Golf Tips Vol. 113

自信のレヴェル [Going Low]

スポーツ心理学者Patrick Cohn, Ph.D.(パトリック・コーン博士)による可能性を信じることの重要性。

'Going Low'
by Patrick Cohn, Ph.D. (Contemporary Books, 2001, $22.95)

「何かを達成しようという場合、あなたの確信の強さの違いによって次のような自信のレヴェルがある。

1) Maybe I can do this. (多分遂行出来る)
2) I think I can do this. (遂行出来ると思う)
3) I know I can do this. (遂行出来るのは分ってる)
4) I will do this. (遂行するのだ)

大概のアマチュアは最初の二つの間のどこかで揺れ動く。これは後の二つほど強固な確信ではない。目覚ましいラウンドをするために最も重要な起爆剤は、あなたのゴルフの技量とスコア・メイキングの能力を信じることである。あなたは自分が90、80、70を切る可能性をどれだけ信じていますか?それが現実のものとなることを何度も何度も考えているだろうか?もし初めて90、80、70を切ることがあなたに可能であると考えているなら、それが実現する確率はきわめて高い」

(November 08, 2007、改訂June 02, 2015)


プロセスこそ命

「結果でなくプロセス(ショットなりストロークなり)に意識を集中せよ」というメンタルtipは、既にいくつも紹介しています。しかし、今回のは非常に明解で説得力のある言葉です。

'Focus on the stroke'
by Todd Anderson with Peter Morrice ('Golf Digest,' January 2008)

「かつて、スポーツ心理学者のDr. Dick Coop(ディック・クープ博士)が私にこう云った。『パットを成功させるということは絶対に出来ない。あなたに出来る全てはストロークすることだけだ』と。お粗末なゴルファーはあまりにもパットの結果(成果)について考え過ぎ、ストロークのプロセスについて考えない。パットの上手い人は、どうすればボールがカップに入るチャンスを増やせるかに意識を集中する」

これはパットだけに通用する言葉ではないと思います。アプローチ・ショットやピッチング、チッピングにも当てはまる言葉です。

最近の私の経験。その日、私はかなりの数のピン傍への短いピッチ・ショットを達成していましたが、チップ・インは一個もありませんでした。そうして迎えたNo.18のピンへ5メートルのショット。われわれは最後のチームだったので、既にプレイ終了していた十数名が冷やかし半分で見守っています。私は、自分が想定した着地点にボールを落すことだけに集中しました。ピン傍30センチにでも寄せられれば、やんやの喝采は得られなくても面子は保てます。チップ・インさせるという欲望は全くありませんでした。ボールは予定の着地点に落ち、するすると転がってカップに消えました。驚きの喚声が上がりました。

この時の私は「チップインでみんなをあっと云わせよう」(成果)などということに心を奪われておらず、まさにプロセス(着地点に打つ)に集中していたわけです。上のDr. Dick Coopの言葉を読んだのはその後でしたが、「やっぱり!」と納得したことでした。

私はDr. Dick Coopを信頼しています。彼の説くところは、いつも実践的で無理のない考え方です。スポーツ心理学の草分けDr. Bob Rotella(ボブ・ロテラ)は、「フリー・スローで、バスケットの近くにボールを抛ろうという選手なぞいない。誰もが篭の中に入れようとする。パッティングも絶対入れようと考えるべきである」と主張します。彼は一面では正しい。しかし、バスケットとゴルフは違います。フリー・スローは空中にボールを抛るもので、しかも室内です。距離は世界中で同じで、風はなく、傾斜も、芝目もなく、雨の後の湿度の影響もなく、条件は常に一定です。鍵は選手の筋肉の“いつも通りの”動きにかかっています。ゴルフには様々な要素がからんで来ます。プロでさえその日の予測不能な要素によって失敗することも珍しくないのです。プロのトップが93〜94%成功させるフリー・スローとは大違いです。

ゴルフでも狸を捕まえた後の栄光や満足感を考えるのではなく、どうすれば狸を捕らえられるかを第一に考えるべきだと思います。

(December 19, 2007)


もう手遅れ(?)の上達法

'Learn and practice behaviorally'
from 'Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'
by George Peper et al. (Harry N. Abrams, Inc., 1997, $45.00)

「ゴルフ入門者に最初に与えられる伝統的課題は、5番アイアンのフル・スウィングで篭一杯のボールを打てというものである。その結果、全米ゴルフ財団の調査によれば、二人の入門者のうち一人は欲求不満と上達の見込みがないことを理由にゴルフをやめてしまう。人間の行動科学を研究する学者たちは、ゴルフの習得法は(特に初心者の場合)逆コースで練習すべきだと考えている。

初心者は簡単なことから難しいことへ、1フィート(約30センチ)のパットから始めて次第に遠ざかって行くように、"behaviorally”(行動的、習慣的)に学ぶのがいいと実証されている。この方式だと、入門者も直ちに成功の満足感が得られ、連続する筋の通った階段を登って行くことになる。

二人のスポーツ心理学者が二つのゴルファー・グループについて調査した。一つは伝統的練習法のグループ(先ずフル・スウィング)、もう一つは行動的グループ(先ずパッティング)である。彼らが初めて18ホールのラウンドを行なった際、後者は前者より平均して17ストローク少なかった。また、後者は緊張もせず、かなり自信をもってプレイしたと報告されている。後者の2/3は(全く初めてなのに)100を切ってしまった。

行動的練習法のルールは簡単だ。ステップ1から始め、ステップ1をマスターするまでステップ2には移行しない。あるガイドブックの方法では、1フィートのパットを八回連続で成功させるのを最初に、カップから24インチ(約61センチ)に寄せる30フィート(約9メートル)までを10ステップに分けている。この10ステップを卒業したら、7ステップのチップ&ピッチに、次いで5ステップのアプローチ・ショットへと進み、最後にドライヴァーの練習をすることになる」

これは非常に示唆に富んだ記事です。ゴルフではないのですが、私の経験でこのセオリーそっくりのことがあります。

昨年から今年にかけて、私は二人のアメリカ青年に日本語を教えました。二人が非常に熱心だったので、私は初級会話を終えた段階で動詞の変化を教え始めました。パターンを飲み込んでしまえば、否定・肯定・仮定・命令などの構文を作るのは自由自在だと思ったからです。ところが、100個の動詞について、それを変化させながら文を組み立てるというのは、生徒にとっても教師にとっても退屈でした。これは、上のゴルフ入門に譬えれば、「5番アイアンがうまく打てるまで死に物狂いで頑張る」に匹敵します。いくら基本が大切でも、楽しくなく満足感も得られないのでは学習意欲は落ちてしまいます。

今年に入って、アメリカ人シニア数名に日本語を教え始めました。こちらは「初級会話オンリー」という設定でしたから、文法などは二の次で、ゲームや歌、生徒同士による質疑応答などをメインにしました。これは生徒も教師も楽しいのです。生徒たちは入門時から会話が成立する喜びを味わい、学習意欲も向上しています。これは上のゴルフ習得で云えば、パッティングで「自分はゴルフしてるんだ」という満足感を得ているのに相当します。

ゴルフにしても日本語指導にしても、子供相手にするとしたらどうでしょう?行動的練習法を取らない限り、子供たちはうんざりしてやめてしまうに決まっています。本当は子供も大人も同じなんですね。

子供時代に初めて海へ行った時、私は兄に水中に抛り出され、パニックになって塩水をたらふく飲まされました。それがトラウマで、いまだにカナヅチです。“獅子の教育”は駄目です。楽しくなくてはいけません。私は上のセオリーを全面的に支持します。

(December 19, 2007)


ゴルフ金言集 Part 17

以下の金言集は当サイトが独自に収集・翻訳したものです。無断転載・引用を禁じます。

「ゴルファーは結果を考え過ぎる。プロセスを楽しみ、プレイ出来る幸せを味わうべきだ」
Wendy Ward(ウェンディ・ウォード、LPGAプロ)

「行け行けムードの時は現在のスコアを維持しようなどと思ってはいけない。勢いに乗って、出来る限り少ない打数を目指すべきだ」
John Huston(ジョン・ヒューストン、PGAプロ)

「おれたちはピンを狙ったりしない。パットが楽な地点を狙う。ピンの上は最低だ」
Ted Tryba(テッド・トリバ、PGAプロ)

「失うものは何も無いと思えるなら、ミス・ショットの一つぐらい大したことではない。そういう考え方でプレイするのが一番だと思う」
Brian Claar(ブライアン・クラー、PGAプロ)

「(インサイド・アウトのスウィングは)野球で云えば一塁に向かって振り抜くこと。ピッチャーに向かってではない」
Tom Tomasello(トム・トマセロ、インストラクター)

「No.1でのボギーは眠っている脳を目覚めさせてくれることがある」
Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)

「ゴルフは車の運転に似ている。歳をとると用心深くなる」
Sam Snead(サム・スニード)

「ゴルファーとしての理想的体型は、強靭な両手、大きな前腕部、太い首、大きな太腿と平らな胸だ。これってまるでポパイだね」
Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)

「ダウンスウィングの後半では、両腕が肩の関節から抜けるのではないかという感じを抱くべきだ」
Jackie Burke Jr. (ジャッキィ・バーク二世)

「一人前のゴルファーになるには六年かかる。覚えるのに三年、それを忘れるのに三年だ」
Walter Hagen(ウォルター・ヘイゲン)

(January 04, 2008)


飛距離の損失

'The Distance effect of off-center contact'
from 'Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'
by George Peper et al. (Harry N. Abrams, Inc., 1997, $45.00)

「インパクトの瞬間、ボールはクラブヘッドが打ち放とうとする勢いに必死で(?)抵抗する。その抵抗はボールを扁平にしてしまうほどである。ドライヴァーの場合、ボールとクラブ間の圧力は1平方インチにつき1,000ポンドを越える。その力がクラブフェースの真ん中に加われば、クラブヘッドは捩じれたりせず実質上減速することになる。これが最大の飛距離が得られるインパクトの状態である。

しかし、クラブフェースの真ん中でないところでボールと接触したらどうなるか?インパクトでクラブヘッドが減速するだけなく捩じれも生じる。真ん中で打たれた場合より、トゥやヒール、天辺、底部など端で打たれたボールは先ず初速が遅くなる。

1990年代に、Titleistはドライヴァー、3番、5番、8番アイアンでテストを実施した。

アイアンの結果:
・クラブフェース中央から3/8インチ(約1センチ)上で打つと、2〜4%の飛距離減。
・クラブフェース中央から3/4インチ(約2センチ)下で打つと、4〜5%の飛距離減。
・クラブフェース中央から3/4インチ ヒール側で打つと、3〜4%の飛距離減。
・クラブフェース中央から3/4インチ トゥ側で打つと、6%の飛距離減。

ドライヴァーの結果:
・フェース中央から1/2インチ(約1.3センチ)上だと僅か2%の飛距離減。
・フェース中央から1/2インチ下だと9%の飛距離減。
・ヒールに1インチ(約2.5センチ)近いと14%の飛距離減。
・トゥに1インチ近いと7.5%の飛距離減であった」

数週間前、ドライヴァーにインパクト・シールを貼って試したら、私はヒールで打っていました。最悪の「14%減」だったわけです。飛距離減は歳のせいではなく、スウィングのせいでした。現在は応急手当でトゥでアドレスして、結果的にフェース中央で打てるように調節(インチキ?)しています。

(January 22, 2008)


プロに嫌われるアマの行動

'Local knowledge'
by editors of 'Golf Digest' ('Golf Digest,' March 2008)

「当誌が32名のPGAツァー・プロと彼らのキャディーたちから聞いた、プロ・アマ・ラウンドにおける重大なマナー違反の数々」

【編註:PGAツァー、LPGAツァー、チャンピオンズ・ツァーなどでは、トーナメント前のプロの練習ラウンドに、結構多額の料金を払わせてスポンサーや協賛企業の中から選ばれたアマを参加させます。これは地元名士サーヴィスでもありますが、開催費用の財源の一部になる重要な行事でもあります。これを拒んだプロは何らかの制裁を受けます。メイジャー・トーナメントといくつかの大トーナメントには、このプロ・アマ・ラウンドはありません】

「47%に達した一般的な答えは『他のプレイヤーが打とうとしている際に動くこと』だった。28%に達した二番目に嫌われる行動は『スロー・プレイ』だった。

Darren Clarke(ダレン・クラーク)は『まだパットが終ってない人がいるのにグリーンを出て行くこと』だと云う。

Bo Van Pelt(ボー・ヴァン・ペルト)は『アマチュアはどこに立っているべきかを知らない。打つ人の背中か胸が見えるところに立つべきだ』と示唆する。

Woody Austin(ウディ・オースティン)は『ラウンドのペースを守ることが最も重要だ。アマチュアはボールを取り上げる(大叩きしているホールを諦める)ことを拒んだり、どう打つか決断するまでにベラボーに時間をかけたりする』と指摘する」

(March 10, 2008)


抜くべきか抜かざるべきか?

 

'Pin in or out'
from 'Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'
by George Peper et al. (Harry N. Abrams, Inc., 1997, $45.00)

グリーン・エッジから寄せる際、ピンを抜いた方がいいのか、抜かない方がいいのかは議論の分かれるところでしょう。しかし、Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)は確固たる意見の持ち主です。何故なら、彼は1990年に'Golf Magazine'誌の依頼で、その疑問に関する実験を行なったからです。一つはグリーンにボールを転がし込む 'TrueRoller’と呼ばれる雨樋のような装置によるデータ収集で、もう一つはツァー・プロTom Jenkins(トム・ジェンキンス)のプレイによるチップ・インの確率でした。

'TrueRoller’とTom Jenkinsはフラットなラインや傾斜のあるライン、異なるグリーン、異なる強さで、異なる方向から何千発ものショットでチップ・インを目指しました。

Dave Pelzの結論:「グリーン外からチップする場合、ピンは抜くべきではない。ピンを抜くべき状況は次の三つしかない。1) ピンが手前に寄りかかっている場合(チップイン出来る隙間がない)、 2) 強風でピンがカップの中で揺れている場合、3) そのコースが規格より太い金属のピンを使っている場合。

'TrueRoller’装置によるテストでは、ピンを抜いた場合より抜かなかった時の方が33%も多くチップインした。プロのTom Jenkinsの場合、抜いた場合より抜かなかった時の方が18%も多くチップインした。

 

ボールが早く転がれば転がるほど、ピンを抜かない利点がある。言葉を換えれば、長いチップ、難しいライ、ダウンヒルなどの寄せでは抜くべきではないということだ。また、ピンのど真ん中に当たらなくても、ボールがカップに落ちる可能性は高い。ピンの端を打った場合でもピンがボールのエネルギーを吸収するため、ボールのスピードを減速してくれるからだ」

(April 04, 2008)


リッキオのパフォーマンス記録法

'Start with your stats'
by Lucius Riccio, Ph.D. ('Golf Digest,' May 2008)

コロンビア大学教授Lucius Riccio(ルシァス・リッキオ)は、1979年以来USGAのハンディキャップ委員会のメンバーで、コース・レイティング方式などの確立に貢献した人。画期的な「リッキオの法則」の発見・提唱者でもあります。今回は、スコアを減らすためにどう自分の弱点を見極めるか、その効果的記録法を教えてくれます。

「患者の健康データも知らずに診断を下す医者はおらず、自社の財政事情を知らずに新経営方針を打ち出すトップもいない。ゴルファーも同様であるべきだ。自分の掛け値なしのパフォーマンス能力を知った上で、弱点を克服する以外に上達の道はない。

少なくとも次の二つは実行すべきである。
・GIR(Greens In Regulation、パーオン)を達成したホールの番号を丸で囲む。ラウンド後にその数を合計する。
・そのラウンドのパット総数を出す。
数ラウンドを経た後、上の二つの数字がいかにスコアに影響しているかが分るだろう。

以下は、他の分野のパフォーマンスをもっと楽しく分析する方法。

・パー3のGIRとクラブごとのパフォーマンス

私の研究によれば、アイアンの正確度を増すことがスコアを減らすための重要な鍵である。あなたのアイアンの掛け値のない能力を知るには、パー3におけるパーオン率を調べるべきだ。パー3はライの問題もなく、ピンも直視出来、アイアンの能力を測定するに理想的な状況と云える。ワン・オン出来たら、スコアカードのそのホールにマークをしよう。プロはパー3を70〜80%の割合でオンさせる。あなたが90台のゴルファーなら、多分あなたのワン・オン達成率は20%以下だろう。

フェアウェイからアイアンでグリーンを捉えた場合も記録しよう。カードの空欄に丸を描く。ラウンド終了後、その丸の数を合計する。5〜10ラウンド続けよう。

どのアイアンのパフォーマンスが良いか悪いか測定するには、次の方法がある。正式のスコアカードAとは別ににスコアカードBを用意し、そのOUTの面だけを使う。8番アイアンを使った場合、スコアカードBのNo.8(8番ホール)にチェック・マークをつけ、パーオンしたらそのチェック・マークを丸で囲む。5番アイアンを使ったらNo.5(5番ホール)にチェック・マークをつけ、パーオンしたらそのチェック・マークを丸で囲む。数ラウンド後、あなたはアイアン別の得意・不得意を実感出来る筈だ。アイアンをロング、ミドル、ショートに分類して、自分の傾向を見つけるのもいい。また、あなた自身のアイアン別目標を設定すべきだ(5番アイアンでは10回に5回はオンさせるとか、6番アイアンでは10回に6回とか)。

ティーショットがOBや池、林などに行くトラブルを生じたら、ホール番号の上に"X"マークを書く。あるホールでGIRを達成出来なかった場合、それがティー・ショットのせいだったかアイアンのせいかが一目で判る。

・パッティング(グリーン上でのパットに限定)

典型的な95台ゴルファーのパット総数は平均37であり、90を切るにはパット総数34あたりにしなくてはならない。80を切るには31か32である。71前後で廻るプロのパット数は29である。

9〜10メートルのパットを1メートル以内に確実に寄せることが重要である。各ホールのパット数を記入する際、第一パットを1メートル以内に寄せられたら、パット数を丸で囲む。3ではなく、2を丸で囲むことが多くなるだろう【編註:第一パットを1メートル以内に寄せれば、3パットは避けられる…の意】。

・チッピング

チップ・ショットをしたらホール番号の横にチェック・マークを入れ、しかもそれを1メートル以内に寄せたら丸で囲む。丸の数が増えれば、パット総数が減る筈だ。

私は《GIR(パーオン)を達成すればするほどパット数が減る》と断言する。信じられないかも知れないが、長期にわたって記録を取れば、それが真実だと分るだろう。切れ味の良いアイアンは、じわじわとだがパット数を減らす助けとなってくれるのだ」

【参考】
・「パーオン率がゴルフを決める(リッキオの法則)」tips_89.html
・「リッキオのパットの法則」tips_101.html

(April 07, 2008)


バンカーの練習を最後にするな

'The Way of an Eagle'
Compiled by Robert Darden and P.J. Richardson (Thomas Nelson Publishers, 1996, $19.99)

この本はプロ・ゴルファーたちが、自分が育った宗教(キリスト教)的環境、信仰がゴルフを支えてくれた瞬間、および彼らから読者に贈るゴルフtipsという三部構成で、43人の男女が執筆した原稿をまとめた珍しい本。今回はPGAツァー・プロBob Estes(ボブ・エステス)のtip。

「高校、大学の頃、バンカー・ショットの練習に一時間も二時間も費やしていたことがある。真っ直ぐにボールを打て、チップインするまでやっていた。そこから打ちっ放しに移動してフルショットをしようとすると、クラブフェースはオープン、スタンスもオープン、クラブをアウトサイドに引き、ボールをカットするスウィングしか出来なかった。私の身体はバンカーショットのスウィングを忘れられなかったのだ!」

アマチュアで一時間も二時間もバンカーショットの練習をする人というのはそういないでしょう。スタート前に、打ちっ放しへ行き、パットの練習も済ませ、「まだ時間があるからバンカーの練習でもするか」という感じではないでしょうか(それでもかなり珍しいでしょうが)。しかし、「バンカーショットは手打ちでもいい」とされ、「アウトサイド・インの軌道で打つ」のもよしとされています。そういうスウィングを数十分繰り返して、そのままNo.1ティーに向うとBob Estesが経験したことを追体験することになります。バンカーの練習は最後にすべきではありません。

(April 13, 2008)


絶滅危惧種

'Long to be gone?'
by E. Michael Johnson ('Golf World,' April 4, 2008)

「2007年のPGAツァーにおいて、いずれの週をとっても10や20のロング・パターあるいはベリィ・パターを見るのは珍しいことではなかった。そういうパターの使用者の中にはメイジャー優勝者のVijay Singh(ヴィジェイ・スィン)、Retief Goosen(ラティーフ・グーサン)、Tom Lehman(トム・レーマン)などが含まれていた。

しかし、3月第四週のWGC-CA Championshipでは、たったの五人しかロング・パターあるいはベリィ・パターを使っていなかった。3月最終週のZurich Classic of New Orleansでは、たった七人だった。株価ならかなりの下落である。

プレイヤーたちは、長めのパターはグリーン上でそこそこの働きをする助けとなってはくれるものの、目覚ましいというほどの成果には繋がらないことを認識して通常の長さのパターに戻って行った。彼らはそこそこのパッティングなど望んでおらず、素晴らしい成果を求めているからだ。

Tom Lehmanは45インチのSTXを捨て、Sergio Gacia(セルジオ・ガルシア)も昨年のBritish Open後にベリィ・パターを見捨てた(優勝していたら、話は別だったろう)。Vijay Singhは3月第三週Arnold Palmer Invitationalでショート・パターにし(三位タイ)、3月第四週のWGC-CA Championshipでベリィ・パターに戻っている(二位タイ)。しかし、彼がショート・パターに戻ろうとしているのは間違いない」

The Masters 2008ではStewart Cink(スチュアート・スィンク)がロング・パターを使っていました。しかし、やはり“そこそこ”という感じに見えました(現在の彼のPGAツァーにおけるラウンド平均のパッティングはトップから数えて97位)。私もベリィ・パターを持っているのですが、いまいちそれに専念して練習しようという気になれません。ショート・パターと交互に練習しても、成果は両者おっつかっつなのです。ベリィ・パターは支点が定まるのは有り難いのですが、だからと云ってボンボン入るというわけでもありません。どうしてでしょう?不思議です。

(April 24, 2008)


インパクトの研究(道具篇)

Bobby Clampett(ボビィ・クランペット)が語るギアに関する蘊蓄。

[Impact Zone]

'The Impact Zone'
by Bobby Clampett and Andy Brumer (St. Martin's Press, 2007, $24.95)

「以前スティール・シャフトだったドライヴァーは、完全にグラファイト・シャフトに置き換えられている。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)でさえグラファイト・シャフトに変更した。クラブが軽ければヘッドスピードが平均して2〜5 mph増す。ヘッドスピードが1 mph(0.447 m/s)増す毎に、ボールスピードは1.5倍増える。ボールスピードが1 mph増す毎に、2ヤード遠くに飛ぶ。つまり、ヘッドスピードが5 mph(2.24 m/s)増えれば、ゴルファーは15ヤードの飛距離増が見込まれるわけである。

[Bobby]

ドライヴァーのフェースは真っ平らではなく、緩やかな球面になっている。9°ロフトのドライヴァーのフェース中央【編註:いわゆるスウィート・スポット】よりも上部【編註:いわゆるホット・スポット】で打てば、それは11〜12°のローンチ・アングル(発射角度)を作り出す。

飛距離の短いアマチュアはロフト12〜14°のドライヴァーを使うべきである。6°とか7°のドライヴァーを使っているプロを真似すべきではないし、12〜14°は女性だけのためのものではない。

アイアンのライ・アングルはとても重要だ。アイアンがアップライト過ぎれば、そういうクラブのヒールが先ず地面を掘り、インパクトで急激にトゥをクローズにする。ヘッドは時計回りに回転し、ボールに右から左へのフック・スピンを加える。逆にフラット過ぎるアイアンだと、先ずクラブのトゥが地面を掘り、インパクトではトゥよりもヒールが先行するため、クラブフェースはオープンになり、ボールにスライス・スピンを加え、スライスになったりプッシュになったりする。しかし、こういうライ・アングルが偏向したクラブでもうまく打てる方法がある。それは"Aiming Point"(照準ポイント)をボールのターゲット寄り10センチにすることだ。これだとクラブヘッド全体が地面を抉るので、トゥやヒールでつっかえる弊害は消滅するからだ。

最近のツァー・タイプのボールは、ヘッドスピードが少なくとも45 m/sで打つと性能が発揮されるように設計されている。これより遅いスウィングをするゴルファーはボールを押しつぶすのが難しいため、かなり低いボールを打つことになる。そういう人は意識的にか無意識にか、コックを早期にほどいて左手首を折ってボールを上げようとする(これでは適切な飛距離も方向も得られない)。

パター関連で一般的なミスは、ロフトの少ないパターを使いながら、ボールを上向きに打つためにロフトを増やそうとしてボールをあまりにもスタンスの左に置くというものだ。私には4〜5°のロフトのパターが合っている。身長に比して長過ぎるパターを使う人はアドレスで左手首を折ってしまうため、当然ながらインパクトでも折れた手首によってミスを招く。短いパターはそういう弊害を緩和する。長身のツァー・プロでも短いパターで成功している人は少なくない。ちなみに私のパターは34インチである」

[icon]

私(サイト主)が現在使用中のパターはGuerin Rife(ゲリン・ライフ)という会社の'Two Bar Putter'(https://rifeputters.com/rollgroove.php)ですが、インターネットで注文する時に34インチを指定しました。35インチは背の高いアメリカ人には良くても、平均身長の(=短足の)日本人には長過ぎると思ったからです。現在、このパターには33インチという選択肢すらあります。このパターはロフト1°ですが、「バックスピンを生むことなく平均4°ロフトのパターによくあるボールのジャンプや滑走を無くすことに成功している」というのが謳い文句です。

【参照】
・「インパクトの研究」(tips_112.html)
・「インパクトの研究(パット篇)」(tips_112.html)
・「インパクトの研究(チッピング篇)」(tips_114.html)
・「インパクトの研究(ピッチング篇)」(tips_131.html)
・「インパクトの研究(フルスウィング篇)」(tips_114.html)
・「インパクトの研究(ドライヴァー篇)」(tips_114.html)
・「インパクトの研究(レイトヒット篇)」(tips_131.html)
・「なぜディヴォットが取れないのか?」(tips_131.html)
・「インパクトの研究(練習篇)」(tips_131.html)
・「インパクトの研究(照準篇)」(tips_131.html)

(April 27, 2008、増補June 02, 2015、追補November 22-26, 2015)


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