公開：October 24, 2003
監督：Michael Tollin
地域：サウス・キャロライナ州
出演：Cuba Gooding Jr.、Ed Harris、Riley Smith、Debra Winger、Alfre Woodardほか
範疇：実話の映画化、ドラマ、知能発育不良青年とフットボール・コーチの友情、バスケットボール

私の評価 ：☆

【Part 1】

サウス・キャロライナ州。ある高校のフットボール・コーチEd Harris（エド・ハリス）は、スーパーのカートに荷物を乗せて歩く青年Cuba Gooding Jr.（チューバ・グッディング二世）を、練習場付近で何度も見かける。ある日、フェンスの外に出たフットボールをCuba Gooding Jr.が拾うが、選手に返さず持って行ってしまう。数日後、Ed HarrisはRiley Smith（ライリィ・スミス）ら選手たち数人の行動に不審なものを感じ、用具置き場の戸を開ける。そこには縛られて泣いているCuba Gooding Jr.がいた。Ed Harrisは選手たちにはお仕置きのランニングを科し、Cuba Gooding Jr.を家に送り届ける。

高校の校長Alfre Woodard（アルフリ・ウダード）は早耳で出来事を知り、「トラブルにはならないように…」とEd Harrisに釘を差す。しかし、Ed HarrisのCuba Gooding Jr.への興味は深まり、「フットボール練習場へ遊びに来い」と彼を誘う。次第にCuba Gooding Jr.はコーチ補佐、用具整理など何でも屋としてチームに溶け込む。彼が自分の名を名乗らないため、彼の無類のラジオ好きの性癖からEd Harrisらは彼を"Radio"（ラジオ）と呼び始める。

Cuba Gooding Jr.はついに試合でEd Harrisの傍らで声援を送る役を勤めるようになる。声援を送るだけならまだ良かった。Cuba Gooding Jr.は監督のクォーターバックへの指示を盗み聞き、それを大声で叫んだため、作戦が敵方に漏れるというトラブルがあった。これが契機となって、町の有力者Chris Mulkey（クリス・マルキィ）などはCuba Gooding Jr.排斥運動を始める。

Ed HarrisはCuba Gooding Jr.を教室にも入れ、彼を教育しようとする。これが教育委員会の知るところとなり、無資格でしかもハンディキャップを持つ人間が生徒と共に校内で活動することの是非が問われることとなる。

Ed Harris率いるチームはいい成績でシーズンを終了した。いまや人気者となったCuba Gooding Jr.のもとにはクリスマス・プレゼントが山ほど届く。彼はそれらを自分のものとはせず、近隣の黒人たちの家に配って歩く。

Cuba Gooding Jr.は、フットボールがオフとなったためバスケットボール・チームのために働く。花形選手Riley SmithらはCuba Gooding Jr.をからかい、チア・リーダーの女子シャワー・ルームに行くように仕向け、この出来事が問題となる。町の人々の白い目に対し、Ed Harrisの孤立無援の闘いが始まる…。

この映画ではCuba Gooding Jr.は「青年」と呼ばれる若者の役なのですが、それが不似合いでないほど若々しく演じています。"Radio"の本名はJames Robert Kennedy（ジェイムズ・ロバート・ケネディ）だというのが微笑ましい。

Ed Harrisは好人物を好演。彼の妻を演ずるDebra Winger（デブラ・ウインガー）は、夫Ed Harrisが糾弾される集会で、夫のスピーチに耳を傾けるシーンが素晴らしい。もし安っぽい演出・演技だと、ここでは夫を誇らしく見つめるとか、夫を信頼する表情で聴衆を眺めるてなことになるところですが、Debra Wingerは夫の真剣な話を真剣に聞くという演技で通しています。感心しました。Ed Harrisの娘を演じるSarah Drew（サラ・ドリュー）も可憐で可愛い。

Cuba Gooding Jr.の母を演じるS. Epatha Merkerson（S・イパサ・マーカースン）も存在感ある演技。声もいい。ブロードウェイで鍛えた役者だそうです。

フットボールの試合運びの撮影・編集がダイナミック。もっと増やしてほしいぐらい。

(October 29, 2003)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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