[Poison] Tammy and the Bachelor
(未)

【Part 2】

映画を観直してみると、主題歌'Tammy'はメイン・タイトルではThe Amos Brothers(ジ・エイモス・ブラザース)によって歌われています。「あれ?じゃあ、Debbie Reynoldsはレコードだけだったんだろうか?」と、またまた記憶の信憑性が無くなるところでしたが、ちゃんと劇中で歌っていました。ヒットしたのは彼女の歌であって、The Amos Brothersのではありません。しかし、Debbie Reynoldsのレコードには二種類あり、一つは後年「懐かしのメロディー」風な企画のために吹き込まれたもので、彼女はかなりメロディを崩して歌っています。やはり耳に馴染んだサントラの、素直なヴァージョンが素晴らしい(と大騒ぎするほどの名曲でもないのですけども:-))。

歌の文句に"breeze from the bayou"という部分があります。昔はその"bayou"(バイユー)というものが何か解りませんでした。今は「スワンプ(湿地)内の水路あるいは入江」であると知っていますし、この目で見たことがありますから、"breeze from the bayou"が「湿地をわたって来るそよ風」であると解ります。

Debbie Reynoldsは「Peteを好きで好きでたまらない」という役を素直に、大らかに演じています。表面的には17歳ぐらいの彼女が35歳ぐらいの男にのぼせ上がっているようで、とても似合いのカップルには見えません。しかし、公表されている生年月日から計算すると、Debbie Reynoldsはこの時25歳、Leslie Nielsenは31歳だったのです。これなら、まあ似合いです。17歳ぐらいに見せたのは、彼女の演技力だったわけです。

Peteが独身であるかどうか、Tammyがカマをかける場面が可笑しい。「結婚してる人達って口喧嘩が絶えないのよね?」と云って彼の反応を窺いますが、「そうだね」というハッキリしない答え。「結婚してない人達も口喧嘩をするのよね?」と変えますが、またしても「そうだね」。苛々したTammyは「一体どっちなの?」「何が?」「結婚してるの、してないの?」と問い詰めます。彼が「してない」と云うと、「してないのかあ」と一人ニンマリします。

しかし、'Pilgrimage'において彼女が訪問者全員を感動させるというシーンは、ちと無理があるようです。彼女が人々に物語を聞かせる演技は、まあ無難ではあるものの、人を感動させるような範疇ではありません。

彼女の素朴さがPeteを初め人々を励まし、一家の冷たい関係を暖かいものに変えて行くさまは、よく描けています。あえて難を云えば、Tammyにキリスト教的言行が多いこと。祖父が説教師だそうですから、仕方がありませんが。

(April 03, 2001)





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