Golf Tips Vol. 105

Greg Norman(グレッグ・ノーマン)のテンポ

'Advanced Golf'
by Greg Norman (Roeder Publications, 1993, $19.95)

[spin]

「以下の写真(略)は1秒間に75枚撮れる連続写真用特殊カメラによるものだ。0.0133秒に1枚の写真が撮れる。私のスウィングの初めから終わりまでには、計135枚の写真が必要だった。秒数に換算すると、これは1.7955秒である。

アドレスから腰の高さまでクラブを持ち上げる部分は、スウィングの最も遅い部分で0.3724秒かかっており、これはスウィング全体の1/5にあたる時間である。

私は全体の約半分をバックスウィングに費やす。トップに至るまでに0.6916秒必要とする。そこで私は0.0533秒クラブを静止させる。そこからは、たった0.2793秒(全体の1/6)でインパクトに達する。(編者註参照)フォロースルーのトップまでは、かなりの減速を行う」

【編者註】Greg Normanのバックスウィング開始からインパクトまでの所要時間を計算すると、1.0242秒となります。'Tour Tempo'の筆者は次のように書いています。「現在のツァー・プレイヤーのテイクアウェイからインパクトまでの所要時間は0.93〜1.20秒の間であり、これはホットケーキをハネ上げて裏返す時間に匹敵する。Bobby Jonesはというと1.17秒、Tiger Woods(タイガー・ウッズ)は1.06秒である」

「12回のスウィングを撮影をしたが、ドライヴァーからサンドウェッジまで、どのクラブを使ってもタイミングは同一だった。私はリラックスしていて、プレッシャーは皆無だった(メイジャー・トーナメントでは私のスウィング・スピードは若干速くなるだろう)。私のリズム=スウィングの各部分への時間配分は常に同じである。

あなたのスウィングが私ほど速くなくても、私のスウィング各部の時間の比率は、あなたがバランスの良いスウィングを構築するガイドラインとなるものと思う」

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(August 01, 2006)


インサイド→スクウェアのパッティング

7月18日の「アーク(弧)パッティングへのヒント」という記事の末尾に、私は「最近の私の経験から云いますと、フォワード・ストローク段階では、左手首を固定する(左腕と左手を鉄筋が貫通していると思って、自由度を奪う)ように動かすといいようです」と記しました。これは要するに、インパクトで左脇を締め挙げる感じで左の手首・腕を真っ直ぐにし、ターゲット・ラインにスクウェアにストロークすることを意味します。

意識的にインサイドにフォローを出そうとすると、プッシュやプルが出るので、色々試した末、上のようにすると転がりもいい上に成功率も上がることが分りました。ただ、この時「インサイド→スクウェアのパッティング」とハッキリ書かなかったのは、それが「アーク・パッティング」でもなく「ストレートなパッティング」でもなく、木に竹を接いだメソッドのような気がして気後れしたからでした。両肩を上下でなく水平に回転させ、バックでパターをインサイドに引くのは「アーク・パッティング」そのものですが、インパクト以後はストレートにターゲットに向けてパターを出すので、ここは「ストレートなパッティング」に似ています。肩の動きはあくまでも水平回転ですけど。

この方法に先達がいることが判明しました。なんと、パット名人Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)です。

[In-to_Square]

'50 Greatest Golf Lessons of the Century'
by John Jacobs with Steve Newell (HarperCollins Publishers, 1999, $25.00)

著者のJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ)はイギリス生まれのインストラクターで、ヨーロピアン・ツァーの創始者であり、Ryder Cup(ライダー・カップ)のヨーロッパ・チームのキャプテンを二度も務めています。現在、アメリカに彼の名を冠したゴルフ・スクールが29もあります。

「Ben Crenshawのストロークは明白にラインのインサイドに引かれてパター・フェースをオープンにし、インパクトでは絶妙のタイミングでフェースをラインにスクウェアにしている。これを実現するには、インパクトでパターの軌道とフェース位置が、ボールをラインに沿って送り出せるストロークを見つける必要がある」と書かれていて、私が上に模写したような図が載っています。私の方法も全くこの通りです。

この記事には「(全盛期の)Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)やGary Player(ゲアリ・プレイヤー)も、このインサイド→スクウェアのパッティングをしていた」という部分がありますので、Ben Crenshawが創始者というわけではないようです。

この記事の発見により、私はもう何の後ろめたさも感じずに、堂々とインサイド→スクウェアのパッティングに専念することが出来ます。

ただ、「アーク(弧)パッティングへのヒント」の冒頭に「Ben Crenshawの方法は一般には難しかった」というニュアンスが書かれていることと、上の記事にも「インパクトでは“絶妙のタイミング”で…」とあるように、このメソッドは本当は天才にしか実行出来ないのかも知れません。

(August 03, 2006)


ピッチはピンチで

'Attack the Flag'
by Janet Coles with Ron Kaspriski ('Golf Digest,' November, 2004)

「私はアプローチ・ショットは安全第一にとアマチュアに教える。しかし、距離が80ヤード以下になったら話は別。その距離はピンを攻撃すべき状況である。

ピッチ・ショットの基本

・スタンスを狭くする。過度なバックスウィングを防止するため、左足をターゲット方向に若干開く。
・ボール位置はスタンス中央(下降気味で捉えるため)。
・クラブを短く持つ。距離に合わせて短くする。
・バックスウィングは水平の腕と垂直になったクラブが90°を形成するように。
・ピッチ・ショットの鍵は“加速する”ことである。
・ピッチ・ショットにおいてはフォロー・スルーをバックスウィングより常に長くする。

裸地や松葉の上を除き、どのピッチ・ショットも“ピンチ”ショットと考えるべきである。

【編者註:ここで使われている"pinch"(ピンチ)という言葉は、「摘(つま)む」、「抓(つね)る」、「挟(はさ)む」、「締めつける」などという意味で、クラブフェースと地面でボールを挟むことを指しています】

ダウンスウィングでは、クラブは普通のアイアン・ショットよりも急角度でボールに向かい、ボールが接地している部分を“ピンチ”する。加速されたクラブのロフトがボールを高く上げる。フォローを長くすること(多くのアマチュアはホームランを恐れてスウィングを中絶してしまう)」

(August 06, 2006)


Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)の秘密

Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)はPGAツァー時代にパット名人として知られ、'Dave Stockton's Putt to Win'という本まで出している人です。

[Stockton]

'My Shot'
by Dave Stockton ('Golf Digest,' September 2006)

「数年前、ある企業主催のゴルフ大会でAnnika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)と一緒になった。彼女はパッティングについて教えてほしいと私に頼んだ。当時、彼女はあまりにもテクニックにこだわり過ぎ、機械的にプレイしていて、創造的な面が出る幕がなかった。彼女はグリーンの読み方とイマジネーションの使い方に上達し、私が教えたいくつかの秘密を使うことによって無敵の独走態勢を築き上げ始めた。彼女はその御礼にと、もの凄く高価なライフル銃をプレゼントしてくれた」

Annika Sorenstamが書いた'Golf Annika's Way'(2004)に、Dave Stocktonから教わったいくつかのtipsが書かれています。
1) ラインの低い方から勾配の度合いをチェックすること。
2) ボールがカップを1.5フィート(約46 cm)通過する強さでストロークすること。
3) カップを時計の文字盤に見立て、高い方の時刻からカップインさせる(右から左のブレイクなら、6時ではなく4時か5時を狙う)。

で、今回の目玉はAnnikaもバラさなかった、とっておきのtipです。Dave Stocktonが続けます。

「私がAnnikaに上げた秘密の一つは次のようなものだ。

パットする時、ボールを注視してはいけない。ボールの前1インチ(約2.5 cm)にボールが通過すべき一点を定め、そこを見るのだ。私の長いプロ人生において、パター・フェースがその一点を通過して入らなかった試しはない。一週間試してみなさい。あなたのパッティングがかつてなく素晴らしくなることを請け合う」

絨毯上で試しただけですが、これは以前よりボールが走るような気がします。ボールとの接触がストロークの終点ではなく、その先2.5 cmが終点になるためパワーが増加するようで、ショート病予防のためにもよさそうです。

(August 20, 2006)


重力利用のスウィング

Dr. T.J. Tomasi(T.J.トマシ博士)はPGA of Amaricaのインストラクターであり、Keiser(カイザー)大学の教授兼ディレクターでもあります。10冊以上のゴルフ・インストラクション本を執筆し、新聞連載のコラムも持つ人気インストラクター。

'It's Good for Your Game'
by Dr. T.J. Tomasi (Andrews McMeal Publishing, 2003, $12.95)

「あなたは考えたこともないかも知れないが、重力はゴルフ・スウィングに重要な効果をもたらすものなのである。あなたが“努力”すべき部分はバックスウィングだけでしかない。何故なら、クラブをトップの位置に持って行くのは重力に逆らう行為だからだ。

一旦クラブがトップに達してしまったら、その後は逆らわずに重力に従い、全てなるがままに任せればよいのだ。

ところが、大方のゴルファーは重力に委ねることなく、ボールに向かって上半身の力で打とうとする。このエネルギーの爆発はスウィングの最中の間違った時点で起り、プルやプル・スライスを招く結果となる。

スウィングのトップで求められるのは両腕とクラブを落下させることであり、この動きはどんな上半身の回転にも先行すべきものである。あなたに必要なのは体重を移動させるだけで、他に何もしないことだ。これを『重力に降参する』という風に考える。重力はクラブヘッドがボールに向かう旅行を始める前に、クラブを正しい位置に落下させる。一旦クラブが落下すれば、あなたはターゲットに向かって強力な逆回転をすることが可能になる。クラブがボールに向かってパワフルな軌道上にあることは確実である。

このクラブの落下の感覚を得るには、上半身の動きを許す前に右足に向かって両手を落下させる練習をしてみることだ。あなたの両手がスローモーションでダウンスウィングをスタートさせているかのように感じるべきである。コックをほどかないことと、両手が落下する間に自然に右手が真っ直ぐになる点に留意。

インパクトでのクラブのリリース(ほどくこと)が遅過ぎるような感覚を抱くかも知れない。これは重力に降参した時のスウィングをする際に感じる正しいフィーリングである」

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'Golf Digest"九月号の特集の一つに'The Slot Swing'というJim McLean(ジム・マクレイン)の記事があります。それは「大方のツァー・プロがアップライトなトップからダウンに際しクラブを落下させている」というもので、「のような形のクラブヘッドの軌道でスウィングせよ」というtipです。骨子は上に紹介したDr. T.J. Tomasiの記事と同じ、…というより「何故そうすべきか」という点でDr. T.J. Tomasiの方が勝っていると思います。

Ben Hogan(ベン・ホーガン)に始まりSergio Garcia(セルジオ・ガルシア)に至るクラブの落下ですが、私はこれまで何度試しても実現出来ませんでした。しかし、上の記事に触発され、トップでフッと力を抜くと自然にクラブが落下することが分りました。きついグリップで力んだバックスウィングをしていると、この現象は起こせません。ふわーっとクラブを上げ、ストンと落としてからその重力に便乗して振り抜くのです。私もまだ練習で体験しただけで、本番で実行出来たわけではありません。しかし、「あ、こういうことだったのか!」という感覚は味わえました。そして、このクラブの落下はフラット目なスウィングが望ましいドライヴァーとフェアウェイウッドに間違いなく役立つ筈なので、今後とも追求すべき重要課題と云えるものです。

(August 22, 2006)


最初から二打目を寄せる

ショート・ゲーム専門コーチDave Pelz(デイヴ・ペルツ)によるスポーツ心理学的寄せの技術。結構使えます。

'Second Helping'
by Dave Pelz ('Golf Magazine,' July 2006)

「グリーン周りから悪くもないが良くもないショットを打った後、口惜しくてもう一個ボールを打ったら惚れ惚れするような完璧なショットになったという経験がある筈だ。何故そうなったかと云うと、あなたがライによってボールとクラブがどのように反応するか、ボールがどれだけの距離を飛ぶか、どのようにボールが着地するか、どれだけボールが転がるかなどを、全て知っていたからだ。それらの情報が、ショットについてのホットな理解とフィーリングに組み合わされていい結果を生むのである。これを"second-shot effect"(第二打効果)と呼ぶ。

最初のショットの前に充分予習することにより、第一打で“第二打効果”を得ることが出来る。ショットの前にリアルな素振りを行うのだ。スタンス、クラブ、ライなどを全て同一にし、ボールがどのように飛び、転がるかを視覚化する。

もし、視覚化出来たものが気に入ったら、アドレスし、同一のスウィングをする。気に入らなかったら、自分の望むショットが予習出来るまで素振りを繰り返す。このアクションには、クラブの接地地点によって、完璧なボール位置を知ることが出来るという利点もある」

うまく行かなかった本当の第一打の後、やり直しの第二打を打つように完璧には行きません。しかし、脳によって視覚化すると、各部の筋肉がスタンバイしてくれるようで、かなりいい結果を生んでくれます。クラブの接地点の確認にも使えるという点も見逃せません。その時のスウィング弧の最低点が分るので、そこにボールがあるように立つべきだからです。ダフり、トップを回避出来ます。

この方法の唯一の弊害は、成功を確信するあまり腕や手が強ばってしまう恐れがあることです。ピン傍30 cmで止まるはずだったのに、1ピンもショートしてしまいます。リラックスした心と身体で、いいリズムで振り抜くことが重要です。

(August 24, 2006)


スウィング軌道チェック

Corey Pavin(コリィ・ペイヴン、46歳)は全米オープン優勝をはじめPGAツァー優勝14回やRyder Cupの立役者として活躍したものの、ここ10年ほど鳴りを潜めていました。ところが、7月末のU.S. Bank Championshipで二位に二打差をつけて優勝し、彼は見事なカムバックを見せました。Corey Pavinは身長1m 80cmで、アメリカ人としては小柄な方に入ります。そのせいで、PGAツァーでは「飛ばないプロ」として有名で、今回優勝したU.S. Bank Championshipの予選通過者81名の中の平均飛距離の最下位は彼でした。しかし、クラブを自在に操ってグリーンを捉えるテクニックと、絶品のショートゲームの腕を持っているCorey Pavinは、この“飛距離の時代”にも彼のゴルフが通用することを証明したわけです。

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'Corey Pavin's Shotmaking'
by Corey Pavin with Guy Yocom (NYT Special Services, Inc., 1996, $14.00)

「私はトップから振り下ろした中間のところでスウィングを止め、クラブシャフトの状態を点検する。グリップエンドが私の選んだターゲットを指していればOK。ドローを打ちたい場合は、インサイド・アウトのスウィングの印としてグリップエンドがターゲットの右を指している必要がある。真っ直ぐデッドに打ちたい時は、クラブシャフトがターゲットを指していなければならない」


(August 27, 2006)


性格とパッティングの相性

'50 Greatest Golf Lessons of the Century'
by John Jacobs with Steve Newell (HarperCollins Publishers, 1999, $25.00)

著者のJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ)はイギリス生まれのインストラクターで、ヨーロピアン・ツァーの創始者であり、Ryder Cupのヨーロッパ・チームのキャプテンを二度も務めています。現在、アメリカに彼の名を冠したゴルフ・スクールが29もあります。

「私の経験からすると、大方のゴルファーは彼らのフル・スウィングの傾向を模倣したパッティング・ストロークを行なっている」

【編註】ここで「フル・スウィングの傾向」というのはアライメントやスウィング軌道、テンポ、リズムなどを指しています。原文はパット名人のBobby Locke(ボビィ・ロック)について書かれているのですが、彼のパッティングは、インサイド・アウトの軌道のフル・スウィングと全く同じ特徴を持っていたそうです。John Jacobsの指摘が単なる観察でなく、《パッティングもフル・スウィングと同じメソッドであるべきだ》と云うのであれば(そう云ってはいませんが)、私がフル・スウィングで《ヘッドの戻りを待つ》で成功しているのなら、パッティングでもそうすべきだと云うことです。

「あなたの性格と気性は、あなたがどんなストロークをするかに影響する。リラックスした性格の人、急がず慌てずに暮らしている人などは、Bobby Lockeのように『距離が最重要』と考え、重いものを持つようにパターを扱うのが似合っている。反対に、陽気で攻撃的な人はGary Player(ゲアリ・プレイヤー)やTiger Woods(タイガー・ウッズ)のようにパットすると快適だろう。つまり、ロング・パットを放り込むのが好きで、短いパットも強めに打ってブレイクを減らす勇気のある人たちだ。

どちらをあなたのスタイルにするか決め、それをグリーン上の戦略の基盤にする。力説しておきたいのだが、もしあなたが効果的なメソッドを見つけたら、それを変えるべきではない」

(August 29, 2006)


ダウンの開始では左腰を突き出せ

'Secret to Straighter Shots'
by Tom F. Stickney II ('Golf Illustrated,' September/ October 2006)

「ダウンスウィングをスタートする時の正しい腰の動きはどういうものか?回転か、スライドか、突き出してから回転させるのか?Ben Hogan(ベン・ホーガン)は「腰を回転させる」と云っていたが、これは彼が抱いていたフィーリングでしかなく、実際に彼がやっていたこととは違うものだった。最近の高速度撮影技術の発達と生物力学的分析により、正しい最初の動きが何かは解明済みである。

[Bump]

スウィングのトップの段階では、左腰はターゲットの右を指しているのが普通である。もし、体重の移動無しでそのまま腰を回転させると、右肩が急発進し典型的な手打ちになる。Ben Hoganの説明を鵜呑みにして実行すると、この現象が起きてしまう。スローモーションで実験してみれば簡単に理解出来ることだが、腰だけ回転させる動きは左足への体重移動を許さないので、体重が右足の上に乗ったままボールを打つことになり、結果はプルか弱いスライスとなってしまう。

トップからの最初の動きは、ターゲットラインを横切ったターゲットラインの右方向に腰を突き出すことだ(図の赤い矢印)。これは体重を左に移し、右肩をインサイドに降下させ、右肘を右腰の上に位置させる。これが左腰の正しい動きである。これが出来れば、もう手打ちとは縁切りである。

以上は数々の研究で効果的と証明されたものだが、左腰に焦点を合わせることだけが唯一の方法ではなく、様々なやり方があるだろう。しかし、少なくとも断言出来るのは、ダウンスウィングの開始を腰の回転によって始めることが手打ちへの最短距離であるということだ」

ドライヴァーでは、ボールの軌道はこの記事の原題通り“ストレート”になり、素晴らしいtipだと感心しました。しかし、7番アイアンなどの短いクラブではボールは右へ出て行きます。このオリジナル記事に添えられている写真はアイアンを使っているものなので、アイアンにも役に立つ筈なのに、不思議です。

(August 31, 2006)


バックハンド・ショット

'Golf Tips from the Pros'
edited by Tim Baker (David & Charles, 2006, $14.99)

この本は英国版'Golf World'誌に連載された多くのプロによるtipsを一冊にまとめたもの。ヨーロピアン・ツァーのプロが大半ですが、Tiger Woods(タイガーウッズ)やDavid Toms(デイヴィッド・トムズ)、Stuart Cink(スチュアート・シンク)、Jay Haas(ジェイ・ハース)、Corey Pavin(コリィ・ペイヴン)などのアメリカ人や、Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)、Adam Scott(アダム・スコット)なども混じっています。小型ながら、フルカラーの美本です。以下は、'Back-hander' by Ian Garbutt(イアン・ガーバット、イギリス)の要旨。

[Back-hander]

「木の根元にボールがある場合、アンプレイアブルを宣言するか、フェースを逆にして左利きのように打とうとしませんか?次のバックハンドによるチップ・ショットはベストの選択肢であり、驚くほど簡単な方法です。

・ロフトの多いクラブを選ぶ。多分ピッチング・ウェッジが最適。
・ボール位置は右足の前数十センチ【図参照】。これだとディセンディング・ブローに打てる。背中はターゲットに向ける。
・手首を殺して振り子式に真っ直ぐ上げ、真っ直ぐ下ろす。ボールにピシリと当てること。

フォロースルーでは手首が折れても差し支えない」

(September 03, 2006)


パッティングの心理

スポーツ心理学者Dr. Tom Dorsel(トム・ドーセル博士)によるパッティングのコツ。

'The mental gymnastics of Putting'
by Tom Dorsel, Ph. D. ('Golf Illustrated,' May/ June 2006)

「PGAツァーの記録によれば、1979年以来六人のプロが18ホールを18パットでラウンドしたという。推測だが、多分どこかのホールの2パットを、あるホールのチップインが帳消しにして出来た記録ではなかろうか?いずれにせよ、ここでの注目すべきポイントは18パットのラウンドをするためには奇跡は必要としないということだ。もし奇跡が味方してくれれば、18以下のパット数でラウンドすることも可能である。

パット総数30ならスコアを78に出来る。どのホールでもダブル・ボギーやトリプル・ボギーの恐怖に怯えるゴルファーであっても、もし18ホールを全て1パットでしのげれば、100以上になるスコアを80台前半に抑えることが出来る。だから、凄いロング・ドライヴやGIRなどは忘れることだ。それらがいいスコアに結びつくかどうかは、ひとえにパットの腕前いかんにかかっているからだ。【編者註:パーオン数が10でも80を切れなかったゴルファーもいますので、これは正しい:<】

パターはどんなものでも構わない。それが真っ直ぐボールを運べるものならば。もし、現在のパターに文句が無いなら、徒(いたずら)に他のパターに交換すべきではない。いい伴侶に巡り会うのと同様、信頼出来るパターもそうざらにはないからだ。特に新製品にすぐ飛びつくのはやめるべきである。

古いパターに戻ろうかという欲求は必ず出て来る。古いが信頼出来るパターは、忠実にご主人様のお呼びを待っているものだ。

他人の読みを鵜呑みにするのは間違いである。強めに打つ人はゆったりストロークする人よりブレイクを少なく見積もるからだ。だから、異なるタイプのパットをする人同士の読みが一致する筈がない。私は、一応パートナーの意見は聞き、それを元に判断はするが、最終的には自分でラインを決定する。

客観的なライン(理論的にこうだろうという判断に基づくライン)と主観的なライン(本能が告げるライン)とが衝突することがある。主観的なラインは過去の経験から潜在意識が割り出したラインである。パッティングは情緒的なものであり、特にプレッシャーの下では知能よりも情緒がパットをコントロールしがちである。客観的なラインの正しさを認識しつつも、主観的なラインでストロークしたりするものだ。【編者註:カップの右横ボール一個分のブレイクを見込んだのに、ストローク途中で突如方針を変更しカップの中左めにパットしたりすることがあります。あれが潜在意識のなせる業でしょう】どうせ直感でストロークするのであれば、客観的なラインと主観的なラインとの闘いは無駄である。自信を持って主観的なラインでパットすべきだ」

 

(September 05, 2006、増補June 02, 2015)


ウェッジによる低いショット

ウェッジは高いボール専門のクラブかと思っていましたが、インストラクターMike McGetrick(マイク・マゲトリック)によれば風のある日やピンが奥の場合に使うショットに“低いウェッジ・ショット”というのがあるそうです。

'The Scrambler's Dozen'
by Mike McGetrick with Tom Ferrell (HarperCollins, 2000, $25.00)

「Paul Azinger(ポール・エイジンガー)はサンドウェッジを使って低く打ち出すショットの名人だ。ボールはグリーンで一回か二回弾んで、急停止する。あなたもマスターしておくと便利である。

このショットの要点は“低いフィニッシュ”、これに尽きる。いつもの高く大きなフォロースルーは御法度。掬い上げるような手首の動きも厳禁だ。

『低いショットなら、サンドウェッジでなくロフトの少ないピッチング・ウェッジで打てばいい』と思われるかも知れない。時にはそれも正解である。しかし、サンドウェッジはシャフトが短いだけにコントロールし易く、心理的に有利な面がある。

1) ボール位置はスタンス中央から1インチ(2.5cm)後方。
2) 両腕をボールより前に出してアドレス。
3) 両肩は地面と平行。
4) スウィングの間中、屈まず、水平を保つ。
5) 両手を伸ばした低いフィニッシュ。

 

上の(2)でボール前方に両腕を出すことにより、若干ロフトが減る。これが低めの弾道を生むポイント。この減らしたロフトを終始保たねばならない。普通のウェッジ・ショットのように長いフォロースルーを取ると、減らしたロフトによってボールはターゲットを飛び越えてしまう。“低いウェッジ・ショット”では、両腕の動きを短くすること。特にフォロースルーにおいて」

(September 07, 2006、改訂June 02, 2015)


テンション下のパッティング

'Pressure Golf'
by Michael Clarkson (Raincoast Books, 2003, $16.95)

「元ゴルフ・インストラクターであり多くの本の著者でもあるJohn Andrisani(ジョン・アンドリサニ)は云う、『緊張せざるを得ない1m〜2mのパットに直面したら、いつもよりパターをしっかり握ると純粋な振り子式パッティングが容易になる。緊張状態になると、ただでさえ振り子式パッティングは難しくなるが、小さな筋肉を使ってはパターを正しい軌道に乗せられない。テンションを緩和し、大きな筋肉に仕事をさせるには、パターを地面から少し持ち上げることだ。このセットアップを練習し、徐々にコースでのルーティーンとするように』

Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)は云う、『私のデータでは、多くのツァー・プロは緊張状態のパットを左へミスし、ビビったからだと解説する。レフトハンド・ロー(=クロスハンデド)でパットする人は、ほとんど左へミスすることはない』」

(September 07, 2006)


サルでも出せるバンカー・ショット

「アーク(弧)パッティング」のStan Utley(スタン・アトリィ)は、'Golf Digest'誌の“ショートゲーム・アドヴァイザー”となっています。

'Here's my fool-proof way of getting out of the sand'
by Stan Utley ('How to break 100-90-80,' Golf Digest, 2006)

「私のセットアップは次のようなものだ。
1) 広いスタンスで膝を曲げた低い体勢で、背は高く伸ばす。
2) ターゲット寄りに身体を傾ける。
3) 両手はボールの後ろ(これは一般的な“ハンドファースト”と異なる点)
4) クラブフェースはスクウェア(一般的な『クラブフェースはオープン』と異なる)

上のようなメソッドは、サンドウェッジにロフトとバウンスを追加するため、クラブは砂に弾かれボールが出し易くなる。

私は早めにコックし、狭い弧でスウィングする。腕を広げてハードにスウィングする代わりに、両手と手首でクラブヘッドを急速に動かす。

広いスタンスと左への傾斜は、右に体重を残した掬い上げるような打ち方を防止してくれる」

(September 12, 2006)


高低をフィニッシュで打ち分ける

インストラクターMike McGetrick(マイク・マゲトリック)によるボール軌道のコントロール法。

'Work on trajectory in my "finishing school"'
by Mike McGetrick ('How to break 100-90-80,' Golf Digest)

「あるクラブでどれだけ飛ばせるかは、大抵のゴルファーが知っている。しかし、『では、ボール軌道の高さを打ち分けてみてくれ』と頼んだら、その注文は相手をまごつかせる筈だ。

ボールの軌道を変えるのはとても簡単だ。フィニッシュを変えればいいのだ。

低いボールを打ちたい時は長めのクラブを選び、ボール位置を1インチ(約2.5センチ)後方に下げる。コントロールを良くするため、クラブを短く持つ。そして、フィニッシュを低く抑える。それが実行ロフトを少なくするため、低いショットが実現する。

高いボールを打ちたい時は、ボール位置をターゲット寄りにし、フィニッシュを高く取る。

スリー・クォーター(3/4)の高さのフィニッシュだと、私の場合10ヤード短くなる。私はこれを追い風の場合や中間クラブ対策として用いている」

(September 14, 2006、改訂June 02, 2015)


90を切る鍵はスティンガー

'Breaking 90'
by Josh Zander ('Golf Digest,' October 2006)

「Tiger Woods(タイガー・ウッズ)はスティンガー(パンチショットあるいはノックダウン・ショットの別名)を駆使して数多のトーナメントに優勝しているが、90を切りたいゴルファーにもこのショットは役に立つ。何故なら、このショットはボールの飛行をコントロールし易く、トラブルと無縁のゴルフが可能だからだ。

1) ティー・ショットでスティンガー

・ロングアイアンかハイブリッドを用いる。地面すれすれにティーアップし、体重をややターゲット方向にかけ、ボール位置は通常より少し後方にしてアドレス。両肩は水平。

・スウィングにあたっては“天井が低い”と思い込むこと。すなわち、バックスウィングからフォロースルーまで、クラブが天井にぶつかるような長く高いスウィングは厳禁。しかし、充分に加速すること。ボールは低く飛び、フェアウェイをキープする。

2) アプローチ・ショットでもスティンガー

・スティンガーはグリーンを狙うショットにも効果的である。あなたが通常7番アイアンで150ヤード打つとして、5番アイアンで150ヤード打つことを学べば、もっとショットの正確度が増すはずだ。必要なのは1インチ(約2.5センチ)短く持つこと。これが5番アイアンを7番アイアンのシャフトの長さにするのだが、5番アイアンのロフトがグリーンへのショットを低く、よりコントロール可能なものにする。《1インチ(約2.5センチ)=2クラブ》と考えるように。

・ボールは着地後かなり転がることを考慮すること」

(September 17, 2006)


スティンガーの留意点

スティンガー(パンチ・ショットあるいはノックダウン・ショットの別名)が失敗する原因を見つけました。

'Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'
edited by George Peper et al. (Harry N. Abrams, Inc., 1997, $45.00)

「・ボール位置は通常の5センチ後方。
・ハンドファーストで構える。
・手首の動きを抑えるため、ややグリップ圧を増す。
・インパクトを過ぎるまで、手首を返してはならない。
・フォローは短く、ターゲットを指すところまで。

このショットのミスは体重を左に移すのが早過ぎて起る。それは頭と右肩をターゲット方向に動かし、望ましい軌道より外側にクラブを投げ出してしまう。その結果、プルかスライスのどちらかを生じる。頭を落ち着かせ、仕事は両腕とクラブフェースに任せること」

(September 21, 2006)


空手チョップ

インストラクターTom Tomasello G.S.E.D.(トム・トマセロ)のヴィデオ紹介、第八弾。

・アンコックは空手チョップの動作である。その空手チョップにターゲット方向への動きを加えたりするから方向が乱れてしまう。

【編者独白】確かに、クラブを握った両手を剣道のように胸の前に伸ばし、それを手首から90°上に折った状態がコックだとされています。上に折ったのなら下に「お面!」と伸ばすのがアンコック。勿論、ゴルフではボールに斜めにクラブが向かうわけですが、その最中に右手を伸ばせば自然にアンコックされるわけです。ところが、身体をスライドさせて(オープンな状態で)アンコックしたりするものだから、プッシュやスライスが出る。あるいは手首を返すような動きを加えていじくり廻すものだから、プルやフックなどが発生してしまう。

・野球で云えば一塁に向かって振り抜くこと。ピッチャーに向かってではない」

【編者独白】これはスライスに悩む人のためには名言ですね。

(September 19, 2006)


「手首を返す」の復活

A.J. Bonar(A.J.ボナー)というインストラクターが"Magic Move"と称してゴルフ・スクールで教え、TGCのインフォマーシャルでDVDを宣伝している“ゴルフの最大の秘密”の公開です。'Golf Magazine'10月号の表紙には「習って10秒で30ヤード伸ばせる」と書いてあります。

'The instant power move'
by Connell Burrett ('Golf Magazine,' October 2006)

A.J.はこう云います。「ピアノを弾けば上達する。テニスをすれば上達する。しかし、ゴルフは懸命に努力しても一向に上達しない。何故か?『フェースをスクウェアに』とか『身体でスウィングせよ』などという神話がまかり通っているからだ。世界中のゴルファーは間違ったことを教えられているのだ」

では、A.J.の"Magic Move"とはどういうものか。

1) 通常のグリップをして、フェースを約10°オープンにしてアドレスする(あなたに10°が合っているかどうかは実験して決めること)。右の掌がずっとターゲットを向くようにバックスウィングする。これはオープンにしたフェースを保つためである。

2) アイアンの場合はボールに向かって打ち下ろす。掬い打ちしてはならない。ドライヴァーは別で、地面に平行に振り抜かれるべきである。

3) 両手がインパクトを迎える2〜3フィート(約60〜90センチ)手前で、両手をターゲット方向に積極的に回転させる。両手で持ったねじ回しを半時計方向に回す感じ。これがフェースをクローズにし、パワーを生む。もし、両手の回転を早めに始めるとフック、遅いとプッシュになる。下半身の動きは抑制されるべきで、大袈裟に腰を回転させるのは無駄な動きである。

この練習法としては、先ずハーフ・スウィングを試すこと。正しい動きをすれば、インパクトを1メートル過ぎたところでクラブのトゥがターゲットを指す。ドライヴァーでは体重のほとんどを左足にかけ、右足は背中の方に下げ爪先立ちしながらフル・スウィングする(手が主導で脚や体重移動は二の次のスウィング)。

フェースをクローズにする動作はTiger Woods(タイガー・ウッズ)をはじめ、多くのツァー・プロが意識的、無意識的にやっていることであると、写真による証明があります。TaylorMade研究所のデータでも、世界的に上位のプロほどフェースを回転させるそうです。フェースをクローズにするとスクウェアにヒットするより、ずっと早いヘッドスピードが得られるという解説もあります。アマチュア三人が試した結果、12〜25ヤード飛距離が伸びたというテストも出ています(表紙の“30ヤード伸びる”というのはどうなったの?)。

さらに、有名なPGAプロ二人の反論まで掲載されています。二人ともA.J.の「世界中のゴルファーは間違ったことを教えられている」という難癖に憤っており、「A.J.の方法はタイミングが難しい」と批判しています。

A.J.が"Magic Move"と称する方法は前世紀に「手首を返す」として有名だったものと同じですよね。どのプロもやっていました(もちろん、今でもやっている)。「フェースを10°オープンにアドレス」というのは初耳で、こういうことをしていたプロは聞いたことがありません。Tiger Woodsだってやっていません。現在は「大きな筋肉を使え」という理論が主流で、A.J.の「下半身は二の次で、手でスウィングせよ」というのは、かなり異端です。ただ、「手首を返すとトゥのスピードがヒールのスピードの三倍増える」のは間違いない科学的事実のようですから、正確さよりも飛距離を望む向きは試す価値があるでしょう。

(September 21, 2006、改訂June 02, 2015)


身体でピッチせよ

'Pitch with your body'
by Butch Harmon ('Golf Digest,' October 2006)

Butch Harmon(ブッチ・ハーモン)が「手や手首を殺したピッチング」を提唱します。

「私のゴルフ・スクールに来るゴルファーのほとんどがまともにピッチング出来ない。で、昨年、私は新しいテクニックを案出した。

ピッチングに関する大きな誤解は、手を返してボールを上げようとすることだ。これの問題点は、それをタイミングよく実行出来る人がほとんどいないことである。私のメソッドは手ではなく身体を使うので、動きに難しい点はない。

最も大きいロフトのクラブを選び、広いスタンスを取り、ボール位置はスタンスの中央。バックスウィングでは手首を折らず、逆に手首を固くする。クラブヘッドは終始低く保ち、ズボンのベルトから上げないこと。

ダウンスウィングでは身体を回転させる。インパクトまでクラブのヒールがトゥをリードする感じ。リーディング・エッジがボールの下をスライドし、ボールをソフトに上げてくれる。フィニッシュでもクラブを低く保つ。

このメソッドは、普通トラブルの因である手の動きを完全に封じるものだ。バックスウィングをコンパクトにすることを忘れないように。この新しいテクニックは、私の生徒全員に短いピッチショットの上達をもたらしてくれた」

やってみると、これ、私にとっては全然“新しいテクニック”などではありませんでした。昨年熱中していたDave Pelz(デイヴ・ペルツ)の「3x4システム」も(コックはするものの)やはり身体を回転させてピッチするので、まるでそっくりなのです。Butch Harmon方式はコックせず、写真では両手とクラブが一直線となって【時計の文字盤を背負っているとすると】9時を指しています。フォローは4時ぐらい。Dave Pelzの「3x4システム」で両手が9時のトップの際、クラブはほぼ垂直に立っています。フォローはバックスウィングの五割増しが推奨されています。大きな違いはそういう部分。

しかし、どちらも手や手首・腕の力を使わず身体の回転でヒットします。これだと掬い打ちになる余地もなく、ロフト通りにボールが高く上がります。ロブウェッジだと、2バウンドぐらいでボールが急停止します。

[grip]

私は「3x4システム応用篇」で、シャフトを数段階に分けて短く持つというアイデアを考案しました。Butch Harmonの“ノーコック打法”にも同じ手法が使えそうだと直感。バックスウィングのトップを9時で一定にして(これが一番安全確実に実行出来るトップの角度なのです)、ウェッジのシャフトを5センチずつ変えて持つと、三段階の距離を正確に打ち分けられる筈です。Butch Harmon方式を読んだ夜、私は早く夜が開けてコースで練習出来ないものかと待ち切れない思いでした。

試してみると予想通りでした。右図は過去のリサイクルですので数字は無視して下さい。60°ロブウェッジで、左手の親指の先を図の白点に揃え、コック無しで9時のバックスウィングをすると30ヤード、5センチ短い緑点で同じく20ヤードでした。10ヤードは、赤点ではなくグリップの最先端に親指を揃え、右手で金属シャフトを握ることによって得られました。最初はノーコックというメソッドに慣れず、余りにも突っ張った左腕でダフったりしましたが、リラックスした左腕で打つようになると、びしびし寄り始めました。

Butch Harmon方式を私が応用したメソッドの利点は、
・バックスウィングが一定なので、ボール軌道も一定
・ランの長さを考慮したりする必要がない
・掬い打ちではないので充分スピンがかかる
・手首を使わないので方向が正確
…という感じです。もちろん、グリーンの傾斜や硬軟によって距離を増減しなくてはなりません。それがうまく行かなかったとしても、それでも他の方式よりは寄る確率が高いのではないかと思われます。

【参照】
・「3x4システム再履修」tips_96.html
・「3x4システム応用篇」tips_96.html

(September 24, 2006)


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