【Part 2】
Tom Sizemoreは父のエゴイズム、頑迷さ、冷酷さに耐えられず、父に関して大陪審(起訴・不起訴を決定する陪審委)で証言する決意をします。彼が父を庇い、そうする自分を庇うために世間を偽ることに耐えられなくなったためでもあります。彼は自分が証言していた教会爆破前日の父のアリバイを覆します。これによって起訴が確定します。
この映画に登場する父Bobby Frank Cherryは、教会に爆発物を設置した廉で起訴され、本年(2002年)5月22日に終身刑を云い渡されました。私は5月以前にこのTV映画を一度観ていましたので、新聞でこの男の裁判の経過が伝えられるのを興味深く読んでいました。裁判ではBobby Frank Cherryの後妻、後妻の弟、後妻の甥など数人から「教会爆破は俺がやった」と当人から聞いたという証言があったそうです。身内によって終身刑になるという、自業自得とはいえ哀れな存在です。
Part 1のあらすじでは省略しましたが、Tom Sizemoreの弟は刑務所に入っていて、親の素性が知れるにつれ黒人の囚人たちからいびられ、最後には殺されてしまいます。この弟が何の罪で服役していたか知りませんが、「親の因果が子に報い…」という文句そのままです。教会爆破の主犯として終身刑になったBob Chamblissも服役中に獄死していますが、これもひょっとしたら黒人たちの怨みによるものかも知れません。憶測ですが。
珍しい視点ではあるものの、犯罪者にまつわる物語というのは苛々し重苦しくて、終ってもスッキリしません。人種差別を告発するテーマは結構だし、CATVとしても良心的に頑張ったと思うのですが、もっと別な視点の方が良かったように思われます。
(August 13, 2002)