Golf Tips Vol. 118

ロブ・ウェッジを酷使する

パット名人Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)は、現在親子でショートゲームのインストラクターとなっている。

'Four ways to use the lob'
by Dave Stockton with Nick Mastroni ('Senior Golfer,' July 1999)

「・スーパー・ロブ

これはPhil Mickelson(フィル・ミケルスン)やTiger Woods(タイガー・ウッズ)が、ほぼフル・スウィングのようにクラブを振ってボールをぽーんと真っ直ぐ空中に上げ、タイトなピンにソフトに寄せるショットである。

私はトーナメントにつき一回はこのショットが必要になるが、もちろんこれは危険の多いショットと云える。ボールがグリーンサイドのラフにあり、ピンの位置がかなりエッジに近い場合にのみ、このショットを試みるべきである。

普通のピッチショットとこのショットの違いを説明しよう。ボール位置は通常よりターゲット寄りで左足踵の前方。ロフトを増すため、クラブフェースをオープンにする。こうすることによって、クラブのソールが草をかすめて進むことを可能にする。

多くのゴルファーが体重を右足にかけるが、それはクラブがボールの下を滑る危険を増大する。そうではなく、体重を左足にかけ続けるべきだ。練習して、どのくらい大きいバックスウィングをすべきか知る必要がある。それは想像以上の大きさである」

【編者傍白】私がプレイしているコースのNo.4(パー3)のグリーンは、向って左に傾斜しており、ティーショットをグリーン右にミスすると、普通のチップショットでピンに寄せることは出来ません。どんなにうまくグリーンに乗せてもゴロゴロゴロゴロとピンから遠ざかるだけ。私はこのホールのために、上のスーパー・ロブを練習しましたが、確かに距離に比してかなり大きなバックスウィングが必要です。エネルギーはボールを前に進めるより、高く舞い上げる方に費やされるので、小さいスウィングではグリーンに届かないことさえあるのです。私見ですが、このショットはバンカー・ショットに似ていると思います(ボールを打つのと砂を打つのが違うだけで)。

 

「このショットの鍵はインパクトにある。他のどのショットとも異なり、インパクトの直後左手は停止しなくてはならない。一方右手は進み続けて掌とクラブフェースは天を向く。

警告する。ボールの下に芝のクッションがない限り、フェアウェイのタイトなライからこのショットをしないこと。プロのように見事に実行しようとせず、多少の余裕を自分に与えること。例えば、少しカップを過ぎても文句はないというように(それでもグリーン上に違いはないのだから)。

・フル・ロブ

フル・スウィングなら常に距離が一定に打てる。私はサンド・ウェッジであれば100ヤードだが、ロブ・ウェッジだとフル・スウィングで60〜80ヤードである。80ヤード打つ場合、ボール位置を若干後方に寄せ、クラブフェースはスクウェアにアドレスする。60ヤード打つ時はフェースをオープンにし、ボールをほぼスタンス中央に移す。あなた自身のヤーデージは練習場で掴むこと。

このスウィングにはあまりトリックは要らない。アドレスでは屈まずに立ち、クラブは最大限長く持つ(短く持たないこと)。短いショットでは多くのアマチュアが屈んで打とうとするが、それはスウィングの途中で頭や上半身を持ち上げる結果に繋がり易い。

下降気味のスウィングで地面より先にボールを打てば、ロブ・ウェッジのロフトを活かすことが出来る。

・トゥダウン・スキップ

フェアウェイで、フル・ウェッジの距離ではないものの、ピンがエッジに近いところに立っていて攻めにくく、しかもボールの下にクッション(芝)がほとんどないという状況もままあるものだ。そういう場所から高いロブを打とうなどと思ってはいけない。ただし、ボールを急速に停止させたいということであれば、この“トゥダウン・スキップ”が役に立つ。

ボール位置はスタンス中央でスクウェアに構える。両手を少しターゲット方向に傾け、クラブのロフトをやや減らす。この時の両手は、通常よりアップライトでなければならず、そうすると自動的にクラブはトゥのみが地面に接することになる。

コンパクトでアップライトなバックスウィングをし、鋭くボールの背中にクラブヘッドを振り下ろす。絶対にボールを上げようとしてはいけない(上げようとするとバックスピンがかからず、失敗する)。インパクト後、左手を止めるが、右手が絶対に左手を追い越さないように。

この手法は、このクラブの特徴から期待するよりはやや低めのショットとなる。しかし、ボールは着地後、大きくワン・バウンドしてから急停止する。

このショットにはかなりの練習が必要だし、適切なライでのみ実行されるべきだが、凄い兵器であることは間違いない。

・バンカー・ショット

グリーンサイド・バンカーからはボールを急速に停止させなければならない。ここでもロブ・ウェッジの出番である。

基本は普通のバンカーショットと何ら変わらない。アップライトに立ち、クラブを長く持つ。ターゲットにスクウェアにクラブフェースを合わせながらオープンスタンスを取る。クラブフェースを寝せる(ロフトを増し、ヘッドが砂にめり込むのを防ぐ)。体重は左側にかけ、スウィングの間中体重移動はほとんどしない。体重移動を阻止するため、右足を若干内側に向けるとよい。

以上の体勢で、両足を結んだ線に沿ってスウィングする。つまり、ターゲット・ラインを少し横切るようにカットすることになる。ボールの後ろ数インチの砂を打つわけだが、重要なのはクラブを砂の中で滑らせ、高いフィニッシュをとることだ。どの程度の力が必要かは練習で身に付けること。特に、短いショットの場合に」

(September 02, 2008)


中部銀次郎のゴルフ

『ゴルフの大事』
中部銀次郎×三好 徹 (ゴルフダイジェスト社、2006、1,500円)

[daiji]

この本は数年前に一読したのですが、その時は日本アマチュアの最高峰・中部銀次郎の秘密と名言を探し求めつつ駆け足で頁をめくり、何もユニークなことが書かれてないので、いささかがっかりしたものです。しかし、たまたま再読してみたらこれほど素晴らしい本はないという気にさせられ、現在三読目に入っているところです。

「ユニークなことが書かれてない」のは本当です。中部銀次郎のゴルフ理論の骨子は「ゴルフを難しくするな。基本を忘れるな」というもので、その基本なるものも「正しくアドレスせよ。頭を動かすな」の二点に尽きるのです。ただし、これを何度も何度も口を酸っぱくして繰り返す点がユニークと云えばユニーク。彼に云わせれば、巷に溢れているゴルフ理論のほとんどは枝葉末節であり、そういうものに囚われてはいけないそうです。

中部銀次郎のスウィング・メソッドを要約すると、次のようになるでしょう。

人間は直立して立った姿勢が最も自然で安定している。そのままスタンスを広げ、膝を折り、股関節から上半身を前傾させた時、肩からぶら下がった両手を合わせたところでグリップするのが一番自然である。そのグリップは太股から拳一個分以上離さないこと。自然な手の位置が決まれば、ボール位置も自然に決まる。

【テスト法】クラブのリーディング・エッジを壁に当て、最初はグリップを太股から正面に20センチほど伸ばしてアドレスし、力を篭めて左方に押す。次いで、太股から拳一個分のところでグリップし、同じことをする。後者の方が格段に力が入るので、飛距離が増えて当然である。

指全体のグリップ圧は「フォローでクラブが飛んで行ってしまう恐さがある感じ」。なおかつ、左手小指の圧力を10とすれば、順に9(薬指)、8(中指)…と来て、右手の小指が5で右手親指が一番緩く1となるように。これだと肩の力みも抜け、右手主体になって起るミスも防ぐことが出来る。

アマチュアは本能的にターゲット・ラインの左を向きたがる。左を向いて真っ直ぐ打つなどという複雑なことをせず、スクウェアに構えてスクウェアに打つべきである。「インサイド・アウトの軌道」などというのは神話であり、スクウェアに構えて頭を動かさなければ正しく打てる。正しくないポスチャー、正しくないアライメント、頭を動かすこと…などがミス・ショットを引き起こす主な原因である。

【練習法】頭を壁につけ、クラブなしでフル・スウィングする。頭を前後に動かす癖のある人は、頭をごんごん壁にぶつけて痛いだろう。頭を上下に動かす人は頭皮が擦れて痛い筈だ。この練習法によって、物理的・肉体的に頭を動かさないということはどういう状態であるかを知り、身体に覚え込ませること。【補足】彼は頭が絶対に動いてはいけないと主張しているのではなく、バックスウィングでは一定限度内で多少右に動いても許されると云っています(頭だけ、腰は駄目)。なお、インパクトでターゲット方向に頭を動かすのは厳禁だそうです。

左手一本でスウィングする意識を持つ。右手を使うとヒッティングの満足感はあるがミス・ショットが出易く、平均すれば結果的に飛距離が落ちる。「右手を使わないと飛距離が出ない」というのは、しっかりした左手を備えたプロに必要な言葉であって、アマチュアの右手は添える程度でよい。

高いトップを作るか低くするかなどと迷う必要はない。左手一本でスウィングする気持があれば、自然にその人に合ったトップに納まる。インパクトで右手を返すなどということも考えなくてよい。頭をボール位置後方に残していれば、自然に右手はターンするものである。

以上が中部銀次郎のスウィング理論の要点です。

私のゴル友のJack(ジャック)は80歳になろうというのに、彼のバイブルである'The Golfing Machine'という本(tips_87.html)とBen Hogan(ベン・ホーガン)のメソッドによってスウィングを完成させようと、ああでもないこうでもないと練習に本番に余念がありません。現在の彼の課題は、バックスウィングでターゲット・ラインに平行に引くか、ややインサイドに引くかだそうです。まるで宮本武蔵のような剣聖が道を究めようとしている真剣さです。しかし、中部銀次郎なら「Jackは易しく出来るゴルフを難しくしている」と云うでしょう。メカニカルな動きにばかり拘り過ぎるのは問題です。「ムカデが一本一本の脚の動きを考えたら動けなくなる」という言葉もあります。Jackはその日のトーナメントが終わると嬉しそうな顔をして私に寄って来て、「エイジ、今日は二発だけ完璧なショットが打てた」などと云うのですが、日に二発でいいなら私だっていいショットをしてますから、褒め言葉を探すのに辛いものがあります:-)。

炎天下の午後、人気(ひとけ)の少ないゴルフ場で練習した時のことです。何度か二打目のサンドウェッジをダフる失敗が続いていたパー4で、残り80ヤード付近にボールを四個ほどばら撒き、グリーンを狙ってみました。乗ったのは一個だけで、後はショートが一個、右・左に一個ずつとバラけました。その唯一乗った時のショットは、頭を動かさないように務めた結果でした。ボールを拾い集め、同じ距離で今度は頭を動かさないことに集中して打ってみました。四個全部がオンし、一個などはOKの距離でした。その翌日の参加費用2ドルのベスト・ボール・ゲームで、私のこのホールでの二打目は当然ながらピンに1メートルに寄り、バーディとなりました。勿論「練習済み」という自信も助けとなっていたわけですが、中部銀次郎が云うように、頭を動かさなければミスの出る確率がぐーんと減るからでもあると思います。

(September 06, 2008、改訂June 03, 2015)


アイアンの正しいポスチャー

'Better by Saturday'(土曜日までにうまくなる)シリーズは、多くの有名インストラクターたちのtipを集めた小型本で、「ドライヴィング」、「アイアン/ロング・ゲーム」、「パッティング」、「ショート・ゲーム」の四冊が出ています。この項は「アイアン/ロング・ゲーム」篇のMike Bender(マイク・ベンダー)によるアドレスに関するtip。

'Better by Saturday...Iron Play/ Long Game'
by Golf Magazine's Top 100 Teachers with Dave Allen (Warner Books, 2004, $15.00)

「あなたが右利きなら、グリップした時のあなたの右手は左手よりシャフトの下方にある筈だ。だとすれば、背骨をターゲットと逆方向に傾斜させて、右肩を左肩より低くするのが当然である。その角度は5〜10°である。その傾斜角度を作り出し、インパクトまで維持すれば、理想的な"head behind the ball"の(ボールより後ろに頭がある)インパクトとなる。

5〜10°の傾斜を作り出すには次のようにする。右手でクラブのグリップ部分を持ち、胸の真ん中に当ててシャフトを背骨に添わせて下げる。クラブヘッドが両膝の中間にあるように調節すること。股関節から上半身を曲げ、次いで身体を右へ傾げる。クラブヘッドが左膝の内側に接触したら、そこが終点。それがあなたの望む傾斜角度である」

(September 09, 2008)


フライヤー・ライ

'Better by Saturday'(土曜日までにうまくなる)シリーズは、多くの有名インストラクターたちのtipを集めた小型本で、「ドライヴィング」、「アイアン/ロング・ゲーム」、「パッティング」、「ショート・ゲーム」の四冊が出ています。この項は「アイアン/ロング・ゲーム」篇のButch Harmon(ブッチ・ハーモン)によるラフからのショットに関するtip。

'Better by Saturday...Iron Play/ Long Game'
by Golf Magazine's Top 100 Teachers with Dave Allen (Warner Books, 2004, $15.00)

「多くのアマチュアはラフを見分け、打ち分けることを知らない。軽い(短い)ラフなのに、それがヘヴィなラフのように急角度のテイクアウェイをし、ほぼ垂直に目一杯の力で振り下ろし、インパクトでスウィングを停止したりする。そういうやり方は密集した長いラフには有効かもしれないが、そうひどくないラフではダフってしまいがちである。

軽いラフからアイアンを打つのはフェアウェイから打つのとほぼ変わらないのだが、一点だけ違いがある。ワン・クラブ短いのを持つことだ(6番アイアンの代わりに7番アイアン)。何故なら、インパクトでボールとクラブフェースの間に草が挟まるため、早い速度でしかも少ないバックスピンによってボールを打つことになり、通常より遠くへ飛んでしまうからだ。【編註:このように、草の影響で飛び過ぎる恐れのあるライを“フライヤー・ライ”と云います】

正しいクラブでスクウェアにアドレスし、通常のインサイド・スクウェア・インサイドの軌道で(いつものテンポで)腰と肩を振り解(ほど)き、ボールを打ち抜く」

 

(September 13, 2008)


中部銀次郎のゴルフ・パット篇

『ゴルフの大事』
中部銀次郎×三好 徹 (ゴルフダイジェスト社、2006、1,500円)

[daiji]

中部銀次郎のパッティング理論は非常に穏やか。ロング・パットを一度に沈めようなどと考えず、「乗せたら2パット」を基本として考えます。1パットで入れば嬉しいが、3パットを避けることが至上命題。

彼は5〜7メートルなどのロング・パットの練習をほとんどしなかったそうです。ロング・パットが入る確率は18ホールのうちほんの数パーセントで、ほとんどゼロに近い。それを練習しても意味がない…という考え。

アマチュアがアプローチ・パットを外す距離は1メートル以内。「1メートル」というのは、カップを中心にして前後左右に1メートルずつなので、直径2メートルの円ということ。この中に楽な気持で寄せて、確実に沈めることを目標にする。彼はこの1メートルの距離からのパットを「どんなラインからでも入る」という自信が持てるまで練習したそうです。

彼は「グリーンの端からロング・パットを練習してもスコアは良くならない。アマチュアは1メートルか、せいぜい1ピンの距離を練習すれば凄くうまくなる筈だ」と云っています。

ストロークに関しては「パター・ヘッドの重みを感じながら、その遠心力を使う。パチンと打つのではない」という理論が強調されています。その遠心力の働きが最大となるのはストローク軌道の最低点なので、その位置でボールをヘッドの真芯で捉えれば、ボールは真っ直ぐカップに向う筈…とのこと。

最近の私は彼のやり方と反対で、グリーンの端から端へとロング・パットの練習をしていました。これには理由があって、参加費用2ドルのベスト・ボール・ゲームでチームを勝利に導くには、パーでは駄目なのです。チーム全員ボギーというホールは必ずあるもので、それを相殺し、さらにアンダーにするためにはバーディを出さなくてはならない。私個人のスコアが良くなるのも最低二つのバーディがある日であることが分っています。バーディを出すためにはロング・パットを沈めるのが一番…そう思っていたのです。

しかし、中部銀次郎が喝破したように、ロング・パット成功なんて5ラウンドに一回あるかないかです。それもほぼ偶然の出来事のようなもの(バンカーからOKの距離に寄るのと同じ確率だと思います)。翻って、私の1メートル以内のパットの成功率はどうか?口惜しいミスは、1ラウンドに少なくとも平均二回はあります。私の場合、「1メートルならどんなラインでも入る」という境地には逆立ちしても到達出来ないでしょうが、少なくとも神頼みのロング・パット成功を夢見て時間を無駄にするよりは、1メートルのパットをマスターする方がずっと現実的であり、御利益も期待出来ると思われます。中部銀次郎の助言を受け入れ、宗旨替えすることにしました。

(September 19, 2008、改訂June 03, 2015)


湿ったバンカーからの脱出

'Escape wet sand'
by Ed Ibarguen ('Golf Magazine,' September 2008)

「目標は、普通のバンカー・ショット同様、ボールの手前の砂にクラブを入れて、クラブでボールの下をスライドさせることだ。しかし、湿った砂の場合には速く力強いスウィングをしなければならない。湿った砂は重いので、インパクトで減速したりすると、ボールを脱出させることは不可能である。

バウンス(ウェッジ裏面の肉厚部分)が少ないクラブを選ぶ。大概の場合、ロブ・ウェッジはサンド・ウェッジよりバウンスが少ない。もし、あなたのロブ・ウェッジのバウンスが大なら、ピッチング・ウェッジを使うこと。

【セットアップ】
・広めのスタンス。両踵の内側に両肩の外側が納まるくらいに広げる。
・スタンス中央にボールが来るようにし、その後でスタンスをオープンにする。その結果、腰と肩は30°ターゲットの左を指す。
・クラブを右に回転させ、フェースを最大限オープンにする。【編註:この作業の後でグリップを固める】
・シャフトをターゲット方向に傾げ、インパクトでもその角度を保持している様(さま)を視覚化する。【編註:手首を返さないための伏線。手首を返すとクラブで砂の下をスライドさせられない】

【バックスウィング】
インパクトで減速しないために、短いバックスウィング(1/2〜3/4)をすること。早く長いバックスウィングは、インパクトで減速し易い。

【ダウンスウィング】
スムーズなスピードで、クラブで砂の下を滑らせている間のスピードが最高になるようにスウィングする。腕だけでなく身体を使い、インパクトで胸と腰がターゲットを向くほど力強く回転させる」

【参考】
・「湿ったバンカー、固いバンカー」(tips_76.html)
・「砂を調べる」(tips_84.html)
・「湿ったバンカーではUスウィング」(tips_96.html)
・「砂が固い時のバンカー・ショット」(tips_112.html)

(September 23, 2008)


ランニング・アプローチ

'Running your approaches'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' December 2007)

「あなたが、グリーン手前に着地しカップまで転がって行くショットを、セント・アンドリュースG.C.に行くまで取っておこうと考えているなら、ちょっと待って貰いたい。

長いランニング・アプローチが必要なことは、スコットランドでなくても結構ある筈だ。グリーンの傾斜がきつい場合とか、追い風でボールをすぐ止められない場合など。また、二段、三段になったグリーンの奥にピンがある場合の選択肢でもある。

【条件】
・グリーン手前が開けていてラフはないこと(入り口が狭い時は不可)。
・グリーン手前が受けていない場合は、ボールを高く上げるショットに変更すべきである。

【フォーカス】
・パンチ・ショットのスィングによるボールは、低く出て軌道の最終段階近くで上昇し、着地後ピタッと停止する。ボールの軌道について考えるよりも、バックスウィングを少なめにすることを念頭に置くこと。
・バックスウィングを少なくすればするほど、着地後ボールのランが増えると考える。

【スウィング】
・普通にセットアップし、柔軟な右膝でスムーズにフル・バックスウィングを行なう。
・ダウンスウィングでは、両腕でクラブの重さを感じるように。
・インパクトでは、パワーを使うというより、両手がインパクトのショックを吸収するように感じるべきである。
・フォロー・スルーの長さはスウィングの勢いに任せること。

 

【結果】
・この両手の動きを殺したスウィングは、浅いプレーンでクラブヘッドをボールに向わせ、それはスピンの少ない低いショットを生む。
・この方法は短いショットでスピンを減らしたい場合にも有効である」

(October 05, 2008)


タイトなライからサンドウェッジを打つ

'How to hit wedges from tight lies'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' December 2007)

「フェアウェイのタイトなライからピッチ・ショットをする場合、定番の助言は『ピッチング・ウェッジかロブ・ウェッジを使え』というものだ。その理由は、サンド・ウェッジだとソールのバウンスが邪魔をして、ボールとのソリッドなコンタクトが困難になるからである。

しかし、あなたがロブ・ウェッジを持っていなくて、ピッチング・ウェッジ以上のロフトを必要とする状況に直面していたらどうか?あるいは、あなたが全てのピッチ・ショットをサンド・ウェッジでこなしているとか?そういう場合、二つの方法がある。

【方法その1】
ボールの下にリーディング・エッジを向わせ、バウンスを減らすにはクラブのトゥを使う。普通にサンド・ウェッジをソールするのではなく、もっと垂直に近く構えればヒールが地面から浮き、トゥでアドレスすることになる。これによってバウンスが減る。円いトゥ部分は簡単にボールの下に潜り込み、固いフェアウェイで弾かれることもない。ゆっくり、スムーズなスウィングで、アドレス時の垂直に近い構えをインパクトで再現する。これは練習が必要なショットだが、タイト・ライでサンド・ウェッジを使うことを可能にしてくれる。

【方法その2】
コンクリートの上にボールを置き、その後ろにサンド・ウェッジを置いてみよう。クラブのバウンスがリーディング・エッジを地面から持ち上げるのは間違いない。しかし、リーディング・エッジの高さはボールの赤道より充分に下であることが分る。つまり、コンクリートの上からでさえトップすることなくサンド・ウェッジを打てるということだ。

フェアウェイのタイトなライではコンクリート上から打つような精密さを必要としない。何故なら、フェアウェイではディヴォットを取れるので、バウンスの要素を無視することが出来るからだ。普通にセットアップし、両手を若干ボールよりもターゲット方向に構え、地面ではなくボールに最初に接触する鋭いディセンディング・ブローを実施する(ボールの後部を打ってからディヴォットを取る)。両手をアドレス時のまま先行させてインパクトを迎えられれば、ボールの背後の地面を打つことはあり得ない。これも練習が必要なショットだが、これを正しく実行出来れば、盛大にスピンがかかり、しかもコントロールされたショットが得られる筈だ」

(October 12, 2008)


ロングパットを二打で沈める

'A pair beats three-Jacks'
by Tad Weeks with Frank Giordano ('Golf Tips,' March 1999)

「パット名人Jackie Burke(ジャッキー・バーク)は40〜50フィート(約12〜15メートル)のロングパットと、4フィート(約1.2メートル)のパットの練習を交互に行なうのが常だった。

彼のセオリーはこうだ。最重要なのは40〜50フィートのアプローチ・パットと、よくありそうな残り4フィートのパットである。40〜50フィートを4フィート以内に寄せ、その4フィートを間違いなく沈められれば、グリーン上で嘆くことは無くなる。

ロングパットのテクニックだが、通常のストロークを用いるものの、長いバックスウィングとフォワードスウィングを実行する。毎日、数分でもロングパットを練習すれば、異なる距離のパットを成功させるためどれだけ長くパターを引き、押し出す必要があるか、その感覚を身体に染み付かせることが出来る。覚えておくこと、こういう長い距離のパットをカップに近づけられれば、3パットを2パットに変えることは非常に現実的なことであると」

中部銀次郎の「アマチュアは1メートルのパットに習熟せよ」にそっくりです。

(October 12, 2008)


パッティング・スタンスと両肘

'Two foolproof putting keys'
by Brad Redding ('Golf Magazine,' September 2007)

「パットでダフったりトップしたりする人は、次の二点をチェックすべきである。

1) 両肘
 両肘は二頭筋(力瘤の出来る部分)に対し45°の角度で曲げられ、腰から1インチ(約2.5センチ)離れているべきである。この体勢は自然に両肩と二頭筋の角度をほぼ90°にし、手首と手の角度を45°にする。

2) スタンス
 上のように両肘を正しく折ったら、両足の中ほど(足の中心)は両肘の突端の真下に位置すべきである。これは、スクウェアで安定したパッティングのための土台を作り上げる」

(October 17, 2008)


クラブヘッド・スピードを上げる

'How to gain clubhead speed'
by Roger Gunn ('Golf Magazine,' August 2008)

「あなたのティー・ショットにもう一馬力加える三つのポイント。

No.1. 背中をターゲットに向けよ
 バックスウィングで完全な肩の回転をすること。 肩のフル回転とは、左肩が顎の下に届き、背中が真っ直ぐターゲットを向いた状態である。

No.2. 手首を柔らかく
 ダウンスウィングで手首を固くしてはいけない。手首を柔らかくすると、クラブヘッドは両手に遅れて降りて来る。手とクラブヘッドの落差が大きいほど、スウィング弧の底辺でクラブをリリースする際、より速いスピードが得られる。

No.3. 腰を素速く回転させよ
 インパクトに近づく時、腰を左に強く廻す。柔らかい手首とともにこれを実行すると、左腕がクラブヘッドに先行してボールに向う。これがパワーを生むキイ・ポイントである。正しく遂行されれば、クラブは最大限のスピードで鞭のようにボールを打ち抜く」

[icon]


No.1は「Ernie Elsのショルダー・ターン」(tips_2.html)と同じです。No.2の「柔らかな手首」については、私の経験を何度も書いて来ました。ここではレイト・アンコックだけに焦点が当てられていますが、「柔らかな手首」はスクウェアなままインパクトを迎える助けともなるので、方向性も良くなります。グリーンを狙うショットには不可欠と云えましょう。

 

No.3は「腰の動きで飛距離を伸ばす」(tips_116.html)の、「【ダウンスウィングの開始で】誰かがあなたのベルト・バックルを引っ掴み、三塁方向にグイっと引っ張るような腰の動き」に類似しています。私にとってはインパクトの瞬間だけ何かするなどということは難しいので、「腰の動きで飛距離を伸ばす」方がやり易いですが。

(October 24, 2008)


ラグ・パット練習法

Googleで「ラグ・パット」を検索すると、出て来るのは敷物(rug=ラグ)の宣伝ばかり。ゴルフのラグは"lag"で、"lag putting"は「カップインを目指さず、カップに近づくだけでよしとするメソッド」を指します。「ラグ・パット」という言葉は日本ではまだ一般化されてないようですが、「刻むパット」と云うとかなりショート目の感じだし、「寄せるパット」も一寸消極的な感じがします。で、うまい言葉がないので「ラグ・パット」としておきます。ラグ・パットは「何が何でも入れる!」と勢い込んだパットではないというだけで、OKの距離、ボールがカップを覗き込むような距離、うまく行けば入ってしまうような距離に寄せるメソッドです。1メートルもショートするようなのはラグ・パットではありません。

'Improve your lags'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' August 2008)

「上級者になると、どの分野でさらに上達を目指すべきか、なかなか見当をつけにくいものだ。一つの候補はラグ・パッティングの上達である。パッティングの練習に精出しているとしても、4〜5メートルのパットを成功させようと努力するのが普通で、10メートル以上のラグ・パットに習熟しようとする人は少ない。

ラグ・パッティングの練習法の一つに、カップより大きく、三次元の物体(ヘッド・カヴァーや飲料水のボトル)を的にするというものがある。これをやってみると、ラグ・パットがとても扱い易く感じられるのに驚くことだろう。

このメソッドに習熟したら、的を段々小さくし、最後はティーを目掛けて打つ。10メートルの距離からティーに当てられるようになれば、もうラグ・パットを考える必要はなくなってしまう。ロング・パットを成功させられる境地だからだ」

(October 28, 2008)


両目を結ぶ線は水平に

'Tips on the teeing up'
by Jason Guss ('Golf Digest,' September 2008)

「チッピングのセットアップとフルスウィングに共通するものは、目のアライメントである。どちらの場合も、目を結ぶ線は地面と平行でなければならない。もし、あなたの左目が右目より高ければ、それは体重を右側に保ち続け、スウィング弧の最低点をボールの手前にしてしまう。結果はダフリかトップである。

目線を平行にすれば、スウィング弧の最低点をボールの前方にし、ソリッドなインパクトをもたらしてくれる」

前回のテンプラの連続に懲りていたところに、このtipを発見しました。パットの目線についてとか、フェードやドローをかける際の目線についてはかなり探究していたものの、普通のフル・スウィングでの目線までは気にしていませんでした。ドライヴァーの場合、私はかなり右肩を落すので頭も自然に傾き、両目を結ぶ線は左側が上がっていました。「両目を結ぶ線は水平に」はそうしちゃいけないというtipで、ほっぺたを叩かれたような気がしました。

しかし、信じ切れぬままラウンドしたのですが、現在のスウィングでは確かに水平にした方がいいショットになります。テンプラはゼロでした。

「現在のスウィングでは」と限定したのは、私は長い間ドライヴァーではアッパーに打つように心掛けていて、左目が高くても最近まで何の問題もなかったからです。ドライヴァーが絶好調になれば、また左目を高く構えるかも知れませんが、現在はこの「両目を結ぶ線は水平に」が特効薬となっています。

(October 30, 2008)


肩の廻し過ぎに注意

'Avoid overturning'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' August 2008)

「肩の大きい回転が飛距離増につながることは周知の事実である。しかし、肩を回転させることに必死になると、頭をボールのターゲット方向に押しやってしまい、ボールをソリッドに打つことがほぼ不可能に近い体勢を作り上げてしまう。肩の回転は大事だが、過度な回転はしないように。

バックスウィングする際、肩に回転の全権を委ねること。肩が限界まで廻ったらそこが終点、それ以上腕を廻そうなどとしてはいけない。もし腕がバックスウィングを継続したりすると、それは頭を正しい位置から強制移動する結果になり、増やしたかった筈のパワーは失われてしまう。

肩が腕の動きをコントロールすれば、頭はボールの後ろに留まる。インパクトに向っての身体の振り解きも正しく行なわれ、バックスウィングで生成されたパワーがちゃんと活きることになる」

[icon]

寒く、身体が縮まるような日のゴルフで、「出来るだけ距離を稼ごう」と大きくスウィングすることを心掛けたら、てんぷらやトップが多発。ある男が、「いつものあんたのスウィングは両手が肩の辺りなのに、今日はずっと高く、右肘も地面じゃなく後方を指してる」と云いました。よく見てますね:-)。その後はコンパクトなトップに抑え、いつものスウィングに戻しました。

何ごとも「過度」になってはいけません。

(November 05, 2008)


ティーアップのガイドライン

 

'Tips on the teeing up'
by Hank Haney ('Golf Digest,' September 2008)

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のスウィング・アドヴァイザーHank Haney(ハンク・ヘイニィ)のtip。

「ティーアップはクラブフェースとボールの間に草が挟まることを防いでくれる。草もそうだが朝露でさえバックスピンを減らしてしまうため、予測のつかぬことが起り得る。だから、許されている時は必ずティーアップするのが得策である。

・アイアンの場合はティーの頭が地面の少し上に出て、草の上に顔をのぞかせている程度が一般的である。

・ハイブリッドではアイアンよりやや高めで、地面から1/2インチ(1.3センチ)上。ハイブリッドはクラブヘッド底部に重心があり、ボールの下を振り抜くことがテクノロジーの恩恵に与るコツである。

・フェアウェイウッドでは、ボールの上部1/4がフェースの上に出ているようにティーアップする。

これらはあくまでもガイドラインなので、プレイヤーは自分のスウィングの傾向に応じて調節されたい。ボールを高めに(あるいは低めに)打つ人は、ティーの高さでボール軌道を調整出来る」

 

(November 10, 2008)


パットとボール

'Reading Greens'
by John Klocksin with Al Barkow ('Golf Illustrated,' Jan./ Feb., 2001)

「ボールの種類によって、パットした時の反応が異なることに注意。

飛距離が売りの硬めのボールは、パターフェースが接触すると迅速に反応し急発進する。だから、しっかり打つ必要はない。スピンが売りのソフト・カヴァーのボールはその反対である。

上の事実はパッティングの練習の際にも重要である。ラウンド前や、絨毯の上での練習でも、常に同じ種類のボールを使うべきである」

(November 10, 2008)


Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のバンカー・ショット

'Belt buckle to the target'
by Tiger Woods ('Golf Digest,' October 2008)

「グリーンサイドのバンカー・ショットにおける下半身の役割についての誤解の多さには驚くほどだ。《バックスウィングではおとなしい下半身、ダウンスウィングからフィニッシュまでは活発な下半身》、これが原則だ。

多くのアマチュアは手と腕主体のスウィングをし、下半身を殺してしまうため、結果的にスウィングを減速し、最悪の場合ボールを出せないことさえある。

下半身をターゲットに向って回転させることが、ボールを弾き出し加速させる助けとなる。《ベルトバックルをターゲットに向けろ》を実行されたい。下半身をインパクトにかけて動かし続けること。これが出来れば、上手いバンカー・プレイヤーになれるのは間違いない」

(November 14, 2008)


パンチ・ショットをマスターする

 

'Playing the punch'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' October 2008)

「木の下からの脱出や強風の中のアプローチ・ショットでパーを拾うには、パンチ・ショットは頼りになる味方である。パンチ・ショットの目的はボールを低く、ストレートで正確に保つことである。

パンチ・ショットは通常のアプローチ・ショットの代わりともなる。グリーンまで150ヤードだが、その両脇にバンカーが待ち受けている状況を考えてみよう。普通の選択のクラブとショットがフェードやドローによってバンカーに入る危険を冒す代わり、長めのクラブでストレートなパンチ・ショットをすることが出来る。

1) ボール位置はスタンス中央からやや後方。これがロフトを減らし、ボールを低く飛行させる。
2) 主に腕を使ったスウィングで3/4スウィングをする。
3) ダウンからインパクト後まで手首を固く保ち、両手は“静か”であること。
4) 低く短いフォロースルー。

スムーズなリズムを維持し、減速したり急いだりしないように。これは練習が必要なショットだが、一度マスターすれば、必要に応じて取り出せる偉大なショットとなる筈だ」

 

(November 19, 2008)


5〜12 mのパットを寄せる尺度

'Make every four-footer'
by Jim Murphy ('Golf Magazine,' October 2008)

これは中々面白い方法です。手と腕の感覚だけでなく、“物差し”を利用するラグ・パット成功の秘訣。

「1) パターヘッドを右爪先まで後退させ、通常のテンポとリズムでストロークする。ボールが停止したら、距離を計測する。それは5〜6メートルの範囲内にある筈だ。

2) 今度は両手を(パターではない)右爪先まで後退させてパットする。この結果、ボールは8.5〜9メートルの距離に達する筈だ。

3) 次に、両手が右爪先の外側(右側)になるまで後退させる。このストロークは約12メートルのパットになる筈だ。

この方式は五分で習得することが出来る。これは他のアイアンで中間の距離を打つのと同じことで、6〜8メートル、9〜11メートルなどのパットではバックストロークの尺度(右爪先基準からの距離)を増減させなくてはならない。

重要なことは、ラグ・パットにおいてはストロークの長さで距離を調節するということである。打つ強さや動きの早さを変えてはいけない。パットのリズムとテンポは、常に一定にしておくこと」

(November 26, 2008)


ハイブリッドでパンチ

'Punch your hybrid'
by Jason Carbone ('Golf Magazine,' November 2008)

「ハイブリッドは本来ボールを上げるように設計されている。木の下を潜るような低いボールは、元はロングアイアンの役目なのだが、最近はロングアイアンはハイブリッドに置き換えられているのが普通である。しかし、ハイブリッドで低いボールを打てないわけではない。

最もロフトの少ないハイブリッドを選ぶ。あなたがインパクトでロフトを増すような動きをしない限り、ハイブリッドでも低いボールを打てる。次の各ステップを実行すること。このテクニックは通常のハイブリッドの75%の飛距離となる。

1) 狭めのスタンス(腰の幅)をとり、60%の体重をターゲット方向の足にかける。

2) ボールに近く立つため、クラブを1インチ(約2.5センチ)短く持つ。

3) 3/4スウィングをするが、身体は充分に捻転させる。身体は回転させるものの、スウェイは厳禁で頭はボールの位置から横移動させないこと。

4) 腕の過剰な動きを封じながらボールを打つ。インパクトで両手のグリップのV、シャフト、右の向こう脛など全てが左肩を向くように。こうすればハイブリッドのロフトを減少させ、お望みの極めて低い軌道が得られる」

(December 03, 2008)


肩の廻し方一つで15ヤード増

よく「左肩を顎の下まで廻す」と云われます。そのためには「顎を上げろ」という理論と「顎を上げてはいけない」という理論が対立しています。下の記事は顎を上げないメソッドの一つ。

インストラクターMartin Hall(マーティン・ホール)はThe Golf Channel(ゴルフ・テャネル)のレギュラー講師。

'Gain 15 yards'
by Martin Hall ('Golf Magazine,' January 2009)

[chin]

「練習場か裏庭で素振りをする前に、左側の顎にシェーヴィング・クリームを直径5センチほどの円にして塗る。【図参照】

普通のバックスウィングをし、トップで数秒間一時停止する。そして、左肩をチェック。

あなたの左肩にシェーヴィング・クリームがついていないとしたら、あなたは顎の下に肩を廻しているか、あるいは全く肩を廻していないかどちらかだ。このような肩の回転はパワーの欠如やポッポアップ、スライス、プルなどの結果に繋がる。

もう一度、素振りをしよう。今度は顎のシェーヴィング・クリームが肩に移ってしまうような回転をしてほしい。この時、あなたは背中がターゲットを向き、バックスウィングではスウィング・プレーンがややフラット目になると感じるべきだ。この二つがパワーを得るための重要な鍵である」

(December 09, 2008、改訂June 03, 2015)


ショート・アイアンでドローを打つ

ショート・アイアンでは弾道を曲げられないと思っていました。私はミドル・アイアン〜4アイアンならフックは簡単に打てるので、ショート・アイアンでもフックをかけようと努力したことが何度もあったのです。しかし、プル・フックになって林に打ち込むか、フックがかからずに真っ直ぐ突き抜けてしまうケースがほとんどで、すっかり諦めていました。次の記事を読むとショート・アイアンでもボールを曲げられるようです(誰にでも可能というわけではなさそうですが)。

'Hit a short-iron draw'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' January 2009)

「あなたが早いクラブヘッド・スピードを出せるパワー・ヒッターなら、ショート・アイアンでドローをかけることも可能である。

1) 木などの障害物から充分にゆとりを持った飛行線を決定する。
2) その飛行線にスクウェアにアドレスした後、右足を1インチ(2.5センチ)下げてクローズ目のアドレスに変更する。
3) 通常のスウィング・プレーンから若干インサイド目になるようにバックスウィング。
4) 両手でクラブを引くようなダウンスウィング。
5) フィニッシュまで頭を残すこと。これは右手が充分にかぶったリリースをもたらし、ドロー・スピンをかける助けをしてくれる。

このショットは低く出て、飛距離が長くなり、通常よりランも増える。だから、それを計算に入れてクラブを選択すること」

(December 13, 2008)


Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)の 2mのパットの秘訣

“パット名人”として知られ、アメリカ・チームが大勝利をおさめた2008年Ryder Cupのキャプテン補をも務めたDave Stockton(デイヴ・ストックトン)の、2メートルのパットを成功させる秘訣。

[Dave]

'How to make the six-footer'
by Dave Stockton with Guy Yocom ('Golf Digest,' October 2008)

「・パットを成功させようと思っても、意識的に努力するのは無駄である。試みに、紙にあなたの署名をしてほしい。次にそれと全くそっくりにもう一度署名してほしい。見られたものにならない筈だ。最初の署名は無意識に書かれたものだが、二度目は意識的な努力が加わっている。2メートルのパットも最初の署名のように、活き活きと無意識に行なわれるべきである。

・アマチュアはラインに気をとられ過ぎる。ミスしてもカップを16インチ(約40センチ)通過するように打つことだ。アドレスしたら、もうラインのことは忘れる。2メートルのパットではあまりにも攻撃的に(強く)打たないこと。カップの縁で蹴られてリップアウトする恐れがあるからだ。

・ストロークの前に、ボールが2メートル転がって行き、カップに沈む様子をヴィデオ再生のように視覚化せよ。イメージといえど、一度“成功”した後のパットは気が楽になる。ミスしたボールをかき寄せ、もう一度パットした時のことを思い出してほしい。それがいとも簡単に入ることも覚えている筈だ。二度目のパットほど楽にストローク出来るものはない。だから、視覚化で一度“成功”した後のパットも、楽な気持で打てるのである。

・緊張したパットのミスはプッシュになる。何故か?ボールを「通過する」ようなストロークでなく、ボールを「打つ」ストロークになるからだ。トンカチで釘を打つように、パターをインパクトで急停止させてしまうと、パターフェースはスクウェアにリリースされず、右を向いてしまう。止めてはいけない。パターを最後まで振り抜くように。

・ラインを決定する際、最も正確さが必要なのはボールがスタート直後の1インチ(約2.5センチ)の地点である。あなたの読みが正しいことを前提として、ボールがその1インチのスポットを通過することに全神経を傾けるべきだ。アドレスではそのスポットに目を釘付けにする。打った後もボールがその地点を通過するかどうか、目を凝らして見守ること。その結果、頭を動かすという極刑に値する罪を免れるだけでなく、ストロークもスムーズに行なわれるというおまけがつく」

(December 17, 2008)


フェアウェイ・バンカーからの長いショット

'Play long clubs from fairway sand'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' January 2009)

「ターゲット方向の顎が、長いクラブの弾道を妨げないだけ低いことが必須条件である。それさえOKなら、以下の方法によってショットを成功させることが出来る。

・グリーンサイド・バンカーでやるように足を砂にめりこませず、身体を安定させる程度にする。
・スウェイを避けるため、右の爪先を僅かに内側に向ける。
・1/2インチ(約1.3センチ)ほどクラブを短く持つ。
・ボール位置は左踵から1インチ(約2.5センチ)内側。
・ボールをクリーンに捉えるため、膝・腰をストレート気味にして立つ。
・低めにクラブを引き、通常のフル・スウィングの3/4のバックスウィング。
・フォロー・スルーまで充分に頭を固定し、背骨の角度を維持して、払うようにボールを打つ」

(December 19, 2008)


ダフリとトップを防ぐ

'Stop fat & thin shots'
by Brian Mogg ('Golf Magazine,' January 2009)

「フラフープがあればそれを使い、なければゴムホースか何かをスタンスの巾に丸めて輪っかを作り、地面に置く。

フラフープの輪の中でアドレスし、何度か(ボール無しで)スウィングし、腰の動きを観察する。バックスウィングでもダウンスウィングでも、腰が輪の中で回転するように務め、そこからスウェイして逸脱しようとする衝動を抑えること。

・ダフる人
 バックスウィングの際の腰の回転に注目する。あなたにはバックスウィングでボールから過度に遠ざかる傾向があるので、右腰を輪の右サイド内に納めるように努力する。そうすれば、あなたの体重は右足にかかり、上半身が右膝の上に乗っている感覚を抱く筈だ。

・トップする人
 ダウンスウィングの際の腰の回転に注目する。左腰が輪の左サイドにそって回転するように努力する。それは左腰を左足の上に保つということを意味する。もし、左腰が輪の外に滑り出してしまうと、ボールのてっぺんを打ってしまいがちになる。正しい感覚は、体重を左足の踵に向って移すことである」

(December 29, 2008)


前頁 ← | → 次頁



 Copyright ©  1998-2018   高野英二  (Studio BE)
[Mail]
 Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.