April 01, 2022

『プロのようにスウィングせよ』シリーズへの前口上

 

これからお届けする'Swing Like a Pro'(プロのようにスウィングせよ)という本の骨子を紹介するシリーズを「なんだ、また基本かよ…」と馬鹿にせず、心してお読み下さい。かく申す私も、この本の教えによって見違えるように正確なプレイが出来るようになっています。これらの記事を熟読して実行すれば、必ずや飛躍が望めます。

普通、目新しいことを身につけるには多少時間がかかるものですが、既に基本が身についているならば多少の修正・調整で済みますから、数回の練習で充分でしょう。私の場合は数週間かかりましたが。

このシリーズを読んで、「このサイトをフォローしていて良かった」と云って頂けるものと信じています。

'Swing Like a Pro'(プロのようにスウィングせよ)(tips_202.html)[本の紹介]

(April 01, 2022)

ニュートラル・グリップはなぜいけないのか?

 

ニュートラル・グリップとは、左右の手を対称に握り、両方の親指がハンドルの真上、Vの字がゴルファーの鼻を指すグリップです。Ben Hogan(ベン・ホーガン)やJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)はニュートラル・グリップを推奨していますが、下記の本の著者たちの意見は異なります。

[hands_position]

'Swing Like a Pro'
by Dr. Ralph Mann and Fred Griffin (Broadway, 1998)

「ゴルフ・インストラクションの大多数はいいスウィングのモデルとしてニュートラル・グリップを推奨する。この教えはそれを信じたゴルファーのスウィングをずっと妨害して来た。僅かな人々が成功したものの、そのためにはエヴェレストに登るような苦労を強いられた。ニュートラル・グリップは世界のベスト・プレイヤーの選択肢ではないし、あなたのためのものでもない。

アドレス時、両手は身体のほぼ真ん前に位置する。しかし、インパクト時、両手はアドレス時よりも5インチ(約13センチ)もハンド・ファーストでターゲット方向に先行してボールと接触する。実際にやってみると解るが、クラブフェースがオープン・フェースとなり右を向いてしまう。そこにニュートラル・グリップの問題点がある。

ニュートラル・グリップはスクウェアなアドレスをするために考えられたものだが、インパクト・ゾーンで両手はスクウェアなクラブフェースを支えて維持することが出来ない。インパクトで両手がアドレス時よりも先に出ると、クラブフェースは自動的にオープンになるのである。

【註】図はあるLPGAプロのアドレスからインパクトにかけての変化。両手の位置は身体の右から左へ10センチ以上移動しています。

われわれがスウィングを録画・分析したベスト・プレイヤーたちは、一般に推奨されているニュートラル・グリップよりも強めのグリップを採用しているが、それこそがボールと接触する際にクラブフェースをスクウェアにするために考えられたものだ。ゴルフ人口の85%を悩ませているスライス病とおさらばするための最初の処方は、プロたちのように強めにグリップすることだ。

われわれはヴァードン・グリップを推奨する。これは現在のベスト・プレイヤーたちも採用しているグリップであり、生体力学的に見ても最高のものである。左右どちらもパームでなくフィンガー主体で握る。

[hands]

【左手】
クラブ・ハンドルは左人差し指の第二間接から小指の一番下の間接にかけて横切る(フィンガー・グリップ)。そして掌の右下の膨らみ(赤丸)がハンドルの真上に来るように手を閉じる(もし膨らみがハンドルの真上に来なかったらフィンガーでなくパームで握っている証拠であり、それは不可)。最後に、左手の親指をハンドルのやや右側に置く【←重要】。

【右手】
右手の薬指を左手の人差し指に当てる。クラブ・ハンドルを右人差し指の第二間接から薬指の根元の間接にかけて斜めに握る。右手の生命線(青線)がぴったり左の親指を覆うように右手を閉じる。右手親指をハンドルの左側に当てる。右小指は、左の人差し指と中指の間の谷間に置かれる。

[Jones' grip]

【両手のVの字】
左手のV(親指と人差し指の合流点が形成する皺)は右の耳を指す。右手のVは右肩を真っ直ぐ指す。【写真はBobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のグリップ】

・ベースボール・グリップ
これは手首の動きを制限し、両手を一体化させるのを妨げるので、最悪の選択肢である。

・インターロッキング・グリップ
Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)などが支持しているものの、アマチュアがこのグリップを用いると、ハンドルを両手のパーム(掌)で握ることになり易い。

・ウィーク・グリップ
スライスを多発する多数派のゴルファーにとって、オープンフェースのインパクトをもたらすウィーク・グリップは最大の敵である。

・過度にストロングなグリップ
スライサーにとっての一時しのぎの手段としては役立つが、これは自由に腕を振る能力を殺してしまい、プルを多発することになる。

[Lee's grip]

・グリップ圧
ドローやフェードを打つ際であっても、グリップ圧をきつくしたり緩めたりしてはならない。スウィングの間じゅうグリップ圧は同一でなくてはならない」

[icon]

私はドライヴァーだけは超ストロング・グリップですが、ハイブリッドとアイアンは全てニュートラル・グリップでした。グリーンやピンを狙う際にはニュートラルがいいだろうと思っていたことと、特にハイブリッドはフックするように設計されているからです。

試みにストロング・グリップでハイブリッドを打ってみましたが、やはりプルが多発します。この本の出版時にはハイブリッドは一般的でなかったのでしょう。私は今後ともハイブリッドはニュートラルで握ることにします。

アイアンではプルは出ないのでストロング・グリップがいいようです。

【参考】
'Swing Like a Pro'(プロのようにスウィングせよ)(tips_202.html)[本の紹介]

(April 01, 2022)

Swing(スウィング)とhit(ヒット)の違い

 

[finish]

ハイブリッドでもアイアンでも、コンスタントにクラブのスペック通りの距離を飛ばせるコツを発見しました。

切り返しの後、流れるようにフィニッシュに向かうようにスウィングするのです。その際、インパクトのことは考えない。ダウンスウィングからフィニッシュへの途中に、たまたまボールがあって飛んで行ってしまった…と、こういう風に打てると小気味よい打感で望んだ距離にボールが飛んで行きます。

普通、われわれはボールと接触するインパクトに焦点を合わせます。こういう時の想念はインパクトが終点であり、その後のフォロースルーは余勢に過ぎません。これはhit(ヒット)です。

そうではなく、フィニッシュまでを一連の動きと考えるのがswing(スウィング)です。力まずスムーズにインパクトを通過し安定した理想的なフィニッシュのポーズを取る。こうすると勢いのついたクラブヘッドによって適切な飛距離が得られます。力まないので手首が強ばったりせず方向性も良くなります。

山手線の東京がトップとすれば、有楽町(インパクト)で停まるのではなく新橋、いや浜松町まで振り抜くのです。

何回かの素振りでフィニッシュまで流れるような動きを予習します。それを本番で再現すればいいのです。発作的で暴力的ダウンスウィングをすると、飛距離も正しい方向性も得られません。あくまでも流麗なスウィングをするのがコツです。LPGAのプロたちの多くがそうしています。

この考え方とスウィングによってパー3(スリー)でワン・オンすることが多くなりました。嬉しい。

【おことわり】画像はhttps://golfdigest.sports.sndimg.com/にリンクして表示させて頂いています。

(April 01, 2022)



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