[Poison] A Walk to Remember
『ウォーク・トゥ・リメンバー』

【Part 2】

この映画を予備知識無しで観ようとお考えの方は、このページを読まないで下さい。警告しましたよ。

Shane WestはMandy Mooreのために特大の天体望遠鏡を作ります。そんなものを高校生の工作で作れるというのも不思議ですが、Mandy Moore自身でさえ夜寂しい墓地まで出掛けて観察していたのに、急に彼女の庭先で問題なく星が見えるようになるというのも不思議。望遠鏡が完成した直後に、Shane Westが彗星が発見して、その彗星に彼女の名前を登録したというんですから、凄い出来過ぎ:-)。

Part 1で冥王星(Pluto)に関するシーンを紹介しましたが、2006年のアメリカ方言学会選定の流行語大賞は"Plutoed"(プルート化)でした。冥王星が惑星から除外されたように、「格下げや評価の低下」を意味する言葉として流行したのだそうです(2007年1月8日AP通信)。

私はこの映画が“難病もの”であることを知っていました。私はそのテの映画が苦手で女性主人公が肺病になる『絶唱』(1958、1966、1975)とか、女性主人公が軟骨肉腫になる『愛と死をみつめて』(1964)、同じく女性主人公が白血病と分る'Love Story'『ある愛の詩』(1970)などは観ていません。私は臆病なので、映画であろうと不治の病にかかった人を正視出来ないのです。この'A Walk to Remember'も“南部もの”でなければ観なかったでしょう。この映画では、白血病のMandy Mooreが苦しむような描写が一切無かったので救われました。【ところで、映画で難病に罹る人ってどうして女性ばかりなんです??】

病室のベッドでMandy Mooreはこう云います。「神様は私が病気だから、あなたをおつかわしになったんだわ。私が最後までやり遂げるのを助けるために…。あなたは私の天使よ」純真な娘ですなあ。

Shane Westは不治の病と分っていてMandy Mooreと結婚します。美しいウェディング・ドレス姿のMandy Moore。彼女の命が風前の灯であることを知っていると、涙無しには観られないシーンです。【最近、韓国TVドラマ『美しき日々』を観たのですが、これも白血病と知りつつ結婚するというお話でした。映画の'A Walk to Remember'をパクったのかと思いましたが、放送は映画公開の一年前となっています。1999年に出版された'A Walk to Remember'の原著を韓国ドラマがパクったという可能性は残されていますが、真相は不明です】

妻Mandy Mooreが亡くなって四年後、義父Peter Coyote(ピーター・コヨーテ)にShane Westは「奇跡が起らなくて残念でした」と云います。Peter Coyoteは「奇跡は起った。それは君だ」と感謝します。これも泣かせる台詞です。

疑問が一つ。'A Walk to Remember'という原題は「想い出の散歩」というような意味だと思いますが、映画のどこにもそんな散歩は見当たりませんでした。小説には出て来るのかも知れませんが、やはり題名になっている事柄は印象的な場面なのでしょうから、映画でも見せてほしいと思いました。

(January 10, 2007)





Copyright © 2001-2011    高野英二   (Studio BE)
Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.