Golf Tips Vol. 5

ワトスンの戦略・準備篇
[Watson]

'Strategic Golf'
by Tom Watson with Nick Seitz (Golf Digest + Simon & Schuster, 1993, $15.00)

Tom Watson(トム・ワトスン)の戦略は起床時から始まるそうです。ゆっくりと歯を磨き、ゆっくりと食事をし、ゆっくりとした運転でゴルフ場へ向かうとか。これがいいスウィングのテンポに結びつくのだそうで(彼のスウィングは速いですけどね)。

「週末ゴルファーの大半は先ずドライヴィング・レインジに行き、次いでパッティング・グリーンへと移動する。これでは折角温まった身体がティー・ショットまでに冷えてしまう。練習の最後はドライヴァーであるべきだ」なるほど、云われてみればその通りです。我々はロング・ゲームのスウィングに自信が無く(パットはどうにか格好がつくが、ウッドやアイアンでボロが出ると目立つので困る)、ウッド、アイアンの練習を済ませて時間が余ったらパット…という傾向があるのは確かです。

「もし十分に身体が温まっていない場合は、リズムに意識を集中してスウィングせよ。いいリズムでクラブヘッドの重みを感じるようにスウィングする。ボールを力一杯ひっぱたくのは少し後まで待つこと」

Watsonはラウンド中にスウィングが乱れ出しても、スウィングのメカニズムをどうこうしないで、リズムだけを考えるそうです。彼はSam Snead(サム・スニード)のけだるいリズムを思い出すことによって、大概の場合うまくいくとか。

「乱れを直すいい方法の一つは、クラブを逆さまにしてヘッドの方を握って数回素振りしてみること。クラブがとても軽く感じられて、手の感覚がリフレッシュする。普通のスウィングに戻った時、クラブヘッドの重みを感じることが出来る。これはスウィングの一番重要な部分だ」

(May 24, 1998)


ワトスンの戦略・実戦篇

'Strategic Golf'
by Tom Watson with Nick Seitz (Golf Digest + Simon & Schuster, 1993, $15.00)

Tom Watson(トム・ワトスン)のこの本で感心したのは「長いPar 4の攻め方」という項目でした。ここでの例は442-yard Par 4のホールです。

「ドライヴァーが200ヤード以上飛ばないのなら、このホールは刻むべきです。三打目で残り100ヤードなら満足ですよね?そうだとしたら、170ヤードのショットを二回打てばいいという計算になる。フェアウェイ・ウッドによるティー・ショットで170 ヤード、二打目も170ヤード、残るは100ヤードのウェッジ・ショット。難しいホールでの危険を避け、いいアプローチ・ショットで寄せワンのパーが期待出来る」

(May 26, 1998)


ボール・テスト法

'Putt Like The Pros'
by Dave Pelz with Nick Mastroni (HarperPernnial, 1991, $13.50)

[Pelz]

いくら正確なパットをしても芯が片寄ったボールでは成功はおぼつきません。Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)がボールのテスト方法を教えてくれます。

口の広いグラスにぬるま湯を注ぎ、ボールの一部が水面に浮くまでEpsom salt(瀉利塩=しゃりえん)を足し、最後にJet-Dry dishwasher despotting agent(自動皿洗い機用の洗剤。水の抵抗を和らげるためだそうです。指定のものは無かったので、ただの食器用中性洗剤でやってみましたが問題なし)を一滴垂らします。準備はこれだけ。

ボールを二本の指で捻ってクルクルッと廻し、自然に止まるまで待ち、てっぺんにマジックで点を一個書きます。再度水に入れ、同じことをします。今度もてっぺんに先ほどの点が出て来たら、立派に芯が片寄っていて(底になっている部分が重く、てっぺんが軽い)大事なパットには向かないとのこと。別な個所がてっぺんに出て来たら、重心は偏向していないので、もう一個点を増やして区別し、コンペ終盤の重要なパットのために取っておくべきだそうです。

家にあった15個ほどの(新品じゃない)ボールを試してみましたら、合格は3個だけでした。こういうことでは真剣にパットするだけ無駄ですね。Titleist Tour Balataの新品を3個購入してテスト。1個が不合格でした。おまけにPrecept MC Distanceの新品3個も購入してみましたが、これは2個不合格。予算の関係でこれ以上はテスト出来ません:-)。皆さんからの情報をお待ちします。数がまとまりましたら、この頁で報告させて頂きます。

おやりになる場合は、検定液保存用の容器を用意された方がいいですね。結構な量の塩を使うので捨てるのは勿体ないし、塩水は腐らないでしょう。


【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(May 28, 1998)

「ボール・テスト法」その後

ボール・テスト法への付記として、Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)は「2ダースのうち一個以上理想的なボールが見つかることはない」と書いています。3個や6個のテストで合格が出なくても、パニックにならないで下さい。なお、表皮がバラタのものは若干成績がいいそうです。

福岡市にお住まいの倉岡さんが、テスト結果と独創的なアイデアで“不合格”ボールを操縦する方法を寄せて下さいました。お楽しみ下さい。

Report by 倉岡(福岡市) [Tiger Woods]

Dave Pelzによる「ボール・テスト法」を読み、愛用のキャスコ社製「Rockets」をテストしてみました。新品3個、ロスト(ほとんど新品同様)9個を調べた結果、残念ながら全て不合格でした。インパクトは柔らかく、よく飛ぶので、好きなボールだったのですが.....。しかし、多層構造のボール(「Rockets」は4ピース)はシンプルな構造のツーピースに比べると重心の偏在度が高くなるのは仕方の無いことかも知れません。

その後、新たに二種類の新品ボールを購入し、テストしてみました。

タイトリスト社 TOUR BALATA(コンプレッション:100)3個
   〃    HP2 TOUR  (コンプレッション:不明)3個

結果は全て不合格でした。また押入れに眠っていた「Rockets」のロストボール26個もしつこく検査してみましたが、全て不合格でした。(「つくづくボール運の無い人間だ」と苦笑しております。)

他の皆さんから寄せられるであろうテスト結果を楽しみにしています。

ところで、これらの不完全ボールをうまく使えないものかと思いまして、以下のような方法を考案してみました(小生は「転んでもただでは起きない」タイプでは無いのですが、「凝り性」なのがバレてしまいますね)。

1. 塩水に浮かんだボールの頂点を北極点、最下点を南極点としてマークする。(北極点を真上から見おろしつつ、平坦なスタンプパッドの上にボールを軽く当ててやれば南極点が解ります。この二点を結ぶ直線上に重心があるはずです。)

2. パッティングの際、北極点が真上にくるように慎重にプレースした後、ヒットする。(北極点を真上にするのは、ボールを最も安定させるためで、インパクトの瞬間の不確定なボールの挙動を考慮しての事ですが、打ち出しから効果的に順方向のスピンをかけてやるためには南極点を真上、あるいはピンフラッグに向けておくのも良いかも知れません。いずれにしろ、打ち出すライン上に両点が載った状態になっていることが重要だと考えられます。)

極端にたとえれば、カムを転がすようなものだとは思うのですが、これである程度の直進性は確保できるのでは無いかと考えまして、スムースな机上に緩斜面を設け、重力をスターターとする自然落下的なボールの転がり状態を実験的に調べてみました。

その結果、ボールの転がりは予測通りの挙動を示すことが明らかとなりま した。(実験には「Rockets」のロストボール8個を用いてます。)

1. 北極点と南極点とを最短距離で結ぶラインを転がし出す方向に合わせてやると、全て直進的に転がっていく。

2. 南極点がプレーヤー側に向くようにプレースするとフックライン。

3. 逆に北極点を手前に向けるとスライスラインを描きつつボールは転がる。

ただこのフックやスライスの程度はボールによって異なっており、8個中2個のボールはあまり曲がりませんでした。(これらを本番用として早速キープしたのは言うまでもありません。)

ただ、重心遍在度の高いボールでもグリーン攻略に使えないことは無いかも知れません。例えば、スライスラインでカップを狙う場合、南極点を手前に向けておけばラインに載せやすいのでは無いでしょうか。

それにしても、これまでの自身や同伴者のパッティングを思い返してみますと、芯のずれによって説明しやすくなる現象に思い当たります。例えば、カップの直前でほとんど止まってしまったように見えたボールが渾身の力を振り絞るように、さらにもう半回転してカップインするケースで、これなんぞは「達磨さんの起きあがり」を想像すれば、ハタと膝を叩きたくなる気がしますね(笑)。

(June 04, 1998)


Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)の 失神

インターネット版「朝日新聞」(5/29)に「ゴルフ中の突然死、65%は持病もち」という見出しの記事が掲載されました。「スポーツ中の突然死はランニング、水泳中などが多いが、対象を中高年層に限るとゴルフが1、2位に浮上する。1984―96年の13年間に、全国で計373件」で、「ゴルフ場で突然死した人の死因などをみると、過去に心・血管系や高血圧などの症状があり、何らかの治療を続けている人が3分の2を占めていた」

[Pelz]

'Putt Like The Pros'
by Dave Pelz with Nick Mastroni (HarperPernnial, 1991, $13.50)

Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)のこの本に興味深い一節がありました。

「交通事故の生存者達に聞くと、実に多くの人々が衝突寸前までの逐一をスローモーション画像のように克明に記憶している。ただし、誰一人として衝突の決定的瞬間のイメージは記憶していない。脳神経外科医の説明では、脳がその後に起るであろう出来事は心臓を破壊する恐れがあると判断し、安全のためにシャットダウンするのだという(一分間の心拍数が200を越えると心臓麻痺を起こす)。シャットダウンによって生存者達は気絶してしまい、何も見ていないので当然衝突の瞬間は覚えていないのである。

別な例だが、血だらけの事故現場や殺人現場などを見て失神する人がいる。勿論、自分の血ではないのだが、血だらけの光景はとてつもない危険を暗示するので気絶するのである」

何故Dave Pelzがパットの本の中でこんなことを書いているかというと、'Yips'と呼ばれる“ショート・パットが入らなくなる病気”に関連するのです。Ben Hoganの競技生活後半は、この'Yips'患者として有名でした。プロ、アマを問わず、パットが上手で、向上心もあり、練習熱心だった人がスランプに陥ると'Yips'になるのだそうです(下手で怠け者の人はならないので、安心)。「また、どうせミスする!」という恐怖がシャットダウンの引き金となり、インパクトの前に1/1000秒単位で気絶してしまうのだそうな。「パターのぎくしゃくした動きは、ごく短い居眠りから覚めた後に起る。覚醒時に腕の筋肉が最高に強く反応し、弛みそうなパターを保持するのに懸命となるためだ」そうです。

安全装置としての失神機能があるのなら、どうして373人ものゴルファーが突然死してしまったのでしょう?'Yips'患者ではなかったので、脳の自覚が足りず、予防出来なかったのでしょうか?入りそうで入らないパットや、届きそうで届かず池ボチャになるとかが心臓に良くないのは確かです。「ゴルフはただのゲームである」と云われても、「U.S.オープンの優勝がかかっているパットでもあるまいに」と云われても、コンペの優勝や100、90や80を切れるかどうか?という時には一喜一憂してしまうものです。しかし、死んじゃっては以後ゴルフが出来ないので困ります。失神程度に留めたいものですね。

(June 01, 1998)


目測法

寄せの際のヤーデージの測り方について、いい方法を案出しました。100ヤード付近には目印があるのでいいのですが、それ以下の場合。ずっと、100ヤードの目印から10ヤード単位で引き算し、ピン迄の距離を一挙に目測していたのですが、新しい方法は自分の平均的飛距離を尺度にします。「ロブ・ウェッジだとあの濠(ほり)迄、サンド・ウェッジだとあのバンカー迄、ギャップ・ウェッジだとあのフリンジ迄。ピン迄はピッチング・ウェッジを短く持ったショットになる」…と、それぞれのクラブによる快適な飛距離・軌道を思い浮かべ、具体的な目標で刻んで足し算していくわけです。この段階で次のショットの視覚化も完了するので一挙両得、直ちに実行に移れます。上手い人達は既にこういう風にやっているのかも知れませんが、私のこれ迄読んだ文献には出て来ませんでした。なお、この方法はウェッジの距離ばかりでなく、当然他のクラブによる飛距離にも利用出来ます。

こちらは現在猛暑でカラカラ天気です。ピンをダイレクトに狙うとどんどん転がってグリーンをオーヴァーしてしまいます。目測からワン・クラブ引かないといけません。

アドレスしたら一点の疑問も残っていてはいけませんね。「このクラブ、一寸大きいかも…」とか、「待てよ、もう一寸左を狙うのじゃないか?」とかアドレスしてから考え、それをスウィングで調整しようとすると必ず失敗します。「必ず失敗します」と断言出来るだけ、豊富に経験しているわけですが:-)。

(June 09, 1998)


「80を切る!」栄養学

'Eat for Energy'
by Thomas D. Fahey, Ed.D. ('Senior Golfer,' June 1997)

「アウトは素晴らしい出来だったのに、インになったら筋肉は固くなり、元気が無くなり、スウィングもメロメロ…という経験はありませんか?単純にガス欠が原因ということが十分にあり得ます。脱水症状やエネルギー不足などは想像以上に早くあなたのゴルフを台無しにします」

Dr. Fahey(ファヒー博士)の説ですと、必要不可欠なエネルギー源は二つあり、一つは血液や筋肉、肝臓に貯えられている炭水化物、もう一つは脂肪だそうです。ゴルフのエネルギーとして効果的なのは炭水化物の方で、これは脂肪よりも素早く利用することが出来るため。偶然ですが、私のゴルフ前の朝食は必ず米のめしでした。民宿風朝食だったり、前夜の鍋物の汁で雑炊とか。

「蛋白質は不可欠というわけではないが、血糖値が下がって来ると、肝臓が蛋白質を炭水化物に変えるので、いわば数時間おきに服用する“炭水化物の錠剤”のような役目をします。ラウンドの前に蛋白質を摂取しておくと、血糖値を維持し、空腹感や意欲減退を防止出来ます」

「人間の体重の75%は水なので、少しの水分の喪失もトラブルの因。2%も失おうものなら当然ゴルフに影響する」そうで、脱水症状は体内のバランスを崩し、身体の各部分の連絡を断絶させるため共同作業が乱れ、筋肉を硬直させる恐れがある。発汗によって塩分を失うと、筋肉の痙攣が起りやすくなる。こうしたトラブルを防ぐためにスポーツ・ドリンクを飲むことが勧められています。ラウンド30分前に飲んでおけば脱水症状を回避出来るそうです。

朝食抜きのゴルフでいい結果が期待出来ないのは常識です。調理の時間が無くてもシリアル、レーズン、フルーツ、オレンジジュース、ローファット・ミルクの献立なら大丈夫。カフェインを含有したコーヒー、紅茶などは血液中の脂肪を増やし、エネルギーを維持するのに役立ちます。昼食にはサンドウィッチに野菜スープ、バナナ、フルーツジュースというメニューがドクターのお薦め。御飯物(油っぽいチャーハン等を除く)は当然OKですが、上のように果物関係を補った方が良さそうです。空腹のラウンドもプレイに影響するので、スポーツ用のスナック('PowerBar'など、炭水化物を多く含有し、カロリーも高いもの)やバナナ、レーズン等を用意しておくべきだそうです。プロ・ゴルファー達もよくバナナを食べています。

私の経験でも、こっちの人達はラウンド中によく水分を補給し、ものを食います。スナックはチョコバー、レーズン、バナナなどが多い。理にかなっているわけです。私ときたら、勧められても大抵断っていました。手がベタベタになるとか、口の中がニチャニチャして、ゴルフに集中出来ないという理由で。しかし、今後は積極的にバナナやスポーツ・スナックを持参しようと思います。

なお、Dr. Faheyによれば「脂肪分の多い食品は新陳代謝を不活発にし、エネルギー源となる食品を分解するのを妨げるので、日常的に摂取量に注意すること。胸焼けを起こすような料理(中華、メキシカン、ペペロニ・ピザなど)は集中力を損なうので避けること」だそうです。

【参考】
・「80を切る食事」(tips_61.html)
・「ゴルフのための食事」(tips_117.html)
・「朝のゴルフ・午後のゴルフ」(tips_69.html)
・「コンペ前夜」(tips_108.html)
・「ランチ・ブレイク」(tips_17.html)
・「エネルギー補給マニュアル」(tips_45.html)
・「エナージィ・ドリンクの飲み方」(tips_121.html)

(June 17, 1998、増補May 25, 2015)


二つの視覚化

'Visualizing and Imaging'
by John Laird with Tom Ferrell ('Golf TIPS' June, 1997)

どこへ、どういう軌道のボールを打つのかを頭の中でイメージするのを'visualization'(視覚化)あるいは'imaging'(画像化)と云うそうです。

1)内的視覚化
スウィングのテンポ、インパクトの感触、いい結果による満足感などを創り出す。

2)外的視覚化
自分のスウィングやボールが飛ぶ様をTV中継番組のように“観る”。

どちらの方法を取るかは重要ではない。あなたにとって快適で、明確に、コントロールし易いイメージを創り出せるものであればよい。

ポジティヴなイメージに集中しなさい。必要なら仕切り直ししてでも、ポジティヴなイメージになるまで待つ。プロにしか達成出来ないような無理なことを期待するのではなく、「あなた自身の理想的ショット」という現実的な範囲に留まること。

(June 20, 1998)


映画を観るように…
[Golf My way]

'Golf My Way'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (Simon & Schuster, 1974)

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)は、たとえ練習でも視覚化の手順を踏まないとボールを打たないそうです。

彼の手順とは、「カラー映画のように、目的地の輝く緑の芝の上に鎮座している真っ白いボールを“観る”。場面変わって、その目的地に向かって飛行中のボールを“観る”。その軌跡、軌道、形、どういう風に着地するかまで。フェードアウトして、次のシーンはそれ迄のイメージを現実化するスウィングの仕方を見せてくれる。この私的短編ハリウッド・ショーが終ると、やっとクラブが選択出来、ボールに向かうことが出来る。これを実践する場合は完璧なショットを見るように。バンカーや池に飛び込むホラー映画はいけませんよ」

'From 60 Yards In'
by Ray Floyd with Larry Dennis (HarperPerennial, 1992)

Ray Floyd(レイ・フロイド)の証言。「Visualization(視覚化)は俗に“映画を観に行く”と云われている。ある時、私はほぼ不可能に近い状況で見事なショットをやってのけなくてはならなかったのだが、文字通りそれから起ることを前もって観ることが出来た。ドライヴをトラップを越えるようにバウンスさせ、土手に沿って転がし、グリーン上をホール方向に向かわせなくてはならなかった。そして、それは実現したのだ。

この感覚はワン・ラウンドで消えることもあり、あるトーナメントの全日程に連続して感じられることもある。1976年のMastersで、私はトーナメント・レコード271にタイのスコアでプレイし、たやすく勝利出来た。私は最初のティー・ショットから72ホール目の最後のパットまで、全てのショットを心の中でプレイした。この感覚は1982年のPGA選手権まで、ずっと持続した」

(June 20, 1998)


リカヴァリー・ショット

私が最近創作した格言(?)に「リカヴァリー・ショットはリラックスして打て」というのがあります。ティー・ショットをチョロしたり、林に入れたりすると、他の人の二打目に追いつこうと力んでしまうものですが、こういう時はリラックスして打てばちゃんと距離が出せるという趣旨。よくありますよね、一打目を池に入れたりOBの後の打直しが素晴らしいショットになるということが。「初めからこう打てば良かったのに!」これは、一打目の力みが取れるからだと思います。これをリカヴァリー・ショットに応用したわけです。本来は全てのショットに共通なのですが、とりわけ力みがちな場面で思い起こしています。最近、Bobby Jones(ボビー・ジョーンズ)の本を読んでいたら似たようなコンセプトが書かれていました。

'Secrets of the Master'
by Bobby Jones edited by Sidney L. Matthew (Sleeping Bear Press, 1996, $22.00)

これはBobby Jonesが新聞に連載したものをまとめた'Bobby Jones on Golf'(1966)を再編集したもの。Harvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)のように簡明に書いてくれていないので、読むのがしんどい。

「アヴァレージ・ゴルファーが深いラフ、バンカー等、どんなものであれ難しいライに直面すると、彼はスウィンガーではなく"digger"(掘る人)になってしまう。脱出するには余分の力が必要だという思い込みが、“フリーなスウィングこそがパワーの源泉”ということを忘れさせてしまう。経験豊富なゴルファーはこういうミスをしない。パワーが必要な時でもコチコチにはならず、フェアウェイでプレイするのと同じようなボディ・ターン、リスト・コック、タイミング、そしてスウィングを適用する」

(June 22, 1998)

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