スティンガー(=パンチ・ショット、ノックダウン・ショット)の記事が続いてますが、Tiger Woods(タイガー・ウッズ)やMichelle Wie(ミシェル・ウィ)らによって、いかにスティンガーが注目されているかの証しでもあるでしょう。各記事を紹介するのは、それぞれ強調するポイントが異なるからです(メソッドが異なるわけではありません)。今回の記事は体重移動について詳しく書かれていて、なおかつそれに関連する練習法を含んでいるのが特徴です。
'Punch your way to lower scores'
by John Dahl ('Golf Magazine,' October 2006)
「スティンガーは刺すような低い弾道で飛び、しかも驚くべきことに、そのスピン量によってスタンダードなショットよりも少ないランで停止する。このショットの典型的な登場場面は向かい風の場合である。風に煽られずに軌道を維持し、ターゲットにショートすることなく到達出来る。
・スティンガーはどのアイアンでも実行出来る。ワン・クラブ飛距離が減ることを念頭におくこと。
・ボール位置はスタンスの中心からやや後方で、フォワード・プレスすることによって両手は左太腿の前に来るように。70%の体重を左足にかける。
・ほんの僅かの体重移動だけで、通常の75%の大きさのバックスウィングを行なう。
・ダウンスウィングでは、小手先ではなく腰と上半身の大きな筋肉を用いて、ターゲットに向かって捻転を振りほどく。左手首を固くし、アドレス時のハンド・ファーストのままインパクトを迎える。インパクト後はクラブヘッドを地面に近く低く保持するように努めること。これが、ヒッティング・ゾーンで左手首のリードを確かなものにする。
【練習法】
アドレス体勢をとり、右足の踵(かかと)を上げてスウィングする。右足を浮かせることによって、バックスウィング時に過度の体重移動をすることを防ぎ、インパクトで左足に多くの体重をかけておく感覚を養える。コースでプレイする際、ショット前の素振りでこの方法を実行するとよい」
(October 01, 2006)
'Breaking 80'
by Fred Funk with Ron Kaspriske ('Golf Digest,' July 2006)
Fred Funk(フレッド・ファンク)はPGAツァーで七勝し、ドライヴァーの正確度で1995年以来ツァーをリードしている存在です。
「(パー3を除く)14のホールでフェアウェイをキープしたい?“スムーズなスウィング”と“プレーンを保つ”という、この二つを考えることだ。これらは私の正確度の鍵でもあるが、あなたが80を切る助けともなるものだ。
あなたが余りにも暴力的にスウィングすると、インパクトでクラブフェースがオープンになったりクローズになったりする危険が増す。プレーンを変化させてしまうと、スウィートスポットでボールを打てる確率を減らしてしまう。
多分私はボールを遠くへ飛ばす秘訣を語る資格はないかも知れない。2005シーズンにおける私のドライヴィング・ディスタンス(平均270ヤード)はツァーの197位だった。しかし、私は飛距離を増すために力一杯打つことは逆効果であるということを力説したい。あなたは運動をしているのであって、土方として働いているのではないからだ。遠くに飛ばしたいなら、速くスウィングするよりもソリッドにボールを捉えることの方が重要である。スムーズなスウィングが、あなたに飛距離と正確度を与えてくれる。
コンパクトにスウィングすることが、ティー・ショットをコントロールすることを容易にする。飛距離が減ることを心配する向きは、長距離打者J.B. Holmes(J.B.ホームズ)がPGAツァーでも最も短いバックスウィングをしていることを思い出してほしい。
私の正確さの秘密は、スウィング・プレーンを外れないように集中していることだ。背骨の地面に対する角度をを保ちながら身体を回転させ、バックスウィングとダウンスウィングを行なう」
'Golf Digest'誌の最新号に、読者から「この記事を読んで“スムーズなスウィング”を心掛けたら、次の二ラウンドでパー3を除く14ホールのうち12ホールでフェアウェイをキープし、その一回で私は生涯ベストである80を達成することが出来た」という投稿がありました。
(October 05, 2006)
'Drop the Shorties'
by editors of 'Golf Magazine'('Golf Magazine,' July 2002)
「ショート・パットの失敗はその後のゲームにプレッシャーを与える。次の三つの鍵で自信をつけよう。
1) スクウェアにセットする
距離が短いのだから、パターフェースはターゲット・ラインにスクウェアでなければならない。ストロークが短いということは、アドレスでスクウェアにセットすればインパクトでもスクウェアになる可能性が高い。となれば、フェースをスクウェアにすることが再優先課題である。
パターをゆるく持ってボールの後ろに置き、ターゲット・ラインにスクウェアに揃える。そのフェース角度を変えないように注意しながら、グリップをし、スタンスを取る。
2) ステディなスタート
多くのゴルファーはショート・パットに緊張するあまり、急速だったり、ぎくしゃくしたバックストロークをしがちである。スムーズにスタートするために、ボールの後ろの地面をトントンと叩くか、両手の指で穏やかに牛の乳を搾るような動きをする。【編者註:静止した状態からストロークを開始すると身体の柔軟性が失われるので、継続した動きの流れの中でスタートするという意味】
パターフェースの角度を変えずに、軽いフォワード・プレスをし、スムーズにスタートする。ストロークの間、いいリズムをキープする。
3) 動くな
スクウェアなパッティングを完遂するには、最初から最後まで身体を動かさないこと。特に、頭。不安からボールを見送ると、それはストロークに影響する。目は真下に残したまま、ボールがカップに転げ込む音を聞くように」
(October 08, 2006、改訂August 13, 2015)
1998年に三人のインストラクターの共著として刊行された'LAWs of the Golf Swing'は、「全てのゴルファーに一律のスウィングを押し付けるのではなく、体型に合ったスウィングを適用すべきだ」と主張した初めての著作でした。"LAW"とは彼らが独自に分類した体型の頭文字を合わせたものです。すなわち、
L: Leverage(テコ型):中肉中背の人。例:Fred Funk; Annika Sorenstam (LPGA)
A: Arc (円弧型):背が高く腕の長い、痩せ型の人。例:Phil Mickelson; Lorena Ochoa (LPGA)
W: Width(幅広型):中背ではあるが胸幅の厚い人、例:Tom Lehman, J.B. Holms; Laura Davies (LPGA)
今回の記事は、原著者のうち二人の手で8頁に圧縮されて説明が明快になっただけでなく、各タイプの腰の動きについての新しいポイントも追加されています。
'L.A.W.S. Revisited'
by T.J. Tomasi and J. Suttie ('Golf TIPS,' August/ September 2006)
「アドレス時にソールされたクラブは、地面との間にライ角を作り出す。各クラブのライ角は、シャフトの長さによって異なる。だから、同じゴルファーでもクラブによってスウィング・プレーンは異ならざるを得ない。しかし、ストレートにボールを打つためには、インパクトでその角度を再現しなければならない。それを行なうには、各自の体型とスウィングの組み合わせを認識する必要がある。
・テコ型
このタイプは、平均的身体つきで、柔軟性と強靭さをバランス良く備えている、いわゆる"swinger"(スウィンガー)である。アドレス時のクラブのライ角度に忠実なプレーンを保ち、バックスウィングとダウンスウィングを同一プレーンで行なうことが肝要。【編註:写真では、この型のトップは左腕が右肩の高さになっています(何番アイアンかは不明)】
ダウンスウィングでのテコ型の腰のターンは早期に開始されるべきである。何故ならトップの両腕は円弧型ほど高い位置にないので、もしターンが遅れるとプルを多発する結果となるからだ。
・円弧型
このタイプは胸幅が狭く腕の長い、柔軟性に富む人で、いわゆる"hitter"(ヒッター)である。この型の人は二つのスウィング・プレーンを持つ。バックスウィングでは急角度に振り上げ、パワーの源となる高いトップを作る。【編註:写真では、この型のトップは左腕が右肩より上になっています(何番アイアンかは不明)】ダウンスウィングでは、アドレス時の正しいプレーンに戻すためフラットなプレーンになる。これはループを描くスウィングである。【編註:Jim Furykのスウィングを彷彿とさせます】インパクトでは左脚が真っ直ぐになり、クラシックなリヴァースCの姿勢になる。
円弧型のトップで高い位置にあった両腕を正しいプレーンに戻すため、ダウンスウィングでは腰のターンの前に、先ず腰を水平に動かして時間の余裕を作り出さなければならない。これは“忍耐”を必要とする動きである。
・幅広型
このタイプは、比較的腕が短く柔軟性に欠けるが、かなり強靭なパワーを秘めており、筋肉の力でスウィングする"slasher"(切り裂く人)である。バックスウィングではクラブを若干インサイドに引く。上半身に柔軟性を欠くため、フラットなプレーンで上げる。トップでの両手は低い位置で、左腕は右肩よりかなり下になる。この型の人が腕を高く上げたトップを作ろうとするのは現実的ではない。コンパクトなスウィングで、筋肉に全てを委ねるべきだ。ダウンスウィングの途中では、やや手打ち風の動きで、鋭い角度でアドレス時の正しいプレーンに戻す。
幅広型の両手の動きは三つの中で最も短いので、腰のターンは可能な限り早く始められなければならない。トップ形成と同時に始めるぐらいの早い動きが鍵である。タイミングが合えば、非常にパワフルなスウィングとなる【編註:Champions TourのAllen Doyleのスウィングがこの説明に酷似しています】」
問題は「二つのプレーン」(tips_90.html)との違いです。「二つのプレーン」での私の分類は「2プレーン」になり、トップの左腕は右肩の上の高さになるべきものとされています。ところが、「体型別スウング」では「テコ型」で、トップの左腕は左肩の高さ付近に止(とど)めなくてはなりません。どっちを取るべきか。困りました。
【参照】
・「体型別スウィング(序章+テコ型篇)」(tips_54.html)
・「体型別スウィング(幅広型篇)」<(tips_92.html)BR>
・「体型別スウィング再履修」(tips_107.html)
・「体型別スウィング(プレーン篇)」(tips_137.html)
・「体型別スウィング(テコ型の補遺)パート1および2」(tips_157.html)
・「体型別セットアップ法」(tips_165.html)
・「体型別・腰のアクション・ドリル」(tips_165.html)
・「体型別スウィング【微調整ポイント一覧】」(tips_165.html)
・「体型別スウィング【微調整ポイントの相性を知れ】」(tips_165.html)
・「体型別スウィング【妙薬と毒薬を見分けよ】」(tips_165.html)
(October 10, 2006、増補December 08, 2015)
'Make pulls go away'
by Kevin Walker and T.J. Tomasi ('Golf Magazine,' October 2006)
「プルは右サイドの早過ぎる動きが原因というのが通説だが、腰についても考えるべきだ。インパクト前に左腰の動きが遅いと早く動く右肩が追いついてしまい、両腕は左へ向かうしかなくなる。これが真のプルの原因である。
スウィングのトップから、左腰を早めにしかも激しく回転させること。これがプルを防ぐ正しい方法である。こうすれば、クラブは肩の後ろに留まる。体重がターゲット方向の足に移ったら、あらゆる身体の動く部品を動かし続けるように」
上の「体型別スウング再履修」の「テコ型」の腰の動きに関する注意とぴったり符合します。私のプルの原因もこれだったようです。
(October 10, 2006)
'Glove Secrets'
by Jeff Ritter ('Golf TIPS,' August/ September 2006)
「・症状1 親指部分の破れ
これは親指の位置の悪さとグリップ・プレッシャーの二つが原因で起る。この症状があると、ボールのコントロールがお粗末になる。
【手当】いわゆる“ショート・サム”(親指を縮めて反らす)にし、グリップ・プレッシャーは、最もギュッと握った場合を10とすれば3ぐらいで握る。
・症状2 人差し指部分の破れ・摩耗
両手の接触が悪いのが原因。通常オーヴァラッピング・グリップの場合に、右手の小指が左手の人差し指のナックルに潜り込み過ぎて起る。
【手当】右手の小指を伸ばし、ナックルではなく左手の人差し指と中指の間の谷間に当てる。あるいはインターロッキング・グリップを採用する。
・症状3 掌部分の破れ・摩耗
フィンガーとヒールパッド(左手を生命線の下の膨らみ)の下でクラブを保持すべきなのに、パームで握るとこの症状が出る。こういう握り方は飛距離を損すると共にスライスを打つ傾向を生じる。
【手当】物差しを縦にしてクラブのように左手で持つ。指で物差しをあやすように握り、ヒールパッドで物差しの端を押さえる感覚を得る。これは、正しいグリップの感覚を強調する素晴らしい方法である」
【参考】「なぜ手袋に穴が開くのか?」(tips_84.html)
(October 12, 2006、改訂June 02, 2015、増補November 21, 2015)
インストラクターMike McGetrick(マイク・マゲトリック)によるパッティングのコツ。
'Feel Factor'
by Mike McGetrick ('Golf Digest,' May 2006)
「パッティングの距離のコントロールとは、感覚に帰着するものだ。次のドリルで感覚を磨くことが出来る。
3メートルのパットをどの程度のストロークの長さで成功させられるかテストする。そのストローク幅に両足を開く。右足はバックストロークの終点であり、左足はフォワードストロークの終点である。このスタンスで20回パットする。
続いて、6メートルと9メートルの距離のパットで、上と同じことをする。このドリルによって、距離感覚が養われる」
(October 12, 2006、改訂June 02, 2015)
Ben Hogan(ベン・ホーガン)のレイト・アンコック(=レイト・ヒット)は誰しも垂涎のスウィングです。その二代目とも云うべきSergio Garcia(セルジオ・ガルシア)の、トップからストンと落ちるダウンスウィング(右図)も見事です。こういうスウィングを真似したいと思わないゴルファーはいないでしょう。しかし、これが難しい。
「ダウンで両手を引き下ろす動きについて」(tips_82.html)は、カナダの名手George Knudson(ジョージ・ヌードソン、1937〜1989)によるもので、「《ダウン・スウィングの開始では教会の鐘のロープを引くように》という言葉があるが、この言葉は誤解に基づくものでしかない。“引く”ように見えるのは、実は右足から左足に体重が移動する時に起る結果に過ぎない。これはダウンスウィングのプレーンを下方に落す。あたかも教会の鐘のロープを引くように、クラブを引っ張り下ろすように見える。しかし、われわれが引くのではない。体重移動によって引かれるのだ」という見解を紹介したものでした。
'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』の11月号は「スライス撲滅特集」ですが、その中に次のような記事がありました。
'How to create lag power'
by Kevin Walker and T.J. Tomasi ('Golf Magazine,' November 2006)
「古典的な助言に、『ダウンスウィングでは教会の鐘のロープを引くように右肘を下ろす』というのがある。これは、実際にはクラブフェースを大きくオープンにしたままにする(結果はスライス)。それをクローズにしようとすると、手でスウィングすることになり、レイト・アンコックではなくなってしまう(距離は出ない)。
ダウンスウィングでは右肘の角度など気にせず、右腕を伸ばすこと。ピストンのように右腕を伸ばす動きは、クラブのグリップ部分にプレッシャーを与え、ターゲット方向に押す結果となる(これは望ましい動きである)。さらにこの動きは、インパクトまで右手首のコックを持続させてくれるため、自然にレイト・アンコックが実現する」
私が“教会の鐘を鳴らすように”努力した時もカット・ショットとなり、大きなスライスしか打てませんでした。George Knudsonの言葉は正しく、意識的に(コックしたまま)右肘を下ろそうとしてはいけないようです。
(October 17, 2006)
アーク(弧)パッティング派のStan Utley(スタン・アトリィ)による、両肩水平回転式パッティングのポイント。
'Turn, don't tilt, when you putt'
by Stan Utley ('How to break 100-90-80,' Golf Digest)
「ゴルフは円運動である。どのショットにおいても両肩は背骨を中心に回転すべきものだ。両肩をターゲットラインに対して上下に傾がせてはならない。パットの際に肩を回転させずに傾斜させると、頭を大幅にスウェイさせてしまう。
パターを右手だけで持ち、別のクラブを両肩に沿うように当て左手で押さえながらストロークしてみてほしい。クラブは、バックスウィングではターゲットの右を指し、インパクトでターゲットを指し、フォローではターゲットのやや左を指すべきである。
もしあなたが両肩を傾斜させていれば、クラブはターゲットの左を指して留まり、インパクト後は空を指しているに違いない」
(October 17, 2006)
PGAツァーのヴェテランCorey Pavin(コリィ・ペイヴン)はツァーのサンド・セイヴ記録のトップ10に入っているばかりでなく、最も難しいとされている30ヤードのバンカー・ショットの分野でもトップ・クラスだそうです。
'Enter Sandman'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' November 2006)
「Corey Pavinは云う、『バンカー・ショットがうまくいかない時は、下半身に問題がある。最も重要なことは、両脚の動きを抑えることだ。私は常にややオープンに構え、極力腰から下の動きを封じるように努める。
私はピン傍に寄せようなどと考えない。2メートルの円内に近寄せられればハッピーである。
ボールをキャリーでピン近くまで飛ばし、直ちに停止させなくてはならない状況では、私は60°ロブ・ウェッジを使う。ピンまで転がす場合、あるいは長いキャリーが必要な場合、私はサンドウェッジを用いる』」
最近のラウンドで、ピンまで8メートルぐらいのバンカー・ショットをOKの距離につけることが出来ました。大雨の後だったので、ボールはバンカー内に出来た水溜まりに入っていました。それを「カップに近づかないようにプレース」すると、左足下がりの斜面の、固く湿ったライになるという最悪の状況でした。グリーンが小さいので、オーヴァーは許されず、すぐ止めなくてはなりません。私はCorey Pavinの云うように60°ウェッジを選び、「バンカー・ショットの極意」(tips_70.html)にあるように、「距離を三倍に見積もった強さでスウィング」し、「信ずる者は砂地獄から救われる」(tips_70.html)にあるように手首をコネないように努力しました。「三倍」と「コネない」がバンカー・ショットのキィ・ワードのようです。
(October 19, 2006)
Dr. T.J. Tomasi(T.J.トマシ博士)はPGA of Amaricaのインストラクターであり、Keiser(カイザー)大学の教授兼ディレクターでもあります。10冊以上のゴルフ・インストラクション本を執筆し、新聞連載のコラムも持つ人気インストラクター。
'It's Good for Your Game' 「フェアウェイ・ウッドは、スウィングを変えるほどではないものの、フラット目の掃くようなスウィング・プレーンが望ましい。そのためにはいいライが必要だ。ボールが芝の上に出ていればいるほど掃くスウィングが可能になる。 いいライでなければ3番ウッドを使ってはならない。これを鉄則にすべきである。ボールがラフの中にある場合は5番ウッドか7番ウッドを使うこと。5番ウッドや7番ウッドはシャフトが短く、ボール位置もスタンス前方ではないので、草の中にあるボールと下降気味に接触して空中に抉り出すことが出来る。間違えてほしくないのだが、スウィングを変える必要はない。クラブのデザインに任せればいいのだ。 フェアウェイ・ウッドは掃くようなスウィングのためにデザインされている。スウィング弧の最低点でボールと接触するわけだから、ディヴォットを取ることはない。インパクトの瞬間、クラブヘッドは地面と水平に動くべきである。これは『浅い攻撃角度』と呼ばれる。それは飛行機の着陸時の角度に似ている。 フェアウェイ・ウッドのセットアップは、アイアン(これはディヴォットを取るようにデザインされている)とは全く異なるものである。 もしダウンスウィングでグリップエンドが地面を指していたら、その角度は急過ぎる。フェアウェイ・ウッドのスウィング軌道はVの字ではなく、Uの字でなくてはならない。フェアウェイ・ウッドをうまく打つには、バックスウィングで体重を右に移し、ダウンスウィングの開始で体重を左に移すことだ。クラブヘッドは最初Uの字の垂直部分のように降下するが、インパクト・ゾーンではUの字の底辺の平らな部分に沿って動くイメージを持つとよい」 |
(October 24, 2006)
インサイド←→インサイドのアーク(弧)パッティングを提唱するStan Utley(スタン.アトリィ)は、寄せにおいても弧を描くスウィングを薦めます。
'Pivot around the left leg to power the 40-yard pitch'
by Stan Utley ('How to break 100-90-80,' Golf Digest)
「中距離のピッチ・ショットは、初・中級のゴルファーが結構頻繁に対応しなければならない範疇だが、多くのゴルファーが手こずる部類でもある。
どの程度の大きさのスウィングをすべきか判断し、インパクトにかけて減速してしまうミスを避けることが不可欠。このショットを成功させるには、大きく長い腕のスウィングを止めるように。体重をターゲット方向の足にかけ、自由にコックしながらクラブを引く。ダウンスウィングでは腕の動きを殺しつつ、左足の周りで回転するようにヒットする。
距離は身体を回転させる速度で調節する」
(October 26, 2006)
'Master Strokes'
by Nick Mastroni and Phil Franke (Running Press, 2003, $9.95)
「ラウンド前に練習グリーンに行ったら、カップに向かってパットしないこと。カップの代わりにティーを立てて、それを目がけて色んな距離、色んな角度からパットする。ティーにゆっくり当たった時だけ合格とする。【編者註:バチーンと当たったものは落第】
この練習はターゲットが小さいため集中力を必要とする。これを済ませた後のNo. 1グリーンのカップは、とてつもなく大きく、いらっしゃいいらっしゃいと手招きしているように見えることだろう」
私の練習法も加えさせて下さい。ボール一個で練習グリーンのカップをパットして廻るのですが、条件が二つあります。 1) 外れても必ずカップの上(プロ・サイド)に行くこと。 2) 外れても必ずカップを30cm(ギミー圏内)程度オーヴァーすること。
カップの下に行っても、カップに届かなくても、どちらもパットに失敗します。自ら可能性を断つわけですから、こんな惨めなことはありません。私の上の方法は「攻撃的」と云うより、可能性を残すという意味で「積極的」と云うのが正しいと思います。その積極性をラウンド前に定着させるわけです。
(October 31, 2006)
'Trust your read'
by Peter Krause with Peter Morrice ('Golf Digest,' May 2006)
「上手いゴルファーはグリーンの読みが巧みである。しかし、彼らも自分の読んだラインに向かってストロークするのに失敗する。彼らは正しく狙うのだが、読んだブレイクの頂点ではなくカップの方へ舵を取ってしまうのだ。あなたが1.8 m〜3 mのパットをアマ・サイド(カップより低い方)にミスしがちだとしたら、それは一大事である。
次のドリルを行なう。右から左に切れるラインを選ぶ。一本のクラブをパターのヒールのこちら側に置き、ターゲット・ラインと平行になるよう調整する(左から右に切れるラインでは、反対にトゥの外側に置く)。その寝せたパターに触れないようにストロークする。この練習によって、ラインに沿ってストロークし、傾斜がボールを自然にカップに運んでくれることを学ぶことが出来る」
(October 31, 2006)
「アイアンでパット」と云っても、勿論フリンジからのことであってグリーン上での話ではありません。「外からアイアンを使うのだったら、只のチッピングではないか?」という疑問が湧くでしょうが、一寸違うアイデアなのです。これまで紹介して来たチッピングは、キャリーとラン(転がり)の比率や、ボールからピンまでの歩数によってクラブを選択するというものでした。ここに紹介する「アイアンでパット」は、ボールがグリーン・エッジからどれだけ離れているかでクラブを変えます。要するに、エッジの長い芝をポンと飛び越すクラブを選んだら、後はパッティングと同じという超簡単メソッドです。
'Short-Game Stroke Saver--Putting With an Iron from the Fringe'
by C.C. Reynolds ('Golf Illustrated,' Fall 2003)
「グリーンを目指すチッピングは、ダフったりトップしたりして急速にストローク数を増やしてしまう。パッティングにおいてもショートしたりオーヴァーすることはあるが、チッピングに較べたら大怪我は断然少ない。だったら、可能な限りパッティングの手法を使うのが賢明というものである。
ボールがグリーン手前の長い芝に触れないことが肝要。これが成功・不成功を隔てる。
ボールがグリーンから1〜2フィート(30〜60cm)のところにあり、ピンが近過ぎも遠過ぎもしない距離、例えば25フィート(7.6m)辺りにあるとする。この場合、5番アイアンか6番アイアンによってパッティング・ストロークを行えば、自然にフリンジを飛び越しボールはカップへと転がって行く。この例におけるクラブ選択の目安は以下のようになる。
ボールまでの距離 | クラブ |
---|---|
フリンジ〜90cm以内 | 5番アイアン |
エッジから、二歩 | 6番アイアン |
同、三歩 | 7番アイアン |
同、四歩 | 8番アイアン |
同、五歩 | 9番アイアン |
同、六〜十歩 | ピッチング・ウェッジ |
・各自練習の上、自分に最適の「距離とクラブの組み合わせ」を見つけること。
・サンド・ウェッジはトップし易いので避ける。ロブ・ウェッジ、ギャップ・ウェッジ等も使わないように。
クラブ選択以外の全てはパッティングに準ずる。すなわち、ボールはスタンスの1インチ(2.5cm)ターゲット寄り。シャフトは短く持ち、グリップは通常のパッティング・グリップ。
トゥだけ接地してヒールが持ち上がっているのが落ち着かないかも知れないが、それで正しいのである。ヒールを接地させようなどとしないこと。ロフトが少ないクラブでは危険なことになる。
パッティングと同じ振り子式のストロークをする。上から振り下ろしたりしてはいけない。頭を動かすのも厳禁。
一旦この方法を習得したら、ロフトの大きいクラブでPhil Mickelson(フィル・ミケルスン)のようにボールを空中高く上げる技とは縁切りである」
(November 02, 2006)
'No more 3 putts'
by Brett Taylor with Al Barkow ('Golf Illustrated,' May/ June 2006)
「ゴルファーはボールへの風の影響に気づかない。風速10 mph(4.5 m/sec.)以上なら、追い風はボールを前方に動かし、向かい風ならボールの進行を遅らす。
もし風が本当に強ければ、風はボールの行方を曲げることさえある。特に、早いグリーンで起りやすい。遅いグリーンではパットへの風の影響はほとんどない」
(November 02, 2006)
私の友人Jack(ジャック)が保管していた古い、古い'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』。1978年発行の値段が$1.00(現在は$3.99)の雑誌に出ていた、LPGAツァー・プロJudy Rankin(ジュディ・ランキン)のラフから寄せるテクニック。
'Quick pick-me-up' 「ボール位置はスタンス後方(右爪先の前方)。体重は左サイド。これらによってディセンディング(下降気味)な角度でボールを捉えることが可能になる。クラブを短く持ち、バックスウィング開始と同時に手首をコックし始める。身体の動きを少なくし、両手・両腕だけでスウィングする。急降下するクラブヘッドによって、ラフに邪魔されずにボールを捉え、さらに空中に抛り上げることが出来る」 ここにはインパクトに関する説明がありません。筆者Judy Rankin(ジュディ・ランキン)が書いた別の本を参照すると、上の記事の続きの部分がありました。 'A Woman's Guide to Better Golf' 「インパクト前後ではクラブフェースの角度を保持すること。普通のショットのように手首を返してはいけない」 |
(November 05, 2006、改訂June 02, 2015)
'The Perfect Swing Plane'
by Stephen Aumock ('Golf Illustrated,' September/ October 2006)
「本当はパター・フェースをオープンに引き、インパクト後にクローズにストロークすべきものなのに、ストレートに引き、ストレートに出そうとするのがYips(イップス)の原因の一つと考えられている。
Bobby Locke(ボビィ・ロック、南ア)は歴史に残るパット名人の一人だが、彼のメソッドは風変わりだった。彼はクローズド・スタンスを取り、ターゲットラインの内側にパターを引き、ターゲットラインにボールをフックさせた。それによって、ボールはスリップしたりジャンプしたりせず、最初からいい転がり見せた。
私が考案したYips根治法は“Bobby Lockeドリル”というものだ。パターと身体がターゲットのかなり右を指すようにアドレスし、ボールをターゲットラインに向けて送り出す。このアドレスはパターをインサイドに引き、フォワード・ストロークでフェースをクローズにするように強制する。このフェースの回転はYips的動きを取り払い、いいボールの転がりを与えてくれる」
(November 05, 2006)
'How your dominant eye influences your swing'
by Tom F. Stickney II ('Golf Illustrated,' November/ December 2006)
「多くのアマチュアは、利き目の作用がどうスウィングに影響するか理解していない。利き目が身体に与える影響を考慮しないと、間違ったアドレスをし、上体のバックスウィングが貧弱になる原因となる。Hank Haney(ハンク・ヘイニィ、Tiger Woodsのスウィング・コンサルタント)は『正しいアドレスをするか、間違っているか、どちらかである。その中間というものはない』と云っているが、利き目に関してこれほど適切な言葉はない」
【編註:どちらが利き目か調べる方法は「利き目の効き目」tips_6.html を御覧下さい】
「左目が利き目のゴルファーはアドレスで頭を右に回転させる。この体勢でボールを見つめれば、スウィングのトップで頭が右に回転するのを防ぐことが出来る。このモデルはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)で、彼は左目でボールに焦点を合わせるべく努めている。もし、アドレスで頭を回転させるのが嫌なら、背骨を若干右横に傾けることによって、頭をボールの後ろに位置させるべきだ。
上のどちらの方法も、トップへ行くまでに頭が右に移動して正しいスウィング・プレーンから外れることを防止する。
右目が利き目のゴルファーは、ボールの後ろではなくボールの真上を見下ろすべきなので、背骨も頭も傾けずに中央に置くべきである。この体勢は、注意しないとややアップライトなスウィングになり易い。このタイプのプレイヤーは大きなスウィング・プレーンか、ダウンスウィングでの激しいレッグ・アクションを必要とする。
右目が利き目のゴルファーは、出来ればボールを左から右への軌道で打つように試みるべきだ。これはアドレスの体勢にマッチしているばかりでなく、簡単にボールをソリッドに打つことを可能にする。
右目が利き目の場合、頭をボールの後ろに位置させるように背骨を傾けてアドレスするのは間違いであり、紛れもなく頭が右にコックする副作用を併発してしまう。頭はボールの真上に置くことを忘れないように」
(November 07, 2006)
PGAツァー・プロJ.J. Henry(J.J.ヘンリィ)によるロブ・ウェッジによるピッチとチップ。
'Think "Dead Hands"'
by J.J. Henry with Greg Midland ('Golf Magazine,' December 2004)
「今年、私は新しいピッチ・ショットの技法を発見した。ロブ・ウェッジをパッティング・グリップで握るのだ(左の人差し指が右手の上にかぶさる)。これで手首の動きを封じる。
ボールをスタンス中央に置き、チップ・ショットのように腕と肩を後ろに引く。ここで“両手を殺す”ように考え(手首を使わない)、加速しながら膝の高さまで上げる。フィニッシュではクラブフェースは空を向く。ボールは羽根のようにふわりと着地する」
(November 07, 2006、改訂June 02, 2015)
"pop-up"というゴルフ用語の対訳を探しましたが見つかりません。「てんぷらを打つ」は"sky"で、その名詞は"skying"です。「てんぷら」と云った場合、普通少なくても100〜160ヤードは飛ぶものでしょう。"pop-up"はレギュラー・ティーからレディース・ティーにも届かないという代物。「ポップアップ絵本」というと、ページを開くとブワッ!と立体の紙細工が立ち上がって来るもので、「ポップアップ・ウィンドウ」というと、ウェブページの上に飛び出して来る小ウィンドウです。ゴルフの"pop-up"も真上に飛び上がるもので、てんぷらより数段醜いものです。いい日本語訳が無いので、そのまま「ポップアップ」と称することにします。
'Be your own swing doctor'
by Dean Hedstrom ('Golf Tips,' April 2005)
「最も恥ずかしいショットと云えば、このポップアップだろう。真っ直ぐ飛び上がって、ティー・グラウンドを出るのもやっとというざまである。
これはターゲット方向への体重移動のやり過ぎと、過度に急角度にボールに向かうクラブが原因。急角度のダウンスウィングはロフトを減少させ、ヘッドの上端(フェースと頭部の角)がリーディング・エッジと化してしまう。結果?「ぴょーん!」と飛び上がる恥ずべきボールというだけでなく、高価なドライヴァーのクラウン(頭部)にボールの痕跡を残してしまう。
ポップアップを打つ人の大半は、バックスウィングで右への体重移動を十分に行なっていない。これはポップアップだけでなく、醜悪なリヴァース・ピヴォットをも招く結果となる。
ポップアップを回避するには、長く大きなバックスウィング弧を作ることだ。これはスウィング軌道をフラットにし、ボールへの進入角度を浅くする。
練習法:肩幅より広いスタンスを取り、トップを8時、フィニッシュを2時という短いスウィングを繰り返す。これはバックスウィングで体重を右へ、ダウンスウィングで左へ…という、正しい体重移動を身につけさせてくれる」
【参照】「ポップアップの原理」(tips_109.html)
(November 09, 2006)
'Hybrid off the tee'
by Robert Baker with David DeNunzio ('Golf Magazine,' September 2006)
「どんなパー4でも、ハイブリッドによるティー・ショットは残り150ヤード以内となるため、極めて安全なショットである。
普段4番アイアン以上のクラブが必要な長いパー3では、ハイブリッドによって高い軌道で長く、しかもソフトな着地のショットが打てる。
パー5ではハイブリッドを二回続けて打ち、三打目のチップショットでバーディ・チャンスを得ることが出来る。
ハイブリッドはドライヴァーのシャフトより短いのでコントロールし易い。その多めのロフトはバックスピンを生むと同時に、左右にバラける原因であるサイドスピンを減少させる。
【セットアップ】
・ティーからのハイブリッドは、上昇気味の軌道でボールを掃くように打つのが基本。ボールはクラブの上に半分顔を出す高さにティー・アップ。スタンスは両方のヒールが肩幅になるように開き、ボール位置はフェアウェイウッドを打つ時と同じ(中央から少しターゲット寄り)。頭はボールのやや後ろ(これによって上昇気味に打てる)。左腕とクラブは一直線、右肩を下げる。それらと右脚によって“逆Kの字”のアドレスが形成される。
【スウィング】
・アドレスで作ったやや右に傾いだ上半身の角度を、インパクトまで維持すること。それが上昇気味の軌道でボールを捉えることを可能にする。
・ダウンスウィングではターゲット方向に足首を廻す。これが体重をターゲット方向に移し、クラブを落下させ、腰をオープンにする。頭をボール後方に保つこと。
・足首を廻した後は、右肩と右腰をターゲットに向かって回転させながらボールを打つ。アドレス時の上半身の角度を維持するためと、上昇気味のパワフルなクラブの軌道を確実にするため、左肩を空に向かって引っ張る。このアクションは、腕の動きを邪魔しないよう左腰を自然に先行させてくれる。
・身体の右サイドで振り抜き続ける。フックの恐れなく、クラブヘッドをボールに向かってパワフルに抛り投げる感じ。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のインパクトに注目。彼の右サイドのパワーは左腰を持ち上げ回転させる。両手と手首でクラブヘッドを鞭のように使いながら、まるで彼の身体が宙に浮くかのように見える」
【参考】「ハイブリッドはフックするように出来ている」(tips_177.html)
(November 12, 2006、増補January 07, 2017)
グリーン周りの深いラフにボールがあり、ピンが近くにある場合は大変です。無事に脱出しようとするとボールは大幅にピンをオーヴァーし、ピン傍につけようとするとボールはラフから出なかったりします。この記事は、'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』誌読者からのSOSに答えたものです。
'In the thick of things' 「インパクトでスウィングを止める。ちゃんと実行すればボールはポンと上がり、ソフトに着地し、1メートル前後転がるだけである。重要なのは、着地点のイメージをはっきりと脳裏に描くこと。以下の手順を参考にするように。 1) ピンの周りのブレイクをチェックし、着地点を決める 2) 左手の最後の三本指(中、薬、小)と、右手の親指と人差し指のグリップ圧を強める 3) 体重をターゲット方向の足にかけ、なおかつその足の前後方向に均等な体重配分にする |
4) 急角度に振り下ろし、ボールの背中に直に接触するように
草との接触を避けるのが最重要課題。
5) スウィングしつつ、心の目で着地点のイメージを抱き続ける
これによってスウィングのテンポとスウィングの長さをコントロールする。ボールを投げる時に腕をどれだけ伸ばすかなどと考えないのと同じことだ。視認したターゲットが自動的に投げる距離をコントロールする」
(November 16, 2006)
'The one-hop-and-stop pitch'
by Brian Crowell ('Golf Magazine,' January 2006)
「プロたちは、25ヤード以上の地点からワンバウンドでOKの距離に止めるショットをする。以下はどうすればそれが実現出来るかの骨子。
・ボールがフェアウェイのクリーンなライにあることが条件。サンドウェッジを使う。
・ボール位置はスタンス中央から1インチ(2.5cm)後方で、フェースはターゲットにスクウェア。両手はターゲット方向に先行したアドレス。
・左手の中指・薬指・小指に僅かに強めの握力を加える。
・スウィングの間中体重移動は行わず中央にキープ。
・トップは腰の高さ。ダウンでボールに向かって加速する。
・インパクトに向かう途中右膝をターゲット方向に蹴る。
・クラブを返してはいけない。やや強めの握力を維持しながら、クラブをターゲットに向けて振り抜く。
・フォロースルーは左膝の高さ。身体と両手を左側に回転させること。
(November 20, 2006)
2005年のU.S.オープンで一躍人気者となったJason Gore(ジェイスン・ゴア)の助言。
'Tips from the 300+ club'
by the editors of 'Golf Digest' ('Golf Digest,' December 2006)
「もっと飛距離が欲しい場合、私は少しスタンスを広げ、充分身体を回転させるだけで、強くひっぱたこうとしたりはしない。遠くへ飛ばすのはソリッドに打つことによって可能なのであって、急速にスウィングすることではない。
アマチュアでも素振りと同じスウィングをすればより遠くへ飛ぶ筈だ。彼らはドライヴァーでボールを強打しようとし、失敗する。イーズィーにスウィングすれば、よりソリッドに打てるのに。
私はドライヴァーを打つ時にはティーを高くする。何故なら、最近のスウィート・スポットはどんどん高い位置になっているからだ。フェースの高い部分で打てばスピンを減らすことが出来る(=飛距離増)。
以下は、2002年のPGAチャンピオンRich Beem(リッチ・ビーム)の言葉。
'Fix your distance'
by Rich Beem ('Golf Magazine,' December 2006)
「2006年のシーズン初め、私はドライヴァーのシャフトを45インチから44 1/4インチに短くした。小さな変更だが、これはコントロールを良くしてくれ、私は以前よりずっとスウィート・スポットで打てるようになった。それは同時に最大の飛距離に繋がっている」
(December 06, 2006)
「バンカーではVスウィング」と同じ趣旨ですが、あちらに無かったテンポの説明が役に立ちます。
'Get vertical'
by Jim McLean ('Golf Digest,' April 2006)
「グリーンサイド・バンカーではクラブを急速に持ち上げるべきだ。縦に上げたクラブヘッドはトップでは両腕の真上に位置し、真っ直ぐに天を指す。この位置を作ると、クラブヘッドの重みを充分に活かすことが出来る。クラブはダウンスウィングで引っ張るまでもなく、自然に砂に落下する。
アマチュアの多くはバックスウィングを縦ではなく横に大きく引くが、これはトップする原因となり易い。もっと狭い(急角度の)軌道で急速に持ち上げるべきである」
「バンカーからピン傍へ」で「徐々に上げるのではなく、『勢いよく、一気に』上げるべきだ」という説を紹介しましたが、全く同じことに思えます。
【参照】tips_96 バンカーではVスウィング、tips_72 バンカーからピン傍へ
(December 18, 2006)
'Thumbs up for more power'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' December 2006)
「飛距離より方向を優先する堅実なあなたであっても、時として目一杯飛ばしたい状況はある筈だ。通常、目一杯引っ叩くことはコントロールを諦めることに通じる。しかし、簡単なグリップの調整一つで、距離も方向も満足させることが可能である。
先ず、普通にアドレスする。両方の親指をクラブから浮かす。普通にバックスウィングする。親指を離していても、問題なくスウィングを開始出来ることが分る筈だ。いずれにせよ、両方の親指はバックスウィングの間に自然にクラブに接触して、後半は通常のスウィングとなる。
この方法のポイントは、グリップをリラックスさせることによって、パワーの源泉である流れるようなスウィングを生み出すことにある」
(December 21, 2006)
'Bill Kroen's Golf Tip-A-Day 2003'
by Bill Kroen (Andrews McMeel Publishing, 2002)
古い「日めくりtips」から選んだ秀作の一つ。
「しっかりしたパッティングをするには、手が独立した動きをしないように努力すること。パターを軽く持ち、両手は肩と腕の延長として【麻痺したように】ぶら下がっているだけあり、それ自体が動くべきものと感じてはいけない。ストロークは肩と腕が前方・後方に動くことによって行なわれる」
(December 21, 2006)
常に攻撃的なGreg Norman(グレッグ・ノーマン)はパッティングでも攻撃的。
'Instant Lessons' 「アマチュアはプロよりも大胆にパットすべきだ。どのパットも沈めようとすべきだ。理由、以下の通り。 パットの失敗には四つのタイプがある。ショート、オーヴァー、右へ逸れる、左へ逸れる…の四つである。常にカップに届くようにストロークすれば、四つのミスのうち一つを排除出来る。調査ではカップを約17インチ(43 cm)通過する強さでストロークした場合にカップに入る確率が高いと云われている。 ラインは良くても、ショートしてカップの手前で停止するパットは欲求不満を引き起こす。慢性ショート病を病んでいては、カップを通過するパットなど出来っこない。 強いストロークでカップを越えた場合、返しのパットのラインが解る。ショートしたら、次のパットのラインはどうブレイクするかまだ未知のままである。なお、短いパットでは大胆にしっかり打つことだ。そうすればブレイクを度外視出来る。 大胆なストロークは自信を持ったストロークであり、加速するインパクトが内包されている。これはどんなタイプのグリーン(芝)にでも通用するメソッドだ。 最も重要なポイント。ティー・ショットが短かったとしても、二打目でカヴァー出来る。アプローチに失敗してもピッチ・ショトでカヴァー出来る。しかし、グリーン上ではリカヴァリーというものはあり得ない。ショートすれば、確実に一打の損失なのだ。 |
大胆にパットせよ」
【参考】「Dave Pelzのホールはゴールではない」tips_46.html
(December 26, 2006、改訂June 02, 2015)
中堅インストラクターTodd Sones(トッド・ソーンズ)の飛距離増へのヒント。
'Hand yourself extra yards'
by Todd Sones ('Golf Magazine,' July 2006)
「飛距離が足りない、あるいはもっと伸ばしたいと思っておられるのなら、バックスウィングの弧の広さをチェックされたい。鍵となるものはグリップエンドが身体からどれだけ遠くに離れているかである。特にトップにおいて。
以下のドリルはテコの感覚を作り出し、フル・パワーを発揮するためバックスウィングを拡張するものである。
1) 通常のアドレスをする。
2) 右手の指を全てクラブから離し、掌だけがクラブに触れる状態にする。
3) バックスウィングを始め、左手親指と右手の掌を用いてクラブのグリップを背中へと押し上げて行く。引き続きグリップエンドを外側へと押し続け、トップを作る。
バックスウィングの広い弧はダウンスウィングでトレースされる。
この広い弧とよりゆったりしたバックスウィングに慣れたら、通常のグリップに戻して、トップに到達するまでに同じテコ感覚と広い弧を再現するように努める」
(December 26, 2006、改訂June 02, 2015)
インストラクターMike McGetrick(マイク・マゲトリック)のパッティング練習法。
'Find your feel for distance'
by Mike McGetrick with Matthew Rudy ('Golf Digest,' December 2005)
「練習グリーンで二つのカップを選び、スタート地点にティーを立てる。ターゲットのカップの一つにパターヘッドを当て、スタート地点から遠い方に向かって物差し代わりに横たえ、シャフトとグリップの境界にティーを立てる。もう一方のカップにも同じことをする。
スタート地点からパットし、ターゲットのカップに入るか、カップとティーの間で停まった回数を数える。七回連続して成功すれば初期の段階としては大成功。次に、二つのカップを交互に攻める。30分もすれば、パッティングの距離感が格段に良くなっているはずだ」
カップにパターヘッドを突っ込んで地面に寝せた時、ボールがシャフト内のどこかに納まっていれば、英語では"inside the leather"と云います。以前はグリップが"leather"(皮)で出来ていた名残です。"in the grip"という表現もあるようです。この範囲は日本では"OK"、英語で"gimmie"(ギミー)で、公式競技でない限り次のパットを省略出来るのは暗黙の了解事項(一打足すのを忘れないように)。
つまり、上のはOKの範囲内でボールを停めるための距離感を育成する練習法なんですね。長い返しのパットをすることなく、ボールを拾い上げられるのですから、心理的にも非常に楽になります。カップの手前でなく、向こう側を目標とするのがミソ。カップインする可能性を最大に見込んでいるわけです。
(January 09, 2007、改訂June 02, 2015)
以下は私自身へのメモであって、こうすべしと講釈するものではありません。クラブもロブ・ウェッジを前提としています。
短いチップ・ショットはパットする時のようにラインを読むべきだと云われる。グリーンにかなりきつい勾配があれば、最初のバウンスで思わぬ方向へ弾むことがあるため、読むことは大切。しかし、チップ・ショットはパッティングほど曲がらないということを肝に銘じておくこと。
これまで、チップインさせようとしてチップインしたことはほとんどない。ピン傍30 cmぐらいにつけば御の字と考えていたショットがたまたま入ったという感じ。チップインさせようと思い込んだ場合、大体においてボールはカップの近くに着地し、数mオーヴァーするのが常。カップではなく、着地点に意識を集中すること。
チップインを目論む場合、グリーンの勾配によって着地点を変え(上りならカップの近く、下りならかなり手前)、ほぼカップ方向へとチップする。絶対にオーヴァーしないように。チップで放り込むのではなく、その後のランで入れるのだということを忘れてはいけない。結果的に入らなくても、ギミー(OK)の範囲にボールが止まるように打つ。入らないわ、難しい距離を残すわ…は愚の骨頂である。
いずれにせよ、チップインはツァー・プロでさえ大喜びするハプニングなので、あまり期待しない方が精神衛生に良い。
(January 09, 2007)
Greg Norman(グレッグ・ノーマン)によるグリーン近くのラフから高くボールを上げ、グリーンに達したらすぐ停止するという、ソフトなショット。
'Instant Lessons'
by Greg Norman with George Peper (Simon & Schuster, 1994, $15.00)
「これはSeve Ballesteros(セヴェ・バレステロス)から教わったバンカー・ショットのテクニックにヒントをしたスペシャル・ショットである。難しくはない。数回の練習でコツがつかめる筈だ。
普通の短いピッチ・ショットのように、オープン・スタンス。ウェッジをややオープンに構え、60%の体重を左足に。普通にスウィングするが、一点だけ異なるポイントがある。
インパクトの直前に左手の最後の三本指(中指、薬指、小指)のグリップ・プレッシャーを緩めるのだ。プレッシャーをほとんどゼロにする。
この結果、右腕がスウィングを支配してヘッドを下ろし、ボールを打ち、鋭く急上昇する。ボールは素早く上がり、ソフトに下降し、蝶のように舞い降りる」
(January 18, 2007、改訂June 02, 2015)
Greg Norman(グレッグ・ノーマン)の着地後すぐに停止するバンカー・ショット。
'Instant Lessons'
by Greg Norman with George Peper (Simon & Schuster, 1994, $15.00)
「オープン・スタンス、フェースもオープンに寝せる。ボール位置は左足かかとの前方。これは上昇段階でボールを捉え、砂と共に舞い上がらせることを可能にする。
スウィングの前に『ゆっくりバック、ゆっくりフォロー』と自分に云い聞かせる。このショットにはスムーズなテンポが重要なのだ。TVを注意深く観ていれば、プロが遅いテンポのバンカー・ショットをするのに気づく筈だ。
ただし、ゆっくりではあっても力の抜けた減速するインパクトにしてはならない。ボールを過ぎたら、両手を高く上げたフォローをとる。高いフォローは加速し、適切にボールを持ち上げたことを意味する。
あなたが正しくこのショットを実行すれば、ボールはカップの近くに飛び、ワン・バウンドしてぴたりと停まる筈だ」
(January 18, 2007、改訂June 02, 2015)
インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)によるグリーン近くのラフから高くボールを上げ、グリーンに達したらすぐ停止するという、ソフトなショット。
'The 3 Scoring Clubs' 「【左足下がり】 ・傾斜によるインパクト時の実効ロフトの減少【ボールが低く出て距離が増える】を相殺するため、一本分ロフトの多いクラブ(例:ギャップ・ウェッジの代わりにサンド・ウェッジ)を選ぶ。 【左足上がり】 ・傾斜によるインパクト時の実効ロフトの増加【ボールが高く上がり過ぎて距離が減る】を相殺するため、一本分ロフトの少ないクラブ(例:サンド・ウェッジの代わりにピッチング・ウェッジ)を選ぶ。 |
以上は別にウェッジに限らず、アイアンを打つ場合などにも応用すべきことです。
(January 24, 2007、改訂June 02, 2015)
“シニア”と書いていますが、若くても身体の硬い人や充分な回転が得られないゴルファーにも参考になるtips。
'Create more power by bending your left arm'
by Tim Mahoney with David Dusek ('Golf Magazine,' September 2005)
「スィングでは二つの梃子(てこ)がパワーを生み出す。一つは両肩で、トップから両腕を引き下ろす。もう一つは両手首で、スウィング弧の最低点でアンコックする。
身体が固くなったシニア・ゴルファーはもう一つの梃子を加えてパワーをつけることが出来る。バックスウィングを始める時に、左腕を僅かに折るのである。ダウンスウィングで左腕が自然に真っ直ぐになる動きは、両手の動きを早め、クラブヘッド・スピードを増す。
どの程度左肘を折っていいかは、次のようにして感じ取る。両腕をリラックスさせ、ゆっくりトップまでスウィングする。そこでシャフトが右肩に触れるまで左腕を折る。動きを止め、スムーズなスウィングでシャフトが左肩の上に納まるようなフィニッシュを迎える」
'Create more power by bending your left arm'
by Tim Mahoney with David Dusek ('Golf Magazine,' September 2005)
「身体の柔軟性が衰えたと云っても、まだスウィングのトップでクラブを地面と平行にし、パワーを付け加えることは可能である。
最初のステップはグリップを変えることだ。普通にグリップした後、シャフトの上に伸ばした左手親指を下に廻し、シャフトに巻き付ける。左手親指は右手小指に接する。これによって手首は最大限にコックされ、長いバックスウィングを可能にする。
足にも注意しよう。スクウェアに揃えた足は、望ましい体重移動を阻害する。両足の爪先を少なくとも10°ずつ開く。もし身体が固いなら、もっと開く。この変更によって、両足、両足首は正しい体重移動を助けてくれる」
(January 24, 2007)
'It's all in the wrists'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' February 2007)
「スウィングのトップおよびインパクトの時点での手首とクラブフェースの角度(オープン、クローズ、スクウェア)は直接的な相関関係がある。理想的には左手の外側と左手首の甲はトップで一直線になっているべきであり、そうなっていればクラブフェースがスクウェアであると断言出来る。
もし、トップで左手首が凹(甲の方に折れている)ならば、クラブフェースはオープンであり、プッシュかスライスを打つ確率が高い(プッシュかスライスかはスウィング軌道によって左右される)。逆に左手首が凸(手の平の方に折れている)なら、インパクトでクラブはクローズになるので、結果はプルかフックになる。
あなたのミスが概ね右へ行き、トップで左手首が凹になっていると認められたら、物差しを用意して次のように練習するとよい。物差しが左手の外側と左手甲の上に渡るようにテープで止めるか、腕時計に挟む。この状態で、手首が折れないようにしながらスウィングのトップまで行く。何度か練習するうちに手首が折れないスウィングの感覚が身に付き、プッシュやスライスを打つ回数が少なくなる筈だ。
同じように、ボールが左に出て、トップで左手首が凸になっている人は、物差しが左手首の内側と左掌に渡るように固定する。これは手首が凸になることを防ぎ、プルやフックを真っ直ぐにしてくれる」
(January 31, 2007)
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