公開：1983
監督：Bruce Beresford
地域：テキサス州
出演：Robert Duvall、Tess Harper、Betty Buckley、Ellen Barkin、Allan Hubbardほか
範疇：ドラマ／カントリー＆ウェスタン

私の評価 ：☆1/2

【Part 1】

Robert Duvalle（ロバート・デュヴァル）は、かつてC&W歌手として有名だったが、アル中になり妻を殺しかけて離婚。その後はそこかしこをさすらっては賃仕事で糊口をしのいでいた。

テキサスのある田舎町の町外れのモテルに泊まった翌朝、そこの女主人Tess Harper（テス・ハーパー）が経営するガソリン・スタンドの雑役夫として雇われる。食事付き時給$2.00。Tess Harperは亭主がヴィエトナム戦争で戦死し、一人で息子Allan Hubbard（アラン・ハバード）を育てていた。

Robert Duvalleは男の子にギターのコード進行を教える。男の子も彼に馴染んでくる。彼はTess Harperに「俺との結婚を考えてくれ」と頼む。二人は結婚する。

ある日、新聞記者がRobert Duvalleを発見し、落ちぶれたC&W歌手の所在を新聞で報じる。町のC&Wのバンドの青年達がやって来て、自分達の演奏を聞いてくれと頼む。

町のオープリィへ行くと、そこでは別れた妻が歌っていた。彼は成長した娘に一目会いたいと願うが…。

脚本は'To Kill a Mockingbird'『アラバマ物語』(1962) を担当したHorton Foote（ホートン・フート）で共同製作者にもなっています。彼とRobert Duvalleは'Tomorrow'(1972)という（幻の）名作を作った仲です。Robert Duvalleもこの映画の共同製作者の一人です。

Horton Footeの他の映画にも共通することですが、淡々とした日常の描写が積み重ねられます。ドラマチックに盛り上がる部分というのがありません。物語が淡々としている場合、俳優の演技、人物造形に全てがかかって来ます。Robert Duvalleを始め、登場する俳優達はよくその責を果たしています。1984年のアカデミー賞では、Robert Duvalleがこの映画で主演男優賞、Horton Footeも脚本賞を受賞しました。それでも日本では劇場公開されなかったというのですから驚くやら呆れるやら。

Robert Duvalleは自分でも五曲歌っていますが、そのうち二曲は作詞・作曲も兼ねているという活躍です。彼の前妻で歌手を演ずるBetty Buckley（ベティ・バックリィ）も自演です。'Nashville'『ナッシュビル』(1975)の俳優達も自作自演で歌っていましたが、皆さん多芸ですねえ。

家族を失った中年男の孤独、そんな男を信じる平凡な女性の愛によって彼が再生して行く過程ががしみじみと描かれています。

(November 06, 2001)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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