[Poison]

Sudie and Simpson (未)


【Part 2】

いくら田舎でも、12歳になるまで黒人を見たことが無く、黒い肌に触ると手が黒く汚れると思っているなんて嘘みたいな話です。この映画にはLouis Gossett Jr.以外に黒人は全く登場しませんから、本当に黒人人口はゼロに近いのかも知れません。では、それなら「黒人は日没後に出歩いてはならない」などという立て札を掲示する必要も無いことになります。「黒人差別宣言の町」とかいう趣旨で、目的は黒人を追い出すことだったのでしょうか?

男性教師による児童虐待という話題が暗い。そんなことは世界中のどこででも起っていることでしょうが、黒人と白人少女の友情を描く映画には余計な要素です。医師が中心になって、広場を法廷代りにした告発が行なわれますが、貧しいお転婆娘Sara Gilbertの言葉だけでは誰も信用せず、金持ちの娘Paige Danahyが喋ると一件落着というのも、随分安易です。

痴漢行為などとという要素でなく、Sara GilbertとLouis Gossett Jr.がペアになってPaige Danahy家のトラブルを助けるとか、町で起った事件を探偵して解決するなどという物語であってほしかった。折角の組み合わせが勿体無い。

子供の視点を重視したということか、二人の女の子の語らいが繰り返し登場します。これは'To Kill a Mockingbird'『アラバマ物語』の構成を真似たのかも知れませんが、こちらでは成功していません。背景は映像として綺麗でも、そこで物語がダレてしまうのです。

うちのカミさんが一緒に観ていましたが、相当時間が経っても「お話がどこへ向っているのか分らない。話が全然進まない」と不平を云い、「多分Louis Gossett Jr.がリンチにあうに違いない」と恐がって観るのを止めてしまいました。結末の予測こそ外れましたが、あまり理想的な進展が無かったのは当りです。

(July 07, 2001)





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