[Poison]

Selma, Lord, Selma
(未)


【Part 2】

一回目のEdmund Pettus橋における行進弾圧は凄まじい。町へ逃げ帰る人々を、州兵達はどこまでも追いかけるのが恐い。単なる「阻止」とか「威圧」ではなく、憎しみが篭っているわけです。

「自由」を求めるSheyannは、一足飛びに「白人用」の水飲み場を利用しようとします。すぐに白人が飛んで来て、"What are you doing, Tar-baby?"と云います。"Tar-baby"(タール・ベイビィ)は'Uncle Remus Stories'『ウサギどん、キツネどん』に出て来るもので、狐が兎を捕まえるために作ったコールタール製の人形です。タールですから真っ黒なわけです。つまり、"nigger"と同じ意味に使っていることになります。

町の白人の年配牧師は偏見の持ち主で、北部から来た青年牧師に「ここは南部だ。北部とは違う」と云い放ちます。青年牧師は行動の自由、表現の自由、言論の自由などを信じ切っていて、北部も南部も変わりはないと思っています。彼の黒人運動への参加は、K.K.K.の目には不愉快に映ります。そして、牧師Jonathanは白昼の町中で射殺されます。

二回目の州都Montgomeryへの行進はキング牧師の参加と報道陣が見守っていたことにより、強硬派の町長も暴力的弾圧を実行出来ず、バリケード撤去を命ずる。歓声と共に人々は州都を目指して歩き続ける。キング牧師の非暴力の勝利の瞬間でした。

亡くなった二名の活動家は各々地元教会で「聖人」に列せられ、彼等の命日には今でも追悼式が行なわれるそうです。

'Ruby Bridges'と同じくディズニィが製作したTV映画です。どちらも良心的に作られています。黒人の子供達にはいい学習と励ましになる映画でしょう。事実、このヴィデオはスーパーの棚にも$7.00程度で並んでいます。

(April 03, 2001)


【参照】公民権運動・史跡めぐり「Selma→Montgomery(アラバマ州)選挙権獲得をめざす大行進」




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