに入った。それも無様なスタンスで、間違いだらけのアライメント、シャフトから右手親指を外して両手を離したグリップ、そして急速なバックストロークにぎくしゃくしたフォワードストローク。彼女の頭は急に持ち上がり、パターヘッドはボールの手前の地面を叩いて跳ね返っていたにもかかわらず、パットに成功し続けたのである。
こんなパッティングもあるのだ!2%のテクニックに98%の『入れよう!』という熱望と決心である」
(January 10, 2010)
'Master Strokes'
by Nick Mastroni and Phil Franke (Running Press, 2003, $9.95)
「距離の出るボールというのはアマチュア、特にシニアにとって魅力的に思えることだろう。しかし、ティー・グラウンドで距離が出るボールは、グリーン周りでも距離が出るものだということを忘れてはいけない。飛ぶボールは、他の種類のボールよりバックスピンがかからないでクラブフェースを離れる。そして浅い角度でほぼバックスピン無しで着地するため、かなりのランを生じる。
だから距離の出るボールを使うのであれば、ショートゲームのショットで距離を調節することが必要になる。チップ・ショットやピッチ・ショット、バンカー・ショットなどが、着地後どれだけ遠くへ転がるか、練習で確認せよ。ラウンドの際、そのランを見込まなくてはならない」
'Score low by choosing the right ball for you'
edited by David DeNunzio and Michael Chowasky ('Golf Magazine,' January 2010)
「大手ボールメーカーは様々な種類のボールを製造・販売している。しかし、スコアを減らすのが目的なら100ヤード以内で自分のプレイに似合ったボールを選ぶべきだ。各ボールの特性の違いはこの距離近辺で目立って来るからだ。大方のゴルファーがドライヴァーで打つのは、1ラウンドにつきたった14回に過ぎない。だから飛距離ではなく、打つ回数がより多いグリーン周辺でのショットのスピンとフィーリングを重視してボールを選ぶことが重要なのである」
(January 14, 2010)
'Golf Digest'『ゴルフダイジェスト』誌の2010年2月号はクラブ・テストの特集です。新しいクラブを購入する予定のない人には無用のページのように思えますが、各ページにためになる情報やtipが配置されていて見逃せません。
'Use a guide tee for solid contact'
by Don Hurter ('Golf Digest,' February 2010)
「最近のアイアンは、ゴルファーのスウィングの欠点を覆い隠してくれる。しかし、そういうクラブを使っていても、いいショットを打つためにはボールを圧し潰すことが不可欠である。
多くのゴルファーはボールを空中に浮かべようと懸命になり、インパクト直前にスウィング弧の最低点を迎えてしまう【=ダフる】。スウィング弧の最低点はインパクトの後でなくてはならない。ボールとのソリッドなコンタクトを得るには、先ずディセンディング・ブローでボールと接触し、次いでディヴォットを取るべきだ。これを視覚化するには、何かガイドになるものがないと難しい。
ボール位置からターゲット方向約7.5センチに、一個のティーをボール方向(ターゲット方向ではない)に傾斜させて刺す。ボールを打った後にこのティーを弾き飛ばす練習をする。いいディヴォットが取れれば、あなたのショットは劇的に改善される筈だ」
'Improve your path to pure your irons'
by Jason Guss ('Golf Digest,' February 2010)
「最近のアイアンの改良の恩恵によって、あなたは五年前からのスウィングの持病を癒すことが出来る。だが、こういうクラブはソリッドに打たれると、もっとその性能を発揮するものだ。次のドリルを試されたい。
タオルを一本用意し、ボールの後ろに横長に広げる。ターゲットラインから手前半分はそのままにし、ターゲットラインから向こう側半分を手前にくるくると丸める。【丸めた部分がかろうじてショットの邪魔にならないように位置を調整する】あなたの使命は、タオルに接触せずにボールを打つことである。ターゲットラインのインサイドから打ち下ろすスウィングをしないと、クラブはタオルの丸めた部分に触れてしまう。タオルに触れなければ、クラブは先ずボールを打ち、その5〜10センチほどターゲット方向の地面でディヴォットを取ることになる」
(February 05, 2010)
'Let your setup dictate your putter style'
by Jason Guss ('Golf Digest,' February 2010)
「あなたがアドレスでターゲット方向へのフォワード・プレスする習慣があるなら、オフセット・ホーゼルのパターは必要ない。この種のパターは、最初から両手がボールの前方(ターゲット方向)に位置するようにデザインされているので、フォワード・プレスするとやり過ぎということになるのだ」
(February 05, 2010)
'Use two tees to find the sweet spot'
by Coralee Jorgensen ('Golf Digest,' February 2009)
「スウィート・スポットというものは凄く狭い範囲である。常にそこでボールを打つためには、以下のようなドリルが必要だ。
練習場の地面に10センチ離して二本のティーを立て、その真ん中にボールを置く。あなたのゴルフ・バッグの中で、最も許容度の低いクラブ(多分4番アイアン)を選び、ティーを倒さないようにしてボールを打つ。
この特訓を行なえば、いつもピュアなアイアン・ショットが打てるようになる」
(February 08, 2010)
練習のみの場合でも、あるいはラウンド前のウォームアップでも、スウィングは完璧なのに、いざ本番となると練習のような素晴らしいショットにならない…これは誰しもが経験することです。何が原因なのか?
'Make your range time count' 「・時間 練習ではショットとショットの間の時間が短い。打とうと思えば一分に四回も打てるのだから、好調の波に乗るのも簡単だ。コースでは次のショットまでに5〜15分は待たねばならない。その空き時間に、それまでに成功したいくつかのホールの勢いも削がれてしまう。練習場でもラウンドでの待ち時間をシミュレートし、ショット間に間隔を置いて自分にプレッシャーをかけるべきだ。これに慣れれば、ラウンドで待ち時間による落ち込みに耐えられるようになる。 ・誤解 いい当たりだからと云って、それが正確なショットかどうかは別問題である。あなたはちゃんとターゲットを定めているだろうか?いくらソリッドなショットであっても、狙った場所に到達していなければ意味がない。自分の傾向を掴むことが重要だ。僅かにプッシュするとかプルするとかが分れば、それに合わせてコース戦略を変えるべきだ。 ・想念 ラウンドではショット間に充分考える時間がある反面、打つ時間は少ない。これが練習場では正反対になる。練習場ではほとんど考えることもなく、打つ動作だけ反復する。あなたが練習場でミスした場合、単に肩をすくめるだけで、深く気にもとめずに次のショットにかかる筈だ。コースでも同じ心理を適用すべきである。貧弱なショットをしても自分のスウィングに疑問を持ったりせず、練習場のように次打でいいショットを目指す。ネガティヴな想念は追い出し、練習場でのポジティヴな気の持ち方を保ち続けることが望ましい」 |
(February 12, 2010)
'Golf Digest'誌の2010年3月号は、同誌創刊60周年記念号です。その60に引っ掛けた企画が満載ですが、その一つは英国女王からハリウッド・スターまでのゴルフ狂60人を厳選して紹介した特集。これには女子プロBabe Zaharias(ベイブ・ツァハリアス)が含まれていますが、彼女はオリンピック陸上の名選手(二個の金メダル)としての実績から選ばれているのであって、プロとしてではありません。数百年のゴルフの歴史からアマチュアのゴルフ狂60人を選ぶのは大変だったようです。ここでは、「えっ?この人も?」という、意外な人物だけ拾ってみました。
'Golf Digest's 60 most famous golfers'
by John Barton & Craig Bestrom ('Golf Digest,' March 2010)
「・Mary Stuart(メアリ・スチュアート、スコットランド女王、1542〜87)
メアリ・スチュアートはフランス留学中にゴルフを覚えた。彼女の祖父(スコットランド王James IV)も、彼女の息子(英国王James I)もゴルフをしたことで有名。王室の女性ゴルファーは他にもいるものの、Mary Stuartはゴルフのファースト・レディと云ってよい。彼女は二番目の夫が殺害された数日後、服喪しているべきだったのにゴルフをしているところを目撃された。彼女は後に英国女王エリザベス一世への反逆罪で有罪を宣告され、斬首された。
・Conan Doyle(コナン・ドイル、作家、1859〜1930、写真上)
名探偵ホームズの生みの親コナン・ドイルはスポーツマンで、様々な競技で人並み以上の腕前を発揮した。ゴルフはシングルで、世界各地でラウンドした。
・Joe DiMaggio(ジョー・ディマジオ、プロ野球選手、1914〜99)
ヤンキースを退団しマリリン.モンローと結婚した頃、ジョー・ディマジオは「今後はゴルフが私のゲームだ」と宣言した。その25年後、61歳の彼はハンデ13になっていた。
・Ameria Earhart(アメリア・エアハート、飛行家、1897〜1937)
女性として初めて大西洋単独横断飛行を達成したアメリア・エアハートは、ゴルファーでもあり、夫と共にゴルフコースに隣接した家に住んでいた。彼女は世界一周単独飛行の途中行方不明になった。
・William Faulkner(ウィリアム・フォークナー、作家、1897〜1962)
若く無名だった頃のフォークナーはゴルフ漬けの日々を送っていた。ミシシッピ州オックスフォードにある大学付属の9ホールのコースがお気に入りで、郵便局で働きながら午後はゴルフを楽しんだ。
・Jean Harlow(ジーン・ハーロー、映画女優、1911〜37、写真下)
プラチナ・ブロンドで有名なジーン・ハーローは、定期的にクラブ・プロのレッスンを受けていた。1936年の映画撮影中、彼女が筋肉の痛みを訴えた時、ハリウッドの医者は「ゴルフのし過ぎだ」と診断した。しかし、それは腎臓障害の前兆で、彼女は翌年26歳の若さで亡くなった。
・Katharine Hepburn(キャサリン・ヘップバーン、映画女優、1907〜2003)
キャサリン・ヘップバーンは吹き替え無しでゴルファーを演じた'Pat and Mike'『パットとマイク』(1952、本邦未公開)という映画に主演しているほどなので、「えっ?この人も?」という範疇ではありません。しかし、ゴルフ歴が凄いので紹介したいと思います。5歳からゴルフを始め、ホームスクール(学校へは行かずに親が教育する制度)だったため毎日ゴルフレッスンを受けた。ハリウッド女優となった彼女は、ハリウッドのBel-Air C.C.の14番ホールの近くに住んだ。ある日、彼女がクラブ・プロと7番ホールでプレイ中、Howard Hughes(ハワード・ヒューズ)操縦の飛行機がフェアウェイに着陸し、「仲間に入れてくれ」と云ってヒューズは飛行機からゴルフ・バッグを取り出した。彼らは一緒に9ホール廻った。(この日以後ヒューズはBel-Air C.C.へは出入り禁止となった)これが縁で、ヘップバーンはあるゴルフ場の隣りに住むヒューズと同棲し、二人でゴルフ三昧の日々を送った。
(February 16, 2010)
'Golf Digest's 60 most famous golfers'
by John Barton & Craig Bestrom ('Golf Digest,' March 2010)
・Sidney Poitier(シドニィ・ポワチエ、映画俳優、1927〜)
アカデミー主演男優賞受賞の黒人俳優シドニィ・ポワチエは、セットでもクラブを離さず、撮影の合間にグリップやスウィングの研究に余念がなかった。
・Babe Ruth(ベイブ・ルース、野球選手、1895〜1948)
ホームラン王ベイブ・ルースは、ヤンキース退団後、元デトロイト・タイガースの打撃王Ty Cobb(タイ・カッブ、1886〜1961)にゴルフ・マッチを挑戦した。一日目はマサチューセッツ州のゴルフ場でカッブが勝ち、二日目はロング・アイランド州のゴルフ場でルースが勝ち、決定戦はミシガン州のゴルフ場でカッブが勝った。カッブは映画女優Bettte Davis(ベティ・デイヴィス)から優勝杯を受け取った。
・Hartland (Colonel) Sanders(ハーランド・サンダース大佐、KFCチェーン創設者、1890〜1980)
世界的フライド・チキン・チェーンKFCを成功させた大物サンダース大佐は、65歳になるまでゴルフを始めなかった。LPGAのスター・プレイヤーだったLaura Baugh(ローラ・ボー)は、17歳の時にサンダース大佐とラウンドしたことがある。彼女によれば「大佐と話すのはディズニィの登場人物と話すように奇妙な体験だった。【いつも白い背広上下で店の前に立っている彼が】ゴルフ・シャツを着ているのはヘンテコに見えた。彼は『チキンよりゴルフが好きだ』と私に云った」
・Charles Schulz(チャールズ・シュルツ、漫画家、1922〜2000)
『ピーナッツ』(=スヌーピー)の生みの親のチャールズ・シュルツは、成長期に市営ゴルフ場のキャディとして働き、17歳の時には市のキャディ・トーナメントで優勝した。彼は五つのコースの名誉会員となり、絶頂期のハンデは2だった。
・Johnny Weisemuller(ジョニィ・ワイズミュラー、ターザン映画俳優、1904〜84)
オリンピックで五つの金メダルを獲得した水泳選手ジョニィ・ワイズミュラーは、優秀なゴルファーでもあった。五つのホールインワンを達成し、63で廻ったこともある。映画俳優となった彼はBel-Air C.C.に所属し、そこの4番ホールの岩に駆け上がって有名なターザンの吠え声を聞かせることもあった。
《ベスト60に漏れた候補者たち40人》のごく一部
・昭和天皇 英国のプリンス・オブ・ウェールズと東京でゴルフをした。
・Halle Berry (ハリ・ベリィ、映画女優)David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)にレッスンを受けている。
・Bob Dylan(ボブ・ディラン、歌手)ハンデ17。
・Harold Lloyd(ハロルド・ロイド、無声喜劇俳優)ビヴァリー・ヒルズの私有地にAlister Mackenzie(アリスター・マッケンジー)設計のパー3コースを作った。
・Karl Marx(カール・マルクス、ドイツの経済学者)『資本論』執筆中にロンドンでゴルフをした。
・Condoleezza Rice(コンドリーザ・ライス、政治学者、前国務長官)2005年にゴルフを始め、既にハンデ20。オーガスタの最初の女性会員となった。
・金 正日(北朝鮮最高指導者)最初にして最後のゴルフで38で廻ったと云われている。それには五つのホールインワンが含まれている。そうでしょうとも、ハイ。
(February 21, 2010、改訂June 03, 2015)
'Better by Saturday'(土曜日までにうまくなる)シリーズは、多くの有名インストラクターたちのtipを集めた小型本で、「ドライヴィング」、「アイアン/ロング・ゲーム」、「パッティング」、「ショート・ゲーム」の四冊が出ています。この項は「パッティング」篇のCraig Shankland(クレイグ・シャンクランド)によるtip。
このtipは素晴らしいです。絨毯の上でやってみたら百発百中でした。逆に云えば、いかに私の左手首が甘かったかの証明でもありますが。
'Better by Saturday...Putting'「あなたがパットの方向性や、ボールとのいいコンタクトが得られない悩みを抱えているなら、ストロークの間中左手首の角度を保っていないに違いない。左手首が凍り付いたままでないと、手は自由気ままにシャフトを回転させてしまい、当然ロフトとフェースの向きを変えてしまう。それは弱いオフ・センターの接触と、お粗末な距離のコントロールに繋がる。
左手首を固定する以下のドリルを用いるとよい。パターを約10センチ短く持つ。ボールをグリップの先端近くと左手首の間で挟み(写真)、そのボールを落さないようにパットする。左手首の角度を維持出来ないとボールは落下してしまう。この練習をした後、同じフィーリングを保ちながらボール無しでパットする」
残念ながら、ラウンド中にこのtipを使うわけにはいきません。
(March 01, 2010)
これはさまざまな新聞に共同配信されているゴルフtipsの連載コラム401本を集大成した小型本です。
'Master Strokes'
by Nick Mastroni and Phil Franke (Running Press, 2003, $9.95)
「約80%のアマチュアは、グリーンを狙うアプローチ・ショットをショートする。以下のtipはピンハイ(グリーン内外のピンの左右)に到達する助けとなるものだ。
ピンがグリーンの中程にあり、グリーンの前後には障害物が無いことを前提にしての話。あなたは、完璧なショットをしたらグリーン奥に届くクラブを選ぶべきである。あなたの平均的ショットは、あなたの“完璧な”ショットより少し短い筈だ。やや長めに打つことによって、全ての平均的ショットでピンハイに届かせるようにすべきだ。【編註:『完璧なショットが常に可能だなどと思うな』という意味】この方策には御利益がある。トップしたとしてもベラボーにショートせず、かろうじてグリーンに乗るという幸運があり得るのだ」
このtipを読んで、私のここ数ラウンドの傾向を思い返しながら、スコアカードに次のような印をつけてみました。「ー」(ショートし易い)、「+」(オーヴァーし易い)、「L/R」(ピンハイだが左右にブレる)。私の場合、「ー」は8ホール、「+」は2ホール、「L/R」は8ホールという結果でした。
今年の9月頃からアプローチ・ショットのヤーデージ別クラブ選択の成功・不成功のデータを取っています。それを参考にラウンドしているのでピンハイに届くことが多くなったのですが、それがなかったら多分「ー」が12ホールぐらいになったと思われます。
私には「ー」がまだ八つもあることが少々驚きでした。そのうち2ホールはオーヴァーすると地獄のような地形なので、まあショート目の方が安全ですし、ある一つのホールはドライヴァーで打ってもショートするパー3なので仕方がありません。残りの5ホールは、上のtipにあるように“完璧な”ショットを期待していつもショート…という愚なパターンです。今後は、この5ホールで長めに打つことを心掛けようと思います。
(March 04, 2010)
LPGAプロの中でも小兵に入るNatalie Gulbis(ナタリィ・ガルビス)の練習tip。
'10 Rules'
by Natalie Gulbis with Max Adler ('Golf Digest,' March 2010)
「私の父は、子供だった私のために車にグリップを強くする道具を備えていた。それが、私の手首が女の子としては結構大きい理由だと思う。この手首にはとても助けられている。
別な鍛錬法は、お米の入ったバケツに手を突っ込み、中で前腕部を前後にねじるというものだ。私はこれをツァーのフィットネス・トレーラーでしょっちゅうやっている。あなたが想像するよりずっと大変な運動だ」
(March 04, 2010)
'Putting My Way'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (John Wiley & Sons, Inc., 2009, $25.95)
「1. 一つのタイプのグリーン、一つのタイプのパット(距離や勾配、ブレイク)で練習し過ぎないこと。一つのコースでさえ、グリーンは日々、あるいは時々刻々変わるものなので、その変化に対応出来る柔軟性が必要。だから、出来る限り練習場所と角度を変えるように。
2. パットでは方向より距離の判断の方が難しいことを忘れてはいけない。常に、正確さよりも"speed"(=強さ)を中心に練習すること。
3. 実際のカップよりも、地面に刺したティーに向かってパットする方がいい。カップに囚われる意識をなくし、小さなターゲットによって"speed"(=強さ)とライン、テンポなどに集中出来る。
4. 練習量はパット名人への道ではないことを認識するように。毎日練習グリーンに通ってカップに向けて百個のボールを打ったとしてもパット名人にはなれない。パッティングは"feel, touch, and timing"(フィーリングとタッチとタイミング)に関わる問題なので、これら三点が練習のメインであるべきだ。それらに満足出来てもなお練習を継続すると、どんどんメカニカル(機械的)になってタッチを失ってしまう。だから、いい感じのパットが続き、自信が溢れている時点で練習をやめるのがベストである。
5. パット成功が期待出来る妥当な距離で練習すること。長いパットを寄せる(入れるのではない)数回の練習を混ぜることは、距離感を養う上で重要であり、ストロークのテンポを良くする効果もある。パットを成功させるべきなのは4.5メートル以下である。それこそがラウンドで最大に活きる部分だ」
(March 08, 2010)
スウィング改造を目指す人へ英国のインストラクターJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ)の助言。
'Practical Golf'
by John Jacobs with Ken Bowden (The Lyons Press, 1972, $16.95)
「練習ボールを全部点検し、ひどい傷のあるボールは取り除くこと。そういうボールは正しく飛ばないからだ。
スウィングを大改造する際の練習では、ボールの行方をあまり気にしないこと。スウィングのミスはいずれ是正され、全ての動きは次第に快適になる筈だからだ。治療開始当初は非常に落ち着かない思いをするだろうが、永続的な上達を望むならそういう感覚に耐えなくてはならない。もし、妥当と思われる一定期間に進歩がない場合は、問題を再考するか、インストラクターに相談すべきである。
バッグからクラブを引き抜く前に、ターゲットを決定すること。それが何であるか、どのくらい遠いかなどは問題ではない。容易に狙えるものであれば何でもいい。
6番アイアンを選ぶこと。サンド・ウェッジやドライヴァーではない。6番アイアンはロフトもシャフトの長さもパワーも丁度中間で、スウィングを築き上げるのに最適なのだ。
6番アイアンを手に、狙い所を目にし、心の中のスウィングの目的も確然とした状態で、何度かのイーズィな(しかし、不注意ではない)ショットにより“癒着した病巣を破壊”する。正しくグリップし、セットアップの第一歩からクラブで狙いを定め、クラブフェースを正しく揃えること。
練習を進める際、どの一打においても、この大改造を始める前に考えたソリッドで真っ直ぐなショットの実現を図ること。どの一打においてもだ。自分の判断と治療法が正しいと確信すること。その上で、メンタル的・体力的エネルギーと熱意が残っていることを条件に練習を継続せよ。そして次なるラウンドに向けて、心の中に適切なフィーリングをしっかりと植え付けるのだ。
私のメソッドは基本的に6番アイアン+100個のボール+一週間の中で得られる限りの一時間の練習…によって構成される。私が週一ゴルファーだとしても、永続的上達を考えるなら、ラウンド数を減らして練習するであろう。例えば、通常週に12時間ゴルフするとしたら、ラウンドは六時間で練習も六時間とする。
もしあなたの判断と治療法が間違っていたとしても諦めてはいけない。ランダムな実験をしてみる。休息する。どこかに座り込んで、じっくり再考する。
スウィング改造に最も効果的なのは家での練習だ。ボールの行方を気にせず、人目も気にならずに打てるからだ。庭にネットが張れれば最高だが、プラスティック製のボールを古いドアマットの上から打つのでも充分である。最悪の場合、数分でいいからクラブを握り、ボールを打った場合のことを考えながら素振りをすること」
(March 14, 2010)
'Better by Saturday'(土曜日までにうまくなる)シリーズは、多くの有名インストラクターたちのtipを集めた小型本で、「ドライヴィング」、「アイアン/ロング・ゲーム」、「パッティング」、「ショート・ゲーム」の四冊が出ています。この項は「パッティング」篇のKent Cayce(ケント・ケイシィ)によるtip。
'Better by Saturday...Putting'
by Golf Magazine's Top 100 Teachers with Dave Allen (Warner Books, 2004, $15.00)
「パターフェースがスクウェアでなければ、ボールは意図したラインに沿って転がらない。あなたは、パターフェースの状態を常に把握していなければならない。以下の『熊手式練習』を役立ててほしい。
1メートルのパットのアドレスをし、バックストローク無しでそのままボールをカップに向かって押す。これは、パターフェースがスクウェアかどうかを瞬時に教えてくれる。1メートルに慣れたら、次に2メートルに下がり、2.5メートルにも挑戦してみる。
これを繰り返し練習すると、スクウェアなフェースを保ちながらターゲットラインに沿ってパターヘッドを繰り出せるようになる」
私は左腕主導のフォワード・ストロークを志向していますので、上の練習を左腕一本でやってみました。云ってみれば丸裸の状態でストロークするわけですから、誤摩化しがききません。グリップが悪いのか、ストロークがまずいのか、アライメントがいけないのか、ポスチャーなのか、ミスの原因を絞り込むことが出来ます。
なお、この練習に上達してもバックストローク無しのパッティングはルール違反ですから、公式ラウンドではやってはいけません。【Rule 14-1】
【参考】
・「バックスウィングなしでパット」(tips_119.html)これは合法的パッティングです。
・「完璧なストロークの探究」(tips_193.html)
(March 22, 2010)
アドレスしながら、ボールに向かって、“おい、今のEiji(エイジ)のショットを見ただろ?お前もあんな風に飛ぶんだ。いいな?”と喋るのはJack Mears(ジャック・ミアーズ)。ふざけて云ってるわけではなく、しごく真面目です。
Bob(ボブ)は"Alright, sweet pea. Let's go!"(OK、可愛子ちゃん。行くぜ!)などと云います。
私のゴル友Jim(ジム)は、最近"Long and Slow."と云っています。彼は飛ばす快感を忘れられぬ質なので、ボールの行方が定まりません。ですから、スウィング・スピードを遅らせようと努力しているわけです。これはLPGAの名誉の殿堂入りプレイヤーNancy Lopez(ナンシィ・ロペス)の文句でもありました。彼女のバックスウィングは本当にスローでした。
ゴル友Mike Reekie(マイク・リーキィ)は、自分に"Mikey, Don't hit. Make it swing."(マイキィ、打つんじゃない、スウィングしろ)と云い聞かせます。これは多くの場合に役に立っています【目撃者(=私)談】。彼も強打者なのですが、ゆったりスウィングした方が方向性がいいことを痛感しているのです。
これらはみな口に出され、同伴プレイヤーたちに聞こえる言葉なのですから驚きです。
私はアメリカ人たちのように大らかにはなれないので、口に出して自分に何か云うなんてことは出来ません。心の中でスウィング・キィを思い起こすだけです。そのスウィング・キィですが、Jimの"slow"も、Mikeの"swing"も、とてもいい文句だと思います。私の場合はトップから打ち急いで手打ちになるミスを防ぎたいので、"Slow and Pause."を呪文にしています。トップでの一瞬の間(ま)は、ギア・チェンジの動作に匹敵するもので、打ち急いだ手打ちの切り返しによるギクシャクした動きを防ぎたい私の願いが篭められています。一瞬の間(ま)が“タメ”を作るので、パワフルでメリハリのあるショットも実現出来ます。もっとも、"Slow and Pause."も胸の内で唱えるだけで口には出しませんけど:-)。
(March 31, 2010)
これはLPGAの現役Christina Kim(クリスティーナ・キム)が本年出版した'Swinging from My Heels: Confessions of an LPGA Star'の中から、数ヶ所を'Golf Magazine'誌が抜粋して掲載したものです。Christina Kimは韓国系ですがアメリカ生まれのアメリカ国籍を持つ女性で、当然ながら母国語は英語です。LPGAの中でも、最も声高で派手なパフォーマンスをすることで有名。ここでは彼女自身のことはおいといて、LPGAツァーの隠れた部分だけを抜き出してみました。
'Wild thing!'
by Christina Kim and Alan Shipnuck ('Golf magazine,' May 2010)
「LPGAツァーのレスビアンの実態については、これまで全くオープンな議論がなされておらず、ファン(と特に男性記者たち)が耳にした噂だけによる幻想と云ってよい。多くの人々が考えるのとは異なり、私たちの組織はLesbians Playing Golf Association(LPGA)ではない。私の勘定によれば、現在のツァーでプレイしているレスビアンは24人以下である。230名の現役プレイヤー数からすれば、それは10%に過ぎない。
言語としての英語は、韓国人ツァー・プレイヤーたち【編註:2010年現在、48名(スポンサー推薦を除く)】が相変わらず抱えている問題である。私の推定では、他のプレイヤーと英語で快適に話が出来る韓国人はたったの10%だと思う。韓国人プレイヤーの残りの90%はハッキリと二つのグループに分けられる。その約半分は孤独な生活を送っている最も若い世代の(20歳かそれ以下で、十代の半ばで学校を中退してプロになった)女の子たちで、親の一人か両親と共に旅行している。彼女らがゴルフ・コースでプレイしていない時は、打ちっ放しか練習グリーンにいるか、ホテルで休息している(明日、さらに猛練習するための休息である)。
あとの半分は、4〜6人の韓国人で構成される小さな排他的なグループのいくつかで、無口で、ボブスレー・チームのようにお互いに頼り合って暮らしている。彼女たちは共に練習ラウンドをし、練習場でも隣り合ってボールを打ち、食事も一緒である。それらのグループのいくつかには綽名がついている。その一例は自称GMG(Golf Maniac Girls、ゴルフ狂少女団)と云う」
韓国人プレイヤーが優勝すると、同輩の何人かがビールやシャンペンをぶっかけに来ますが、あれは固まって生活している仲良しグループなんですね。同胞なら誰に対してもやるというわけではないみたいです。
【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。
(April 14, 2010)
市営ゴルフ場の常連にはいくつかのグループがあります。一番数が多いのが私が一緒にラウンドするシニアのグループです。このグループは月・水・金の午前10時からチーム対抗のベストボール・ゲームをします。【これまで長年トーナメントと書いて来ましたが、実際には勝ち抜き戦ではないのでトーナメントという言葉は間違いでした。今後は「ベストボール」と称します】チームは、その日集まった顔ぶれによって、実力が拮抗するように公平に選ばれます。「シニアゴルファーズ・アソシエーション」には55歳以上でないと入れませんが、週三回のベストボールには常連の家族とか友人なら20代でも30代でも加われます(メンバー以外でも可)。一人あたりの参加費用はたった2ドルですが、人数が多くなれば賞金も増えるので多い方が面白いわけです。参加者数は日によって違い、少なければ三組、多ければ四、五組ぐらいになります。従って、参加費用を差し引いた賞金額は最低で4ドル、最高で10ドルということになります。人種差別しているわけではありませんが、黒人が加わったことはありません。
いつも11時半頃にスタートするのは黒人だけのグループ。彼らも55〜70歳ぐらいの引退者たちで、大体二組ぐらいでラウンドすることが多いようです。彼らは毎日プレイします(土曜も日曜も)。彼らは賭けに真剣なせいでしょうが、とにかく遅いという定評があります。黒人特有のよく通る声で怒鳴り合うので、やかましいのも特徴。
9時半にスタートする白人のグループを、われわれは"Big boys"と呼んでいます。30〜60代の白人の強者ばかりで、飛ばすし、小技も巧い。日によって違いますが、少なくて二組、多くて三組でプレイしています。彼らは複雑な賭け方をするので、一ラウンドにつき10〜30ドル前後勝ったり負けたりするようです。この連中も毎日ラウンドします(土曜も日曜も)。どんなに寒くてもゴルフ場にやって来ます。寒過ぎれば、クラブハウスでドミノで遊んでいます。家にいると女房から「芝を刈れ」とか「落ち葉を集めろ」とか命令されるのが嫌なのだと思います。女房にしても旦ツクに一日中家にいられると鬱陶しいわけで、お互いの平和のためにいいのでしょう。さすがに、雨の日には彼らもゴルフ場に来ないようですが:-)。
“毎日ゴルフ”なんて、日本のゴルファーには夢のように思えるでしょうが、月額45ドルで週日も週末も関係なくやり放題ですから、極めて安い遊びなのです。歩くつもりなら45ドルだけですが、上のどれかのグループでプレイしようとするとカートが必要です。カートを借りるか、中古のカートを購入してゴルフ場のガレージに置かせて貰うと月17.50ドルの保管料(ガソリン・カートの場合です。バッテリー駆動車の場合は充電料としてもう一寸高い20ドル)を払わなければなりませんが、家から自家用車にくくり付けたトレーラーに乗せてやって来れば保管料は不要です(ただしtrail feeは取られます)。私はバッテリー・カートですので、月間会費込みで毎月65ドル払っています。
私もやろうと思えば“毎日ゴルフ”出来る資格はあるのですが、アメリカ人のようにタフではないので、とても毎日は出来ません。1ラウンドでくたびれてしまい、二日間にわたるトーナメントが精一杯です。しかし、最近気がついたことがあります。手打ちでラウンドすると右腕が疲れる。身体で(下半身主導で)打つようにすると、どちらの腕も疲れを感じません。この状態だと週に三日はラウンド可能です。ただ、私の仲間たちで“毎日ゴルフ”する連中がみな下半身主導のスウィングをしているとは思えませんので、やはり《アメリカ人はタフ》なのだと思います。
毎年五月の"Older American Month"には市営ゴルフ場主催の無料トーナメントが開催されます。四人一組のスクランブル競技で、カートも無料で利用出来ます。軽食も用意され(地元企業の寄付でまかなう)、三位までの賞品(盾)や福引き(これらも地元企業やクラブハウスの寄付)もありますから、すごく貧しいトーナメントとも云えません。市営ゴルフ場の常連でなくとも、市民の55歳以上であれば誰でもチームを作って参加出来ますので、普段は他のゴルフ場を利用している人々もやって来ます。例年の優勝チームは"Big boys"のチームのどれか一組ですが、シニア・グループのチーム(私を含む)も過去二回優勝したことがあります。
(April 17, 2010、改訂June 03, 2015)
室内で練習する場合、誰しも数個のボールを続けざまにパットする筈です(私もそう)。これはストローク動作の修得にはいいのですが、ラウンドを念頭においた練習としては不適切です。なぜなら、同じライン、同じ距離のパットを二度続けて打つということはラウンドには無いからです。全て一発本番。ボールをいくつも続けて打つ練習だと、失敗に基づいてストロークの長さ・強さ・方向などを変えられますし、失敗してもあまり口惜しくありません。こういう練習は本番では全く役立たないと云っていいでしょう。
私は、自分の現在のパッティング技術の真のレヴェルを量るため、次のような練習法を考えつきました。
実際のラウンドと同じように、五分か十分おきに一個だけボールをパットする。たった一個だけですから真剣に狙わなくてはならず、緊張もします。成功すれば「やった!」と云いたくなります。この練習法はゴルフのTV中継などを観つつ、コマーシャルになったら一個打つようにすると、時間経過も現実に近いしCMで苛々させられることも回避出来ます。失敗したら、ラウンドでも許されているように数回の練習をします。そして次のCMタイムまでTVの前で待機。
同じ距離ばかりでなく、2メートル、1メートルなどと一回ごとに距離に変化を付ければ、試煉はますます厳しくなります。
やってみると実に難しい。これは技術が本当に身についているかどうかがよく分るテストです。私のように練習ではいいが、本番に弱くて悩んでいる…という人にお勧めです。
(April 25, 2010)
インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)推奨の練習法。
'10 Rules'
by Jim McLean with Guy Yocom ('Golf Digest,' April 2010)
「40代半ばというのに大活躍中のVijay Singh(ヴィジェイ・スィン)の秘密は、彼のフロリダ州にある自宅で発見出来る。彼の邸宅のあちこちには意図的に十本の"weighted club"(重たいクラブ)が配置されている。彼はそれを取り上げ、両手と前腕部、腰と肩などを20代のままに保つため、20回〜30回のスウィングを繰り返す。
【註:上の"weighted club"とは、練習用の短く重いクラブのことを指していると思われますが、アイアンにドーナッツ型錘りなどで重量を加えたり、古いクラブのシャフトに砂を詰めても同じ効果です】
最近のクラブはどんどん軽くなっており、人々はクラブヘッド・スピードのことばかり喋っている。重いクラブと古風な力強さは過ぎ去った感じである。しかし、重いクラブは、最良の発明品である。ゆっくりと振ること、および実際のスウィングの動きに近づけることを忘れないように」
'Hone your hand strength'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' April 2010)
「手の強さを築き上げるには二本のアイアンか、Momentusのような重いクラブをしっかり(きつくではなく)握る。
ゆっくりスムーズなスウィングをし、インパクトを過ぎたところで停める。これは最初はやりにくいだろうが、手と前腕部の強さを増す最良の方法なのだ。数回のスウィングの後、たちどころに違いに気づくはずだ」
(April 28, 2010、改訂June 03, 2015)
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