April 16, 2022

アドレスで決まるショットの成否

 

[Jin Young Ko]

下記の本は17年もかけて100人以上の男女ツァー・プロのスウィングを高速度カメラで撮影・分析して最大公約数を求めた結果を上梓したものです。協力したプロとしては、Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)、Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)、Greg Norman(グレッグ・ノーマン)、Davis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)、Tom Kite(トム・カイト)、Bobby Clampet(ボビィ・クランペット)、Brandel Chamblee(ブランデル・シャンブリー)など百数十名。

'Swing Like a Pro'
by Dr. Ralph Mann and Fred Griffin (Broadway, 1998)

「・ボール位置
正しいボール位置はスタンス前方(ターゲット側)である。ドライヴァーは左足の内側で、9番アイアンに至るまで少しずつ後方(右側)に移動する。9番アイアンのボール位置はドライヴァーの3インチ(約8センチ)後方である。伝統的にはショート・アイアンはスタンスの中央と云われて来た。しかし、われわれが分析したベスト・プレイヤーたちはその伝統に従っていない。【編註:ハイブリッドで初心者用にフック・フェースで設計されているものは、スタンス前方のボール位置だとフックが多発します。ハイブリッドの癖に合わせる必要があります】

[Open stance]

オープン・スタンス
左爪先をターゲット方向に25°開く。右足はほぼ真っ直ぐだが、左足より僅かに前に出す(オープン・スタンス、右図赤線)。これはバックスウィングでの腰の捻転を制限するので、バックスウィングでの最大の捻転をすべきだと教えた伝統的インストラクションに反するものだ。しかし、プロたちは最大のパワーはバックスウィングではなく、ダウンスウィングの回転で加えるべきだということを発見した。オープンにした左足はダウンスウィング→インパクト→フル・フィニッシュへの動きを容易にしてくれる。

[reverse K]

肩もオープンに構える
肩もターゲットラインよりもやや左を向く(右図黄線)。これはハンドファーストに構えるのを容易にし、バックスウィングとダウンスウィングの適切な回転をお膳立てする。【編註:両足と肩をオープンにしても、クラブフェースはターゲットを向いていなければならない】

背骨を右に傾ける
背骨を僅かに右へ傾け、左肩より低くする。この角度をトップまで維持すれば、ダウンスウィングの開始にあたって腰がいち早く先行している状態を作ることが出来る。このポスチャーは、Kの字を左右反対にしたように見えるので“逆Kのアドレス”と呼ばれる(左図)。

背を自然に曲げる
ゴルファーは背骨を真っ直ぐ伸ばせと教えられるが、これは悪い助言である。背骨は何ヶ所か(特に上体と背中)で自然に曲がるものなのだ。肩を前に垂らして丸まった猫背はゴルフに最適のものである(右下図)。猫背から自然に垂れた両手は、クラブを身体の前で掴むことを容易にする。

[shoulder]

腕の角度と位置
左腕はワイドなスウィング弧を確実にするためほぼ真っ直ぐに、右手は肘のところでややゆったり構える。そのため飛行線後方から見ると、右腕の向こうに左腕が見える。

スウィングのゆとりを持たせるため、プロはドライヴァーでは肩の中心(腋の下)からクラブの末端を5センチ離して構える。9番アイアンは腋の下の直下である。

拇指球で立つ
両足に均等に体重を配分するが、左右どちらも拇指球(親指の付け根の膨らんだ部分)に体重をかける。これは終始バランスを適正に保つために不可欠である。

右膝を内側に押す
プロたちの秘密の一つは、右膝をターゲット方向に押すことだ。これはダウンスウィングでの右へのスウェイを防止し、体重を両足の内側に保つ。この動きはまた切り返しの後で腰の左への動きを助けてくれる」

[icon]

前に紹介したBrandel Chamblee(ブランデル・シャンブリー)の本'Anatomy of Greatness; Lessons from the Best Golf Swings in History'のいくつかの部分は、この'Swing Like a Pro'のイタダキですね。「背中を丸めよ」「右膝を内側に押せ」「ツァー・プロはオープン・スタンスを好む」など、全部20年前に出版されたこの本に書かれていたことですから。とはいえ、この'Swing Like a Pro'という本の存在を教えてくれたという点で、私はブランデル・シャンブリーに感謝していますが^^。

【シリーズ目次】
'Swing Like a Pro'(プロのようにスウィングせよ)(tips_202.html)[本の紹介]
・ニュートラル・グリップはなぜいけないのか?(04/01)
・アップライトにアドレスすべき理由(4/08)

(April 16, 2022)

パー3に乗せる

 

ここのところ、パー3(スリー)でワン・オンする確率が増えています。あるラウンドでは四つのパー3のうち三つでワン・オン出来ました。

[par 3]

別に変わったことはしていないのですが、備忘録として現在の方法を書きとめておきたいと思います。

・クラブを身体の前に突き出し、水平から45°にした時にリーディング・エッジがスクウェアであることを確認する。

・「Swng(スウィング)とhit(ヒット)の違い」(04/01)で述べたように、インパクトを終点として焦点を合わせるのではなく、インパクトを越えてさらにフィニッシュへと向かう一連の流れるようなスウィング動作をすべく、何度か素振りを繰り返す。

・スウィング軌道はインサイドに引き、フォローで左肩が目標(ピンその他)に向かう《インサイド→スクウェア》のスウィングをする。【註:バックスウィング軌道は体型によって異なります。参照:「体型別スウィングでスコアを減らす」(tips_203.html)】

・左肩で目標(ピンその他)を真っ直ぐ狙ってアドレス。「このホールはよくプッシュするから」とか「プルしがちだから」などという過去は無視して目標を狙う。

・クラブフェースは目標を狙ったまま、両足と肩をオープンに構える。

・手首を柔らかく維持し、フィニッシュまで力を入れないよう努力する(手・腕の力でなく身体でスウィング)。

左肩が目標を指すようなフィニッシュを心掛ける。=《インサイド→スクウェア》のスウィング。

もちろん、グリーンに乗る適切なクラブ選択が必要です。上に述べたスウィングはパワーを使わないので、私の場合ピンまでの距離よりは長めのクラブを使う必要があります。

【おことわり】画像はhttps://ichef.bbci.co.uk/にリンクして表示させて頂いています。

(April 16, 2022)



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