【Part 2】
可笑しい映画なのですが、何となく軽く浮いていて本気で笑えません。笑える場面の大半はゴロツキを演じるStanley Tucciによるものです。彼は最近では'Road to Perdition'『パーディション』(2002)に、マフィアのボス役で出て好演していました。動物園のワニ園に落とされて大騒ぎするシーンが圧巻ですが、乱暴で根に持つタイプの癖に、Dennis Quaidにコロッと騙され助けて貰えると信じて感謝するあたり、そのチェンジ・オブ・ペースが見事。しかし、出て来るといつもドジなのは役柄として一本調子です。
バーでStanley Tucciに情報を与える浮浪者めいた女がいますが、これは Kathleen Turnerの変装でした。実に見事なメーキャップと演技で、全くそうとは気付きませんでした。ヴィデオなので巻き戻して観ましたが、映画館では巻き戻すわけには行かず、観客はただ驚くだけだったことでしょう。しかし、彼女が Stanley Tucciを悪女Fiona Shawの元に届けるのは、ただ話を賑やかにするだけであって、ストーリィ上は何の意味もありません。
大詰めではKathleen TurnerとFiona Shawの泥んこのレスリングがあったり、ヘリが飛んだりしますが、あまりお金の掛かっていないクライマックスです。
(July 31, 2002)