[Poison]

Shag

『シャグ』

【Part 2】

先ず、タイトルでびっくり。"SHAG"という太文字が南軍旗で描かれているのです(というか、文字が透けて南軍旗が見えるわけですが)。この南軍旗は、南北戦争終了後はK.K.K.を初めとする人種差別主義者(白人至上主義者)のシンボルとなっており、黒人たちが最も忌み嫌うものです。南部各州の州旗は、最近まで旗のどこかに南軍旗のバッテンのデザインを残していたのですが、それですら黒人の抗議の声が高まり、各州ともデザイン変更に追い込まれています。

この映画は1963年という時代設定ですが、この頃実は黒人による公民権運動が南部諸州で広まり、各地でデモや白人による弾圧が激しくなっていました。しかし、この映画はそうしたことには目もくれていません。南軍旗はタイトルを含めて三回脚光を浴び、南軍の行進曲"Dixie"も聞かれます。黒人はダンスバンドを除けば別荘のメイド一人しか登場せず、彼女は家のあちこちでいちゃつく白人男女を見ても顔色も変えず、ロボットのように黙々と仕事に励みます。この映画は音楽は別として、内容的には黒人に絶対に好かれないでしょう。

正直に云うと、私は'Heart of Dixie'『ハート・オブ・デキシー〜二十歳の旅立ち〜』(1989)でPhoebe Catesが気に入って'Fast Times at Ridgemont High'『初体験/リッジモント・ハイ』(1982)のDVDをレンタルし、Phoebe Catesの(おっぱい大公開の)サーヴィス精神に感動し:-)、続けてこの'Shag'をレンタルしたのです。ここではブラジャー姿しか見せてくれず、がっかり。しかし、Phoebe Catesの可愛い顔と姿態を見られるだけでも幸せでした。'Fast Times at Ridgemont High'のストーリィの馬鹿馬鹿しさに呆れていましたが、この'Shag'もいい勝負です。あちらの脳足りんな高校生の阿呆らしさとあからさまなセックス描写にくらべ、こちらはまあまあ万人向けという違いはありますが。

(July 22, 2003)





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