[Poison] Interview with the Vampire
『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』

【Part 2】

どれ一人をとっても主役で一本の映画が出来る若手スターを、何と四人も贅沢に使っています。

原作者は「Tom Cruiseはヴァンパイアに相応しくない」と当初彼の起用に反対したそうですが、Tom Cruise、 Brad Pitt、Antonio Banderasの三人の吸血鬼の中では、Tom Cruiseが品があって幽鬼的という、一番それらしいヴァンパイアになっています。Brad PittとAntonio Banderasは、どちらも泥臭い顔なので、いくら白粉(おしろい)を塗ってもヴァンパイアに見えません。Tom Cruiseなら典雅な棺桶に入って一休みという感じですが、Brad Pittだと隠れん坊で入るように見えます。

Tom CruiseとBrad Pittがお互いに血を吸い合ったり、Brad PittとAntonio Banderasもそうなりそうなくらい顔を寄せ合ったりします。これって、ホモセクシュアルの人々を喜ばせるためなのでしょうか?私は、この辺の場面に嫌悪感を抱いてしまいます。

パリへ渡る前のニューオーリンズの部分は、豪壮な邸宅、スワンプ(湿地)や薄汚い路地裏、港などが背景にあり、暗いなりにいい雰囲気で一気に見せてしまいます。しかし、パリのパートの大部分は退屈です。「ヴァンパイア劇場」という劇中劇も嘘臭い。パリのヴァンパイア達がBrad Pittと娘に敵意を抱き、娘は日光に当てられて灰になってしまいます。彫刻のように灰になった姿はよく出来ていました。

これを書くために仕方なく二回目を観ました。何度観ても気色が悪い映画です。巨額のお金が無駄のような気がします。

(February 27, 2001)





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