'Ask Golf Magazine'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' October 2006)
これまで紹介して来た記録法の中で、最も簡単なものです。下の番号は図の赤い数字に対応しています。
「1) 欄の左上隅に、ティー・ショットがフェアウェイをキープしたら◯、失敗したらXを記入する。
2) 欄の右上隅に、パーオンしたら◯、失敗したらXを記入する。
3) 欄の右下隅にパット数を記入する」
図の例ですと、パー5のホールではティー・ショットがフェアウェイをキープし、パーオンにも成功し、2パットのパーだったことになります。次のパー4ではティー・ショットがフェアウェイを逸し、パーオンにも失敗し、2パットのボギーだったことが解ります。これによって、次回のラウンドまでに集中的に練習すべきなのはドライヴァーなのか、アイアンなのか、パターなのかが分析出来ます。
この方式は他の升目を必要としないので、何人で廻ろうとも記録が可能なのがメリット。なお、原文では欧米流に成功はX、失敗は◯になっていましたが、日本流に逆にしました。
(October 01, 2006)
以前、「猫まんま(猫御飯)おにぎり」について書きました。その後、御飯(炭水化物)も体内で糖分に変化することを知り、甘いものを食べるのと同じような急激な気分の昂揚と続く一転した虚脱状態を招くのかと、ちとビビりました。しかし、引き続く研究の結果、御飯は体内に吸収されるまでにかなり時間がかかり、しかも糖分として機能するのも極めてゆるやかであることが分りました。甘いものを飲食するのとは完全に異なり、逆にエネルギー補給およびその効果としては理想的なものというわけです。
私がプレイするパブリック・コースでは、日本のように昼食を強制されたりしません。食堂がないコースすらあります(市営ゴルフ場にもありません)。また、食堂があっても、“出来ますもの”はハンバーガーかホットドッグ、サンドイッチといったシンプルなものばかり。ジャンクフードを嫌う人々は、コースの食堂で何か食べるということをほとんどしません。中には昼食抜きで36ホール廻るという猛者もいます。
私は胃が小さいのか、食いだめというのが出来ません。すぐお腹が一杯になり、すぐお腹が空いてしまいます。お腹が空くとプレイに集中出来なくなり、力も入らなくなります。私にとって「空腹は最大の敵」なのです。そういうわけで、出掛ける前に割と重めの朝食(あるいはブランチ)を取って行くことになるのですが、最近頻繁に食べているのは吉野家の牛丼です。もちろん、南部の田舎町に吉野家があるわけはなく、自分で作るのです。ウェブを経巡った末、私が到達した結論「吉野家風牛丼の研究」は http://www2.netdoor.com/~takano/offline-j4.html を御覧下さい。
牛丼は薄切り肉なので肉の総量(=カロリー)が少ないせいか、ラウンド中にお腹が空くことがあります。そういう場合に備えて、やはりお握りは必要です。最近のヒットは「紫蘇おにぎり」です。
私の知人で日本の青じそを栽培している方があり、「いくらでも取って行け」と云ってくれています。確かにぼうぼうに伸び育っていて、とても食べ切れるものではありません。なるべく、柔らかく幼い葉を選んで摘み、洗った後、真ん中の筋を取り、残りをみじん切りにします。これだけでもいいのですが、最近「赤じそのふりかけ」(ゆかりとも云う)を貰ったので、それも御飯に混ぜます。握った後、表面にだけ薄く塩を振ります。このおにぎりは美味しいだけでなく、新鮮な紫蘇の香りによって頭が冴えるような気がします。事実、紫蘇は精神を安定させる効果があるそうです。
(October 03, 2006、改訂January 07, 2017)
'Ask Golf Macazine'
by editors of "Golf Magazine' ('Golf Magazine,' October 2006)
「『最近のボールは丈夫に出来ていて、結構長期の使用に耐える』とCallaway(キャラウェイ)の副社長Mike Yagley(マイク・イエィグリィ)は云う。彼によれば、高級なボールだと三ラウンドは問題なく使え、やや質の落ちるボールではそれより短くなる。『カート道路に打とうが乱暴に打とうが、目に見えるダメージは単に光沢が失われるだけだろう』光沢が失われれば空気力学的影響は免れないので、そうなったらボール交換の時期とも云える。しかし、Mike Yagleyが付け加える、『ウレタン・カヴァーの光沢が失われのは相当使い込まれてからである。光沢が失われる前に、大抵のゴルファーはボールそのものを失っているはずだ』」
(October 03, 2006)
'How to shoot your age'
by editors of "Golf Magazine' ('Golf Magazine,' October 2006)
「サウス・キャロライナ州ヒルトン・ヘッド島のLeo Luken(リオ・ルーキン、87歳)は、この五月、あるエイジ・シュート・トーナメントにおいて81(6アンダー)を達成して優勝した。彼が公開する“あなたにも出来る”秘訣。
・フェードを身につける
私はカット・ショットを打つ。少し距離は落ちるがOBに向かうフックは絶対に出ない。優勝した時のフェアウェイ・キープ率は100%だった。
・競争心でプレイする
63歳で仕事から引退した時、妻と私はマートル・ビーチを中心にしたシニアの組織に加入した。ある年、われわれは50ものトーナメントでプレイし、その多くは四日間の試合だった。
・信じること
私は常に同じパターを用いている(Otey Crisman)。71歳で私が初めてエイジ・シュートした際、私はどの10フィート(3メートル)のパットもミスしなかった。
・その時を待て
71歳のエイジ・シュートは難しかった。今では、私は547回もエイジ・シュートを達成している。朝、ベッドから起き出せるなら、大体エイジ・シュート可能だと云ってよい。待っていれば、あなたにもそのマジック・ナンバー(年齢)は必ずやって来る」
実は私もOtey Crismanのパターを持っているのです。ある友人からの贈り物でした。それはOtey III 310HBというタイプで、ヒッコリー・シャフトの古風さに、マレット型ヘッド、ダブル・グースネックという現代風が同居しているユニークなものです。私の歳ではエイジ・シュートはまだ無理ですが、私もこのパターを使ってみようか?という気になりました。こういう風にパターをころころ換えるからいけないんですが:-)。
(October 08, 2006)
以下の記事は、'Golf Digest'誌読者からの「5番ウッドと7番ウッドをハイブリッドに交換すべきか?」という問いに、道具に関するエクスパートFrank Thomas(フランク・トーマス)が答えたものです。
'Choose your weapon'
by Frank Thomas ('Golf Digest,' November 2006)
「フェアウェイウッドのヘッドは大きいので、ハイブリッドよりMOI(註)が大きい。故にミス・ヒットした場合でも許容度が高い。
【註】MOI:慣性モーメント。やさしい解説は http://www.mcx.co.jp/golf/theory/golf03.htm にお任せします。
しかし、ハイブリッドのシャフトは、フェアウェイウッドより約2インチ(約5センチ)短いためコントロールし易く、滅多にミス・ヒットしないだろう。私の助言は『7番ウッドをハイブリッドに置き換え、5番ウッドはそのまま温存しなさい』というものだ。
今回の質問は非常に興味深いポイントを含んでいる。7番ウッドとハイブリッド、3番アイアンは一般的に同じロフト(21°前後)である。どれを選ぶべきかはCG(重心位置)で決めるべきである。CGは二つの軸線、つまり1) ソールからどれだけ高いか、2) フェースからどれだけ奥か…によって測られる。ウッドで打たれたボールは、ウッドのCGが低くしかもかなり奥めであるため、高い軌道で飛ぶ。3番アイアンのCGは高めでフェースに近いため、ローハンデのゴルファーが速いスウィングで低く突き刺すようなボールを打つのにふさわしいが、許容度は極めて低い。ハイブリッドは、その名の通り、両者の中間と云える」
(October 15, 2006)
Dana Quigley(デイナ・クウィグリィ、59歳)は50〜58歳まで、出場資格のあるトーナメントには全部出るという快挙により、“鉄人”の称号を得ています。昨年、ある空港からSenior British Open(シニア全英オープン)に出発しようとしたところ、予約した便が欠航となり、次の便もそのまた次の便も欠航で、待ちくたびれて腰が痛くなり、ついに連続出場記録更新を断念したそうです。しかし、この記録は当分破られそうもありません。彼は2004年にChampions Tourの賞金王ともなっています。
'My Shot'
by Dana Quigley ('Golf Digest,' November 2006)
「ハイブリッド・クラブは、いまやそれを一本も持たないゴルファーはないという位、凄い状況になっている。私はみんなと同じように3番アイアンと4番アイアンに相当するハイブリッドを使っているだけでなく、5番アイアンと6番アイアンに相当するハイブリッドも備えていて、現在7番アイアン相当のハイブリッドすら検討中である。
ハイブリッドは、どのショットもティー・ショットのように打てる。ボールは高く飛び、急速に停止する。私から質問させて頂こう。私が13億ドル稼ぎ、しかもそれがハイブリッドのお陰によるものだと知りながら、なぜあなたはまだアイアンを使うのか?
最新のゴルフ戦術の秘密は、ショート・アイアンとウェッジによるショットを低く打ち、他の全てのクラブでボールを高く打つことである」
(October 15, 2006)
'What tour caddies make'
by Mark Soltau ('Golf Digest," November 2006)
「ヴェテラン・キャディたちの話を総合すると、大半のキャディは週に1,000ドルと、少なくとも賞金の5%の歩合報酬を受け取っている。歩合はトップ10に入れば7%、優勝すれば10%にハネ上がる。
有望な新人に雇われるキャディは、週給500ドルだが賞金の10%という通常より高い歩合報酬を要求する。この辺は人によって異なるそうだ。
Ron Levin(ロン・レヴィン)は、2004年の全英オープンで優勝したTodd Hamilton(トッド・ハミルトン)のキャディだが、彼は次のように語る。『1987年にキャディを始めたんだが、その頃年に100,000ドル稼ぐ奴はゼロだった。今じゃ、六桁稼ぐキャディは100人以上もいる。豊かになったもんだよ。最初の十年というものは、仲のいいキャディ同士相乗りの車でトーナメント会場へ走り、モテルの一室に三人とか四人がぎゅう詰めで泊まったもんだ。倹約家の見本みたいだが、そうしなければ金を貯めることは出来なかった。今はコースのホテルに泊まり、飛行機で飛び回る御時世だ』」
昔、ツァー・プロは優勝しなければ豊かになれないので必死で頑張ったそうです。PGAツァーの賞金額が高騰した現在、何度かトップ10周辺をうろうろすれば、全く優勝しなくても大金持ちになれるそうです。だから、Tiger Woods(タイガー・ウッズ)だけが優勝カップをかっさらっても、誰も文句は云わない。現在の高額賞金時代を築いたのはTigerですから、ぶうたれるのは恩知らずというものでしょう。そういう現状を背景に、プロキャディの収入もどんどん上がっているわけです。
(October 22, 2006)
'What the top teachers make'
by editors of 'Golf Digest' ('Golf Digest,' November 2006)
インストラクター | 一時間レッスン | 一日出張講習 |
---|---|---|
Butch Harmon(ブッチ・ハーモン) | $600 | 最低 $50,000 |
David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター) | 半日 $10,000 | 最低 $50,000 |
Jim McLean(ジム・マクレイン) | 5時間 $3,000 | $15,000 |
Hank Haney(ハンク・ヘイニィ) | $400 | $35,000 |
Rick Smith(リック・スミス) | $1,000 | $30,000 |
Jim Flick(ジム・フリック) | $300 | $15,000 |
【おことわり】画像はgolfdigest.comにリンクして表示させて頂いています。
(October 22, 2006)
池越えを水切りで渡すテクニックというようなものではなく、純粋に健康に結びついた話です。私のゴルフ仲間で、私がいくらスポーツ・ドリンクの必要性を説いても水しか飲まない人、水は飲まずにビールだけ飲む人、何にも飲まない人などがいますが、彼らは皆間違っているということが以下の記事で判ります。
'Drink to live' 「水は空気に次いで重要なものである。人間の身体の75%〜90%は水で出来ていて、呼吸するにも、食物を消化するにも、ホルモンの生成や関節のスムーズな動きのためにも水分が必要である。 充分に水を補給していないと、脱水症状のサインは先ず喉の乾きとして現われ、次に小水の色を黄色くする。休息を取っている最中でさえ、呼吸や発汗、排泄などによって水分を失う。 健康な成人女性は11カップ分、成人男性は16カップ分の水分を飲み物や食物から摂取すべきである。人々は水分の80%を水や飲み物から摂取し、残りの20%を水分を含んだ食物から得る。生野菜や果物、例えばレタス、スイカ、ブロッコリ、グレープフルーツなどの90%以上は水である。 カフェインが入った飲み物やアルコール類の摂取は利尿作用と結びついているので、脱水症状を招く結果となる。5カップ以上のカフェイン飲料やアルコールを飲む人は、それらと同量の水分を摂取すべきである。 アクティヴに活動している人は20カップ分の水分をとるべきだ。暑い季節でないから…などと考えてはいけない。寒い季節でさえ水分補給は必要なのだ。【編註:この記事が季節外れだと思ったあなたはワン・ペナです】 |
われわれは年齢とともに筋肉を失って行くが、その筋肉は水で出来ている。30歳以降は十年毎に身体の嵩(かさ)を失って行き、それに伴って水分も失う。
電解質はエネルギーと直接関係はないが、細胞内外の水分のレヴェルのバランスを取る物質である。汗をかくと、われわれは塩分、カリウム、塩化物を失う。純粋な水はこれらの成分を含んでいない。しかし、ジュースやスポーツ・ドリンクは必要な電解物を補うものである。もし発汗しながら単に水だけを飲んでいると、心臓発作や脳腫脹 (のうしゅちょう)を起し、極端な場合死んでしまうことすらあり得る。
水分の摂取は重要だが、過度に摂取すると体内の塩分やカリウムの量を低下させてしまうので要注意」
アメリカの研究に基づいた記事なので、小柄な日本人の身体であれば、一日に必要な水分の量は多少変わるかも知れません。
(October 26, 2006)
プロ、アマを問わずラウンドの最中に必要な心構えが二つあります、一つは"One shot at a time"(一打に専念する)。これは次のDr. Bob Rotella(ボブ・ロテラ博士)による"Staying in the present"(現在に留まる)と意味は重複するのですが、双方がペアで使われることが多いようです。
'The Golfer's Mind'
by Dr. Bob Rotella with Bob Cullen (Free Press, 2004, $23,00)
「ティー・グラウンドに上りながら『これはバーディ・ホールだ』と考えたら、あなたは現在を通り越して二打も三打も未来の時制に足を踏み入れている。真に現在に留まっているゴルファーは、目の前のショットをどのように打つかだけに集中する。
あなたの心が本当に現在に留まっているなら、あなたは自分のプレイの善し悪しを評価したりしない。なぜなら、そういう行為は過去を振り返ることに他ならないからだ。
スコアについて考えることは、想念が過去と未来にさまよい出していることを意味する。これまでのホールのスコア(過去)、そしてラウンド終了後のトータル(未来)を考えているからだ」
前のホールの失敗をくよくよと考えたり悔しがったりするのも、心が過去に留まっていて目の前のショットに集中していない証拠です。終わったことはさっぱり忘れ、次のショットにベストを尽くす必要があります。「もう今日は駄目だ」と諦める心理状態も、残りのホールの可能性(ホール・イン・ワンやアルバトロス、イーグルなど)を否定するわけですから、やはり現在を離れて未来時制に不法侵入していることになります。
(October 29, 2006)
'Put your clubs to work!'
by Tom Wishon ('Golf Magazine,' November 2006)
「1) あなたのウッドがスクウェアなフェースであれば、クローズド(フック)フェースにする。
2) オフセットのシャフトにする。“オフセット”とはシャフトがフェースより前方にせり出したもので、インパクトの瞬間に両手・両腕の回転を先行させ、フェースをオープンではなくする効果をもたらす。
3) ドライヴァーのシャフトを1〜2インチ(約2.5〜5センチ)短くすると、アウトサイド・インのスウィング軌道を和らげ、自動的にスライスの深刻さを減じることが出来る。ただし、シャフトを短くしたら、スウィング・ウェイトを維持するためにヘッドに重量を足すこと。そうしないと、スライスはもっとひどくなる。
4) あなたのボールが常に30〜40ヤードも曲がる“バナナ・スライス”であり、しかもスウィングを矯正する気も時間もないということであれば、クローズド(フック)フェースでオフセットのホーゼルになっていて、なおかつ短いシャフトのクラブを購入すべきである」
(October 29, 2006)
'My Shot'
by Dave Stockton ('Golf Digest,' September 2006)
Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)はパット名人として有名なプロ。
「Tips(ティップス)というものは、素晴らしい結果を生むちっちゃいけれど偉大なヒントなのだが、いかんせん、一週間しか効き目がない。あるtipを五日間重点事項にしたら、別の新鮮なtipを探した方がよい。最初のtipは期限切れが近いからだ」
(November 09, 2006)
'Let it slide'
by Scott Sacket ('Golf Magazine,' November 2005)
「今日のパターの大半は3〜6°のロフトで作られている。何故ロフトが必要かというと、グリーン上のボールは若干芝の中に沈んでおり、先ずそれを上げなくてはならないからだ。理想的には、ボールはパター・フェースを離れると同時に滑走し、それから転がり始めるべきものだ。Scotty Cameron(スコッティ・キャメロン)によれば、滑走を生む最適のロフトは4°だそうだ。
あなたのパターが必要充分なロフトを持っているかどうかテストする方法がある。カップの手前1.5インチ(約3.8cm)にボールを置き、あたかも6mのパットのようにストロークする。数回試し、その結果が、
1) カップの向こうの縁に当たって飛び上がるようであれば、そのパターのロフトは少な過ぎる。
2) カップを大きく飛び越すようであれば、そのパターのロフトは多過ぎる。
3) カップをかろうじて越すようなら、そのパターのロフトは適切である」
(November 16, 2006)
以下の金言集は当サイトが独自に収集・翻訳したものです。無断転載・引用を禁じます。
「腕時計をつけてプレイしているなら、スウィングのトップで現在時刻が分らなくてはならない」
Peter Aliss(ピーター・アリス)
「誰もがボールを遠くへ飛ばしたがる。多くの場合、ゴルファーは自分の限界以上の距離を欲しがる」
Claude "Butch" Harmon(ブッチ・ハーモン)
「最悪のゴルファーとは、どのグリップをすべきか迷っている男である」
Harvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)
「私のゴルフがましになったと云えるのは、ボールが観客に当たる回数が減ったからだ」
Gerald Ford(ジェラルド・フォード大統領)
「ゴルフは"how"のゲームではない。"how many"のゲームである」 「たった二人だけが自分のスウィングだというものを持っている。Moe Norman(モー・ノーマン、写真)とBen Hogan(ベン・ホ−ガン)だ。私もこれが自分のスウィングだと云えるものを持ちたい」 「あなたの1/3のパワーはポケットにしまっておけ。パワーを使い切ってはいけない。堅実さと良い方向性のために、25ヤードの飛距離を犠牲にする感覚でボールを打つことを学べ」 「多くのアマチュアがハイハンデのまま生涯を終えるのは、彼らがマッチョであろうとする自我を抑えられないからだ」 「急ぐべきなのはショットとショットの間である」【=ショットの最中ではない】 |
「パッティングのスピード(強さ)はラインより4倍重要である」
Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)
「ゴルフは腰から下のゲームである」
Lee Trevino(リー・トレヴィノ)
「あなたのライヴァルの凄い飛距離についてコメントしてはいけない。あなたの不可解な沈黙によって彼がもっと飛ばそうとし、必然的にOBに打ち込むまで待て」
Stephen Potter(スティーヴン・ポター)
(November 30, 2006、修正August 02, 2015)
'The Power of muscle memory'
by Mike Bender ('Golf Magazine,' December 2006)
'Golf Magazine'選出のベスト100インストラクターの一人Mike Bender(マイク・ベンダー)は、フロリダにゴルフ・スクールを持っています。
「最近、私のゴルフ・スクールにスウェーデン人の女性がやって来た。彼女は英語を話せず、クラブに触ったこともないと云う。私は写真とヴィデオを使ってスウィングの説明を始めたが、彼女は私の英語を理解出来なかった。
【ステップ1】彼女の身体に正しいアドレスを覚え込ませた。
【ステップ2】トップへクラブを上げさせ、そこで静止させた。
【ステップ3】静止したトップからボールを打たせた。スウィングする毎に、私は彼女のフィニッシュの体勢を調整し、そこで数秒間静止させた。いつのレッスンでも、私はこれを一回のスウィング毎に繰り返した。一日一時間、六日連続で。
六日目の終りに、彼女は7番アイアンを使い、素敵な高めのドローで130ヤードのショットを放った。マスル・メモリがこんなにも急速に彼女のスウィングを支配し、一週間足らずで彼女がそれぞれの位置の正しい感覚を身につけたのは驚くべきことだった。
このレッスンのキー・ポイントは、それぞれのステップで動作を静止させたことだ。それが彼女に何が正しいかの感覚を体得させたのだ。多くのゴルファーは、自分のスウィングが正しいか正しくないか感じ取れないものである」
このリポートを応用し、アドレス、トップ、フィニッシュの三点を身体で正しく記憶し、それらをスムーズに連結することだけ心掛ければ、われわれのゴルフも上達可能な気がします。
(December 10, 2006)
'Attitude is everything'
by Nancy Quarcelino ('Golf Magazine,' December 2006)
'Golf Magazine'選出のベスト100インストラクターの一人Nancy Quarceline(ナンシィ・クアセリーノ)は、テネシー州のゴルフ場のレッスン・プロ。
「Tom(トム)が教わりに来た時、彼のハンデは12.5で、今月は6.5。まだまだ下降傾向にある。驚くべき事は、彼の大幅な進歩がたった数ヶ月で達成されたことだ。
誰もがスウィングに悲劇的欠陥を持っているものだが、Tomのそれは腰の回転と、ダウンスウィングで体重左への移動の不十分さだったことだ。われわれの最初の試みの一つは、彼の左足を地面に根が生えたようにし、ダウンでの体重移動を受け止めるというものだった。Tomがその動きを学び取り、悲劇的欠陥を除去するのにさして時間はかからなかった。彼は現在、かつてない飛距離でかつストレートにボールを打っている。
Tomを助けたのは彼の上達しようという姿勢と真剣さである。彼はレッスンに来る時、質問事項と彼のゲームの詳細なリポートを用意していた。私の助言をメモし、私が撮影した彼のスウィング・ヴィデオを持参のCDにコピーして持って帰って分析した。彼は進歩の状況をグラフにし、長所・短所を自分自身で診断した。
彼は即効を焦ることなく、長期展望のもとに努力を重ねた。しかし、その焦らない態度が、逆に短期間で効果を上げることに繋がったのだ」
(December 13, 2006)
'The Triangle Game'
by Roger Gunn ('Golf Illustrated,' March/ April, 2006)
「10ヤード先にクラブ三本を組み合わせて三角形を作る。もう三本で20ヤード先にも三角形を作る。
二つの三角形を代わる代わる狙う。10ヤードのターゲットを狙った半分以上を成功させ、20ヤードのターゲットで五回に一回成功させるまで続ける。どんなクラブを使ってもよい。
異なるターゲットを異なる軌道(高低)で成功させたらボーナス・ポイント」
(December 18, 2006)
'Bill Kroen's Golf Tip-A-Day 2003'
by Bill Kroen (Andrews McMeel Publishing, 2002)
古い「日めくりtips」から選んだ秀作の一つ。
「あなたが及び腰のゴルフをしているかどうか確かめたかったら、ある日のラウンドを過剰なまでに攻撃的にしてみることだ。どのティー・ショットも二打目に理想的なポジションを目指し、全てのピンを狙って攻め、全てのパットで転げ込むかオーヴァーするようなストロークをする。ラウンド後、いいスコアのためにはどういう作戦が理想的か判断する」
(December 18, 2006)
'10 minute swing changes'
by Glenn Deck ('Golf Tips,' April 2005)
「スウィングのタイミングがずれると、全てが制御不能になってしまう。ダウンスウィングの正しい順序は、先ず体重移動し左足を安定させ、同時にクラブを下方へとスタートさせるというものだ。あなたがこれをちゃんと行なっているかどうかチェックするには、ダウンスウィングで9時(腰の辺り)まで下がって来たところで身体の動きを止めてみる。もし、これが出来ない場合は、身体の回転が速過ぎるということになる。
もし、上の方法が出来ない人は次のような練習をする。
1) ボールをティーアップする。
2) 通常のスタンスを取った後、左足を右足に近づける(接触させる必要はない)。
3) クラブを両足の間にセットする。
4) 通常のバックスウィングをするが、トップへ行くまでの間に左足をボールの向こう(ターゲット方向)に移動する。
5) 左足が着地し安定するまで身体の回転を始めてはならない。
6) ボールを打つ。
この練習法によっていくつかソリッドなショットが打てるようになったら、タイミングが首尾よく戻って来たことになる」
野球の「一本脚打法」みたいですね。こちらの左足を戻すタイミングは、野球よりはずっと早いですが。
(December 28, 2006)
「80を切った、その日」の松田さんにお褒め頂いた「自己暗示」ですが、久しぶりにテープを聴いてみると、1999年の段階では考えつかなかった重要なポイントが種々欠けていることに気づきました。で、改訂版を作成しました。前回のはフレーズが多過ぎて早口で録音せねばならず、復唱するための空白もほとんど無かったので、かなり忙しいテープでした。今度はかなり余裕を持って復唱出来ます。
前回、「私が初めて80を切ったのは、このテープを作成して四日後のことでした」と書きましたが、実はつっかえたりろれつが廻らなかったりで、全体を朗読すること五、六回では済まなかったのです。それほど何回もこれらのフレーズを口走ったので、自分自身の“洗脳”に成功してしまったのかも知れません。やはり、口に出して云わないと効き目が無いようです。皆さんも、ただ読むだけではなく、録音なさることをお勧めします。
愛車にCDプレイヤーがある方は、自分で録音した音声をCDに焼いてしまい、「繰り返し再生」モードを使うことが出来ます。MacintoshコンピュータのiMovieというソフトでは、コンピュータ内蔵のマイクで録音し、音声を編集することが出来ます。NGを削除したり、復唱するための行間の空白を長くしたり短くしたりすることも可能です。それをQuickTime Movieとして書き出し、QuickTime Playerに読み込んだ後、MPEG-4として音声だけ書き出し、iTunesのライブラリに入れれば、簡単にCDを焼くことが出来ます。
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おれは80を切る! |
ボールを目で追わないパットが出来る。
パットは全てカップに入る。
おれの身体は80を切るスウィングを知っている。
おれは素晴らしいショットだけを考える。
プレイする時は戦略を立てて、いい成果を納める。
他人にオーヴァードライヴされても気にしない。
他人は競争相手ではないことを知っている。
おれは冷静にリスクの評価をする。
ボールを常にインプレイの状態にする。
おれは冒険はしない。
いいショットを自慢するような考えを捨てる。
おれは失敗を二度続けない。
心の目で自分が期待するショットを見る。
疑いが生じたら、すぐポジティヴにスウィッチする。
ターゲットに真っ直ぐ飛ぶボールを見る。
おれは下半身主導の理想的なダウン・スウィングが出来る。
頭を残して振り抜くスウィングが出来る。
大きなフィニッシュだけを考える。
おれのスウィングは素晴らしい。
おれは80を切る実力がある。
おれは焦(あせ)らないでプレイする。
一打、一打を大切にプレイする。
【参考】「自己暗示」tips-31.html
(December 28, 2006)
アメリカの統計では、ゴルフを止める人の数はかなり多いそうです。それでもゴルフ人口が減らないのは、入門者の数が止める人の数を上廻っているからだとか。
私も、これを読んでいるあなたも、なんでゴルフを止めないのでしょう?プレイ費用や道具にかけるお金も馬鹿になりません。たまの休みも一人で出掛けてしまうので、家族から白い目で見られます。その見返り(御褒美)として、われわれは何を手に出来るのか? 「一生に一度でいいからパー・プレイしたい」 パー・プレイしたからといってギネス・ブックに載るわけでもなく、地元TV局がインタヴューに来るわけでもなく、知事から祝電が届くわけでもありません。世の中にパー・プレイ出来る人はゴマンといるので、別に珍しくも何ともないからです。毎回80を切れないゴルファーがパー・プレイを夢見るのは、単勝で万馬券を的中させるよりも難しいでしょう。いや、宝くじを買わずに当てる(?)のと同じかも知れません。 そこへいくと、ホールインワンの方がまだ確率は高いでしょう。まぐれですからね。誰にだってあり得るわけです。これも知事からの祝電はありませんが、少なくともゴルフ仲間は祝福してくれ、記念品をくれと脅迫するでしょう。しかし、われわれはホールインワンを目指してゴルフ場へ行くわけではありません。 やはりわれわれの狙いはスコアなのです。92で廻る人は88で廻りたいし、83で廻る人は79で廻りたい。それ以外に目的はありません。これが中々達成出来ない。人によっては一年、あるいは三年も足踏みし、悪くすると達成出来ないままあの世へ行ってしまう。「90を切る」、「80を切る」などというのはパー・プレイよりありふれたものなので、全く自慢出来ることではありません。履歴書に書くべき事項でもないし、弔辞で賞賛される事柄でもありません。要するに当人にとってだけ重要で、家族も親戚も会社の同僚も組合幹部も町内会も婦人会も「なにそれ?」という範疇のことです。 「他人に出来ておれに出来ないのは口惜しい」確かに、人と生まれて自転車に乗れない、泳げない、逆立ちが出来ないなどというのは口惜しいかも知れませんが、ゴルフは別です。凄く難しいスポーツと云うしかありません。ゴルフ専門のTV局があって、24時間「どうやったらうまくなるか」について放送をしてるくらいです。テニスも、バスケットも、野球も、フットボールも、専門のTV局などありませんし講座番組などありません(NHKでテニスはやった記憶がありますが)。つまり、ゴルフが飛び抜けて難しい証拠です。誰でもうまくなるスポーツじゃないのです。 |
われわれは90を切りたい、80を切りたいと云ってはコースに出掛けて行くものの、常にその目的は頓挫します。最終ホールでロング・パットが入ったとか、チップインがあった、ドライヴァーがよく飛んだ…などということだけお土産にして、あたかも目的が達成されたかのような振りをして帰って来ます。これはすり替えですね。オサマを捕まえに行ったはずなのに、サダムを捕まえて「目的達成」と主張するようなもんです。
そういう誤摩化しをしない場合感じるのは、ミス・ショットによる挫折感、クラブ選択を誤ったことの口惜しさ、パーパットをショートしたことへの自己嫌悪、またもや80を切れなかった敗北感、ライヴァルに負けた屈辱感…等々です。毎度毎度こうした面白くもない暗い感覚に押しつぶされそうになって、なおゴルフを止めないのは何故か?これが入試とか、司法試験、昇進試験などの失敗であったら、鬱病にならない方がおかしいくらいのものです。しかし、われわれは怖めず臆せず、まるで感情のないロボットのように、あるいは魔物に取り憑かれた夢遊病者のようにまたもやゴルフ場を目指して行くのです。
「中毒だから?」確かに中毒の場合、楽しくも快くもないのに止められないという側面はあります。私は長いことニコチン中毒だったので(今は吸いませんが)、風邪を引いてタバコが旨くも何ともない、というか喉が痛くて味も分らず、ただ咳を誘発するだけなのに吸っていたことがあります。これなどは、ゴルフ中毒説に近いかも知れません。しかし、アルコール中毒だと朝っぱらから酒を呑みたくなったり、ニコチン中毒だとタバコが無ければ吸い殻を拾ってでも吸いたくなるという血中濃度(アルコールやニコチンの含有量)の不足から来る欲求(衝動)があるのですが、ゴルフの場合、血液の中に一定濃度のゴルフ毒が流れていないと気が狂うという仕組みになってはいません。パチンコや競輪・競馬と同じように、そういう場所へ出掛けて行く時間と金銭の余裕がある時だけ衝動が生まれ、そうでない時は我慢出来る範疇です。つまり、“悪習”というに近く、“中毒”と呼ぶべきものではないのです。
私が通っている市営ゴルフ場には、天気さえ良ければ毎日ゴルフしに来る老人たちがいます。彼らが“中毒”かどうかというと、これまた疑問です。彼らは家にいると奥さんから芝を刈れ、落ち葉を掃除しろ、家具を動かせ、友達を呼ぶからブリッジを一緒にやれなどと命令されるので、それが嫌で逃げ出して来ているのが半分。後の半分は、ゴルフを止めたら死ぬかも知れないという恐怖感。マラソン・ランナーの宗 茂選手から聞いた話ですが、彼は走っている時の脈が正常で、じっとしていると不整脈なんだそうです。心臓を正常に維持するためには走り続けなくてはならない。老人ゴルファーたちも、「ゴルフが出来る間は大丈夫」という安心感を得るためにプレイし続けているような気がします。
「ゴルフは天分によるものではなく、正しく習得すれば誰でも上手くなる」と云われます。これは嘘ですね。やはり運動神経がいい人はすぐ上手くなります。「誰でも上手くなる」というのは、ゴルフ道具メーカー、出版や放送メディア、そしてゴルフ・スクールなどが一体となって実施している巨大な詐欺の包囲網です。素人のほとんどは上手くなりません。これまたアメリカの統計ですが、ここ数十年素人の平均ハンディキャップは全く変化していないそうです。クラブやボールが改良され、専門TV局まで出現し、VHSやDVDによるレッスンもポピュラーになったというのに…。新入門者がハンデを押し上げているという要素はあるとしても、全体としてわれわれは上手くなっていないのです。
「自分だけは別」とおっしゃる?そうかも知れません。ひょっとして天分があることが判明した人は幸いなるかな。残りの大勢(私を含む)はマゾヒストの気があると断言していいでしょう。先ほど挙げたような挫折感、敗北感、屈辱感などを味わうことがほぼ確実なのに、性懲りも無くまた出掛けて行くわけですから。
見込みがないとなったらさっさと止めて行く人は賢いのです。短い人生、やりたいことは山ほどあります。それらを見向きもせず、上達もしないボール遊びに時間を浪費しているのは勿体ないことではないでしょうか。
【後記】
上の記事は、腰痛でゴルフが出来なかった時期に書いたものです。Wikipedia風に云うなら「これは書きかけの項目です」という感じ。別に「加筆、訂正などをして下さる協力者を求めて」はおりませんが、結論部分が欠けているので加筆が必要なところです。あそこまで書けば「で、私も2007年に入ったらゴルフをやめる決意をしました」とか何か、止めの一行がなければ納まりがつきません。
もちろん、「うまくいかないからやめる」というのは不甲斐ない精神です。「ゴルフ以外にもやることは一杯ある」というのは、イソップの「酸っぱい葡萄(ぶどう)」に近いかも知れません。
しかし、ゴルフをやめるにしろやめられないにしろ、このサイトの先行きが見えて来たのは確かです。雑誌を読んでも、目新しいtipは一冊に一つあるかないかという状態ですし、もう役立ちそうな本で入手可能なものはほとんど目を通しました。目新しいものはないのです。Tipsの備蓄は減る一方で、これが石油ならオイル・ショックに繋がる事態。
「上達も頭打ち」と達観出来たので、「何とかアイデア・工夫で乗り切ろう」という悪あがきの態度も沈静化しつつあります。
そんなこんなで、このサイトの未来は定かでないという、とても暗い年頭所感であります。
(January 05, 2007)
'The Golfer's Mind'
by Dr. Bob Rotella with Bob Cullen (Free Press, 2004, $23,00)
「こうしたい!という願望の強さを1〜10の物差しで測るとすれば、ベストな結果は3〜6のレヴェルで得られる。願望や張り切りの度合いが強過ぎると、身体が強ばってしまう。伸び伸びとスウィングするのでなく、ボールを誘導するようなスウィングをしてしまう。また、一生懸命になればなるほど、結果を分析しがちになる。
PGAツァーのパットの名手Brad Faxon(ブラッド・ファクソン)は、『パットを成功させることにこだわらない場合にベストのパッティングが出来る』と云う。言葉を換えれば、彼の本能と直感でボールのカップインを見る時が彼のベストの状態なのだ。彼が考えたり分析したりし過ぎると、結果は無惨なものとなってしまう。それは最初の本能的読みを信じないで、考え直したりする時に起る。考え直すのは、ほとんどの場合、恐怖と神経過敏の為せる業であって、その方が正解だったということはごく稀に過ぎない」
(January 31, 2007)
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