公開：2000年 監督：Robert Redford
地域：ジョージア州
出演：Will Smith、 Matt Damon、Charlize Theronほか
範疇：ドラマ／スポーツ／ゴルフ

私の評価 ： ☆1/2

【Part 1】

アメリカGeorgia（ジョージア）州の大西洋岸にあるSavannah（サヴァンナ）という町のお話。アマチュア・トーナメントに優勝したりしたJunuh（ジュナ、Matt Damon）は第一次世界大戦に従軍し、激戦地で部隊が全滅したにもかかわらず、たった一人生き残ります。しかし、全滅のショックという深い心理的傷跡が彼を酒と博奕の日々に追いやり、ゴルフは忘れ去っています。

一方、大戦前は恋人だった女性Adele（アデル、Charlize Theron）は、父親が作ったゴルフ場を相続しますが、折からの大恐慌の影響で存続が危うくなります。行動派の彼女は、Bobby Jones（ボビイ・ジョーンズ）とWalter Hagen（ウォルター・ヘーゲン）のマッチ・プレーを開催してゴルフ場の名声を高める作戦を考えます。彼女の巧みな説得によって名人二人の対戦が実現する運びとなりますが、「どうせなら、町のゴルファーも参加させたら？」という町の名士達の提案で、渋るJunuh も引っ張り出すことになります。そこへふらりと現われたのがBagger Vance（バガー・ヴァンス、 Will Smith）という黒人キャディーで、「一緒にあなたのスウィングを見つけよう」と説得し、Junuhに雇われることになります。さらに、大戦前からJunuhのファンだった少年Hardy（ハーディ、L. Michael Moncrief）もフォア・キャディを勤めながら、Junuhを応援します。

監督のRobert Redford（ロバート・レッドフォード）は「ゴルフの映画を作るつもりはない。ゴルフは人生のアナロジーである」と云っています。つまり、この映画は「失われたスウィングを発見する旅であり、人生のどん底から這い上がって再び栄光を見出す旅である」そうです。Bagger Vance は「人それぞれに"authentic"な（正真正銘の）スウィングがある」というのが持論で、「それを見出せ」と助言します。Bagger VanceはJunuhの守護天使のような役を果たします。

対決する三人のゴルファーですが、ティーチング・プロのTim Moss（ティム・モス）の努力でそう心配したほどひどくありません。最初の方では、テイクアウェイとダウン・スウィングを2カットに分けて胡麻かしていますが、次第に全員フル・サイズのワン・カットになって来ます。まあ、プロ並みには見えませんが、そこら辺にいるダッファーにも見えません。全員、ヒッコリー・シャフト時代のスウィングを模倣しています。

Tim Mossは特訓開始にあたって主演のMatt Damonに、「上手そうに見えるのがいいか、本当にゲームが出来るようになるのがいいか？」と聞いたそうです。答えは「実際にプレイ出来るようになりたい」でした。聞くところによれば、「出演料を貰って、なおかつゴルフが覚えられる」というのが引き受ける動機の一つだったそうですから、これは当然でしょう。その後、Matt Damonは完全にハマってしまったそうです。

Bobby JonesとWalter Hagenを演ずる役者たちは、顔立ちこそ似ていませんがモデルの持つ雰囲気、人柄をよく出しています。スウィングも流麗とは行きませんが、まあまあです。特にBobby Jonesを演ずる方は4歳からゴルフをやってたそうで、安心して見ていられます。

ゴルフ「80を切る！」日記で紹介した記事にそっくりという画面がいくつか出て来ます。集中した時や視覚化のイメージを映像化して見せてくれるシーンです。なかなかよく出来ています。太いパッティング・ラインが“見える”のですが、私が自分で“見た”のとそっくりの太さです。

コメディー・タッチの'Tin Cup'『ティン・カップ』とは違いますが、「大人の童話」という意味では似ています。

(November 05, 2000)

【これはゴルフ「80を切る！」日記に書いた記事を転載したものです】

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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