[Poison]

Ruby Bridges
(未)


【Part 2】

Ruby担当の女性教師の行動が美化されているのが、気になります。心理学者と合わせ、二人の白人がRubyを支えたということになっています。黒人の活動家たちは気に入らないでしょう。白人たちにはどう受け止められたのでしょうか?「この二人のように理解と勇気ある行動をせよ」というメッセージとなったのか、「あまりにヒロイックで作り物めいている」と非難されたか。

母親の影響とはいえ六歳の子の信仰心が極端なのも信じられない思いです。Rubyはイエスの教えに従い、「(彼女を罵る)白人たちを神様がお許しになるように…」と祈ったと云うのです。父も心理学者もRubyの言葉に驚くことが多く、「Rubyは偉大な先生だ」と意見が一致します。この映画のクレディット・タイトルには"Consultant...Ruby Bridges"と出ますから、この映画製作当時34歳になっていた彼女自身が噛んでいるわけで、その影響が出ているのかも知れません。

Ruby担当の教師を毛嫌いしていた小太りの女教師が次第に彼女の味方になるとか、Rubyを迎え入れても内部では共学にしない教務主任が、女教師二人に意見されて最後に反省の色を見せるとか、「どうせそうなるだろう」という予測通りに進むのが残念です。まあ、ディズニイが製作の半分を担当している映画なので、青少年にも分りやすく作ったということはあるでしょう。

Rubyの周辺だけ描いていて、ニューオーリンズ以外の地域の動向などに広がりを見せていないのも、ちと物足りない。ここらがTV映画の限界なのでしょう。

(April 02, 2001)





Copyright © 2001-2011    高野英二   (Studio BE)
Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.