[Poison] The Rainmaker
『レインメーカー』

【Part 2】

Francis Ford Coppola(フランシス・フォード・コッポラ)が監督だが、彼の名声を高めた作品の質を期待するとがっかりする。この映画は、前に紹介したスター以外にRoy Scheider(ロイ・シャイダー)、Mickey Rourke(ミッキー・ローク)、Teresa Wright(テレサ・ライト)、Dean Stockwell(ディーン・ストックウェル)…など、相当な俳優陣を配した作品であるにもかかわらず、出来栄えはTV映画とさして変わらない。

サイド・ストーリイの狂暴な夫から妻を救う物語もスッキリしない。夫とMatt Damonが殴りあいになり、Matt Damonが夫を倒す。妻の「全部私がやった。あなたはここにいなかった」という示唆で彼は現場を去り、彼女は逮捕される。ま、最後の一撃で夫を殺したのは彼女だが、全部彼女に罪をおっかぶせてしまっていいものだろうか?彼の将来の正義感に影響しないのだろうか?正当防衛とはいえ殺人なのに、彼女がすぐ保釈になるのも、随分早過ぎる。

裁判に勝ち、巨額の賠償金の1/3の手数料を期待していたら、被告の会社が破産してしまい一銭も入らない…というのは、ハッピイ・エンドを回避した今風エンディングだとは思うが、相手は保険会社なのに一銭も払えないというのも不思議だ。保険会社は、他の保険会社に保険をかけていて、そう簡単に破産しない筈なのだが。

(March 18, 2001)





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