Golf Tips Vol. 159

スニードの 飛ばしたきゃケツを突き出せ [Sam]

Sam Snead(サム・スニード)は切り返し前後の「がに股風squat(スクワット、しゃがみ込み)」(右図)で有名ですが、ここではお尻を突き出さずにパワーは得られないという独自の(しかし、説得力のある)理論を展開します。お尻を突き出し、がに股…と来ると、何やら不格好に思えますが、それが“流麗”の見本と云われるSam Sneadのスウィングの基盤だとすれば、見習わないわけにはいきません。

'The Education of a Golfer'
by Sam Snead with Al Stump (Simon & Schuster, 1962)

「私がアイク(アイゼンハワー大統領)とプレイした時のことだ。アイクは、彼の制限されたバックスウィングで夜も寝られないと云った。『人は、「もしティー・グラウンドからもっと距離が欲しいなら、回転せよ、ひたすら回転せよ」と云うんだがね』
私は何も云わなかった。

ラウンドが終わった時、アイクが聞いた、『(私のスウィングを)どう思う?』
『Stick your butt out, Mr. President.(もっとケツを突き出しなさい、ミスター・プレジデント)』私が云った。それを聞いてアイクのボディガードの何人かはぶったまげて、目をぱちくりさせた。
『突き出してると思ったがね』アイクは云った。
そうじゃなかった。どっちにしても充分じゃなかった。打撃のための大きな筋肉は脚の裏側、肩、背の中程など背面に位置しており、それが体重を、爪先や拇指球(ぼしきゅう、親指の下の丸い膨らみ)などでなく、踵方向に掛けるべき理由の一つなのだ。これらの筋肉が残らず参加すると、お尻が突き出される。もう一つの理由は、ダウンスウィングの力が身体を正面に引っ張るので、シャンクやこすり球へとクラブを投げ出すことになりがちだからでもある。

いいバランスを追求しようというには、アイクは後方に充分体重を掛けていなかった。彼の捻転は短い方だったが、彼の主治医と話した時、その理由が判明した。アイクはボールを注視するため小さなレンズの眼鏡をかけており、それが捻転を制限していたのだ。体重を後方に掛け、大きなレンズの眼鏡に替えて、アイクのゲームが改善された…と聞いている。

フットワークとバランスは私の全てである。なぜなら、それは生涯のテーマであり(Ben Hoganも同意見だ)、手・手首、そして腕のアクションを最少限にするのが一番だからだ。私は足によって開始される回転運動が大きな要素であると考える。多くのゴルファーがショットする際に手首のテコを使い過ぎるが、それこそ私が最少限にしようとしている部分だ。あなたの回転運動が良ければ、前腕の急な動きや腕の突進など抜きで、クラブヘッドはインパクト・ゾーンに接近するにつれ段階的にスピードアップする。

頭と身体がボールの後ろに留まり、腰が定位置からさほど動かず、コンタクト前にパワーのロスさえなければ、強打の準備完了である。私が飛距離を得る方法の一つは、ダウンスウィングで膝を折ることだ。そして、足が助けてくれなければ、膝は強打する位置につくことは出来ない。
・私には自ずと備わっているのだが、スタンスをとる時、左より右足に体重をかけると足の底から股関節に至るまで"looseness"(弛緩)のイーズィな感覚が得られる。
・私は若干クローズ目(ティー・ショットで約10°)のスタンスをとる。このクローズスタンスは、他の方法では得られない牽引力を与えてくれる」

(March 02, 2015)


飛距離が欲しけりゃ肩を廻せ

筆者Gary McCord(ゲアリ・マコード)は元ツァー・プロで、現在CBS-TVのゴルフ中継解説者の一人。

'Golf for Dummies'
by Gary McCord (For Dummies, 1999, $21.99)

「ヤーデージを増す助けとなるシンプルなヒントを差し上げよう。バックスウィングで肩を廻すのだ。バックスウィングで肩を廻せば廻すほど、遠くへ飛ばすチャンスも増す。だから、バックスウィングで上体を伸ばし、トップで左肩を右足の上に乗るように努力するのだ。

グリップは緩めに。フクロウの卵を持つ強さで握ると覚えておけばよい。

ダウンスウィングで腰を左へ廻して、フォロースルーで右手を伸ばすのは、長距離ヒッターのトレードマークである」

(March 02, 2015)


ターゲットに背中を向けよ

筆者Vivien Saunders(ヴィヴアン・ソーンダース、1946〜、英国)は女子アマとして英国を代表する華麗な経歴を残し、その後インストラクターに転身。ここではドライヴァーの打ち方の基本中の基本(ヘッドの軌道と捻転)が力説されています。

'The Golf Handbook for Women'
by Vivien Saunders (Three Rivers Press, 2000)

「ドライヴァーのスウィングは曲線的で、ボールの背中をパワフルかつ水平に攻撃をするものでなくてはならない。スウィング・プレーンは、アドレス時のクラブ・シャフトの角度に従うものだということを忘れないように。

バックスウィングでボールから遠ざかる勇気を持つこと。クラブを腕で持ち上げるのではなく、ターゲットに間違いなく背を向けるように。水平の攻撃が必要である。ボールの背中にドライヴァーで釘を打つようなコンタクトを得ること。その金槌(クラブヘッド)は、後退する時も前進する時も浅いカーヴで動くべきである。急角度に上げてはならない。パワーを求めてフォロースルーする。

アドレスで右肩は快適に下がり、ボールはスタンス中央から5〜8センチほどターゲット寄りで、低いテイクアウェイと低目の攻撃の感覚を学ぶこと」

【参考】「Ernie Elsのショルダー・ターン」(tips_2.html)

(March 02, 2015)


パットでは距離が全て

これは元ツァー・プロで、現CBS-TVゴルフ中継解説者Gary McCord(ゲアリ・マッコード)による記事。

'Be the Ball'
edited by Charlie Jones and Kim Doren (Andrews McMeal Publishing, 2000, $14.95)

「パッティングでは距離が全てである。あなたは5メートルを5メートル20センチ、10メートルを10メートル30センチの長さで打つことを学ばなくてはならない。毎回カップの向こう25〜35センチに届かせられるまでは、あなたはパットが上手であるという範疇には入らない。

それが出来、あなたのテクニックが良ければ、パッティングは極めて甘美なものとなる。あなたは次のようなことに気づいたり気づかなかったりする。ある時はボールがベラボーに小さく、カップはかなり大きく感じるので、どんな馬鹿でもミスするなんて考えられないと感じたり、逆にボールがカップより大きくて、ボールが入るわけないと感じたりとか。

あなたはパッティングの(短所ではなく)長所に立ち返らなくてはならない。でないと、大海のド真ん中でオールを投げ捨てるようなものだ。パッティングは、ゴルフの中で扱いが難しいものの一つだ。精神に影響を与えるものはパッティングである」

(March 05, 2015)


3パットを防げ

レッスン・プロBill Roy(ビル・ロイ)による3パット防止策。

'Be the Ball'
edited by Charlie Jones and Kim Doren (Andrews McMeal Publishing, 2000, $14.95)

「パッティングではカップの周りに1メートルの円を視覚化すべきだ。多くの人々がこれを世迷い言だと思うようだが、そうではない。あなたがゴルフコースでその1メートルの円内にボールを寄せられれば、あなたは先ず第一に3パットを排除出来ることになるからだ。

あなたがラウンド後にスコアカードを見る時、「おお、3パットは一回だけだ!」と云うだろう。あなたが7メートルのパットに直面したら、それを沈めようなどと思ってはいけない。近づけるのだ。3パットを排除するために近づけるべきなのだ」

(March 05, 2015)


チッピングtip大集合

以下の本からピックアップしたチッピングに関する秀作tips。

[chipping]

'The Best Golf Tips Ever'
edited by Nick Wright (Contemporary Books, 2003, $24.95)

・リアルなチッピング練習をせよ

「ELPGA(ヨーロピアンLPGA)ツァー・プロMarie Laure(マリー・ロー、仏)は云う、『大抵のゴルファーのチッピング練習に関するアイデアは、単純にグリーン周りで沢山のショットをするというものだ。しかし、チップした後、それぞれをホールアウトしなかったら、あなたが実際のところどれほどのショートゲームの腕前を持っているのか絶対に判らない。

チッピング練習の最高の方法は、どのショットでもホールアウトすることだ。これはあなたのチッピングとショート・パットの質について即座にフィードバックを与えてくれる」

・チッピングの際のボール位置に注意

「Frank Nobilo(フランク・ノビロ、元ツァー・プロ、現The Golf Channel解説者)は云う、『チッピングの際、人々はボール位置をスタンス後方にしていると考えているが、事実はその反対であることが多い。左足がターゲットに対しオープンだと、実際よりもボールがずっと後方にあるように考えがちだ。

セットアップを正しくチェックするには通常のチッピング・スタンスに足を広げ、(左爪先をオープンにせず)爪先を身体の前方に真っ直ぐ向けたままにする。ボールは右踵の前方に位置すべきである」

・ウィーク・グリップでチップすれば失敗無し

「PGAツァー・プロStuart Dowsell(スチュアート・ダウゼル)の助言。『両手のグリップをクラブの左側に廻してウィークにする。つまり、左手のナックルは一つだけ見え、右手のナックルは少なくとも三つ見えるようにグリップする。

このウィーク・グリップはインパクトでボールをカットすることを促進するので、ボールの後ろの地面にクラブヘッドをぶつけてボールを擦るようなショットはほぼ不可能になる」

・チッピングのクラブ選択

「Seve Ballesteros(セヴェ・バレステロス)は主に9番アイアンを使ってチップするのを好む。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)は5番アイアンからロブ・ウェッジまでどれでも使う。Nick Faldo(ニック・ファルド)は6番アイアン、8番アイアン、そしてウェッジによる練習が鍵であるとし、それらをランダムに用いて様々なショットをコントロールせよと説く。どれがあなたに向いているか、それぞれのメソッドを試してみるべきだ」

・カートがチッピング(とピッチング)を駄目にする

「Lee Trevinno(リー・トレヴィノ)の信念。『ゴルフカートはチッピングとピッチングの芸術を駄目にしている。なぜならゴルファーはグリーンからかなり離れてカートを止め、クラブを選択してグリーンへ向かうことが多い。クラブ選択を誤った場合、彼らはカートに戻ってクラブを取り替える代わりに、適切でないと分っているクラブでプレイしてしまう。歩くかカートに乗るかが選べるのなら、歩くべきだ』Lree Trevinoの原理はロング・ゲームにも当てはまる」

・ハードパン(裸地)ではフェアウェイ・ウッドでチップせよ

「 インストラクターDebbie Doniger(デビィ・ドニガー)は云う、『グリーン近くのハードパンにボールがある場合、鍵はボールを先に打ちクラブで地面を掘らないことだ。アイアンも選択肢ではあるが、フェアウェイウッドの方がよりクリーンに打てる筈だ』」

・着地点を定めたらカップを忘れよ

「一旦、どうチップショットをプレイするか視覚化し、クラブを選択し、ボールが着地すべき範囲を選んだら、完全にカップのことは忘れること。最高の正確度を求めて着地点を可能な限り狭くする。チップする時、その選ばれた地点にボールを着地させることに完全に集中する」

・名人は腕・手首・脚も使う

「インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)は何人かのチッピング名人と仕事をし、彼らのテクニックが伝統的インストラクションに反しているという興味深い観察をした。多くのゴルファーは『手・手首・脚を動かすな(あるいは硬直させよ)』と教えられるが、Jim McLeanは、Seve Ballesteros(セヴェ・バレステロス)やPhil Mickelson(フィル・ミケルスン)などは、しばしば最も短いチップの際に手と手首、さらには脚の動きまで加えるのを目にした。Jim McLeanは『世界的ショートゲームの名手たちは、絶対に硬直したあるいは固い手首でプレイしておらず、ソフトな腕と幾分かの手の動きさえ用いている』と云う」

・旗竿は抜くな

「グリーンエッジからチップする際、多くのゴルファーを襲うジレンマは旗竿を抜くか抜かないかの決定である。Fred Couples(フレッド・カプルズ)は旗竿を残してチップする。なぜなら、旗竿はカップを過ぎて遠くへ転がろうとするボールを止めてくれ、運がいい時はカップに沈めてくれさえするからだ。旗竿を抜いてしまったら、ボールをカップに沈めるには完璧な強さで打たねばならない」

(March 08, 2015)


SeeMore(シーモア)パターの原理を頂戴する

以前「目の位置とパットの球筋」(tips_70.html)で、ボールとの距離を一定にして立つため、シャフトにテープで目印をつけるという工夫を紹介しましたが、今回は市販のSeeMoreパターの原理を応用することを思い立ちました。SeeMoreパターは、パターヘッドのシャフトの下方に赤いマークがあり、それをシャフトで隠すように立ち、終始赤いマークが見えないようにストロークすれば正確なストロークが出来るというアイデアです。"See more"(もっと見る)ではなく、"See less"(あまり見えないようにする)でもなく、"See nothing"(見えないようにする)というのが正しい命名ではなかったか?と思いますが。

【参考】シーモアパター日本公式サイト http://www.seemore.jp/riflescope_technology.html

[SeeMore]

もし方向性が課題であれば、自分のパターにもそういうマークをつければいいのです。シャフトの蔭になるフェース面に1.5cm × 0.7cmぐらいのマークを付ければ済むことです。一銭もかからずに自家製SeeMoreパター一丁上がり。

しかし、私の場合、方向性は課題ではありません。《両手が低いとボールは左へ出る。両手が高いとボールは右に出る》という法則がありますが、いつも「この高さで良かったかな?」と自信なく構えている現状なので、常に正しい手の高さに構えるのが現在の課題。ま、これも結果的には方向性と云えるかも知れませんが、基本的にはポスチャーの問題と考えています。

で、パターのシャフトとヘッドにそれぞれビニール・テープを貼り(シャフトの方は仮止め)、それらが横一線になる【写真】ように構えてストローク。何度か続けて成功するまでシャフトの方のテープの高さを変え(一線に揃えた時、手の高さも変わる)、パット成功が続くまでテストを続行します。【このテストは実際のゴルフ・シューズを履いて行う必要があります。スリッパやサンダルでは目の高さが違っちゃいますから】

ボールが何度か続けて真っ直ぐカップに入るようになったら、その時の両手の高さが最も適切な高さと考えられます。私はビニール・テープを本式に止めただけですが、こうした容易に着脱可能なマークの仕方は、ゴルフ規則4、裁定4-1/5によって公式競技では違反となります。公式競技に参加する場合は、両方のテープの位置にマジックで線を引くとかペイントを塗るなどして、恒久的なマークとする必要があります。

赤い線をちらと一瞥しズレを微調整するだけで、両手の高さに不安を抱くことから解放されます。後はストロークに専念するだけ。

私にとって、これはSeeMoreパターのアイデアよりずっと優れています。

(March 11, 2015)


パットのボール位置は胸骨のちょい前にせよ

この記事が掲載されているパッティングの本はストレート・ストロークについて書かれており、アーク(円弧型)ストロークを推奨しているわけではありません。にもかかわらず筆者Peter Morrice(ピーター・モリス)は「パッティング・ストロークは僅かながらインサイドに引かれ、数センチのスクウェアなインパクト・ゾーンの後、再びインサイドに向かう」と断言し、その貴重な数センチ区間をボール位置と定めよと説きます。

'Golf Magazine Putting Handbook'
by Peter Morrice and the editors of Golf Magazine (The Lyons Press, 2000, $14.95)

「パッティング・ストロークは完全な振り子運動ではない。完全な振り子運動をするためには、パターはクローケー【編註:ゲートボールの元祖であるイギリスの競技】の木槌のように作られていて、腕とシャフトは肩からボールに向かって垂直に垂れ下がっていなくてはならない。そして、肩は洋服ダンスにぶら下がっているハンガーのように、完全に垂直の動きをしなくてはならない。

現実的には、パターはどちらかと云えばホッケーのスティックのようなもので、シャフトはプレイヤーの方へ傾いでいる。また、肩は完全に垂直のラインで上下に揺れることはない。肩はフル・スウィングの際のように、背骨の周りを廻る。その結果、ストロークの間のパターヘッド動きは“振り子風”ではあるが、若干曲線的である。それは、バックストロークでパターヘッドが地面から浮くだけでなく、僅かにターゲットラインのインサイドへと動く。フォワードストロークで、パターヘッドはターゲットラインへと下降して戻る。その後、再びインサイドへと上昇する。それは目立つ動きではなく、多くの場合、識別さえ出来ないほどだとは云え、軌道が曲線的であればボール位置が重要となる理屈である。

その軌道がパターフェースの角度にどう影響するか考えるべきだ。パターヘッドが若干ラインのインサイドに向かう時、パターフェースは自然に回転してターゲットに対しオープンになる。それはスウィング孤の最低点でスクウェアになり数センチの区間でスクウェアなままになるが、パターヘッドが振り抜かれる時、ターゲットに対しクローズに回転する。だから、他の要素が等しいとすれば、パターヘッドでその数センチの間にボールとの接触をしない限り、ボールはあなたの意図したライン上には転がらない。それだけではない。可能な限りボールをスムーズに転がすため、パターヘッドは地面に平行か僅かに上向きに動いている時にボールと接触する必要がある。もし、その接触が早過ぎたり遅過ぎたりすれば、ボールは過度に滑走するか転がる前にぴょんと飛び上がってしまい、どちらの場合も距離のコントロールに影響を与える。言葉を替えれば、あなたがスタンスの正しい位置にボールを置かない限り、あなたが完璧なストロークをしたとしてもそれでもミス(それもひどいミス)になるということだ。

幸い、両脚と上半身はストロークの間じゅう動かないので、スウィング弧の最低点は身体との位置関係においては常に同じ場所であると云える。その一点を探すために振り子のアナロジーに戻ろう。振り子の弧の最低点は、振り子がお爺さんの時計の天辺に固定されている部分の反対側である。その固定された一点は両肩の間で胸骨の頂点だ。両腕がその点から直接下がっているならば、その両手の先がスウィング弧の最低点である。そこがボールに対して自分の身体の位置を決める参照ポイントとなる。

パターフェースはスウィング弧の最低点かそのやや前方でボールとコンタクトせねばならない。パターフェースがラインから逸れるまでには数センチの余裕がある。だから、ボールは胸骨の真ん中のちょい(1〜2.5センチ)前方になるように立つ。体重が両足の間に均等に置かれていると仮定すれば、その位置はパターフェースがターゲットに充分スクウェアであることを保証してくれる。

あなたはボール位置を定めるのに、なぜ胸骨を基準にするのか訝っているだろう。両足を基準にする方がボールに近いのに…と。そうなのだが、両足は常に信頼出来るとは限らない。もし、ボール位置を両足の中央より前方にした時、体重が両足の間に均等にかかっているならば、それはまた背骨の前方でもあるだろう。だが、Greg Norman(グレッグ・ノーマン)やNick Faldo(ニック・ファルド)のようにターゲット方向の足に多く体重を掛ければ、あなたの上体は体重と共にターゲット方向に傾ぎ、スタンスの中央より前方だった筈のボール位置は、実際には胸骨の中心から後方になってしまう。それではパターヘッドがスウィング弧の最低点に達する前にボールとコンタクトし、ボールを地面に向かって押し潰してしまうことになる。足ではなく、胸骨を参照ポイントとすれば、ボール位置は常に正しいと確信出来るのだ」

(March 11, 2015)


左爪先開いて、スライスよさらば

この記事の筆者Tom Stickney(トム・スティックニィ二世)は、様々なゴルフ雑誌に寄稿しているインストラクター。

'Match Up Your Swing'
by Tom Stickney II with Peter Morrice ('Senior Golfer,' July 2000)

「奇妙に聞こえるかも知れないが、ショットの軌道をコントロールしようとする場合、クラブフェースの向きによって問題を解決しようとするよりも、スタンスで解決する方が確実な方法である。クラブフェースに足を揃えれば、あなたは曲がった軌道のショットを追い払うことが出来る。

スライスを治す方法:通常のスタンスをとり、その後左足をターゲット方向に約45°開く。これはバックスウィングの回転を抑制し、それによって上体と下半身の間にきつめのコイル(捻転)を作り出し、その結果としてフォワードスウィングの際のターゲットに向かう急速な腰の回転をプリセットする。

速い上体の回転はクラブフェースを急速にクローズ方向に回転することを意味し、それがストレートなショットに繋がるわけである」

私のゴルフ仲間のKeith(キース)はスライスで悩んでいました。そのため、かなり左を狙って打つようにしているのですが、左の木に引っ掛かるというミスもラウンドにつき一度や二度ではありません。

ある日のラウンド後半で上のtipをKeithに教えました。彼は既にスライス防止法のtipをいくつか知っており、「あれもやった、これもやった」と云います。私は「聞きなさい。これはそういう類いのものではない。あなたが無視しても構わないから、一度聞いて理解して欲しい」と私。そして、左爪先を45°開く処方箋を伝えました。「OK。次のティーでやってみるよ」とkeith。

彼は忠実に45°開いて打ちました。ボールは真っ直ぐフェアウェイ中央へ。仲間がやんややんやと褒めそやします。Keithは「スライスの時の方が飛んでた…」とモゴモゴ云ってます。私は「距離が欲しいんなら高くティーアップしたら?」と云いました。「高くするとポップアップが恐い」とKeith。私は彼にウッドとアイアンの二つのスウィングを使い分けなければならないと何度か説明してあったのですが、すっかり忘れているようです。「アイアンでは急角度のダウンブローで打つが、ウッドでは地面に平行にスウィングすべきなんだ。そうすればポップアップは起らない」と私。Jim Goodman(ジム・グッドマン)が「ウッドは"sweep"する(掃く)ように打つんだ。そうだよな、エイジ?」と加勢してくれます。Keithは納得したかどうかあやふやな表情でした。

最後のホール、Keithはフェアウェイにストレートなボールを放ちました。私のティー・ショットはフェアウェイ真ん中の残り140ヤード付近で、Keithのボールは約10ヤード後方でしたが、彼はその30ヤードも後ろの方でカートをぐるぐる運転してボールを探しています。私が「ここだよ!」と指し示しても、そんなに飛んだとは信じられない様子でまだボール探しを止めませんでした。彼は爪先を開いてスライスを減らし、これまでにない飛距離も得たのでした。

その後Keithは、ストレートなボール半分、スライス半分のラウンドを続けていました。見兼ねた私は、彼にJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ)著の'Golf Doctor'(邦訳『ゴルフ・ドクター ミスショットの症状・診断・治療』)という本を貸して上げました。これにはスライスの原因と対策が数章にわたって詳述されています。Keithは読んでは練習し、ラウンドしては読む…ということを繰り返し、みるみるスライスを激減させました。最近では、ボールが右へ出てもそれはスライスではなくプッシュになっています。プッシュはインサイド・アウトの軌道によるスウィングによるものとされていますから、彼はアウトサイド・インによるスライスを撲滅したと云って過言ではありません。

(March 20, 2015)


ゴルフはパワー・ゲームではない

筆者Beth Daniel(ベス・ダニエル)はメイジャー1勝を含む41勝を挙げ、既に名誉の殿堂入りしているLPGAプロ。

'A Woman's Golf Game'
by Shirli Kaskie (McGraw-Hill Companies, 1983)

「ドライヴァーは肩を使って後ろへ廻しなさい。バックスウィングを始める際、頭を静止させること。約50センチほどは地面を掃くようにし、次第に上体と肩を廻しながら両腕をバックスウィングのトップへと上げて行く。

左腕は真っ直ぐに、しかし硬直させないように保つ。肩の回転を制限するように腕を硬直させるのは厳禁。肩を回転させながら、体重を右サイドに移す。バックスウィングのトップで、左肩は顎の下に来なくてはならない。

私はダウンスウィングで、全てを左サイド〜ターゲットへと突進させる。私の腕はターゲットに向かう。頭は自然に上がってフォロースルー体勢となる。

多くの女性ゴルファーは、あまりにもハードに打とうとしてドライヴァーでトラブルに陥る。ゴルフは女性にとってパワー・ゲームではない。正確さのゲームである。正確さの追求に専念しなさい。終始スムーズであることも重要。ドライヴァーでも通常のスウィングをしなさい。クラブに仕事をさせればよいのだ」

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「クラブに仕事をさせる」…それはクラブに備わっているロフトとスプリング効果に委ねよということですね。人間は身体を捻転させて、また元に戻すだけでよい、というかその方が手や腕をこねくり廻さない分正確なショットになります。もし運良くスウィートスポットで打てれば、スプリング効果によって充分な飛距離も稼げるでしょう。"Simple is best"です。

(March 20, 2015)


木が気掛かりになる場合

ドッグレッグでもない場合、フェアウェイのド真ん中で木のことなど考えることは絶対ありません(フェアウェイのド真ん中に木があれば別ですが)。しかし、ボールがフェアウェイの縁に行ったりすると、木が気になることがあります。

アイアンのクラブ毎に、ボールの軌道が木に掛かるかどうか確認する方法はありますが(「ボールの発射角度を知る」tips_115.html)、それよりも簡単明瞭な判断法があります。木が気になった場合は必ずボールは木に当たると考えるのです。

ゴルファーの脳のデータベースには長い間の経験が詰まっており、木に当たりそうなら警告を発します。そんな危険な木が存在しなければ知らんぷりです。脳が危険信号を発しているのに、「大丈夫だろう」と思うのは「バーディが欲しい!」とか「パーで収めたい」、「2オンさせたい」などというゴルファーの欲のなせる業です。その欲が警告を無視して冒険に走らせるのです。もちろん、打ったボールは木を直撃します。

脳が発信する警告に耳を傾け、それを尊重しましょう。

(March 23, 2015)


木を越える高あ〜いショット

「木越えのショット」は既にいくつかのtipを紹介済みですが、以下の記事はちょっと異なります。ロフトを活かす打ち方が参考になります。

'From the Fairway'
by Michael Hobbs (Gallery Books, 1991)

「・普通の木越え

1) ボール位置を通常より2〜5センチほどスタンスのターゲット側にする。
2) 若干クラブフェースをオープンにする(ロフトが増え、高いフェードを生じる)。
3) グリップの末端でクラブを握る。
4) 活発な手のアクションを心掛ける。
5) ボールにバックスピンを与えて急速に上昇させるため、フル・スピードでボールを打つ。
6) インパクトで両手をクラブに先行させないこと(ロフトを保つため)。

・灌木(低木)が目の前にあって、そのすぐ向こうにグリーンがある時

この場合、驚異的高さと、最小限の飛距離の両方を達成させなければならない。

1) クラブフェースをさらにオープンにする。
2) バンカー・ショットかカット・ショットのように、ターゲット・ラインを横切る早い速度のスウィングをする。これはボールに最高のバックスピンを与え、カットする動きによるサイドスピンが、ボールを(前進ではなく)上昇に導く。

これは難しいテクニックなので、大惨事に繋がりやすい。クラブフェースのヒールやトゥで打ったり、タイミングが狂ってシャンクになる恐れもある。充分練習してからでなければ実行しないこと」

【参考】
・「高い木を越える」(tips_82.html)
・「木越えのショット」(tips_124.html)

(March 23, 2015)


木の下をかい潜る低いショット

「木を避けるショット」は既にいくつかのtipを紹介済みですが、以下の記事にも参考になる点があります。

'From the Fairway'
by Michael Hobbs (Gallery Books, 1991)

「木の枝の下をくぐり抜ける方法にはいくつかある。

a) ロフトに仕事をさせる

例えばピンまで9番アイアンの距離だが、9番アイアンでは忌々しい木の枝に掴まってしまうという場合、枝の高さにもよるがロフトの少ないクラブを選ぶ必要がある。ボールの低い飛行を望むあなたは、多分3番アイアンを選ぶかも知れない。実は、その選択は簡単ではない。先ず、スウィングの大きさを決断しなければならないし、ランの距離も想定しなければいけないからだ。

b) クラブフェースを伏せる

ボール位置をスタンスのかなり後方にし、ハンドファースト(クラブヘッドをターゲット方向に傾ける)で構える。この場合、ロフトは例えば8番アイアンなら、通常のスタンスで構えた3番アイアンのロフトに近くなる。

以上のどちらの手段も、ボール位置の草が短く刈られている場合に用いること。草が長いと、宙に浮く前にボールは頓死してしまう。打つ前に、ボールがどんな風に反応するかを視覚化し、最良の妥協案を模索しなければならない」

 

【参考】
・「低空飛行で木を避ける」(tips_62.html)
・「木越えはやめて転がすべし」(tips_86.html)
・「木の下からの脱出」(tips_116.html)

(March 23, 2015)


Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)の読み方の手順

PGAツァーの若手の代表Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)によるグリーンの歩き方、感じ方、見方、読み方。

'Make better reads'
by Jordan Spieth ('Golf Magazine,' January 2015)

「グリーンを読むのは、ゴルフというゲームの中で最も難しい分野の一つだ。もし読み方が上手くないのであれば、多分あなたはグリーン上でどうするかの手順を身につけていないからだ。大方の週末ゴルファーのように、どこでどこを見ればよいか知ることなくラインを睨みつけているか、ホール毎に異なる手順でラインを読んでいるのかも知れない。以下のは私の読み方である。

[Reading]

① ボールの後ろからラインを見る

 ボールの後ろにしゃがみ、それがストレートなパットであるかのように、目をボールからカップへと動かす。この初期の読みが出発点となり、もっと特定のターゲットを作り出す。この読みを遂行しながら、ラインを二つに分ける。最初の半分はどれほど早く転がるか、カップ近くでどれほど遅くなるかを視覚化する。

② 勾配の低い側を歩いてカップの後ろに廻る

 ラインの低い方を歩き、足で勾配の度合いを測定する。グリーンの総合的な傾斜とブレイク(曲がり)とを感じ取れる筈だ。これはラインの高い側ではよく判らない。

③ カップの背後からラインを見る

 週末ゴルファーのほとんどはこれをしない。すべきなのに!目は勾配についての新たな情報を呼び込む。時として、①での初期の読みが間違っていたことに気づくことがある。

④ ボールの方向に戻る

 再びラインの低い側を歩きながら足の感覚に注意を払う。

⑤ ブレイクの頂点(曲がり角)を突き止めよ

 ボールの後ろに戻ったあなたは、今やカップの両方からラインを目にし、足で傾斜を感じとったわけで、パットのブレイクがどこで始まるか特定出来る筈だ。このブレイクの頂点があなたのターゲットだ。そのポイントを心の目に焼き付けるのだ!

⑥ 行程の後半に集中せよ

 最後に、ブレイクの頂点からカップまでの区間の読みに集中する。カップにボールをとことこと転げ込ませるにはどんな強さが適切か思い描く。一般的に、ボールはカップに近づくにつれ減速することを忘れないように」

[icon]

私に苦い経験があります。私はパートナーたちが寄せるのに手間取っていて時間の余裕があれば③ 「カップの背後からボール方向を見る」を実行します。ある時、ボール側から見たのと反対のブレイクに気づきました。私と同じラインのパットになるチーム仲間の一人に「右にブレイクするぜ」と云うと、彼は「へー?」と云い、後は無言でした。私が3メートルほどのバーディ・パットをすると、ボールは予想と逆に左にブレイク。パートナーは「左へ切れるんだよ」と云い、フックラインとしてパット。しかし、彼もバーディ・パットをミス。

よくよくボール後方からラインを見ると、絶対に右へ切れる傾斜ではありませんでした。私はカップの背後に廻った時、奥のグリーンエッジの傾斜か何かに影響されて錯覚したようです。それを“発見”と思い込んだまま、ボールの後ろに戻って再確認するのを怠ったのです。Jordan Spiethの云うようにブレイクが逆転するような発見があったとしても、やはりボールの背後から見た傾斜の測定を優先すべきだと思いました。バーディを逃したことで学んだ苦い教訓です。

「私は混乱させられる。ラインの一方から見て、もう一方から見ると、時々別なブレイクが見えるのだ!」
Ian Woosnam (イアン・ウーズナム、英国、1958〜、the Masters 1991優勝者)

【参考】「ラインを読む場所と順番」(tips_100.html)

(March 26, 2015、増補July 18, 2015)


二段グリーンの対処法

'Golf Magazine Putting Handbook'
by Peter Morrice and the editors of Golf Magazine (The Lyons Press, 2000, $14.95)

「急な傾斜と結びついた二段とか三段の“棚”は、ロングパットにおけるユニークな挑戦である。あなたのボールがある階層にあり、カップが他の階層にあるなら、あなたは基本的に三種類の読み方をしなければならない。1) あなたの階層におけるブレイク、2) 接続する二つの棚の傾斜が転がりに与える影響、3) カップのある階層のブレイク…の三つである。

複数の角度から読まねばならないせいで、勾配がパットに与える効果について混乱し易い。しかし、低い階層へ下るパットであれ、上の階層への上りであれ、傾斜の影響は常にボールを斜面の下へと引っ張るものであることを忘れてはいけない。ボールは下り坂を転がることを好み、時折反対方向にさえもそのように転がる。当たり前のように聞こえるだろうが、複数段の傾斜を分析する時、覚えておくと有益な事柄である。

ありがたいことに、大概の複数段グリーンは同じように作られている。大体において、前から奥へ、低い階層から上の階層(それは一般的に平らである)へと斜めに繋がっている。この傾斜の特徴が意味するのは、もし上の階層から下へパットするなら、普通あなたがなすべきことは下り坂まで充分届くだけ強く打つことだ。常に例外は存在するが、大抵の場合、勾配は下層のカップに届くだけ充分な勢いを与えてくれる。

高い階層へと傾斜を登らせるのは、通例困難なパットである。ボールが坂を登るには、通常よりかなり早く転がる必要があるが、そんな長いストロークをするよう身体を納得させるのは難しい。だが、上の階層に届くほど充分に強く打たなければ、ボールはころころと戻って来て、最初のパットより長いセカンド・パットを残すかも知れない。同時に、単純にボールを強打するわけにもいかない。複数段グリーンの上の階層は平らであると共に、早い傾向があるからだ。強く打ち過ぎれば、ボールはグリーン奥からこぼれ、真にタフなショットに直面することになる。

あなたが正しい強さを推し量るのに困難を感じるなら、強く打つことで自分を騙せばよい。棚を無視し、カップは実際の距離より3メートル遠くにあると想像するのだ。そして、その想像上の遠くのカップへは真っ直ぐな上り坂であるかのように考えて長さを算定せよ。それは、グリーンをオーヴァーすることなく坂を駆け上がるに充分な勢いをボールに与える筈だ」

(March 26, 2015)


トゥでクラブをセットせよ

「Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)のアドレスの秘密」(tips_100.html)はクラブのヒール近くにボールが位置するようにセットする変則アドレスでしたが、こちらはPGAツァー・プロMike Turnesa(マイク・ターネサ、1907〜2000)によるトゥ寄りで構える方法。

'The Best Advice Ever for Golfers'
edited by Robert McCord (Andrews McMeal, 2001, $12.95)

「アドレスする際、あなたの腕は快適にセットされる(強ばって伸ばされるのではなく)。私にとって個人的に助けとなっているメソッドの一つは、クラブのややトゥ寄りでボールにアドレスすることだ。スウィングの間、腕は自然に伸ばされる。このストレッチングによって、クラブヘッドのセンターはインパクトでボールとスクウェアに揃う。これはクラブヘッドをボールに届かせるという意識的努力ではない。活気づいた筋肉によって充分伸ばされた腕が、単にボールに向かうだけである」

(April 05, 2015)


インパクト後に左腕を折れ

筆者Jerry Heard(ジェリィ・ハード)はJohnny Miller(ジョニイ・ミラー)などと同じ時期に活躍したプロ。

'The Golf Secrets of The Big-Money Pros'
by Jerry Heard with Paul Dolman (The Hanford Press, 1992)

「私がByron Nelson(バイロン・ネルスン)とSam Snead(サム・スニード)から伝授された、スウィングの秘訣をお教えしよう。お断りしておくが、どちらも腕の独立した動きを提唱するものではなく、身体の回転への腕のリアクションとして言及したものである。

Byron Nelsonは『ダウンスウィングとインパクトの間、出来る限り右腕を身体に引きつけよ』と云っていた。これはパワフルで偉大な梃子の作用をボールに与える。Sam Sneadは逆で、『左腕を左胸にくっつけておけ』と云った。どちらの場合も、手・腕によるスウィングではなく、大きな筋肉(脚、腰、肩など)を使うことの重要性を説いている。

Sam Sneadは、右腕を自然にターゲット方向に伸ばすには、インパクト後左腕を折るのがよいと考えていた。左腕がインパクト後も長く真っ直ぐなままだと、左手首が折れてしまう。左腕がインパクト直後に肘から自然に折れれば、左手首はしっかりストレートな状態で留まり、クラブフェースもスクウェアなままとなる。

これは素晴らしいスウィングの鍵である。ダウンスウィングの最初の半分はインサイドから、そしてフォロースルーの後半の半分もインサイドに向かう。【編註:鏡像のように対称的となるという意味】 円運動の決定的要素は、身体の大きな筋肉の捻転と逆転である。腕、手首、手などは独立した動きをするのではなく、リラックスしたまま回転運動に追随するだけである」

(April 05, 2015)


身体各部の高さを保ってスウィングせよ

Champions Tour(チャンピオンズ・ツァー)の堅実派Jay Haas(ジェイ・ハース)による堅実なtip。

'Golf Tips from the Pros'
edited by Tim Baker (David and Charles Limited, 2006, $14.99)

「私が長年にわたって守ろうとしていることの一つは、スウィングの間中(アドレスからヒッティング・エリアまで)水平を保とうというものだ。

・頭

私はインパクトで沈み込まないように頭の高さを保とうとする。

・両膝

私がボールをハードに打とうとする時の過ちは、ボールに向かってしゃがみ込んで高さを失うというものだった。スウィングの間、膝の高さを保つということは、正しい角度を保てることに繋がる。その結果、安定したボールとの接触が出来るようになる。

・スウィング軌道

もし私が水平を保てるなら、私のスウィング軌道も水平か浅いもので、ディヴォットも浅くなる。私が必ずソリッドに打てるのは、そういう場合である。

・バランス

アマチュアの一般的過ちは過度にハードに打とうとすることだ。その姿勢は筋肉の協調運動とバランスを失わせる。基本的に、あなたのスウィングの調子が損なわれてしまう。イーズィにスウィングせよ」

(April 05, 2015)


Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のパッティング【左肩を低く保て】

これはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)が旧著や雑誌などに書いた原稿をまとめたパッティングの本から、彼のストロークをコントロールする肩の扱いについて。

'Putting My Way'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (John Wiley & Sons, Inc., 2009, $25.95)

「私のパッティング・ストロークの中心となる要素の一つは、常に左肩である。左肩は特にパットの最初の段階でパターヘッドを持ち上げたり、捩ったりしないことに貢献する。

私の妻Barbara(バーバラ)は、私がお粗末なパットをしたラウンドの後、『また頭を持ち上げてたわ!』と私に云う。実際は、その多くで私は頭を持ち上げていなかった。時々起ることだが、私はフォロースルーで無意識に左肩を上げたのである。

もしあなたが心地よく頭を動かす確信犯であるなら、それを治すヒントを上げよう。

ボールに向かってストロークする時、意識的に左肩を低く静止状態にするのだ。ボールが放たれてころころ転がって行くまで、ほんの僅かでも左肩を持ち上げてはいけない。そうすれば手と腕はボールを正しい方向に打つことが出来る。ボールを見送るのも、頭を上げるのではなく、横目で見るようにすべきである」

(April 12, 2015)


続・Bobby Locke(ボビィ・ロック)のパッティング

南ア出身のプロBobby Locke(ボビィ・ロック、1917〜1987)は全英オープンに四回優勝したパット名人です。既に「Bobby Lockeのパッティング」(tips_109.html)という記事を紹介済みですが、あれは彼自身の本から得た概略でした。今回のはゴルフ・ライターKen Bowden(ケン・ボウデン)執筆による客観的なもので、以前の記事と重複しないようにしてあります。Bobby Lockeのトップスピンを与えようとする努力が印象的です。

'The Methods of Golf Masters'
by Dick Aultman & Ken Bowden (The Lyons Press, 1975, $19.95)

「Bobby Lockeは魔術的なピッチングとチッピングをしたが、パットの名人としては議論の余地がないほどだった。

彼は次のように云っている。『Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の本に、「本当の成功の秘訣は、三打必要な状況を二打で済ませることだ」と書かれてあった。全部のグリーンの1/3にパーオン出来ないゴルファーが、三打必要な状況下で四回二打で済ませられれば、ラウンドにつき四打減らすことが出来る。トーナメントの四日間のラウンドでそうすることが可能なら、16打減らせるのだ。若い頃、私のロングゲームのレヴェルが必要充分と思えるようになった時、私は何時間も何時間も、何日も何週も何ヶ月もショートゲームの練習に励んだ。その結果、ロングゲームへのプレッシャーは消え失せた。私がお粗末なプレイをする日でもパーでしのげるし、いい出来の日はバーディがいくつか転がり込んで来るという自信がついたからだ』

Bobby Lockeは32パットのラウンドはまあまあの出来、30パットだったら上出来、28パットで収められたら最高と考えるようにしていた。『だが、28パットが本当の目標だった。そして、28パットのラウンドを沢山したものだ』と彼は云う。

彼のストローク法の第一目標はボールにトップスピンを与えることだった。トップスピンはボールと接触した瞬間から滑走(スリップ)ゼロ、サイドスピン・ゼロ、ジャンプもゼロの真の前進回転をボールに与えられる。これによってカップの“四つのドア”が利用出来ることになる。他のプレイヤーのボールがリップアウトしても、サイドスピンのない彼のボールは左右の“勝手口”からカップインした。Bobby Lockeが何ものに換えても避けたかったのは、ターゲットラインの外側からカットして、ボールにサイドスピンを与えることであった。

Bobby Lockeは、早いグリーンでは実際のカップの6インチ(15センチ)手前を終点にし、中程度の早さであればカップの手前の縁、遅いグリーンではカップの向こうの壁に軽くぶつかるようにストロークした。

 

彼はフル・スウィング同様、パッティングでもオーヴァラッピング・グリップを用いた。ただし、パッティングでは主に指先で軽く握る点が異なっていた。両方の親指はシャフトの真上に添えられた。両手は長めのパターで高い位置で構えられていた。

彼は云った、『私のバックストロークに手首の動きはない。しかしながら、パター・フェースを伏せ目にする("hooding the face")結果として、左手首はバックストロークで僅かに下向きに(=手の甲が地面を向くように)なる。ロング・パットだと、左手甲はもっと地面を向く』 彼はさらに、『私のパッティングを見ている人には、私のバックストロークが完結した時、ややクローズ目に見えることだろう。だとしても、私にとってはターゲットラインの最初の部分に対してスクウェアであると感じられるのだ。ラインに向かってオープンでさえなければ、私にとって問題ではない』と云った」

【参考】「Bobby Locke(ボビィ・ロック)のパッティング」(tips_109.html)

(April 12, 2015、増補January 06, 2017)


テイクアウェイのテンポがスウィングを決める

筆者Gene Littler(ジーン・リトラー、1930〜)はU.S.オープン一回を含め、世界中で計52勝を挙げたプロ。そのスムーズなスウィングによって"Gene the Machine"と綽名がついた。

'The Senior Tour and the Men Who Play It'
by Steve Hershey (Doubleday, 1992, $30.00)

「トーナメントの優勝争いがかかって来た時、私は常にスウィングのテンポに集中する。不安を感じ出すとスウィングがどんどん早くなりがちなので、私はスウィングのテンポを遅くし続け、それによって優勝圏内に留まろうと努力する。われわれが毎週プロ=アマのラウンドで経験することだが、アマチュアの誰もが距離の長いボールを打ってプロに褒めてもらおうとする。そんな風に背伸びするのではなく、いつもの自分のゲームをすべく、いいスピードといいテンポのスウィングを保ち続けるべきなのに。

鍵はボールから30〜60センチ後方へはゆっくり引くことだ。そこをスローに乗り切れれば、あなたのテンポはとてもいいものになる筈。最初の30〜60センチをゆっくり引いておいて、突如そこから先はがむしゃらにバックスウィングするなんてことは出来ない相談だ。

人々がテンポを乱すのは、大抵の場合、ボールからクラブヘッドを後方に引くその一瞬である」

同じような趣旨のtipを、同書からもう一つ。筆者Walt Zembriski(ウォルト・ザンブリスキ)はシニア・ツァーで三勝を挙げたプロ。

「1988年に私が優勝したNewport Cup(ニューポート・カップ)はシニア・ツァーにおける私の初勝利だった。私は手袋の親指の右横に"slow"という言葉を書いた。それは目立たないものの、私がグリップを見下ろす度にゆっくりクラブを引けと思い起こさせてくれた。それはとてもスムーズなテンポに導いてくれ、テイクアウェイでクラブをぐいっと引くことを防いでくれた。手袋を見て、"s-l-o-w"という言葉を目にするだけでよかった」

(April 19, 2015)


手・腕の歩調を揃えて記録的優勝

PGAツァーの公式戦で初めて60を切るスコアを達成し、"Mr. 59"と呼ばれているAl Geiberger(アル・ガイバーガー)の、もう一つの記録達成の際の記録。

'The Senior Tour and the Men Who Play It'
by Steve Hershey (Doubleday, 1992, $30.00)

「1975年、私は不調の真っ只中にいた。私の友人の一人はアシタント・プロで、彼が私のスウィングを見てくれて、インパクト・ゾーンで私が回転していないことに気づいた。私の両手と前腕はショットの間じゅう一緒に動くべきなのに、インパクトでバラバラになっていると指摘したのだ。正しく回転すると、身体をもっとボールの後方に残し、腕を振り抜かせ、クラブを長くターゲットラインに動かし続けられる。私は彼の助言を受け入れ、テキサス州Fort Worth(フォートワース)のColonial C.C.(コロニアルC.C.)で開催されたTournament Players(トーナメント・プレイヤーズ)選手権に向かった。

練習ラウンドで私のショットは良くなる一方で、私はトーナメント開始までに、まるでミスすることなんてあり得ないという感じだった。私は予選前のプロ=アマで63を記録し、四日間全部60台で廻って三打差か四打差で優勝した。Colonial C.C.における270という私のコースレコードは、以後何年も破られなかった。私の30年にわたるプロ生活の中で、素晴らしいショットをし、それを完全にコントロールし切っていると感じたことはたった三回だけである。Colonial C.C.でのプレイはその一つで、私にとってとても特別な週であった」

(April 19, 2015)


パットでもFLW

アイアンのフル・スウィングでFLW("Flat Left Wrist"=フラット・レフト・リスト、平らな左手首)が達成出来ると、“驚異的な”正確度が得られることを紹介しました。【←「驚異のFLW」(tips_155.html)】 今度は、パッティング・ストロークで"Fixed Left Wrist"(フィックスト・レフト・リスト、固定した左手首)が驚異的効果を挙げることが判りました。

両者の"Flat"と"Fixed"の違いに注意して下さい。パットでは左手首を平らにするのではなく、左手首の角度(写真の赤線)を最初から最後まで徹底維持することに全力を挙げます。

[wrist]

私はこれまでパッティングの向上を目指して様々な工夫を凝らして来ました。「排気でパット」、「フォースを使う」、「重力まかせ」等々。それらはどれも役に立つのですが、今考えるとそのどれもが"Fixed Left Wrist"によるストロークという同じ目的に収斂するように思われます。

ある雨の日、私はカーペットの上で2メートルのパット練習をしていました。文句のつけようがない完璧なストロークをしているつもりなのに、ボールはターゲットを逸れてしまいます。それも、右へ逸れたり左へ逸れたり。(何がいけないのか?)私は懸命に考えました。肩も腕・手も「はみ出し禁止」を遵守しています。(となると?残るは手首の角度しかない)私は手首の角度を変えないように努力してストロークしてみました。ジャーン!ボールは五個連続でターゲット(カップより約4センチ小さい円形の紙)のド真ん中へ。

そう云えば、ここ数週間、私はパターヘッドを引き摺るような(後ろに残すような)バックストロークをして、結構正確なパットが出来ていました。何も理論的根拠はなく、直観的にやっていただけでした。しかし、今になって考えてみれば、左手首を固定して曲げ伸ばしを防ごうとすれば、自動的にパターヘッドを引き摺るような動きにならざるを得ないことが判ります。直観は正しかったのです。

「ランガー・グリップ」(tips_157.html)を採用していた頃は、左手首は完全に死んでいたので悩むことはありませんでした。写真の2Thumbパター・ハンドルに換えてから、左手首がドラキュラ伯爵のように棺桶から蘇ったのです。しかし、左手首を金縛りにすればランガー・グリップと同じ結果になることが判りました。あまりにも風変わりな「ランガー・グリップ」の採用に躊躇しておられる方も、現在のグリップのままでFLW(固定した左手首)を志向すればいいのです。

【重要】パッティングのFLWを実行する際、右手・右肘に自由を与える必要があります。右肘を身体に接触させたままにしようとすると、バックストロークで左手首の角度は否応なく広がってしまいます。左手首を固定するには、右手がフレキシブルでなくてはならないのです。これがパッティングのFLWのポイントです

以前、「手と手首を凍結したパッティング」(tips_145.html)という記事で両方の手首を凍結させるイメージを紹介しましたが、あれには問題がありました。左手首だけを凍結させるのなら正解ですが、右手まで凍結させるとアーク(円弧型)ストロークをせざるを得なくなります。私はアーク・ストロークも試しましたが、スクウェアなインパクトを迎えるのがメンタル、フィジカル両面で困難と悟り、以後ストレート・ストロークに徹しています。【アーク・ストロークが悪いとは云っておりませんので、誤解なきよう】

意識的にFLWでストロークしてみると、これまた“驚異の”正確さを生むことに気づかされました。最近、グリーン・エッジからの2メートルのバーディ・パットや、虎刈りの難しいグリーンでの3メートルのパー・パットを成功させられたのもFLWのお蔭です。アイアン・ショットもパッティングもFLWが正確さの鍵なのです。"Flat Left Wrist"(平らな左手首)でグリーンを捉え、"Fixed Left Wrist"(固定した左手首)でパットすればバーディ・チャンス倍増です。

【後記】左手首を平らにし続けようという努力は、並大抵ではありません。ところが、「ランガー・グリップ」あるいは「パターと左腕を一本にしてストローク」を採用すれば努力どころか、全く考える必要がなくなります。かく申す編者は「パターと左腕を一本にしてストローク」を採用してパットでのFLWに努力することをパスすることにしました。で、今回のこの記事を削除しようかと思ったのですが、読者の大多数には役立つかも知れないので残すことにします。

(April 22, 2015)


続・ゴルフはパワー・ゲームではない

昨日、「今日は一日"effortless"(エフォートレス)なスウィングで通してみよう」と決意しました。何故なら、私は元々"hitter"(ヒッター)ではなく"swinger"(スウィンガー)ですし、スウィングする際に力を篭めれば篭めるほど方向性が乱れることに気づいたからです。

プロのスウィング(特にLPGA)を見ていると、目一杯のパワーで打っているようには見えません。ほぼ80%ぐらいのパワーに見えます。そりゃそうでしょう、彼らはトーナメントに四日、その前に数日の練習ラウンドやプロ=アマのラウンドをこなさなくてはならないのですから、その全ての一打に全力を使っていたら身が保たないでしょう。長丁場を闘う彼らにとって最適なのは、エフォートレス(力を篭めない)スウィングの筈です。

エフォートレスだったら飛距離が落ちると思うのが普通の考え方だと思います。しかし、最初のホールから飛距離は減りませんでした。私はコンパクトな(大振りしない)スウィングを心掛け、力も篭めないように留意。いくつかのホールのティー・ショットでは、明らかにいつもより数十ヤード余計に飛んでさえいました。コンパクトでエフォートレスなスウィングだとスウィートスポットで打てる確率が高まるため、いつもより飛距離が伸びることがあるのでしょう。

No.9(270ヤード)パー4を例に取りたいと思います。この日、私はインからスタートしたため、No.9は18番目のホール。既にエフォートレス・スウィングに自信を持っていた私は、ティー・ショットをエフォートレスに快打。行ってみると、私のボールは残り95ヤード地点でした。残り130ヤードというのが私の平均だったのに、エフォートレスに打ったら35ヤード伸びたことになります。

[database]

このホール、実はかなり急勾配の上りなのです。何を隠そう、私の発明である「左足上がり(下がり)のショット・決定版」(tips_74.html)というtipはこのホールで四苦八苦した末に発見したもので、記事の写真もこのホールで撮影されています。正直云いますと、今回「編者お薦めの厳選tips」をまとめるまで、このtipは(忘れてはいませんでしたが)長い間使っていませんでした。

私のカンニング・ペーパー(右図)では「このホールの残り100ヤードは125ヤードとして打て」となっています。この日の残り95ヤードを120ヤードとして打つとしたら、私には8番アイアンでぴったしです。久方ぶりに自作のtip「左足上がり(下がり)のショット・決定版」を用い、斜面下方を向いて地面にクラブを立て、スクウェアにグリップ。ボールに戻ってアドレスすると、クラブフェースは僅かにオープンに見えますが、それでいいのです。それが左足上がりでのフックを防いでくれるのですから。

私はティー・ショットと同じコンパクト・スウィングを心掛けました。そして、方向性を完璧にしてくれる「驚異のFLW(フラット・レフト・リスト)」を最優先にしてスウィング。ボールは8番アイアンの理想的な軌道でまっしぐらにピンの方向へ。グリーンに着地したのは間違いありませんが、左にこぼれたか(よくあるケース)、当たりが良過ぎてグリーン・オーヴァーしたかも…と心配しました。

グリーン左側にボールはありません。奥にも無し。途方に暮れて、念のためカップを覗くことにしました。一緒に廻っていたKeith(キース)が、「カップをチェックするのかい?」とにやにやしながら聞きます(自信過剰だと云いたかったのでしょう)。「だって、ボール見当たらないんだもの」そう云いつつ、恐る恐るカップを覗き込むと、ありました、私のボール!私はそこで万歳して見せましたが、Keithは「よせやい、冗談だろ」という感じで表情を変えません。私がカップからボールを摘まみ上げると、彼は「イーグルじゃないの!」と呆れました。私は改めて万歳を再演。

エフォートレスな80%ぐらいのスウィングだと、「下半身主導のダウンスウィング」(tips_129.html)が遂行し易いのです。100%のバックスウィングをすると、伸び切ったゴムのように切れてしまい、ダウンスウィングの途中でパワーが失われてしまう気がします。走り幅跳びの助走距離は30〜40メートルだそうですが、それを60メートルも走ったらどうでしょう。助走でエネルギーを使い果たし、肝心のジャンプがへろへろになってしまうことでしょう。また、ダウンスウィングにかかる時間が長過ぎて、インパクトまでにクラブフェースをスクウェアに出来ない恐れも感じます。コンパクト・スウィングの方が飛ぶという結果は、スウィートスポットで打てる以外に、上のようなタイミング(身体各部の一糸乱れぬ動作)にかかわる要素もあると思われます。

いずれにせよ、長く飛んだティー・ショットに助けられ、自作のtips群にも助けられて久方ぶりのイーグル。実はこのホールでのイーグルは二度目です。最初のがいつだったか思い出せないほどですから、どちらもまぐれであることは確かですが、以上の説明のようにまぐれを誘発する確固たるアイデア(=エフォートレス・スウィング、FLW、その他)が根底にあったことは見逃せません。

ゴルフはパワー・ゲームではないと断言します。

(April 22, 2015)


右肩を下げるアドレスの効果

ある日、ドライヴァーのショットがトゥ寄りで打たれているのか、右足の蹴りが不足なのか、結果としてプッシュ気味になることが多く当惑させられていました。ホール毎に色々手を換え品を換え試してみましたが、一向に改善されません。最後に、昔やっていた右肩を下げ、首もやや右に傾げたアドレスをして打ってみました。大当たり。文字通りの「大当たり」で、スウィートスポットで打った快音を残したボールは、私にとっての会心の一打となる距離へ。

[Jack]

右肩を下げるアドレスについては何かで読んだtipのような気がしましたが、当サイトの過去のtipを読み直しても見当たりません。その後もずっと右肩を下げたアドレスをしていますが、なぜこれがいい効果を発揮するのか理由が判らないので落ち着かず、書物をあれこれ紐解いてみました。

驚いたことに、ほとんどの有名インストラクターは「右肩を下げるアドレス」を無視あるいは軽視しています。David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)は'The Golf Swing'(邦訳あり)という本に肩を傾斜させることは何も書いていませんし、Hank Haney(ハンク・ヘイニィ)も'The Only Golf Lesson You'll Ever Need'(邦訳あり)で肩についてのポスチャーは無視。Jim McLean(ジム・マクレイン)は'The 3 Scoring Clubs'(2005)で「左肩は右肩より高くし、上方への打撃をプリセットすべきである」とだけしか書いていません。Butch Harmon(ブッチ・ハーモン)は'The Four Cornerstones of Winning Golf'(邦訳あり)で「あなたが右利きのゴルファーなら、右手が左手の下になるグリップをするだろうから、右肩は左肩より僅かに低くなる筈だ。これについて深く考える必要はない」などと、どうでもいいように書いているだけ。

しかし、実際には深く考えているインストラクターも存在したのでした。それは'One Move'(tips_4.html)という本で有名なインストラクターCarl Lohren(カール・ローレン)で、彼は次のように述べています。

'Getting Set for Golf'
by Carl Lohren with Al Barkow(Viking, 1996, $18.95)

「左肩を高くするのは、右肩主導にさせないためである。両肩の高低差は平均6インチ(約15センチ)。右肩を左より低くすべき理由は、上体右側の体幹筋肉(胸筋と広背筋付近)をリラックスさせるためで、これは四つの事柄を促進する。
1. スウィング開始にあたって左肩の回転能力と、左サイドの上部・中部の筋肉の収縮を得る。
2. 右腕を武装解除し、左サイドに従属させる。
3. スタンス巾との関係において、背骨を中央の右寄りに置く。これはとても重要である。
4. 低くなっている右肩は、バックスウィング開始時自動的に左肩が傾ぐことを助け、スウィングの進捗につれ腕が上がることを助長する」

そして、Carl Lohrenは次のようにも云っています。

「Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)とLee Trevino(リー・トレヴィノ)は、ほとんど大袈裟なほど『右肩を下げるアドレス』をしている。これはバックスウィングでの左肩から始まる回転を動機づける」

15センチも右肩を低くするのが大袈裟でないならば、大袈裟なJack NicklausとLee Trevinoらは一体何センチ下げていたのでしょう?凄い下げ方。

その当のJack Nicklausは自著'Golf My Way'(1974)の「アドレス・ポスチャー」の項で、足→膝→手・腕について詳述した後、肩は素通りして説明を「頭」に移してしまい、肩のポスチャーについては何も述べていません。これぞ、ほんとの肩すかし。

Greg Norman(グレッグ・ノーマン)は自著'Shark Attack!'(邦訳あり)で次のように書いています。「左肩は右より僅かに高くあるべきだ。第一の理由は、右手が左より低く位置しているという明白な理由からであり、両肩を水平にしてはならない。第二に、左サイドは強く堅固であるべきで、左肩の真ん中から左腕、グリップ、クラブヘッドへと貫通する線は真っ直ぐでなければならないからだ」彼はButch Harmonのコーチを受けていましたから、「第一の理由」はButch Harmonそっくり。「強い左サイド」という「第二の理由」はCarl Lohrenに似ています。

プロ野球の打撃コンサルタントがホームラン・バッターの長打の秘訣のゴルフへの応用を説いた「左脇を締め挙げろ」(tips_94.html)によれば、インパクトで左肩を上げつつ少し後ろに引くのがコツだそうです。アドレスで右肩を下げていれば、左脇を締め挙げるための準備は完了しており、スムーズにコトが運ぶというものです。

右肩を下げるだけでなく背骨を過度に右傾斜させる過ちについて、インストラクターChuck Cook(チャック・クック)が'Perfectly Balanced Golf'(1997)という本で警告しています。

「正しい軌道でクラブを振る回転をするには、背骨の頂点の後方への傾斜が5°を越えてはならない。もし、背骨の底部が背骨の頂点よりかなりターゲット側にセットされた場合、右方向へのプッシュを多発する結果を招く」

つまり、右肩を下げることと背骨を傾斜させることを混同してはならないという注意です。なお、「アイアンの正しいポスチャー」(tips_118.html)で、インストラクターMike Bender(マイク・ベンダー)は「右肩を左より低くする角度は5〜10°」と云っており、Chuck Cookの「5°以下」とは多少異なる意見です。

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私の場合、両肩が水平だったため右手の腕力による手打ちがプッシュを生んだのでしょう。右肩を下げるアドレスによって、左サイド主導に変更出来たのが幸いしたようです。

私にはもう一つ右側で下げるものがあります。右足です。「体型別スウィング」(tips_54.html)に書かれていた「テコ型プレイヤーで右脚が左脚より長い人は、腰の高さの分だけスタンスをクローズにすべきである」を実行しているからです。スクウェアに構えた後、右足を数センチ下げます。それから右肩を飛行線に平行に下げます。このポスチャーでコンパクトなエフォートレス・スウィングをするのが最強の組み合わせです。

(April 26, 2015)


プレショット・ルーティーンの実際

過去の「プレショット・ルーティーン」(tips_22.html)という記事は、スポーツ心理学者たちによるメンタル面重視のものでした。今回は実技面重視のヴァージョンを紹介します。

'The Golf Magazine Full Swing Handbook'
by Peter Morrice & the editors of 'Golf Magazine' (Lyons Press, 2000, $14.95)

先ずはスポーツ心理学者Dr. Richard Coop(リチャード・クープ博士)によるプレショット・ルーティーンの時間的長さについて。

「プレショット・ルーティーンを遂行する時間量は、しばしば見逃されているものの、とても重要である。ゴルファー誰しもに集中するための己のキャパシティというものがあり、直面したショットに対する集中能力のピークという瞬間が存在する。その瞬間にピークに達して行動するのがあなたの目標であるべきだ。

過去数年間、私はおよそ50人のPGAツァー・プロの一打に必要とする時間を計測して来た。3/4のプロは、ショットへの集中開始からボールとのコンタクトまで18〜22秒かかっていた。それぞれが自分流のルーティーンを持っていたが、それはどのショットでも毎回変わることはなく、ボールを打つまでの時間は一定であった」

以下は同書に掲載されているプレショット・ルーティーンのサンプル。

「【ボールの後ろから】

!. ターゲット(着地点)とボールがスタートすべきラインを定める。

2. ボール前方(ターゲット方向)に中間目標を定める。

3. グリップを固める。

【ボールの横に廻って】

4. ショットのフィーリングを得るため素振りをする。

5. 中間目標を用いてクラブフェースをスクウェアにする。

6. スクウェアにしたクラブフェースに合わせて身体を揃える。

7. ポスチャーを完成する。

8. リラックス度をチェックし、ワッグルや深呼吸を行う」

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僭越ですが私のアイデアも。1と2の手順を実行中、私はクラブを身体の前に45°の角度で突き出します。これは「適切なグリップ圧」(tips_52.html)から学んだ方法で、弱過ぎず強過ぎずのグリップ圧を思い起させてくれ、同時に縦にしたシャフトがターゲットラインや中間目標を探す助けもしてくれます。

(April 26, 2015)


バックスウィングでの右脚の棒立ちを阻止せよ

ここに紹介するインストラクターRick Grayson(リック・グレイスン)のtipには、"alignment stick/ rod"(アライメント・スティックあるいはアライメント・ロッド)と呼ばれる棒が必要です。ゴルフの練習道具として日本で売られているものは輸入品なのでベラボーに高い。アメリカでもAmazon.comのバラ売りで13ドル前後、オークション・サイトeBay.comの"Buy It Now"定価で一本10ドルぐらいしますが、ハードウェア・ストア(日本ならホームセンター)へ行けば2ドルぐらいで類似品が買えるようです。しかし、見てくれさえ気にしなければ、裏山へ行って篠竹を切って枝を切り払えば済むことです。

'How to fix your "Death Move"'
by Rick Grayson ('Golf Magazine,' June 2014)

「ある種のスウィングのミス(僅かな頭のスウェイなど)は免れることが出来るが、逃れられないものもある。後者の一例はバックスウィングの際に右膝を真っ直ぐにしてしまうことだ。この一見小さく見えるエラーは、様々な病原菌の培養基となる。
・動かない右膝は背骨の角度を失わせ、トップやスライスの原因となる。
・それはまた後方への捻転を妨げ、パワーを失わせる。
・右膝の柔軟性を失うのは、インストラクターたちが云う"death move"(命取りの動作)である。

アライメント・スティックを地面に刺し、アドレス体勢で棒の端が右の膝上数センチの太腿に触る角度に調整する。スウィングし、もしあなたが右膝を伸ばせば、棒が脚を突く感じがする筈だ。棒の攻撃を避けてスウィングのトップに至るまでの間右膝の柔軟性を正しく保つには、アドレスでお尻が重いと感じることだ(まるで重くてどかせられないほどに)。これはあなたのスウィングを地に根を生やしたようにし、右脚を伸ばすことを止めさせてくれる。

正しく行えば、トップで体重の多くが右足にかかっていると感じ、ダウンスウィングでその体重を左に移して、爆発的インパクトを得ることが出来る」

(April 29, 2015)


FLW(フラットな左手首)練習法

最近、FLW(フラット・レフト・リスト、平らな左手首)によるインパクトを志向してのバーディ体験(イーグルまで!)が増えるにつれ、「こんなに効果があるのなら、アイアンは毎ショットFLWで打てないものか。いい練習法はないものか?」と思っていました。

YouTubeで、Chuck Evans(チャック・エヴァンズ)というインストラクターによる'Flat Left Wrist Drill'というヴィデオを見つけました。
(https://www.youtube.com/watch?v=5xyMLwXh72E)

Chuck Evansは"alignment stick/ rod"(アライメント・スティックあるいはアライメント・ロッド)と呼ばれる棒を用います。このような棒をアイアンのグリップ・エンドの穴に突き刺すか、棒がグリップ後方に突き出るようにアイアンと一緒に握り、普通にスウィングします。インパクト・ゾーンで棒があなたの身体の左サイドに接触したら、それはFLWではなく手首を凹ませて掬い打ちしている証拠…という内容。

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なーんだ、それでFLWが身につくのなら、当サイトにとっくに練習法が用意してあったじゃないですか。十年前(2005年)の「ピュアなアイアン・ショットを打つ」(tips_96.html)という記事に出て来るAnnika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)のアイデアです。こちらはアイアン二本を互いに反対向きになるように構えます。写真では1(一本目のクラブ、赤線)2(二本目、青線)を一緒に握っています。2(背中側)のクラブが脇腹を叩いたら、FLW失格。両手が先行したFLWが達成出来ていれば、後方のクラブは身体と接触しないという仕掛け。

私は直径5ミリ弱、長さ45センチほどの木の棒を持っています。これだと古いTitleistアイアンのグリップ・エンドの穴に差し込めますので、FLWの練習には最適です。現用のNikeアイアンのグリップエンドは金属製の飾りで蓋をされていて穴が無いので、コースで練習する場合はこの棒を後方に突き出すようにしてクラブと一緒にグリップします。二本のクラブを掴むよりはずっと持ち易い。

alignment stick(あるいはrod)を買うなり竹ひごか篠竹を使うなり、クラブ二本を使うなり、どんな手段でもいいので、とにかく棒が脇腹を叩かないようなスウィングを身につける必要があります。FLWだけを考えると、インパクト後も飛行線に長くスクウェアに押し出すようなフォローをしようと考えたりするかも知れませんが、それはプッシュを招く恐れがあります。FLWを心掛けつつ、身体は左へ回転を続けるのが自然です。こうすればプッシュにはなりません。

「パーオン率がゴルフを決める」(tips_89.html)と云われますが、FLWはグリーンを捉えるための立役者です。このお手軽な練習法によってFLWをマスターし、パーオン率を高めましょう。

【参照】「驚異のFLW(フラットな)左手首)」(tips_155.html)

(April 29, 2015)


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