【Part 2】
昔、この原作を読んだことがあるのかどうかハッキリしません。こちらへ来て、'Illustrated Works of Mark Twain'という本を購入して、いつでも読める態勢にあるのですが読んでいません。いつもゴルフの本やスペンサー・シリーズなどに時間を取られてしまいます。この本は1,232頁もあって、Mark Twainの代表作が網羅されているものです。そのクセ$7.99という破格値でした。
いま話題にしている映画は、「音楽がいい」、「映像が綺麗」というものと、「原作を台無しにしている」、「子供同士でキスしたりするので、とても家の子には見せられない」など、毀誉褒貶相半ばした受け止め方をされています。いずれにしても、監督のDon Taylorはもと大根役者であり、彼に名作を仕上げる手腕があろうとは思えません。先ず、そこで諦める必要があります。
その上でという条件付きなら、いくつかいいところが無いわけではありません。Tom SawyerとHuckleberry Finnが死んだと思われて、教会で追悼のミサが行なわれようとします。Jodie Fosterの父の判事が弔辞として美辞麗句を連ねて少年達を失った悲しみを語ります。あまりにも悲痛なので、丁度川から戻って来たTom SawyerとHuckleberry Finnも貰い泣き(?)してしまいます。落語にありそうな可笑しいシーンです。
町中の人々がある島に船で渡り、ピクニックと運動会を一緒にしたようなリクリエーションを行ないます。テンポ良く、楽しい雰囲気が出ています。
Warren Oatesが、至るところにウィスキーを隠しておいて、欲しい時にはいつでも呑めるという趣向も可笑しい。
無いものねだりをすれば、この映画では子供達の特別な日々ばかりが描かれているだけで、日常が無いということです。もっと、本当に子供らしい部分が欲しいと思いました。
Tom Sawyerを演ずるJohnny Whitakerは可も無く不可も無しです。赤毛のような金髪のカーリィ・ヘアが可愛いとも云えますが、彼の言動があまり素直じゃないので感情移入出来ません。彼はルナールの『にんじん』を演じると似合うようです。
音楽はどれ一つ印象に残りません。'Mary Poppins'と同じ作詞・作曲家が担当したとは信じられないほどです。
(November 09, 2001)