Golf Tips Vol. 115

手軽に鍛えて飛距離を増やす

'More speed, more power, more distance'
by Mark Wood ('Athlon Sports Golf 2006')

「飛距離を増すために最新のクラブを買う必要はない。鏡の中に映っているあなた自身を変えるべきなのだ。ただ、ひたすら強靭な身体を作り上げても柔軟性が伴わなければ意味がない。柔軟性だけで強靭さがなければ、これまた意味がない。二つが程よく混ざり合う必要がある。

・調整
 何でもいいから手近の健康器具を使う。ゆっくり段階的に進めること。多くの人があまりにも熱狂的にトレーニングを開始し、節々を痛め、そして挫折する。そうならないことが肝要。

・強靭さ
 ジム(フィットネス・センター)に通って大金を払う必要はない。単純に腕立て伏せをすればよろしい。これが最も簡単で安上がりである。回数を数えながら実行する。腕と手の位置によって、異なる筋肉を鍛えられることが分る筈だ。気楽に、しかし継続すること。家でも出張先でも。

・柔軟性
 柔軟性は持って生まれたものだと云われる。しかし、その気になれば限界を突破出来る。私自身、数年前は手が爪先に届かなかったものだ。個人に合ったストレッチングや柔軟体操を続けること。

・スピード
 クラブヘッド・スピードは持って生まれたものだが、これも変えることが出来る。'Speed Stik'などのクラブヘッド・スピードを測れるものを毎日振る。左手一本や、右手一本で振って両方を鍛えるとよい」

【参考】「飛距離を伸ばすトレーニング」(tips_13.html)

(May 29, 2008)


マークのルール

 

'On your mark'
by Gene Westmoreland ('Senior Golfer,' August 1999)

「ゴルフ・ルールは『グリーン上でボールを拾い上げる前にマークせよ』とは云うが、どういう風にマークするかには言及していない。例えば、『コインやボールマーカーでボールの手前にマークせよ』とは云っていない(PGAツァーのローカル・ルールではそうなっている)。だから、マークの決まりは定かでないのだが、PGAツァーのガイドラインに従っておけば安心だろう。

ボールをマークするのに木の葉や花びらを使うのは構わないが、これらはプレイヤーが傍を通過したり、突風によって動き易いので勧められない。パターのトゥをマークにするのは手っ取り早いし、これもルール違反ではない。しかし、パターを不用意に動かしてしまうこともあるので、これもいい習慣とは云い難い。

ボールがリプレースされたら、マーカーの有る無しにかかわらずそのボールは“インプレイ”の状態になる(Rule 20-4)。【編註:この記事では「ボールのロゴや線によって狙いを定めるためにボールの向きを調整するのは、マークしてもしなくても許されない」とあるのですが、現在のルールではマークしたボールをグリーン上で回転させて向きを調整するのは許されています。TV中継でもよく見られる光景ですし、USGAにも確認しました。(Decision 18-2a/33)】

腰痛に悩むゴルファーへのtip。ボールをマークし、拾い上げるのはプレイヤー自身でも、パートナーでも、プレイヤーが認めた誰でも出来るのである。リプレースもプレイヤー自身、パートナー、ボールを拾い上げた人のいずれでもよい。ただし誰がボールを拾い上げ、リプレースしたにせよ、ルール違反の責めはプレイヤーが負うことになる」

 

(June 04, 2008)


Watson(ワトスン)とWoods(ウッズ)の過失

'Tom's Trouble'
by Gary Faulhaber and editor of the 'GolfWorld' ('GolfWorld,' May 09, 2008)

これは読者の投稿に編集者が答えたもの。

「Q:2008年のMasters第二日目、私はNo.3グリーンの傍に座っていた。Tom Watson(トム・ワトスン)は、自分のマークが他のプレイヤーのラインを邪魔するため、元の位置からずらしてマークしたが【編註:何かの目標に合わせて、通常パターヘッド分ラインの横にずらしてマーク】、自分がパットする段になって元のマークに戻すのを忘れてしまった。ギャラリーはそれに気づいていたが、Tom Watsonがパットする前に注意していいものかどうか誰も知らなかった。結局誰も注意せず、彼は2ペナを課せられ、元の位置からもう一度パットさせられた。われわれ観客はどうすべきだったのか?

A:声を出すべきだった。この状況でTom Watsonに知らせるのはルール8に違反するものではない。そこでは助言について触れられているが、それはファンの助言を禁じていない」

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元の位置に戻すのを忘れる過失というと、思い出すのはTiger Woods(タイガー・ウッズ)20歳の時の一件です。彼は1991年から1993年にかけて(15歳〜17歳)U.S. Jr. Amateur(全米ジュニア・アマ)に三年連続優勝。さらに、その翌年から二年連続U.S. Amateur(全米アマ)に優勝。そして迎えた1996年は、Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)もJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)も果たせなかった、三年連続全米アマ優勝という栄誉がかかっていました。

その決定戦、相手は19歳のフロリダ大二年生Steve Scott(スティーヴ・スコット)。決定戦は36ホールのマッチプレイで争われます。Steve ScottはTigerに5アップと大差をつけ後半戦まで優位に立っていましたが、Tigerが妙技の連続で追い上げ、Tigerが2ダウンと縮まっていました。34ホール目(残り3ホール)のグリーン、Steve Scottは長いパットを沈め意気揚々と自分のバッグの方に戻りかけましたが、ちらと振り返って、次のパットに臨むTigerに声をかけました。画面上では分らなかったのですが、アナウンサーたちによれば「マークを元に戻せよ」と注意したのだそうです。Tigerは移動したマークから(戻すのを忘れて)パットしようとしていたのでした。解説者もアナウンサーもSteve Scottのスポーツマン精神を讃えました。

もし、Tigerが元の場所にマークを戻さなかったら、マッチプレイですから「そのホールの負け」になるところでした。Tigerは続く二ホールで勝ち、勝負はサドンデスのプレイオフにもつれ込み、二ホール後にTigerが1アップで勝利しました。

Steve ScottがTigerのボール位置について注意しなければ、勝敗の行方はどうなっていたか分りません。Tigerの前人未到の全米アマ三連勝の蔭には、この「グリーン上のマーク」にまつわる美談が存在するのです。

(June 04, 2008)


インパクト・シールを買わずに済ます

クラブフェースに貼ってボールを打つと、インパクトの痕(あと)によってフェースのどの部分で打ったかを知ることが出来る「インパクト・シール」。これが買えない人、買いたくない(ケチな)人のためのtip。

'Mark your golf ball to help your game'
by Bill Stasinski ('Golf Illustrated,' July/ August 2006)

「ボールにマーカーで硬貨大の丸を描く。その反対側にも同じものを一つ。ティーグラウンドから打つ時、丸の一つがクラブフェースに対面するようにティーアップする。打った後、マーカーの痕跡が残って、自分がフェースのどの部分で打ったかが分る。この痕跡は指先で簡単に消せる。二つの丸を交互に使えば、ワン・ラウンドは充分に保つ。必要なら塗り直せばよい」

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原文では"marker"となっていて、写真を見ると明白にマジック(パーマネント・マーカー)を使っています。黒丸もテカっているので、ハイライターではありません。インパクト・シールであれば打ちっ放し練習場で使えるのですが、練習場のボールに勝手にマジックを塗ることは出来ません。ですから、上のtipの筆者(読者の投稿)も本番のラウンドで、自分のボールを使っているわけです。

当然、コンペなどではこの方法は使えないでしょう(ルール違反ではないとしても、その嫌疑をかけられる恐れあり)。クラブに付いたマジックの痕跡が「指先で簡単に消せる」かどうかも疑問です。たとえ消せても指先が真っ黒になることでしょう。このtipについて、当方は一切の責任を持ちませんので、私に抗議したりしないで下さい。

(June 07, 2008)


John Daly(ジョン・デイリィ)式・飛距離を増やす方法

'John Daly's "secret" to longer drives'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' July 2008)

「数年前のこと。ファンの一人がJohn Dalyに歩み寄り、ティーショットの飛距離を僅かでも増やす方法を教えてくれと頼んだ。John Dalyは『こうすればいい。ティーアップする時、ボールが落ちない程度にティーをぎりぎりターゲット方向に傾(かし)げるんだ』と云った。それを聞いたファンは驚嘆した。『その方法はこれまで聞いたことがない。いったい、どの位の距離が増えるんだろう?』John Dalyは答えた、『んー、多分1インチだろ』」

1インチは約2.5センチ。そこまでティーを傾げられればすごい技ですが。

(June 13, 2008)


続・インパクト・シールを買わずに済ます

クラブフェースに貼ってボールを打つと、インパクトの痕(あと)によってフェースのどの部分で打ったかを知ることが出来る「インパクト・シール」。これが買えない人、買いたくない(ケチな)人のためのtip、第二弾。

'Find the Sweet Spot'
by Ed Ibarguen ('Golf Magazine, July 2008)

ボールにマジックを塗るより簡単。サンスクリーン(日焼け止め)をドライヴァーのフェースに、薄く均等に塗ります。スプレー式なら超簡単でしょうね。

「・トゥで打っている場合
 ボールから離れ過ぎたアドレスをしているか、ボールをスタンスのあまりにも前方(ターゲット方向)に置いているのが原因。もしボール位置は正しいと思うなら、スウィング軌道がインサイド・アウトになるように試みること。

・ヒールで打っている場合
 ボールに近すぎるようにアドレスしているか、スタンスのあまりにも後方にボールを置いているのが原因。フェース中央で打てるようになるまで急角度のバックスウィングを試みること。

なお、クラブフェースに公認されていない物を付着させるのはルール違反なので、これは練習場でだけ使える方法である」

(June 13, 2008)


続々・インパクト・シールを買わずに済ます

私は既に「インパクト・シールの作り方」(tips_71.html)という記事を掲載していましたが、それはプリンタ用の感熱紙(特にラベル用紙)を使うアイデアでした。五年前の当時でも、感熱紙は絶滅危惧種だと思っていたほどですから、もう完全に売られていないと思い込んでいました。間違いでした。

ある読者からお伝え頂いた情報によれば、まだプリンタ用や、Fax、レシート用として感熱紙は売られているそうです。この方は感熱紙の裏に両面テープを貼ってインパクト・シールとして利用されているとのこと。ただ、用紙が薄いのでウッドではすぐ破れるそうです。白い感熱ラベル用紙があれば最高なんですが。

(June 16, 2008)


体重移動について

Dr. T.J. Tomasi(T.J.トマシ博士)はPGA of Amaricaのインストラクターであり、Keiser(カイザー)大学の教授兼ディレクターでもあります。10冊以上のゴルフ・インストラクション本を執筆し、新聞連載のコラムも持つ人気インストラクター。

'It's Good for Your Game'
by Dr. T.J. Tomasi (Andrews McMeal Publishing, 2003, $12.95)

「ゴルフにはそれほど多くの基本というものはなく、その基本の多くは融通がきく範疇である(クラブの握り方とかスタンスの方法などは幾通りも存在する)。数少ない融通のきかない基本の一つは、いいゴルフ・スウィングに不可欠な体重移動である。

プレイヤーはボールの横に立たねばならず、否応なく身体を回転させなくてはならない。ボールから遠ざかる時(トップ)はほとんどの体重が右足にかかり、ボールに近づく時(ダウン・スウィング)には体重は左足に移動しなければならない。どれだけの体重を移動させるべきかは、体型、強靭さ、柔軟性、使用クラブなどによって異なる。しかし、ドライヴァーで80%、アイアンではやや少なめ、ウェッジではほんの少しと云ってよいだろう。

体重を乗せても大丈夫な板を見つけ、古いクラブか箒(ほうき)の柄の上に渡してシーソーを作る。5番アイアンを手に、板の上に乗ってスタンスをとる。板の左側が地面につく。スロー・モーションで何度かスウィングする。トップでは板の右側が接地する。腰をスライドするのではなく、回転させるべきであることに注意。ダウンスウィングでは板はまた左側に傾(かし)ぎ、左腰が回転軸の中心となる。この練習は《股関節にかかる体重が回転の中心となる》という基本を教えてくれる」

(June 30, 2008)


バウンスの話

最近人気上昇中のインストラクターRoger Gunn(ロジャー・ガン)によるウェッジの蘊蓄。

[Bounce]

'3 ways to improve your wedge play'
by Roger Gunn ('Golf Illustrated,' March/ April 2006)

「ウェッジのデザインの特徴についてだけでも生涯話し続けられるほどの私だが、ここでは二つの型だけに話を絞ろう。掘るタイプとスライドするタイプの二つである。ウェッジの全てにはフェースの裏側に"bounce"と呼ばれる金属の塊がある。

【編註:"bounce"はどんな辞書を引いても「バウンス」という発音記号になっています。「バンス」と云ったり書いたりするのは、日本方言です】

正しいバウンスをどう知るか?あなたのホームコースに芝があまりなくて固い地面であったり、バンカーにあまり砂がない場合、バウンスの少ないウェッジがよい。もし、ラフが青々と生い茂っていたり、バンカーに砂が多い場合、バウンスの多いウェッジを選ぶべきだ。

あなたのコースに合わないバウンスのウェッジを用いていると、いくらあなたのテクニックが良くてもボールとのコンタクトがうまく行かないことになる。

バウンスを使いこなすと、たとえフェアウェイからであっても許容度の高いインパクトが得られる。クラブフェースをオープンにする(寝せる)と、バウンスが露出する。完全にスクウェアだったり、グリップがターゲット方向に傾いだアドレスでは、バウンスは露出しない。クラブを若干オープンにしバウンスを露出すれば、ボールとのソリッドなコンタクトが出来るかどうか心配する必要もなく、クラブを充分にスライドさせることが出来る。この方法であれば、もしボールの数インチ後方を打ったとしても、大怪我にはならず、そこそこの結果が得られる。地面を掘ってしまうと、それがボールのほんの一寸後ろであっても、目を覆うべき結果になってしまう」

【おことわり】図はwww.bo-knows-golftips.comにリンクして表示させて頂いています。

(July 07, 2008、改訂June 02, 2015、増補January 08, 2017)


ハンデ別中間クラブ対策

'How to stiff it when you're between clubs'
by Steve Bosdosh ('Golf Magazine,' August 2008)

「あなたはフェアウェイで悩んでいる。ピン位置は、7番アイアンの快適なショットだと5ヤードショートし、6番アイアンのいい当たりだと5ヤードオーヴァーするという距離だからだ。

・あなたのハンデが10以下であるか、ピンが手前でハザードがグリーン後方にある場合

 短いクラブ(上の例では7番アイアン)を選び、強めに打つ。ボール位置はスタンス中央よりも後方にし、シャフトを前傾させる。結果的にロフトが減り、7番アイアンは6.5番アイアンとなる。充分にバックスウィングし、インパクトではボールをクラブフェースと地面で挟みつけるように打つこと。仮にもボールをクリーンに打とうなどとすると、ショートしてしまうので注意。

・あなたのハンデが11以上であるか、ピンが後方でハザードがグリーン手前にある場合

 長めのクラブ(上の例では6番アイアン)を選び、3/4スウィングをする。大概の場合、これが有効な攻め方である。ソフトな軌道をイメージし、間違っても目一杯の力で打ったりしてはいけない。以下の手順を採用すること。

1) クラブを1〜2インチ(2.5〜5センチ)短く持つ。これがコントロールを良くする。ボール位置は左踵の前方で、両手はボールの真上に置く。
2) 3/4のバックスウィングをする。どこが3/4か分らなければ、両手が肩の高さのところで止めればよい。
3) スピードを変えずにダウンスウィングし、3/4のフィニッシュをする。短いフォロースルーだが、身体の正面がターゲットを向くように心掛けること」

(July 10, 2008)


ドライヴァーに靴下を履かせる

'Learn from the long drivers'
edited by Warren Keating and David DeNunzio ('Golf Tips,' May 2002)

「世界ロング・ドライヴ選手権大会」参加者の中の16人が語る、ロング・ドライヴの秘訣。ここではEric Lastowka(エリック・ラストウカ)のtipを。

「ボールをより遠くに飛ばす唯一の道は、スウィング・スピードを増すことだ。私のトレーニングもそれを目的として行なっている。スウィングの複雑さとは逆に、私が発見した効果的な練習道具は極めてシンプル。それは古いソックスなのだ。クラブヘッドに靴下を被せ、ホーゼルの辺りで輪ゴムで止める。先っちょは引っ張って長く垂らす。大した重さも加えていないのに、靴下がスウィング・モーションに結構な抵抗を与える。20回か30回スウィングし、靴下を外してクラブを振ると、加速の度合いとそのスピードに驚くだろう」

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インストラクターMike McGetrick(マイク・マゲトリック)の「タオルでスウィング」(tips_99.html)というtipもありますが、それは長いタオルをヘッドに結んで振るので、砂埃は立つわ、巻き上げたゴミが降って来るわ…で、あまり快適でない代物でした。靴下なら大丈夫。ただし、最近のSumoタイプのヘッドに靴下を被せられるかどうか疑問だったので、市営ゴルフ場のプロ・ショップにある四角いヘッドに試しに靴下を履かせてみました。OKです。これは、どんなドライヴァーにも有効なtipです:-)。

(July 17, 2008、改訂June 02, 2015)


スロー・プレイを無くす方法

これはアマにもプロにも応用出来る方法で、私の独創的(?)アイデアです:-)。

ゴルフのルールを改定し、《各ホールの各人のスコアの最低をパーとする》とします。例えばパー4のホールで、三打でオンしないプレイヤーはパットする権利を失います(パーは明らかに絶望だからです)。「パットしなくていい」のではなく、「パットは許されない」のです。《プレイヤーがそのホールのパーを消費したら、その時点でそのホールのプレイを終了する》というルールを追加します。パー4で三打でオンした人は、第一パットだけが許されます。

パーで上がったプレイヤーの、そのホールのスコアは「ゼロ」です。18ホールのパープレイも当然「ゼロ」。パーを得られなかったプレイヤーの、そのホールのスコアは「+1」で、これを足して行きます。18ホールでパーが一個もないプレイヤーのスコアは「18」です。

つまり、この方法はバーディ、イーグル、アルバトロスにしか注目しません。これらはそれぞれマイナスのスコアとなります。

私が8オーヴァーで廻った日のスコアをこの方式で計算し直してみますと、アウトでは二つのホールでパットが許されずスコアは+6、インではあるホールでパットが許されず、あるホールでは2パット目を制止され、一個のバーディがあってスコアは差し引き+2でした。奇しくも、合計はちゃんと8オーヴァーになっています。

ついでですから、私が6オーヴァーで廻ったスコアも再計算してみましょう。アウトではあるホールでパット省略、一個のバーディがあって差し引きスコアは+4。インでもあるホールでパット省略、一個のバーディがあって差し引きのスコアは+2。この場合もちゃんと6オーヴァーになります。

「嘘だろう!」ですって?嘘ではありません。しかし、常にこのように本来のスコアと同じになるわけではありません。私が15オーヴァーだったラウンドを再計算してみますと、18ホールでパット省略は計四ホール、スコアは+12という結果でした。同じではないものの、結構近いとも云えます。

この方法の目玉はラウンドのスピードアップです。パーオンする人は2パット目までプレイ出来ることになり、パーオンしなかった人は寄せワンに希望を託すことになります。その他の人は他人のパットをただ見物するだけ。3パットや4パットは存在しなくなります。いかに、プレイがスピーディになるか想像出来るでしょう。初心者が多いコンペには有効だと思います。

この方式は「パーが基本」というゴルフの原点に立ち返ると共に、人々にパーオン率の重要性といかにショートゲームの修練が大切であるかを認識させてくれる方法でもあります。

(July 17, 2008)


ハット・クリップを作る

通販カタログでは"hat (or cap) clip with ball marker"と呼ばれているもので、帽子をかぶっているLPGAプロの大半はこれを帽子のツバにつけています。私はこれまでいくつもいいボール・マーカーを持っていたのですが、全て失くしてしまいました。マーカーをポケットに入れると、手袋を出す時に一緒に出て来て地面に落ちてしまうようです。クリップで帽子に止めるのであれば、失くす心配はありません。

市営ゴルフ場のプロ・ショップでハット・クリップを見せて貰ったら、在庫の二種類(価格9ドル)はどれもミシシッピ州の大学のマスコットをモチーフにしたものでした。こちらの人の愛校心は凄まじく、死ぬ迄母校を応援し(特にフットボール)、自動車やゴルフカートにも母校の名やマスコットのシールを貼付けています。お役所から、大学のマスコット入りの正式なライセンス(ナンバー)・プレートさえ購入出来るほどです。

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私はミシシッピの大学を出たわけではないので、プロ・ショップのハット・クリップはパス。で、写真のようなハット・クリップを自作してしまいました。

1) 磁石
 ある大病院の宣伝用プラスティック物差しについていた磁石部分を剥がして使用。

2) クリップ
 金属製巻き尺についていた、ベルトに差すクリップ部分(金属)を取り外して利用。

3) ボール・マーカー
 よくあるプラスティックのマーカーの“足”の部分を削って平らにし、そこに(1)の磁石を強力瞬間接着剤でくっつけました。スマイル・マークは、ゴルフ雑誌か何かが送って来たシールを貼り付けただけ。

以上、新たに買ったものはゼロ。タダですが、ちゃんと役に立っています。磁石はとても強力なのでマーカーが失くなる心配もありません。

(August 11, 2008)


ボールの発射角度を知る

 

これは最近流行のローンチ・モニタに関する記事ではありません。ローテクに分類さるべきtipです。

あるアイアンを打とうとしている場合、そのロフトによって果たして木のてっぺんを越えられるものだろうか?という疑問が湧く時があります。逆に、木の下をくぐるショットをしようとしているのだが、本当に木の枝に当たらないでボールがくぐって行けるだろうか?という疑問が湧く時もあります。そういう場合、憶測ではなく、そのクラブが生み出す軌道(高さ)を知る方法を教えようじゃないの…というのが、このtipです。

'Pick a club to chip'
by Shawn Humphries ('Golf Magazine,' September 2008)

「以下の方法は、どのアイアンにも通用する。

1) クラブを、フェースを上に、シャフトをターゲットに向けて地面に寝せる。
2) 足でフェースのリーディングエッジ方向から踏みつける。
3) 持ち上がったシャフトの角度が、そのクラブの生み出す発射角度である」

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同じ方法は、実はAnnika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)が彼女の'Golf Annika's Way'(2004)で紹介していました。ただし、バンカーの顎を越えられるかどうかという際に使うtipとしてでした。バンカーにクラブを置いて踏みつけるというのは尋常じゃありません(違法です)が、他の場所で木を越える、バンカーを越える、土手を越える…というような場合にはとても有効な方法だと思います。

私は高い木を前にした時、ウェッジ・ショットがその一番下の枝の下を楽々くぐり抜けられると信じて、何度も裏切られています。ウェッジ・ショットの軌道(高さ)はベラボーに高いのですが、その高さをちゃんと実感していないんですね(何年ゴルフやってるんだ)。

 

(August 13, 2008)


【追記】本日のラウンドで木を越えるショットというのはなかったので、ラウンド終了後、以前に失敗したことのあるNo.18のフェアウェイ右側の松の木の後ろでテストしてみました。木は高いので到底上は越せず、枝の下をくぐる選択肢しかありません。残り120ヤードですが、グリーンが砲台なので130ヤード欲しいところ。

私にとって130ヤードは7番アイアン。7番アイアンを地面に寝せ、フェースを踏みつけてみました。明らかにボールの軌道は松の枝に阻まれることを示していて、ここで7番アイアンは使えないことが分ります。

木の真後ろではなく、運良くもう少し木の左側にボールがある場合を想定してみました。ここだと、松の枝は急激に上に向って伸びており、7番アイアンを踏みつけての計測でもギリギリ枝を避けて打てそうです。打ってみました。二発とも枝に当たってしまいました。6番アイアンではどうか?これも「クラブ踏みつけ計測」ではゆうゆう枝の下をくぐって行けそうでした。しかし、打ってみると、これまたボールは枝に当たりました。

このtipの注意点は、地面が平らであるかどうかにかかっています。水平という意味ではなく、凸凹があるかないかです。凸凹があると、クラブヘッドを寝せる角度が簡単に変化し、かなりの誤差が出ます。

また、プレイヤーの打ち方によってもボールの軌道は変わります。ボール位置をスタンス前方にすればボール軌道は上がりやすく、後方にすれば低めの弾道になります。

「クラブ踏みつけ計測」を実施しても、以上の二点に影響されるとショットは成功しませんので御注意下さい。

(August 15, 2008、改訂January 20, 2017)


ロー・テク練習道具

'Simply effective'
by E. Michael Johnson ('Golf World,' July 18, 2008)

「あるLPGAツァーのトーナメント会場の練習グリーン。パラグワイ生まれの若手プロJulieta Granada(フリエッタ・グラナダ)の母親兼キャディのRosa(ローザ)は買い物袋に様々な物を詰め込んで現われた。それらは物差し二本、ヤード・スティック(ヤード尺)、編み棒などであった。Rosaは娘の練習中に編み物をするつもりではなかった。それらは全てパット練習の道具だった。

ヤード・スティックの端にある穴に編み棒を通してグリーンに刺す。これによってJulieta Granadaはいまどれだけの距離のパットを練習しているか、明確に認識出来る。物差し二本は、パターヘッドが通過出来る幅に平行に並べ、ストレートなバック・ストロークとフォワード・ストロークをするための道具だった。

ツァー・プロたちの多くはローテク(あるいは手作り)の練習道具を好む。パッティングに関しては特にそうだ。パターヘッドの幅に二本のティーを立てて、その間をストロークするとか、chalk line(チョークライン、白線を引く大工道具)などを使うプレイヤーはかなり多い。

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Davis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)は2007年に足首の手術をした。彼がギプスをしながらもパッティングの練習をしたがった時、コーチのJack Lumpkin(ジャック・ラムプキン)は、古いPING製のパット練習用ボールを渡した。それは半分が黒、半分が白く塗られているもので、コーチは『絨毯の上でこれを真っ直ぐ転がせ。ぐらつかせちゃいかん。それがあんたの仕事だ』と云った。Davis Love IIIは『他に何も出来ないので、息子と一緒に車庫へ行き、二人で真っ直ぐ転がそうと努力した』とのこと」

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実は私もPING製の二色ボールを持っています。ゴルフ仲間の一人がくれたもので、これは緑と白に塗り分けられていて、"PING EYE2"という文字が印刷されています。昔はボールに線を描く道具など売っていなかったので、こういうボールが重宝がられたのでしょう。現在は、何もこのPING製ボールを探さなくても、ボールを一周する線を引けば同じ効果が得られます。ボールの線がぐらついて転がるということは、ストロークが真っ直ぐではなくボールにサイドスピンを与えていることを意味します(左右どちらかへ斜めの軌道で打っている)。サイドスピンはボールの回転を直進ではなくどちらかへ曲げてしまうと同時に、口惜しいリップアウト(カップに一旦入りかけて出て行ってしまう)の原因となるものです。

(August 21, 2008)


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